JP6027086B2 - 電子常磁性共鳴におけるアクティブな複数の電子スピン信号の分離 - Google Patents

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Description

本発明は、電子常磁性共鳴の磁場に関する。より特に、本発明は、電子常磁性共鳴スペクトロスコピーのための方法及びシステム並びにそれらに基づくイメージング(画像化)に関する。
電子常磁性共鳴(EPR)は、核磁気共鳴(NMR)において使用される物理的概念に類似した物理的概念に基づく物質の分光分析を可能とする。NMRは非ゼロスピンを有する核種を含む物質の分析を可能とする一方で、EPRは少なくとも1つの不対電子を有する化学物質を含む物質に対して唯一適用できる。NMRは水及び炭化水素内に豊富に存在する水素原子を含む物質の分析において特に有用であることが判明されている。またさらに、異なる組織における水の密度並びに複雑なスピン−スピン及びスピン−格子相互作用によって生じる繊細なコントラストのため、NMRに基づくイメージング技術である磁気共鳴イメージング(MRI)は、医療診断では貴重な道具である。
一方、ほとんどの安定した化学合成物におけるすべての電子はペアを形成するために、EPRは過去ではほとんど適用されなかった。
Yamada, Murugesan et al., Journal of Magnetic Resonance 154 (2002) 287
しかしながら、EPRの強度はその高い特異性にある。EPRは組織におけるフリーラジカルの検出及びイメージングのために容易に使用されるが、特定のスピン標識生体トレーサ分子の発展が生物学及び医学における多様な生理学的機能の分析のために、特にEPRベースのイメージング技術の使用であるEPRの使用のための機会をもたらした。これが、従来の手段によって研究されない生体機構に対して特異的である新しいトレーサのためかつ放射性核種によって生じるインプライド放射線照射なしに核医学で使用されるトレーサに代わるもののためへの道を開く。
典型的に、EPRは、5mTから1.25Tもしくはそれ以上のDC磁場を用いて非ゼロ電子スピンを有する粒子の磁場偏向を発生させる。狭帯域の無線周波数波は、磁化を摂動し共鳴を生じさせるように使用される。ラーモア歳差運動周波数といわれる共鳴が発生する周波数は、印加された磁場強度及び特定物質特性に依存し、低い磁場強度に対する200MHzから強い磁場に対する35GHz以上までの範囲に及ぶことができる。
(30mT未満の)低い磁場の(1GHz未満の)低周波数の領域は、組織における減少された誘電損失のために、生物学及び医学における応用に対して特に興味のある領域である。
非特許文献1では、ヤマダ及びムルゲサンらは、EPR分光分析及びイメージング、すなわち、連続波EPR(CW−EPR)及びパルスEPRのための2つの一般的に使用される技術を比較している。
CW−EPRは、長期のRF励起波照射及び共鳴空洞もしくは複合共振器の使用によって特徴付けられる。共振器とRFソースとの間のインピーダンス整合は、EPRの間接的な検出を可能とする。電子共鳴が発生すると、共振器のインピーダンスが変わり、EPR信号は信号吸収における変化から推測される。典型的に、一定の周波数RF励起と組み合わせた磁場スイープはEPRスペクトルを取得するように使用される。CW−EPRは、より長い捕捉時間を必要とするかもしれず、それ故に動きアーチファクトに対する影響をより受けやすくなるかもしれない。CW−EPRに基づくイメージング技術は、比較的低い分解能及び低い感度を提供し、磁場変調、出力飽和及び動きに関連する多様なアーチファクトを示すことができる。
一方、パルスEPRは、より高い感度、より高い分解能、より少ないアーチファクト及びより低い捕捉時間を提供する。パルスEPRでは、短い強いRF励起パルスが狭い周波数帯域においてスピンを同時に励起するように使用され、次にインパルス応答の検出に続く。共振器条件は、CW−EPRと比較すると、パルスEPRとかなり異なる。パルスEPRに使用される共振器は、磁場変換特性に対する十分なRF電力と、EPR信号の応答時間よりも短いリカバリー時間とを持つべきである。これらの条件はお互いに矛盾し、パルスEPRの適合性を狭い線幅を有しそれ故に長い緩和時間を有する常磁性粒子によって放射される信号に制限する。その理由は、広い線幅粒子が極めて短い共振器リカバリー時間を必要とするであろうからである。しかしながら、多くの一般的に使用されるスピンプローブ、もしくは非ゼロスピン条件を満たす他の実行可能なスピンプローブは、広い線幅を有する。
本発明の実施態様の目的は、電子常磁性共鳴に対して十分な方法及びシステムを提供することにある。
常磁性粒子の電子スピンのアクティブ信号がコモンモード信号から分離されることが本発明に係る実施態様の利点である。コモンモード信号は、RF励起波、テスト用オブジェクトにおける吸収、及び常磁性粒子の存在上でのアンテナセットアップの依存性からの寄与を含むことができる。
方法及びシステムは、広い線幅スピンプローブを用いてでさえも十分な検出感度及びイメージング品質を結合するステップを備えることが本発明に係る実施態様の利点である。
アクティブ信号はRF励起波を放出する間に検出されたコモンモード信号から分離されることが本発明に係る実施態様の利点である。
例えば磁性ナノ粒子(MNP)などの広い線幅を有しそれ故に短い緩和時間T2を有する常磁性粒子の電子スピンのアクティブ信号が分離されることが本発明に係る実施態様の利点である。
高速かつ正確なイメージング及び/又は容積測定のイメージングは、常磁性粒子の常磁性共鳴を検出することに基づくイメージング技術を用いて取得されることが発明に係る実施態様の利点である。
検出された信号は測定デバイスの動的範囲を超えて増幅され、それ故にアクティブ信号の正確な測定値を取得できることが本発明に係る実施態様の利点である。後者は選択的にサンプリングすることによって取得されることが本発明の少なくともいくつかの実施態様の利点である。
十分な検出がRF磁場発生器及び検出ユニットの有利な配置を用いて取得されることが本発明に係る実施態様の利点である。送信アンテナ及び受信アンテナが最大限に分離される配置が使用され、それ故に改善されたアンテナ構成を結果として生じさせることが本発明に係る実施態様の利点である。
上述した目的は、本発明に係る方法及びデバイスによって実現される。
テスト用オブジェクトに対する電子常磁性共鳴を実行するためのシステムであって、当該システムは、上記テスト用オブジェクトの磁化を配向させるための配向磁場を発生させるように構成される第1の磁場発生器と、所定の周波数でRF励起波を発生させて上記テスト用オブジェクトにおいて電子常磁性共鳴(EPR)を発生させるように構成される第2の磁場発生器と、上記テスト用オブジェクトによって放出される上記EPR信号を検出するように構成される検出ユニットと、上記検出ユニットに対する上記配向磁場の異なる相対配向を用いて取得されるEPR信号を検出して結合できるように、上記検出ユニットに対して上記第1の磁場発生器によって誘導される上記配向磁場の上記相対配向を制御するように構成される制御ユニットとを備える。
上記システムは、上記検出ユニットに対する上記配向磁場の異なる相対配向を用いて取得された上記検出された複数のEPR信号を結合させるようにプログラミングされた処理ユニットをさらに備えてもよい。結合された信号において、オブジェクトにおける磁性粒子の電子スピンのアクティブ信号の寄与が直接的に検出されることが本発明に係る実施態様の利点である。
上記制御ユニットはさらに、上記配向磁場及び上記検出ユニットの上記相対配向を変更するタイミング並びに上記RF励起及び検出のタイミングを制御するように構成されてもよい。配向磁場と検出ユニットとの異なる相対配向に対して検出することによって、例えば空洞などの周囲のものの寄与が回避されることが本発明に係る実施態様の利点である。
上記制御ユニットはさらに、検出が上記配向磁場の少なくとも2つの相対配向に対して実行されるように、上記相対配向を制御するように構成され、上記配向磁場は異なる符号を有してもよい。
上記制御ユニットは、検出が実質的に対向する上記配向磁場の少なくとも2つの相対配向に対して実行されるように、上記相対配向を制御するように構成されてもよい。
上記第1の磁場発生器は、切替可能な極性を有する直流電源に接続される少なくとも1つの電磁コイルを備えてもよく、上記制御ユニットは、上記少なくとも1つの電磁コイルによって誘導される上記磁場の配向を変更するように上記直流電源の上記極性を切り替えるように構成されてもよい。本発明の一実施態様の容易な実施を制御ユニットと組み合わせて従来の電磁石に基づいて行うことができることが本発明に係る実施態様の利点である。
上記システムはまたさらに、上記誘導された配向磁場と上記検出ユニットとの上記相対配向を変更させるために、上記第1の磁場発生器と上記検出ユニットとの間の相対位置を変更するための位置決め手段を備えてもよい。第1の磁場発生器もしくは検出ユニットを機械的に回転させることによって相対配向における差が取得されることが本発明に係るいくつかの実施態様の利点である。
相対位置を変更するための上記位置決め手段は、上記検出ユニットを回転させるように構成されてもよい。検出ユニットを回転させることにより、検出ユニットの検出コイルのアンサンブル、第2の磁場発生器のコイル、及びオブジェクトを回転させてもよい。
相対位置を変更するための上記位置決め手段は、上記第1の磁場発生器を回転させるように構成されてもよい。これがより感度の高い構成要素の回転を回避するので、第1の磁場発生器が回転されることが本発明に係る実施態様の利点である。
上記制御ユニットは、上記EPR信号の検出の間に上記検出ユニットに対して上記第1の磁場発生器によって誘導された上記配向磁場の上記相対配向の連続的な変化を提供するように構成されてもよい。配向磁場を連続的に変化させることにより、平均化の母集団の数を増加させることができそれ故にシステムの感度をさらに増大させることができることが実施態様の利点である。一実施態様では、配向磁場は、例えば10kHzなどの特定の周波数で+10mTと−10mTと交互にできる。
上記検出ユニットは、第1の実質的に円形の伝導ループを備え、上記第2の磁場発生器は、第2の実質的に円形の伝導ループを備えてもよく、上記第1のループと上記第2のループとは実質的に直交する。励起信号の直接的なフィードスルーが最小となるように、送信ループと分離ループとの間の分離は最大となるべきである。ここで、本発明に係る実施態様において、実質的に直交する検出ユニットと第2の磁場発生器とが参照され、これは検出ユニット及び第2の磁場発生器で使用されるアンテナにおける非対称性を補償するために、直交のみならずわずかに直交から逸脱することを含んでもよい。その理由は、例えばこれらは完全に閉じられたループではなく、整合する電子機器を考慮するからである。励起と検出とが完全に分離されるように検出ユニットと第2の磁場発生器とが配置されることが本発明に係る実施態様の利点である。
上記第2の磁場発生器は、パルスRF励起波を発生させるように構成されてもよい。
上記第2の磁場発生器は、連続的なRF励起波を発生させるように構成されてもよい。
上記処理ユニットは、上記複数の信号の少なくとも1つの振幅が所定のしきい値よりも小さい時間期間の間において上記配向磁場の異なる配向を用いて取得された上記検出された複数の電磁信号の測定値を結合させるように構成されてもよい。検出された複数の電磁信号の選択的なサンプリングによって、取得された結果の感度を例えば高いもしくは最適化されるなど十分とできることが本発明に係る実施態様の利点である。それ故に、増幅が検出ユニットの動的範囲を超えて改善されてもよい。
上記システムは、イメージング及び/又は容積測定のイメージング目的のために構成される複数の付加的な磁場傾斜発生器を備えてもよい。
上記処理ユニットは、上記テスト用オブジェクトの画像及び/又は容積測定画像の形式で上記検出された複数の電磁信号を結合するように構成されてもよい。
本発明はまた、電子常磁性共鳴を実行するための方法に関し、当該方法は、検出ユニットを参照して初期配向における配向磁場をテスト用オブジェクトに印加するステップと、電磁励起波を発生させることによって上記テスト用オブジェクトにおける常磁性粒子の電子スピンを励起した後、上記検出ユニットにおける上記テスト用オブジェクトによって放出される複数の電磁信号を検出するステップと、上記配向磁場と上記検出のための手段との上記相対配向を実質的に変更するステップの後、上記励起ステップと上記検出ステップとを反復するステップと、上記配向磁場の上記異なる配向を用いて取得される検出された複数の電磁信号を結合するステップとを含む。
代替例として、本発明はまた、電子常磁性共鳴を実行するための方法に関してもよく、当該方法は、検出ユニットを参照して初期配向における配向磁場が印加されかつオブジェクトにおける常磁性粒子の電子スピンが電磁励起波の発生によって励起されたテスト用オブジェクトによって放出される複数の電磁信号を検出するステップと、配向磁場と検出のための手段との相対配向を実質的に変更した後にかつオブジェクトにおける常磁性粒子の電子スピンが電磁励起波の発生によって励起された後にテスト用オブジェクトによって放出される複数の電磁信号を検出することを反復するステップと、配向磁場の異なる配向を用いて取得される検出された複数の電磁信号を結合するステップとを含んでもよい。
上記結合するステップは、上記複数の信号の少なくとも1つの振幅が所定のしきい値よりも小さい時間期間の間において上記複数の信号の測定値を結合することを含んでもよい。それ故に、増幅が検出ユニットの動的範囲を超えて改善されてもよい。
上記励起ステップと上記検出ステップとが反復されてもよく、各反復においてイメージング及び/又は容積測定イメージング目的のために磁場傾斜を印加する。
上記結合するステップは、上記テスト用オブジェクトの画像及び/又は容積測定画像表現の発生を含んでもよい。
またさらに、制御ユニットは、配向磁場の関数として処理ユニットをトリガーするように構成されてもよい。
本発明はまた、上記方法によって取得される画像もしくは容積測定画像に関する。
本発明はまた、コンピュータプログラム製品に関し、もし処理ユニットに実装されれば、上記方法を実行する。
またさらに、本発明は、そのようなコンピュータプログラム製品を備えるデータ記憶媒体に関し、そのようなコンピュータプログラム製品のネットワークを介する送信に関する。
本発明の特定のかつ好ましい態様が添付の独立項及び従属項において説明される。請求項において単に明白に説明されるだけでなく適切に説明されたとして、従属項からの特徴は独立項の特徴と組み合わされてもよく、他の従属項の特徴と組み合わされてもよい。本発明のこれらの態様及び他の態様は、後述される1つもしくは複数の実施形態から明らかにされかつ当該1つもしくは複数の実施形態を参照して説明されるであろう。
図面は単に概略だけであって限定するものではない。図面では、例示目的のために、いくつかの要素の大きさは誇大されてスケール上で描画されなくてもよい。
特許請求の範囲中の任意の参照符号は範囲を制限するとして解釈されるべきではない。
異なる図面では、同一の参照符号は同一のもしくは類似の要素に言及する。
本発明の実施形態に係る、異なる配向を有する印加された配向磁場を用いて続けて電子常磁性共鳴を実行するためのシステムの全体図を提供する。 本発明に係る実施形態において使用される、印加された配向磁場の異なる配向の関数として電子スピンの磁化を例示する。 本発明に係る実施形態において使用される、RF励起波と組み合わせて異なる配向で磁場を配向させることによって影響された電子スピンの磁化を例示する。 本発明に係る実施形態を用いて取得された、対向する配向を有する印加された配向磁場のみならずスピン寄与を示す結合された測定信号に対して取得された測定信号を例示する。 本発明に係る実施形態を用いて取得された、対向する配向を有する配向磁場の影響下での測定に基づく処理された信号における電子スピン寄与を例示する。 本発明の実施形態に係る、異なる配向を有する配向磁場を用いて電子常磁性共鳴特性を実行するための例示的な方法を例示する。 本発明の実施形態に係る方法を用いて、磁場強度の関数として測定された結果を例示する。 本発明の実施形態に係るアンテナセットアップにおけるサンプルの電子スピンのスピン応答を例示し、ここで、応答はアンテナセットアップの中心点までの距離の関数として例示される。
本発明は、特定の実施形態に関しかつ特定の図面を参照して説明されるであろうが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲だけによって限定される。説明される図面は概略だけであり、限定されない。図面において、例示的な目的のために、いくつかの要素のサイズは誇大されてスケール上で描画されなくてもよい。寸法及び相対寸法は、本発明の実際の実施化には対応しない。
またさらに、明細書中及び特許請求の範囲中の例えば第1、第2などの用語は同様の要素間を区別するために使用され、必ずしも時間的、空間的なランキングでの順序もしくは任意の他の方法での順序を説明するために使用されない。理解すべきことは、そのように使用された用語は適切な環境のもとで互いに交換可能であり、ここで説明された本発明の実施形態はここで説明もしくは例示された以外の順序での動作が可能である、ということである。
さらに、明細書中及び特許請求の範囲中の例えば上、下などの用語は、説明するための目的のために使用され、必ずしも相対位置を説明するために使用されない。理解すべきことは、そのように使用された用語は適切な環境のもとで互いに交換可能であり、ここで説明された本発明の実施形態はここで説明もしくは例示された以外の方向での動作が可能である、ということである。
留意すべきことは、特許請求の範囲で使用される「備える」という用語は、その後に挙げられた手段に制限されるとして解釈されるべきでなく、それは他の要素もしくはステップを除外しない、ということである。それ故に、言及された決まった特徴、整数、ステップもしくは構成要素の存在を特定すべきとして解釈されるべきであるが、1つもしくはそれ以上の他の特徴、整数、ステップもしくは構成要素、またはそれらのグループの存在もしくは付加を除外するとして解釈されるべきでない。従って、「手段Aと手段Bとを備えたデバイス」という表現の範囲は、構成要素A及び構成要素Bだけで構成されるデバイスに限定されるべきでない。本発明に関し、それはデバイスの唯一の関連した構成要素がA及びBであることを意味する。
この明細書を通して、「1つの実施形態」もしくは「ある実施形態」に対する参照は、当該実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造もしくは特性は、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、この明細書中の種々の場所での「1つの実施形態において」もしくは「ある実施形態において」というフレーズの出現は、必ずしも同一の実施形態に言及しているわけではないが、同一の実施形態に言及してもよい。またさらに、この開示から当業者には明らかであろうように、1つもしくはそれ以上の実施形態における特定の特徴、構造もしくは特性は、任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
同様に、認識されるべきことは、本発明の例示的な実施形態の説明において、本発明の種々の特徴は、開示を合理化しかつ1つもしくはそれ以上の種々の発明の態様の理解を助けるために、1つの実施形態、図面もしくはそれらの説明において時々一緒にグルーピングされる、ということである。しかしながら、開示のこの方法は、特許請求の範囲に係る発明は、各請求項に明示的に列挙されたというよりむしろ特徴を要求するという意図を示すとして解釈されるべきでない。むしろ、添付の特許請求の範囲が示すように、発明の態様は、上述された開示された単一の実施態様のすべての特徴よりも少ない。それ故に、各請求項がこの発明とは別の実施形態としてそのまま存在し、詳細な説明の後に添付された特許請求の範囲がこの詳細な説明においてここで明示的に組み込まれる。
またさらに、ここで説明されたいくつかの実施形態は、他の実施形態において含まれたいくつかの特徴を含むが、他の特徴は含まない一方で、当業者によって理解されるであろうように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内で異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲は、任意のクレーム化された実施形態は、任意の組み合わせで使用される。
ここで提供された説明において、多数の特定の詳細が説明される。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの特定の詳細事項なしに実施されてもよい、ということが理解される。他の例において、この説明の理解を曖昧にしないように周知な方法、構造及び技術については詳細には示していない。
本発明の実施形態では、常磁性特性を示す粒子を含むテスト用オブジェクトについての情報を収集するための方法及びシステムが提供される。これらの粒子は、例えば投与すること、混合すること、注入することなどによる任意の適切な方法で導入されてもよい。
ここで、本発明に係る実施形態において、配向磁場が参照され、テスト用粒子の磁化の配向を誘導する磁場が参照される。そのような配向磁場は、従来のEPR測定におけるテスト用粒子の磁化を配向するために典型的に使用される静的磁場に対応する。それにもかかわらず、本発明の実施形態におけるように、テスト用粒子の磁化を配向するために使用される磁場の配向は、十分な検出信号を取得するために変更され、本発明の実施形態では、この磁場を配向磁場という。
ここで、本発明の実施形態において、テスト用オブジェクトにおいて電子常磁性共鳴(EPR)を発生させる周波数でのRF励起波が参照され、60MHzと500MHzとの間のオーダでの周波数を典型的に有するRF励起波が参照される。励起波はパルス波もしくは連続波であってもよい。スピンの効果は励起波の電力の増加とともに増加する。パルスモードでは、例えば200Wまでなどのより大きな電力がパルスの間にシステムに加えられてもよい。
ここで、本発明の実施形態において、信号の結合が参照され、検出されたEPR信号を表すデータの数学的結合が参照される。従って、数学的結合は加算を含むが、また例えば検出されたEPR信号に対応するデータの線形結合を決定するなどの任意の他の適切な数学的処理も含む。
ここで、本発明の実施形態において、ナノ粒子という用語が使用され、例えば直径が1nmから1000nmの範囲などの限界寸法を有する粒子が参照される。多数の実施形態に対しては、粒子のサイズが提供された範囲内となるようにさらに特定される。ナノ粒子もしくは磁性ナノ粒子は、単一のドメイン粒子であってもよい。
ここで、本発明の実施形態において、広い線幅を有する磁性粒子が参照され、例えば3MHzから400MHzまでの範囲内などの3MHzもしくはそれ以上の線幅が参照されてもよい。例えば中心線周波数の5%よりも大きい半値全幅FWHM、中心線周波数の10%よりも大きい半値全幅FWHM、または中心線周波数の20%よりも大きい半値全幅FWHMなどの線幅を有する粒子が参照されてもよい。留意すべきことは、本発明の実施形態は狭い線幅を有するスピン系を含む任意の線幅を有するスピン系に適用されこれには限定されないのだが、本発明の実施形態は広い線幅を有するスピン系に有利に適用される、ということである。
ここで、本発明に係る実施形態において、テスト用オブジェクトが参照され、そのようなオブジェクトは、生きていないオブジェクトであってもよいし、もしくは生きているオブジェクトであってもよい。いくつかの実施形態では、本発明はこれに限定されないのだが、オブジェクトは、例えば動物もしくは人間の体などの生きている生き物の体であってもよい。本発明の実施形態に係るテスト用オブジェクトは、常磁性オブジェクトである。本発明の実施形態はまた、例えば常磁性オブジェクトに関連付けられた細胞の定量化のためなどの体外の試験に使用される。本発明の実施形態は、高感度及び高精度で常磁性オブジェクトを定量化することを可能とする。適用の例は、3Dイメージングに対する純粋な定量化を含む。テスト用オブジェクトは、自然のままの常磁性オブジェクトであってもよいし、例えば常磁性ナノ粒子などの常磁性粒子などを例えば投与するなどによりオブジェクトに追加することによって少なくとも部分的に常磁性の状態としてもよい。テスト用オブジェクトの電子常磁性共鳴を検出するために、投与するステップは、本発明の実施形態に係る方法の適用の前に実行されてもよい。
ここで、本発明に係る方法の実施形態において、テスト用オブジェクトと1つもしくはそれ以上の発生された磁場との間の相互作用が参照され、オブジェクトと磁場もしくはRFエネルギーとの間の相互作用は、方法の一部でなくてもよい。従って、本発明に係る方法の実施形態は、相互作用のときに検出するステップもしくは磁場を発生し相互作用のときに検出するステップだけを含んでもよい。
第1の態様では、本発明はテスト用オブジェクトに対して電子常磁性共鳴を実行するためのシステムに関する。本発明に係る実施形態は、例えば広い線幅を有する常磁性粒子を検出するためなどのすべてのタイプの電子常磁性共鳴(EPR)検出に対して使用されるが、本発明の実施形態はこれに限らない。本発明の実施形態によれば、システムはテスト用オブジェクトの磁化を配向するための配向磁場を発生させるように構成される第1の磁場発生器と、所定の周波数でRF励起波を発生させてテスト用オブジェクトにおいて電子常磁性共鳴(EPR)を発生させるように構成される第2の磁場発生器とを備える。またさらに、システムは、テスト用オブジェクトによって放出されたEPR信号を検出するように構成される検出ユニットと、検出ユニットに対して第1の磁場発生器によって誘導された配向磁場の相対配向を制御するように構成される制御ユニットとを備える。またさらに、検出ユニットに対する配向磁場の異なる相対配向を用いて得られた検出されたEPRを結合するためにプログラミングされた処理ユニットが存在する。例示のために、本発明の実施形態はこれに限定されないが、電子常磁性共鳴を検出するためのシステムの標準的かつ選択的な構成要素が図1を参照してさらに詳細に説明されるであろう。図1では、EPRを実行するための例示的なシステム100が図示される。それは、配向磁場107をテスト用オブジェクト101に印加するように構成される第1の磁場発生器110を備える。そのような配向磁場は、テスト用オブジェクト、すなわち常磁性粒子もしくはその中に含まれた一部の磁化の配向を可能とする外部からの磁場である。第1の磁場発生器は、1つもしくはそれ以上の永久磁石または1つもしくはそれ以上の電子磁石を備えてもよい。印加されてもよい典型的な磁場強度は、0mT〜50mTの範囲内であってもよい。本発明の実施形態によれば、例えば検出の方向に対するなどの検出ユニットに対する配向磁場の相対配向は変更可能である。本発明の一実施形態では、これが(破線矢印の)配向磁場107の配向を変更する能力を有する第1の磁場発生器110自身によって得られる。上記磁場発生器は、例えば切替可能な極性などの変更可能な電流供給を有する電源108に接続された電磁コイル102もしくは当該電磁コイル102のセットを備えてもよい。典型的には、テスト用オブジェクト101は、第1の磁場発生器110によって誘導された磁場の十分に均一な磁場の領域に設置されてもよい。そのような十分な均一性は、例えば200ppmもしくはそれ以下の範囲内であってもよい。サンプル位置は、電磁コイル102によって囲まれた容積内に存在してもよい。
相対配向を変更するための他の可能性は、さらに以下に例示されるように、1つもしくはそれ以上の構成要素の機械的な置き換えを含んでもよい。またさらに、システムは、テスト用オブジェクト101における電子常磁性共鳴(EPR)を発生させるための周波数において無線周波数(RF)励起波を発生させるように構成される第2の磁場発生器106を備える。典型的に、励起周波数は、60MHzと500MHzとの間の範囲内であってもよい。第2の磁場発生器106は、例えばコイル、直列もしくは並列の複数のループの構成、または螺線などであってもよいアンテナ(104)を備える。条件によって、実施形態は、連続的なRF励起波を発生させるように構成されるかもしくはパルスRF励起波を発生させるように構成される第2の磁場発生器106を備えてもよい。言い換えると、連続波励起のみならずパルス励起がまた印加される。両方に対して、励起パルスの間に測定することが実行される。パルス測定の利点は、SAR(比吸収率)が低下されそれ故に例えば身体/組織などのオブジェクトの発熱を防止することができる、ということである。例えば、変更する正及び負の静的磁場を測定するとき、RF励起は、静的磁場が設定され特定の位置で安定したときだけに印加されてもよい。いくつかの実施形態では、励起は一連のパルスを用いた励起であってもよい。
また、システムは、励起のときにテスト用オブジェクト101によって放出されたEPR信号を検出するように構成される検出ユニット105を備える。本発明の実施形態によれば、検出は一連のパルスによって誘導されたエコー応答の検出を含んでもよい。本発明の実施形態は、励起パルスの間に測定するとき、(一連の励起パルスの後のスピンからのエコー信号を測定するための)励起パルスの後に測定するとき、またはCWモードで測定するときに測定された信号からスピン信号を分離するように使用される。これはすべての種類のパルスシーケンスに対して適用される。
また、システム100は、第1の磁場発生器110によって誘導された配向磁場107の相対配向を制御するように構成される制御ユニット111を備える。制御ユニット111によって提供された制御信号は、配向磁場の相対配向を変更するための駆動方法に対応させてもよい。その一例は、DC電源を制御しそれ故に第1の磁場発生器の1つもしくはそれ以上の電磁コイルに流れる電流を制御しそれ故に第1の磁場発生器によって誘導された電磁場を制御するための制御信号であってもよい。一実施形態では、単一コイルに流れる電流は、大きさにおいて維持されるが符号において切り替えられ、その結果、逆の配向磁場が誘導される。制御の他の例は、例えば2つのコイルが直交して位置されるなどの変形例であってもよく、結果として生じる配向磁場の配向での連続的な変化が得られるようにコイルに流れる電流が変更される。さらに、更なる例は、異なる電磁コイルが提供され、異なる電磁コイルにおける電流の後に続くもしくは交互に結合された供給であってもよく、その結果、配向磁場を変更することが引き起こされる。他の実施形態では、制御信号は、システムの1つもしくはそれ以上の構成要素の移動を制御するように構成されてもよい。例えば、制御ユニットは、第1の磁場発生器110と検出ユニット105との間の相対位置を変更するための位置決め手段を制御するように使用されてもよい。相対位置を変更することによって、再度、誘導された配向磁場と検出ユニットとの変更された相対配向が得られる。一実施形態では、制御ユニット111は、検出ユニットの位置を制御するように構成され、第1の磁場発生器に対する検出ユニットの位置を切り替えてもよい。例えば、位置決め手段は、サンプルと検出ユニット101,103及び104のアンテナと第1の磁場発生器に対する第2の磁場発生器との組み合わせを回転させる回転システムであってもよい。配向磁場の配向の代わりの制御のもう1つの例は、制御ユニットが第1の磁場発生器110の位置を変更するための位置決め手段を制御するように構成されるシステムであってもよい。例えば、位置決め手段は、第1の磁場発生器を回転させるための回転システムであってもよい。配向磁場の元の位置は、z軸に沿って存在する。磁場がx軸もしくはy軸もしくはそれらの組み合わせの周りを回転するように第1の磁場発生器を回転してもよい。
さらに、上記実施形態は、上記極性反転、RF励起、EPR検出及び/又は結合のタイミングを制御するように構成される制御ユニット111を備えてもよい。システム100はまた、偏向磁場107の異なる配向を用いて得られた検出された信号を結合するための処理ユニット109を備える。本発明に係る実施形態における処理ユニット109は、測定値の加算もしくは減算または偏向磁場107の異なる配向を用いて得られた検出された信号の例えば線形結合などの他の結合を提供するように構成されてもよい。
例示のために、本発明の実施形態はこれらに限定されないが、検出ユニットの配向を参照して配向磁場の異なる配向を用いた測定の多数の例を以下に説明する。
第1の例では、本質的に2つの測定が結合され、それによって、第1の測定の間に配向磁場は第1の検出に従い、第2の測定において、配向磁場は反対方向であるが同一の大きさを有する。言い換えると、2つの測定の間に、配向磁場の符号は変更される。そのような反転配向は、例えば、永久磁場を第1の磁場発生器として180度だけ回転させることによってもしくは検出ユニットを180度だけ回転させることによって、電流量を保持しつつ電流の方向を反転するようにして、電磁コイルを用いて得られる。
例示のために、本発明の実施形態はこれに限定されないが、本発明の少なくともいくつかの実施形態の特徴及び利点が、以下の数学的考察から理解される。理解されるべきことは、使用された数学的定式化または使用された如何なる近似もしくは考慮されない如何なる寄与も、本発明の実施形態を限定する可能性があるとは考えられない、ということである。
配向磁場の角度θを用いて測定されたデータを演算子Vout(θ)で表すと仮定すると、演算子feedthrough(θ)は励起信号の測定されたデータに対する寄与を表し、演算子effect(θ)はスピンの寄与を表す。対向する配向磁場を用いることの効果が以下に示される。
対向する配向磁場に対して、2つの測定結果が以下に示される。
Figure 0006027086
従って、結合された効果は以下の結果となる。
Figure 0006027086
以上から分かるように、励起信号の測定されたデータに対する寄与は除去され、ノイズを減少させることができる。得られたノイズの減少は、以下の考察によって示される。すなわち、感度が配向磁場の周波数を増加させることによって改善され、結果としてノイズ減少が得られる。fを配向磁場の大きさとして、測定されたデータを演算子Vout(f)で表すと仮定すると、磁場はz軸に沿って配向される。次式のように2つの対向する磁場の測定値を減算することによって、上述した方法と同様の方法で効果は分離される。
Figure 0006027086
本実施例における実際の測定のために、配向磁場fの大きさは10mTに等しい。磁場がセットアップの周りのヘルムホルツコイルを用いて印加される。最大値10mTであり最小値−10mTとして有する磁場を正弦波で発生して、コイルを流れる電流が変化される。最大値もしくは最小値に到達する毎に、新しい測定の開始がトリガーされる。次に、ノイズは、多数の測定値を次式のように平均化することによって減少される。
Figure 0006027086
平均化はプロセッサにおいてリアルタイムで実行され、本実施例ではFPGAを用いて実行され、±10mTにおける磁場トリガーによってトリガーされる。
測定間の時間を減少させることによって、ノイズが減少されることが実験的に示された。平均化の同一の量に対してかつ同一のセットアップを用いて、バッググラウンド測定に対するノイズレベルが以下の表で示され、ノイズレベルがより高い周波数に対して減少されることが示される。
Figure 0006027086
これは1Hzでの測定と200Hzでの測定との間で感度が25倍だけ改善されることを意味する。ここで上述したように、例えば配向磁場トリガーによってトリガーされるFPGAを用いるなどの受信データのリアルタイムの処理によって、ノイズを以下の処理を用いて減少させることができる。
Figure 0006027086
これによって、測定されたデータから効果を抽出することが正確に実行され、それ故にnだけ増加することによってノイズを減少させる。
さらに、フィードスルー信号における変化を考慮するために、付加的に以下の処理を実行することができる。
Figure 0006027086
例示のために、図7は、z軸に沿った配向磁場の正弦波の変化の間に測定された効果に対する磁場強度の効果を例示する。14個の磁場強度に対して、Vout(f)はFPGAによって測定され処理される。測定された効果は磁場強度の関数として例示される。
さらにもう1つの例では、測定が連続的に実行される一方で配向磁場を連続的に回転させる。このように、検出された信号の統合は配向磁場の実質的にすべての配向に対して検出結果をもたらす。その結果隣接する効果の寄与が除去される。測定速度は、異なる印加された静的磁場に対して連続的に測定することによって増加される。特定の速度で静的磁場を回転させると、測定された効果は同一の周波数で変化するであろう。特にその周波数で変化する効果を探すことによってノイズは減少され、この周波数周辺を帯域通過することが可能となる。配向磁場の種々の配向は、例えば電流が変化される2つが直交して位置決めされたコイルもしくは直交して位置決めされたヘルムホルツコイルの組み合わせなどを用いて、検出ユニットの周りに第1の磁場発生器を連続的に回転させることによって、第1の磁場発生器の周りに検出ユニットを連続的に回転させることによって、または第1の磁場発生器によって発生された磁場の配向を連続的に変化させることによって得られてもよい。その結果、結合された効果は連続的に変化する配向磁場である。
さらにもう1つの例では、結合はそれぞれが120度の角度により間隔が空けられた3つの異なる相対配向からなる。また、これらの異なる相対配向に対して取得された検出された結果の線形結合を取得することにより、実際のスピン寄与からの隣接する効果を除去することが可能となる。例えば、そのような3つの配向における磁場を配向することは、異なるコイルを用いて、または検出ユニットに対して永久磁石を回転させることによってもしくは第1の磁場発生器に対して検出ユニットを回転させることによって取得されてもよい。
測定された寄与を評価するために、留意すべきことは、z軸に対する磁化の投影が励起RFパルスによって傾斜されるであろう、ということである。もし配向磁場がz軸に沿って存在しなければ、それ故に磁化の投影はより小さいであろう。磁化の傾斜の後に、y軸に対する投影は、受信アンテナによって測定された効果の大きさに対する尺度となろう。傾斜角それ自身は、例えば両方の比が重大な役割を担うかもしれない緩和時間T1,T2などの粒子特性に依存する。
留意すべきことは、例えば計算もしくは試験及び既知のサンプルの誤差もしくはベンチマーキングなどに基づいて、配向磁場の特定の配向のみならず対応する検出結果の最適な組み合わせが選択される、ということである。
さらに例示のために、本発明の実施形態はこれに限定されないが、多数の特定の実施形態がさらに以下に説明されるであろう。
1つの特定の実施形態は、上述したシステムを説明する。ここで、第2の磁場発生器106及び検出ユニット105はそれぞれ、実質的に円形伝導ループ103,104を備える。従って、伝導ループは1つのループが他のループに収まるように存在する。そのような構成において、送信アンテナとして役目を果たす伝導ループ104は、検出アンテナとして役目を果たす伝導ループ103から遮蔽される。送信/検出分離結果を増加させることは、結果としてより小さい検出された全部の信号をもたらしそれ故に信号比に対するより大きな影響をもたらす。そのようなアンテナ構成は、これには限定されないが、2つの円形ループから構成されてもよい。異なる幾何学的構成が可能であってもよく、すなわち螺線構造、単一のループ、複数のループ、直列で、並列で、異なる直径を有する同心のものが可能である。すべてのアンテナ構成において、重要なパラメータは送信アンテナと受信アンテナとの間の分離である。
特定の例では、検出結果を結合するために使用されるデータは、高いもしくは同等の最適なスピン寄与が取得されるように選択される。これがスピン寄与と隣接する効果との間の分離が最適であるそれらの時間間隔の間だけで検出することによって、もしくはそれらに対応する検出されたデータのそれらの部分だけを使用することによってのいずれかで実行される。特定の実施形態では、検出された信号もしくはそれらに対応するデータの結合は、信号の少なくとも1つの振幅が所定のしきい値よりも小さい選択された時間間隔において検出されたデータの結合であってもよい。言い換えると、サンプリングが効果的なオブジェクトスピン寄与が高いもしくは最適である場所で実行される。
本発明の実施形態は、イメージング及び/又は容積測定イメージング目的のために構成される磁場傾斜発生器112をさらに構成してもよい。またさらに、そのような実施形態は、テスト用オブジェクト101の画像及び/又は容積測定画像表現の形式で検出された信号を結合させるように構成される処理ユニット109を備えてもよい。
例示のために、本発明の実施形態はこれに限定されないが、一例では、イメージングがサンプルにわたって磁場傾斜を誘導することによって実行される。例えば、1次元の場合には、(例えば2cmの視角などの)サンプルにわたって(例えば0から10mTなどの)傾斜磁場を印加すれば、スピンは(ランジュバン方程式に対応する)それらの位置に依存する異なる応答を与えるであろう。(例えば0mTから5mT、10mTから0mT、0mTから−10mT、−10mTから0mT、0mTから−5mTなどの)異なる傾斜磁場を印加することは、個々のそれぞれの位置での濃度を分解することを可能とする方程式のセットを結果として生じるであろう。後者は2次元もしくは3次元にまで拡張される。もう1つの例では、共鳴条件は、1つの位置だけで与えられる。すなわち、1つの場所で+/−10mTであり、他のすべての場所で0mTである。
理論に束縛されることなしに、本発明に係る実施形態の原理は、外部からの磁場Bによって誘導されるスピン系の磁化Mを示す図2及び図3を参照して説明される。例示のために、本発明の実施形態はこれに限定されないが、本発明の実施形態に係る原理は、大きさにおいて等しいが符号が逆である配向磁場を用いて例示されるであろう。留意すべきことは、配向磁場の種々の代替の配向が印加されてもよい、ということである。図2の左図は、垂直軸zに平行な磁場Bを受けたときの従来のEPRセットアップにおけるスピン系の磁化を図示する。図2の右図では、本発明におけるEPRセットアップに対して同一の状況が図示される。従来のセットアップにおけるのと同じように磁化Mが磁場Bによって誘導される一方で、反転された磁場−Bを受けたときに磁化は反転される(−M、破線)ことが理解されるであろう。
ラーモア共鳴基準を満たすRF波が磁場Bによって磁化されるスピン系に印加されると、図3の左図に図示されるように磁化は摂動を与えられ、結果としてラーモア共鳴周波数でのz軸周りの処理の動きが生じるであろう。同一のRF波が反転された磁場−Bによって磁化されるスピン系に印加されると、図3の右図において(破線の)反転されたベクトル−Mによって示されたように、同一の周波数で発生するが180度の位相シフトをともなう処理の動きが発生する。
どのような方法で異なる構成要素が図3に対して存在できるのかの例は、中心に存在するサンプル、M成分を検出するためのx−z平面内に実質的に存在する受信アンテナ、スピンを傾斜させるためのy−z平面内に実質的に存在する励起アンテナ、及び受信アンテナ周辺に存在する送信アンテナであってもよい。本実施例では、アンテナの中心は、座標系の中心に存在し、それ故に受信アンテナと送信アンテナとの間の分離は最大化される。
受信アンテナは、処理磁化ベクトルMの投影Mに比例するEPR信号を検出するであろう。RF信号を1回は最初の磁場Bを印加すること及び1回は反転された磁場−Bを印加することの2回だけ測定すれば、同一のRF励起波の印加後の両方は、吸収効果、アンテナセットアップに依存する効果、RF直接励起波、及びテスト用電子スピン共鳴以外の共鳴によって影響されてもよいコモンモード検出された信号の減算によって、アクティブ信号といわれるスピン系のEPR信号の分離を可能とする。これが図4におけるグラフで例示され、ここで、両方のコモンモード信号振幅(直線及び点線)の減算によって得られたmVにおけるアクティブ信号振幅(一点鎖線)が時間の関数で図示される。
図5では、同一のデータがより小さい信号振幅スケールで図示される。アクティブ信号振幅のコモンモード信号のゼロ交差に対する極値に近いことによって証明されるように、アクティブ信号とコモンモード信号との間の位相シフトは約90度である。これがアクティブ信号の極値に近いコモンモード信号の減算された測定値の外挿法によってアクティブ信号の評価を可能とする。すなわち、コモンモード信号の振幅の絶対値が所定のしきい値よりも小さい間隔でサンプリングされる。これが特にアピールすることである。その理由は、サンプリング処理の動的範囲が増幅されたコモンモード信号範囲のほんの一部に制限され、それ故に測定精度及び検出の下限値が増加されるからである。最大は必ずしも正確に90度で到達するとは限らないが、むしろ約90度で到達するということに留意すべきなので、例えばサンプルモーメントを変更して効果を計算し、最大の効果に到達するまでサンプルモーメントを変更するアルゴリズムなどを用いて最適サンプリングモーメントが決定されるように、サンプリングが適合化されてもよい。
留意すべきことは、静的磁場に対するアンテナセットアップの依存性によれば、磁場Bが存在する場合に測定された信号から磁場Bが存在しない場合に測定された信号を減算した後、スピン系によって発生されない残余信号が存在するであろう、ということである。従って、本発明のシステム及び方法は、ゼロガウスでの正規化よりも優れた信号分離を提供する。さらに、アクティブ信号は、Bの正及び負の配向に対する両方のすべての信号測定に対して等しく寄与し、結果として測定された効果の二倍化を生じさせる。
第2の態様では、本発明の実施形態は、電子常磁性共鳴を実行する方法に関する。当該方法は、検出ユニットを参照して初期配向における配向磁場をテスト用オブジェクトに対して印加するステップと、RF電磁励起波を発生させることによってテスト用オブジェクトにおける常磁性粒子もしくは部分の電子スピンを励起するステップと、後に続くテスト用オブジェクトによって放出された応答電磁信号を上記検出ユニットにおいて検出するステップとを含む。さらに、その方法は、配向磁場及び検出のための手段の相対配向を実質的に変更した後に励起ステップと検出ステップとを反復するステップを含む。また、その方法は、配向磁場の異なる配向を用いて取得される検出された複数の電磁信号を結合するステップを含む。本発明の実施形態はこれに限定されないが、その方法は有利に、第1の態様において説明されたシステムを用いて実行されてもよい。例示のために、本発明の実施形態はこれに限定されないが、方法の例が図6におけるフロー図で図示され、ここで方法に対する標準的かつ最適なステップが例示される。
その方法は、例えば200ppmもしくはそれ以下などのオブジェクトの容積にわたって強度及び配向が十分な均一性を有する例えば1.25T未満の磁場などの初期配向における偏向磁場をテスト用オブジェクトに印加するステップ320と、典型的には印加された磁場の強度によって決定されるラーモア共鳴周波数にほぼ等しい周波数のRF波であり、例えば35GHz未満の周波数のRF波などの電磁励起波を発生させることによってテスト用オブジェクトにおいて、例えば磁性ナノ粒子(MNP)などの常磁性粒子の電子スピンを励起するステップ340とを含む。
その方法は、ステップ360において、テスト用オブジェクトによって放出された電磁応答信号を検出するステップを含む。
さらに、その方法は、例えば偏向磁場と励起及び検出の手段との相対配向を反転するステップ380などの実質的に変更するステップの後に続く励起ステップ340と検出ステップ360とを反復するステップ370を含む。そのようなステップは、複数の異なる配向に対して反復されてもよい。それに加えて、そのような反復するステップは、検出統計データを改善するために、同一の配向と異なる配向とに対して複数回実行されてもよい。
さらに、その方法は、例えば1つは使用する意図がある異なる配向に対する検出応答信号が取得された後などに、配向磁場の異なる配向を用いて取得された検出された複数の電磁信号を結合するステップ390を含む。そのような結合するステップはまた、例えば配向磁場の配向を変更する間に結果を統合することなどによって、使用の間の少なくとも部分的に実行されてもよい。
本発明のある実施形態では、そのような結合ステップ390は、信号の少なくとも1つの振幅が所定のしきい値よりも小さい時間期間の間に取得された測定値もしくはそれらに対応するデータの減算、加算、または他の線形結合を含んでもよい。
本発明のある実施形態では、適用される方法は、イメージング目的のために磁場傾斜を印加するステップ330と、電子スピンを励起するステップ340と、検出するステップ360との反復365をさらに含む。330における傾斜は、空間の所定の容積における磁場強度が340における励起波の電子共鳴条件を満たすような方法で選択される。反復ステップ365の回数は、所定のスキャン範囲、スキャン分解能及び空間的なスキャニング方法によって確定させてもよく、その結果、オブジェクトの画像及び/又は容積測定の画像表現392は、それぞれが空間の異なるEPR感応容積を選択する異なる磁場傾斜330を用いて反復ステップ365で取得された放出された信号を分析することによって、結合するステップ390で発生される。
そのような実施形態では、340での励起波は、付加的な空間情報が結合するステップ390で取得される360での位相符号化された信号を検出するようにさらに適合化されてもよい。
他の特徴及び最適なステップは、第1の態様で説明されたように、電子常磁性共鳴を実行するためのシステムを参照して説明された構成要素の機能性に対応させてもよい。
一態様では、本発明の実施形態はまた、上述した方法の少なくとも一部を実行するためにコンピュータ実装された方法に関し、または対応するコンピューティングプログラム製品に関する。そのような方法は、例えば一般的な目的のコンピュータなどのコンピューティングシステムに実装されてもよい。コンピューティングシステムは、データを受信するための入力手段を備えてもよい。
システムは、例えば単一のドメイン粒子の電子常磁性共鳴データなどのデータを処理するためのデータプロセッサであってもよいし、もしくは当該データプロセッサを備えてもよい。コンピューティングシステムは、プロセッサと、例えばROMもしくはRAMなどを含むメモリシステムと、例えばCD−ROMもしくはDVDドライブまたはネットワークを介して情報を出力するための手段などの出力システムとを含んでもよい。例えばキーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、入出力ポートなどの従来のコンピュータ構成要素がまた含まれてもよい。データ伝送をデータバスに基づいて提供してもよい。コンピューティングシステムのメモリは、コンピューティングシステム上に実装される場合に上述された方法の標準的なステップの一部もしくはすべて、並びに上述された選択的なステップを選択的に実行させる命令のセットを含んでもよい。
従って、上述された方法の一部もしくはすべてを実行するための命令を含むコンピューティングシステムは、従来技術の一部ではない。
さらに、本発明の実施形態の態様は、コンピューティングデバイス上での実行に対するマシン可読コードを伝達するデータ記憶媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品を含む。そのようなコンピュータプログラム製品のみならず例えばDVDもしくはCD−ROMもしくはメモリデバイスなどのデータ記憶媒体も含む。またさらに、実施形態の態様は、例えばローカルネットワークもしくは広域ネットワークなどのネットワークを介してコンピュータプログラム製品のみならずそれらに対応する送信信号を送信することを含む。
以上に詳細説明が図示されて説明され、種々の実施形態に適用された本発明の新規の特徴が指摘される一方で、例示されたデバイスもしくは処理の形態及び詳細事項における種々の省略、置き換え、及び変更が本発明の精神から離れることなしに当業者によってなされてもよい、ということが理解されるであろう。
例示のために、本発明の実施形態はこれに限定されないが、2つの応用の例が以下により詳細に説明される。
第1の例では、本発明の実施形態に係る方法及び/又はシステムは、サンプルにおいて濃度分布を識別するためにサンプルをスクリーニングするように使用される。この応用は、本発明の実施形態の典型的な直交アンテナセットアップでは、RF信号は高い容積が制限されるという事実を使用する。従って、電子スピンの応答がアンテナ内のスピンの位置に依存するので、サンプルの長さにわたる電子スピンの特定の分布(すなわち、縦方向分布)が決定される。
(例えば1mmもしくはそれと同程度の距離にわたり時間ごとにシフトするなど)アンテナを通って縦方向にわたり離散ステップでサンプルを移動させることによってかつサンプルの各位置に対して測定応答を測定することによって、アンテナフィールドに対する電子スピンのための応答関数と組み合わせた必要な情報がサンプルにおける電子スピンの縦方向分布に関する情報を決定するために取得される。
特定アンテナに対する電子スピンの典型的な応答関数(f(x))は、各アンテナ構成に対して確立される。そのような典型的な応答関数は、アンテナ構成に対するそれらの位置の関数として電子スピンの応答を表し、図8において例のために図示される。アンテナ構成の中心に対する位置は、以下のように示される。すなわち、位置0mmは、電子スピンがアンテナの中心にあることを意味し、他の位置は電子スピンからアンテナの中心までの距離を示す。
実際には、縦方向濃度分布のスクリーニングは、例えば、スピン分布に対して解かれるべき線形方程式のセットを解くことによって実行され、各方程式はアンテナセットアップに対するサンプルの異なる位置に対する測定を表す。スピン応答関数f(x)(ここで、xは位置を表す。)と、未知の特定スピン分布(C1,…,Cn)とが与えられると、以下のように、位置−pに対するC1,…,位置−p+1に対するC2,…,位置−p+n−1に対するCnである未知の濃度プロファイルを有する線形方程式のセットを導くことができる。
複数のアンテナに対してサンプルの第1の位置に対する第1の測定において、第1の測定結果M1が取得され、以下のように表される。
Figure 0006027086
(例えば、(例えば1mmなどの)1単位の距離だけ縦方向に移動させることなど)上記サンプルを複数のアンテナに対して第2の位置に移動させることにより、以下の方程式が得られる。
Figure 0006027086
(例えばm+1ミリメータにわたるなど)縦方向に(m+1)の距離単位にわたりサンプルを移動させることにより、以下の方程式が得られる。
Figure 0006027086
上述した方程式を結合することによって、結果として以下の方程式のセットが得られる。
Figure 0006027086
位置の関数としてのスピン応答fは特定のアンテナセットに対して(測定され)既知でありかつ測定応答M1,…,Mmはサンプルに対する各位置に対して測定されるので、C1,…,Cnに対して解かれる線形方程式のセットが得られる。このように、濃度プロファイルが決定される。
第2の応用では、サンプルのイメージングが取得され、それによって、イメージングに対して、サンプルにわたる配向磁場の大きさ(もしくは方向)が変更される。図7に図示されるように測定された効果は磁場強度に依存するので、これが電子スピン位置の依存性の応答を形成するであろう。配向磁場の空間分布を変化させて時間ごとに応答を測定することによって、電子スピンの濃度分布に対して(それ故に粒子の濃度分布に対してもまた)解かれる線形方程式のセットが取得される。サンプルにおけるそれらの位置の関数として(例えば濃度に対応する強度を帰することによってなど)粒子の濃度を表すことによって、(強度及び場所の)画素情報が取得され、それによって、画素の全部のセットがサンプルの全部の画像を構築することができ、より特にサンプルに対する濃度分布画像を構築することができる。
上述の複数の応用は本発明の実施形態の有利な特徴を例示する。

Claims (14)

  1. テスト用オブジェクト(101)に対する電子常磁性共鳴を実行するためのシステム(100)であって、
    当該システム(100)は、
    上記テスト用オブジェクトの磁化を配向させるための配向磁場(107)を発生させるように構成される第1の磁場発生器(110)と、
    所定の周波数でRF励起波を発生させて上記テスト用オブジェクト(101)において電子常磁性共鳴(EPR)を発生させるように構成される第2の磁場発生器(106)と、
    上記テスト用オブジェクト(101)によって放出される上記EPR信号を検出するように構成される検出ユニット(105)と、
    上記検出ユニット(105)に対して上記第1の磁場発生器(110)によって誘導される上記配向磁場(107)の相対配向を制御して変更するように構成される制御ユニット(111)とを備えたシステムにおいて、
    上記制御ユニットは、上記検出ユニット(105)に対する上記配向磁場の異なる複数の相対配向を用いて取得される複数のEPR信号を検出して合成できるように、上記相対配向を変更するタイミング並びに上記RF励起及び検出のタイミングを制御するように構成され、
    上記システムは、測定されたデータに対する励起信号の寄与を除去するように、上記検出ユニット(105)に対する上記配向磁場の異なる複数の相対配向を用いて取得される検出された複数のEPR信号を合成するようにプログラミングされた処理ユニット(109)をさらに備えることを特徴とするシステム(100)。
  2. 上記制御ユニット(111)はさらに、
    検出が異なる符号を有する上記配向磁場(107)の少なくとも2つの相対配向に対して実行されるように、上記相対配向を制御するように構成され、及び/または、検出が実質的に対向する上記配向磁場(107)の少なくとも2つの相対配向に対して実行されるように、上記相対配向を制御するように構成される請求項1記載のシステム(100)。
  3. 上記第1の磁場発生器(110)は、
    切替可能な極性を有する直流電源(108)に接続される少なくとも1つの電磁コイル(102)を備え、
    上記制御ユニット(111)は、上記少なくとも1つの電磁コイル(102)によって誘導される上記磁場の配向を変更するように上記直流電源(108)の上記極性を切り替えるように構成される請求項1または2記載のシステム(100)。
  4. 上記システム(100)はまたさらに、
    上記誘導された配向磁場(107)と上記検出ユニット(105)との上記相対配向において変更を引き起こすために、上記第1の磁場発生器(110)と上記検出ユニット(105)との間の相対位置を変更するための位置決め手段を備える請求項1から3のうちのいずれか1つに記載のシステム(100)。
  5. 相対位置を変更するための上記位置決め手段は、上記検出ユニット(105)を回転させるように構成され、もしくは上記第1の磁場発生器(110)を回転させるように構成される請求項4記載のシステム(100)。
  6. 上記制御ユニット(111)は、
    上記EPR信号の検出の間に上記検出ユニット(105)に対して上記第1の磁場発生器(110)によって誘導された上記配向磁場(107)の上記相対配向の連続的な変化を提供するように構成され、及び/または、
    上記検出ユニットは、実質的に円形の第1の伝導ループ(103)を備え、
    上記第2の磁場発生器(106)は、上記第1の伝導ループ(103)と実質的に直交する実質的に円形の第2の伝導ループ(104)を備える請求項1から5のうちのいずれか1つに記載のシステム(100)。
  7. 上記第2の磁場発生器(106)は、
    パルスRF励起波を発生させるように構成され、もしくは連続的なRF励起波を発生させるように構成される請求項1から6のうちのいずれか1つに記載のシステム(100)。
  8. 上記処理ユニット(109)は、
    上記検出された複数の電磁信号の少なくとも1つの振幅が所定のしきい値よりも小さい時間期間の間において上記配向磁場(107)の異なる配向を用いて取得された上記検出された複数の電磁信号の測定値を合成するように構成され、
    上記システムは、
    上記検出された複数の電磁信号の増幅が上記検出ユニットのダイナミックレンジを超えて取得されるように、上記複数の電磁信号の少なくとも1つの上記振幅が所定のしきい値よりも小さい時間期間の間において上記配向磁場(107)の異なる複数の配向を用いて取得される上記検出された複数の電磁信号の測定値を取得するように構成される請求項1から7のうちのいずれか1つに記載のシステム(100)。
  9. 上記システムは、
    イメージング及び/又は容積測定のイメージングの目的のために構成される付加的な磁場傾斜発生器(112)を備え、及び/または、
    上記処理ユニット(109)は、
    上記テスト用オブジェクトの画像及び/又は容積測定画像の形式で上記検出された複数の電磁信号を合成するように構成され、及び/または
    上記制御ユニットはさらに、
    上記配向磁場の関数として上記処理ユニット(109)をトリガーするように構成される請求項1から8のうちのいずれか1つに記載のシステム(100)。
  10. 電子常磁性共鳴を実行するための方法(300)であって、
    当該方法は、
    検出ユニットを参照して初期配向における配向磁場をテスト用オブジェクトに印加するステップ(320)と、
    電磁励起波を発生させることによって上記テスト用オブジェクトにおける常磁性粒子の電子スピンを励起した後(340)、上記検出ユニットにおける上記テスト用オブジェクトによって放出される複数の電磁信号を検出するステップ(360)と、
    上記配向磁場と上記検出のための手段との相対配向を実質的に変更するステップ(380)の後、上記励起(340)と上記検出するステップ(360)とを反復するステップ(370)とを含む方法において、
    上記方法は、
    上記相対配向を変更するタイミングを制御するステップと、
    測定されたデータに対する励起信号の寄与を除去するように、上記配向磁場の異なる配向を用いて取得される検出された複数の電磁信号を合成するステップ(390)とを含み、
    上記励起と上記検出とは上記異なる相対配向に対して使用されることを特徴とする方法(300)。
  11. 上記合成するステップは、
    上記複数の電磁信号の少なくとも1つの振幅が所定のしきい値よりも小さい時間期間の間において上記複数の電磁信号の測定値を合成すること(391)、及び/または
    上記テスト用オブジェクトの画像及び/又は容積測定画像表現の発生(392)を含む請求項10記載の方法。
  12. 上記合成するステップは、上記検出ユニットのダイナミックレンジを超える増幅を結果として生じさせる請求項10または11記載の方法。
  13. 上記方法は、
    上記励起するステップ(340)と上記検出するステップ(360)とが反復され(365)、
    各反復においてイメージング及び/又は容積測定イメージングの目的のために磁場傾斜を印加するステップ(330)を含む請求項10から12のうちのいずれか1つに記載の方法。
  14. 処理ユニット上に実装されるとき、請求項10から13のうちのいずれか1つに記載の方法を実行するコンピュータプログラム。
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