JP6022395B2 - 樹脂着色用マスターバッチ及び着色樹脂成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性有機化合物(VOC)の放散量が低減された着色樹脂成形体を製造するために用いられる樹脂着色用マスターバッチ、及びそれを用いて製造される着色樹脂成形体に関する。
近年、建材を中心としたシックハウス問題を発端として、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds(VOC))の低減が求められている。なかでも、自動車工業会では車内空間を居住空間の一部と位置付けて車内のVOC低減に対する自主取組みを策定しており、ホルムアルデヒド等のVOC放散量の低減に対する取り組みが各メーカーで行われている。特に、車内等の密閉環境で汎用されるポリプロピレン系の着色樹脂から揮発するVOCの測定及び評価、並びにVOC放散量の低減策の開発は重要な課題である。
従来、自動車等の車両用内装材料、家電用材料、住宅用内装材等の建築材料、及び繊維や容器類にはポリプロピレン系樹脂が多く使用されている。ポリプロピレン系樹脂は、一般に、ベース樹脂であるエチレン−プロピレンブロック共重合体に様々な充填剤を配合したコンパウンドとして成形メーカーへと供給される。ポリプロピレン系樹脂等の樹脂材料(プラスチック)を着色するには、種々の形態の着色剤が使用されている。着色剤のなかでもマスターバッチは、非汚染性、自動計量適性、及び輸送適性等の優れた性能を有することから樹脂着色剤の主流である。マスターバッチは、主成分となるベース樹脂に、顔料等の着色剤や分散剤等を高濃度に練り込んで得られるものであり、ベース樹脂と類似する樹脂で数倍から数十倍程度に希釈して使用される。
マスターバッチに添加される着色用の顔料としては、低コストで着色力に優れた酸化チタンやカーボンブラックが多く使用されている一方で、これらの顔料はVOCや臭いの原因になり得るといった報告がある。そこで、ポリプロピレン系樹脂の供給メーカーは、マスターバッチに添加する化合物に特に着目し、急務であるVOC低減策を模索している。
例えば、特許文献1には、不快臭の発生を抑えた成形品を製造するための材料として、ゼオライトやハイオドロタルサイト等の吸着性無機物質を配合したポリオレフィン系の樹脂組成物が記載されている。また、特許文献2には、ポリプロピレン等の樹脂からなるシート状基材の表面上に、酸化チタン等のVOCを分解する物質又はアパタイトやゼオライト等のVOCを吸着する物質を含むVOC処理層を形成した自動車内装部品用の保護カバーが記載されている。さらに、特許文献3には、臭気の発生を抑制することを目的とした、酸化アルミニウム及びシロキサンを含有する表面層で二酸化チタンを被覆したマスターバッチ用の表面処理二酸化チタンが記載されている。また、特許文献4には、硫黄分及び揮発成分を低減して臭気を抑制したカーボンブラック、及びそれを含有する室内や社内等の密閉空間に用いられる樹脂組成物が開示されている。
特開平10−1568号公報 特開2007−15698号公報 国際公開第2007/052851号 特開2012−12450号公報
しかしながら、特許文献1に記載された吸着性無機物質を配合した樹脂組成物は、着色樹脂成形体に要求される重要な特性である着色特性や、着色剤となる顔料の分散性が不十分となりやすく、コスト面も含めて必ずしも有効であるとは言えない。また、特許文献2に記載の保護カバーに用いられる酸化チタンは、着色剤として用いられる酸化チタンとは異なるものである。このため、着色特性が不十分であるとともに、着色剤となる顔料との混合性(分散性)についても不十分である。
また、特許文献3に記載された表面処理二酸化チタンは、臭気の発生をある程度抑制することは可能である。しかしながら、二酸化チタンを表面処理するのに用いるシロキサン自体が分解してVOCを発生させる可能性もあるため、VOCの低減効果は必ずしも十分であるとは言えなかった。さらに、特許文献4に記載の樹脂組成物は、カーボンブラックに由来するVOCの低減についてはある程度有効である。しかしながら、カーボンブラック以外のVOC発生源となる原因物質については何らの検討も行っていないため、カーボンブラック以外の着色剤を用いた場合については依然としてVOC低減といった課題が残る。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、VOCの放散量が低減されるとともに、臭気が抑制され、かつ、安定した好ましいアイボリーの色調を有する着色樹脂成形体を低コストに製造することが可能な樹脂着色用マスターバッチ、及びそれを用いて製造される着色樹脂成形体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定の表面処理を施した表面処理酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を着色剤として使用するとともに、黄色酸化鉄とクロムチタンイエローの少なくともいずれかを黄色顔料として使用し、かつ、これらを所定の比率で配合することによって上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す樹脂着色用マスターバッチが提供される。
[1]着色剤と、ポリプロピレン系樹脂とを含有する、揮発性有機化合物の放散量が低減された着色樹脂成形体を製造するために用いられる樹脂着色用マスターバッチであって、前記着色剤が、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含み、前記酸化チタンが、アルミナで表面処理されているがシロキサンでは表面処理されていない第1の表面処理酸化チタン、又は少なくともシロキサンで表面処理された第2の表面処理酸化チタンであり、前記黄色顔料が、クロムチタンイエローを含み、前記酸化チタンの含有割合が10〜30質量%であり、前記黄色顔料の含有割合が5〜25質量%であり、前記カーボンブラックの含有割合が0.1〜3質量%であり、前記その他の顔料の含有割合が0.1〜5質量%である樹脂着色用マスターバッチ。
[2]前記酸化チタンが、前記第2の表面処理酸化チタンである前記[1]に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
]前記その他の顔料が、弁柄、群青、及び複合酸化物系緑色顔料からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]又は[2]に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
また、本発明によれば、以下に示す着色樹脂成形体が提供される。
]ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂と、前記[1]のいずれかに記載の樹脂着色用マスターバッチとを含有する着色樹脂を成形して得られる、前記着色樹脂に含有される前記樹脂着色用マスターバッチの量が、前記ベース樹脂100質量部に対して1.5〜10質量部である着色樹脂成形体。
]その色調が、L***表色系で、55.0≦L*≦65.0、2.0≦a*<6.0、及び11.0≦b*≦15.0である前記[]に記載の着色樹脂成形体。
]揮発性ホルムアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満であり、揮発性アセトアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満である前記[]又は[]に記載の着色樹脂成形体。
]輸送機器内装用の成形体である前記[]〜[]のいずれかに記載の着色樹脂成形体。
本発明の樹脂着色用マスターバッチを用いれば、VOCの放散量が低減されるとともに、臭気が抑制され着色樹脂成形体を製造することができる。また、本発明の樹脂着色用マスターバッチは、着色剤として機能しにくいVOCの吸着剤や分解剤を配合しなくてもVOCの放散量を有効に低減することができるので、所望とする安定した好ましいアイボリーの色調を有する着色樹脂成形体を低コストに製造することができる。このため、本発明の樹脂着色用マスターバッチを用いて製造した着色樹脂成形体は、自動車等の輸送機器内装用の成形体(内装材)として有用である。
(樹脂着色用マスターバッチ)
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の樹脂着色用マスターバッチは、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含む着色剤と、ポリプロピレン系樹脂とを含有し、揮発性有機化合物の放散量が低減され、特に自動車内装の色彩として人気のアイボリーの着色樹脂成形体を製造するために用いられる。
汎用のVOC吸着剤であるゼオライト、アルミナ、活性炭、アパタイト、シリカゲル、モレキュラシーブ等、及び汎用のVOC分解剤である光触媒用酸化チタン、アルマイト、活性酸素包摂セラミック等は、いずれも有効な着色効果を示すものではない。このため、VOC放散量の低減を目的としてこれらの吸着剤等を樹脂着色用マスターバッチや着色樹脂成形体に混合すると、もう一つの目的であるアイボリーの色調を得ることが困難になる。そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の顔料を着色剤として用いることで、着色剤としての機能をほとんど有しない汎用のVOC吸着剤や分解剤を使用することなく、VOC放散量及び臭気が低減され、かつ、アイボリーの色調が高いレベルで維持された着色樹脂成形体を製造し得る組成のマスターバッチを見出した。なお、目的とするアイボリーの色調を得るには、酸化チタン、黄色顔料、及びカーボンブラックは必須であり、いずれの着色剤が欠けてもアイボリーの色調を得ることはできない。
厚生労働省は、シックハウス対策として、人がその濃度の空気を一生涯摂取しても健康への有害な影響が無いとされる数値を入手可能な毒性に関する知見から算出し、「室内濃度指針値」として報告している。本発明においては、特に自動車工業会の指針の下、自主取組みとして策定された評価方法に沿って、着色樹脂成形体のVOC放散量の低減について評価した。なお、本発明の樹脂着色用マスターバッチ及び着色樹脂成形体は、自動車用内装材だけでなく、例えば、家電、産業用資材機材、及び建材等にも有効に適用することができる。
(ポリプロピレン系樹脂)
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、及びエチレン−プロピレンランダム共重合体等を用いることができる。ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量については特に制限はない。また、試験法ISO1133(230℃、21.2N)に準拠して測定されるポリプロピレン系樹脂のMFRは、0.1〜80g/10minであることが好ましく、0.4〜60g/10minであることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂のMFRが0.1g/10min未満であると、高粘性であるために、着色剤や各種添加剤の分散性に影響を及ぼす場合がある。一方、ポリプロピレン系樹脂のMFRが80g/10minを超えると、低粘性であるために、着色剤や各種添加剤の分散性に影響を及ぼす場合がある。いずれの場合であっても、着色樹脂を安定して得ることが困難になることがある。
(酸化チタン)
本発明の樹脂着色用マスターバッチに含有される着色剤は、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含む。酸化チタンとしては、表面処理を施した従来公知の酸化チタン(表面処理酸化チタン)を用いることができる。表面処理酸化チタンとしては、アルミナで表面処理されているがシロキサンでは表面処理されていない第1の表面処理酸化チタン、又は少なくともシロキサンで表面処理された第2の表面処理酸化チタンを使用する。第1の表面処理酸化チタンは、酸化チタンの表面をアルミナ、又はアルミナとシリカで表面処理して得られるものである。また、第2の表面処理酸化チタンは、酸化チタンの表面を少なくともシロキサンで有機処理したものであり、アルミナ、又はアルミナとシリカでさらに表面処理されたものであってもよい。
アルミナ又はアルミナとシリカで表面処理された第1の表面処理酸化チタンを用いると、顔料等の着色剤の凝集が防止され、着色剤の分散性が良好となるために好ましい。また、少なくともシロキサンで表面処理された第2の表面処理酸化チタンを用いると、ポリプロピレン系樹脂への相溶性がより高まり、着色剤の分散性が良好となるため好ましい。但し、第2の表面処理酸化チタンは臭気又は揮発成分を発生させる原因となる可能性がある。具体的には、表面処理に用いられたシロキサンは、酸化チタンの表面に僅かに残存しており、場合によってはシロキサンからなる被覆層が酸化チタンの表面に形成されている。ジメチルシリコーンオイル等のシロキサンは、シロキサン結合の結合エネルギーが大きいため、一般的にはある程度の耐熱性を有する。しかしながら、酸化チタンは光触媒活性を有するため、酸化チタンの表面においては光の影響によって活性酸素やOHラジカル等の活性種が生じやすい。このため、酸化チタンの表面に配置されたシロキサンは、発生した活性酸素やOHラジカル等の活性種の影響により分解が促進され、低分子量のシロキサンやホルムアルデヒド等の分解物が生じやすいと推測される。
以上の通り、シロキサンで表面処理された酸化チタン(第2の表面処理酸化チタン)を単に用いると、低分子量のシロキサンやホルムアルデヒド等を発生させる原因となる場合がある。本発明においては、酸化チタンの表面処理に用いたシロキサンの影響を低減すべく、第2の表面処理酸化チタンを使用する場合には、クロムチタンイエロー(TiO2−Sb23−Cr23)を黄色顔料として同時に使用する。クロムチタンイエローのような特定の金属複合酸化物を黄色顔料として使用し、第2の表面処理酸化チタンと共存させることにより、第2の表面処理酸化チタンに含まれるシロキサンに由来して生じたホルムアルデヒド等のVOCの発生を抑制する、又は発生したVOCを分解することができると推測される。
なお、ある種の金属の複合酸化物がホルムアルデヒド等のVOCの酸化分解を促進させる触媒として機能することは知られている(例えば、特開2010−94671号公報等)。しかしながら、クロムチタンイエロー(TiO2−Sb23−Cr23)がVOCを分解可能であるといった知見はこれまでに報告されていない。また、クロムチタンイエローは、VOCの発生を抑制する又は発生したVOCを分解するだけでなく、本発明が目的とするアイボリーの色調を発現し得る黄色顔料としての機能をも有する。このように、本発明によれば、VOC及び臭気を抑制しつつ、目的とする安定した好ましいアイボリーの色調を有する着色樹脂成形体を製造可能な樹脂着色用マスターバッチが提供される。
市販の酸化チタンとしては、以下商品名で、「FTR−700」(堺化学工業社製);「KR−380」(チタン工業社製);「タイピュアR−960」、「タイピュアR−350」、「CR−50」(以上、デュポン社製)等を挙げることができる。酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型、及びブルカイト型のいずれであっても使用することができる。但し、ルチル型の酸化チタンは、触媒力が弱い点で他の有機物質への影響が少なく、樹脂特性を維持する面において好ましい。また、アナターゼ型の酸化チタンは、光触媒としての分解力が強い。このため、触媒効果により発生するヒドロキシラジカルやスーパーオキサイドアニオン等の活性酸素の強い酸化力によって、VOCだけでなく、有機物質へ作用を及ぼす可能性と、変色を生じさせる可能性がある。さらに、アナターゼ型の酸化チタンは、極めて微細な微粒子である点においても、分散性の面で課題が多い。以上の点から、本発明の樹脂着色用マスターバッチにおいては、さらにコスト面も考慮に入れるとルチル型の酸化チタンを用いることが好ましい。
本発明の樹脂着色用マスターバッチに含有される酸化チタンの割合は、マスターバッチ全質量に対して10〜30質量%であり、12〜25質量%であることが好ましい。酸化チタンの含有割合が10質量%未満又は30質量%超であると、目的とするアイボリーの色調を得ることができない。特に、少なくともシロキサンで表面処理された第2の酸化チタンの含有割合が30質量%超であると、VOCや臭気成分の発生が顕著になる。
(黄色顔料)
黄色顔料としては、耐熱性及び耐候性を有するとともに、毒性が低く安全性の高い、黄色酸化鉄(Fe2ZnO4)とクロムチタンイエロー(TiO2−Sb23−Cr23)の少なくともいずれかの黄色無機顔料を使用する。これらの黄色顔料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの金属酸化物を黄色顔料として用いることにより、耐熱性、耐候性、隠ぺい性、及び色彩に優れた着色樹脂を製造することができる。黄色酸化鉄は酸触媒的な特性を有する。一方、クロムチタンイエローは金属複合酸化物としての特性を有する。これらの黄色顔料の添加量と、これらの黄色顔料以外の着色剤の添加量とのバランスを調整することで、目的とするアイボリーの色調を有するとともに、VOCの放散量が低減された着色樹脂成形体を製造可能な樹脂着色用マスターバッチとすることができる。
なお、分散性を考慮し、酸化チタンの場合と同様に所定の表面処理を施した黄色顔料を用いることも好ましい態様の一つではある。しかしながら、表面処理剤の分解等に伴うVOCの発生や変色の可能性を考慮すると、表面処理を施していない黄色顔料を用いることがより好ましい。
本発明の樹脂着色用マスターバッチに含有される黄色顔料の割合は、マスターバッチ全質量に対して5〜25質量%であり、7〜20質量%であることが好ましい。黄色顔料の含有割合が5質量%未満又は25質量%超であると、目的とするアイボリーの色調を得ることができない。特に、黄色酸化鉄の含有割合が25質量%超であると、有機物質の酸化へ関与する可能性が高まり、VOCや臭気成分の発生が顕著になる。
(カーボンブラック)
カーボンブラックは、黒色度を付与するのに重要な着色剤である。カーボンブラックは、上述の着色剤と同様に市販品として入手可能なものを使用することができる。具体的には、製法によって異なる特徴を有する、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、及びサーマルブラックのいずれであっても使用することができる。但し、製法によっては、カーボンブラック表面の酸素含有基灰分がpHを変化させると同時に未分解有機物が残留し、臭気成分やVOCを発生させる原因となる可能性もある。
本発明の樹脂着色用マスターバッチに含有されるカーボンブラックの割合は、マスターバッチ全質量に対して0.1〜3質量%であり、0.2〜2.5質量%であることが好ましい。カーボンブラックの含有割合が0.1質量%未満又は3質量%超であると、酸化チタンや黄色顔料と同様に、目的とするアイボリーの色調を得ることができない。特に、カーボンブラックの含有割合が3質量%超であると、VOCや臭気成分の発生が顕著になる。
(その他の顔料)
本発明の樹脂着色用マスターバッチには、得られる着色樹脂成形体の色彩を微調整して目的とするアイボリーとするために、酸化チタン、黄色顔料、及びカーボンブラック以外の「その他の顔料」が着色剤として含有される。その他の顔料としては、色彩の微調整が可能であるとともに、ポリプロピレン系樹脂中に好適に分散可能なものであれば特に制限はないが、VOCの発生に寄与しないものを用いることが好ましい。その他の顔料の具体例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、及びイソインドリノン系顔料等の有機顔料;弁柄、丹、群青、コバルトブルー等の無機顔料を挙げることができる。これらの顔料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの顔料のなかでも、耐候性及び耐熱性に優れ、自動車内装材として有用な着色樹脂成形体を製造可能となることから、弁柄、群青、及び複合酸化物系緑色顔料からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
本発明の樹脂着色用マスターバッチに含有されるその他の顔料の割合は、マスターバッチ全質量に対して0.1〜5質量%であり、0.2〜1.5質量%であることが好ましい。その他の顔料の含有割合が0.1質量%未満又は5質量%超であると、酸化チタン、黄色顔料、及びカーボンブラックと同様に、目的とするアイボリーの色調を得ることができない。なお、その他の顔料は目的とするアイボリーの色調に微調整するために使用される着色剤であり、VOCの発生に関与する可能性は低い。このため、環境への影響よりは、むしろ色彩評価及びコスト面を考慮して上記の含有割合とすることが好ましい。
(添加剤)
本発明の着色樹脂マスターバッチには、目的とする効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料分散剤(ワックス)、滑剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、充填剤等を用いることができる。
酸化防止剤の具体例としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン等のフェノール系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリスノリルフェニルホスファイト等のリン系酸化防止剤;テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤等を挙げることができる。
紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第3ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第3オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第3アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕等のトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジ−第3ブチルフェニル−3,5−ジ−第3−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等の安息香酸系紫外線吸収剤;p−t−ブチルフェニルサリシレート等のサリチル酸誘導体、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−エトキシ−5−第3ブチル−2−エチル−2’−エチル蓚酸ビスアニリド、2−エトキシ−2−エチル蓚酸ビスアニリド等の蓚酸アニリド系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、1,3−ビス−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−プロピルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリルレート等のアクリルエステル系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
光安定剤の具体例としては、1−〔2−{3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔〔2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル〕イミノ〕〕、2−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−メタクリレート等のヒンダードアミン系光安定剤等を挙げることができる。
顔料分散剤としては、ポリエチレンワックス、エステルワックス、及び脂肪酸金属石鹸等を用いることができる。ポリエチレンワックスの数平均分子量は300〜8000であることが好ましく、1000〜5000であることがさらに好ましい。なお、ポリエチレンワックスとしては、低分子量ポリエチレン及びその誘導体を用いることができる。ポリエチレンワックスの数平均分子量が300未満であると、顔料の分散性には優れているものの、加工性が低下する傾向にある。一方、ポリエチレンワックスの数平均分子量が8000超であると、加工性が低下する傾向にある。
本発明の着色樹脂マスターバッチに顔料分散剤としてポリエチレンワックスを含有させる場合におけるポリエチレンワックスの含有割合は、マスターバッチ全質量に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、0.2〜2質量%であることがさらに好ましい。ポリエチレンワックスの含有割合が0.01質量%未満であると、少な過ぎるために顔料の分散性に寄与しない場合がある。一方、ポリエチレンワックスの含有割合が10質量%超であると、着色樹脂マスターバッチを安定的に製造することが困難となる場合がある。
滑剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、及びパルミチン酸ナトリウム等を挙げることができる。また、帯電防止剤の具体例としては、グリセロールステアレート、N,N−ビス(ヒドロキシルエチル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、及びアルキルスルホネート等を挙げることができる。
充填剤としては、無機充填剤と有機充填剤のいずれも用いることができる。無機充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウム、アルミナ等を挙げることができる。また、有機充填剤の具体例としては、木粉、もみがら、新聞紙等の古紙、各種デンプン(アルファー化したデンプン等の構造を変化させたものも含む)、セルロース等を挙げることができる。
(着色樹脂マスターバッチの製造方法)
本発明の着色樹脂マスターバッチを製造する方法に特に制限はなく、例えば、各成分を公知の混練造粒方法を用いて混練するとともに造粒することにより、ペレット状等の着色樹脂マスターバッチを製造することができる。より具体的には、着色剤とポリエチレンワックスを、160〜250℃の加熱条件下、ヘンシェルミキサー、三本ロール、二本ロール、押出機、又はその他の混練機を使用して溶融混練して混練物を得る。得られた混練物を、ポリプロピレン系樹脂、金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤等とともに押出機等を使用して溶融混練した後、ストランド状に押し出す。その後、ストランド状に押し出した混練物を所望とするペレット状やフレーク状等の形状に加工すれば、着色樹脂マスターバッチを得ることができる。
(着色樹脂成形体)
本発明の着色樹脂成形体は、ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂と、前述の樹脂着色用マスターバッチとを含有する着色樹脂を成形することで製造することができる。具体的には、ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂によって樹脂着色用マスターバッチを適当な濃度に希釈し、インフレーション装置やT−ダイ装置等を使用して成形することで、着色樹脂成形体を得ることができる。ベース樹脂として用いられるポリプロピレン系樹脂は、樹脂着色用マスターバッチの製造に用いたポリプロピレン系樹脂と同一種類(同一品質)のものであることが好ましい。また、成形に使用するインフレーション装置やT−ダイ装置等のシリンダー及びダイス温度は、180〜320℃とすればよい。
ベース樹脂であるポリプロピレン系樹脂は、樹脂着色用マスターバッチを用いることで、成形加工と同時に着色される。樹脂着色用マスターバッチの量は、ベース樹脂100質量部に対して1.5〜10質量部、好ましくは2.5〜6質量部とする。ベース樹脂に対する樹脂着色用マスターバッチの量を上記範囲とすることで、着色剤の分散性が良好になるとともに、安定した着色効果を得ることができる。なお、着色樹脂成形体に含まれる着色剤の割合は、着色樹脂成形体の全質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.4〜3質量%であることがさらに好ましい。
ベース樹脂と樹脂着色用マスターバッチを含有する着色樹脂を成形する方法(成形方法)は特に限定されないが、一般な射出成形法によって成形することが好ましい。なお、一般的な射出成形法以外の成形方法としては、例えば、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、及びサンドイッチ発泡成形法等を挙げることができる。
日本工業規格(JIS)が規定した物体色の色名(JIS Z8102:2001)において、慣用色名である「象牙色(アイボリー)」は、一般にアイボリーホワイトとも呼ばれる。アイボリーホワイトは黄色味の灰白色を表し、古くは、象牙を焼いて製造した顔料色である。高級感を表現する日本の伝統色として人気があるが、現在は象牙の採取が規制されているために、象牙そのものはほとんど使用されていない。なお、社団法人日本塗料工業会発行による標準見本帳から、アイボリーの色相、明度、彩度のマンセル値(JIS Z8721)が以下の通り示されている。
・アイボリーホワイト:2.5Y 8.3/2.0
・アイボリーグレイ:6Y 8.2/1.0
・シルキーアイボリー:6.5Y 8.8/1.0
***表色系で表される本発明の着色樹脂成形体の色調は、例えば、55.0≦L*≦65.0、2.0≦a*<6.0、及び11.0≦b*≦15.0である。このため、本発明の着色樹脂成形体は、VOC放散量及び臭気が抑制されていると同時に、安定した好ましいアイボリーの色調を有するものである。
(VOC放散量)
本発明の着色樹脂成形体は前述の樹脂着色用マスターバッチを用いて製造されるものであるため、安定した好ましいアイボリーの色調を有するだけでなく、VOC放散量が低減されている。具体的には、本発明の着色樹脂成形体の揮発性ホルムアルデヒドの放散量は、通常0.4μg/0.008m2未満、好ましくは0.1μg/0.008m2未満である。また、本発明の着色樹脂成形体の揮発性アセトアルデヒドの放散量は、通常0.4μg/0.008m2未満、好ましくは0.2μg/0.008m2未満、さらに好ましくは0.15μg/0.008m2未満である。このように、本発明の着色樹脂成形体はVOC放散量が極めて少ないため、例えば、自動車等の輸送機器内装用の成形体(内装材)として好適である。
本発明における着色樹脂成形体のVOC放散量は、厚生労働省による指針を受けて自動車工業会が策定した内装材試験方法である、自動車技術会規格JASO M 902に準拠したサンプリングバッグ法を採用し、温度23±2℃、相対湿度50±5%の室内にてVOC放散試験を実施することによって測定するものとする。なお、測定成分は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、及びパラジクロロベンゼンの10種類とする。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<実施例1>
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al23(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)23部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb23−Cr23系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)13部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.3部、弁柄0.5部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))60.2部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<実施例2>
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al23(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)13部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb23−Cr23系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)13部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.2部、弁柄0.2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))70.6部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ5部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
参考例3>
酸化チタン(シロキサン未処理ルチル型酸化チタン(Al23(2〜3%))、商品名「CR−50」、石原産業社製)23部、黄色酸化鉄(Fe2ZnO4、商品名「T−10−AY」、森下産業社製)7部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.4部、弁柄0.6部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))66部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<実施例4>
酸化チタン(シロキサン未処理ルチル型酸化チタン(Al23(2〜3%))、商品名「CR−50」、石原産業社製)25部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb23−Cr23系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)14部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)2部、弁柄1部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))55部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<実施例5>
酸化チタン(シロキサン未処理ルチル型酸化チタン(Al23(2.0〜3.0%)、SiO2(3.5〜4.5%))、商品名「CR−90」、石原産業社製)13部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb23−Cr23系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)15部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.2部、弁柄0.2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))68.6部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<比較例1>
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al23(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)21部、黄色酸化鉄(Fe2ZnO4、商品名「T−10−AY」、森下産業社製)20部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.3部、弁柄0.5部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))55.2部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<比較例2>
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al23(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)26部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb23−Cr23系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)1部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)3部、弁柄2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))65部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<比較例3>
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al23(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)25部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb23−Cr23系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)5部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)11部、弁柄2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))54部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<参考例1>
ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))97部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)を得た。得られた円柱状ペレット3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で作製した射出成形体を裁断し、板状の試験片(80mm×100mm×2mm)を得た。得られた試験片を使用し、以下に示す手順に従って各種評価を行った。
(VOC放散量)
自動車技術会規格JASO M 902に準拠したサンプリングバッグ法を採用し、温度23±2℃、相対湿度50±5%の室内にてVOC放散試験を実施した。なお、測定成分は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、及びパラジクロロベンゼンの10種類とした。
窒素ガス8Lをサンプリングバッグに充填して密封し、80℃で30分間加熱した後、窒素ガスを完全に抜き取る。以上の操作を3回繰り返してサンプリングバッグを洗浄した。
なお、使用するTenax管及びチューブはそれぞれ洗浄しておくとともに、洗浄効果を確認するため、試験直前に揮発成分ブランク値(サンプル無し)を測定した。洗浄済みのサンプリングバッグに3枚の試験片及び窒素4Lを入れて密封した。65℃で2時間加熱した後、23±2℃に冷却した。ポンプを使用して0.5L/min以下の速度で採取したサンプリングバッグの内部ガス1Lを炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)の分析に使用した。一方、サンプリングバッグの内部ガス1Lを通過させた2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)カートリッジに約5mLのアセトニトリルを注入し、カートリッジから溶出したアセトニトリルをアルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)の分析に使用した。GC−MSとHPLCのいずれについても検量線を作成して各成分を定量した。GC−MSとHPLCの分析条件を以下に示す。
(GC−MS分析条件)
・分析装置:商品名「TDTS−GC−MS」、島津製作所社製
・熱脱着温度:280℃
・カラム:HP−1、長さ60m、フィルム厚さ0.25μm、径0.32mm
・キャピラリカラム材質:100%ジメチルポリシロキサン相当
・Heガス流量:1.0mL/min
・昇温条件:40℃(5min)→80℃(10min)→280℃(20min)
・注入口温度:280℃
・スプリット比:通常1/30
・MSDインタフェイス温度:280℃
・測定モード:SCANモード
・取り込み範囲(質量):30〜500
(HPLC分析条件)
・分析装置:商品名「HPLC VP」、島津製作所社製
・検出器:UV360nm
・カラム:商品名「INERTSIL ODS−80」、GLサイエンス社製
・展開液:HPLC用アセトニトリル:H2O=55:45
・カラム温度:40℃
(着色)
JIS Z 9080に準拠した官能評価分析を行い、以下に示す評価基準に従って試験片の着色(色調)について評価した。なお、評価は被験者(10人)の平均とした。結果を表1及び2に示す。
1:黄味が弱く、白色度が高すぎる。
2:黄味が弱く、黒色度が高すぎる。
3:黄味が強い。
4:好ましいアイボリー。
5:より好ましいアイボリー。
(臭気)
JIS Z 9080に準拠した官能評価分析を行い、以下に示す評価基準に従って試験片の臭気について評価した。具体的には、乾燥状態の試験片密閉ガラス容器に入れ、60℃恒温条件下で2時間保持した。その後、臭気を確認し、ベース樹脂であるポリプロピレン系樹脂と比較して評価した。なお、評価は被験者(10人)の平均とした。結果を表1及び2に示す。
1:強い臭気を感じる。
2:はっきりと臭気を感じる。
3:少し臭気を感じる。
4:かすかに臭気を感じる。
5:臭気は感じない。
Figure 0006022395
Figure 0006022395
本発明の樹脂着色用マスターバッチを用いて製造した着色樹脂成形体は、自動車等の輸送機器内装用の成形体(内装材)として有用である。

Claims (7)

  1. 着色剤と、ポリプロピレン系樹脂とを含有する、揮発性有機化合物の放散量が低減された着色樹脂成形体を製造するために用いられる樹脂着色用マスターバッチであって、
    前記着色剤が、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含み、
    前記酸化チタンが、アルミナで表面処理されているがシロキサンでは表面処理されていない第1の表面処理酸化チタン、又は少なくともシロキサンで表面処理された第2の表面処理酸化チタンであり、
    前記黄色顔料が、クロムチタンイエローを含み
    前記酸化チタンの含有割合が10〜30質量%であり、前記黄色顔料の含有割合が5〜25質量%であり、前記カーボンブラックの含有割合が0.1〜3質量%であり、前記その他の顔料の含有割合が0.1〜5質量%である樹脂着色用マスターバッチ。
  2. 前記酸化チタンが、前記第2の表面処理酸化チタンである請求項1に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
  3. 前記その他の顔料が、弁柄、群青、及び複合酸化物系緑色顔料からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
  4. ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂と、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂着色用マスターバッチとを含有する着色樹脂を成形して得られる、
    前記着色樹脂に含有される前記樹脂着色用マスターバッチの量が、前記ベース樹脂100質量部に対して1.5〜10質量部である着色樹脂成形体。
  5. その色調が、L***表色系で、55.0≦L*≦65.0、2.0≦a*<6.0、及び11.0≦b*≦15.0である請求項に記載の着色樹脂成形体。
  6. 揮発性ホルムアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満であり、
    揮発性アセトアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満である請求項又はに記載の着色樹脂成形体。
  7. 輸送機器内装用の成形体である請求項のいずれか一項に記載の着色樹脂成形体。
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