JP6005977B2 - 化粧用シート - Google Patents

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Description

本発明は、吸液性が高く、保液性が高く、かつ、拭き取り性に優れた化粧用シートに関する。
従来、化粧品としてメイクを落とすためのクレンジングシートや、汗などを拭き取る拭き取りシート、或いはメイクを施すための化粧用シート、更には顔への美容パックを行うフェイスマスクにおいては、基材となるシート材として不織布シートが使用されている。例えば、メイク汚れや皮脂汚れの拭き取り性に優れたセルロース連続長繊維不織布からなる化粧用基材が提供されている(以下の特許文献1参照)。
また、素材にこだわらない極細繊維を使用した化粧品向け不織布も開発されており、柔軟性や拭き取り性など機能性の高い化粧品向け不織布として提供されている(以下の特許文献2、3参照)。更には、肌あたりや拭き取り感を改良するために、熱エンボス加工による凹凸感模様が施されたシートも開発されている(以下の特許文献4参照)。
しかしながら、上記の化粧用シートは、保存液性やウェット時の形態安定性においてなお改善の余地があり、また、吸液に時間を要するなど吸液速度や爽快感に問題がある。
特開2005−248365号公報 特開2008−95223号公報 特許第4775991号公報 特開2009−292750号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点を解決し、吸液性が高く、保液性が高く、かつ、拭き取り性に優れた化粧用シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、複数の不織布層を有する多層不織布を含む化粧用シートであって、該多層不織布は、セルロース系繊維を50質量%以上含む繊維径0.1〜8μmの不織布である第1の層、及びセルロース系繊維を50質量%以上含む繊維径10〜20μmの不織布である第2の層をそれぞれ1層又は2層以上有し、該第2の層が該多層不織布の少なくとも片側の表面に存在しており、かつ、JIS−L1907準拠のバイレック試験に基づく該多層不織布の吸水速度が75mm以上であることを特徴とする前記化粧用シートを得ることができ、また、前記化粧用シートは不織布であるため、柔軟性が高く、操作容易となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]複数の不織布層を有する多層不織布を含む化粧用シートであって、該多層不織布は、セルロース系繊維を80質量%以上含む繊維径0.1〜8μmの不織布である第1の層、及びセルロース系繊維を80質量%以上含む繊維径10〜20μmの不織布である第2の層をそれぞれ1層又は2層以上有し、該第2の層が該多層不織布の少なくとも片側の表面に存在しており、JIS−L1907準拠のバイレック試験に基づく該多層不織布の吸水速度が75mm以上であり、かつ、該多層不織布のウェット伸長回復率が、タテ48〜75%、ヨコ38〜65%であることを特徴とする前記化粧用シート。
[2]前記多層不織布は、厚み:25〜1000μm、目付:10〜100g/m、及び繊維密度:0.07〜0.45g/cm、を有する、前記[1]に記載の化粧用シート。
[3]前記多層不織布のウェット伸び率のタテ/ヨコ比が0.4〜1.6である、前記[1]又は[2]に記載の化粧用シート。
[4]前記セルロース系繊維は、再生セルロース連続長繊維である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧用シート。
[5]薬液を含浸されてなる、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の化粧用シート。
本発明により、吸液性が高く、保液性が高く、かつ、拭き取り性に優れた化粧用シートを提供することができる。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明の化粧用シートは、複数の不織布層を有する多層不織布を含む化粧用シートであって、該多層不織布は、セルロース系繊維を50質量%以上含む繊維径0.1〜8μmの不織布である第1の層、及びセルロース系繊維を50質量%以上含む繊維径10〜20μmの不織布である第2の層をそれぞれ1層又は2層以上有し、該第2の層が該多層不織布の少なくとも片側の表面に存在しており、かつ、JIS−L1907準拠のバイレック試験に基づく該多層不織布の吸水速度が75mm以上であることを特徴とする前記化粧用シートである。すなわち、本発明に係る化粧用シートにおいて、該多層不織布は、構成繊維の繊維径が互いに異なる第1の層と第2の層とをそれぞれ1層又は2層以上有する。
本発明で用いるセルロース系繊維とは、麻、綿、パルプ等の天然セルロース繊維、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再生セルロース繊維、リヨセル(テンセル)等の精製セルロース繊維などであるが、好ましくは繊維内の不純物が少ない再生セルロース繊維又は精製セルロース繊維であり、より好ましくは再生セルロース繊維である。また、再生セルロース繊維の減量としては、コットンリンター、パルプ等が好ましい。また、繊維の形態としては、短繊維又は長繊維のいずれであってもよいが、好ましくは長繊維、より好ましくは連続長繊維である。繊維の形態が連続長繊維の場合、脱落繊維等の不純物が出難く、化粧用シートとして機能が高い。セルロース系繊維は、特に好ましくは再生セルロース連続長繊維であることができる。
本発明においては、第1の層及び第2の層として、セルロース系繊維を50質量%以上含む不織布を用いる。すなわち、これらの層は、主としてセルロース系繊維を含む不織布である。第1の層及び第2の層はそれぞれ、セルロース系繊維からなる不織布、すなわち、セルロース系繊維の含有率が100質量%である不織布であってもよい。あるいは、他の繊維、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維などの合成繊維を含むことができる。不織布中のセルロース系繊維の含有率は、50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%である。第1の層及び第2の層において、不織布中のセルロース系繊維の含有率が50質量%未満の場合、耐溶剤性といったセルロース系繊維特有の性能が著しく低下するので化粧用シートには適さない。
本発明における繊維径とは、不織布の繊維集合体の表面を、走査型電子顕微鏡(日本電子製JSM−6380)を用いて10000倍の倍率で観察し、任意の50本を選び、1本につき任意の1箇所を選んで測定したときの、50本の数平均値(μm)を意味する。
第1の層において、不織布の繊維径は、0.1〜8μmであり、好ましくは0.5〜6μm、より好ましくは1.0〜5.5μmである。繊維径は、不織布の生産性の観点から、0.1μm以上であり、吸水速度を良好に得る観点から8μm以下である。
第2の層において、不織布の繊維径は、10〜20μmであり、好ましくは11〜18μm、より好ましくは11〜17μmである。第2の層の繊維径は、繊維の交絡点および接着点が多くなると柔軟性が劣るという観点から、10μm以上であり、吸水速度を良好に得る観点から20μm以下である。
本発明においては、好ましくは、多層不織布の片側表面に第2層が存在し、より好ましくは、両側表面に第2の層が存在する。第1の層は形態安定性に寄与し、第2の層は柔軟性に寄与し、両者の存在により、柔軟性、形状安定性、及び拭き取り性が両立する。
本発明において、吸水速度とは、JIS−L1907準拠のバイレック試験にて得られる値である。具体的には、幅25mm×長さ250mmの試験片を幅方向に10本採取し、試験片下端10mmを10分間浸漬させ、水面からの浸水高さを計測し、10本の数平均を吸水速度とする。本発明においては、多層不織布の吸水速度が75mm以上であり、好ましくは90mm以上であり、より好ましくは130mm〜250mmである。吸水速度が75mm未満の場合、吸液性、保液性又は拭き取り性が低下し化粧用シートとしての機能が低下する。吸水速度は高いほど好ましいが、形態安定性の観点から好ましくは250mm以下である。
本発明において、多層不織布の厚みとは、JIS−L1096準拠の厚み試験にて荷重を1.96kPaとして測定した際の厚みを言う。
多層不織布の厚みは、好ましくは25〜1000μmであり、より好ましくは70〜800μmであり、さらに好ましくは100〜700μmである。この厚みが1000μm以下であると、通気性が良好で、加工し易く、他方、厚みが25μm以上であると、強度、及び取り扱い性が良好であり、破れが発生し難い。
本発明において、多層不織布の目付とは、0.05m以上の面積の不織布を105℃で一定質量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置してその質量を測定したときの、不織布の1m当たりの質量(g)を言う。
多層不織布の目付は、好ましくは10〜100g/mであり、より好ましくは15〜80g/mであり、さらに好ましくは20〜60g/mである。目付が100g/m以下であると、通気性が良好で、加工し易く、他方、目付が10g/m以上であると、強度が良好で、破れが発生し難い。
本発明において、多層不織布の繊維密度とは、前述の方法で測定される多層不織布の厚みA(mm)と目付B(g/m)とから下記式:
繊維密度={B/A}/1000
で算出される値(g/cm)を言う。
本発明において、多層不織布の繊維密度は、好ましくは0.07〜0.45g/cm、より好ましくは0.08〜0.40g/cm、更に好ましくは0.08〜0.30g/cmの範囲である。繊維密度が0.07g/cm以上の場合、多層不織布としての強度が高く、また保液性も良好である。他方、繊維密度が0.45g/cm以下であると、柔軟性と吸液性が良好である。
本発明において、多層不織布のウェット伸長回復率とは、幅20cm×把握長5cmの多層不織布について、JIS−L1096準拠の定荷重法試験にて、ウェット荷重を100gf/cmとして測定したときの値を言う。ウェット荷重100gf/cmの時の伸度をC(mm)、回復過程に入り、測定開始位置(負荷=0)のときの残留歪みの長さをD(mm)としたときに下記式:
ウェット伸長回復率(%)={1−(D/C)}×100
で算出される。
ウェット伸長回復率は、タテ45%以上、ヨコ35%以上であることが好ましく、この範囲内であると形態安定性やストレッチ性に優れることから、化粧用シートとして好ましい。ウェット伸長回復率は、より好ましくはタテ48〜75%、ヨコ38〜65%である。タテ80%、ヨコ75%を超えると、強いストレッチバック性により圧迫感を感じることがある。
本発明において、多層不織布のウェット伸び率とは、20cm×20cmの多層不織布について、KES引張試験機にて、ウェット定加重100gf/cm時の伸び率を測定したときの値を言う。また、ウェット伸び率のタテ/ヨコ比は、タテ方向のウェット伸び率をE(%)、ヨコ方向のウェット伸び率をF(%)としたときに下記式:
ウェット伸び率のタテ/ヨコ比=E/F
で算出される。
本発明においては、多層不織布のウェット伸び率のタテ/ヨコ比が0.4〜1.6であることが好ましい。ウェット伸び率のタテ/ヨコ比が0.4以上であると、形態安定性が良好であり、化粧用シートとしての機能が良好となる。他方、ウェット伸び率のタテ/ヨコ比が1.6以下であると、形態安定性と柔軟性が良好であり、化粧用シートとしての機能が良好となる。ウェット伸び率のタテ/ヨコ比を上記範囲内に制御するための具体的な手法としては、繊維素材の選択、繊維素材の比率、繊維密度の制御、積層数などが挙げられる。
本発明で用いる薬液としては、通常のメイク落としのウェット商品に使用される薬液が挙げられる。薬液には、例えば、化粧落とし用の活性剤となるGラウリン酸PEG−12等の親油性乳化剤や、保湿剤、抗菌剤、防腐剤、香料などを含有する水やアルコール溶液が含まれる。
本発明の化粧用シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。
セルロース原料を銅アンモニア溶液で溶解し、表面層は繊維径10〜20μm用の紡口を用い、中間層は繊維径0.1〜8μm用の紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に紡糸してシートを形成させることにより多層不織布を得る。セルロース原料としては特に限定されるものではないが、コットンリンターが好ましい。
不織布の繊維径は主に紡口径により制御することができる。繊維径10〜20μm用の紡口は、直径0.45〜0.75mmの紡口であることが好ましく、更に好ましくは直径0.50〜0.70mmの紡口である。直径0.45mm以上の紡口であると、10μm以上の繊維径が容易に得られ、他方、直径0.75mm以下の紡口であると、銅が残り難く、20μm以下の繊維径が容易に得られる。
また、繊維径0.1〜8μm用の紡口は、直径0.01〜0.45mmの紡口であることが好ましくより好ましくは直径0.10〜0.40mmの紡口である。直径0.01mm以下の紡口であると、0.1μm以上の繊維径が容易に得られ、他方、直径0.45mm以下の紡口であると、8μm以下の繊維径が容易に得られる。
前記工程において、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させて多層不織布を得ることが好ましい。高圧水流による繊維交絡の有無は限定されるものではないが、交絡する方が好ましい。水流交絡が無い場合、形態安定性が低下したり、柔軟性が低下したりすることがある。
多層不織布の吸水速度は、繊維径、及び繊維長の一方又は両方により制御される。繊維径が小さい程、及び繊維長が長い程、毛細管現象が顕著に現れ吸水速度が向上する。繊維径と繊維長の組み合わせの範囲は、用いる繊維の種類によって異なるが、例えば、第1の層を構成する繊維径が0.1〜8μmの範囲であり、かつ繊維長が25mm以上である。
本発明に係る化粧用シートは、多層不織布が水分を吸収する際、高い拭き取り性を持ち、メイクや汗などを素早く吸液することができる。
本発明おいて高い拭き取り性とは、下記操作手順にて得られた拭き残し率(%)が低いことを表す。
鏡の上に口紅を塗り、ティッシュ等で塗り広げて出来る限り均一な油膜を作製する。作製した油膜の質量G(g)を質量H(g)の100mm×100mmの不織布1枚を用いて、人差し指と中指と薬指の腹で油膜を1回拭き取る。拭き取り後、油膜が付着した不織布の質量I(g)を測定し、下記式:
拭き残し率={(G−(I−H))/G}×100
により拭き残し率(%)を算出する。
この拭き残し率は20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
本発明に係る化粧用シートの吸液性や生体適合性をさらに向上させるために、セルロース系繊維の水酸基を各種の官能基で置換する誘導体化も有用である。主な誘導体化はエーテル化、エステル化、酸化などであり、例えば特開2001−170104号公報に記載の手法でカルボキシメチル(CM)化セルロース繊維を得ることができる。また、湿潤時の寸法安定性を得るために、従来公知の架橋剤を用いることもできる。
本発明の化粧用シートとしては、特に限定はされないが、クレンジングシート、拭き取りシート、化粧用パフ、フェイスマスク、ポイントシート、立体マスク、染取りシート、保湿シート、保温シート、除菌シート、消毒シート、防腐シートなどが挙げられる。本発明の化粧用シートは拭き取り性に優れ、吸液速度が高いことから、特にクレンジングシートや拭き取りシート、化粧用パフとして、好適である。また、本発明の化粧用シートは、保湿性に優れ、密着性が高いことから、顔前面を覆う美容用フェイスマスクやポイントシートとしても好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
まず、実施例、比較例において使用した測定方法を以下に示す。
(1)繊維径(μm)
多層不織布の各層を、走査型電子顕微鏡、日本電子製JSM−6380を用いて10000倍の倍率で観察し、任意の50本を選び測定した平均値を繊維径とする。
(2)吸水速度(mm)
多層不織布から、幅25mm×長さ250mmの試験片を幅方向に10本採取し、JIS−L1907準拠のバイレック試験にて、10分後の水面からの浸水高さを読み、吸水速度を測定する。各多層不織布について10回測定し、その数平均値を算出する。
(3)厚み(μm)
多層不織布の厚みを、JIS−L1096準拠の厚み試験にて荷重を1.96kPaとして測定する。各多層不織布について10回測定し、その数平均値を算出する。
(4)目付(g/m
0.05m以上の面積の多層不織布を、105℃で一定質量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置してその質量を測定し、不織布の1m当たりの質量(g)を求める。各多層不織布について10回測定し、その数平均値を算出する。
(5)繊維密度(g/cm
多層不織布の厚みと目付とを前述の方法でそれぞれ10回測定し、その数平均値である厚みA(mm)と目付B(g/m)とを用いて次式:
繊維密度={B/A}/1000
により繊維密度を算出する。
(6)ウェット伸長回復率(%)
ウェット伸長回復率とは、幅20cm×把握長5cmの多層不織布を、JIS−L1096準拠の定荷重法試験にて、ウェット荷重100gf/cmとして5回測定したときの値の平均値を言う。ウェット荷重100gf/cmの時の伸度をC(mm)、回復過程に入り、測定開始位置(負荷=0)のときの残留歪みの長さをD(mm)としたときに下記式:
ウェット伸長回復率(%)={1−(D/C)}×100
で算出される。
(7)ウェット伸び率のタテ/ヨコ比
ウェット伸び率とは、20cm×20cmの多層不織布をKES引張試験機にてウェット定加重100gf/cm時の伸び応力に基き、伸び率(%)を5回測定したときのその平均値を言う。ウェット伸び率のタテ/ヨコ比は、タテ方向のウェット伸び率をE(%)、ヨコ方向のウェット伸び率をF(%)としたときに下記式:
ウェット伸び率のタテ/ヨコ比=E/F
より算出される。
(8)拭き取り性
(i)拭き残し率(%)
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げて出来る限り均一な油膜を作製する。作製した油膜の質量G(g)を質量H(g)の100mm×100mmの不織布1枚を用いて、人差し指と中指と薬指の腹で油膜を1回拭き取る。拭き取り後、油膜が付着した不織布の質量I(g)を測定し、下記式:
拭き残し率={(G−(I−H))/G}×100
により拭き残し率(%)を算出する。
(ii)裏抜け性
以下の評価基準に基き、裏抜け性を評価する。
〇:裏抜けなし
△:少し裏抜けがある
×:裏抜けがあり手につく
(9)液拡散性(秒)
100mm×100mmの多層不織布1枚をガラス板に置き、その***部より円筒(内径13Φmm)にて、目付(g/m)の10分の1の量(mL)の水を加え、液面がゼロになるまでの液拡散時間(秒)を測定する。各多層不織布について5回測定しその数平均値を採用する。
(10)保水率(%)
100mm×100mmの多層不織布を水中に浸漬して1分間放置した後、網の上に10分間置き水切りをした質量H(g)になる不織布を肌上に置き10分後、不織布の質量I(g)を測定して、下記式:
保水率=(I/H)×100
にて算出される。各多層不織布について5回測定しその平均値を算出する。
(11)装着性
市販の化粧液を250質量%含浸させたフェイスマスクを用いて、肌への柔軟性(刺激性)、装着感(密着性)、リフトアップ感(引き上げ性)を、女性10名により、それぞれ以下の評価基準に基づき、5段階評価で判定してもらう。
(i)刺激性
5点:肌への物理的刺激がなく、繊維残りもない。
3点:肌への物理的刺激が多少あるが、繊維残りはない。
0点:肌への物理的刺激があり、繊維残りが多い。
(ii)密着性
5点:基材と肌の隙間がなく、良好。
3点:基材と肌に少し隙間がある。
0点:基材と肌に隙間があり、剥がれやすい。
(iii)引き上げ性
5点:肌が持ち上げられている感覚がある。
3点:肌が少し持ち上がる感覚があるが、時間が経過すると戻る。
0点:肌が持ち上がる感覚なし。
[実施例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、多層不織布の1層目、及び5層目(第2の層として)には直径0.6mmの原液吐出孔が45.3個/cmである紡口を用い、2〜4層目(第1の層として)には直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cmである紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られた多層不織布の吸水速度は174mmであった。
[実施例2]
実施例1において、紡糸されたシートを積層するネットのスピードを速くした以外は実施例1と同様の方法で多層不織布を得た。得られた多層不織布の吸水速度は147mmであった。
[実施例3]
実施例1において、紡糸されたシートを積層するネットのスピードを遅くした以外は実施例1と同様の方法で多層不織布を得た。得られた多層不織布の吸水速度は184mmであった。
[比較例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cmである紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られた多層不織布の吸水速度は170mmであった。
[比較例2]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、多層不織布の1層目と5層目(第1の層として)には直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cmである紡口を用い、2〜4層目(第2の層として)には直径0.6mmの原液吐出孔が45.3個/cmである紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られた多層不織布の吸水速度は128mmであった。
[比較例3]
天然セルロース繊維不織布(コットン製不織布:ズズラン株式会社製)からなる化粧用シートの吸水速度は52mmであった。
[比較例4]
天然セルロース繊維(綿製ガーゼ:ズズラン株式会社製)からなる化粧用シートの吸水速度は51mmであった。
Figure 0006005977
実施例1〜3、及び比較例1〜4で得られた化粧用シートのウェット伸長回復率とWET伸び率のタテ/ヨコ比を以下の表2に示す。
Figure 0006005977
実施例1〜3の多層不織布は、優れたウェット時の形態安定性を示している。
実施例1〜3、及び比較例1〜4で得られた多層不織布の性能評価結果を、以下の表3に示す。
Figure 0006005977
実施例1〜3の多層不織布は、優れた、拭き取り性、液拡散性、保水性、装着性や柔軟性を示している。
本発明の化粧用シートは、吸液性が高く、保液性が高く、かつ、拭き取り性に優れている。よって、本発明の化粧用シートは、クレンジングシート、拭き取りシート、化粧用パフ、フェイスマスク、ポイントシート、立体マスク、染取りシート、保湿シート、保温シート、除菌シート、消毒シート、防腐シートとして好適に利用可能である。

Claims (5)

  1. 複数の不織布層を有する多層不織布を含む化粧用シートであって、該多層不織布は、セルロース系繊維を80質量%以上含む繊維径0.1〜8μmの不織布である第1の層、及びセルロース系繊維を80質量%以上含む繊維径10〜20μmの不織布である第2の層をそれぞれ1層又は2層以上有し、該第2の層が該多層不織布の少なくとも片側の表面に存在しており、JIS−L1907準拠のバイレック試験に基づく該多層不織布の吸水速度が75mm以上であり、かつ、該多層不織布のウェット伸長回復率が、タテ48〜75%、ヨコ38〜65%であることを特徴とする前記化粧用シート。
  2. 前記多層不織布は、厚み:25〜1000μm、目付:10〜100g/m、及び繊維密度:0.07〜0.45g/cmを有する、請求項1に記載の化粧用シート。
  3. 前記多層不織布のウェット伸び率のタテ/ヨコ比が0.4〜1.6である、請求項1又は2に記載の化粧用シート。
  4. 前記セルロース系繊維は、再生セルロース連続長繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧用シート。
  5. 薬液を含浸されてなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧用シート。
JP2012098532A 2012-04-24 2012-04-24 化粧用シート Active JP6005977B2 (ja)

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