JP6019046B2 - 鋳型用有機粘結剤及びこれを用いて得られる鋳物砂組成物並びに鋳型 - Google Patents
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Description
(2) 前記ルイス塩基のpKa値が、8〜10であることを特徴とする前記態様(1)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(3) 前記ルイス塩基が、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、アンモニア、及びスクシンイミドのうちから選択されることを特徴とする前記態様(2)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(4) 前記ルイス塩基が、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる前記態様(1)乃至前記態様(3)の何れか1つに記載の鋳型用有機粘結剤。
(5) 前記硬化促進剤が、更に、0.1mol/l水溶液のpHが10〜14であるアレニウス塩基の少なくとも1種を含むことを特徴とする前記態様(1)乃至前記態様(4)の何れか1つに記載の鋳型用有機粘結剤。
(6) 前記アレニウス塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、及び水酸化カリウムのうちから選択されることを特徴とする前記態様(5)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(7) 前記アレニウス塩基が、硬化促進剤全体の合計量において、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる前記態様(5)又は前記態様(6)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(8) 前記硬化促進剤が、更に、0.1mol/l水溶液のpHが8〜14であるアルカリ金属無機塩のブレンステッド塩基の少なくとも1種を含むことを特徴とする前記態様(1)乃至前記態様(7)の何れか1つに記載の鋳型用有機粘結剤。
(9) 前記アルカリ金属無機塩のブレンステッド塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、及びすず酸ナトリウム三水和物のうちから選択されることを特徴とする前記態様(8)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(10) 前記アルカリ金属無機塩のブレンステッド塩基が、硬化促進剤全体の合計量において、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる前記態様(8)又は前記態様(9)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(11) 前記硬化促進剤が、更に、0.1mol/l水溶液のpHが2〜7.5であるアルカリ金属有機塩のブレンステッド塩基の少なくとも1種を含むことを特徴とする前記態様(1)乃至前記態様(10)の何れか1つに記載の鋳型用有機粘結剤。
(12) 前記アルカリ金属有機塩のブレンステッド塩基が、アルギン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウム、p−フェノールスルホン酸ナトリウム、及びp−トルエンスルホン酸ナトリウムのうちから選択されることを特徴とする前記態様(11)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(13) 前記アルカリ金属有機塩のブレンステッド塩基が、硬化促進剤全体の合計量において、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる前記態様(11)又は前記態様(12)に記載の鋳型用有機粘結剤。
(14) 前記態様(1)乃至前記態様(13)の何れか1つに記載の鋳型用有機粘結剤を用いて、それを、鋳物砂に対して混練せしめてなることを特徴とする鋳物砂組成物。
(15) 前記鋳型用有機粘結剤が、前記鋳物砂の100質量部に対して、0.2〜10質量部の範囲内で混練せしめられる前記態様(14)に記載の鋳物砂組成物。
(16) 前記ノボラック型フェノール樹脂と前記レゾール型フェノール樹脂との樹脂混合物が、前記硬化促進剤に先立って、前記鋳物砂に混練せしめられる前記態様(14)又は前記態様(15)に記載の鋳物砂組成物。
(17) 前記硬化促進剤が配合された前記ノボラック型フェノール樹脂と、前記レゾール型フェノール樹脂とが、別個に、前記鋳物砂に混練せしめられる前記態様(14)又は前記態様(15)に記載の鋳物砂組成物。
(18) 前記態様(14)乃至前記態様(17)の何れか1つに記載の鋳物砂組成物を用いて造型し、加熱硬化してなることを特徴とする鋳型。
温度計、攪拌装置及びコンデンサを備えた反応容器に、フェノールの940部、47%ホルマリンの428部、及びシュウ酸の2.8部を投入した。次いで、反応容器を徐々に昇温して、還流温度に到達せしめた後、90分間還流反応させ、更に反応液温度が170℃になるまで加熱及び減圧濃縮することにより、ノボラック型フェノール樹脂を得た。
温度計、攪拌装置及びコンデンサを備えた反応容器に、フェノールの680部、47%ホルマリンの535部、及びヘキサメチレンテトラミンの101部を仕込んだ後、約60分を要して70℃まで昇温し、そのまま5時間反応させた。そして、その得られた反応液を、90℃まで昇温して、減圧脱水することにより、レゾール型フェノール樹脂を得た。
145℃に加熱したフラタリーけい砂の7000部を、ワールミキサーに投入し、更に上記で得られたノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを、下記表1に示される配合比率(1:1)において、合計量が175部となるように投入して、50秒間混練した。次いで、硬化促進剤としてのトリエチレンジアミンの3.5部を、105部の水に溶解乃至分散させてなるものを、ワールミキサー内に供給して、砂粒が崩壊するまで混練を行ない、そして送風冷却した後、更にステアリン酸カルシウムの7部を添加して、シェルモールド用のRCSを得た。
実施例1におけるトリエチレンジアミンに代えて、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、0.1mol/lのアンモニア水、又はスクシンイミドの3.5部を、硬化促進剤として用いたこと以外は、実施例1と同様な手法に従って、実施例2〜4に係る各RCSを得た。
実施例1において、硬化促進剤として、トリエチレンジアミンの3.5部と共に、アレニウス塩基である水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウムの0.5部、或いはブレンステッド塩基である炭酸カルシウム若しくは炭酸水素ナトリウムの0.5部、又はブレンステッド塩基である1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウムの3.5部を、更に用いること以外は、実施例1と同様な手法により、実施例5〜9に係る各RCSを得た。
実施例1において、硬化促進剤として、トリエチレンジアミン若しくはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンからなるルイス塩基の3.5部と、下記表2又は表3に示される、アレニウス塩基若しくはブレンステッド塩基の所定量とを用いること以外は、実施例1と同様にして、それぞれ、実施例10〜15に係る各種のRCSを得た。
実施例1におけるノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の使用割合を、表3に示される如く変化させたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例16〜17に係る各種のRCSを得た。
145℃に加熱したフラタリーけい砂の7000部を、ワールミキサーに投入し、これに、ノボラック型フェノール樹脂の87.5部とトリエチレンジアミンの3.5部とを予め配合したものを投入して、50秒間混練せしめた後、更に、レゾール型フェノール樹脂の87.5部を添加して、砂粒が崩壊するまで混練し、そして送風冷却した後、ステアリン酸カルシウムの7部を添加して、目的とするRCSを得た。
実施例1において、硬化促進剤として、トリエチレンジアミン若しくはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンからなるルイス塩基の1.5部と、ブレンステッド塩基である炭酸カルシウム若しくは炭酸水素ナトリウムの0.5部と、ブレンステッド塩基である1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウム若しくはPトルエンスルホン酸ナトリウムの2.0部とを用いること以外は、実施例1と同様な手法により、実施例19〜22に係る各RCSを得た。
実施例1において、硬化促進剤として、トリエチレンジアミン若しくはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンからなるルイス塩基の1.5部と、アレニウス塩基である水酸化ナトリウムの0.2部と、ブレンステッド塩基である炭酸カルシウム若しくは炭酸水素ナトリウムの0.5部と、ブレンステッド塩基である1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウム若しくはPトルエンスルホン酸ナトリウムの1.8部とを用いること以外は、実施例1と同様な手法により、実施例23〜24に係る各RCSを得た。
145℃に加熱したフラタリーけい砂の7000部を、ワールミキサーに投入し、これに、先に製造されたノボラック型フェノール樹脂の175部を投入して、50秒間混練した後、硬化剤として、ヘキサメチレンテトラミンの26.3部を水に溶解させたものを添加して、砂粒が崩壊するまで混練した。そして、送風冷却を行なった後、ステアリン酸カルシウムの7部を添加して、RCSを得た。
−比較例2−
比較例1におけるノボラック型フェノール樹脂に代えて、レゾール型フェノール樹脂を用いること、及び硬化剤を添加しないこと以外は、比較例1と同様にして、目的とするRCSを得た。
−比較例3、4−
実施例1において、硬化促進剤を用いないこと、又は硬化促進剤としてのトリエチレンジアミンに代えて、メラミンの3.5部を用いること以外は、実施例1と同様にして、それぞれ、目的とするRCSを得た。
上記実施例1〜24及び比較例1〜4において得られた各種のRCSについて、その特性を、下記の試験法に従って測定乃至は評価し、その結果を、各RCS構成と共に、下記表1〜表5に併せ示した。
それぞれのRCSを用いて、JIS−K−6910に準拠して、JIS式テストピース(10mm×10mm×60mm、焼成条件:250℃×60秒間)を作製し、その得られたJIS式テストピースについて、JACT試験法:SM−1に準じて、その曲げ強度(kgf/cm2 )を測定した。この曲げ強度が高い程、鋳型が高強度となることを示している。
それぞれのRCSの融着温度について、JACT試験法:C−1(融着点試験法)に準拠して、測定した。この測定された融着温度が高い程、RCSの耐ブロッキング性が優れていることとなる。
JACT試験法:SM−3の撓み試験法に準拠して、それぞれのRCSを用いて得られた各試験片(180mm×40mm×5mm、焼成条件:250℃×40秒間)に対して、その中央部に500gfの荷重を加えて、3分間放置した後の、試験片中央部の歪み量(mm)をダイヤルゲージで読み、その値をベンド(500gf)量とした。このベンド量(撓み量)は、鋳型造型直後のハンドリング性及び鋳型硬化速度を示す目安指標であり、このベンド量が小さい程、鋳型の硬化速度が速く、ハンドリング性が良くなることを意味している。
JACT試験法:C−4のピールバック試験法(5−2−1旭有機材工業法)に準拠して、それぞれのRCSの耐ピールバック性を評価する。具体的には、280℃±2℃の温度に加熱した金型上に、ダンプボックスから、それぞれのRCSを供給し、40秒間経過した後、金型をダンプボックスから外し、かかる金型上に付着せるRCSを、電熱器上において淡褐色になるまで焼成して固化させることにより、金型上に試験片を形成する。次いで、金型より外した試験片について、その質量を測定すると共に、その表面のRCSの剥がれ落ち状態を目視にて評価を行ない、耐ピールバック点数を求める。なお、耐ピールバック点数は、試験片の表面剥離面積がない場合を5点とし、表面全体が剥離している場合を1点として、5段階にて評価した。従って、剥離面積が1/4の場合が4点、1/2の場合が3点、3/4の場合が2点とされることとなる。そして、かかる耐ピールバック点数が大きい程、加熱された金型に一旦付着したRCSにて構成される鋳型が、その層間で剥離又は落下することが、より少なくなることを意味するのである。
それぞれのRCSの1000gを、燃焼管中において、300℃の温度で5分間加熱する一方、かかる燃焼管内の雰囲気を、ポンプにて1L/分の流量において取り出し、そして、その取り出された雰囲気中のホルムアルデヒドガスとアンモニアガスを、40ml×2の純水に分別捕集した。そして、その得られたホルムアルデヒド水溶液を、アセチルアセトン法にて定量する一方、得られたアンモニア水溶液については、滴定法により、アンモニアガス発生量を定量した。かかるホルムアルデヒドガス発生量やアンモニアガス発生量が多くなる程、臭気が強くなり、作業環境を悪化せしめることとなる。
Claims (16)
- ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂と、それらフェノール樹脂の硬化反応を促進し得る硬化促進剤との組合せからなり、且つ該ノボラック型フェノール樹脂(A)と該レゾール型フェノール樹脂(B)との使用比率が、質量基準にて、A:B=95:5〜5:95であると共に、該硬化促進剤として、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、及びスクシンイミドのうちから選択されるルイス塩基の少なくとも1種を含んでいることを特徴とする鋳型用有機粘結剤。
- 前記ルイス塩基が、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる請求項1に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記硬化促進剤が、更に、0.1mol/l水溶液のpHが10〜14であるアレニウス塩基の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記アレニウス塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、及び水酸化カリウムのうちから選択されることを特徴とする請求項3に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記アレニウス塩基が、硬化促進剤全体の合計量において、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる請求項3又は請求項4に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記硬化促進剤が、更に、0.1mol/l水溶液のpHが8〜14であるアルカリ金属無機塩のブレンステッド塩基の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記アルカリ金属無機塩のブレンステッド塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、及びすず酸ナトリウム三水和物のうちから選択されることを特徴とする請求項6に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記アルカリ金属無機塩のブレンステッド塩基が、硬化促進剤全体の合計量において、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる請求項6又は請求項7に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記硬化促進剤が、更に、0.1mol/l水溶液のpHが2〜7.5であるアルカリ金属有機塩のブレンステッド塩基の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記アルカリ金属有機塩のブレンステッド塩基が、アルギン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウム、p−フェノールスルホン酸ナトリウム、及びp−トルエンスルホン酸ナトリウムのうちから選択されることを特徴とする請求項9に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記アルカリ金属有機塩のブレンステッド塩基が、硬化促進剤全体の合計量において、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂の合計量の100質量部に対して、0.2〜15質量部の割合において用いられる請求項9又は請求項10に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の鋳型用有機粘結剤を用いて、それを、鋳物砂に対して混練せしめてなることを特徴とする鋳物砂組成物の製造方法。
- 前記鋳型用有機粘結剤が、前記鋳物砂の100質量部に対して、0.2〜10質量部の範囲内で混練せしめられる請求項12に記載の鋳物砂組成物の製造方法。
- 前記ノボラック型フェノール樹脂と前記レゾール型フェノール樹脂との樹脂混合物が、前記硬化促進剤に先立って、前記鋳物砂に混練せしめられる請求項12又は請求項13に記載の鋳物砂組成物の製造方法。
- 前記硬化促進剤が配合された前記ノボラック型フェノール樹脂と、前記レゾール型フェノール樹脂とが、別個に、前記鋳物砂に混練せしめられる請求項12又は請求項13に記載の鋳物砂組成物の製造方法。
- 請求項12乃至請求項15の何れか1項に記載の製造方法によって得られた鋳物砂組成物を用いて造型し、加熱硬化してなることを特徴とする鋳型の製造法。
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