JP6009122B2 - 無線通信端末 - Google Patents
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Description
近年の情報化社会の進展は実に目覚しく、多くの情報通信機器やサービスにおける通信方法として、有線通信のほかに、無線通信が利用されることも多くなっている。
これに伴い、携帯電話やモバイルデータ通信事業者などは、大小様々なのセルサイズの基地局の増設や、新たな通信方式の導入によってトラヒックの収容を図っている。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)システムでは、基地局が無線リソースの空き状況(Available Radio Resource)を定期的にブロードキャストしているため、端末が、接続前に基地局から空き状況を取得して、これに基づいて当該基地局に接続するかどうかの判定を行うことができる。
これによって、ある基地局にアクセスが集中していた場合には、リソースに空きのある他の基地局に接続を行うことができる。
また、LTE(Long Term Evolution)やWiMAXなどモバイル通信を前提とする多くのセルラシステムでは、端末の接続状態を維持したまま通信品質の良い基地局や、混雑度(負荷)の低い基地局に接続を切り替える仕組み(ハンドオーバ)がある。
基地局がハンドオーバを開始することをサポートするシステムもあれば、端末が開始することをサポートするシステムもある。
ところが、システムによっては、ハンドオーバを想定していないものもある。
例えば、ホワイトスペースを利用する新しい無線方式の標準規格であるIEEE 802.22は、固定局同士の無線通信システムであり、端末の設置時に、接続したい基地局に対してアンテナの指向性を合わせて設置する。
このため、設置時点あるいは初期接続をした時点で、当該端末局と接続する基地局が固定されることになり、通信開始後に、通信品質や混雑度に応じた基地局の切り替えを行うことはできない。
尚、無線通信システムに関する技術としては、特開2005−33285号公報「無線情報端末及び無線通信システム」(株式会社日立製作所、特許文献1)、特開2009−212817号公報「移動局、処理モジュール、無線通信システム、及び接続確立方法」(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、特許文献2)、特開2011−4262号公報「移動無線端末装置」(株式会社東芝、特許文献3)、3GPP R1-100701 Importance of Serving Cell Association in Heterogeneous Networks,2010年(非特許文献1) がある。
本発明の実施の形態に係る無線通信端末(本端末)は、ハンドオーバを備えていないセルラシステムにおいて、基地局に初期接続する際に、接続可能な基地局について、当該基地局が自局のセル内の端末に対して通知する各端末のリソース割り当て情報を傍受し、各セルの負荷状況(リソース使用状況)を推定して、負荷状況と通信品質に基づいて期待伝送レートを算出し、期待伝送レートが最も大きい基地局を選択して初期接続を行うものであり、ハンドオーバを行わない固定通信のシステムにおいて、通信品質だけでなく、混雑度に応じて基地局の選択を行うことができ、ユーザに良好な通信サービスを提供することができるものである。
本発明の実施の形態に係る無線通信端末を備えた無線通信システム(本無線通信システム)の全体構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信端末を備えた無線通信システムの構成例を示す説明図である。
図1に示すように、本無線通信システムは、セルラー方式のシステムであり、例えば、基地局11,12と、無線通信端末(以下、端末とする)13,14,15,16とを備えている。
本無線通信システムは、ハンドオーバの機能を備えていない無線通信システムであり、例えば、ホワイトスペースを利用するIEEE 802.22による固定系の通信システムがある。
基地局11,12は、異なる周波数でセルを運用する周波数分割方式でセル間の干渉を回避する場合と、近隣に存在する他のセルとの共存を図るSelf-coexistence機能によって各セルのアクティブなタイミング(アクティブフレーム)を分割する時分割方式で干渉を回避する場合とがある。
周波数分割による方法は、システムにおいて利用可能なチャネルが多数ある場合に有効であり、時分割による方法は、利用可能なチャネルが1チャネルしかない場合や、セルの数に対して利用可能なチャネルの数が少ない場合に有効である。
図1の例では、端末13は基地局11と接続し、端末14,15は基地局12と接続している。
端末16は、基地局11と基地局12の両方のセル内に位置するため、いずれのセルにも接続可能である。本端末は、このような場合に、通信品質だけでなくセルの利用状況を推定して、それに基づいてより高速の通信を実現できる可能性が高いセルを選択して接続するものである。
次に、端末13〜16の構成について図2を用いて説明する。図2は、端末13〜16の構成ブロック図である。尚、端末13〜16は全て同じ構成であるため、ここでは、端末13について説明する。
図2に示すように、端末13は、基本的な構成は従来のIEEE 802.22システムにおける端末と同様であり、アンテナ部21と、RF部22と、ベースバンド信号処理部(BB信号処理部)23と、MAC(Media Access Control)処理部24と、主制御部25と、インターフェース部27と、外部ネットワーク端子28とを備えている。
そして、端末13は、従来と異なる構成として基地局選択部26を備えており、基地局選択部26における基地局選択の動作が特徴となっている。基地局選択部26の処理については、後述する。
アンテナ部21は、電波を送受信するものであり、本端末の特徴として、特定方向への指向性を持たない無指向性アンテナである。
無指向性アンテナとすることにより、接続先を特定の基地局に限定することなく、柔軟な基地局の選択を可能とし、また、アンテナ設置の作業が容易となる。
RF部22は、ベースバンド信号を無線周波数帯の高周波信号に変換し、また高周波信号をベースバンド信号に変換する。
MAC処理部24は、自局が使用する周波数チャネルやデータ送受信タイミングの制御、パケットへの自局識別子の付加、及びデータ送信元の無線装置の認識(識別、特定)等の処理を行う。
更に、MAC処理部24は、受信したMAC情報から、リソース使用状況を示す情報として、平均空きリソース量や、単位時間当たりの端末数を取得する。
また、主制御部25は、ベースバンド信号処理部23において測定した通信品質に基づいて、変調方式及び誤り訂正符号の組み合わせを決定し、ベースバンド信号処理部23に通知する。
更に、主制御部25は、後述する基地局選択部26で選択された基地局に対して接続を行うよう、MAC処理部24、ベースバンド信号処理部23に指示を出力する。
外部ネットワーク端子28は、外部ネットワークに接続する端子である。
具体的には、基地局選択部26は、複数の基地局からの受信信号に基づいて、ベースバンド信号処理部23から提供される受信電力やCINR等の通信品質の情報、及びMAC処理部24から提供されるリソースの割り当て情報を元に、セル毎のリソースの使用状況(負荷状況)を推定し、通信品質とリソースの使用状況とに基づいて、接続に最も適している基地局を選択する。基地局選択部26の動作については後述する。
本端末の基地局選択部26では、基地局を選択する際に、接続可能なセル毎に、当該基地局に接続した場合に期待できる伝送レート(期待伝送レート)を比較する。
具体的には、基地局選択部26では、通信品質とリソースの使用状況とに基づいて、各基地局について期待伝送レートを表す指標値を算出して比較し、最適な基地局(セル)を選択する。
本端末の基地局選択部26は、期待伝送レートの指標として2種類の指標値を算出可能としている。
まず、第1の指標値について具体的に説明する。
第1の指標値は、次式で与えられる。
第1の指標値=平均空きリソース量×符号化率 平均空きリソース量は、MAP情報から得られる情報であり、単位時間当たりの未使用のリソースサイズである。例えば、各セルにおける1秒あたりの未使用のサブキャリア数とする。
次に、第2の指標値について具体的に説明する。
第2の指標値は、次式で与えられる。
第2の指標値=(1/端末数)×符号化率 端末数は、所定の観測期間内に観測された端末の数であり、端末ID(Station ID)の数、又は端末のアドレスの数である。Station IDは、基地局のリソース割り当て情報であるMAP情報や、ポーリング情報(IEEE 802.11のCF-Poll、IEEE 802.15.4のビーコン内のGTS descriptorに相当する)に含まれる。
符号化率は、第1の指標値と同様に、ベースバンド信号処理部23で測定された通信品質に応じた適用可能な変調方式と誤り訂正符号の組み合わせによるトータルの符号化率である。
また、セル毎にDS(Downstream)期間とUS(Upstream)期間の割り当てが異なる場合には、フレームあたりのシンボル数に対するDSとUSのシンボル数の比を、上述した式で算出された第2の指標値に更に乗じてもよい。
例えば、1フレーム26シンボルで、USに13シンボル割り当てられている場合には、第2の指標値に1/2を乗じることにより、USの期待伝送レートに着目した評価を行うことが可能である。
基地局選択部26は、接続可能なセルについて第2の指標値を算出し、最も値が大きいセルを選択し、主制御部25に通知する。
また、期待伝送レートを推定するために、第1の指標値又は第2の指標値のいずれを用いるかは、セルのリソース配分方式等に応じて任意に設定可能であり、基地局選択部26に設定されている。たとえば、リソースを端末に固定的に割り当て、先に開始した通信に優先権を与えるシステムであれば、空きリソースの中から端末が必要とするリソースを獲得しなくてはならないため、第1の指標値が好適である。リソースを端末間で公平に割り当てるようなシステムであれば端末数をベースとする第2の指標が好適である。
次に、本端末における起動時の基地局選択の動作の概略について図3を用いて説明する。図3は、本端末における起動時の基地局選択の動作の概略を示すフローチャートである。尚、ここでは、図1において基地局11及び基地局12の両方から信号を受信している端末16の起動時の動作について説明する。
基地局のサーチは、周波数を任意の順序でスイープさせながら、各スーパーフレームの先頭で送信されるスーパーフレームプリアンブルを検出することによって行われる。
スーパーフレームは、10msecのフレームを16フレーム毎にまとめた単位であり、基地局はスーパーフレーム毎に当該基地局の基本情報をブロードキャストしている。
これにより、端末16は、基地局が使用する周波数を認識すると共に、同期を確立する。
未確認のチャネルがあった場合(Yesの場合)、端末16は、当該チャネルについてスーパープリアンブルの検出に成功したかどうかを判断する(102)。
具体的には、端末16は、スーパーフレームプリアンブルの受信を試み、その受信電力が閾値以上であった場合に、検出成功とする。ここで受信電力及び/又はCINRが算出される。
そして、端末16は、サーチされた基地局について、期待伝送レートの指標値を算出する期待伝送レート算出処理を行う(104)。期待伝送レートの指標値は、上述した第1の指標値又は第2の指標値の内、予め設定されている指標値とする。端末16は、算出された指標値を期待伝送レートとして、基地局の情報と対応付けて記憶しておく。
期待伝送レート算出処理については、後で詳細に説明する。
基地局からの制御メッセージであるSCH(Superframe Control Header)には、16フレームから成るスーパーフレームのうち、運用を行っているフレーム(アクティブフレーム)がFrame Allocation Mapとして示されており、端末16はこの情報を利用する。
また、処理106で他のセルを検出しなかった場合(Noの場合)、端末16は、処理100に移行して次のチャネルについて基地局のサーチを行う。
これにより、端末16は運用開始状態となる。
図1の例では、基地局11には1台の端末が接続し、基地局12には2台の端末が接続しているので、通信品質が同程度であれば、端末16は基地局11へ接続する。接続は、従来と同様に、IEEE 802.22に従って行われる。
次に、図3の処理104に示した期待伝送レート算出処理について図4を用いて具体的に説明する。図4は、図3の処理104に示した期待伝送レート算出処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、期待伝送レート算出処理において、端末16は、サーチされた基地局についてセルの運用状況を取得する(200)。
具体的には、端末16は、基地局から送信された制御メッセージであるSCH、DS MAP(Downstream Map)、US MAP(Upstream Map)、DCD(DS Channel Descriptor)、UCD(US Channel Descriptor)等から、基地局との通信開始に必要な最低限の情報を取得する。
取得する情報は、例えば、DS/USの期間の長さ、変調方式、符号化方式等である。
具体的には、端末16は、リソースの使用状況として、DS MAP及びUS MAPに含まれる当該フレームにおける平均空きリソース量や一定期間内の端末数を取得する。
期待伝送レートの指標値としては、上述した第1の指標値又は第2の指標値のうち、設定されている方を用いる。
第1の指標値を用いる場合、端末16は、平均空きリソース量×符号化率により期待伝送レートの指標値を算出し、第2の指標値を用いる場合、(1/端末数)×符号化率により指標値を算出する。
そして、端末16は、算出した指標値を期待伝送レートとして基地局の情報と対応付けて記憶する(208)。
このようにして、本端末における期待伝送レート算出処理が行われる。
端末では、一旦いずれかの基地局と接続を確立して運用が開始されても、接続中のセルの負荷状況が変わって、要求品質を満たさなくなる可能性があるため、本端末では、運用開始後も期待伝送レートを監視して常に最大伝送レートが得られるセルに接続を切り替える処理を行う。
図5に示すように、起動時に基地局が選択されて運用が開始されると、端末16は、現在の通信が切断を許容するものであるか否かを判断する(300)。
これは、端末のアプリケーションや通信状況によっては、切断状態を極力避けることが望ましいものもあるため、接続中のチャネルとは異なるチャネルで基地局サーチを行った場合の切断が許容されるかどうかを判断するものである。許容するか否かを判断する方法としては、アプリケーションが判断する方法や、ユーザの操作によって強制的に基地局サーチをかけるという方法が考えられる。
処理304では、受信電力やCINRの測定のためのチャネル切り替えが不要であるため、測定中における通信の切断を防ぐことができるものである。
図5の処理は、定期的に行ってもよいし、非通信時に実行してもよい。
このようにして、本端末の運用開始後の処理が行われる。
本発明の実施の形態に係る無線通信端末によれば、ハンドオーバの仕組みを備えておらず、基地局から無線リソースの空き状況が通知されないセルラシステムにおいて、端末の起動時に、ベースバンド信号処理部23が、接続可能な基地局について、受信電力やCINR等の通信品質を算出すると共に、MAC処理部24が、当該基地局からのリソース割り当て情報やポーリング情報を傍受して、それに基づいてセルのリソース使用状況を推定し、基地局選択部26が、通信品質とリソース使用状況とに応じて期待伝送レートの指標値を算出し、期待伝送レートの指標値が最大となる基地局を選択し、主制御部25が、当該基地局に接続するようにしているので、固定系のシステムであっても、通信品質とリソース使用状況を考慮して基地局を柔軟に選択することができ、良好な通信サービスを提供して、利用者の体感品質を向上させることができる効果がある。
例えば、1ホップ目(BS1−CPE1)が切断された場合、CPE1は、BS1とBS2の両方のMAP情報からリソース割り当て情報を取得し、期待伝送レートを算出する。
一方、1ホップ目のBS1は切断状態であるため、リソース割り当て情報は示されていないため、期待伝送レートはBS1のほうが大きくなり、CPE1はBS1に接続することができるものである。
Claims (3)
- ハンドオーバ機能を備えない無線通信システムにおける無線通信端末であって、
接続可能な基地局からの受信信号に基づいて、通信品質を算出するベースバンド信号処理部と、
前記基地局から受信したMAC情報から、リソース使用状況として平均空きリソース量を取得するMAC処理部と、
前記基地局に接続した場合に期待される期待伝送レートの指標値として、前記通信品質に応じた変調方式及び符号化方式の組み合わせによる符号化率と、前記平均空きリソース量とを乗算して第1の指標値を算出し、前記第1の指標値が最大となる基地局を接続先として選択する基地局選択部と、
前記選択された基地局に接続する制御を行う主制御部とを備えたことを特徴とする無線通信端末。 - ハンドオーバ機能を備えない無線通信システムにおける無線通信端末であって、
接続可能な基地局からの受信信号に基づいて、通信品質を算出するベースバンド信号処理部と、
前記基地局から受信したMAC情報から、リソース使用状況として単位時間当たりの端末数を取得するMAC処理部と、
前記基地局に接続した場合に期待される期待伝送レートの指標値として、前記通信品質に応じた変調方式及び符号化方式の組み合わせによる符号化率を、前記端末数で除して第2の指標値を算出し、前記第2の指標値が最大となる基地局を接続先として選択する基地局選択部と、
前記選択された基地局に接続する制御を行う主制御部とを備えたことを特徴とする無線通信端末。 - 基地局に接続している状態において、
基地局選択部が、前記基地局以外に接続可能な別の基地局について期待伝送レートの指標値を算出し、前記別の基地局の期待伝送レートが前記接続している基地局よりも大きい場合、前記別の基地局を接続先として選択し、
主制御部が、前記接続している基地局との接続を切断して、前記別の基地局に接続する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信端末。
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