JP6022288B2 - 吸収性物品の個包装体 - Google Patents

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Description

本発明は吸収性物品の個包装体に関する。
従来、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)等の吸収性物品は、包装材とともに折り畳まれ、個別包装されて市販等されている。この包装状態では、このような吸収性物品をショーツ等の下着に固定するための粘着部が剥離紙等によって被覆保護されている。このように個別包装されている吸収性物品を使用する際には、吸収性物品を包装材から引き剥がし、さらに剥離紙等を剥がして粘着部を露出させる。
例えば、特許文献1には、縦長の本体と、この本体の左右両側に延設された一対のウイング部を有する吸収性物品について開示されている。この吸収性物品の個別包装体は、吸収性物品を包装材と共に長手方向に折り畳み、包装材の所定箇所を封止したものである。すなわち、吸収性物品は、各ウイング部が本体の肌当接面側に折り畳まれており、且つ吸収性物品の長手方向におけるウイング部を有する部分上に、ウイング部より後方に位置する部分を重ね、更にその上にウイング部より前方に位置する部分を重ねるようにして長手方向に折り畳まれている。そして、各ウイング部の非肌当接面側の面とウイング部より後方に位置する部分とが、両者間に配された剥離シートに、それぞれの粘着部を介して剥離可能に接着されている。さらにこの個別包装体は、包装材の所定箇所を開封し、ウイング部より前方に位置する部分のみを展開した状態において、剥離シートの一部が摘めるようになされている。
特開2006−180990号公報
上述した吸収性物品の個別包装体では、包装材を開封するとき、ウイング基部に折り癖がついている影響で、製品の表面側に完全に折畳まれた状態になっている。つまり、ウイングが製品表面に接触するような状態で折畳まれている。そのため、ウイングを展開しようとするとき、指が吸収性物品の肌当接面側に接触してしまうことがあり、不衛生になる場合がある。また、ウイングを展開しても、折り癖によってすぐに展開前の状態に戻ってしまい、ウイングの装着に煩わしさが伴うことがあった。そのため、ウイングを起こした状態をある程度の時間保持することが望まれていた。
また、剥離シートと包装材とは、吸収性物品の幅方向に細長く接合されているため、包装材とともに剥離シートを剥がす際に、剥離シートの中央部が持ち上がることなく剥離シートの幅方向に沿って順次その長手方向に持ち上げられて、剥離シートが剥離される。このため、剥離シートを剥離する際に、ウイングが持ち上がらない状態で剥離シートが剥離される。したがって、剥離シートが剥離されてもウイングは折畳まれた状態のままであるので、ウイングを起き上がらそうとすると、ウイングを摘まもうとする指先が吸収性物品に肌当接面側に触れることになり、不衛生になることがある。
本発明は、包装材を開封するとともにウイングに貼られた剥離シートを剥がして吸収性物品を取り出す際に、衛生的にウイングを起き上がらせて剥離シートが剥がせる吸収性物品の個包装体を提供することに関する。
本発明は、縦長の本体と、該本体の幅方向両側に延設された一対のウイングを有している吸収性物品を、その非肌当接面に配された包装材と共に該本体の長手方向に折り畳み、該包装材を封止してなる吸収性物品の個別包装体であって、
前記吸収性物品は、前記各ウイングが前記本体と前記ウイングの境界基端位置から前記本体の肌当接面側に折り畳まれ、かつ前記吸収性物品の長手方向における前記ウイングを有する部分上に前記ウイングより後方に位置する部分が重なるようにして折り畳まれ、さらにその上に前記ウイングより前方に位置する部分が重なるようにして長手方向に折り畳まれており、
前記各ウイングの非肌当接面側の面と前記包装材との間で、前記ウイングより前方位置の折り畳み位置より後方位置に剥離シートが配され、
前記剥離シートは、前記ウイングの非肌当接面側に配された粘着部に剥離可能に接着され、かつ前記包装材と該剥離シート間で、幅方向両側を非接着領域とし、幅方向中央領域で固定部により固定された吸収性物品の個包装体を提供する。
また、本発明は、縦長の本体と、該本体の幅方向両側に延設された一対のウイングを有している吸収性物品を、包装材と共に該本体の長手方向に折り畳み、該包装材を封止してなる吸収性物品の個別包装体であって、前記吸収性物品は、前記各ウイングが前記本体と前記ウイングの境界基端位置から前記本体の肌当接面側に折り畳まれ、かつ前記吸収性物品の長手方向における前記ウイングを有する部分上に前記ウイングより後方に位置する部分が重なるようにして折り畳まれ、さらにその上に前記ウイングより前方に位置する部分が重なるようにして長手方向に折り畳まれており、前記各ウイングの非肌当接面側の面と前記包装材との間で、前記各ウイングより前方位置の折り畳み位置より後方位置に剥離シートがそれぞれ配され、前記剥離シートは、前記各ウイングの粘着部にそれぞれ剥離可能に接着され、前記包装材の前方側端部より前記各剥離シートが前方側に出ていて、前記包装材と前記各剥離シートとは、前記包装材の外面側と前記各剥離シートとがそれぞれの固定部により固定された吸収性物品の個包装体を提供する。
本発明の吸収性物品の個包装体は、ウイングに貼られた剥離シートを剥がす際にウイングを起き上がらせることができるので、ウイングを指で摘まんで起き上がらすことが不要になる。このため、ウイングを用いた吸収性物品の下着への着用が衛生的になる。
本発明の吸収性物品の個包装体の好ましい一実施形態(第1実施形態)を示した部分展開斜視図である。 第1実施形態の吸収性物品の個包装体を模式的に示した要部平面図である。 固定部の形態例を模式的に示した要部平面図である。 粘着部の形状例を模式的に示した平面図である。 包装材の取り外し方法を示した斜視図である。 本発明の吸収性物品の個包装体に係る第2の実施態様を模式的に示した平面図である。 本発明の吸収性物品の個包装体に係る第3実施形態を模式的に示した個包装体を折畳んだ状態の断面図および個包装体を展開した状態の平面図である。 吸収性物品としての生理用ナプキンの一例を示した部分破断斜視図である。 ウイングの持ち上がり角度および立ち上がり高さの測定位置を示した斜視図である。
本発明に係る吸収性物品の個包装体の好ましい一実施形態(第1実施形態)について、図1および図2を参照しながら、以下に説明する。
本明細書の吸収性物品の個包装体20(20A)では、「前方」とは吸収性物品を着用したときの下腹部方向をいい、「後方」とは吸収性物品を着用したときの臀部方向をいう。また、本明細書では、着用状態において肌と接する面を肌当接面といい、相対的に反対側に位置する面、すなわち、肌当接面より肌から遠い側の面を非肌当接面という。また、相対的に肌に近い側の面を肌当接面側、遠い側の面を非肌当接面側という。
図1および図2に示すように、本実施形態の個包装体20(20A)に包まれる吸収性物品は、例えばスリムタイプと呼ばれている薄型の生理用ナプキン10(10A)である。以下、薄型の生理用ナプキンの個包装体について詳細に説明する。
吸収性物品の個包装体20は、上記生理用ナプキン10を、その非肌当接面に配した包装材30と共に上記本体4の長手方向に折り畳み、包装材30を封止してなる。
上記生理用ナプキン10は、各ウイング5が本体4とウイング5の境界基端位置から本体4の肌当接面側に折り畳まれている。さらに生理用ナプキン10の長手方向におけるウイング5を有する部分上に、ウイング5より後方に位置する部分が重なるようにして折り畳まれている。さらにその上に、ウイング5より前方に位置する部分が重なるようにして長手方向に折り畳まれている。
各ウイング5の非肌当接面側の面と包装材30との間で、ウイング5より前方の折り畳み位置L1より後方に剥離シート7が配されている。剥離シート7は、ウイング5の非肌当接面に配された粘着部6に剥離可能に接着されている。本ナプキン1では、該粘着部6はウイング5の長手方向中央寄りにのみ設けられているので、ウイング5と剥離シート7とは、それぞれの長手方向中央寄りのみで、かつ、幅方向の左右両側でのみで接着している。さらに包装材30と剥離シート7とは、剥離シート7の幅方向両側を非接着領域とし、幅方向中央領域で固定部31により固定されている。本ナプキン1では、固定部31は、折畳まれた個装状態において前方に位置する包装材30の前方端部側と剥離シート7の前方側にのみ配されていて、粘着部6の先方端部よりも前方へ延びている。したがって、固定部31と粘着部6(6a)、6(6b)は、図2に示すように、固定部31が頂角となる位置に配された2等辺三角形の頂点の位置に配されている。言い換えれば、例えば固定部31の中心C3から各粘着部6a、6bのそれぞれの中心C6までの距離が等しくなっている。
ウイング5より前方の折り畳み位置L1より後方に剥離シート7が配されることにより、剥離シート7の前方側が幅方向に折られることがないので、剥離シート7を前方側より後方側に向かって剥がした際に、固定部31を基点に剥離シート7が長手方向にそって折れ曲がり易くなっている。一方、剥離シート7の前方側が幅方向にそって折れていた場合には、前方側にL字形断面の部材を配したのと同様になり、固定部31を基点に剥離シート7を前方側より後方側に向かって剥がした際に、剥離シート7が長手方向にそって折れ曲がりにくくなる。
個包装状態において、上記剥離シート7は、包装材30の前方側端部よりさらに前方側に出ていて、包装材30と剥離シート7とは、包装材30の外面側と剥離シート7とが固定部31により固定されている。ここで個包装状態における「前方側端部」は、展開状態では後方の端部に位置する部分が折り畳まれたことによって前方側に位置する包装材30の端部であって、折り畳み位置L1は端部ではない。また、図1の個包装体における包装材30の後方側端部は、展開状態における前方の端部となる。固定部31には、例えば、粘着テープが用いられている。固定部31と剥離シート7との剥離力(以下、第1剥離力ともいう。)は、上記剥離シート7の粘着部6に対する剥離力(以下、第2剥離力ともいう。)よりも大きく、粘着テープが剥がれることなく剥離シート7を粘着部6から剥離できる剥離力を有する。その第1剥離力は剥離シート7の粘着部6に対する第2剥離力の2.5倍以上、好ましくは3.5倍以上、さらに好ましくは5倍以上である。また、当該第1剥離力の上限値としては、剥離シート7と粘着部6間の第2剥離力の20倍以下、特に15倍以下で良い。ちなみに、剥離シート7の粘着部6に対する第2剥離力は、50cN以下であり、好ましくは40cN以下、さらに好ましくは30cN以下であればよい。そして、第2剥離力は5cN以上であり、好ましくは10cN以上、さらに好ましくは15cN以上であればよい。より具体的には、5cN〜50cN、好ましくは10cN〜40cN、さらに好ましくは15cN〜30cNとする。通常20cN程度であればよい。上記第2剥離力が小さすぎると剥離シート7が剥がれやすくなりすぎ、上記第2剥離力が大きすぎると剥離シート7が剥がれにくくなる。
また固定部31と剥離シート7との第1剥離力は、剥離シート7の粘着部6に対する第2剥離力より50cN以上、好ましくは70cN以上、さらに好ましくは100cN以上で大きければ十分である。上記第1剥離力は、小さすぎると剥離シート7を剥がす前に包装材30が剥離シート7から剥がれてしまい、包装材30とともに剥離シート7をウイング5の粘着部6から剥がすことができない。また上記第1剥離力は剥離シート7が剥がせれば十分であり、上記したように、両剥離力の差が100cN以上あれば十分であり、300cNより大きな差は必要としない。
ここでいう第1剥離力は、固定部(粘着テープ等)と剥離シートとの接触によって生じる力であり、第2剥離力は、粘着部6に対しての剥離シート7の剥離性であり、剥離シート7を剥がそうとする時に抵抗する力である。また、「剥離」とは、指で摘まんで簡単に剥がすことができることをいうのに対し、「接着」は指で摘まんで簡単に剥がすことができないことをいう。
第1剥離力及び第2剥離力の評価は、(株)オリエンテック製のテンシロンRTC−1210Aと引張・圧縮・曲げ試験用データ処理システムを使用し評価する。吸収性物品から測定対象部分を切り出して測定サンプルとし、テンシロンのチャック間距離を10mmに設定して、測定サンプルの長手方向の一端(包装材)を一方のチャックに固定し、他端(剥離シート)を他方のチャックに固定する。そして、300mm/秒の速度でチャック間距離を拡げて測定サンプルをT字剥離させ、その間の指示計(荷重計)が示す最大値(cN)を読み取る。読み取った最大値を、それぞれ、第1剥離力、第2剥離力とする。
第1剥離力の評価においては、包装材が固定部を介して、剥離シートと接着した状態のものを測定サンプルとし、包装材を一方のチャックに固定し、剥離シートを他方のチャックに固定する。第2剥離力の評価においては、剥離シートを剥がさない状態のウイング部分を測定サンプルとし、剥離シートを一方チャックに固定し、ウイング部を他方のチャックに固定する。なお、ウイング部全体が剥離シートで覆われている場合には、一部剥離シートを除去してウイング部を露出されて測定する。
上記固定部31の長さA、幅Bと、上記両ウイング5a、5bの粘着部6a、6bの幅方向外側部同士の距離Cは以下のように設定される。なお、固定部31の形状および粘着部6の形状は矩形とした場合である。
また、固定部31の長さAは、8mm以上、好ましくは12mm以上、さらに好ましくは14mm以上であり、そして、長さAは20mm以下、好ましくは18mm以下、さらに好ましくは16mm以下である。より具体的には、8mm〜20mm、好ましくは12mm〜18mm、さらに好ましくは14mm〜16mmとする。長さAが短すぎる場合には、固定部31が剥がれやすくなり、長すぎる場合には、固定部31の粘着領域が剥離シート7からはみだし、表面シートに接触する恐れがある。
また、固定部31の幅Bは、5mm以上、好ましくは7mm以上、さらに好ましくは10mm以上であり、そして、幅Bは20mm以下、好ましくは18mm以下、さらに好ましくは16mm以下である。より具体的には、5mm〜20mm、好ましくは7mm〜18mm、さらに好ましくは10mm〜16mmとする。幅Bが短すぎる場合には、固定部31の固着力にもよるが固定部31が剥がれやすくなり、長すぎる場合には、ウイング5の持ち上がり角度、立ち上り高さが低くなる。
さらに、個包装状態におけるウイング5の粘着部6の幅方向外側部同士の距離Cは、60mm以上、好ましくは62mm以上、さらに好ましくは65mm以上であり、そして、距離Cは、80mm以下、好ましくは78mm以下、さらに好ましくは75mm以下である。より具体的には、60mm〜80mm、好ましくは62mm〜78mm、さらに好ましくは65mm〜75mmとする。距離Cが短すぎる場合には、ウイング5の持ち上がり角度、立ち上がり高さが低くなり、長すぎる場合には、剥離シート7を剥がした際、折り癖のついたウイング基端位置が引き寄せられ、折り癖のない領域を持ち上げてしまうため、ウイング5の持ち上がり角度は高いものの、立ち上がり高さは低くなる。
したがって、B/Cは1/16以上、好ましくは1/11以上、さらに好ましくは1/7.5以上であり、そして、B/Cは1/3以下、好ましくは1/3.4以下、さらに好ましくは1/4.1以下である。より具体的には、B/C=1/16〜1/3、好ましくは1/11〜1/3.4、さらに好ましくは1/7.5〜1/4.1とする。B/Cが小さすぎる場合には、剥離シート7を剥がした際、折り癖のついたウイング基端位置が引き寄せられ、折り癖のない領域を持ち上げてしまうため、ウイング5の持ち上がり角度は高いものの、立ち上がり高さは低くなり、大きすぎる場合には、剥離シート7を剥がした際、剥離シート7の中央部が持ち上がりにくくなるため、ウイング5の持ち上がり角度、立ち上がり高さが低くなる。
図3(a)に示すように、上記固定部31は、ファスニングテープを用いることができる。この場合、包装材30の外側の面と剥離シート7の表面(粘着部6に粘着される側とは反対側の面)とがファスニングテープにより接着される。
図3(b)に示すように、上記固定部31は、接着剤を用いることができる。この場合、接着剤には、如何なる接着剤であってもよいが、接着後の柔軟性が確保できる例えばホットメルト接着剤を好ましく挙げられる。接着剤を用いた場合、包装材30の内側の面と剥離シート7の表面(粘着部6に粘着される側とは反対側の面)とが接着される。
ウイング5の粘着部6は、上述のように矩形にされることが一般的である。しかし、本発明の個包装体では、剥離シート7を剥がした際にウイング5を持ち上がり易くするために、ウイング5の粘着部6が、ウイング5の前方側に向かって、幅方向内側から外側に幅狭となるようにすることが好ましい。このような構成としては、図4に示すような形状が挙げられる。図4(a)に示すように、粘着部6a、6bは、本体4の外側に直角が配された直角台形が挙げられる。また図4(b)に示すように、粘着部6a、6bは、本体4の長手方向に平行な上底と下底を有し、内側に辺の長さが短い上底を有する台形または等脚台形がある。なお図面では等脚台形を示した。なお、図示はしないが、本体4の外側に直角が配された直角三角形であってもよい。さらに上記では直線の辺を有する図形を示したが、辺が曲線であってもよく、上記ウイング5の前方側に向かって幅方向内側から外側に幅狭となる図形であれば、如何なる形状であってもよい。
ウイング5の基部に近い所まで粘着部6a、6bがある方が、折り癖の付いた基部にウイング5を持ち上げる力が伝わり易く、また、粘着部6a、6bの前側は線状に剥離シート7と固定していることが良い。
また、剥離シートを剥がす際に、粘着部6a、6bの前側がほんの一部でも剥離シート7から剥がれると、剥がれた部分が起点となり、簡単に剥離してしまい、剥離シート7の中央領域が持ち上がる前に、剥離シート7が剥がれてしまう。粘着部6a、6bの基本形は矩形であり、この形状の場合、粘着部6a、6bの内側が固定部31に近いため、剥離シート7の中央領域を持ち上げる時に、粘着部6a、6bの内側前部が剥がれ、そこが起点となって剥離シート7が剥がれ易くなる可能性がある。その回避手段として、できるだけ固定部31から粘着部6a、6bの内側を遠ざけることで、より安定して剥離シート7の中央が持ち上がるようにすることができる。このため、上述のように粘着部6a、6bは、幅方向内側から外側に幅狭にしている。このようにして、安定的に剥離シート7の中央を持ち上げることで、ウイング5を立たせ易くなる。
また、ナプキン1のウイング5は、個装体の状態で、前方部から後方部に向かって幅が漸次広くなる部分を有し、最大幅の領域を備える。このとき、幅方向外側から内側に向かって、漸次長手方向の長さが短くなっていく。そして、最大幅領域後端部から長手方向後方に向かってウイング5の幅は狭くなっていく。図2の形態においては、ウイング5は略台形状となっている。粘着部6は、長手方向に関して、ウイング5の最大幅の領域に存在しており、ナプキン1では、当該最大幅の領域内のみに配されている。当該ウイング形状によって、固定部31から個包装体を開封操作する際に、立ち上がったウイング部が肌当接面側へ戻り難くなるので、好ましい。特に、ウイング5の最大幅部に粘着部6を設けることによって、ウイング5の立ち上がり性を良好にすることができる。
次に、生理用ナプキン10から包装材30を剥がし取る方法の一例を、図5を参照して以下に説明する。
図5(a)に示すように、折畳まれている包装材30の前方側を剥がし取り、吸収性物品としての生理用ナプキン10の本体4の前方側を開く。
さらに図示はしていないが、包装材30を生理用ナプキン10の前方側から裏面側に回すようにして剥がし取る。なお、(a)図では、図面上方が生理用ナプキン10の「前方」を示し、図面下方が「後方」を示す。
さらに図5(b)に示すように、包装材30を後方側に引くようにして、固定部31に固定されている剥離シート7をウイング5の粘着部6(図示せず)から剥がし取る。このとき、固定部31が剥離シート7の前方側中央部にのみ固定されているので、剥離シート7は、固定部31によってその中央部が持ち上げられる。これによって剥離シート7に粘着部6を介して粘着されている両ウイング5も持ち上げられる。なお、(b)図では、図面上方が生理用ナプキン10の「後方」を示し、図面下方が「前方」を示す。
さらに包装材30をさらに後方側に引くと、図5(c)に示すように、粘着部6との粘着力(第2剥離力)よりも固定部31(図示せず)との接着力(第1剥離力)が勝るので、剥離シート7(図示せず)は粘着部6から剥がされる。なお図面では、剥がし終えた状態を示した。剥離シート7が粘着部6より剥がされている間、剥離シート7の中央部が持ち上げられているので、これに伴って、ウイング5も先端部が持ち上げられる。そして、粘着部6より剥離シート7が完全に剥離し、包装材30(図示せず)を生理用ナプキン10から剥がし取っても、ウイング5の先端部5Tは持ち上げられた状態が保持される。その先端部5Tは指で摘まめる程度の高さ、例えば5mm以上の高さに持ち上がった状態が維持される。なお、(c)図では、図面上方が生理用ナプキン10の「後方」を示し、図面下方が「前方」を示す。
このようにウイング5が持ち上がった状態に維持されるのは、剥離シート7を剥がす際に、固定部31によって常に剥離シート7の中央部が上に引っ張られるため、ウイング5に起き上がる癖がつくためである。このため、本体4の肌当接面(表面)側に指先が触れることなく、ウイング5を摘まんで、生理用ナプキン10を下着(図示せず)に装着することができる。したがって、生理用ナプキン10は、その肌当接面側が衛生的に良い状態が保持されて下着に装着される。
上述の吸収性物品の個包装体20は、ウイング5に貼られた剥離シート7を剥がす際にウイング5を起き上がらせることができるので、ウイング5を指で摘まんで起き上がらすことが不要になる。このため、指先が生理用ナプキン10の肌当接面側に触れることなく、ウイング5を用いて生理用ナプキン10を衛生的に良い状態で下着に装着することができる。
また剥離シート7が固定部31によって包装材30の後端部に接着され、剥離シート7が包装材30の長手方向中央部側に配されているので、生理用ナプキン10から剥がし取ったものは、包装材30の長さより長くならない。したがって、生理用ナプキン10から剥がし取った剥離シート7を含む包装材30の後始末がしやすくなり、扱いやすくなる。
次に、本発明に係る吸収性物品の個包装体の第2実施形態について、図6を参照しながら、以下に説明する。
図6に示すように、本実施形態の個包装体20に包まれる吸収性物品は、例えば第1実施形態で説明したようなスリムタイプと呼ばれている薄型の生理用ナプキン10である。
以下、薄型の生理用ナプキンの個包装体について詳細に説明するが、以下の説明では、上述の第1実施形態と異なる部分のみ詳細に説明する。
第2実施形態の吸収性物品の個包装体20(20B)は、上記生理用ナプキン10を包装材30と共に上記本体4の長手方向に折り畳み、包装材30を封止してなる。
上記吸収性物品の個包装体20Bの構成は、剥離シート7の構成と配置、および固定部31の配置が異なるのみで、その他の構成は前述した第1実施形態の吸収性物品の個包装体20Aと同様である。
吸収性物品の個包装体20Bは、ウイング5a、5bの非肌当接面側の面と包装材30との間で、ウイング5a、5bより前方の折り畳み位置L1より後方に、それぞれのウイング5a、5bに対して別々に剥離シート7a、7bがそれぞれに分離配置されている。この剥離シート7a、7bは、ウイング5a、5bに配された粘着部6a、6bにそれぞれに剥離可能に接着されている。
上記剥離シート7a、7bは、包装材30の前方側端部よりさらに前方側に出ていて、包装材30と剥離シート7a、7bとは、包装材20の外面側と剥離シート7a、7bとが固定部31a、31bにより固定されている。固定部31a、31bには、例えば、粘着テープが用いられている。この粘着テープの粘着力は、上記剥離シート7a、7bの粘着部6a、6bに対する粘着力よりも大きく、粘着テープが剥がれることなく剥離シート7a、7bを粘着部6a、6bから剥離できる粘着力を有する。その粘着力は第1実施形態と同様である。
また、包装材30から生理用ナプキン10を取り出す手順は、前述した第1実施形態と同様である。
上記粘着部6a、6bは、ウイング5に対し前後左右ほぼ中央に位置していれば良い。一方、固定部31の位置は、粘着部6a、6bの幅方向中心と、固定部31の幅方向中心がほぼ同じ位置にあるのが最も好ましい。それは、固定部31の位置が粘着部6a、6bの幅方向中心からずれ、粘着部6a、6bの幅に対し少しでも固定部31が外れた場合、剥離シート7を剥がす時に、粘着部6a、6bの前側が一部でも剥がれると、そこが起点となって剥離しやすくなり、ウイング5が持ち上がり難くなるからである。固定部31が粘着部6a、6bの幅内に位置していれば、粘着部6a、6bの前側に剥離させる力が幅方向均等に加わるため、粘着部6a、6bの一部が剥がれることがなくなるからである。
上述の第2実施形態の吸収性物品の個包装体20Bは、前述の第1実施形態の吸収性物品の個包装体20Aと同様な作用効果を奏する。特に個包装体20Bでは、各ウイング5a、5bに配された粘着部6a、6bのそれぞれに分離した剥離シート7a、7bが配されていることから、第1実施形態の個包装体20Aよりもウイング5a、5bが立ち上がりやすい。
前述した第1実施形態の場合、一枚の剥離シート7で左右のウイング5を持ち上げる。この場合、片方のウイング5は左側に向けて持ち上げたいのに対し、もう片方は右側に向けて持ち上げたい。つまり、持ち上げたい方向が相反する(綱引きするような)方向となり、剥離シート7を持ち上げても、ある程度の持ち上がり高さしかでない。
一方、第2実施形態の場合、剥離シート7がそれぞれのウイング部5に配されているため、ウイング部を持ち上げたい方向に相反する力が働かないため、第1実施形態と比べ、ウイング5が立ち上がりやすくなる。
次に、本発明に係る吸収性物品の個包装体の第3実施形態について、図7を参照しながら、以下に説明する。
図7に示すように、本実施形態の個包装体20Cに包まれる吸収性物品は、スリムタイプと呼ばれている薄型の生理用ナプキン10(10C)であり、前述の第1実施形態の生理用ナプキン10Aよりも長手方向が長いものである。
以下、薄型の生理用ナプキンの個包装体について詳細に説明するが、以下の説明では、上述の第1実施形態と異なる部分のみ詳細に説明する。
第3実施形態の吸収性物品の個包装体20(20C)は、上記生理用ナプキン10Cを包装材30と共に上記本体4の長手方向に3回折り畳み、包装材30を封止してなる。
上記生理用ナプキン10Cの構成は、長手方向の長さが異なるのと一部の折りたたみ位置と折りたたみ回数が異なるのみで、その他の構成は前述した第1実施形態の生理用ナプキン10Aと同様である。
すなわち、上記生理用ナプキン10Cは、各ウイング5が本体4とウイング5の境界基端位置から本体4の肌当接面側に折り畳まれている。さらに生理用ナプキン10Cの長手方向におけるウイング5より最後方に位置する部分が折り畳み位置L3で肌当接面側に折り畳まれている。このとき、折り畳んだ部分が次に折り畳む折り畳み位置L2で再び折畳まれないように、包装材30の後方側の端部が折り畳み位置L2よりも折り畳み位置L3側に位置される。さらにウイング5を有する部分上に、ウイング5より後方に位置する先に折り畳んだ部分も含めた部分が重なるようにして折り畳み位置L2で折り畳まれている。このとき、折畳んだ部分の折り畳み位置L3は、折り畳み位置L1より折り畳み位置L2側に配される。さらにその上に、ウイング5より前方に位置する部分が重なるようにして折畳み位置L1で折り畳まれている。
上述の第3実施形態の吸収性物品の個包装体20Cは、前述の第1実施形態の吸収性物品の個包装体20Aと同様な作用効果を奏する。このように、生理用ナプキン10Cの長手方向の長さが長いものにも、本発明の構成は適用できる。
次に、上述の各実施形態に用いた薄型の生理用ナプキン10の基本構成について、図8を参照して以下に説明する。図8では、生理用ナプキン10の幅方向をX、長手方向をYで示した。
図8に示すように、生理用ナプキン10は、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1と、非肌当接面側に配置される液不透過性の裏面シート2と、表面シート1と裏面シート2との間に介在される液保持性を有する吸収体3と、を有する縦長の本体(吸収性本体ともいう。)4と、この本体4の両側部に外方に延出するウイング5(5a,5b)とを備えている。このウイング5a,5bの各付け根部分は、ウイング5を広げた状態で、円弧状もしくは鈍角に形成されている。なお、図面では、ウイング5を折り畳んだ状態を示している。
上記本体4の形状は、装着時に着用者の股下部分を介して下腹部側から臀部側へと配される長手方向(Y方向)とこれと直交する幅方向(X方向)とを有する縦長の形状である。本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌当接面側または表面側といい、下着に接する側を非肌当接面側または裏面側という。さらに生理用ナプキン10の平面視において相対的に長さのある方向を長手方向といい、この長手方向と直交する方向を幅方向という。上記長手方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
上記本体4は通常この種の生理用ナプキン等に用いる材料を使用することができ、特に限定されるものではない。
表面シート1は、親水性不織布で形成されることが好ましい。親水性不織布としては、エアースルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布で、その繊維がポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましく使用できる。
上記裏面シート2は、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されない。例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラーまたは相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸または二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
吸収体3には、例えば、繊維集合体またはこれと吸収性ポリマーとを併用させたもの等を用いることができる。繊維集合体を構成する繊維としては、パルプ繊維等の親水性天然繊維や、合成繊維(好ましくは親水化処理を施したもの)等を用いることができる。坪量は特に限定されないが、150g/m2〜500g/m2が好ましい。また吸収体3を被覆する被覆シートを用いることもできる。この被覆シートには、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)、スパンボンド−スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SSMS)等の複合不織布)等を用いることができる。
上記ウイング5は、撥水性の嵩高で繊維密度の疎な柔らかい不織布からなり、その基部が上記表面シート1と裏面シート2とに挟持され固定されている。またウイング5は、それぞれ裏面側の面に粘着部6を有している。この粘着部6は、下着にウイング5を粘着固定し、下着に対して生理用ナプキン10がずれるのを防止するものであり、各種の粘着剤を特に制限無く用いることができる。粘着部6にはホットメルト接着剤が用いられ、ホットメルト接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等が挙げられる。そしてウイング5は、折り曲げ自在となっており、本発明では表面シート1側に折り畳まれている。したがって、上記粘着部6は表面側に向いている。
このように生理用ナプキン10の使用時に股下にあたるウイング5が柔らかな不織布を有するため、この部分が肌に触れてもフィルムのようなごわつき感を感じることなく柔らかな肌触りとなる。
上記ウイング5は、上記形態に限定されることはなく、本体4の両側部の外方に延出するように配されたものであり、上記粘着部6を有し、表面シート1側に折り畳まれているものであれば、如何なる形態であってもよい。
さらに折り畳まれた両ウイング5の粘着部6には、両粘着部6(6a,6b)にまたがって剥離シート7が貼り付けられている。剥離シート7は、その外形が両粘着部6を被覆する大きさであればよく、図示したように必ずしも矩形である必要はない。上記粘着部6a,6bを完全に被覆する形状であれば、如何なる形状であってもよく、矩形(長方形、正方形)の他に、例えば、多角形、長円形、楕円形、円形、またはそれらの一部が延出された形状、それらの一部がくびれた形状、等であってもよい。
上記ウイング5は、上記粘着部6から上記剥離シート7を剥がして、装着者のショーツの股下部に巻きつけて貼り付けて固定するもので、上述の粘着部6を固定材といている。このウイング5は、本体4の***部(膣口)対向領域に配される。この***部対向領域は、昼用の場合には生理用ナプキン10の長手方向中央部であり、夜用の場合には生理用ナプキン10の長手方向前方であり、物品の使用目的等に合わせてその位置が設定される。
上記剥離シート7は、一般の生理用ナプキンの剥離シートと同様な材料のものを用いることができ、具体的には、シリコーン処理剤の塗工量が例えば0.1〜5g/m2の剥離処理した上質紙、グラシン紙、ポリエチレンフィルム、それらの複合物等が挙げられる。この剥離処理は、公知の手法を用いて行うことができる。さらに剥離シート7は、その外形が両粘着部6を被覆する大きさであればよく、図示したように必ずしも矩形である必要はない。上記粘着部6a,6bを完全に被覆する形状であれば、如何なる形状であってもよく、矩形(長方形、正方形)の他に、例えば、多角形、長円形、楕円形、円形、またはそれらの一部が延出された形状、それらの一部がくびれた形状、等であってもよい。
前記図1等を参照して説明した包装材30の材料は、公知のものを用いることができ、具体的には、厚さ5〜50μmのポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、あるいは不織布や紙、及びこれらの複合材料等の包装材材料が挙げられる。前記包装材30の内面の剥離処理は、公知の手法を用いて行うことができ、具体的には、包装材の内面全面に、剥離処理剤を塗布するか又は剥離テープ、剥離紙、剥離処理した不織布、剥離処理したポリエチレンラミネート紙若しくは剥離処理したポリエチレンフィルム等の剥離部材を貼付する等して行うことができる。
次に、上述の固定部31の長さA、幅B、粘着部6の幅方向外側部同士の距離Cについて、(1)幅Bを5mm、距離Cを80mmに固定して、長さAを変えた場合、(2)長さAを10mm、距離Cを80mmに固定して、幅Bを変えた場合、(3)長さAを10mm、幅Bを5mmに固定して、距離Cを変えた場合について、ウイング5の持ち上がり角度α(°)(図9(a)参照。)、ウイング5の立ち上がり高さh(mm)(図9(b)参照。)、及び指先が本体4の肌当接面側表面を触るか否かについて調べた。
ウイング5の持ち上がり角度α(°)は、包装材30を開封し、包装材30とともに固定部31を介して剥離シート7を持ち上げたときの本体4の肌当接面側の面とウイング5のなす角度を分度器によって3回測定し、その平均値を求めた。
このように、開封時の角度を測定することは、剥離シート7の中央領域を持ち上げることが、ウイング5の立ち上がり高さに大きく関係するために技術的意義があります。
ウイング5の立ち上がり高さh(mm)は、剥離シート7を剥がした直後の本体4の肌当接面側の面から垂直方向のウイング5の先端部5Tまでの高さを定規によって3回測定し、その平均値を求めた。
「表面を触るか否か」についての評価は、剥離シート7を剥がした直後のウイング5の先端部を指先で摘まむ試験を3回行った。3回の平均値で、指先が本体4の肌当接面側に触れないでウイング5を摘まめた回数が多い場合に「N」と記し、本体4の肌当接面側に触れる回数が多い場合に「T」と記した。
上位評価結果を表1に示す。
Figure 0006022288
(1)幅Bを5mm、距離Cを80mmに固定して、長さAを変えた場合、
固定部31の長さAが5mmでは固定部31が剥離シート7から外れやすかった。また、ウイング5の持ち上がり角度θが15°〜20°であり、立ち上がり高さhが2mm〜4mmで不十分であった。このため、ウイング5を指先で摘まむときに、本体4の肌当接面側に指先が触れた(評価「T」)。
一方、固定部31の長さAが10mm、15mm、20mmでは、持ち上がり角度θが30°〜35°、立ち上がり高さhが9mm〜15mmであった。このため、ウイング5を指先で摘まむときに、本体4の肌当接面側に指先が触れなかった(評価「N」)。したがって、固定部31の長さAは10mm以上が必要であることがわかった。
(2)長さAを10mm、距離Cを80mmに固定して、幅Bを変えた場合、
固定部31の幅Bが30mmでは、ウイングの持ち上がり角度θが15°〜20°であり、立ち上がり高さhが2mm〜4mmで不十分であった。このため、ウイング5を指先で摘まむときに、本体4の肌当接面側に指先が触れた(評価「T」)。
一方、固定部31の幅Bが5mm、10mm、20mmでは、持ち上がり角度θが25°〜35°、立ち上がり高さhが5mm〜15mmであった。このため、ウイング5を指先で摘まむときに、本体4の肌当接面側に指先が触れなかった(評価「N」)。したがって、固定部31の幅Bは20mm以下が必要であることがわかった。
(3)長さAを10mm、幅Bを5mmに固定して、距離Cを変えた場合、
固定部31の距離Cが50mmでは、ウイングの持ち上がり角度θが15°〜20°であり、立ち上がり高さhが2mm〜4mmで不十分であった。このため、ウイング5を指先で摘まむときに、本体4の肌当接面側に指先が触れた(評価「T」)。
一方、固定部31の距離Cが80mm、70mm、60mmでは、持ち上がり角度θが25°〜35°、立ち上がり高さhが5mm〜15mmであった。このため、ウイング5を指先で摘まむときに、本体4の肌当接面側に指先が触れなかった(評価「N」)。したがって、固定部31の距離Cは60mm以上が必要であることがわかった。
上述した実施形態および実施態様に関し、さらに以下の付記(吸収性物品の個包装体)を開示する。
<1>縦長の本体と、該本体の幅方向両側に延設された一対のウイングを有している吸収性物品を、その非肌当接面に配された包装材と共に該本体の長手方向に折り畳み、該包装材を封止してなる吸収性物品の個別包装体であって、前記吸収性物品は、前記各ウイングが前記本体と前記ウイングの境界基端位置から前記本体の肌当接面側に折り畳まれ、かつ前記吸収性物品の長手方向における前記ウイングを有する部分上に前記ウイングより後方に位置する部分を重ねるようにして折り畳まれ、さらにその上に前記ウイングより前方に位置する部分を重ねるようにして長手方向に折り畳まれており、折畳まれた状態で、前記各ウイングの非肌当接面側の面と前記包装材との間で、前記ウイングより前方の折り畳み位置より後方に剥離シートが配され、前記剥離シートは、前記ウイングの非肌当接面側に配された粘着部に剥離可能に接着され、かつ前記包装材と該剥離シート間で、幅方向両側を非接着領域とし、幅方向中央領域で固定部により固定された吸収性物品の個包装体。
<2>個包装体の状態で、前記包装材の前方側端部より前記剥離シートが前方側に出ていて、前記包装材と前記剥離シートとは、前記包装材の外面側と前記剥離シートとが前記固定部により固定された<1>に記載の吸収性物品の個包装体。
<3>前記固定部の幅Bと、前記両ウイングの粘着部の幅方向外側部同士の距離Cは、B:C=1:3〜1:16である<1>または<2>に記載の吸収性物品の個包装体。
<4>縦長の本体と、該本体の幅方向両側に延設された一対のウイングを有している吸収性物品を、包装材と共に該本体の長手方向に折り畳み、該包装材を封止してなる吸収性物品の個別包装体であって、前記吸収性物品は、前記各ウイングが前記本体と前記ウイングの境界基端位置から前記本体の肌当接面側に折り畳まれ、かつ前記吸収性物品の長手方向における前記ウイングを有する部分上に前記ウイングより後方に位置する部分を重ねるようにして折り畳まれ、さらにその上に前記ウイングより前方に位置する部分を重ねるようにして長手方向に折り畳まれており、前記各ウイングの非肌当接面側の面と前記包装材との間で、前記各ウイングより前方の折り畳み位置より後方に剥離シートがそれぞれ配され、前記剥離シートは、前記各ウイングの非肌当接面に設けられた粘着部にそれぞれ剥離可能に接着され、前記折畳まれた状態で、前記包装材の前方側端部より前記各剥離シートが前方側に出ていて、前記包装材と前記各剥離シートとは、前記包装材の外面側と前記各剥離シートとがそれぞれの固定部により固定された吸収性物品の個包装体。
<5>前記固定部が矩形である前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の吸収性物品の個包装体。
<6>前記固定部の幅が5mm以上20mm以下である前記<5>に記載の吸収性物品の個包装体。
<7>前記固定部の長さが8mm以上20mm以下である前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品の個包装体
<8>個包装状態において、前記ウイングの粘着部の幅方向外側部同士の距離が60mm以上80mm以下である前記<1>〜<7>のいずれか1に記載の吸収性物品の個包装体。
<9>前記ウイングの粘着部が、前記ウイングの前方側に向かって、幅方向内側から外側に幅狭となる前記<1>〜<8>のいずれか1に記載の吸収性物品の個包装体。
<10>前記固定部と前記剥離シートとの剥離力は、前記剥離シートと前記粘着部との剥離力より50cN以上大きい前記<1>〜<9>のいずれか1に記載の吸収性物品の個包装体。
<11>前記固定部と前記剥離シートとの剥離力は、前記粘着部と前記剥離シートとの剥離力の2.5倍以上20倍以下である前記<1>〜<10>のいずれか1に記載の吸収性物品の個包装体。
<12>前記固定部がファスニングテープである前記<1>〜<11>のいずれか1に記載の吸収性物品の個包装体。
<13>前記固定部がホットメルト接着剤である前記<1>〜<11>のいずれか1つに記載の吸収性物品の個包装体。
<14>個包装状態において、前記ウイングは前方から後方に向かって幅が広くなる部分を有している前記<1>〜<13>のいずれか1に記載の吸収性物品の個包装体。
<15>前記粘着部はウイングの最大幅部に配されている前記<14>に記載の吸収性物品の個包装体。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 本体(吸収性本体)
5,5a,5b ウイング
6,6a,6b 粘着部
7,7a,7b 剥離シート
10 生理用ナプキン(吸収性物品)
20 吸収性物品の個包装体
30 包装材
31,31a,31b 固定部

Claims (5)

  1. 縦長の本体と、該本体の幅方向両側に延設された一対のウイングを有している吸収性物品を、その非肌当接面に配された包装材と共に該本体の長手方向に折り畳み、該包装材を封止してなる吸収性物品の個別包装体であって、
    前記吸収性物品は、前記各ウイングが前記本体と前記ウイングの境界基端位置から前記本体の肌当接面側に折り畳まれ、かつ前記吸収性物品の長手方向における前記ウイングを有する部分上に前記ウイングより後方に位置する部分を重ねるようにして折り畳まれ、さらにその上に前記ウイングより前方に位置する部分を重ねるようにして長手方向に折り畳まれており、
    折畳まれた状態で、前記各ウイングの非肌当接面側の面と前記包装材との間で、前記ウイングより前方の折り畳み位置より後方に剥離シートが配され、
    前記剥離シートは、前記ウイングの非肌当接面側に配された粘着部に剥離可能に接着され、かつ前記包装材と該剥離シート間で、幅方向両側を非接着領域とし、幅方向中央領域で固定部により固定され
    個包装体の状態で、前記包装材の前方側端部より前記剥離シートが前方側に出ていて、前記包装材と前記剥離シートとは、前記包装材の外面側と前記剥離シートとが前記固定部により固定され
    吸収性物品の個包装体。
  2. 前記固定部の幅Bと、前記両ウイングの粘着部の幅方向外側部同士の距離Cは、B:C=1:3〜1:16である請求項に記載の吸収性物品の個包装体。
  3. 縦長の本体と、該本体の幅方向両側に延設された一対のウイングを有している吸収性物品を、包装材と共に該本体の長手方向に折り畳み、該包装材を封止してなる吸収性物品の個別包装体であって、
    前記吸収性物品は、前記各ウイングが前記本体と前記ウイングの境界基端位置から前記本体の肌当接面側に折り畳まれ、かつ前記吸収性物品の長手方向における前記ウイングを有する部分上に前記ウイングより後方に位置する部分を重ねるようにして折り畳まれ、さらにその上に前記ウイングより前方に位置する部分を重ねるようにして長手方向に折り畳まれており、
    前記各ウイングの非肌当接面側の面と前記包装材との間で、前記各ウイングより前方の折り畳み位置より後方に剥離シートがそれぞれ配され、
    前記剥離シートは、前記各ウイングの非肌当接面に設けられた粘着部にそれぞれ剥離可能に接着され、
    前記折畳まれた状態で、前記包装材の前方側端部より前記各剥離シートが前方側に出ていて、前記包装材と前記各剥離シートとは、前記包装材の外面側と前記各剥離シートとがそれぞれの固定部により固定された吸収性物品の個包装体。
  4. 前記ウイングの粘着部が、前記ウイングの前方側に向かって、幅方向内側から外側に幅狭となる請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体。
  5. 前記固定部と前記剥離シートとの剥離力は、前記剥離シートと前記粘着部との剥離力より50cN以上大きい請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品の個包装体。
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