JP6013153B2 - 呼吸機能検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、努力性肺活量を計測する呼吸機能検査装置に関する。
一般に、呼吸機能検査の中で努力性肺活量の検査は特に重要である。努力性肺活量とは、最大吸気位から努力呼出させて最大呼気位に達したときの最大吸気位と最大呼気位との容量の差分である。例えば、特許文献1のスパイロメータでは、最大吸気位から努力呼出を開始したときに、呼気終末が確認されるまで被験者に呼気を継続するよう促すことで、正確な努力性肺活量の計測を可能としている。
特開2007−229101号公報
しかしながら、被験者の肺機能が疾病等の要因により低下している場合には、呼気終末まで呼気を継続することは被験者にとって大きな負担であり、努力性肺活量の計測を阻害する要因ともなっている。
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、努力性肺活量計測時における被験者の負担を軽減する呼吸機能検査装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく以下の手段を採った。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
本発明1の呼吸機能検査装置(スパイロメータ100)は、
呼吸流量および呼吸容量を計測する計測手段(フローセンサ50、差圧チューブ30、圧力センサ11、A/D変換器12、CPU14)と、
努力呼出開始後の呼気減衰領域(呼出検出から3〜7秒)における所定期間(1秒または2秒の解析期間)に計測された呼吸流量と呼吸容量に基づいて、当該所定期間における呼吸流量と呼吸容量との関係式を決定する関係式決定手段(S117の処理を実行するCPU14)と、
前記関係式決定手段により決定された関係式に基づいて努力性肺活量を推定する努力性肺活量推定手段(S118の処理を実行するCPU14)と、
を備えることを特徴とする。
これによれば、呼気終末よりも前のタイミングで被験者の努力性肺活量を推定することができるため、被験者の負担を軽減することができる。
本発明2の呼吸機能検査装置(スパイロメータ100)は、
本発明1に記載した呼吸機能検査装置であって、
前記所定期間は、努力呼出開始後の所定時間内に設定されることを特徴とする。
これによれば、努力呼出開始から短期間で被験者の努力性肺活量を推定することができるため、被験者の負担を軽減することができる。
本発明3の呼吸機能検査装置(スパイロメータ100)は、
本発明1または2の呼吸機能検査装置であって、
努力呼出開始後から呼気終末が確認されるまでの期間において被験者に呼気を促す報知を行う報知手段(S114,S120の報知を行うCPU14)をさらに備え、
前記報知手段は、前記所定期間の経過以降に、呼気終末が確認されるよりも前のタイミングで取得される評価値([1秒量/時間肺活量]×100)が所定の基準値(70%)に達しているときには前記報知を継続し(S116でNoと判定してS120の報知を実行し)、当該評価値が前記基準値に達していないときには呼気終末が確認されるよりも前のタイミングで前記報知を終了する(S116でYesと判定してS120の報知は実行せずに計測を終了する)ことを特徴とする。
これによれば、肺機能疾患のおそれのある被験者に対しては、呼気を継続させずに負担を軽減する一方、健常者に対しては、呼気を継続させて努力性肺活量の実測値を取得することができる。
本発明4の呼吸機能検査装置は、
本発明3の呼吸機能検査装置であって、
前記評価値は、時間肺活量に基づく値([1秒量/時間肺活量]×100)であることを特徴とする。
これによれば、計測されている時間肺活量を用いて呼気継続の可否を判定することができる。
本発明5の呼吸機能検査装置は、
本発明4の呼吸機能検査装置であって、
前記評価値は、時間肺活量に対しての1秒量の割合であることを特徴とする。
これによれば、時間経過により努力性肺活量に近づく評価値を用いて呼気継続の可否を判定することができる。
本発明6の呼吸機能検査装置は、
本発明5の呼吸機能検査装置であって、
努力呼出開始からの経過時間に応じた時間肺活量を所定時間毎に取得し(図7のS120Aで1秒経過毎に時間肺活量を取得し)、取得した時間肺活量に対しての1秒量の割合を評価値として、その評価値が前記基準値に達している期間は前記報知を継続する(S120AでNoと判定される期間内は呼気継続を指示する)ことを特徴とする。
これによれば、被験者の症状に応じて段階的に計測終了のタイミングを異ならせることができる。
本発明7の呼吸機能検査装置は、
本発明4の呼吸機能検査装置であって、
前記評価値は、時間肺活量であることを特徴とする。
これによれば、努力性肺活量の計測において通常計測されている1秒量等の時間肺活量を用いて呼気継続の可否を判定することができる。
本発明によれば、努力性肺活量計測時における被験者の負担を軽減することができる。
図1はスパイロメータの一例を示す機能ブロック図である。 図2はスパイロメータが備えるフローセンサの一例を示す図である。 図3はスパイロメータのCPUで実行される努力性肺活量計測処理の一例を示す図である。 図4はスパイロメータにより計測されたフローボリューム曲線の一例を示す図である。 図5は一次関数の決定方法および努力性肺活量の推定例を示す図である。 図6は努力性肺活量の実測値と推定値との関係を示す図である。 図7はスパイロメータのCPUで実行される努力性肺活量計測処理の他の例を示す図である。
以下、本発明に係る呼吸機能検査装置の一例であるスパイロメータ100に関して、図面を参照して説明する。なお、図面中において、努力性肺活量は「FVC」として示される場合がある。
[スパイロメータ100の構成]
図1に示すように、スパイロメータ100は、本体部10及びフローセンサ50等からなる。本体部10は、操作キー17、ディスプレイ18、スピーカ20、プリンタ21、圧力センサ11、A/D変換器12、CPU14、ROM13、RAM15、及びRS232Cコネクタ16等を備えている。本体部10及びフローセンサ50は差圧チューブ30によって接続されている。
フローセンサ50は、本体部10に着脱自在に搭載されており、呼吸流量に比例した差圧を発生させるものである。図2に示すようにフローセンサ50は、図示しないフィルタやマウスピースを接続するための接続口52を備えている。被検者が接続口52に接続されたマウスピースを介して呼吸を行うことにより、フローセンサ50内に差圧が生じ、この差圧が2本のチューブから構成される差圧チューブ30を介して本体部10内の圧力センサ11に伝達される。
操作キー17は、計測項目の選択や被験者情報(年齢や身長等)の入力の際等に使用される。例えば0〜9の10個の数値キーや、計測項目を選択するための方向キー等からなる。またディスプレイ18に出力されるデータをプリントアウトする際に操作する印刷キーも含まれる。フローセンサ50は、図1及び図2に示すように本体外部に設けられており、2本のチューブからなる差圧チューブ30の一端が接続され、他端が本体部30の差圧チューブ接続口(図示せず)に接続されている。被検者がこのフローセンサ50を把持した状態で、接続口52に接続されたマウスピースを口に含み、呼吸を行うことで呼吸流量の計測が実行され、計測された呼吸流量が積分されることによって努力性肺活量等の呼吸容量が計測される。
圧力センサ11は、検出される差圧に比例したアナログ信号を出力するものである。本例では、半導体の差圧センサであり、チューブ接続口間の差圧を検出するための差圧検出部と、該差圧検出部により検出される差圧に比例した電圧を出力するための出力端子を備える。A/D変換器12は、アナログ電子信号をディジタル信号に変換するためのものである。本例では、半導体のA/Dコンバータであり、圧力センサ11の出力端子から出力されるアナログ信号を、後述するCPU14において処理可能なディジタル信号に変換して、ディジタル出力端子から出力する。
CPU14は、ROM13に記憶されている努力性肺活量等の計測プログラムをRAM15を作業領域として実行することにより、接続される各構成要素の動作を制御して、あるいは各構成要素からの信号を受信して各種の処理を行うものである。本例では、A/D変換器12からの出力であり前記差圧に比例した値を示すディジタル信号に基づいて、呼気流速や吸気流速といった呼吸流量を算出する処理を行う。この算出は、予め記憶している差圧と呼吸流量との間の関係式に基づいて行う。即ちディジタル信号から差圧を特定し、該特定した差圧を関係式に入力して呼吸流量を算出する。また、本例ではこの呼吸流量の積分を行うことによって努力性肺活量等の呼吸容量が算出される。ここで計測されたデータはRAM15に蓄積され、計測が終了するとRAM15に蓄積されたデータがROM13に記憶される。
不揮発性のメモリであるROM13は、上記のように計測データを記憶する他、努力性肺活量等の呼吸機能用の計測プログラムも記憶している。またROM13には、ガイド用の音声データも記憶されており、この音声データはスピーカ20によって再生される。ディスプレイ18はLCDのディスプレイであり、本体部10の上面に設けられ、CPU14からLCDドライバ回路(図示せず)を介して出力制御が行われることで所定のデータを画面に出力するものである。プリンタ21は例えばサーマル式のプリンタであって、CPU14からサーマルヘッドのドライバを介して印字制御が行われることで所定のデータを視認可能に紙上に出力するものであり、例えばディスプレイ18に表示されているデータの印刷を行う。スピーカ20は音声ガイドによって被検者に呼気や吸気を促すための音声出力手段であり、予めROM13に記憶されている音声データに基づいた音声が出力される。
RS232Cコネクタ16は、例えばPC等のスパイロメータ外部の装置と、RS232C用のケーブルを介してデータを送受するための端子である。なお、本例では外部PCとのインターフェイスをRS232Cコネクタとしているが、これに限らず他のインターフェイスであってもよい。
フローセンサ50について図2を用いて詳述する。フローセンサ50の筐体となるフローセンサケース51の側面には、フィルタやマウスピースを接続するための接続口52が設けられている。フローセンサケース51の下部にはフローセンサケース51を把持するためのハンドル56が設けられている。
このフローセンサケース51内の流管53内には呼吸抵抗を生ずる抵抗体としてスクリーン55が配置されている。このスクリーン55はメッシュ状物であって、気体の流れを遮るように配置されており、この流管53内に気体の流れが生じるとスクリーン55の前後に差圧が発生する。このスクリーン55の前後の圧力は、該スクリーン55の前後に配される圧力ポート、及び該圧力ポートの各々と接続される差圧チューブ30を介して、本体の差圧チューブ接続口(図示せず)に伝達される構成となっている。即ち差圧チューブ30を構成する2本のチューブのうち一方がスクリーン前方(接続口52側)の圧力を当該チューブと接続される一方のチューブ接続口に伝達し、他方がスクリーン後方の圧力を当該チューブと接続される他方のチューブ接続口に伝達する。本体部50側ではこれら2つのチューブ接続口間の差圧を検出することにより、流管53内を流れる気体の流速、即ち呼吸流量を計測することができる。この呼吸流量は、呼吸流速とも呼ばれる。なお、この方式のフローセンサは、いわゆる差圧式と呼ばれるものであり、広く使用されている。
[努力性肺活量計測]
次に、スパイロメータ100(CPU14等)により実行される努力性肺活量計測処理について、図3を用いて説明する。まず初期画面では、ディスプレイ18に「努力性肺活量計測」等の各種計測に対応したアイコンが表示されている。操作キー17によって「努力性肺活量計測」を選択すると、努力性肺活量計測プログラムが起動して、呼吸流量および呼吸流量に基づく呼吸容量の計測を可能な状態となる。
この状態で、被検者がフローセンサ5を把持して、フローセンサ5に設けられたマウスピースを口に含み、医師や検査技師の指示に従い呼吸を行うと、前述した計測手段(フローセンサ50、差圧チューブ30、圧力センサ11、A/D変換器12、CPU14等)により呼吸流量(フロー)が計測され、さらに該呼吸流量の積分値として呼吸容量(ボリューム)が計測される。ここで計測された呼吸流量および呼吸容量の時系列データは、RAM15に蓄積され、後述する図4に示すように横軸(X軸)を呼吸容量とし、縦軸(Y軸)を呼吸流量としたフローボリューム曲線が、ディスプレイ18に表示される。フローボリューム曲線は同一時点における呼吸容量と呼吸流量との関係を示す曲線である。図4の例では、%肺活量>80%,1秒率>70%である一般的な健常者のフローボリューム曲線と、1秒率<30%である閉塞性疾患を有する被験者のフローボリューム曲線が示されている。
図3を用いて、本実施形態に係る努力性肺活量計測プログラムによって実行される処理について説明する。本計測においては、まず最大吸気位を計測し、最大吸気位から一気に息を吐き出す「一気の呼出」の後に、最大呼気位を計測する。このとき最初の1秒間に呼出された息の量を「1秒量」として計測する。そして、このときの最大吸気位と最後の最大呼気位との差分を努力性肺活量として計測する。但し、計測途中において被験者が閉塞性疾患を有するおそれがあると判定された場合には、最大呼気位まで呼気を継続させずに、努力性肺活量の推定値を算出して計測を終了する。
努力性肺活量計測プログラムが実行されると、まず、安静時換気を確認したか否かを判定する(S100)。例えば、呼吸流量の微分値が正から負(または負から正)に切り替わる周期が所定回数連続して一定の範囲内(例えば5秒〜10秒の範囲)に収まったときに安静時換気を確認したものとする。安静時換気が確認されるまでは(S100でNo)、スピーカ20から「普通に楽な呼吸をして下さい」という音声を出力して、安静時換気を指示する(S101)。
安静時換気が確認された場合には(S100でYes)、スピーカ20から「胸いっぱい吸いますよー」という音声を出力することで(S110)、被験者に最大吸気を指示する。続けてスピーカ20から「吸ってー」という音声を出力することで(S111)、吸気を継続させて被検者に肺一杯まで息を吸うよう促す。
この報知処理において、S111の報知後には、所定時間(例えば1秒)待機後に、吸気流速が予め設定した閾値(例えば1ml/s)以下となったか否かを判定する(S112)。S112で閾値以下でないと判定された場合には(No)、再度S111の報知及びS112の判定を行う。S112で閾値以下であると判定された場合(Yes)、すなわち吸気終末が検出された場合には、スピーカ20から「一気に吐いて」という音声を出力することで(S113)、被検者に一気の呼出を促し、続けて「吐いてー」という音声を出力し(S114)、呼気を継続させて被検者に肺に残っている息を吐き出すよう促す。
S114の報知後には、所定時間(例えば1秒)待機後に、呼出を検出してから所定の解析期間(例えば4秒)を経過したか否かを判定する(S115)。呼出の検出時点は、例えば、呼気流速の微分値(呼気加速度)が最大値となった時点とする。S115で解析期間を経過していないと判定された場合には(No)、再度所定時間待機して、S114の報知及びS115の判定を行う。S115で解析期間を経過していると判定された場合には(Yes)、現時点で取得されている時間肺活量(例えば4秒量)に対しての1秒量の割合である評価値を、[1秒量/時間肺活量(4秒量)]×100により算出し、さらに、その評価値が基準値(例えば70%)未満であるか否かを判定する(S116)。
ここで、努力性肺活量に対する1秒量の割合である1秒率が70%未満となる場合には、被験者に閉塞性疾患の可能性があると判断されうる。当然、呼気終末が確認されるよりも前の時点で前述した評価値が70%に達していなければ、最終的には当該被験者の1秒率は70%未満となることが確定している。すなわち、S116で評価値が70%未満となったときには、被験者に閉塞性疾患の可能性が認められることになる。なお、1秒率が60%未満である被験者のうちの60%以上の割合で上記評価値が70%未満となり、1秒率が50%未満である被験者のうちの99%以上の割合で上記評価値が70%未満となり、1秒率が40%未満である被験者のうちの100%の割合で上記評価値が70%未満となるという統計結果が存在する。
S116で評価値が基準値未満であると判定された場合には(Yes)、呼出の検出から3秒から4秒までの解析期間における呼吸容量(ボリューム)と呼気流速(フロー)との関係式を決定する(S117)。
例えば、上記対象期間における呼吸容量(X軸)と呼気流速(Y軸)との一次関数式を最小二乗法に基づき決定する。この実施の形態では、解析期間におけるサンプリング数(n)は40ポイント(即ち25msecのサンプリング周期)としており、式(1)の計測結果が得られたものとする。このとき求めたい一次関数式を式(2)とすると、式(3−1)(3−2)によって一次関数式の定数(傾きおよび切片)が決定される。
このようにして得られた一次関数式の例をフローボリューム曲線中に示す。図5には、1秒率が30%未満である閉塞性疾患を有する被験者のフローボリューム曲線が示されている。図中に示されている解析期間(呼出の検出から3秒〜4秒の1秒間)における(呼吸容量,呼気流速)の座標を、40ポイント用いて決定された一次関数式が直線で示されている。次いで、このようにして得られた一次関数式に基づいて、呼気流速(X)が0であるときの呼吸容量(Y)を算出する(S118)。このようにして算出される値を努力性肺活量推定値とする。図5におけるX軸と近似直線との交点における呼吸容量(Y)の値が努力性肺活量推定値となり、この例では約3.5Lとなる。
さらに、S118で算出した努力性肺活量推定値を、ディスプレイ18に表示する(S119)。そして、スピーカ20から「計測を終了します」という音声を出力することで、被検者に計測終了を報知する。
一方、S116において評価値が基準値未満でない(評価値≧70%)と判定された場合には(No)、スピーカ20から「吐いてー」という音声を出力し(S120)、呼気を継続させて被検者に肺に残っている息を吐き出すよう促す。S120の報知後には、所定時間(例えば1秒)待機後に、呼気流速が予め設定した閾値(例えば1ml/s)以下となったか否かを判定する(S121)。S121で閾値以下でないと判定された場合には(No)、再度S120の報知及びS121の判定を行う。S121で閾値以下であると判定された場合(Yes)、すなわち呼気終末が検出された場合には、最大吸気位と最大呼気位の差分容量を努力性肺活量として計測し、ディスプレイ18に表示する(S122)。そして、スピーカ20から「計測を終了します」という音声を出力することで、被検者に計測終了を報知する。
このように、評価値が基準値以上であれば(S116でNo)、すなわち、被験者が健常者である可能性が高い場合には、呼気終末が検出されるまで呼気を継続するよう促し、呼気終末が確認された後に計測を終了することにより、実測値を取得するようにしている。一方、評価値が基準値未満であれば(S116でYes)、すなわち、被験者が健常者ではない可能性がある場合には、呼気終末の確認を待つこと無く、算出された努力性肺活量推定値を提示して計測を終了する。被験者の肺機能が閉塞性疾患等の要因により低下している場合、呼気終末まで呼気を継続させることで被験者に負担を強いることになってしまうが、この実施の形態では、前述した方法によって評価値を算出し、その評価値により閉塞性疾患等を有するおそれがある場合には、呼気終末まで呼気を継続させずに、算出した努力性肺活量推定値を努力性肺活量の計測結果として提示することで、被験者の負担を軽減するようにしている。この例の場合には、1秒率が40%未満の重症患者であればS116で必ず評価値が70%未満となるので、このような重症患者に対して呼気終末まで呼気を継続させることなく、努力性肺活量計測時の苦痛を確実に緩和することができる。
図6は、努力性肺活量の実測値(X軸)と努力性肺活量推定値(Y軸)との関係を示している。この例では、30240件のフローボリューム曲線のサンプルから、1秒率が40%未満となるサンプル669件を抽出し、さらにこれらのうち無作為に26件を抽出した。抽出したこれらのフローボリューム曲線について、呼出検出から3〜7秒の期間において解析期間として1秒または2秒を設定し、当該解析期間におけるサンプルデータ(呼吸容量、呼気流速)を用いて、前述した方法によって一次関数を決定し、さらに決定した一次関数に基づいて努力性肺活量推定値を算出した。これらのフローボリューム曲線に基づいて実測された努力性肺活量実測値(X軸)と、各フローボリューム曲線の解析期間から推定された努力性肺活量推定値(Y軸)との関係は、図6に示すように極めて高い相関(Y=1.0086X−0.0203,R=0.9957)を有しており、概ね合致していることが確認された。全ての推定値は、実測値±3%の範囲内に収まっていた。
この図6に示す結果から、本実施形態に示した努力性肺活量の推定方法により得た推定値が信頼しうる値であることが確認される。従って、時間肺活量(前述した例では4秒量)に基づく評価値により閉塞性疾患を有するおそれがある場合には、呼気終末まで呼気を継続させずに、努力性肺活量推定値を計測結果として提示しても支障無く、呼出検出から短時間内に被験者に負担をかけずに努力性肺活量の計測を終了させることが可能となる。
(他の実施形態)
最後に前述した実施形態と異なる実施形態について例示する。
上記の実施形態では、呼出開始から3秒〜7秒の期間内において、1秒又は2秒の解析期間を設ける例について説明したが、呼出開始から3秒〜7秒の期間内には、開始時点および終了時点が任意の解析期間を設定することができる。また、解析期間は、必ずしも呼出開始から3秒〜7秒の期間内に設けなくとも良く、統計結果として努力性肺活量推定値が実測値に近い(例えば±5%以内)範囲となる期間内に設ければ良い。
上記の実施形態では、呼出開始からの経過時間を基準とした解析期間を設ける例について説明したが、呼吸容量(ボリューム)を基準とした解析期間を設けるようにしても良く、呼気流速(フロー)を基準とした解析期間を設けるようにしても良い。例えば、呼吸容量が2.0L〜2.5Lの期間を解析期間としても良く、呼気流速が0.4L/s〜0.2L/sの期間を解析期間としても良く、統計結果として努力性肺活量推定値が実測値に近い(例えば±5%以内)範囲となる期間とすると良い。
上記の実施形態では、呼出開始から4秒経過したS116の時点で、4秒量に対する1秒量の割合を評価値とする例について説明したが、S116の時点において取得可能な時間肺活量に対しての1秒量の割合を評価値とすれば良く、例えば、3秒量に対しての1秒量の割合を評価値としても良い。また、S116の時点で5秒経過している場合には、5秒量に対しての1秒量の割合を評価値としても良い。また、上記実施形態では、評価値が70%未満である場合には、努力性肺活量推定値を算出する例について説明したが、例えば、評価値が60%未満、すなわち、被験者がより重症である可能性がある場合に努力性肺活量推定値を算出するようにしても良く、評価値と比較する基準値として適した値を設定すれば良い。
上記の実施形態では、呼出から解析期間を経過した時点で、評価値が基準値未満であれば努力性肺活量推定値を算出し、評価値が基準値以上であれば努力性肺活量を実測する例について説明したが、図7に示すように、呼出後の複数のタイミングで評価値を計算すると共に基準値と比較し、その都度、努力性肺活量推定値を算出するか、または、努力性肺活量の実測を継続するかを決定するようにしても良い。図7の例では、S120の後、所定時間(例えば1秒)待機後に、現時点で取得されている時間肺活量(例えば5秒量)に対しての1秒量の割合である評価値を、[1秒量/時間肺活量(5秒量)]×100により算出し、その評価値が、基準値(例えば70%)未満であるか否かを判定している(S120A)。そして、基準値未満となっていれば(S120AでYES)、直近の所定期間(例えば直近1秒間)におけるサンプル(呼吸容量,呼気流速)の座標を用いて一次関数式を決定する(S117A)。さらにS117で決定した一時間数式に基づいて努力性肺活量推定値を算出し(S118)、算出値を表示して(S119)、計測を終了する。一方、S120Aの判定において、評価値が基準値以上であれば(S120AでNO)、努力性肺活量の実測を継続する(S121〜)。
すなわち、図7に示す例では、呼出開始からの経過時間をX秒とすると、(1秒量/X秒量)×100により評価値を算出し、評価値が基準値未満である場合には努力性肺活量推定値を算出し、評価値が基準値以上である場合には呼気を継続させる(次回(X+1)秒量に基づく評価値を算出する)という処理を繰り返し実行する。そして、呼気終末が検出された場合には、最終的に努力性肺活量が実測されることになり、呼気終末が検出されるよりも前に評価値が基準値未満となる場合には、呼気終末を待つことなく努力性肺活量推定値が算出されて計測が終了する。これにより、時間経過に応じて取得される時間肺活量が4秒量、5秒量、…と増加し、その時間肺活量に対しての1秒量の割合である評価値が、1秒率に徐々に近づいていくことになる。そして、評価値が基準値を下回った時点で計測が終了して努力性肺活量推定値が表示され、呼気終末まで評価値が基準値を下回らなければ、努力性肺活量の実測値が得られることになる。このような実施形態とすることにより、被験者の症状に応じて段階的に計測終了のタイミングを異ならせることができる。例えば、重症患者の場合には、早い段階で努力性肺活量推定値が算出されて計測が終了し、比較的症状が軽い場合には、より長期間の呼出が行われた後に努力性肺活量推定値が算出されて計測が終了する。
上記の実施形態では、判定時点で計測が完了している時間肺活量に対しての1秒量の割合を用いる例について説明したが、これに限らず、評価値として1秒量を含む時間肺活量自体を用いるようにしても良い。即ち、図3のS116において、計測された1秒量等の時間肺活量が所定値未満であるか否かに応じて、呼気終末が確認されるまで呼気継続を促すか否かを決定するようにしても良い。これによれば、努力性肺活量の計測において通常計測されている1秒量等の時間肺活量を用いて呼気継続の可否を判定することができる。また、これに限らず、呼気終末前に取得される呼吸機能に係る他の計測値に基づいて、呼気継続を促すか否かを決定するようにしても良い。
上記の実施形態では、最小二乗法により決定された一次関数式に基づいて努力性肺活量を推定する例について説明したが、これに限らず、最小二乗法により決定された二次関数式に基づいて努力性肺活量を推定するようにしても良い。また、最小二乗法以外の方法により得られた近似式に基づいて努力性肺活量を推定するようにしても良い。
上記の実施形態では、最大吸気位から努力呼出させて最大呼気位に達したときの最大吸気位と最大呼気位との容量の差分を努力性肺活量とする例について説明したが、最大吸気位から努力呼出させて最大呼気位に達したときの最大吸気位と最大呼気位との容量の差分を計測する操作を3回実行すると共に、各計測において1秒量も計測しておき、得られた計測値のうち、1秒量+(最大吸気位と最大呼気位との容量の差分)が最大となるときの当該(最大吸気位と最大呼気位との容量の差分)を努力性肺活量とするようにしても良い。これに対応して、努力性肺活量推定値を計測値として取得する操作を3回実行すると共に、各計測において1秒量も計測しておき、得られた計測値のうち、1秒量+努力性肺活量推定値が最大となるときの当該努力性肺活量推定値を計測結果とすると良い。
上記の実施形態では、音声ガイドによって呼気継続を指示する例について説明したが、画面表示やLEDの点灯によって呼気継続を指示するようにしても良い。なお、呼気終末を検出するまでの期間は通常の表示態様とし、呼気終末を検出したときには通常と異なる特殊な表示態様とする場合には、通常の表示態様によって呼気継続を指示していることになる。
13…ROM
14…CPU
18…ディスプレイ
50…フローセンサ
100…スパイロメータ

Claims (5)

  1. 呼吸流量および呼吸容量を計測する計測手段と、
    努力呼出開始後の呼気減衰領域における所定期間に計測された呼吸流量と呼吸容量に基づいて、当該所定期間における呼吸流量と呼吸容量との関係式を決定する関係式決定手段と、
    前記関係式決定手段により決定された関係式に基づいて努力性肺活量を推定する努力性肺活量推定手段と、
    を備えることを特徴とする呼吸機能検査装置。
  2. 請求項1に記載した呼吸機能検査装置であって、
    前記所定期間は、努力呼出開始後の所定時間内に設定されることを特徴とする呼吸機能検査装置。
  3. 請求項1又は2記載した呼吸機能検査装置であって、
    努力呼出開始後から呼気終末が確認されるまでの期間において被験者に呼気を促す報知を行う報知手段をさらに備え、
    前記報知手段は、前記所定期間の経過以降に、呼気終末が確認されるよりも前のタイミングで取得される時間肺活量に対しての1秒量の割合を評価値として、その評価値が所定の基準値に達しているときには前記報知を継続し、当該評価値が前記基準値に達していないときには呼気終末が確認されるよりも前のタイミングで前記報知を終了することを特徴とする呼吸機能検査装置。
  4. 請求項に記載した呼吸機能検査装置であって、
    努力呼出開始からの経過時間に応じた時間肺活量を所定時間毎に取得し、取得した時間肺活量に対しての1秒量の割合を評価値として、その評価値が前記基準値に達している期間は前記報知を継続することを特徴とする呼吸機能検査装置。
  5. 請求項1又は2に記載した呼吸機能検査装置であって、
    努力呼出開始後から呼気終末が確認されるまでの期間において被験者に呼気を促す報知を行う報知手段をさらに備え、
    前記報知手段は、前記所定期間の経過以降に、呼気終末が確認されるよりも前のタイミングで取得される時間肺活量を評価値として、その評価値が所定の基準値に達しているときには前記報知を継続し、当該評価値が前記基準値に達していないときには呼気終末が確認されるよりも前のタイミングで前記報知を終了することを特徴とする呼吸機能検査装置。
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