JP6022395B2 - 樹脂着色用マスターバッチ及び着色樹脂成形体 - Google Patents
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Description
[1]着色剤と、ポリプロピレン系樹脂とを含有する、揮発性有機化合物の放散量が低減された着色樹脂成形体を製造するために用いられる樹脂着色用マスターバッチであって、前記着色剤が、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含み、前記酸化チタンが、アルミナで表面処理されているがシロキサンでは表面処理されていない第1の表面処理酸化チタン、又は少なくともシロキサンで表面処理された第2の表面処理酸化チタンであり、前記黄色顔料が、クロムチタンイエローを含み、前記酸化チタンの含有割合が10〜30質量%であり、前記黄色顔料の含有割合が5〜25質量%であり、前記カーボンブラックの含有割合が0.1〜3質量%であり、前記その他の顔料の含有割合が0.1〜5質量%である樹脂着色用マスターバッチ。
[2]前記酸化チタンが、前記第2の表面処理酸化チタンである前記[1]に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
[3]前記その他の顔料が、弁柄、群青、及び複合酸化物系緑色顔料からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]又は[2]に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
[4]ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂と、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂着色用マスターバッチとを含有する着色樹脂を成形して得られる、前記着色樹脂に含有される前記樹脂着色用マスターバッチの量が、前記ベース樹脂100質量部に対して1.5〜10質量部である着色樹脂成形体。
[5]その色調が、L*a*b*表色系で、55.0≦L*≦65.0、2.0≦a*<6.0、及び11.0≦b*≦15.0である前記[4]に記載の着色樹脂成形体。
[6]揮発性ホルムアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満であり、揮発性アセトアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満である前記[4]又は[5]に記載の着色樹脂成形体。
[7]輸送機器内装用の成形体である前記[4]〜[6]のいずれかに記載の着色樹脂成形体。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の樹脂着色用マスターバッチは、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含む着色剤と、ポリプロピレン系樹脂とを含有し、揮発性有機化合物の放散量が低減され、特に自動車内装の色彩として人気のアイボリーの着色樹脂成形体を製造するために用いられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、及びエチレン−プロピレンランダム共重合体等を用いることができる。ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量については特に制限はない。また、試験法ISO1133(230℃、21.2N)に準拠して測定されるポリプロピレン系樹脂のMFRは、0.1〜80g/10minであることが好ましく、0.4〜60g/10minであることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂のMFRが0.1g/10min未満であると、高粘性であるために、着色剤や各種添加剤の分散性に影響を及ぼす場合がある。一方、ポリプロピレン系樹脂のMFRが80g/10minを超えると、低粘性であるために、着色剤や各種添加剤の分散性に影響を及ぼす場合がある。いずれの場合であっても、着色樹脂を安定して得ることが困難になることがある。
本発明の樹脂着色用マスターバッチに含有される着色剤は、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含む。酸化チタンとしては、表面処理を施した従来公知の酸化チタン(表面処理酸化チタン)を用いることができる。表面処理酸化チタンとしては、アルミナで表面処理されているがシロキサンでは表面処理されていない第1の表面処理酸化チタン、又は少なくともシロキサンで表面処理された第2の表面処理酸化チタンを使用する。第1の表面処理酸化チタンは、酸化チタンの表面をアルミナ、又はアルミナとシリカで表面処理して得られるものである。また、第2の表面処理酸化チタンは、酸化チタンの表面を少なくともシロキサンで有機処理したものであり、アルミナ、又はアルミナとシリカでさらに表面処理されたものであってもよい。
黄色顔料としては、耐熱性及び耐候性を有するとともに、毒性が低く安全性の高い、黄色酸化鉄(Fe2ZnO4)とクロムチタンイエロー(TiO2−Sb2O3−Cr2O3)の少なくともいずれかの黄色無機顔料を使用する。これらの黄色顔料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの金属酸化物を黄色顔料として用いることにより、耐熱性、耐候性、隠ぺい性、及び色彩に優れた着色樹脂を製造することができる。黄色酸化鉄は酸触媒的な特性を有する。一方、クロムチタンイエローは金属複合酸化物としての特性を有する。これらの黄色顔料の添加量と、これらの黄色顔料以外の着色剤の添加量とのバランスを調整することで、目的とするアイボリーの色調を有するとともに、VOCの放散量が低減された着色樹脂成形体を製造可能な樹脂着色用マスターバッチとすることができる。
カーボンブラックは、黒色度を付与するのに重要な着色剤である。カーボンブラックは、上述の着色剤と同様に市販品として入手可能なものを使用することができる。具体的には、製法によって異なる特徴を有する、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、及びサーマルブラックのいずれであっても使用することができる。但し、製法によっては、カーボンブラック表面の酸素含有基灰分がpHを変化させると同時に未分解有機物が残留し、臭気成分やVOCを発生させる原因となる可能性もある。
本発明の樹脂着色用マスターバッチには、得られる着色樹脂成形体の色彩を微調整して目的とするアイボリーとするために、酸化チタン、黄色顔料、及びカーボンブラック以外の「その他の顔料」が着色剤として含有される。その他の顔料としては、色彩の微調整が可能であるとともに、ポリプロピレン系樹脂中に好適に分散可能なものであれば特に制限はないが、VOCの発生に寄与しないものを用いることが好ましい。その他の顔料の具体例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、及びイソインドリノン系顔料等の有機顔料;弁柄、丹、群青、コバルトブルー等の無機顔料を挙げることができる。これらの顔料は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの顔料のなかでも、耐候性及び耐熱性に優れ、自動車内装材として有用な着色樹脂成形体を製造可能となることから、弁柄、群青、及び複合酸化物系緑色顔料からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
本発明の着色樹脂マスターバッチには、目的とする効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料分散剤(ワックス)、滑剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、充填剤等を用いることができる。
本発明の着色樹脂マスターバッチを製造する方法に特に制限はなく、例えば、各成分を公知の混練造粒方法を用いて混練するとともに造粒することにより、ペレット状等の着色樹脂マスターバッチを製造することができる。より具体的には、着色剤とポリエチレンワックスを、160〜250℃の加熱条件下、ヘンシェルミキサー、三本ロール、二本ロール、押出機、又はその他の混練機を使用して溶融混練して混練物を得る。得られた混練物を、ポリプロピレン系樹脂、金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤等とともに押出機等を使用して溶融混練した後、ストランド状に押し出す。その後、ストランド状に押し出した混練物を所望とするペレット状やフレーク状等の形状に加工すれば、着色樹脂マスターバッチを得ることができる。
本発明の着色樹脂成形体は、ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂と、前述の樹脂着色用マスターバッチとを含有する着色樹脂を成形することで製造することができる。具体的には、ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂によって樹脂着色用マスターバッチを適当な濃度に希釈し、インフレーション装置やT−ダイ装置等を使用して成形することで、着色樹脂成形体を得ることができる。ベース樹脂として用いられるポリプロピレン系樹脂は、樹脂着色用マスターバッチの製造に用いたポリプロピレン系樹脂と同一種類(同一品質)のものであることが好ましい。また、成形に使用するインフレーション装置やT−ダイ装置等のシリンダー及びダイス温度は、180〜320℃とすればよい。
・アイボリーホワイト:2.5Y 8.3/2.0
・アイボリーグレイ:6Y 8.2/1.0
・シルキーアイボリー:6.5Y 8.8/1.0
本発明の着色樹脂成形体は前述の樹脂着色用マスターバッチを用いて製造されるものであるため、安定した好ましいアイボリーの色調を有するだけでなく、VOC放散量が低減されている。具体的には、本発明の着色樹脂成形体の揮発性ホルムアルデヒドの放散量は、通常0.4μg/0.008m2未満、好ましくは0.1μg/0.008m2未満である。また、本発明の着色樹脂成形体の揮発性アセトアルデヒドの放散量は、通常0.4μg/0.008m2未満、好ましくは0.2μg/0.008m2未満、さらに好ましくは0.15μg/0.008m2未満である。このように、本発明の着色樹脂成形体はVOC放散量が極めて少ないため、例えば、自動車等の輸送機器内装用の成形体(内装材)として好適である。
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)23部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb2O3−Cr2O3系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)13部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.3部、弁柄0.5部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))60.2部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)13部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb2O3−Cr2O3系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)13部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.2部、弁柄0.2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))70.6部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ5部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
酸化チタン(シロキサン未処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(2〜3%))、商品名「CR−50」、石原産業社製)23部、黄色酸化鉄(Fe2ZnO4、商品名「T−10−AY」、森下産業社製)7部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.4部、弁柄0.6部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))66部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
酸化チタン(シロキサン未処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(2〜3%))、商品名「CR−50」、石原産業社製)25部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb2O3−Cr2O3系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)14部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)2部、弁柄1部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))55部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
酸化チタン(シロキサン未処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(2.0〜3.0%)、SiO2(3.5〜4.5%))、商品名「CR−90」、石原産業社製)13部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb2O3−Cr2O3系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)15部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.2部、弁柄0.2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))68.6部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)21部、黄色酸化鉄(Fe2ZnO4、商品名「T−10−AY」、森下産業社製)20部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)0.3部、弁柄0.5部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))55.2部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)26部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb2O3−Cr2O3系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)1部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)3部、弁柄2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))65部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
酸化チタン(シロキサン処理ルチル型酸化チタン(Al2O3(1.7%)、SiO2(3%))、商品名「R−350」、Du Pont社製)25部、チタン・アンチモン・クロム複合酸化物(TiO2−Sb2O3−Cr2O3系複合酸化物、商品名「K2001」、BASF社製)5部、カーボンブラック(商品名「三菱カーボンブラック♯30」、三菱化学社製)11部、弁柄2部、ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))54部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)のマスターバッチを得た。得られたマスターバッチ3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
ポリプロピレン系樹脂(低密度ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=2:1(質量比))97部、及び添加剤(金属石鹸、帯電防止剤、及び酸化防止剤)3部を、ヘンシェルミキサーを用いて十分に混合した。その後、押出機を用いて160〜200℃で混練造粒し、円柱状ペレット(直径3mm×長さ3mm)を得た。得られた円柱状ペレット3部と、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体、商品名「LA880」、プライムポリマー社製)100部とを混合し、成形温度200℃で射出成形を行って射出成形体を作製した。
実施例及び比較例で作製した射出成形体を裁断し、板状の試験片(80mm×100mm×2mm)を得た。得られた試験片を使用し、以下に示す手順に従って各種評価を行った。
自動車技術会規格JASO M 902に準拠したサンプリングバッグ法を採用し、温度23±2℃、相対湿度50±5%の室内にてVOC放散試験を実施した。なお、測定成分は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、及びパラジクロロベンゼンの10種類とした。
・分析装置:商品名「TDTS−GC−MS」、島津製作所社製
・熱脱着温度:280℃
・カラム:HP−1、長さ60m、フィルム厚さ0.25μm、径0.32mm
・キャピラリカラム材質:100%ジメチルポリシロキサン相当
・Heガス流量:1.0mL/min
・昇温条件:40℃(5min)→80℃(10min)→280℃(20min)
・注入口温度:280℃
・スプリット比:通常1/30
・MSDインタフェイス温度:280℃
・測定モード:SCANモード
・取り込み範囲(質量):30〜500
・分析装置:商品名「HPLC VP」、島津製作所社製
・検出器:UV360nm
・カラム:商品名「INERTSIL ODS−80」、GLサイエンス社製
・展開液:HPLC用アセトニトリル:H2O=55:45
・カラム温度:40℃
JIS Z 9080に準拠した官能評価分析を行い、以下に示す評価基準に従って試験片の着色(色調)について評価した。なお、評価は被験者(10人)の平均とした。結果を表1及び2に示す。
1:黄味が弱く、白色度が高すぎる。
2:黄味が弱く、黒色度が高すぎる。
3:黄味が強い。
4:好ましいアイボリー。
5:より好ましいアイボリー。
JIS Z 9080に準拠した官能評価分析を行い、以下に示す評価基準に従って試験片の臭気について評価した。具体的には、乾燥状態の試験片密閉ガラス容器に入れ、60℃恒温条件下で2時間保持した。その後、臭気を確認し、ベース樹脂であるポリプロピレン系樹脂と比較して評価した。なお、評価は被験者(10人)の平均とした。結果を表1及び2に示す。
1:強い臭気を感じる。
2:はっきりと臭気を感じる。
3:少し臭気を感じる。
4:かすかに臭気を感じる。
5:臭気は感じない。
Claims (7)
- 着色剤と、ポリプロピレン系樹脂とを含有する、揮発性有機化合物の放散量が低減された着色樹脂成形体を製造するために用いられる樹脂着色用マスターバッチであって、
前記着色剤が、酸化チタン、黄色顔料、カーボンブラック、及びその他の顔料を含み、
前記酸化チタンが、アルミナで表面処理されているがシロキサンでは表面処理されていない第1の表面処理酸化チタン、又は少なくともシロキサンで表面処理された第2の表面処理酸化チタンであり、
前記黄色顔料が、クロムチタンイエローを含み、
前記酸化チタンの含有割合が10〜30質量%であり、前記黄色顔料の含有割合が5〜25質量%であり、前記カーボンブラックの含有割合が0.1〜3質量%であり、前記その他の顔料の含有割合が0.1〜5質量%である樹脂着色用マスターバッチ。 - 前記酸化チタンが、前記第2の表面処理酸化チタンである請求項1に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
- 前記その他の顔料が、弁柄、群青、及び複合酸化物系緑色顔料からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
- ポリプロピレン系樹脂を含有するベース樹脂と、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂着色用マスターバッチとを含有する着色樹脂を成形して得られる、
前記着色樹脂に含有される前記樹脂着色用マスターバッチの量が、前記ベース樹脂100質量部に対して1.5〜10質量部である着色樹脂成形体。 - その色調が、L*a*b*表色系で、55.0≦L*≦65.0、2.0≦a*<6.0、及び11.0≦b*≦15.0である請求項4に記載の着色樹脂成形体。
- 揮発性ホルムアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満であり、
揮発性アセトアルデヒドの放散量が0.4μg/0.008m2未満である請求項4又は5に記載の着色樹脂成形体。 - 輸送機器内装用の成形体である請求項4〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂成形体。
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