JP6026367B2 - 改質石炭の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、改質石炭の製造方法及び改質石炭に関する。
褐炭や亜瀝青炭等の低品位炭(低炭化度炭)は、水分を多く含むため単位質量当たりの発熱量が小さく輸送効率が低い。しかし、低品位炭は埋蔵量が多いため、資源の有効利用の観点から、脱水後、一定の大きさに圧縮成型し、単位質量当たりの発熱量とハンドリング性とを高めて燃料使用に供することが検討されている。
上記低品位炭の改質プロセスにおいて、低品位炭から水分を除去する脱水工程では、水分除去率が高いという観点から油中で加熱処理する油中脱水法を用いることが多い。油中脱水法を用いる場合、油中でのスラリーハンドリングを容易とするために、低品位炭を油と混合する前に石炭の粉砕を行い粒度を0.05〜5mm程度に調整する必要がある。ここで、水分を多く含むことにより付着性の高い一部の低品位炭では、粉砕後に貯蔵されるサイロ内で凝集し、ブリッジ、ラットホール、アーチングなどにより閉塞が生じる可能性がある。
サイロ内の閉塞を防ぐ方法として、エアーノッカーやバイブレータなどにより壁面に衝撃を与える方法(特開平07−280710号公報参照)や、窒素などの不活性ガスや空気をサイロの壁面あるいはサイロ下部から供給する方法(実開平05−058692号公報参照)などがある。
しかし、エアーノッカーやバイブレータなどによりサイロの壁面に衝撃を与える方法では、このような付着性の高い低品位炭の粉末に対しては十分な効果を得ることが難しい。また、空気をサイロ内へ供給する方法では、活性の高い石炭と空気中の酸素が反応して自然発火を促進する可能性が高く、好ましくない。また、窒素などの不活性ガスを供給する方法は有効であるが、コスト面で問題が有る。
特開平07−280710号公報 実開平05−058692号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、低品位炭をサイロ内で貯蔵するに際し自然発火させることなく排出性を改善するとともに、改質石炭の製造コストを低減できる改質石炭の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
低品位の石炭を原料とする改質石炭の製造方法であって、
上記石炭を粉砕する工程と、
上記粉砕石炭をサイロに貯蔵する工程と、
上記貯蔵石炭を油と混合する工程と、
上記混合石炭から水分を除去して得た脱水スラリーから油分を分離してケーキを得る工程と、
上記ケーキを不活性ガスを用いて乾燥する工程とを有し、
上記石炭貯蔵工程において、上記乾燥工程の排出ガスの一部を上記サイロ内に供給することを特徴とする。
当該改質石炭の製造方法は、不活性ガスを用いて油混合石炭に含まれている油分を高温で蒸発させる乾燥工程から排出される不活性ガスを主として含むガスの一部を石炭を貯蔵したサイロ内に供給することにより、貯蔵した石炭に含まれている水分を蒸発させて貯蔵石炭の付着性を低減し、貯蔵石炭に自然発火性を生じさせることなく、サイロからの排出性を良好にすることができる。さらに、当該改質石炭の製造方法は、油分を含んだ乾燥工程からの排出ガスの一部をサイロ内に供給するガスとして利用するため、排出ガスに含まれる油分がサイロ内の貯蔵石炭に吸着され、脱油工程及び乾燥工程で回収されて再利用されるので、改質石炭の製造コストを低減できる。
上記石炭貯蔵工程で上記サイロ内に供給する上記排出ガスの窒素含有率としては90質量%以上が好ましく、油含有率としては5質量%以下が好ましい。このようにサイロ内に供給する上記排出ガスの窒素含有率を上記下限値以上とし、油含有率を上記上限値以下とすることで、貯蔵石炭のハンドリング性を低下させることなく、自然発火防止性を高めることができる。
上記石炭貯蔵工程で上記サイロ内に供給する上記排出ガスの温度を、35℃以上100℃以下に制御することが好ましい。このようにサイロ内に供給する上記排出ガスの温度を上記範囲内とすることで、サイロ内の貯蔵石炭に含まれている水分を除去できるとともに自然発火防止性を高めることができる。
上記石炭貯蔵工程で上記サイロ内に供給する上記排出ガスの水蒸気含有率としては、10質量%以下が好ましい。このようにサイロ内に供給する上記排出ガスの水蒸気含有率を上記上限値以下とすることで、サイロ内の貯蔵石炭に含まれている水分をより効果的に除去することができる。
従って、当該改質石炭の製造方法により、低品位炭をサイロ内で貯蔵するに際し自然発火させることなく排出性を改善できるので、燃料として好適に用いることができる改質石炭を低い製造コストで製造することができる。
なお、「不活性ガス」とは、活性ガスを全く含まない気体に限るものではなく、酸素の含有量が2質量%以下の気体をいうものとする。
以上説明したように、本発明の改質石炭の製造方法は、低品位炭を原料とし、その低品位炭をサイロ内で貯蔵するに際し自然発火させることなく排出性を改善するとともに、改質石炭の製造コストを低減できる。つまり、低品位炭を安全に作業効率よく低コストで改質することができる。
本発明の一実施形態に係る改質石炭の製造方法のフローチャート 本発明の一実施形態に係る石炭改質システムのブロック図
以下、本発明の改質石炭の製造方法の実施形態を詳説する。
本実施形態の改質石炭の製造方法は、
低品位の石炭を粉砕する工程(粉砕工程)と、
上記粉砕石炭をサイロに貯蔵する工程(貯蔵工程)と、
上記貯蔵石炭を油と混合する工程(混合工程)と、
上記油混合石炭から水分を除去して脱水スラリーを得る工程(脱水工程)と、
上記脱水スラリーから油分を分離してケーキを得る工程(脱油工程)と、
上記ケーキを不活性ガスを用いて乾燥して改質炭粉末を得る工程(乾燥工程)と、
上記改質炭粉末を改質石炭に成型する工程(成型工程)とを有し、
上記石炭貯蔵工程において上記乾燥工程の排出ガスの一部を上記サイロ内に供給する。
図1は、本発明の一実施形態に係る改質石炭の製造方法のフローチャートである。また、図2は、本発明の一実施形態に係る石炭改質システムのブロック図である。
図2に示すように、この実施形態に係る石炭改質システムは、原料炭20(低品位炭)を粉砕する粉砕部30と、粉砕部30で粉砕された低品位炭を貯蔵する貯蔵部31と、貯蔵部31で貯蔵した貯蔵石炭と重質油及び溶媒油を含む混合油とを混合する混合部32と、混合部32で得られたスラリーを脱水する蒸発部33と、蒸発部33で得られた脱水スラリーから溶媒油を機械分離する固液分離部34と、固液分離部34において分離されたケーキ21を加熱してさらに溶媒油を分離する乾燥部35と、乾燥部35において得られた粉末状の改質炭22を加圧成型してブリケットの形態にする成型部36とを備えている。以下、本実施形態に係る改質石炭の製造方法の各工程について詳細に説明する。
<粉砕工程>
粉砕工程S10において、原料炭20を粉砕部30に供給し、原料炭20を粉砕してから貯蔵部31に貯蔵する。ここで原料炭20として用いる低品位炭は、天然に存在し20質量%以上の水分を含有するものをいう。この低品位炭としては、例えば、ビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等の褐炭;西バンコ炭、ビヌンガン炭、サラマンガウ炭等の亜瀝青炭などが挙げられる。
粉砕後の低品位炭の最大粒子径の上限としては、5mmが好ましく、2mmがより好ましく、1mmがより好ましい。また低品位炭の粒子径が0.5mm以下の粒子の割合の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。低品位炭の最大粒子径を上記上限以下、又は粒子径が0.5mm以下の粒子の割合を上記下限以上とすることで、改質後の石炭の強度を向上させることができる。なお、低品位炭の最大粒子径は、ふるいによって計測できる。粒子径が0.5mm以下の粒子割合は、目開き0.5mmのふるいによる分級を行い、ふるいにかけた低品位炭の全質量とこのふるい下の低品位炭の質量とから求めることができる。なお、もともと粒子径が小さい状態で原料炭20が供給される場合、特にその原料炭20を粉砕する必要はない。
<貯蔵工程>
貯蔵工程S11において、上記粉砕工程S10で粉砕した原料炭20又は粒子径が小さい状態で供給された原料炭20を貯蔵部31へ投入して貯蔵する。貯蔵部31は、下部に排出用のホッパー部を有するサイロである。貯蔵部31は、上記原料炭20をサイロ内へ投入した際に、サイロ下部の壁面からガスを内部に供給し、サイロ内に貯蔵している石炭の間隙にそのガスを通過させる。このときサイロ内に供給するガスとして、後述する乾燥工程S15で発生する排出ガスの一部24を使用する。
上記排出ガスは、乾燥工程S15で加熱した不活性ガスをキャリアガスとして使用したものの一部であり、油分回収のために乾燥部35の油回収塔で冷却されたものである。この排出ガスの一部24をサイロ内に供給することにより、貯蔵石炭に含まれている水分が蒸発するので、貯蔵石炭に含まれている水分が効果的に除去される。貯蔵石炭に含まれる水分が除去されることにより、貯蔵石炭の付着性が低減し凝集が抑制されるので、貯蔵石炭のサイロからの排出性が良好となる。なお、上記排出ガスには、乾燥部35で回収できなかった油分と水分とが含まれている。
サイロ内に供給する排出ガスの一部24の温度の下限としては、35℃が好ましく、40℃がより好ましい。排出ガスの一部24の温度の上限としては、100℃が好ましく、70℃がより好ましく、50℃がさらに好ましい。排出ガスの一部24の温度が上記下限未満であると、貯蔵石炭に含まれる水分を除去する効果が低下するおそれがある。また、排出ガスの一部24の温度が上記上限を超えると、自然発火の可能性が高くなるおそれがある。
なお、サイロ内へ供給する際の排出ガスの一部24の温度が上記の温度範囲内であれば、さらに加熱又は冷却する必要はなく、そのままサイロ内に供給することができる。排出ガスの一部24の温度が上記上限を超えているときには、例えば熱交換器等により上記上限以下の温度まで冷却してからサイロ内に供給し、排出ガスの一部24の温度が上記下限未満のときには、例えば熱交換器等により上記下限以上の温度まで加熱してからサイロ内に供給してもよい。
また、乾燥工程S15ではキャリアガスとして加熱した不活性ガスを使用するので、乾燥工程S15からは、不活性ガスを主成分とするガスが排出される。すなわち、サイロ内に供給する排出ガスの一部24は、不活性ガスを主成分とする気体であるため、この排出ガスの一部24がサイロ内の石炭の間隙を通過する際に石炭が酸素を吸着することを抑制できる。そのため、サイロ内の石炭に自然発火性を生じさせるおそれが少ない。
後述する乾燥工程S15において不活性ガスとして窒素ガスを用いる場合、サイロ内に供給する排出ガスの一部24中の窒素含有率の下限としては90質量%が好ましく、95質量%がより好ましい。排出ガスの一部24中の窒素含有率の上限としては99.9質量%が好ましく、99.5質量%がより好ましい。排出ガスの一部24中の窒素含有率が上記下限未満であると、空気のコンタミが疑われ、自然発火の観点から好ましくない。また、排出ガスの一部24中の窒素含有率が上記上限を超えると、製造コストが高くなるおそれがある。
上述したように、キャリアガスとして不活性ガスを使用する乾燥工程S15から発生する排出ガスの一部24を、サイロ内に供給するガスとして使用する。従って、乾燥工程S15で使用する不活性ガス中の窒素含有量を調節することにより、乾燥工程S15から発生する排出ガス中の窒素含有量、すなわちサイロ内に供給する排出ガスの一部24中の窒素含有量を調節することができる。
また、後述する混合工程S12において石炭と混合油を混合し、脱油工程S14及び乾燥工程S15でその油分を回収するが、乾燥工程S15で発生する排出ガスには、乾燥工程S15で回収しきれなかった微量の油分が含まれている。サイロ内に供給するガスとして利用する排出ガスの一部24に含まれる油分は、排出ガスの一部24が貯蔵石炭の間隙を通過する際に貯蔵石炭に吸着され、その後の脱油工程S14及び乾燥工程S15で回収されて、混合工程S12で再利用される。
サイロ内に供給する排出ガスの一部24中の油含有率の上限としては5質量%が好ましく、3質量%がより好ましい。排出ガスの一部24中の油含有率が上記上限を超えると、貯蔵石炭への油の付着量が多くなり貯蔵石炭のハンドリング性に悪影響を及ぼす可能性がある。乾燥部35から排出される排出ガスの一部24中の油含有率が上記上限を超えている場合には、例えばフィルタ部材により排出ガスの一部24中の油分を除去して、油含有率を上記上限以下とした後に、サイロ内に供給する。なお、排出ガスの一部24中の油含有率は小さいほど好ましい。排出ガスの一部24中の油含有率の下限としては、例えば0.1質量%とできる。
また、貯蔵石炭の排出性を良好にするためにサイロ内に供給する排出ガスの一部24は、水分量すなわち水蒸気成分が少ない方が好ましい。サイロ内に供給する排出ガスの一部24に水蒸気成分が多く含まれていると、貯蔵石炭に含まれている水分を除去する効果が低下し、多量のガスを供給しなければならず、ひいては改質石炭の製造コストが増加する要因ともなる。
サイロ内に供給する排出ガスの一部24中の水蒸気含有率の上限としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。排出ガスの一部24中の水蒸気含有率の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.01質量%がより好ましい。排出ガスの一部24中の水蒸気含有率が上記上限を超えると、貯蔵石炭に含まれる水分を除去する効果が低下するおそれがある。また、排出ガスの一部24中の水蒸気含有率が上記下限未満であると、改質石炭の製造コストが高くなるおそれがある。
排出ガスの一部24のサイロ内への供給量は特に規定されないが、サイロ内の貯蔵石炭の凝集によって生じる閉塞を防げるだけの量が求められる。適正量は排出ガスの一部24の温度や環境温度、石炭性状により異なる。なお、サイロ内へ供給するガスとして乾燥工程S15で発生する排出ガスのみで不足する場合は、不活性ガスを追加して供給してもよい。
なお、ここでは、サイロ下部の壁面から排出ガスの一部24をサイロ内へ供給することとしたが、排出ガスの一部24のサイロ内への供給方法は、この構成に限るものではなく、サイロ内に貯蔵している石炭の全体に亘って排出ガスの一部24を通過させる構成であればよい。例えば、サイロの側壁面から複数のノズルを用いて排出ガスの一部24をサイロ内へ供給する構成、サイロの上方から下方に向けて排出ガスの一部24を吹き付ける構成、サイロ下部の排出口から供給するとともにサイロの上方から吸引する構成などとしてもよい。
<混合工程>
混合工程S12において、サイロ下部のホッパー部から落下供給される貯蔵石炭と、重質油及び溶媒油を含む混合油とを混合部32で混合しスラリーを得る。ここで、重質油とは、真空残渣油のごとく、例えば400℃でも実質的に蒸気圧を示すことがないような重質分あるいはこれを多く(具体的には、50wt%以上)含む油のことをいう。また、溶媒油とは、重質油を溶解させて分散させる油のことをいう。溶媒油としては、重質油との親和性、スラリーとしてのハンドリング性、粉砕石炭の細孔内への侵入容易性などの観点から、例えば軽沸油が用いられる。なお、溶媒油としては、水分蒸発温度での安定性を考慮して、沸点100℃以上、300℃以下の石油系油を使用することが推奨される。この石油系油としては、灯油、軽油、重油などが挙げられる。そして、重質油と溶媒油とで混合油が生成される。このような混合油を使用することにより、混合油が適切な流動性を示し石炭の細孔内への油の侵入が促進される。なお、後述する脱油工程S14及び乾燥工程S15で油分を回収し、その回収した油分を混合工程12で再利用するが、これらの回収した溶媒油中に重質油が含まれるときには、混合工程12で重質油を新たに添加しなくてもよい場合がある。
なお、混合部32は、混合油と貯蔵石炭とを受け入れて混合するための混合槽、及びこの混合槽に設けられる攪拌機などで構成することができる。
<脱水工程>
脱水工程S13において、蒸発部33により混合工程S12で得られた上記スラリーから水分を除去する。蒸発部33は、例えば熱交換器及び蒸発槽により構成され、上記スラリーを熱交換器により70℃〜100℃に加熱した後、蒸発槽に供給してスラリー中の石炭に含まれる水分を蒸発させる。この脱水処理と同時に、石炭の細孔内への混合油の含浸もなされ、重質油分が優先して石炭の細孔内に充満する。また、蒸発槽からは、スラリー中の石炭に含まれていた水分が排水として排出される。なお、上記スラリーを加熱する熱交換器としては、多管式型、プレート型、スパイラル型などの熱交換器が用いられる。
<脱油工程>
脱油工程S14において、脱水工程S13で得られた脱水スラリーから溶媒油を機械分離してケーキ21を得る。脱水スラリーは、固液分離部34に供給されて固液分離される。固液分離部34としては、例えば、分離効率向上の観点から、遠心分離法により脱水スラリーをケーキ21と溶媒油とに分離する遠心分離機を用いる。なお、沈降法、濾過法、圧搾法などの形式の固液分離機を用いてもよい。なお、固液分離部34では溶媒油を完全には回収しきれないため、ケーキ21は回収できなかった混合油によって湿潤している。
<乾燥工程>
脱油工程S14において分離されたケーキ21は、混合油により未だ湿潤しているので、乾燥工程S15において、乾燥部35によりケーキ21を加熱してさらに溶媒油を分離する。これにより、ケーキ21は粉末状の改質炭粉末22となる。
なお、乾燥部35は、乾燥機及び油回収塔などから構成される。乾燥機は、その内部で被処理物を連続的に搬送しつつその被処理物を加熱するものが用いられ、例えばドラム内面に複数の加熱用スチームチューブが軸方向に配設されたスチームチューブ式ドライヤが用いられる。蒸発湿分を乾燥機外へ搬送するキャリアガスとして加熱した不活性ガスが使用され、この不活性ガスは循環使用される。
乾燥工程S15で用いる代表的な不活性ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等があるが、安価な窒素ガスを用いることが好ましい。また、乾燥工程S15で使用する不活性ガスには、発火するおそれがない程度の微量の活性ガス(酸素)が含まれていてもよい。
ケーキ21は、乾燥機内で加熱され、ケーキ21中の油分、特に溶媒油分が蒸発させられる。そして、蒸発した溶媒油分は、循環する不活性ガスにより乾燥機から油回収塔へ移送される。油回収塔は、溶媒油分を回収するために、乾燥機から移送されてきた不活性ガスを冷却し、溶媒油分を凝縮させて回収する。
油回収塔で回収された溶媒油は、脱油工程S14において脱水スラリーから回収された溶媒油とともに循環油26として混合工程S12に戻されて、混合工程S12におけるスラリーの調整に再利用される。なお、混合工程S12に戻される循環油26の成分のほとんどは溶媒油分であるが、この循環油26にはわずかながら重質油分が含まれている。
また、乾燥部35から排出されるガスは、系外排出ガス25として外部へ排出されるとともに、排出ガスの一部24が貯蔵部31へ供給するガスとして利用される。
<成型工程>
成型工程S16において、乾燥工程S15で得られた改質炭粉末22が、成型部36によりブリケットの形態の改質石炭23に成型される。そして、ブリケットに成型された当該改質石炭23は成型固形燃料として利用される。なお、成型部36は、ダブルロール型成型機などで構成される。
<利点>
当該改質石炭の製造方法は、不活性ガスを用いて油混合石炭に含まれている油分を高温で蒸発させる乾燥工程から排出される不活性ガスを主として含むガスの一部を石炭を貯蔵したサイロ内に供給することにより、貯蔵した石炭に含まれている水分を蒸発させて貯蔵石炭の付着性を低減し、貯蔵石炭に自然発火性を生じさせることなく、サイロからの排出性を良好にすることができる。さらに、当該改質石炭の製造方法は、油分を含んだ乾燥工程からの排出ガスの一部をサイロ内に供給するガスとして利用するため、排出ガスに含まれる油分がサイロ内の貯蔵石炭に吸着され、脱油工程及び乾燥工程で回収されて再利用される。従来の改質石炭の製造方法では、乾燥工程から排出されるガスを廃棄していたが、当該改質石炭の製造方法は、その廃棄していたガスに含まれていた油分の一部を再利用できるので、改質石炭の製造コストを改善することができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態の他、種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
上記実施形態の貯蔵工程S11において、乾燥工程S15で発生した排出ガスの一部24をサイロ内に供給する際に、エアーノッカーやバイブレータによりサイロの壁面に衝撃を与える構成としてもよい。貯蔵石炭のサイロからの排出性を改善する効果をより高めることができる。
また、上記実施形態において、貯蔵石炭の排出性を良好にするためにサイロ内に供給するガスは、水分量すなわち水蒸気成分が少ない方が好ましい。サイロ内に供給するガスに水蒸気成分が多く含まれていると、貯蔵石炭に含まれている水分を除去する効果が低下し、多量のガスを供給しなければならず、ひいては改質石炭の製造コストが増加する要因ともなる。
例えば、サイロ内に供給するガスに含まれる水蒸気成分を一定値以下にするため、乾燥部35から発生する排出ガスの一部24に含まれている水蒸気成分を低減する水分除去部を設けて、その水分除去部によって水蒸気成分を低減したガスを貯蔵部31(サイロ)内に供給するようにしてもよい。これにより、サイロ内の貯蔵石炭に含まれる水分を効率よく除去することができ、サイロ内に供給するガスの量を低減できる。また、乾燥部35で発生する排出ガスの一部24から水蒸気成分を除去する上記水分除去部として、例えば水蒸気のみを透す半透膜を用いる構成や、排出ガスの一部24を冷却してガス中に存在する水滴を遠心分離して除去するような構成を採用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
含水率58.0質量%のインドネシア産褐炭を、ケージミルで直径1mm以下の粒子が90%程度になるよう粉砕した。この粉砕褐炭の含水率は57.2質量%であった。この粉砕褐炭10tを石炭サイロに投入した。粉砕褐炭を石炭サイロに投入した後、実施例1、比較例1及び比較例2において、それぞれ以下の処理を行い、粉砕褐炭を石炭サイロに24時間保管した後に粉砕褐炭を排出して、粉砕褐炭の排出性及び自然発火可能性を確認した。
[実施例1]
粉砕褐炭を石炭サイロに投入した後、不活性ガスを用いてケーキからさらに溶媒油を分離して改質炭粉末とする乾燥工程から排出されるガスの一部を、サイロ下部の壁面から供給した。このときにサイロ下部の壁面から供給したガスの温度は55℃であり、その組成は、窒素が94質量%、油分が3.0質量%であった。
[比較例1]
粉砕褐炭を石炭サイロに投入した後、サイロ内にガスを供給することなく、そのまま石炭サイロに粉砕褐炭を24時間保管した。
[比較例2]
粉砕褐炭を石炭サイロに投入した後、サイロ下部の壁面からドライエアーを供給した。このときにサイロ下部の壁面から供給した空気の温度は57℃であった。
上記実施例1、比較例1及び比較例2の評価結果を表1に示す。なお、粉砕褐炭をサイロに24時間保管していたときの外気温は、30℃〜40℃であった。粉砕褐炭の排出性については、サイロ内に貯蔵されている量に対して90質量%以上排出されたものを良好(A)、5質量%未満しか排出されなかったものを不良(B)として評価した。
Figure 0006026367
24時間サイロに保管した後に粉砕褐炭を排出したところ、実施例1及び比較例2の場合には、排出性は良好であった。これに対し、比較例1の場合には、サイロ内の途中で閉塞してほとんど排出されず、サイロの壁面を叩いても排出されなかった。これにより、粉砕褐炭をサイロに投入した後、サイロ下部の壁面から気体を供給することにより、閉塞を防止でき、保管後の粉砕褐炭の排出性を改善できることを確認できた。
また、24時間サイロに保管した後のサイロ内部の粉砕褐炭の温度は、実施例1及び比較例1の場合には上昇していないのに対し、比較例2の場合には70℃まで上昇しており、自然発火の可能性が大きいことがわかる。これは、比較例2の場合には、ドライエアーに多く含まれている酸素が粉砕褐炭に吸着し酸化反応が進行したものと考えられる。実施例1でサイロ内に供給したガスは、乾燥工程で発生した排出ガスであり酸素がほとんど含まれていないので、このガスをサイロ内に供給しても、酸化反応が進行しないのでサイロ内部の粉砕褐炭の温度は上昇せず、石炭の自然発火性が抑制される。
また、実施例1において、サイロから排出されるガスの組成は、窒素95.1質量%、油分0.3質量%であった。サイロに供給したガスの組成が、窒素94質量%、油分3.0質量%であることより、サイロに供給したガスに含まれていた油分のほとんどが粉砕褐炭に吸着されたことを確認できた。この粉砕褐炭に吸着された油分は、脱油工程及び乾燥工程で回収され、改質プロセスで再利用される。これにより、改質プロセスにおける油分のロスを低減できるので、ランニングコストを低減できる。
以上説明したように、当該改質石炭の製造方法は、低品位炭を原料とし、その低品位炭をサイロ内で貯蔵するに際し自然発火させることなく排出性を改善し、製造コストに優れた改質石炭を得ることができる。このような改質石炭は、例えば火力発電所等の燃料として好適に用いることができる。
S10 粉砕工程
S11 貯蔵工程
S12 混合工程
S13 脱水工程
S14 脱油工程
S15 乾燥工程
S16 成型工程
20 原料炭
21 ケーキ
22 改質炭粉末
23 改質石炭
24 排出ガスの一部
25 系外排出ガス
26 循環油
30 粉砕部
31 貯蔵部
32 混合部
33 蒸発部
34 固液分離部
35 乾燥部
36 成型部

Claims (4)

  1. 低品位の石炭を原料とする改質石炭の製造方法であって、
    上記石炭を粉砕する工程と、
    上記粉砕石炭をサイロに貯蔵する工程と、
    上記貯蔵石炭を油と混合する工程と、
    上記混合石炭から水分を除去して得た脱水スラリーから油分を分離してケーキを得る工程と、
    上記ケーキを不活性ガスを用いて乾燥する工程とを有し、
    上記石炭貯蔵工程において、上記乾燥工程の排出ガスの一部を上記サイロ内に供給することを特徴とする改質石炭の製造方法。
  2. 上記石炭貯蔵工程で上記サイロ内に供給する上記排出ガスの窒素含有率が90質量%以上であり、油含有率が5質量%以下である請求項1に記載の改質石炭の製造方法。
  3. 上記石炭貯蔵工程で上記サイロ内に供給する上記排出ガスの温度を35℃以上100℃以下に制御する請求項1又は請求項2に記載の改質石炭の製造方法。
  4. 上記石炭貯蔵工程で上記サイロ内に供給する上記排出ガスの水蒸気含有率が10質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の改質石炭の製造方法。
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