JP6006152B2 - クレンジング化粧料 - Google Patents
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Description
一般的にバイコンティニュアス構造は、界面活性剤、油性成分、水それぞれの配合成分が微妙にバランスさせることが必要であり、好適な配合比も広くなく、そこから外れてしまうと分離、W/O、O/W、高粘性ゲルなどになってしまう。それぞれクレンジング化粧料としては、バイコンティニュアス構造の時と比較して不満足なものである。実際に処方開発をおこなう際には初めに使用する界面活性剤、油剤、精製水で簡単な相図を作成した後、バイコンティニュアス構造が安定な範囲を想定し、配合原料による影響を考慮しながらデリケートな開発をおこなうことが多い。
更には、噴射剤と混合しエアゾールタイプのクレンジング化粧料として用いることも可能である。これらの形態をとることにより、使用するときにバイコンティニュアス構造を維持したまま、より泡質の良いクレンジング化粧料とすることができたり、透明ゲル状に噴射したものが、時間がたつと泡状に変化したり、霧状に噴射したりさまざまなエアゾール製品とすることが可能となる。
ここでいうバイコンティニュアス構造とは、水相・油相の双方が可溶化された状態である。この双方が可溶化され、水相、油相それぞれが連続相となり、光学的に等方性の透明または半透明の等方性一液相をバイコンティニュアス構造と呼ぶ。水相・油相の双方が可溶化されたバイコンティニュアス構造を有する洗浄剤組成物は、濡れ性が高く、油成分および水成分が肌になじみ、細かい部分にまで剤が行き届く。これにより、表層の汚れが除去されたところから、洗浄成分を毛穴のより深いところまで作用させることができる。この結果、高い洗浄性能とすっきりとした洗い上がりを得ることができる。
(1)揮発性シリコーン油分、
(2)1価または2価で炭素数が6以下のアルコール類、
(3)分枝脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル
(4)アルキル変性をおこなった(メタ)アクリル酸をモノマーの構成単位として含む水溶性ポリマー
(5)水、
を含有した、バイコンティニュアス構造を有することを特徴としたクレンジング化粧料である。
市販品の例としては、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH245(デカメチルシクロペンタシロキサン)、DC246(ドデカメチルシクロヘキサシロキサン)、FZ-3196、SS-3408(カプリリルメチコン)。信越化学工業株式会社製KF-96A-1cs(オクタメチルトリシロキサン)、KF-96A-1.5cs(デカメチルテトラシロキサン)、KF995(デカメチルシクロペンタシロキサン)等がある。
本発明では、上記したような揮発性のシリコーン油の1種を用いても、2種以上を用いてもよい。
本発明のクレンジング化粧料における1価または2価で炭素数が6以下のアルコール類の配合量は1〜20質量%であり、好ましくは5〜15質量%である。配合量が1質量%未満では粘度が低くなり、洗浄後の保湿性が低くなる。20質量%を越えると組成物の安定性が悪くなる傾向がある。
もっとも、前記モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルに限らず、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル等も用いることが出来ることは言うまでもない。市販品としては、ノイゲン GIS−320(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
TR−1、PEMULEN TR−2、カーボポールETD2020(Lubrizol社製)等があげられる。
成分(4)のアルキル変性をおこなった(メタ)アクリル酸をモノマーの構成単位として含む水溶性ポリマーは、全組成中に純分として0.01〜1質量%を配合し適度な粘度に調整することができる。その時アルカリ剤を用いて(メタ)アクリル酸の単位の全部または一部を中和することが好ましい。中和するアルカリ剤としては通常化粧料に配合可能なアルカリ剤であれば特に限定はされず、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アミノメチルプロパノール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、炭酸グアニジン等を使用することができる。アルカリ剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができ、系のpHを5〜9、特に6〜7に調整するのが好ましい。
しかも、耐塩性に乏しいという性質から、製品の状態では充分な粘度を維持しているが、使用時には粘度が低下することでメーキャップなどの油性の汚れとの混合がスムーズになる、かつ洗い流すときに肌への張り付きが少なく洗い流しやすいといったメリットを有する。
配合可能な成分としては、例えば、保湿剤、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、天然水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成水溶性高分子、増粘剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖類、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、消炎剤、美白剤、各種抽出物、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤等が挙げられる。
下記の実施例1〜15(表1)及び比較例1〜6(表2)に記載した組成のクレンジング化粧料を常法にて調製し、外観および油溶性色素の浸潤、水溶性色素の浸潤からバイコンティニュアス構造か、ゲルか、O/W乳化かを判定した。その後、粘度、各クレンジング化粧料の塗布しやすさ、メーククレンジング力、洗い流しやすさ、pH、安定性について評価した。評価結果を表1〜2に併せて示す。
<外観濁度試験>
厚さ1cmの石英セルに入れて目視で判定をおこなった。石英セルの反対側に5mm幅の白黒で縞模様の紙を置き、どの程度判別できるかで判定をおこなった。
透明:石英セルをとおしてはっきりと白黒の縞が判別できる。
白濁:白黒の縞がまったく判別できない。
半透明:縞模様がある程度確認できるもの。
油溶性色素として用いたテトラクロルテトラブロムフルオレセイン0.1gを、オクチルドデカノール99.9gに溶解させた液体を用意し、染色液とした。プラスチック板上に試料を100円玉程度の円状に広げたところに、染色液を滴下し、浸潤が見られるかを確認した。
水溶性色素としてはブリリアントブルーFCFを用いて0.1%水溶液を作製し、上記と同様に確認をおこなった。
バイコンティニュアス構造の確認は、外観濁度試験による透明性の確認と水性及び油性色素の分散試験の両方の結果で確認した。
バイコンティニュアス構造かどうかの判定は、外観が透明または半透明で油溶性色素、水溶性色素どちらも浸潤が見られた場合にはBC(バイコンティニュアス構造)、外観が白濁していて油溶性色素、水溶性色素どちらも浸潤が見られた場合にはG(ゲル)、外観が白濁で油溶性色素の浸潤がみられず、水溶性色素のみ浸潤が見られた場合O/W(O/W乳化)と判定をおこなった。
各実施例及び比較例のクレンジング化粧料の粘度について、ブルックフィールド型粘度計を用いて測定したときの粘度値を記入した。
顔面に塗布した時にたれ落ちないかを確認した。
メーキャップを落とすときに塗布した後、塗り広げてメーキャップになじませるが、この時30秒以内にメーキャップと混ざって、なじむものを○、30秒ではなじまなかったものを×と表記した。
各実施例及び比較例のメーククレンジング力について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。落とす対象のメーキャップとしては、落ちにくいと表記されている市販のリキッドファンデーションを用いた。評価基準は以下の通りであり、この評価点を平均化した。
5点:十分落ちている。
4点:ぼぼ落ちている。
3点:普通。
2点:やや落ちていない
1点:落ちていない
各実施例及び比較例のクレンジング化粧料を用いてメーキャップを洗浄し、水ですすいだ後のさっぱり感について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りであり、この評価点を平均化した。
5点:すぐにさっぱり感が得られる
4点:やや早くさっぱり感が得られる
3点:普通
2点:さっぱり感を得るのにやや時間がかかる
1点:さっぱり感が得られない
pHメーターを用いて測定をおこなった。
50℃で1ヵ月保管し性状に変化のないものを安定と判断した。
比較例5及び6の場合、比較例5では、3価のアルコールであるグリセリンを用いている。比較例6では、油剤を含まず界面活性剤と多価アルコール、水の3成分系のゲルになっている。これら比較例5,6の組成物は、クレンジング力が高く、洗い流しも良好なものであった。しかし透明なバイコンティニュアス構造である実施例では、汚れがなじんで肌から汚れが浮いて行く様子が良くわかるものであったが、比較例は白濁しているためその様子はわかりにくかった。実際に使用したとき実施例と比較して満足度が低かった。
以下の組成でポンプ容器用のメーキャップクレンジング化粧料を調製した。
成分 配合量(質量%)
水 残部
イソドデカン 2%
デカメチルシクロペンタシロキサン 7%
ジプロピレングリコール 5%
1,3−ブチレングリコール 7%
モノイソステアリン酸PEG8グリセリル 20%
アミノメチルプロパノール 0.05%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.14%
メリッサエキス 0.1%
ユキノシタエキス 0.1%
ローズマリーエキス 0.1%
L−セリン 0.05%
フェノキシエタノール 0,2%
エデト酸2Na 0.005%
d−δトコフェロール 0.05%
(製法) イオン交換水中に、上記各種成分を室温で混合してクレンジング化粧料を得た。
上記実施例16のクレンジング化粧料はメーククレンジング力に優れ、すすぎ後にさっぱりした感触を与え、安定性に優れ、手からのたれ落ちがなく、優れた使用感触を有していた。また、ポンプの口部からのタレがなく容器の汚れが気にならなかった。しかもコットンにとる際に勢い良くポンプを押してもハネがなく良好な使用性であった。
以下の組成でポンプ容器用のスクラブ入りで角栓除去効果を高めたクレンジング化粧料を調製した。
成分 配合量(質量%)
水 残部
イソドデカン 3%
デカメチルテトラシロキサン 10%
ジプロピレングリコール 5%
エタノール 7%
モノイソステアリン酸PEG8グリセリル 30%
アミノメチルプロパノール 0.05%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.11%
結晶セルロース 3%
メリッサエキス 0.1%
ローズマリーエキス 0.1%
エチルパラベン 0.2%
エデト酸2Na 0.005%
d−δトコフェロール 0.05%
(製法) イオン交換水中に、上記各種成分を室温で混合してクレンジング化粧料を得た。
上記実施例17のクレンジング化粧料はメーククレンジング力に優れ、すすぎ後にさっぱりした感触を与え、安定性に優れ、手からのたれ落ちがなく、優れた使用感触を有していた。また、角栓除去効果が高いため使用後のスベスベ感が高くなめらかな洗い上がりであった。しかもポンプの口部からのタレがなく容器の汚れが気にならなかった。
以下の組成でチューブ容器用クレンジング化粧料を得た。
成分 配合量(質量%)
水 残部
エチルヘキサン酸セチル 5%
ローズヒップ油 0.1%
デカメチルシクロペンタシロキサン 8%
ジプロピレングリコール 10%
1,3−ブチレングリコール 7%
モノイソステアリン酸PEG8グリセリル 30%
水酸化カリウム 0.05%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.25%
メリッサエキス 0.1%
ローズマリーエキス 0.1%
エデト酸2Na 0.005%
メチルパラベン 0.2%
d−δトコフェロール 0.05%
(製法) イオン交換水中に、上記各種成分を室温で混合してクレンジング化粧料を得た。
上記実施例18のクレンジング化粧料はメーククレンジング力に優れ、すすぎ後なめらかな感触を与え、安定性に優れ、顔面に塗布したときもたれ落ちがなく、優れた使用感触を有していた。
以下の組成で頭皮の皮脂クレンジング効果を期待したプレシャンプーを調製した。
成分 配合量(質量%)
水 残部
イソドデカン 2%
デカメチルシクロペンタシロキサン 7%
ジプロピレングリコール 5%
1,3−ブチレングリコール 7%
モノイソステアリン酸PEG8グリセリル 15%
アミノメチルプロパノール 0.08%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2%
エタノール 7%
キサンタンガム 0.01%
L−メントール 0.5%
乳酸メンチル 0.3%
香料 0.1%
メチルパラベン 0.3%
海藻エキス 0.1%
エデト酸2Na 0.005%
d−δトコフェロール 0.05%
(製法) イオン交換水中に、上記各種成分を室温で混合してプレシャンプーを得た。
上記実施例19のプレシャンプーは皮脂溶解性に優れ、毛根に詰まった皮脂をきれいに取り去ることができた。しかも、すすぎ後なめらかな感触を与え、安定性に優れていた。頭部に塗布したときに速やかに頭皮になじむという特徴は、プレシャンプーに好適な組成物であった。
以下の組成でポンプ容器用のメーキャップクレンジング化粧料を調製した。
成分 配合量(質量%)
水 残部
イソドデカン 2%
デカメチルシクロペンタシロキサン 7%
ジプロピレングリコール 5%
1,3−ブチレングリコール 7%
トリイソステアリン酸PEG20グリセリル
20%
アミノメチルプロパノール 0.05%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.14%
メリッサエキス 0.1%
ユキノシタエキス 0.1%
ローズマリーエキス 0.1%
L−セリン 0.05%
フェノキシエタノール 0,2%
エデト酸2Na 0.005%
d−δトコフェロール 0.05%
(製法) イオン交換水中に、上記各種成分を室温で混合してクレンジング化粧料を得た。
上記実施例20のクレンジング化粧料はメーククレンジング力に優れ、すすぎ後にさっぱりした感触を与え、安定性に優れ、手からのたれ落ちがなく、優れた使用感触を有していた。また、ポンプの口部からのタレがなく容器の汚れが気にならなかった。しかもコットンにとる際に勢い良くポンプを押してもハネがなく良好な使用性であった。
実施例21
成分 配合量(質量%)
水 残部
イソドデカン 1%
デカメチルシクロペンタシロキサン 2%
ジプロピレングリコール 5%
1,3−ブチレングリコール 7%
トリイソステアリン酸PEG20グリセリル
3%
アミノメチルプロパノール 0.03%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1%
メリッサエキス 0.1%
ユキノシタエキス 0.1%
ローズマリーエキス 0.1%
L−セリン 0.05%
フェノキシエタノール 0.2%
(製法) イオン交換水中に、上記各種成分を室温で混合して原液を得た。原液をアルミ缶に充填した後、原液を100に対してLPGを7、DMEを3添加してムース状エアゾールとした。
本実施例の組成物は、非常になめらかな泡を形成し、手で塗布した場合にも定着性がよく、使いやすい性状であった。しかも噴射剤自体がクレンジング力を向上させるため、化粧落とし性能の高いものであった。
本クレンジング化粧料は、エアゾールタイプとして用いることも出来る。
Claims (7)
- 次の成分(1)〜(5):
(1)揮発性シリコーン油分
(2)1価または2価で炭素数が6以下のアルコール類を1〜20質量%
(3)分枝脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル
(4)アルキル変性をおこなった(メタ)アクリル酸をモノマーの構成単位として含む水溶性ポリマー
(5)水
を含有した、バイコンティニュアス構造を有することを特徴としたクレンジング化粧料。 - 次の成分(1)〜(5):
(1)揮発性シリコーン油分を1〜20質量%
(2)1価または2価で炭素数が6以下のアルコール類を1〜20質量%
(3)分枝脂肪酸ポリオキシエチレングリセリルを5〜40質量%
(4)アルキル変性をおこなった(メタ)アクリル酸をモノマーの構成単位として含む水溶性ポリマーを0.01〜1質量%
(5)水を15〜85質量%
を含有した、バイコンティニュアス構造を有することを特徴としたクレンジング化粧料。 - 成分(1)揮発性シリコーン油分が、環状ポリシロキサンからなることを特徴とする、請求項1又は2記載のクレンジング化粧料。
- 成分(2)1価または2価で炭素数が6以下のアルコール類がエタノールまたは、1.3ブチレングリコール、ジプロピレングリコールから選択される1種又2種であることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のクレンジング化粧料。
- 成分(3)分枝脂肪酸ポリオキシエチレングリセリルがイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルのモノエステル体であり、かつ1分子中の酸化エチレンの平均重合度が6〜20であることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載のクレンジング化粧料。
- 成分(4)アルキル変性をおこなった(メタ)アクリル酸をモノマーの構成単位として含む水溶性ポリマーがアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のクレンジング化粧料。
- 請求項1〜6に記載のクレンジング化粧料が、エアゾールタイプであることを特徴とするクレンジング化粧料。
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