JP6008154B2 - シングルタフトブラシの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フィラメントの先端部を先丸加工したシングルタフトブラシ及びその製造方法に関する。
歯間ブラシとして、金属細線からなるワイヤーを二つ折にして、その間にワイヤーに直交させて複数本のフィラメントを並列状に配置させ、この状態でワイヤーを捩じって、ワイヤーに対して複数本のフィラメントを放射状に保持させ、その後フィラメントを円柱状や円錐台状に毛切りしてなる歯間ブラシが広く実施されている。
また、歯間清掃に好適な歯ブラシとして、ハンドル部の先端部に設けた1つの植毛孔に、複数本のフィラメントを束ねてなる1つの毛束を植設し、該毛束の先端部を円錐状に毛切りしてなる、所謂シングルタフトブラシも、前記歯間ブラシと比較して、歯肉への為害性が少ないことから、健常者によるブラッシングは云うまでもなく、お年寄りや体の不自由な人の口腔内の清掃介助にも安全に利用できることから注目されている(例えば、特許文献1参照。)。
毛束の植設方法としては、複数本のフィラメントを2つ折りにして、折り返し部の内側に金属製の平線を挿入し、平線とともにフィラメントを植毛孔に植設固定する植設方法や、複数本のフィラメントを束ねてなる毛束の基端部に接着剤を塗布し、接着剤を塗布した植毛孔に該毛束を挿入することで、接着剤により毛束を固定する植設方法や、複数本のフィラメントを束ねてなる毛束の基端部に溶融塊を形成し、ハンドルの成形空間内に溶融塊が配置されるように毛束を固定した状態で、ハンドルを成形することで、溶融塊をハンドルに一体的に埋設固定して植設する植設方法や、複数本のフィラメントを束ねてなる毛束の基端部に溶融塊を形成し、溶融塊に外嵌係合する固定部材を用いてハンドル先端に毛束を固定する植設方法などが知られているが、製造工程数が少なく、安価に製造できることから、平線を用いた植設方法が広く採用されている。
一方、歯ブラシとして、植設された毛束の先端部をグラインダで研磨して、毛先を丸める先丸加工を施した歯ブラシも提案され、実用化されている。また、ブラシ部の先端部を三角波状に山切りカットしてなる歯ブラシのフィラメントに対して先丸加工を施す装置も種々提案されている(例えば特許文献2及び3参照。)。
特開2007−195713号 特開平11−318567号 特開平09−313255号
前記特許文献1記載のシングルタフトブラシでは、毛束の先端部が円錐状に形成されていることから、グラインダによる先丸加工が困難であると考えられており、各フィラメントの先端部に対して先丸加工を施す技術は、まだ確立されていないのが実状である。例えば特許文献2、3には、歯ブラシの毛束の先丸加工の技術が開示されているが、この特許文献2、3記載の発明は、ブラシ部の先端部の山部の2つの傾斜面のみを研磨して先丸加工するものであり、特許文献1記載のように、毛束の先端部を円錐状に形成したシングルタフトブラシにおいては、円錐部分の全周にわたって先丸加工を施す必要があることから、特許文献2、3記載の技術を利用して先丸加工することは困難であった。
本発明の目的は、フィラメントを小径に構成して、毛腰を柔らかくするとともに、フィラメントの先端部を先丸加工することで、ブラッシング時における為害性を大幅に軽減し得るシングルタフトブラシ及びその製造方法を提供することである。
本発明に係るシングルタフトブラシは、ハンドル部の先端部に設けた1つの植毛孔に、複数本のフィラメントを束ねてなる1つの毛束を植設してなるシングルタフトブラシであって、前記フィラメントの直径0.076〜0.15mmに設定され、前記植毛孔に植設固定された毛束の先端部を円錐状に毛切りしてなる円錐面が、前記毛束の先端部に設けられ、前記円錐面の研磨により先丸加工してなる先丸形状部が、各フィラメントの先端部に設けられているものである。
このシングルタフトブラシでは、毛束の先端部を円錐状に毛切りしているので、従来のシングルタフトブラシと同様に、歯間への挿入性を高めて、歯間清掃性を十分に確保できる。また、フィラメントの先端部を先丸加工しているので、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減できる。さらに、フィラメントの直径を0.076〜0.15mmに設定しているので、毛腰を柔らかくして、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減できるとともに、歯間の細部への挿入性を高めて、歯間の細部を一層綺麗に清掃できる。このため、通常のブラッシングは云うまでもなく、お年寄りや体の不自由な人に対して歯磨きを介助する場合においても、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減して安全に利用可能で、しかも歯間を綺麗に清掃することができる。
ここで、前記植毛孔の直径3.1〜4.1mmに設定されていることが好ましい実施の形態である。植毛孔の直径は、大きすぎると操作性が低下するとともに、毛抜けが発生し易くなり、小さすぎると毛腰が弱くなって、清掃性が低下するので、3.1mm以上で4.1mm以下に設定することが好ましい。
前記植毛孔から露出する毛束の毛丈の最大値7.5〜10.5mmに設定されていることが好ましい実施の形態である。毛丈の最大値は、大きすぎると口腔内におけるブラシの操作性が低下するとともに、毛腰が柔らかすぎて刷掃性が低下し、小さすぎると毛腰が硬くなりすぎて、歯肉に対する刺激が強くなるので、7.5mm以上で10.5mm以下に設定することが好ましい。
前記毛束の側面視における毛束先端の円錐の頂角20〜65°に設定されていることもできる。頂角は、大きすぎると歯間への挿入性が低下し、小さすぎると、毛束の外周部が清掃に寄与しなくなって清掃性が低下するので、好ましくは20°以上で65°以下、より好ましくは、45〜65°、最も好ましくは50〜65°に設定することが好ましい。
本発明に係るシングルタフトブラシの製造方法は、ハンドル部の先端部に設けた1つの植毛孔に、複数本のフィラメントを束ねてなる1つの毛束を植設してなるシングルタフトブラシの製造方法であって、直径が0.076〜0.15mmのフィラメントからなる毛束を植毛孔に対して植設固定し、次に、前記毛束の先端部を円錐状に毛切りし、次に、前記フィラメントの先端部を研磨により先丸加工したものである。
この製造方法において、前記植毛孔の直径を3.1〜4.1mmに設定すること、
前記植毛孔から露出する毛束の毛丈の最大値を7.5〜10.5mmに設定すること、前記毛束の側面視における毛束先端の円錐の頂角を20〜65°に設定すること、などが好ましい実施の形態である。
また、前記製造方法における先丸加工において、砥石の中心線を中心として該砥石を回転させるとともに、毛束の中心線を中心に該砥石を公転させながら、前記フィラメントの先端部に前記砥石を当接させて、前記フィラメントの先端部を研磨により先丸加工することができる。この場合には、前記先丸加工において、前記砥石の研磨面を毛束の円錐面に略平行に接触させて押し当てながら、前記フィラメントの先端部が半球状になるように先丸加工を施すこと、前記先丸加工において、前記砥石の研磨面がフィラメントの先端部に接触してから、前記砥石を更に下側へ3.5mm下降させて、前記研磨面をフィラメントの先端部に押し当てて、先丸加工を行うこと、などが好ましい実施の形態である。
本発明に係るシングルタフトブラシによれば、毛束の先端部を円錐状に毛切りしているので、従来のシングルタフトブラシと同様に、歯間への挿入性を高めて、歯間清掃性を十分に確保できる。また、フィラメントの先端部を先丸加工しているので、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減できる。さらに、フィラメントの直径を0.076〜0.15mmに設定しているので、毛腰を柔らかくして、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減できるとともに、歯間の細部への挿入性を高めて、歯間の細部を一層綺麗に清掃できる。このため、通常のブラッシングは云うまでもなく、お年寄りや体の不自由な人に対して歯磨きを介助する場合においても、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減して安全に利用可能で、しかも歯間を綺麗に清掃することができる。
シングルタフトブラシの斜視図 図1のII-II線断面図 毛切り加工の加工方法の説明図 先丸加工の加工方法の説明図 他の先丸加工の加工方法の説明図 他の先丸加工の加工方法の説明図 先丸加工したフィラメントの先端部の(a)は良好な加工状態を示す図、(b)はやや加工が強い状態を示す図、(c)は未加工状態を示す図 試験で用いた歯ブラシの植毛台付近の平面図 先丸加工の有無による歯茎への痛みの度合いを示す棒グラフ 先丸加工の有無による磨いたときの毛の硬さの度合いを示す棒グラフ
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、シングルタフトブラシ1は、持ち手としてのハンドル部2と、ハンドル部2の先端部に連設した首部3と、首部3の先端部に設けた毛束保持部4とからなるハンドル5と、複数のフィラメント6aからなる1つの毛束6をハンドル5の毛束保持部4に平線7を用いて植設固定してなるブラシ部8とから構成されている。
ハンドル5の各部の形状や寸法は、手でハンドル5を把持して操作可能であれば、任意の形状や寸法に設定できる。ハンドル5を構成する合成樹脂材料としては、歯ブラシのハンドルと同様の合成樹脂材料を採用でき、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチルテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、スチレン・アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、セルロースプロピオネート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート等の硬質の合成樹脂材料を採用できる。熱可塑性合成樹脂が好ましく、JISに規定する曲げ弾性率が1500MPa以上であることが好ましい。ただし、ハンドル5は、単一の合成樹脂材料で構成することも可能であるし、本体部を合成樹脂材料で構成し、滑り止め部をエラストマーで構成するなど、2種類以上の材料を用いて構成することもできる。
首部3は、口腔内におけるブラシ部8の操作性を十分に確保するため、ハンドル部2よりも小さな略円形断面に形成され、ブラッシング圧が過剰に大きくならないように、弾性変形可能に構成されている。
毛束保持部4は、植毛孔9を有する有底円筒状に形成されて、首部3の先端部に一体的に設けられ、毛束保持部4の中心線が首部3の中心線と略直交するように配置されている。ただし、首部3の中心線に対する毛束保持部4の中心線の傾斜角度は、90°以上180°未満の任意の角度に設定できるが、ブラシ部8の操作性などを考慮して、90°〜150°、好ましくは90°〜130°に設定することが好ましい。
植毛孔9は、横断面円形に形成されている。ただし、横断面が楕円形や小判型や角形になるように構成することも可能である。植毛孔9の直径D1は、それに植設するフィラメント6aの直径D2及び本数に応じて適宜に設定することになるが、大きすぎると操作性が低下するとともに、毛抜けが発生し易くなり、小さすぎると毛腰が弱くなって、清掃性が低下するので、3.1mm以上、4.1mm以下に設定することが好ましい。
毛束6は、フィラメント6aを2つ折りにして、折り返し部の内側に金属製の平板状の平線7を挿入し、平線7とともに植毛孔9に植設固定されている。このように平線7を用いて毛束6を固定する場合には、フィラメント6aの基端部に溶融塊を形成し、ハンドルの成形空間内に溶融塊が配置されるように毛束6を固定した状態で、ハンドルを成形することで、溶融塊をハンドルに一体的に埋設固定して植設する植設方法や、複数本のフィラメントを束ねてなる毛束6の基端部に溶融塊を形成し、溶融塊に外嵌係合する固定部材を用いてハンドル先端に毛束6を固定する植設方法や、接着剤を用いた植設方法と比較して、安価に実施できるので好ましい。
フィラメント6aは、直径D2が0.076〜0.15mmの合成樹脂製の繊維材で構成されている。フィラメント6aの直径D2は、大きすぎると毛腰が硬くなり、小さすぎると十分な毛腰が得られないことから、0.076mm以上、0.15mm以下に設定することが好ましく、このように設定することで、適度な毛腰が得られて、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減できるとともに、歯間の細部への挿入性を高めて、歯間の細部を一層綺麗に清掃できる。
フィラメント6aを構成する合成樹脂材料としては、例えば、ナイロン、アラミド樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート若しくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂、その他、従来公知の熱可塑性樹脂フィラメントを用いることができる。フィラメント6aの断面形状は円形に構成することが好ましいが、三角形や四角形など、各種断面形状のフィラメントを採用することもできるし、芯鞘構造の複合フィラメントを用いることもできる。
毛束6の先端部は、円錐状に毛切りされ、各フィラメント6aの先端部は先丸加工が施されて、略半円状に形成されている。毛束6の先端部の側面視における円錐の頂角θ1は、20〜65°に設定されている。頂角θ1は、大きすぎると歯間への挿入性が低下し、小さすぎると、毛束6の外周部が清掃に寄与しなくなって清掃性が低下するので、好ましくは20°以上で65°以下、より好ましくは、45〜65°、最も好ましくは50〜65°に設定することが好ましい。
植毛孔9から露出する毛束6の毛丈の最大値Hは、大きすぎると口腔内におけるブラシ部8の操作性が低下するとともに、毛腰が柔らかすぎて刷掃性が低下し、小さすぎると毛腰が硬くなりすぎて、歯肉に対する刺激が強くなるので、7.5mm以上、10.5mm以下に設定することが好ましい。
なお、本実施の形態では、手動式のシングルタフトブラシ1に本発明を適用した場合について説明したが、電動式のシングルタフトブラシ1に本発明を適用することも可能である。この場合には、周知の電動歯ブラシと同様に、替えブラシと、それを駆動する駆動手段とを備えさせ、替えブラシに首部3及び毛束保持部4を設け、毛束保持部4に1つの毛束6を植設してブラシ部8を形成し、駆動手段によりブラシ部8を振動又は往復反転運動させることになる。
次に、シングルタフトブラシ1の製造方法について説明する。
先ず、合成樹脂材料としてポリプロピレンを用いて、射出成形によりハンドル5を成形する。
次に、必要な本数のフィラメント6a、例えば200本のフィラメント6aを束ねて2つに折り曲げて、折り曲げ部の内側に平線7を配置させた状態で、これを毛束保持部4の植毛孔9に押し込んで植毛孔9に植設固定する。なお、以下で用いるブラシ毛の本数とは、植毛孔9から外部へ延びるフィラメントの本数を意味し、前述のようにフィラメントは2つに折り曲げて植毛孔9に植設されるので、1本のフィラメントで2本のブラシ毛が構成される。したがって、例えば200本のフィラメント6aを植設すると、ブラシ毛の本数は400本となる。
(毛切り加工)
次に、図3に示すように、底面に擂鉢状の凹部10が形成され、該凹部10の内周面に周方向に間隔をあけて複数枚の刃物11が放射状に配置された円柱状の切削ヘッド12と、切削ヘッド12をその軸心回りに回転させるモータ13とを有する切削装置14を用い、切削ヘッド12の凹部10を毛束6の先端部に上側から嵌合させ、切削ヘッド12に設けた刃物11により、図2に示すように、植毛孔9に植設した毛束6の先端部を円錐状に毛切りする。なお、この切削により、フィラメント6aの先端部は、図7(c)に示すように、斜めに鋭角状に切断されることになる。
(先丸加工)
次に、斜めに鋭角状に切断されたフィラメント6aの先端部に対して、図7(a)に示すように、フィラメント6aの先端部が略半球状になるように加工装置20により先丸加工を施す。具体的には、加工装置20として、図4に示すように、平坦な円板状の砥石21と、該砥石21の中心線C1を中心として砥石21を回転させる自転用駆動手段22と、加工装置20に対して毛束6が上下方向になるようにセットしたシングルタフトブラシ1の毛束6の中心線C2を中心に、砥石21を自転用駆動手段22とともに公転させる公転用駆動手段23とを備えたものを用い、砥石21の研磨面21aを毛束6の円錐面に略平行に或いは多少角度を付けて接触させて押し当てながら、該砥石21を自転させるとともに公転させて、フィラメント6aの先端部が半球状になるように先丸加工を施すことになる。より具体的には、砥石21の研磨面21aがフィラメント6aの先端部に接触してから、該砥石21を更に下側へ3.5mm下降させて、研磨面21aをフィラメント6aの先端部に押し当てて、砥石21を1200rpmで自転させるとともに、2.5秒で約8回転公転させて先丸加工を行うことになる。なお、図5に示す加工装置20Aのように、公転用駆動手段23を省略して、平板状の砥石21の回転中心に、砥石21の研磨面に対して略垂直にシングルタフトブラシ1の毛束6を圧接させて、先丸加工を施すこともできるし、図6に示す加工装置20Bのように、前記加工装置20の平坦な円板状の砥石21に代えて、円錐状又は円錐台状の砥石21Bを設け、該砥石21Bの円錐面をシングルタフトブラシ1の毛束6の先端の円錐面に圧接させながら、自転用駆動手段22により、中心線C1を中心として砥石21Bを自転させるとともに、公転用駆動手段23により、中心線C2を中心として砥石21Bを自転用駆動手段22とともに公転させて、先丸加工を施すこともできる。
次に、フィラメント6aの直径D2、植毛孔9の直径D1、毛丈の最大値Hを設定するために行った試験について説明する。
(フィラメントの直径に関する試験)
先ず、シングルタフトブラシにおけるフィラメントの好適な直径D2を設定するために行った試験について説明する。
直径D2が異なる7種類のフィラメント、具体的には、直径D2が0.070mm、0.076mm、0.085mm、0.10mm、0.15mm、0.178mm、0.2mmの7種類のポリブチレンテレフタレートからなるフィラメントを製作した。そして、直径D1が4.0mmの植毛孔にフィラメントを植設し、植毛孔から外部に露出する最大毛丈が7.5mmとなるように、植設したフィラメントの先端を、所定の形状に毛切りし、その後毛切りしたフィラメントの先端部に対して、前記製造方法の先丸加工における具体例と同じ条件で先丸加工を施して、7種類のシングルタフトブラシを製作した。
また、図8に示すように、前記7種類のフィラメントからなる毛束30を直径が1.7mmの3行8列の植毛孔31を有する歯ブラシの植毛台32に平線を用いて植設し、植毛孔31から外部に露出する毛丈が9.5mmとなるように毛切りして、砥石21への押し当て量及び研磨速度に関して、シングルタフトブラシに対する先丸加工と同じ条件で、フィラメントの先端部に対して先丸加工を施し、7種類の歯ブラシを製作した。
そして、加工後、シングルタフトブラシ及び歯ブラシの毛束から任意の20本のフィラメントを抜き取り、その両端部の端部形状をデジタルマイクロスコープを用いて目視確認して、その状態を「◎」「○」「×」で3段階評価した。また、シングルタフトブラシに関しては、20人の検査員が3分間のブラッシングを行って、1回使用後のシングルタフトブラシの毛抜けの有無を検査した。その結果を表1、表2に示す。ただし、記号「◎」は、図7(a)に示すように、先端部が略半球状に良好に先丸加工されているフィラメント(ブラシ毛)を表し、記号「○」は、図7(b)に示すように、先端部がフィラメントの直径D2の2倍以上の長さのテーパ状に加工されて、やや加工が強いフィラメント(ブラシ毛)を表し、記号「×」は、図7(c)に示すように、先端部が毛切りした状態と略同じ形状になっており、ほとんど加工されていないフィラメント(ブラシ毛)を表すものとする。また、表1において、毛抜けがなく、「×」が30%未満の場合を「可」と評価し、毛抜けがあるか、「×」が30%以上の場合を「不可」と評価した。表2において、「×」が30%未満の場合を「可」と評価し、「×」が30%以上の場合を「不可」と評価した。
Figure 0006008154
Figure 0006008154
表1、表2から、シングルタフトブラシは、フィラメントの直径D2が0.15mm以下であれば、先丸加工により良好な先丸形状、あるいはやや加工は強いが十分に実用に耐え得る先丸形状に加工できる。ただし、フィラメントの直径D2が0.070mmの場合には、20人の検査員が3分間のブラッシングを行ったときに、5人の検査員のシングルタフトブラシにおいて毛抜けが発生したことから、フィラメントの直径D2は、0.076mm以上で、0.15mm以下に設定することが好ましい。
一方、歯ブラシは、フィラメントの直径D2を0.15mm以上に設定しないと、良好な先丸形状が得られないことが分かる。この現象は、歯ブラシの植毛孔の直径が、シングルタフトブラシの植毛孔9の直径D1の1/2以下であることにより、フィラメントの直径が小さいと、先丸加工時に毛先が逃げて、先端部に十分な加工がなされないが、シングルタフトブラシでは、植毛孔9の直径D1が大きい、即ち毛束6の直径が大きいので、フィラメントの直径D2が小さい場合でも、毛先の逃げが防止され、円滑に先丸加工できることによるものと推定できる。
(植毛孔の直径に関する試験)
次に、シングルタフトブラシにおける植毛孔の好適な直径D1を設定するために行った試験について説明する。
直径D1の異なる植毛孔を備えた複数種類のシングルタフトブラシを製作した。具体的には、植毛孔の直径D1が2.2mm、2.8mm、3.1mm、3.5mm、4.0mm、4.1mm、5.0mmの7種類のハンドル5を製作した。
そして、直径D2が0.10mmのポリブチレンテレフタレートからなるフィラメントを植設し、植毛孔から露出する最大毛丈が7.5mmで、側面視における円錐の頂角が53°になるように、毛束の先端部を円錐状に毛切りしてから、前記製造方法の先丸加工における具体例と同じ条件で先丸加工を施して、7種類のシングルタフトブラシを製作した。そして、フィラメントの先端部の形状を、前記シングルタフトブラシのフィラメントの直径に関する試験と同様の方法で評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006008154
表3に示すように、植毛孔の直径D1は、2.8mm以下になると、毛束が撓みやすくなって、毛先が逃げてしまい、未処理の毛先が増えるので、3.1mm以上に設定することが好ましいことが分かる。また、5.0mm以上になると、毛腰が強くなりすぎるため、嗜好性が悪くなるだけでなく、毛先加工時にフィラメント先端部により強い力が作用して、加工後の先端形状が円形でなく先鋭形に近づくため、4.1mm以下に設定することが好ましい。
(毛束の毛丈に関する試験)
次に、シングルタフトブラシにおける毛束の好適な毛丈の最大値Hを設定するために行った試験について説明する。
ハンドルとして、直径D1が4.0mmの植毛孔を形成したハンドルを製作した。また、フィラメントとして直径D2が0.10mmのポリブチレンテレフタレートからなるフィラメントを製作し、これを植毛孔に植設した。
そして、植毛孔から露出する毛束における毛丈の最大値Hが5mm、7.5mm、8.5mm、9.5mm、10.5mm、13mmとなり、側面視における円錐の頂角が53°になるように毛切りし、前記製造方法の先丸加工における具体例と同じ条件で先丸加工を施して、6種類のシングルタフトブラシを製作した。そして、フィラメントの先端部の形状を、前記シングルタフトブラシのフィラメントの直径に関する試験と同様の方法で評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0006008154
表4から、毛丈の最大値Hは、5mmの場合には毛先加工時にフィラメント先端部により強い力が作用して、フィラメント先端が先鋭形状になり、13mmの場合には未処理のフィラメントが増えるので、7.5mm以上、10.5mm以下に設定することが好ましいことが分かる。
次に、使用感に関する評価試験について説明する。
シングルタフトブラシとして、直径D1が4.0mmの植毛孔を有するハンドルを製作し、該植毛孔に直径D2が0.1mmのフィラメントを植設し、毛束における毛丈の最大値が7.5mmになるとともに、側面視における頂角が53°になるように毛束の先端部を毛切りしてから、前記製造方法の先丸加工における具体例と同じ条件で先丸加工を施してなるシングルタフトブラシと、先丸加工を施していないシングルタフトブラシを製作した。
そして、先丸加工を施したシングルタフトブラシと、先丸加工を施していないシングルタフトブラシについて、30人の検査員により、歯茎への痛みと、磨いたときの毛の硬さを5段階評価でそれぞれ判定した。その結果を図9、図10に示す。
図9から、先丸加工を施したシングルタフトブラシは、先丸加工を施していないシングルタフトブラシと比較して、歯茎の痛みが大幅に軽減されていることが分かる。
また、図10から、磨いたときの毛の硬さも、先丸加工を施しているシングルタフトブラシの方が、先丸加工を施していないシングルタフトブラシよりも全体的に柔らかく、為害性が少なくなっていることが分かる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
1 シングルタフトブラシ 2 ハンドル部
3 首部 4 毛束保持部
5 ハンドル 6 毛束
6a フィラメント 7 平線
8 ブラシ部 9 植毛孔
10 凹部 11 刃物
12 切削ヘッド 13 モータ
14 切削装置
20 加工装置 21 砥石
21a 研磨面 22 自転用駆動手段
23 公転用駆動手段
20A 加工装置
20B 加工装置 21B 砥石
30 毛束 31 植毛孔
32 植毛台

Claims (6)

  1. ハンドル部の先端部に設けた1つの植毛孔に、複数本のフィラメントを束ねてなる1つの毛束を植設してなるシングルタフトブラシの製造方法であって、
    直径が0.076〜0.15mmのフィラメントからなる毛束を植毛孔に対して植設固定し、
    次に、前記毛束の先端部を円錐状に毛切りし、
    次に、砥石の中心線を中心として該砥石を回転させるとともに、毛束の中心線を中心に該砥石を公転させながら、前記フィラメントの先端部に前記砥石を当接させて、前記フィラメントの先端部を研磨により先丸加工する
    ことを特徴とするシングルタフトブラシの製造方法。
  2. 前記植毛孔の直径を3.1〜4.1mmに設定した請求項記載のシングルタフトブラシの製造方法。
  3. 前記植毛孔から露出する毛束の毛丈の最大値を7.5〜10.5mmに設定した請求項又は記載のシングルタフトブラシの製造方法。
  4. 前記毛束の側面視における毛束先端の円錐の頂角を20〜65°に設定した請求項のいずれか1項記載のシングルタフトブラシの製造方法。
  5. 前記先丸加工において、前記砥石の研磨面を毛束の円錐面に略平行に接触させて押し当てながら、前記フィラメントの先端部が半球状になるように先丸加工を施す請求項1〜4のいずれか1項記載のシングルタフトブラシの製造方法。
  6. 前記先丸加工において、前記砥石の研磨面がフィラメントの先端部に接触してから、前記砥石を更に下側へ3.5mm下降させて、前記研磨面をフィラメントの先端部に押し当てて、先丸加工を行う請求項1〜5のいずれか1項記載のシングルタフトブラシの製造方法。
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