JP6011701B2 - 透析装置 - Google Patents
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ここで、図5に示すように、『逆ろ過』とは、患者に接続される血液回路内よりも透析液回路内を陽圧にした状態において該透析液回路から透析器の透析液室に透析液を流通させることであり、それにより透析器の透析液室から血液室へ透析液を流入させ、さらに血液回路に流入させることである。この図5に示すように、上記特許文献1においては、この逆ろ過を行うことによって血液回路内に残留した血液を患者に返血するようになっている。この特許文献1の返血システムにおいては、比較的安価な透析液によって返血することができるという利点がある。
ところで、透析治療においては、中空糸膜の内側(血液室の内面)の動脈側通路との接続部付近に老廃物が多く溜まって付着する傾向がある。そのため、逆ろ過処理の際に中空糸膜の外側(透析液室)から中空糸膜(血液室)内へ流入する透析液によって、中空糸膜の内面(血液室の内面)に付着した老廃物が剥離して患者に戻されやすくなり、透析治療による効果が低減するという問題があった。
上記透析液供給通路に設けられ、該透析液供給通路への大気の流入を許容する開放通路と、該開放通路と上記透析液回収通路とを連通させる気体通路とによって、上記透析器の透析液室内に気体を導入する気体導入手段を構成し、上記透析器の透析液室内に上記気体導入手段により気体を導入し、該気体が導入された以外の透析液室内の領域に透析液を残留させた状態で、上記逆ろ過手段により透析液を血液回路内に流入させて逆ろ過処理を行わせることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載した本発明は、上記請求項1の構成を前提として、上記透析器は、透析液室の出口が上方に位置するように鉛直方向に保持されており、上記気体導入手段は、上記透析器における透析液室の出口から該透析液室へ気体を導入することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明によれば、上方となる透析液室の出口から透析液室へ気体が導入されるので、下方側の入口から気体を導入する場合と比較して、透析液室内で気泡が発生することを抑制することができる。そのため、気泡が血液室の外面に付着して、逆ろ過の効率が低下することを防止することができる。
上記制御手段1Bは画面表示式の操作パネル1Cを備え、その画面には操作に必要なボタンやアイコン、メッセージが表示され、装置の操作および各種パラメータの設定を行うことができるようになっている。
本実施例の透析装置1は、1人の患者を対象に血液透析療法(HD)を行う透析装置であって、透析装置1の使用開始直前におけるプライミングを行うことができるようになっている。
また、この透析装置1は、透析治療中において透析液回路4側を血液回路3側よりも陽圧にすることにより、透析器2と血液回路3を介して患者に透析液を補液できるようになっている。このように、透析液回路4側を陽圧にして透析器2と血液回路3を介して患者に透析液を補液することは、従来一般的に『逆ろ過』と称されている。また、後述するが、本実施例においては、透析治療後において透析装置1によって『逆ろ過』を行うことにより、血液回路3内に残留した血液を患者に戻す『返血』処理も行うようになっている。
本実施例においては、透析器2は、上記入口2Eが下方となり、出口2Fが上方となるように、本体部1Aの側面に鉛直方向に保持されるようになっている(図1、図4参照)。
従来公知のように、血液回路3を患者に接続して透析器2の血液室2C(中空糸膜2B)に血液を流通させるとともに透析液回路4からの透析液を透析器2の透析液室2Dに流通させることにより、患者に対して透析治療を行うことができるようになっている(図4(a)参照)。
動脈側通路11は、その一端に患者の血管に穿刺される穿刺針11aが設けられるとともに他端が透析器2の血液室2Cの入口に接続されている。また、この動脈側通路11には、上記穿刺針11aから順に、動脈側通路11を閉鎖する閉塞手段としてのクランプ手段13と、血液を送液する血液ポンプ14と、ドリップチャンバ15とが配置されている。上記血液ポンプ14は、チューブをしごいて送液するローラポンプであるとともに、上記制御手段1Bによって作動を制御され、患者から透析器2の血液室2Cへ血液を送液することが可能となっている。
上記動脈側通路11のドリップチャンバ15には圧力計16が設けられるとともに、ドリップチャンバ15内の液面高さを調整するための図示しない液面調整手段が接続されている。この液面調整手段は、透析治療開始前に予め上記血液回路3に透析液を充満させるプライミングを行う際に使用され、その際にドリップチャンバ15の液面を所定高さに調整するようになっている。また、透析治療中においては、液面調整手段によってドリップチャンバ15内の液面の高さを所要の高さに維持するようになっている。
上記静脈側通路12は、その一端が上記透析器2の血液室2Cの出口に接続されるとともに他端に患者の血管に穿刺される穿刺針12aが設けられている。また、静脈側通路12には、上記透析器2から順に、ドリップチャンバ15’および静脈側通路12を閉鎖する閉塞手段としてのクランプ手段13’が配置され、ドリップチャンバ15’には圧力計16’が設けられている。
上記第1、第2透析液チャンバ21、22には、図示しない透析液製造装置から供給される新鮮な透析液の流通する給液通路25と、使用済みの透析液を排出するための排液通路26とが接続されている。
第1透析液チャンバ21および第2透析液チャンバ22は同じ構成となっており、それらの内部は2枚のダイアフラムによって区画されている。つまり、新鮮な透析液を供給するための供給室21a,22aと、使用済みの透析液を回収するための回収室21b、22bと、これら供給室21a,22aと回収室21b、22bとの間に形成された中間室21c、22cとに区画されている。
上記給液通路25には上記透析液を送液する給液ポンプ31が設けられるとともに、該給液ポンプ31の下流側において給液通路25は2方向に分岐して上記第1、第2透析液チャンバ21、22の上記供給室21a,22aに接続されている。そして、分岐した通路にはそれぞれ上記制御手段1Bによって開閉される給液弁V1,V2が設けられている。
また、透析液供給通路23における透析器2に近い箇所には、透析液の有害成分を除去する第1透析液フィルターF1および第2透析液フィルターF2が所定間隔を隔てて直列に配置されており、さらに、第2透析液フィルターF2と透析器2との間の箇所には制御手段1Bによって開閉される第1開閉弁V5が設けられている。上記両フィルターF1、F2の間の箇所となる透析液供給通路23には、所要時に透析液供給通路23を大気に開放する開放手段32が接続されている。
上記第2透析液フィルターF2内も半透膜によって一次側(上流室)と二次側(下流室)とに区画されており、透析液が一次側(上流室)から半透膜を通過して二次側(下流室)へ透過する際に有害成分が除去されるようになっている。第2透析液フィルターF2における一次側(上流室)には、透析液供給通路23と透析液回収通路24とを連通させる第2バイパス通路34が接続されており、この第2バイパス通路34には上記制御手段1Bによって開閉される第3開閉弁V7が設けられている。
透析治療中においては、上記第1開閉弁V5は開放される一方、上記第2開閉弁V6と第3開閉弁V7は閉鎖されている。これに対して、例えば図示しない濃度センサによって透析液の濃度の不良が検出された場合には、制御手段1Bは上記第1開閉弁V5を閉鎖するとともに第2開閉弁V6を開放する。それにより、濃度不良の透析液を透析器2に流通させることなく第1バイパス通路33を介して透析液回収通路24へと送液できるようになっている。このように、本実施例においては、透析液供給通路23に両透析液フィルターF1、F2が直列に配置されるとともに、透析液供給通路23と透析液回収通路24とにわたって両バイパス通路33,34が並列に配置されている。
上記開放手段32は、上記両透析液フィルターF1、F2の漏れの検査に使用されるものであり、透析治療前又は透析治療後の所要時に、この開放手段32を用いて漏れの検査が行われる。より詳細には、所要時に制御手段1Bが上記第1開閉弁V5を閉鎖して第2開閉弁V6、第3開閉弁V7、第4開閉弁V8を開放する。すると、上記開放通路35を介して透析液回路4への大気の流入が許容され、上記両透析液フィルターF1、F2における二次側(又は一次側)から一次側(又は二次側)への大気の流入の有無により、透析液フィルターF1、F2の漏れを検査できるようになっている。なお、透析液回路4に流入する大気は、開放通路35の無菌フィルター37によって清浄化されるようになっており、透析液回路4内の透析液は上記逆止弁36によって流出を阻止される。
また、透析液回収通路24には、上記透析器2側から順に、透析液回路4内の圧力を測定する圧力センサ41と、透析液を送液する透析液ポンプ42と、透析液内の気体を除気する除気槽43とが設けられ、該除気槽43と排液通路26との間には第3バイパス通路44が配設されている。この第3バイパス通路44には上記制御手段1Bによって開閉される第6開閉弁V12が設けられている。また、透析液回収通路24における第2バイパス通路33および気体通路38の接続部の間には第7開閉弁V13が設けられている。この第7開閉弁V13は、制御手段1Bによって所要時に開閉されるようになっている。
患者に対する透析治療中においては、上記第7開閉弁V13は開放される一方、上記第6開閉弁V12は閉鎖される。
上述したように、透析液供給通路23の端部にはカプラ23Aが備えられる一方、透析液回収通路24の上流側の端部にもカプラ24Aが備えられている。そのため、後述する第2透析液フィルターF2の漏れ検査の際には、図2に想像線で示すように両カプラ23A,24Aを相互に接続することで、透析器2を介することなく両通路23,24を連通させることができる。
先ず、患者に対する透析治療は次のようにして行われる。透析治療開始前に患者に対して両穿刺針11a、12aを刺して血液回路3を接続し、その後に血液ポンプ14を作動させて血液回路3に血液を流通させる(図2、図4(a)参照)。
この状態において、上記制御手段1Bは、給液弁V1と排液弁V14を開放するとともに供給弁V3と回収弁V10を閉鎖し、さらに、制御手段1Bは、給液ポンプ31を作動させるとともに第1開閉弁V5、第7開閉弁V13を開放させる。なお、その他の各開閉弁V6〜V9、V12は閉鎖されている。
すると、第1透析液チャンバ21では、給液弁V1と排液弁V14とが開放されているため、供給室21aには上記給液通路25から透析液が流入し、回収室21bではダイアフラムが押圧されて先に充填されている使用済みの透析液が排液通路26を介して外部へ排出される。
一方、上記第2透析液チャンバ22では、制御手段1Bが供給弁V4と回収弁V11を開放するとともに給液弁V2と排液弁V15を閉鎖する。すると回収室22bには上記透析液ポンプ42によって送液された使用済みの透析液が流入し、これにより供給室22aから新鮮な透析液が透析液供給通路23を介して透析器2の透析液室2Dに供給されることとなる。
その後、上記制御手段1Bが上記給液弁V1,V2、供給弁V3,V4、回収弁V10,V11、排液弁V14,V15を交互に開閉することで、第1透析液チャンバ21と第2透析液チャンバ22を介して新鮮な透析液が透析液供給通路23を介して透析器2の透析液室2Dへと供給される一方、透析器2の透析液室2Dを通過した使用済みの透析液は第1透析液チャンバ21と第2透析液チャンバ22に交互に回収され、その後、上記排液通路26を介して透析液回路4の外部へ排出されるようになっている。なお、このような透析液回路4の基本構成は、上記特開平10−43290号公報等で公知である。
このように、透析液回路4から透析器2へ透析液が流通するとともに、血液回路3を介して透析器2の血液室2Cに血液が流通することで、患者に対して透析治療が施される。
より詳細には、本実施例では、先ず第1透析液フィルターF1について漏れ検査が行われ、次いで第2透析液フィルターF2に対して漏れ検査が行われる。第1透析液フィルターF1の漏れ検査は次のようにして行われる。すなわち、給液ポンプ31を停止させて透析液回路4からの透析液の給液を停止した状態において、制御手段1Bは、第2開閉弁V6、第4開閉弁V8および回収弁V11を開放させるとともに、供給弁V4、第1開閉弁V5および第3開閉弁V7を閉鎖させる。その状態で、回収側となる第2透析液チャンバ22の中間室22cから第1透析液チャンバ21の中間室21cへとオイルポンプ27によりシリコーンオイルを所要量送液する。これに伴い、第1バイパス通路33およびそれが接続された箇所よりも下流側となる透析液回収通路24が陰圧となる。
そのため、第1透析液フィルターF1の二次側(下流室)内の透析液は、内部を区画した膜を透過して第1透析液フィルターF1の一次側(上流室)へ流入した後、第1バイパス通路33と透析液回収通路24を介して回収室22bへ排出される。そして、空になった第1透析液フィルターF1の二次側(下流室)の内部へ開放通路35からの大気が導入される。このように、空になった第1透析液フィルターF1の二次側(下流室)の内部へ大気が導入された際に、仮に第1透析液フィルターF1内の膜に破れによる漏れがある場合には圧力センサ41が所定値よりも高い値となる。他方、第1透析液フィルターF1の膜に破れや漏れがない場合には圧力センサ41が所定値となる。それにより、第1透析液フィルターF1に漏れがあるか否かを検出できるようになっている。以上のようにして、開放手段32を用いて先ず第1透析液フィルターF1の漏れ検査が行われる。
その状態で、回収側となる第2透析液チャンバ22の中間室22cから第1透析液チャンバ21の中間室21cへとオイルポンプ27によりシリコーンオイルを所要量送液する。これに伴い、第2透析液フィルターF2よりも下流となる透析液供給通路23および両カプラ23A,24Aと透析液回収通路24の内部が陰圧となる。それにより、第2透析液フィルターF2の二次側(下流室)内の透析液は、上記陰圧となった両通路23、24と両カプラ23A,24Aを経由して回収室22bへ排液されて、二次側(下流室)は空になる。そして、第2透析液フィルターF2の一次側(上流室)には、開放通路35およびその接続位置の透析液供給通路23を介して大気が導入される。この第2透析液フィルターF2の一次側(上流室)に導入された大気は、第2バイパス通路34を経由して透析液回収通路24へ流通して、圧力センサ41によって圧力を検出される。
このように第2透析液フィルターF2の一次側(上流室)内へ大気が導入された際に、仮に第2透析液フィルターF2内の膜に破れによる漏れがある場合には上記圧力センサ41が所定値よりも高い値となり、他方、膜に漏れがない場合には圧力センサ41が所定値となる。それにより、第2透析液フィルターF2に漏れがあるか否かを検出できるようになっている。
このようにして、本実施例においては、透析治療時を除いた所要時に開放手段32を用いて各透析液フィルターF1、F2内に大気を導入して、圧力センサ41によって検出した圧力値の違いによって両透析液フィルターF1、F2の漏れの有無を検査するようになっている。
先ず、透析液室2D内の3分の2程度に大気を導入する工程について説明する。前述した透析治療が終了した時点において、第1透析液チャンバ21および第2透析液チャンバ22が図3(a)の状態であるとする。つまり、第1透析液チャンバ21の供給室21aに給液通路25から導入された新鮮透析液が入っており、第2透析液チャンバ22の回収室22bに透析液回収通路24から導入された使用後の透析液が入った状態であるとする。
そして、この後、第1透析液チャンバ21の中間室21cから第2透析液チャンバ22の中間室22cへオイルポンプ27によって所要量のシリコーンオイルを送液する。すると、透析器2の透析液室2D内の透析液が入口2Eから透析液供給通路23と第2バイパス通路34およびその接続位置より下流の透析液回収通路24を経由した後に回収弁V10を介して回収室21bへ回収される。これに伴って、無菌フィルター37で清浄化されて開放通路35および気体通路38へと導入された大気は、第5開閉弁V9よりも上流の透析液回収通路24および透析器2の出口2Fを介して透析液室2D内に導入される。また、それと同時に第2透析液チャンバ22の回収室22b内に入っていた透析液が排液弁V15を通過して排液通路26から排液される。したがって、この処理が進行することに伴って第1透析液チャンバ21および第2透析液チャンバ22は、図3(a)の状態から図3(b)の状態へと変化する。なお、図3(b)〜図3(d)における両チャンバ21,22内の破線の円弧は移動前のダイアフラムの位置を示しており、それらの隣接位置の矢印はダイアフラムの移動方向を示している。
ここで、制御手段1Bは、透析液室2Dの内部空間の3分の2程度が大気に置換されるように上記オイルポンプ27の作動量を調整している。そのため、透析器2の透析液室2D内における上方の3分の2程度に大気が導入されるとともに、透析液室2D内の下方となる3分の1だけに透析液が残留した状態が維持される(図4(b)参照)。本実施例では、このようにして、返血のための準備段階の処理が終了する。
そして、オイルポンプ27によってシリコーンオイルを第2透析液チャンバ22の中間室22cから第1透析液チャンバ21の中間室21cへと所要量送液する。すると、透析治療終了の時点で第1透析液チャンバ21の供給室21aに入っていた透析液が供給弁V3を通過した後に透析液供給通路23を経由して透析器2の入口2Eから透析液室2Dへと導入される。透析液室2D内に導入された透析液は、透析液室2Dの容積の3分の1だけ残留している領域から血液室2C(中空糸膜2B)を介して血液回路3へ圧送される(図4(c)参照)。また、第2透析液チャンバ22の供給室22aには給液弁V2を通って給液通路25から新鮮透析液が導入される(図3(c)参照)。したがって、この前段階の処埋が進むにつれて、第1透析液チャンバ21と第2透析液チャンバ22の状態は、図3(b)の状態から図3(c)の状態へと変化する。
なお、この際、血液ポンプ14は、逆ろ過によって血液回路3へと圧送される透析液の流量の約半分の流量となるような回転数において透析治療時とは逆方向に回転されるようになっている。それにより、血液室2Cに圧送された透析液が動脈側通路11と静脈側通路12にそれぞれ略等分に配分されるようになっている。
そして、オイルポンプ27によって第1透析液チャンバ21の中間室21cから第2透析液チャンバ22の中間室22cへシリコーンオイルを所要量送液する。すると、先の逆ろ過の際に新鮮透析液が導入された第2透析液チャンバ22の供給室22aから供給弁V4を通って、先の逆ろ過時と同様の経路で血液回路3へと透析液が圧送される。また、第1透析液チャンバ21の供給室21aには、給液弁V1を通って給液通路25から新鮮透析液が導入される。したがって、この処理が進むにつれて第1透析液チャンバ21と第2透析液チャンバ22の状態は図3(c)の状態から図3(d)の状態へと変化する。
また、透析器2における透析液室2Dの上方となる出口2Fから透析液室2Dへ大気が導入されるので、下方側となる入口2Eから透析液室2Dへ大気を導入する場合と比較して、透析液室2D内での気泡の発生を良好に抑制することができる。したがって、透析液室2D内に生じる気泡が中空糸膜2Bの外面に付着して逆ろ過の効率が低下することを防止することもできる。
また、上記実施例においては、透析器2の透析液室2Dに気体を供給する気体供給手段として開放手段32を兼用しているが、この開放手段32を用いないで別個の気体供給手段を設けて、該気体供給手段によって返血時に透析器2の透析液室2Dへ気体を供給するようにしても良い。
2C‥血液室 2D‥透析液室
3‥血液回路 4‥透析液回路
11‥動脈側通路 12‥静脈側通路
27‥オイルポンプ(逆ろ過手段)
32‥開放手段(気体導入手段)
Claims (2)
- 半透膜によって内部を血液室と透析液室とに区画された透析器と、一端が採血口であって他端が上記透析器の血液室の上方の入口に接続される動脈側通路および一端が返血口であって他端が上記血液室の下方の出口に接続される静脈側通路からなる血液回路と、上記透析器の透析液室の入口に接続された透析液供給通路および透析液室の出口に接続された透析液回収通路とを有する透析液回路と、上記透析液回路に設けられるとともに、所要時に透析液を上記透析器の透析液室から血液室へと流入させる逆ろ過手段とを備え、上記逆ろ過手段により透析液を上記透析器を介して上記血液回路内に流入させて、逆ろ過処理を行わせるように構成した透析装置において、
上記透析液供給通路に設けられ、該透析液供給通路への大気の流入を許容する開放通路と、該開放通路と上記透析液回収通路とを連通させる気体通路とによって、上記透析器の透析液室内に気体を導入する気体導入手段を構成し、上記透析器の透析液室内に上記気体導入手段により気体を導入し、該気体が導入された以外の透析液室内の領域に透析液を残留させた状態で、上記逆ろ過手段により透析液を血液回路内に流入させて逆ろ過処理を行わせることを特徴とする透析装置。 - 上記透析器は、透析液室の出口が上方に位置するように鉛直方向に保持されており、上記気体導入手段は、上記透析器における透析液室の出口から該透析液室へ気体を導入することを特徴とする請求項1に記載の透析装置。
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