JP6007511B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に係り、特に交流電動機をインバータで駆動する場合において、キャリア周波数とインバータの一次周波数が比較的近い場合に好適な電力変換装置に関する。
近時、インバータを用いて交流電動機を可変速制御する電力変換装置が広く用いられている。このインバータには、高圧の半導体素子を用いるためにスイッチング周波数が限られている電力変換装置(インバータ)や、一次周波数が比較的高い周波数になるものがある。この種のインバータは、出力交流電圧の一次周波数とキャリア周波数が近くなることがある。この場合、例えば一次周波数とキャリア周波数の差が10倍程度以下になると低次の高調波電流が無視できなくなる。このようなときでも、電流制御や検出した電流に基づいて電動機の速度推定をしなければならないことがある。この場合、検出した高調波電流に電流制御や速度推定の調節器が反応してしまい、調節器の出力にリプルが重畳するという問題が発生する。そこで過去に検出された電流を平均化して用い、制御器に入力して高調波を低減する方法が考えられる。しかしながらこの方法は、制御周期が比較的長いため、制御遅れを無視することができず、またゲインをあげることができないなどの新たな問題を招来する。
その一方で、インバータの交流電圧の一次周波数に比べてキャリア周波数が十分高い場合であっても、検出電流に重畳する電流リプルが問題になることがある。この種の問題を解決するべく制御遅れを回避しながら、移動平均による平均化によって電流リプルを低減する技術が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。この非特許文献1には、移動平均による遅れを低減するため、固定座標系上における三相電流に対して、予測されたゲートパルスおよび誘起電圧を用いて未来のサンプリング電流を予測し、PWM割り込み時点での電流検出値として用いる技術が開示されている。
また回転dq軸上の誘導電動機のモデルを用いて電圧指令値、誘起電圧から電流の予測値を求め、制御遅れを回避してモータ電流を指令値どおりに制御する技術も知られている(例えば、非特許文献2,3を参照)。
これら非特許文献2,3に記載される技術は、短い制御区間で電流が時間に対して直線的(一次の近似)で予測できる領域では十分に適用可能である。また、PWM割り込みと同期したある時刻の電流を推定しているが、これもキャリア周波数が高ければPWM割り込み時点で検出した電流とモータの一次周波数と同期した基本波成分の電流成分はほぼ一致するので問題ないと考えられる。
漆畑正太他1名、「予測を用いた電流検出の遅れの補償法」、電気学会研究会資料、SPC-08-170(IEA-08-30)、pp1〜pp5、2008年11月 Sheng-MingYang他1名、「A Deadbeat Current Controller for Field Oriented Induction Motor Drives」IEEE Transon Power Electron、vol.17、No5、pp773-778、2002年 古谷真一他1名、「ACモータの高速運転に適した電流制御系の提案」電学論D、Vol.128、No12、pp1396-pp402、2008年
上述した非特許文献1に記載の方法では、固定座標系においてPWM割り込み付近の電流を平均化している。このためこの方法は、キャリア周波数が低い場合、電動機の一次周波数と同期した基本波成分の電流を正確に検出できないという問題がある。
また、非特許文献2,3に記載される技術は、キャリア周波数が低い場合、一次の近似では電流を正確に予測することができない。また、これらの技術では、PWM割り込み時点で検出した電流と電動機の一次周波数と同期した基本波成分との間で乖離が見られるという問題がある。
そこで本発明の電力変換装置は、上述した課題を解決するべくなされたもので、その目的とするところは、キャリア周波数が低い場合であっても電流の高調波が外乱として電流制御系や速度推定系に悪影響を及ぼすことを回避でき、かつ、制御遅れの影響も低減することができる電力変換装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため本発明の電力変換装置は、入力された三相交流を直流に変換した後、インバータによって可変電圧可変周波数の三相交流を生成して電動機に与えるものである。即ち本発明の電力変換装置は、前記電動機に流れる三相交流の電流値を検出する電流検出手段と前記電流検出手段により検出された三相交流の電流値を電動機に与える三相交流を電流値および電流値に変換する三相二相座標変換手段と、軸電流指令値とq軸電流指令値とを生成する電流指令値生成手段とを具備している。
そして本発明の電力変換装置は、前記インバータにおけるPWM変調を行うキャリア信号の周期を制御周期とし、前記d軸電流値を用いて過去の制御周期におけるd軸電流の平均値を算出する検出電流平均化手段と、前記キャリア信号の開始時点で流れている電流の影響で流れる電流の積算値から求めた平均値と、前記電動機の二次磁束による誘起電圧の影響で流れる電流の積算値から求めた平均値と、前記電動機に与えられる三相のパルスのうち1相だけがオンになる期間に流れる電流の積算値から求めた平均値と、前記電動機に与えられる三相のパルスのうち2相だけがオンになる期間に流れる電流の積算値から求めた平均値と、を加算することにより1制御周期先のd軸電流の平均値を予測する平均電流予測と、過去2制御周期分のd軸電流の平均値と、1制御周期先と過去1制御周期のd軸電流の平均値とを前記d軸電流指令値と比較し、前記d軸電流指令値に近い方の値を電流補償値とする電流指令値補償手段と、前記q軸電流が前記q軸電流指令値と一致し、前記電流補償値が前記d軸電流指令値と一致するように、q軸電圧指令値およびd軸電圧指令値を生成する電流制御手段と、前記d軸電圧指令値と前記q軸電圧指令値を座標変換して前記インバータに与える電圧指令値を求める二相三相座標変換手段と、を備えることを特徴としている。
また本発明の電力変換装置は、前記q軸電流値と、前記電流補償値とに基づいて前記電動機の速度を推定することを特徴とする。
上述した本発明の電力変換装置によれば、キャリア周波数が低いときでも、過去の検出電流の平均値と未来の制御周期の電流平均値を用いて電流補償値を作成するため、制御遅れの影響を回避しつつ、電流制御および速度制御系に外乱となる高調波電流の入力を低減することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の第一の実施形態の誘導電動機の制御装置の構成を示す図。 キャリア信号発生手段が生成するキャリア信号と制御周期の関係を説明した図。 dq軸とMT軸の関係について説明した図。 検出電流平均化手段が電流をサンプリングする様子を説明した図。 検出電流平均化手段の構成を示す図。 平均電流予測手段の構成を示す図。 時間関係を説明した図。 電流積算手段の構成を示す図。 d軸電流の波形(模式図)と制御区間ごとのd軸電流の平均値を時系列的に示した図。 d軸電流の波形と過去2制御周期分の平均値、および過去1制御周期+1制御周期先の予測平均値を時系列的に示した図。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態における電力変換装置の構成を示すものである。詳細は後述するがこの図に示すように本発明の電力変換装置は、インバータ20、直流電圧検出手段30、電流検出手段40、キャリア信号発生手段60、電流指令値作成手段70、磁束推定手段80、すべり周波数作成手段90、電流制御手段100、二相三相座標変換手段110、速度推定器120、積分器130、三相二相座標変換手段140、dq軸電圧軸座標変換手段150、電圧軸dq軸座標変換手段160、電流指令値補償手段170、検出電流平均化手段180、平均電流予測手段200を備える。そして、この電力変換装置は、直流電源10の電力を受けて誘導電動機50を駆動する。なお、この直流電源10に代えて、例えば商用交流から交流電力を受けて、直流電力に変換してもかまわない。
さて、直流電源10は、インバータ20に直流電圧を供給する。直流電圧検出手段30は、二相三相座標変換手段110と平均電流予測手段200に検出した直流電圧の検出値を与える。
インバータ20は、二相三相座標変換手段110からのインバータの電圧指令値に基づいて、キャリア信号発生手段60から得られたキャリア信号との三角波比較を行い、直流電圧をスイッチングすることで、誘導電動機50にPWM変調された三相の交流電圧を供給する。また、電流検出手段40は、誘導電動機50に流れる三相電流を検出し、三相二相座標変換手段140にその電流検出値を与える。
積分器130は、速度推定器120とすべり周波数作成手段90の出力の和である一次周波数を積分して、角度θを出力する。なお、本実施例では、制御周期の開始時点だけではなく、制御周期中においても逐次積分動作を行っている。
キャリア信号発生手段60は、PWM変調を行うインバータ20で用いるキャリア信号を生成する。本実施例におけるキャリア信号の周波数は、一次周波数の整数倍の値に設定されているものとする。具体的には、図2にキャリア信号の波形と本発明の電力変換装置における制御周期Tの関係の一例を示す。
三相二相座標変換手段140は、積分器130から与えられた角度θを用いて、検出された三相の電流をdq軸上の値へ変換する。なお、本実施例では、制御周期の開始時点だけではなく、制御周期中においても逐次変換を行っている。
電流指令値作成手段70は、誘導電動機50の仕様に基づく所定のd軸電流指令値i と、発生トルクの大きさに応じてq軸電流指令値i を作成する。
磁束推定手段80は、d軸電流から誘導電動機50のd軸磁束を推定する。すべり周波数作成手段90では、推定されたd軸磁束と、q軸電流指令値i からすべり周波数ωseを求める。なお、d軸磁束の推定と、すべり周波数の作成方法は、よく知られているのでその説明を省略する(例えば、参考文献として杉本・小山・玉井「ACサーボシステムの理論と設計の実際」、総合電子出版社、1990、p.121、p.102などを参照)。
電流制御手段100は、電流指令値作成手段70からのq軸電流指令値i と軸電流指令値i および検出されたq軸電流iと、後述する電流指令値補償手段170の出力である電流補償値i'を用いて、q軸電流i、電流補償値i'が、それぞれq軸電流指令値i と軸電流指令値i に一致するようにd軸電圧指令値v およびq軸電圧指令値v を調節する。具体的には、電流の偏差をPI調節器を用いて制御する。また、dq軸のq軸と、電圧指令値のベクトルの間の角度δを数1に示すように計算する。
これを負荷角δとして出力する。また、この負荷角δをdq軸電圧軸座標変換手段150と、電圧軸dq軸座標変換手段160に与える。
速度推定器は、数2の式に示されるように電圧指令値と電流値を用いて速度を推定する。また、電流指令値補償手段170の電流補償値i'をd軸電流として入力している。
ここに、Φqd:誘導電動機の推定q軸磁束および推定d軸磁束、R,R:誘導電動機の等価回路における一次抵抗および二次抵抗(一次換算値)、L,L:同等価回路における一次インダクタンスおよび二次インダクタンス(一次換算値)、σ:漏れ係数、ω:一次周波数、ωrest:速度推定値、Kωc:速度推定器の制御応答を決めるゲインである。
二相三相座標変換手段110は、dq軸の電圧指令値を固定座標系の三相の電圧指令値に変換する。この二相三相座標変換手段110は、直流電圧検出手段30から入力された直流電圧の検出値を用いて三相の電圧指令値を除算し、インバータ20に与える三相電圧指令値に変換する。また、二相三相座標変換手段110は、インバータ20の電圧指令値に現在の制御周期の時間を掛けることで、三相のパルスがスイッチングを行うスイッチング時刻t,t,tを算出する。
dq軸電圧軸座標変換手段150は、電流制御手段100が出力する負荷角δを入力とし、dq軸のそれぞれの電流i,iを電圧指令値のベクトルの方向をT軸、それと直交する方向をM軸とするMT軸へ変換する回転座標変換を行い、MT軸の電流i、iを出力する。なお、図3には、dq軸とMT軸との二つの座標関係を示す。
また、電圧軸dq軸座標変換手段160は、MT軸からdq軸への座標変換を行い、平均電流予測手段200が出力するMT軸の平均予測電流iMp,iTpをそれぞれdq軸の平均予測電流idp,iqpに変換する。
具体的にdq軸電圧軸座標変換手段150は、数3に示される回転変換を用い、電圧軸dq軸座標変換手段160は、数3の逆回転変換を用いる。
次に検出電流平均化手段180の構成を図4に示す。検出電流平均化手段180は、三相二相座標変換手段140からの出力のd軸電流と、キャリア信号発生手段60が生成するキャリア信号を入力とし、また、タイマー181、積算・平均化手段182と記憶手段(1)183、記憶手段(2)184を備える。
検出電流平均化手段180は、図5に示すように、キャリア周期の開始から終了までの間、複数回検出を行い、キャリア周期の開始〜終了までの積算値を求める。
このような動作をするため、タイマー181は、キャリア周期に比べて十分に短い周期の信号を積算・平均化手段182に送る。d軸電流は高調波を含んでいるため、周期は4倍以上に設定する。積算・平均化手段182は、キャリア信号の開始点でないときには、タイマー181からの信号を受けると、新しいd軸電流を、これまで積算した値に加算する。
また、積算・平均化手段182は、キャリア信号の開始点(終了点)となった時点では、これまで積算された信号を積算回数で除算して平均値を求め、記憶手段(1)183の内容を記憶手段(2)184に保存してから記憶手段(1)183に平均値を記憶する。
したがって、記憶手段(1)183には、前回のキャリア周期の開始点〜終了時点までの1周期分の平均値が格納される。さらに、記憶手段(2)184では、前々回のキャリア周期から前回のキャリア周期までの平均値が格納されている。記憶手段(1)183に格納されている値を、平均d軸電流1idave1、記憶手段(2)184に格納されている値を平均d軸電流2idave2として、出力する。
次に、平均電流予測手段200について説明する。図6にその構成を示す。平均電流予測手段200は、パラメータ行列演算手段(1)201、パラメータ行列演算手段(2)202、MT軸誘起電圧演算手段205、電流積算手段(1)203、電流積算手段(2)204、電流積算手段(3-1)220、電流積算手段(3-2)230、とパルス幅演算手段206、加算手段250を備えている。
パラメータ行列演算手段(1) 201は、数4に示すように、誘導電動機50のパラメータ行列を演算する。
パラメータ行列演算手段(2)202は、数5に示すように、行列Aの行列指数関数を演算する。なお、Tは1制御周期としている。
電流積算手段(1)203は、MT軸のそれぞれの電流i,iを入力とし、数6に示す演算を行い、MT軸の電流i,iの影響で発生する電流予測値の平均値iMaveis,iTaveisを求め、加算手段250に与える。なお、MT軸の電流i,iは、キャリア信号の山谷のピークの時点でサンプリングされた値を用いる。
MT軸誘起電圧演算手段205は、一次周波数とd軸磁束推定値Φdと負荷角δを入力とし、誘起電圧を数7のように演算して求め、電流積算手段(2)204へ与える。
また、電流積算手段(2)204は数8に示すように、MT軸における誘起電圧の影響で発生する電流予測値の平均値iMaveφ、iTaveφを演算し、加算手段250に与える。
パルス幅演算手段206は、三相のパルス電圧がスイッチングする時間t,t,tを二相三相座標変換手段110から得ている。
ところで、上述した参考文献に示されるように三相電圧型インバータは、7種類の電圧ベクトルを出力することができる。この参考文献には、1制御周期の中では電圧指令値の電圧位相角に近い2つの電圧ベクトルが選択されて電圧指令値の大きさと位相から2種類の電圧ベクトルの出力時間幅が決まることが述べられている。
三角波比較または空間ベクトル変調を行うインバータでは、1制御区間内では全部の相がオンまたはオフの期間となるゼロ電圧ベクトルが出力されている期間と、三相のうちいずれか一相だけがオンしている期間と、三相のうちいずれか二相がオンしている期間が存在する。
本実施例では、説明のために三相のパルスのうち1相だけがオンになる期間を第一の電圧ベクトルが出力されている期間とし、2相がオンになっている期間を第二の電圧ベクトルが出力されている期間と定義する。
パルス幅演算手段206は、スイッチング時間t,t,tに基づいて、第一の電圧ベクトルの期間幅tp1と、第一の電圧ベクトルの期間が終了してから制御周期が終わるまでの時間tq1、第二の電圧ベクトルの期間幅tp2と、第二の電圧ベクトルの期間が終了してから制御周期が終わるまでの時間tq2をそれぞれ演算する。図7にこれらスイッチング時間t,t,tと各電圧ベクトルの期間幅tp1,tq1,tp2,tq2との関係を示す。
パルス幅演算手段206は、これらの時間および期間幅tp1〜tq2を、電流積算手段(3-1)220、電流積算手段(3-2)230に与える。
次に電流積算手段(3-1)220の説明を行う。図8にその構成図を示す。
電流積算手段(3-1)220は、パラメータ行列演算手段(3)221、パラメータ行列演算手段(4)222、パラメータ行列演算手段(5)223、パラメータ行列演算手段(6)224および電流積算手段(3-1-1)225を備える。また、パラメータ行列演算手段(1)201の出力と、一次周波数と、パルス幅演算手段206から出力される電圧ベクトルの期間幅tp1,tq1を入力としている。
なお、電流積算手段(3-2)230は、電流積算手段(3-1)220と入力がパルス幅演算手段206から出力される電圧ベクトルの期間幅tp1,tq1から、パルス幅演算手段206の電圧ベクトルの期間幅tp2,tq2となっているだけであり、同様の動作をする。したがって、以下の説明では、電流積算手段(3-2)230も共通の動作を行うため、電圧ベクトルの期間幅tp1,tq1をそれぞれ変数t、tで読み替えて説明を行う。
パラメータ行列演算手段(3)221は、数9のように演算を行い、行列Fを電流積算手段(3-1-1)225に与える。
パラメータ行列演算手段(4)222は、数10に示される演算を行い、行列Gを電流積算手段(3-1-1)225に与える。
パラメータ行列演算手段(5)223は、数11に示される演算を行い、行列eCtpを電流積算手段(3-1-1)225に与える。
パラメータ行列演算手段(6)224は、パルス幅演算手段の出力tを入力とし、数12に示される演算を行う。
また、電流積算手段(3-1-1)225は、パラメータ行列演算手段(3)221〜パラメータ行列演算手段(6)224から出力される値(F,G,eCtp,eAtq)を用いて、数13に示すように第一の電圧ベクトルの影響で流れる電流予測値の平均値iMavevs1,iTavevs1をそれぞれ演算する。
ここに、Edc:インバータの直流電圧に対応する値、φ:MT軸座標系からみたインバータ電圧との位相角である。
なお、電流積算手段(3-2)230は、同様に第二の電圧ベクトルの影響で流れる電流予測値の平均値iMavevs2,iTavevs2を演算する。
以上をまとめると、平均電流予測手段200において電流積算手段(1)203は、キャリアの開始時点で流れている電流の影響で流れる電流の積算値から平均値を求めている。
電流積算手段(2)204は、二次磁束による誘起電圧の影響で流れる電流の積算値から平均値を求めている。
電流積算手段(3-1)220は、第一の電圧ベクトルの影響で流れる電流の積算値から平均値を求めている。
電流積算手段(3-2)230は、第一の電圧ベクトルの影響で流れる電流の積算値から平均値を求めている。
このようにして各電流が流れる要因ごとの平均電流iMaveis,iTaveis,iMaveφ,iTaveφ,iMvs1,iTvs1,iMvs2,iTvs2を加算手段250で加算することにより、1制御周期先までの電流の平均値iMp、iTpを求める。
次に平均電流予測手段200が平均電流を求める演算に関して説明をする。
電圧ベクトルと同じ方向をT軸としたMT軸の座標系において誘導電動機の電流の状態方程式は数14のように表すことができる。ただし、この式において周期は二次磁束が変化する時定数に比べ十分に短いため、二次磁束が一定値であると仮定している。
ただし、v(t),v(t):インバータ電圧をMT軸上に座標変換した値の瞬時値である。
数15は、数14の解であり、制御期間の始まりをt=0とした場合、t=ε経過したときの電流i,iの値である。
ここに、τ:τ=0〜τ=εまでの積分に用いられる変数であり、時間を表す。
したがって、制御周期が開始されてから次のキャリア信号までの時間の電流の平均値を求めるには、電流i,iの瞬時値の関数をさらに1制御周期分積分して平均化した数16に示される計算をする必要がある。
この式の中で、右辺第一項の積分結果と右辺第二項の積分結果は、前述した数6と数8に対応している。
次に数16の中でインバータ電圧瞬時値v,vが関係する二重積分を考える。ここで、三相の中で1相または2相の電圧がオンしている状態で電圧v,vは、数17に示すように表すことができる。
ここで、第一の電圧ベクトルに関して数16の右辺第三項がどの様な結果となるかを述べる。第一の電圧ベクトルが出力され始めた時刻をξ=0と置いて、時刻ξ=tのときに、この第一の電圧ベクトルによって発生する電流を考える。eATは、数5のように回転変換を含む式であることを考慮すると、数18の関係が成り立つ。ただし、ξ=t<tで、第一の電圧ベクトルが出力されている最中であるとする。
ここに、Cは行列であり数9で定義している。また、ξは第一の電圧ベクトルが出力され始めた時間を零とする時間を表す変数である。
次に、電圧ベクトルがξ=tでオフした後の状態を考える。ξ=tよりさらに時間がt経過した後では、この第一の電圧ベクトルによって発生する電流は数19に示すように表すことができる。
ここに、ζは第一の電圧ベクトルの出力が終了する時刻を例とする時間を表す変数である。そこで、第一の電圧ベクトルが出力され始めてから、制御周期Tの終了が来るまで発生する電流の積算値は、数18、数19を用いて表すことができる。
数20の積分結果を制御周期Tで割った値が、電流積算手段(3-1-1)225の出力となる数13に対応している。同様にして、第二の電圧ベクトルの影響で発生する電流の積分結果も演算することができる。したがって、電流積算手段(3-1)220、電流積算手段(3-2)230の出力結果の和によって、数16の右辺第三項も求められることになる。
次に、電流指令値補償手段170の説明をする。
電圧軸dq軸座標変換手段160は、MT軸の平均予測電流iMp,iTpを座標変換してdq軸の平均予測電流idp,iqpを出力しているが、そのうちd軸の平均予測電流idpを電流指令値補償手段170に入力する。電流指令値補償手段170は、検出電流平均化手段180が出力している平均d軸電流1idave1、平均d軸電流2idave2、電圧軸dq軸座標変換手段が出力した1制御周期先の平均電流idpおよびd軸電流指令値i を入力としている。電流指令値補償手段170は、補償用電流1id1'、補償用電流2id2'を数21のように演算する。
この補償用電流id1'は、過去2制御周期分の電流平均値、補償用電流id2'は、1制御周期先と過去1制御周期の電流平均値である。電流指令値補償手段170は、電流指令値i と比較を行い、差が少ない方の値を、電流補償値i'として、電流制御手段100と速度推定器120に入力する。
図9には、交流1周期あたり12パルスの場合のd軸電流の波形(模式図)と、制御区間ごとのd軸電流の平均値を時系列的に示している。
この図に示すようにd軸電流は、制御割り込み付近では電流指令値に近い値をとるが、高調波が含まれており、制御区間ごとに見た場合に、平均値は電流指令値と一致していない。
一方、図10にはd軸電流の波形と過去2制御周期分の平均値と過去1制御周期+1制御周期先の予測平均値を時系列的に示しており、平均値が演算されて、制御演算で使用される時点での値を点で示している。
この二つの平均値は、電圧位相角によって異なる周期性が含まれている。そこで、電流指令値補償手段170によって、これら2つのうち電流指令値に近い値を補償した電流値id'として電流制御手段100および速度推定器120に与える。
この電流の検出遅れは、平均で制御周期0.5周期分であるが、制御区間ごとの平均電流を用いた場合に比べ、高調波分が打ち消されて、指令値に近い値となっている。このため、PI制御器への影響が少ない。
なお、本実施例は、誘導電動機を駆動する制御装置に関して述べているが、数14と同様な形で電流に関する状態方程式が成り立つ表面磁石形永久磁石同期電動機を用いても同様な制御を行うことができる。
10 直流電源
20 インバータ
30 直流電圧検出手段
40 電流検出手段
50 誘導電動機
60 キャリア信号発生手段
70 電流指令値作成手段
80 磁束推定手段
90 周波数作成手段
100 電流制御手段
110 二相三相座標変換手段
120 速度推定器
130 積分器
140 三相二相座標変換手段
150 軸電圧軸座標変換手段
160 軸座標変換手段
170 電流指令値補償手段
180 検出電流平均化手段
200 平均電流予測手段

Claims (2)

  1. 入力された三相交流を直流に変換した後、インバータによって可変電圧可変周波数の三相交流を生成して電動機に与える電力変換装置であって、
    前記電動機に流れる三相交流の電流値を検出する電流検出手段と
    前記電流検出手段により検出された三相交流の電流値をd電流値および電流値に変換する三相二相座標変換手段と、
    d軸電流指令値とq軸電流指令値とを生成する電流指令値生成手段と
    前記インバータにおけるPWM変調を行うためのキャリア信号の半周期を制御周期とし、前記d軸電流値を用いて過去の制御周期におけるd軸電流の平均値を算出する検出電流平均化手段と、
    前記キャリア信号の開始時点で流れている電流の影響で流れる電流の積算値から求めた平均値と、前記電動機の二次磁束による誘起電圧の影響で流れる電流の積算値から求めた平均値と、前記電動機に与えられる三相のパルスのうち1相だけがオンになる期間に流れる電流の積算値から求めた平均値と、前記電動機に与えられる三相のパルスのうち2相だけがオンになる期間に流れる電流の積算値から求めた平均値と、を加算することにより1制御周期先のd軸電流の平均値を予測する平均電流予測と、
    過去2制御周期分のd軸電流の平均値と、1制御周期先と過去1制御周期のd軸電流の平均値とを前記d軸電流指令値と比較し、前記d軸電流指令値に近い方の値を電流補償値とする電流指令値補償手段と
    前記q軸電流が前記q軸電流指令値と一致し、前記電流補償値が前記d軸電流指令値と一致するように、q軸電圧指令値およびd軸電圧指令値を生成する電流制御手段と、
    前記d軸電圧指令値と前記q軸電圧指令値を座標変換して前記インバータに与える電圧指令値を求める二相三相座標変換手段と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項に記載の電力変換装置であって、
    前記q軸電流値と、前記電流補償値とに基づいて前記電動機の速度を推定することを特徴とする電力変換装置。
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