JP6021259B2 - 水硬性高炉スラグ組成物及びコンクリート硬化体 - Google Patents

水硬性高炉スラグ組成物及びコンクリート硬化体 Download PDF

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Description

本発明は水硬性高炉スラグ組成物及びコンクリート硬化体に関する。近年、副産物の有効利用、省資源・省エネルギー、地球温暖化対策のための炭酸ガス削減等の観点から、製鉄所から副産する高炉水砕スラグの微粉末をポルトランドセメントと混合した混合セメントの利用が、コンクリート硬化体を得る上において益々重要になっている。本発明は高炉スラグ微粉末を多く含有する結合材を用いた場合でも高品質のコンクリート硬化体を得ることができる水硬性高炉スラグ組成物及びこれを硬化して得られるコンクリート硬化体に関する。
高炉スラグ微粉末を多く含有する結合材(以下、高炉スラグ高含有結合材という)を用いてコンクリート組成物を調製すると、以下の1)〜3)のような問題があることが指摘されている。すなわち、1)高炉スラグ高含有結合材を用いて調製したコンクリート組成物は、ポルトランドセメントを用いて調製したコンクリート組成物に比べて、得られるコンクリート硬化体の圧縮強度が低くなる傾向がある(標準水中養生供試体の圧縮強度が低い)。また 2)高炉スラグ高含有結合材を用いて調製したコンクリート組成物を大型構造物に適用した場合、調製したコンクリート組成物が水和反応により硬化する過程で発熱により温度上昇する熱履歴を受けると、得られるコンクリート硬化体の構造体強度が低下する傾向があり(高温履歴構造体の圧縮強度が低い)、この傾向は調製時(練り混ぜ時)の温度が高いほど、また高炉スラグ微粉末の含有量が多い結合材を用いて調製したコンクリート組成物ほど著しい。更に3)高炉スラグ高含有結合材を用いて調製したコンクリート組成物から得られるコンクリート硬化体は構造体の品質管理で使用されるS値(標準水中養生供試体の圧縮強度と高温履歴構造体の圧縮強度との差)が大きくなり、構造体強度の底上げ量の必要値が大きくなる。従来、高炉スラグ高含有結合材を用いてCOの発生を抑制した環境性能の高いコンクリート組成物が知られており(例えば特許文献1参照)、またコンクリート組成物の水和反応による発熱を抑える混和剤等も知られている(例えば特許文献2〜8参照)。しかし、これらの従来技術では、前記の1)〜3)の問題を同時に且つ充分に解決することができない。
特開2010−285291号公報 特開昭59−30743号公報 特開昭63−117941号公報 特開平1−242447号公報 特開平6−298560号公報 特開2003−34564号公報 特開2009−7187号公報 特開2010−180065号公報
本発明が解決しようとする課題は、1)高炉スラグ高含有結合材を用いて調製したコンクリート組成物(以下、かかるコンクリート組成物を水硬性高炉スラグ組成物という)は、得られるコンクリート硬化体の圧縮強度が低い、2)水硬性高炉スラグ組成物は水和反応により硬化する過程での発熱により温度上昇する熱履歴を受けると、得られるコンクリート硬化体の圧縮強度が低下する、3)水硬性高炉スラグ組成物はS値が大きい、という複数の問題を、同時に且つ充分に解決できる水硬性高炉スラグ組成物及びこれを硬化して得られるコンクリート硬化体を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定の結合材に、特定の混和剤を、特定割合で含有させたものが好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の結合材、下記の混和剤、水、細骨材及び粗骨材を含有する水硬性高炉スラグ組成物であって、該結合材100質量部当たり該混和剤を0.01〜0.50質量部の割合で含有することを特徴とする水硬性高炉スラグ組成物に係る。また本発明は、かかる水硬性高炉スラグ組成物を硬化して得られるコンクリート硬化体に係る。
結合材:粉末度が3000〜8000cm/gの高炉スラグ微粉末を40〜80質量%、ポルトランドセメントを15〜55質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜5.0質量%(高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び硫酸塩の合計100質量%)の割合で含有してなるもの。
混和剤:下記のA成分と下記のB成分の2成分からなり、且つA成分を50〜99質量%及びB成分を1〜50質量%(合計100質量%)の割合で含有してなるもの。
A成分:質量平均分子量が1000〜20000及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物
B成分:質量平均分子量が20001〜50000及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物
本発明に係る水硬性高炉スラグ組成物(以下、本発明の組成物という)に供する混和剤は、前記のA成分と前記のB成分の2成分からなるものである。A成分は質量平均分子量が1000〜20000及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物であり、B成分は質量平均分子量が20001〜50000及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物である。
デキストリン化合物は澱粉をアミラーゼ類等の酵素や酸等で加水分解して得られる植物由来の高分子系化合物の総称である。厚肉のコンクリート硬化体における水和熱によるひび割れを防止するために特定のデキストリンを利用する技術は既に提案されている(例えば前記の特許文献2〜8参照)。コンクリート部材(例えば肉厚の壁)の温度が水和熱によって上昇し、再度外気温まで低下するプロセスで、この部材が他の部材(例えば底版)によって拘束されると、概念的には下記の数1のような引張応力が発生し、ひび割れにいたる。
Figure 0006021259
数1において、
σ:引張応力
R:拘束度
T:温度上昇量
α:線膨張係数
:昇温時の平均ヤング率
:降温時の平均ヤング率(E>>E
コンクリート硬化体のひび割れを防止するには温度の上昇量を抑制することが何よりも有効である。そのため、例えば特許文献2では常温での溶解度を10〜50質量%、温度60℃での溶解度を50〜100質量%としたデキストリンが有効に温度上昇を抑制することを示している。これはセメントの反応を遅らせて温度上昇を抑制するデキストリンを高温時まで残すことに着目した技術である。ただし、この技術は、温度の上昇抑制には有効であっても、セメントの凝結が遅くなり過ぎることや得られるコンクリート硬化体の圧縮強度が低下することに問題がある。
これに対して本発明者らは、各種のデキストリンが水硬性高炉スラグ組成物から得られるコンクリート硬化体の圧縮強度に及ぼす影響を研究した結果、常温で水に溶解するデキストリン(21℃の溶解度が90%以上のデキストリン)が分子量に応じて前記の1)〜3)の問題を同時に且つ充分に解決できることを見出した。すなわち、質量平均分子量1000〜20000の範囲の水溶性デキストリン(A成分)が前記の課題1)と2)の解決に有効であり、また質量平均分子量20001〜50000の水溶性デキストリン(B成分)が前記課題3)の解決に有効なことを見出したのである。更に両者を併用することによって、前記の課題1)〜3)を同時に且つ充分に解決できた。かかる効果が発揮される理由は必ずしも明らかでないが、A成分は水和生成物によるスラグの反応阻害を抑制しているものと推定され、またB成分は分子量が大きいため、高温時に加水分解されて低分子化し、効果を発揮するものと推定される。
本発明の組成物に供する混和剤のA成分は、21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物であって、質量平均分子量が1000〜20000のもの、好ましくは質量平均分子量が2000〜10000のものである。本発明において、デキストリン化合物の質量平均分子量は水系のGPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法、以下同じ)で測定したポリエチレングリコール換算の質量平均分子量である。A成分のデキストリン化合物はGPC法で測定した分子量分布曲線における分散度(質量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比)が1.2〜6.0のものが好ましい。分散度がかかる範囲よりも大きいと、本発明が目的とする強度増進効果が低下する傾向がある。このような分散度の小さいデキストリン化合物それ自体は公知の方法(例えば特開2008−222822号公報に記載された方法)で製造され、通常は食品添加物等の用途に粉末品として供給されている。またB成分は、同様に21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物であって、質量平均分子量が20001〜50000のもの、好ましくは質量平均分子量が25000〜35000のものであり、分散度が2.0〜8.0のものである。
混和剤を構成するA成分及びB成分の2成分は、本発明の目的において、次の特長を有する。すなわち、A成分は、標準水中養生供試体の圧縮強度と高温履歴構造体の圧縮強度の両方を増進させる。一方、B成分は特に標準水中養生供試体の圧縮強度と高温履歴構造体の圧縮強度の差、すなわちS値を小さくする性能を有する。本発明では、かかる2成分の性能を活用することによって、前記した複数の問題を同時に且つ充分に解消できる。
本発明の組成物に供する混和剤は、以上説明したA成分とB成分の2成分からなり、且つA成分を50〜99質量%及びB成分を1〜50質量%(合計100質量%)の割合で含有してなるものであって、好ましくはA成分を70〜99質量%及びB成分を1〜30質量%(合計100質量%)の割合で含有してなるものである。A成分及びB成分の割合がかかる特定の範囲から外れると、標準水中養生供試体の圧縮強度の増進、高温履歴構造体の圧縮強度の増進及びS値を小さくするという、前記した1)〜3)の問題を同時に且つ充分に解決することはできない。
本発明の組成物において、混和剤の含有量は通常、結合材100質量部当たり、0.01〜0.50質量部の割合とするが、0.02〜0.40質量部の割合とするのが好ましい。含有量がこれらの割合より多い場合には凝結遅延が大きくなって、得られるコンクリート硬化体が初期材齢では硬化不良となる問題が起こり、逆に少ない場合は本発明が目的とする効果は得られない。
本発明の組成物に供する結合材は、粉末度が3000〜8000cm/gの高炉スラグ微粉末を40〜80質量%、ポルトランドセメントを15〜55質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜5.0質量%(高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び硫酸塩の合計100質量%)の割合で含有してなるものであり、好ましくは高炉スラグ微粉末を60〜70質量%、ポルトランドセメントを25〜35質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜5.0質量%(高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び硫酸塩の合計100質量%)の割合で含有してなるものである。普通ポルトランドセメントと高炉スラグ微粉末とを混合したものとしては、JIS規格を満足する高炉セメントがある。高炉セメントは、高炉スラグ微粉末の分量によって、高炉セメントA種(5質量%超〜30質量%)、高炉セメントB種(30質量%超〜60質量%)及び高炉セメントC種(60質量%超〜70質量%)の3種類に分類されている。本発明の組成物に供する結合材は、前記したものであれば特に制限されるものではなく、JIS規格を満足する高炉セメントB種及び高炉セメントC種を使用することができ、なかでも高炉スラグ微粉末の分量が最も多い高炉セメントC種を使用することができる。
本発明の組成物に供する結合材は、前記した高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び硫酸塩以外にも、その性能を向上させる目的で、更に石灰石微粉末、フライアッシュ、シリカフューム等を併用することもできる。なかでも、粉末度が3000〜12000cm/g及びCaCO含有量が70質量%以上の石灰石微粉末を結合材中に3〜20質量%となるよう、好ましくは5〜15質量%となるよう併用したものは、調製した水硬性高炉スラグ組成物の流動性と得られるコンクリート硬化体の強度が向上する。
本発明の組成物に供する細骨材としては、公知の川砂、砕砂、山砂等が挙げられ、また粗骨材としては公知の川砂利、砕石、軽量骨材等が挙げられる。
本発明の組成物には、必要に応じて他の混和剤を併用することもできる。かかる他の混和剤としては、AE減水剤、高性能AE減水剤、AE剤、消泡剤、防水剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、以上説明した結合材、混和剤、水、細骨材及び粗骨材を公知の方法で練り混ぜることにより調製することができる。具体的には、結合材、水の一部、細骨材及び粗骨材をミキサーで混練する一方で、前記した混和剤と、更に必要に応じてセメント分散剤及びAE調節剤を水の残部で希釈して、しかる後に双方を練り混ぜる方法で調製することができる。この場合、前記した混和剤は、通常粉末で供給されるデキストリン化合物を予め室温で水の一部に完全に溶解し、デキストリンの10〜50質量%水溶液としたものを用いるのが練り混ぜの均一性を図る点で好ましい。
本発明によると、高炉スラグ高含有結合材を用いた場合であっても、得られるコンクリート硬化体の圧縮強度を増進させ、しかも高温の熱履歴を受けたときでも得られるコンクリート硬化体の圧縮強度を増進させ、同時にS値を小さくするというバランス性能に優れた効果を発揮する。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
試験区分1(混和剤の調製)
・A成分及びB成分の調製
食品添加物として流通している多くのデキストリン化合物のなかから、GPC法による分子量及び分散度の測定を行ない、分子量及び分散度が異なる各種のデキストリン化合物を準備した。それらのなかからA成分又はB成分に相当するデキストリン化合物を選択し、それらの30%水溶液を調製した。選択したA成分及びB成分の内容を表1にまとめて示した。
Figure 0006021259
表1において、
分子量:GPC法によるポリエチレングリコール換算の質量平均分子量又は数平均分子量
分散度:質量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した数値
・混和剤の調製
前記したA成分の水溶液とB成分の水溶液を所定の比率で混合し、A成分とB成分の2成分の混合物からなる混和剤(P−1)〜(P−11)の30%水溶液を調製した。同様にして、混和剤(R−1)〜(R−13)の30%水溶液を調製した。調製した各水溶液における混和剤の内容を表2にまとめて示した。
















Figure 0006021259
表2において、
A成分:表1に記載のA成分
B成分:表1に記載のB成分
*1:質量平均分子量64000及び分散度10.7のデキストリン化合物
*2:質量平均分子量800及び分散度2.5のデキストリン化合物
*3:タンニン酸
*4:デンプン
試験区分2(結合材の調製)
表3に記載の配合条件で、高炉スラグ微粉末、無水石膏、普通ポルトランドセメント、石灰石微粉末を用いて結合材を調製し、結合材(sb−1)〜(sb−3)を得た。
Figure 0006021259
表3において、
sg−1:粉末度が6150cm/g及び密度が3.01g/cmの高炉スラグ微粉末
sg−2:粉末度が4100cm/g及び密度が3.04g/cmの高炉スラグ微粉末
gp−1:粉末度が4080cm/g及び密度が3.01g/cmの無水石膏
pc−1:普通ポルトランドセメント
石灰石微粉末:粉末度が5500cm/g及びCaCO含有量が97質量%の石灰石微粉末
試験区分3(水硬性高炉スラグ組成物等の調製及び評価)
・実施例1〜17及び比較例1〜22(水硬性高炉スラグ組成物の調製)
表4に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに、結合材、細骨材、水道水、AE減水剤(竹本油脂社製の商品名チューポールEX50)、AE調節剤(竹本油脂社製の商品名AE300)及び表2記載の混和剤の30%水溶液の各所定量を順次投入して、均一なスラリーとなるまで練り混ぜた。次に、粗骨材を投入して30秒間練り混ぜ、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4.5±0.5%とした実施例1〜17及び比較例1〜22の水硬性高炉スラグ組成物等を調製した。練り混ぜ時の温度はいずれも30℃であった。調製した各例の水硬性高炉スラグ組成物等の内容を表5及び表6にまとめて示した。
Figure 0006021259
表4において、
sb−1〜sb−3:表3に記載の結合材
細骨材:大井川水系砂、密度が2.58g/cm
粗骨材:岡崎産砕石、密度が2.68g/cm
・調製した水硬性高炉スラグ組成物等の評価
調製した各例の水硬性高炉スラグ組成物等について、スランプ、空気量、標準水中養生供試体の圧縮強度、高温履歴供試体の圧縮強度及びS値を下記のように求めた。結果を表5及び表6にまとめて示した。
・スランプ(cm):練り混ぜ直後の水硬性高炉スラグ組成物等について、JIS−A1101に準拠して測定した。
・空気量(容量%):練り混ぜ直後の水硬性高炉スラグ組成物等について、JIS−A1128に準拠して測定した。
・標準水中養生供試体の圧縮強度(N/mm):練り混ぜて調製した各例の水硬性高炉スラグ組成物等を直径10cm×高さ20cmの円柱モールドに充填し、20℃の水中で材齢28日まで水中養生した供試体について、JIS−A1108に準拠して測定した。
・高温履歴供試体の圧縮強度(N/mm):練り混ぜて調製した各例の水硬性高炉スラグ組成物等を直径10cm×高さ20cmの円柱モールドに充填したものを9本作製した。内寸が500mm×500mm×400mmで、周囲6面を厚さ約30cmの断熱材(発砲スチレン)で覆った断熱箱内に、前記の9本を縦3本×横3本の等間隔で並列静置し、中心位置の1本に熱電対を設置して内部の温度上昇履歴を測定した(最高発熱温度40〜60℃)。かかる高温履歴の負荷を材齢28日まで継続した高温履歴供試体について、JIS−A1108に準拠して圧縮強度を測定した。
・S値:標準水中養生供試体の圧縮強度(材齢28日)から高温履歴供試体の圧縮強度(材齢28日)を差し引いた数値。この数値は小さいほど好ましい。
Figure 0006021259















Figure 0006021259
表5及び表6において、
配合条件:表4に記載の配合条件
混合剤の種類:表2に記載の混和剤の種類
混和剤の使用量:結合材100質量部に対する混和剤の添加質量部。
S値:標準水中養生供試体の圧縮強度(材齢28日)から高温履歴供試体の圧縮強度(材齢28日)を差し引いた値
*5:各実施例の標準水中養生供試体の圧縮強度(材齢28日)から相当する配合条件の混和剤を用いなかった比較例(比較例1、16又は22)の標準水中養生供試体の圧縮強度(材齢28日)を差し引いた値
*6:各実施例の高温履歴供試体の圧縮強度(材齢28日)から相当する配合条件の混和剤を用いなかった比較例(比較例1、16又は22)の高温履歴供試体の圧縮強度(材齢28日)を差し引いた値
*7:各比較例の標準水中養生供試体の圧縮強度(材齢28日)から相当する配合条件の混和剤を用いなかった比較例(比較例1、16又は22)の標準水中養生供試体の圧縮強度を差し引いた値
*8:各比較例の高温履歴供試体の圧縮強度(材齢28日)から相当する配合条件の混和剤を用いなかった比較例(比較例1、16又は22)の高温履歴供試体の圧縮強度(材齢28日)を差し引いた値
表5及び表6の結果からも明らかなように、各実施例の水硬性高炉スラグ組成物は、各比較例の水硬性高炉スラグ組成物に比べ、得られるコンクリート硬化体の圧縮強度の発現が高く、高温履歴後においても圧縮強度が高いという増進効果が得られており、しかもS値の小さいものが得られている。本発明によると、高炉スラグ高含有結合材を用いた場合の複数の問題を同時にバランスよく改善できるのである。

Claims (8)

  1. 下記の結合材、下記の混和剤、水、細骨材及び粗骨材を含有する水硬性高炉スラグ組成物であって、該結合材100質量部当たり該混和剤を0.01〜0.50質量部の割合で含有することを特徴とする水硬性高炉スラグ組成物。
    結合材:粉末度が3000〜8000cm/gの高炉スラグ微粉末を40〜80質量%、ポルトランドセメントを15〜55質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜5.0質量%(高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び硫酸塩の合計100質量%)の割合で含有してなるもの。
    混和剤:下記のA成分と下記のB成分の2成分からなり、且つA成分を50〜99質量%及びB成分を1〜50質量%(合計100質量%)の割合で含有してなるもの。
    A成分:質量平均分子量が1000〜20000及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物
    B成分:質量平均分子量が20001〜50000及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物
  2. A成分が、質量平均分子量が2000〜10000、分散度が1.2〜6.0及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物である請求項1記載の水硬性高炉スラグ組成物。
  3. B成分が質量平均分子量が25000〜35000、分散度が2.0〜8.0及び21℃の水に対する溶解度が90%以上の水溶性デキストリン化合物である請求項1又は2記載の水硬性高炉スラグ組成物。
  4. 混和剤が、A成分を70〜99質量%及びB成分を1〜30質量%(合計100質量%)の割合で含有してなるものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の水硬性高炉スラグ組成物。
  5. 結合材が、高炉スラグ微粉末を60〜70質量%、ポルトランドセメントを25〜35質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜5.0質量%(高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び硫酸塩の合計100質量%)の割合で含有してなるものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の水硬性高炉スラグ組成物。
  6. 結合材が、更に下記の石灰石微粉末を結合材中に3〜20質量%となるよう含有するものである請求項1〜5のいずれか一つの項記載の水硬性高炉スラグ組成物。
    石灰石微粉末:粉末度が3000〜12000cm/g及びCaCO含有量が70質量%以上の石灰石微粉末。
  7. 結合材100質量部当たり混和剤を0.02〜0.40質量部の割合で含有する請求項1〜6のいずれか一つの項記載の水硬性高炉スラグ組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つの項記載の水硬性高炉スラグ組成物を硬化して得られるコンクリート硬化体。
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