JP6008295B2 - 食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の盛付装置は、ベルトコンベヤがスライサーから切出される肉片を受けて小送りを繰り返して一部が重なりあった状態とし、所定枚数に達すれば大送りして間隔を開ける動作を繰り返し、最先端のスライス肉片が盛付位置に達して剥離体にわずかに重なればセンサーによって検知されて、ベルトコンベヤの先端が後退して受皿(トレーに相当)内に所定間数の肉片がベルトコンベヤに載置された姿勢のまま落下して盛り付けられる構成である。
また、肉片が柔らかく粘着性が強い生肉の場合には、ベルト表面へ強く付着しており、しかも肉片の剛性が低いので剥離体への重なり部分から先駆けて滑落し受皿内への落下姿勢が乱れるばかりかベルト表面に付着して持ち回りが発生するおそれがある。
この場合、トレーの搬送方向が肉片の移送方向と同じであれば都合が良いが、肉片の移送方向に直交する場合にはトレー搬送コンベヤの構成が困難である。
しかしながらこの構成では、同じ切り出し口から複数回分のスライス肉片を受取る場合に平均化できない。
又、前記ベルトコンベヤの搬送面に摺接する状態で終端部に設置された搬送方向と同方向に回転して肉片を剥ぎ取る剥離ローラーを備えており、ベルトコンベヤの搬送面に剥離ローラーが摺接した状態を保ったままで往復動させるように構成されることが好ましい。
更には、少なくとも最上に盛付けられる肉片は前記ベルトコンベヤの終端部の往復動における往路または復路のいずれか一方のみで落下させるようにすることが好ましい。
又、ベルトコンベヤの終端部を、コンベヤの搬送面に剥離ローラーが摺接した状態を保ったままで往復動させると乱れなく整然と盛り付けられる。
機台1に支承され、クランク機構2によって上下方向の所定範囲内を往復動される肉箱3は、底部には底部コンベヤ4が、左右側部にはそれぞれ側部コンベヤ5,5が縦方向に立設され、左右の側部コンベヤ5,5の搬送面が対向して側壁を構成し両側壁の間隔によって送出される食肉塊Mの巾寸法が規制される。
又、肉箱3の上面にも、食肉の送出し始端部近くに形成される食肉塊Mの供給空間(図5における12)を残して上部コンベヤ6が張設され、肉箱3は図2に示すように4面をコンベヤで構成される。
従って、供給空間12から供給される食肉塊Mは四方からコンベヤで包囲、規制され図示しない駆動装置によって走行される各コンベヤで確実に送り出されるので一回に切出される肉片mが定量化される。
切出される肉片mを外周面に沿わせて受け取るベルトコンベヤ9は、切り出し口巾(肉箱3の左右の側壁の間隔)に見合う巾寸法を有して肉片mの切り出される方向に適宜延設されて張設される。
ベルトコンベヤ9が掛け回された複数のプーリーの内、下方に位置するプーリー10にはコンベヤフレームに据え付けられたモーター(共に図示省略)に連結される。
又、ベルトコンベヤ9の始端部は、切出される肉片mが確実に受け止められるような位置にあればよいが、本実施例においては、コンベヤフレームに軸支されるプーリー13a・・はベルトコンベヤ9が切り出される肉片mを肉箱3の上動に同調して走行し、広げられた状態でスムーズに受取れるように比較的緩やかな円弧状に配置され、肉片mが切り離される前から付着させて受け取れるように切り出し口に接近させ、肉片mがバンドナイフ8に付着して引かれないようにしている。この複数のプーリー13a・・は直径の大きな一個のプーリーに置き換えてもよく、又単なるガイド板で構成してもよい。
剥離ローラー14はベルトコンベヤ9の搬送方向(走行方向)と同方向に回転されるので、ベルトコンベヤ9の搬送面に摺接した状態における剥離ローラー14の外周面の走行方向は、ベルトコンベヤ9の走行方向に対しては逆方向となり、搬送面に付着した肉片mを剥離し落下させる。又この剥離ローラー14は図示しないが外周面に多数の細溝を軸方向に刻設して剥離効果をより高めるようにすることが望ましい。
即ち、ベルトコンベヤ9の終端部のプーリー13bの支持軸15とテンションプーリー13c及び剥離ローラー14とを詳細は省略し、しかも片側のみの構成を示すが、左右のコンベヤフレームにそれぞれ取り付けられたスライド軸受17に嵌合して搬送方向に沿ってスライド自在なスライドバー18に一体的に支持される。
一方、スライドバー18の他端部は、コンベヤフレームに支承された回動軸19に取着された揺動アーム20に自在継ぎ手21を介して連結される。
回動軸19に固着された大歯車22は、コンベヤフレームに取り付けられた減速機付モーター23の出力軸に固着された小歯車24と噛み合わせる。
肉片の切り出しに関連させてモーター23を駆動することにより揺動アーム20が揺動されガイドバー18をスライドさせるのでベルトコンベヤ9の終端部は剥離ローラー14が搬送面に摺接した状態を保ったままで移動される。
剥離ローラー14の下方で肉片mが落下する位置にトレー25を供給するトレーの搬送ブロックCは、図1、2に示すように多数の空トレーを積み重ねて貯留する機体側に向けて傾斜させたトレー貯留タンク26と、積み重ねられたトレー25を最下端から一枚ずつ取出す取出し装置27と、取り出されたトレー25を、ベルトコンベヤ9の終端部下方位置の肉片mの受取り位置まで搬送するローラーチェーンなどの無端帯からなるトレー搬送装置28から構成される。このトレー搬送装置28はベルトコンベヤ9の搬送方向に直交するように配設される。
一方、食肉スライサーから1回に切出される肉片mの分量は比較的少なく設定されていて、例えば薄切り肉片の主流をしめる厚みが2mm程度であれば、50g程度なので2〜6回分の肉片mを1個のトレーに盛付けることになる。
盛付量に応じて肉片の搬送方向に沿った長さ寸法を変更したトレーが使用されるが、大型のトレーを使用し多くの回数分の肉片mを盛付ける場合に、盛付後のラッピング工程において支障がないこと、及び店頭における見映えを良くするためにトレー内に一様に均した状態で盛付けることが求められる。
更に、トレー25の搬送部分におけるトレーの搬送路は、大小のトレー25を肉片mの搬送方向の長さ寸法のみ調整して肉片mの落下位置に供給すればよく構成が簡単になるなどのメリットがある。
肉片mを落下させる回数は本実施例における3回に限られることなく、トレー25の大きさと所望するトレー25内へ盛り付け状態により適宜設定可能に構成されるが、一回に切出される肉片mの分量を単位として設定される。
コマギレ肉を加工する場合などで、スライスされる複数個の比較的小さい食肉塊Mを切断面が一様になるように肉箱3に詰め込み一回に切り出される肉片mの分量が定量になるようにすれば、盛付量の設定が容易となり、トレー25への盛付量の均一化が図れる。
一回に切り出される分量の肉片mをコンベヤベルト9が受取るが、肉箱3の上動に同調してコンベヤベルト9が走行しながら始端部の表面に付着させて受取ると広げられたままで確実に受取ることができる。肉片mは終端部まで搬送され、剥離ローラー14によって剥ぎ取られてトレー25内に落下する。
仮に、図4で示されるようにトレー25内の3箇所に肉片mを落下させるものとし、作業開始時にベルトコンベヤ9の終端部が往復動における始端位置(1)にあるとすれば、先ず(1)で示されるトレー25内の始端位置側に肉片mを落下させ、次の肉片mが切出されるまでにベルトコンベヤ9の終端部は中間位置(2)付近まで移動され、続いて切出される肉片mをトレー25の中間位置に落下させる。同様にしてトレー25内の終端位置(3)にも肉片mを落下させて1個のトレー25への盛り付けを完了させる。
次いで、ベルトコンベヤ9の終端部は、図4の(イ)に示す往復動における復路の行程となり、順次一回に切出される肉片m毎にトレー25内の異なる3箇所に落下させて均された状態になるように盛り付ける。
このようにしてベルトコンベヤ9の終端部の往復動における往路、復路の交互にトレー25の1個毎に盛り付けが行われ、盛付が完了しトレー25はローラーチェーン30によって機外に送出され、後続の空のトレー25が供給されて盛付作業が連続して行われる。これら一連の動作は肉箱3が往復動する周期内で行われ、制御も肉箱3の往復動を基準にしてなされる。
このようにコンベヤ9の終端部の往復動における往路、復路の両方ともにトレー25への盛り付けが行われようにすれば能率的な作業ができる。
5 側部コンベヤ
8 バンドナイフ
9 ベルトコンベヤ
14 剥離ローラー
25 トレー
28 トレー搬送装置
M 食肉塊
m 肉片
Claims (3)
- 左右に側壁が立設された肉箱と刃物とが相対移動することによって左右の側壁で規制された巾寸法で周期的に切出される肉片を受取り終端部から概ね前記巾寸法と同じ巾寸法のトレー内に落下させるベルトコンベヤを備えた食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付装置において、ベルトコンベヤの終端部を肉片の切り出しに関連して肉片の搬送方向に沿ってトレーの上方位置で往復動させて、所望する複数の切出し回数分の肉片を、1回に切出される分量ごとに、トレー内における長さ方向の異なる箇所に、順次落下させるように構成された食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付装置。
- 前記ベルトコンベヤの搬送面に摺接する状態で終端部に設置された搬送方向と同方向に回転して肉片を剥ぎ取る剥離ローラーを備えており、ベルトコンベヤの搬送面に剥離ローラーが摺接した状態を保ったままで往復動させるように構成された請求項1に記載の食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付装置。
- 少なくとも最上に盛付けられる肉片は、前記ベルトコンベヤの終端部の往復動における往路または復路のいずれか一方のみで落下させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付装置。
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