JP6004423B2 - 遺伝子連結法およびそれを用いた単鎖抗体作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は遺伝子連結法およびそれを用いた単鎖抗体作製方法に関する。
1.高機能性の単鎖抗体
1−1.単鎖抗体の有用性
1970年に発明されたモノクローナル抗体は、マウス抗体であったため当初に期待されたほどの臨床効果が得られなかったが、1990年代にヒト免疫グロブリン遺伝子をCHO細胞などで発現させる技術が開発されて以降、再び抗体医薬への期待が高まり研究開発が活発化した。直接ヒト抗体を産生するトランスジェニックマウスも開発される一方、ファージディスプレイによる膨大な量の抗原ライブラリーから最適抗体をスクリーニングする技術開発も進み、飛躍的に抗体産生技術が進展してきた。特に抗体医薬分野での成果はめざましく、次々と新規医薬の開発が進んでいる。検査薬、研究ツールとしての用途も含め、抗体の重要性は昨今益々高まってきている。
特に、重鎖(VH)と軽鎖(VL)の抗原認識部位のみを連結した単鎖抗体(single chain variable fragments:scFv)は、分子量がおよそ25kDaと、IgG(分子量が150kDa)に比べて大変小さく、安定性が高く、組織への浸潤性が良く、きわめて有用である。大腸菌での発現が可能であり、大量生産も可能である。哺乳類細胞で発現させれば、細胞内で抗原機能を阻害することにより、細胞内での抗原の生理機能解明に用いることができる。また当該遺伝子に変異を導入することにより、結合活性や特異性を上昇させる事が可能である。他のタンパク質と融合させ機能させたり、マルチマーとして使用したり、細胞内で発現させたりと、多くの応用が期待されている。
1−2.単鎖抗体作製上の問題点
機能的な抗体をより有効かつ効率的に生産するためには、ファージディスプレイ法などの進化工学的な手法を利用して機能的な最適抗体を選択する技術が欠かせない。ファージディスプレイ法の場合は、最終的に選択された最適抗体をディスプレイしているファージをそのまま大腸菌内で組み換え抗体として大量発現させるか、または遺伝子を単離して適切なベクターに繋いで大腸菌やCHO細胞などから産生させる。ファージにディスプレイする抗体としては、Fabと単鎖抗体がある。
単鎖抗体はそのサイズ故に実用的にも大変有用な分子であり、抗原に対する結合性を持つ抗体を産生するハイブリドーマからVLおよびVH抗体遺伝子を単離し、VLおよびVH抗体遺伝子を連結させファージミドに組み込み、単鎖抗体を作製する手法か、もしくは免疫した動物の脾臓・リンパ組織からVLおよびVH抗体遺伝子を単離し、VLおよびVH抗体遺伝子を連結させファージミドに組み込み、ファージ上に発現させ、パニングにより結合活性を持つ単鎖抗体をディスプレイしているファージを単離し、結合活性を持つ単鎖抗体を取得する手法が用いられる。後者の場合、マウスなど実験動物の脾臓から得られたcDNAを用いることで、生体内の免疫細胞が有する抗体多様性を保持した膨大な配列バリエ―ションを持つ「単鎖抗体ライブラリー」を作製する。当該単鎖抗体ライブラリーを標的物質によるパニング工程を繰り返すことで、標的物質との結合性の高い単鎖抗体を濃縮することができるため、機能的単鎖抗体の作製にきわめて有効である。「単鎖抗体ライブラリー」の作製に当たっては、遺伝子の変異、欠失、シフトがないようにVHとVLを連結することが大事であることの上に、遺伝子中に大きな多様性(抗原認識部:CDR部)を持っている部分があるので、これによって作製が阻害されないようにかつ、その多様性を維持しつつ、単鎖抗体を作製する必要がある。
単鎖抗体又は単鎖抗体ライブラリーを作製するためには、もとになる抗体重鎖遺伝子由来VHと、軽鎖遺伝子由来のVLを単離した後に、適当なリンカーを介して連結する必要があり、そのための手法としては、主に以下の2つの方法がある(図1参照)。
(1)2段階クローニング法:VHとVLをそれぞれPCR法により増幅させ、ファージミドベクターに先ずVLを挿入して大腸菌で増やした後に、VHをファージミドに挿入し大腸菌内でクローニングする方法(非特許文献1)。
(2)VL−VHアッセンブリー法:VHとVLをそれぞれPCR法により増幅させた後に連結し、その連結物をファージミドに組み込む方法(非特許文献2)。
しかし、(1)の方法は、ステップが多く、長時間を要する上、スタートの遺伝子が単一の抗体遺伝子ではなくて上述の抗体ライブラリーに適用する場合には、上記作業により、大腸菌内での各遺伝子の増幅効率の偏りに起因して、得られる抗体ライブラリーの大きさが縮小してしまうという欠点がある。
また(2)の方法はステップが少ないが、PCRによって連結するので、フレームシフトや欠失等が起こりやすく、機能する単鎖抗体を取得することが難しい。またスタートの遺伝子が単一の抗体遺伝子ではなく、VHライブラリーとVLライブラリーに対して適用する場合、遺伝子中の抗体認識部位は非常に大きなバリエーションを持っているので、この多様性が均等なPCR反応を阻害し、特定の遺伝子のみが増幅され、結果的にライブラリーの大きさが著しく縮小してしまうという事がしばしば起こってしまう。
(2)のVL及びVH遺伝子の連結法としては、通常、VLのC端側、およびVHのN端にリンカー領域を付加し、そのリンカー部分の重なり合いを利用して、オーバーラップPCR反応によりVH,VLを連結するオーバーラップPCR法が広く行われている(図2参照、注:VHとVLの順番は逆にしても良い)。この方法は、簡便であるが、トップ鎖及びボトム鎖それぞれを完全に一本鎖の状態としてからPCR反応によって増幅するので、非特異的接着が起こりやすく、かつ遺伝子の欠失・挿入・置換・シフトが起こりやすいという欠点がある。また、VH及びVLライブラリーに適用しようとする場合、多様性配列中のうちでも特定の配列を持つクローンのみが選択的に増幅されてしまうという致命的な欠陥を持つ。
このように、従来の機能的な単鎖抗体の作製手法には以上のような問題点があり、高いアフィニティーで抗原を認識する高品質の単鎖抗体の作製は容易ではない。
2.遺伝子連結法(DNA分子連結法)
短いDNAフラグメントを連結させて、二本鎖の遺伝子を合成する方法としては、種々の連結法が知られている。トップ鎖及びボトム鎖ともにすべての遺伝子配列をカバーする短い一本鎖DNAを合成し、アニーリングさせてライゲーションを行う反応(非特許文献3)や、トップ鎖及びボトム鎖を交互に1部がオーバーラップするように合成し、アニーリング後に1本鎖部分をポリメラーゼ反応で相補させ2本鎖遺伝子を作成する方法(非特許文献4)があるが、ともに効率が低く、遺伝子のミスも多いために実用的ではない。また核酸の一本鎖領域は相補性が完全でなくとも他の一本鎖領域とハイブリダイズしてしまう場合も多く、上記反応を特異性高く進めることは簡単ではない。
上記1−2.で述べたオーバーラップPCRは、良く用いられている遺伝子連結法である。原理的には、連結したいフラグメント同士に重なり合う配列があれば、何十ものフラグメントを1回のPCR反応にて一気に連結可能であるが、遺伝子の欠失・挿入・置換・シフトが起こり、現実的ではない。また遺伝子ライブラリーのように、つなぎ合わせるDNAフラグメント中の配列に多様性領域が存在する場合は、その多様性領域部分に結合領域と類似した配列が出現すれば本来のPCR反応を阻害するため、ある特定の配列を持つクローンのみが選択的に増幅されてしまうという欠陥がある。
Gibsonらは、PCRで増幅させた2本鎖フラグメントを効率的に連結する方法を開発した(非特許文献5、特許文献1)。隣り合うフラグメントに約40塩基ほどの共通配列を持たせ、T5エキソヌクレアーゼでフラグメントの5’末端を消化して、その共通部分を一本鎖化する。その後で、その部分をアニーリングさせる。ポリメラーゼを作用させて、アニーリングで残った1本鎖部分の相補鎖を合成し、Taqリガーゼ(ライゲーション酵素)で両フラグメントをつなぐことで、遺伝子の連結を行う方法である。通常の5’−3’エキソヌクレアーゼでは速やかに消化反応が行われるために途中で反応を止めることは難しく、2本鎖を完全に1本鎖に消化してから次のアニーリング工程に移行させる(特許文献2)ことになるが、T5エキソヌクレアーゼの場合には、数塩基程度消化するごとに消化効率が落ちる。T5エキソヌクレアーゼのこの性質を利用することで、消化効率の落ちた途中段階でアニーリング工程に移行させることが理論的には可能である。しかし、実際にはT5エキソヌクレアーゼの消化反応を正確に制御することは難しい。消化量が足りなければ、アニーリング工程で2つのフラグメントの特異的な会合が困難になり、消化量が多すぎれば一本鎖部分が長くなり、その露出による非特異的結合が起こって、予期しない精製物ができることとなってしまう。そのために、両DNAフラグメントの共通部分を40塩基程度に長く設定する必要があり、プライマーが長くなる。あまりに長いプライマーを用いると、PCR増幅の最初の段階が効率的に行われなくなる欠点もある。また、T5エキソヌクレアーゼによる連結工程で、2つのフラグメントの連結部分ではない側の5’末端も消化されてしまい一本鎖領域ができて粘着末端となるため、予期せぬフラグメント同士の結合が起きたり、ベクターに組み込む際、フラグメントの両端に直接制限酵素処理を施せないなど、その後の操作に大きな支障を来してしまう欠点がある。
以上のことから、単鎖抗体の作製にも適用可能な遺伝子連結法であって、不要なバックグランド反応を低く押さえ、ミスなく遺伝子を高効率に連結する手法の開発が望まれており、特に、単鎖抗体ライブラリーに適用した場合に、高いアフィニティーで抗原を認識する高品質の単鎖抗体を創出可能な方法が切望されていた。
米国公開2010/0035768 特許第4700805号
2010scFv by Two-step Cloning Dafine Muller Antibody EngineeringVol.2 Ed. Roland Kontermann and Stefan Dubel Springer 2011 Construction of scFv Fragments from Hybridoma or Spleen Jonas V.Schaefer, Annemarie Honegger and Andreas Pluckthum, Antibody Engineering Vol.1Ed. Roland Kontermann and Stefan Dubel Springer Y. Jigami, M. Murakami, H. Harada,H. Tanaka Gene, 43 (1986), pp. 273-279 Expression of synthetic human-lysozymegene in Saccharomycescerevisiae: use of syntheticchicken-lysozyme signal sequence for secretion and processing Y.Tsuchiya, K.Morioka, J.Shirai, K.Yoshida and S.Inumura Nucleic Acids Symposium Series No.50 275-276 2006 Comparison ofartificial synthesis methods of gene Daniel G Gibson, Lei Young, Ray-Yuan Chuang, J Craig Venter, Clyde AHutchison III & Hamilton O Smith, NATURE METHODS VOL.6 NO.5 MAY2009 343Enzymatic assembly of DNA molecules up toseveral hundred kilobases
本発明の課題は、2種類のDNA又はDNAライブラリーを正確にかつ高効率で連結する遺伝子連結法を提供することであり、また、当該連結法を利用した機能性タンパク質をコードする遺伝子のスクリーニング方法及び機能性タンパク質大量生産方法を提供することである。特に、高いアフィニティーで抗原を認識する高品質の単鎖抗体を創出する方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、機能的な単鎖抗体の作製方法として、ステップ数が少ない点で、前記「VL−VHアッセンブリー法」として示した、VHとVLをそれぞれPCR法により増幅させた後に連結し、その連結物をファージミドに組み込む手法が適していると考えた。そして、その際の汎用の遺伝子連結方法として用いられる、「オーバーラップ・エクステンションPCR法」を改良することを目指し、当該連結法のバックグランド反応の高さと、ミスの多さの原因を追及してきた。その結果、特に、当該連結法を単鎖抗体ライブラリー作製に適用した場合のライブラリーサイズを縮小させる1番の原因が、連結のためにPCRによる増幅を必須とする点にあり、またそのことで非特異結合の原因となる一本鎖DNAを形成させることであると思い至った。そこで、PCR法を用いることなく、2つのDNAフラグメントを結合させる方法であって、しかも一本鎖DNAとしてむき出しになる領域を少なくかつ一本鎖DNAが生じる時間をできるだけ短くする手法を鋭意検討し、試行錯誤の末にその解決法としての「遺伝子連結方法」を発見するに至った。
具体的には、VL遺伝子、VH遺伝子をPCRにより増幅する際に片方のC端側及び他方のN端側のプライマーにリンカー配列を付加し、さらに5’端にリン酸を付加する。得られた2種類のDNA断片のそれぞれのリン酸化5’末端をλエキソヌクレアーゼで消化して、リンカー部分を一本鎖化させて、VLとVHを連結させた後、BstDNAポリメラーゼにより3’方向に残っている相補鎖をはがしつつ、新たな相補鎖を合成させて(鎖置換合成)、リンカーで繋がれたVLとVHの完全な2本鎖を製造できた。
単一のVL及びVH遺伝子に適用した場合に、精製すれば高品質のVL−VH連結断片が取得できるし、さらに大腸菌、動物細胞などを形質転換し大量生産が可能である。また、VL及びVHライブラリーに適用した場合には、ファージミドに挿入して大腸菌に形質転換した単鎖抗体ライブラリーを作製できるから、標的物質を用いたパニング工程を繰り返すことで目的とする機能的単鎖抗体を得ることができる。
さらに、本発明において用いるλエキソヌクレアーゼがS化(Phosphorothioate)DNAを消化できないという性質を利用して、非リン酸化プライマーの5’端をS化することにより、λエキソヌクレアーゼの非特異的な(非リン酸化5’末端)への反応を防止した。また、リン酸化プライマーの3’端に近いところをS化することにより、λエキソヌクレアーゼが消化するDNAの長さを制御できるようになり、多様性の大きいCDR領域が一本鎖化することを避けることができ、バックグラウンド反応を激減させた。
以上の知見が得られ、本発明を完成させることができた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕 第1のDNAと第2のDNAとをリンカー部を介して連結するための遺伝子連結法において、
ここで、第1のDNAと第2のDNAは、同一もしくは異なるDNA分子であって、それぞれが単一のDNA分子又はDNAライブラリー中の任意のDNA分子であり、
下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする遺伝子連結方法;
(1)第1及び第2のDNA増幅用のプライマーセットを用意する工程であって、第1のDNA増幅用のリバースプライマーの5’側、及び第2のDNA増幅用のフォワードプライマーの5’側のそれぞれにリンカー配列を付加すると共に、その5’末端塩基をリン酸化する工程、
(2)第1及び第2のDNAのそれぞれをPCRで増幅し、片方の鎖がリン酸化されたリンカー領域を有する状態で増幅された第1’及び第2’のDNAを得る工程、
(3)第1’及び第2’のDNAに設けられたリンカー領域が1本鎖になるまでλエキソヌクレアーゼで消化する工程、
(4)両者をアニーリングする工程、
(5)BstDNAポリメラーゼを作用させて、3’方向に鎖置換反応を起こさせる工程。
〔2〕 前記工程(1)において、第1のDNA増幅用のリバースプライマー及び第2のDNA増幅用のフォワードプライマーにそれぞれ設けられたリンカー配列中の3’側から1〜6塩基のいずれかの塩基をS化することを特徴とする、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕 前記工程(1)において、第1のDNA増幅用のフォワードプライマーの5’側末端塩基、及び第2のDNA増幅用のリバースプライマーの5’側末端塩基をS化することを特徴とする、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕 第1のDNAが、抗体のH鎖可変領域をコードするDNAもしくはDNAライブラリー中のDNAであり、かつ第2の核酸がL鎖可変領域をコードするDNAもしくはDNAライブラリー中のDNAであるか、又はその反対であることを特徴とする、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕 前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の方法において、第1及び第2のDNAがDNAライブラリー中のDNAであるとき、前記工程(1)〜(5)の最終産物として得られることを特徴とする、第1及び第2のDNAライブラリーのそれぞれから選択された任意のDNA分子同士がリンカーを介して連結されている融合DNA分子群からなる融合DNAライブラリー。
〔6〕 前記〔5〕に記載の融合DNAライブラリーをファージミドに繋ぎ、大腸菌を形質転換して、ファージ表面の融合タンパク質と関連づけた融合タンパク質ライブラリー。
〔7〕 前記〔6〕に記載の融合タンパク質ライブラリーに対して、標的物質を固定化した基板表面に結合させるパニング工程を含む、標的物質との結合活性を有する融合タンパク質又はそれをコードする遺伝子のスクリーニング方法。
〔8〕 前記〔6〕に記載の融合タンパク質ライブラリーに対して、標的物質を固定化した基板表面に結合させるパニング工程,増殖工程、及び精製工程を繰り返すことによる、標的物質との結合活性の高い融合タンパク質の大量生産方法。
〔9〕 融合タンパク質が単鎖抗体である前記〔8〕に記載の方法。
本発明の遺伝子連結法では、従来のオーバーラップ・エクステンションPCR連結法とは異なり、PCR法を用いるのは最初のVH及びVL遺伝子(VH及びVLライブラリー)を作製する際のみであり、連結工程においては全くPCR法を用いないために、遺伝子の変異、欠失、シフトがなくVHとVLを連結することができる。また、VH及びVLライブラリーに適用した場合でも5’末端からのエキソヌクレアーゼによる消化が制御可能なために、多様性の高いCDR領域までが一本鎖化されることはなく、リンカー部分の結合以外の非特異的な結合を防ぐことができるので、CDR本来の多様性を維持した単鎖抗体ライブラリーが製造できるから、簡便かつ確実に優れた機能性の単鎖抗体が創成できる。当該連結法により長鎖同士をつなぎ合わせることも可能となり、実用上広い分野での応用が期待される。また反応を一本のチューブの中で短時間で完結させることができ、コンタミや試料のロスを極力抑えることができることも大きな利点である。
さらに、VL,VH増幅時に非リン酸化プライマーの5’端をS化することにより、λエキソヌクレアーゼの非特異的な(非リン酸化5’末端)への反応をゼロにすることができ、またリン酸化プライマーの3’端に近いところをS化することにより、λエキソヌクレアーゼが消化するDNAの長さを確実に制御できるようになる。つまりリン酸化5’末端から、S化部分までのDNAが消化され、その部分のみが、一本鎖になる。これにより、VLおよびVHの相補的部分のみ一本鎖化することができ、バックグラウンド反応を激減させることができる。
従来のT5エキソヌクレアーゼを用いる方法(非特許文献5、特許文献1)では、T5エキソヌクレアーゼの消化の制御が難しいために、用いるプライマーには少なくとも40塩基程度の共通配列を付加する必要があったが、本発明でのλエキソヌクレアーゼによる消化は、反応温度を上げることで完全に制御できるので、プライマーの共通部分は20塩基で十分高い反応が得られている。また連結が行われない端ではλエキソヌクレアーゼによる消化は全く起こらず、その後の遺伝子操作に全く支障をきたす心配はない。また本発明では、BstDNAポリメラーゼのみで、5’末端にリン酸が付加した方の鎖をはがしながら相補鎖を合成し2つのフラグメントの連結を行うことができるため、連結のためにリガーゼによるDNA接着工程も、PCR増幅工程も不要である。工程数の増加は、遺伝子の欠失・挿入・置換・シフトの起こる確率が増えるため、ライブラリーの作製においては、致命的な欠点となるが、それを避けられる点も本発明のメリットである。また、BstDNAポリメラーゼは、耐熱性が高いため高温(65℃)での遺伝子合成が可能であり、このため高温でのアニーリング、すなわちより厳しい条件でのアニーリングが可能となる。そのため、非特異的な結合が押さえられるメリットがある。一方、T5エキソヌクレアーゼを用いた方法では、アニーリング後の、ポリメラーゼ反応・ライゲーション反応を50℃で行うため、非特異的反応が起こりやすい。
単鎖抗体(scFv)の作製法 単鎖抗体の作製:オーバーラップ・エクステンションPCRによるVH、VLの連結 単鎖抗体の作製:λエキソヌクレアーゼ利用法 プライマーのS化によるλエキソヌクレアーゼの活性制御 λエキソヌクレアーゼ法によるVH、VL抗体遺伝子連結 λエキソヌクレアーゼ法により作製したニワトリ単鎖抗体の遺伝子配列 λエキソヌクレアーゼ法による抗体遺伝子ライブラリーからのVH、VL抗体遺伝子連結 λエキソヌクレアーゼ法による抗体遺伝子ライブラリーから作製した単鎖抗体ライブラリーの多様性 λエキソヌクレアーゼ法により取得された単鎖抗体の結合特性 λエキソヌクレアーゼ法によりVH及びVLライブラリーから取得されたラビットIgG認識単鎖抗体の遺伝子配列
1.本発明の遺伝子連結法
1−1.基本的な遺伝子連結法
本発明者らの「遺伝子連結方法」が連結の対象とする遺伝子は、基本的には2本鎖のDNA分子(フラグメント)同士の連結方法であり、どのような種類のDNAフラグメントの結合にも、またDNAライブラリーを含んでいる場合の結合にも用いることができる手法である。なお、本発明においてDNAライブラリー、遺伝子ライブラリーなどというとき、完全にランダム化された領域を有するDNA分子群からなるDNAライブラリーの場合はもちろんであるが、生体が本来有している多様性を保持したDNA遺伝子群もDNAライブラリーという。例えば、脾臓由来のVH及びVL遺伝子群もVH及びVL遺伝子ライブラリーなどという。また、VH及びVL遺伝子ライブラリーを連結する、というときは、VH及びVL遺伝子ライブラリーそれぞれを構成する任意の遺伝子同士の連結を意味する。
本発明の実施の態様としては、典型的な例としてVH及びVL遺伝子を連結する場合、及びVH及びVL遺伝子ライブラリー中の遺伝子を連結して機能的な単鎖抗体(scFv)を作製する場合について詳細に述べるが、同様の手法でT細胞レセプター由来のVα及びVβ遺伝子を連結する機能的な単鎖TCR(scTCR:International Immunology Volume 11, Issue 5 p.745-751. 1999)の製造などにも用いることができる。その他、各種のドメイン構造を有するレセプターにおけるドメイン遺伝子の結合などに適用可能である。
1−1−1.2本鎖DNAフラグメントの用意
結合する対象となる2種類の2本鎖DNAフラグメント(2種類の遺伝子)を用意する。2本鎖DNAフラグメントの長さは、PCR法で増幅できる長さであればどのような長さでも可能であるが、通常100〜3000塩基長、好ましくは150〜2000塩基長、より好ましくは200〜1000塩基長である。必要であれば、あらかじめそれぞれを増幅し、精製して用いる。なお、同一のcDNAもしくはゲノムDNA上の2箇所の領域を2本鎖フラグメントとして選択する場合は、同時に増幅することが可能である。その際の増幅法としては、一般的にはPCRによる増幅法が好ましい。
ここで、完全なランダム化領域を有する2本鎖DNAフラグメントを得ようとする場合は、エラー導入PCR法など周知のランダム化法(Proc. Natd. Acad. Sci. USA Vol. 89, pp. 3576-3580, April 1992)を用いてランダム化領域を有する2種類の2本鎖DNAフラグメントのライブラリーを形成させ、それぞれのフラグメント群を精製する。
1−1−2.リン酸化2本鎖DNAフラグメントの増幅
次いで、一方のフラグメント増幅用のリバースプライマーの5’側、及び他方のフォワードプライマーの5’側に、両者に共通配列を持たせるためのリンカー部を設け、さらにその5’側末端をリン酸化しておく。5’端にリン酸を付加する手法は周知手法であり、T4 Polynucleotide kinaseを用いて、溶媒中のATPからのリン酸を付加する手法が一般的である。
それぞれの2本鎖DNAフラグメントを、上記リン酸化プライマーも用いて増幅し、センス鎖もしくはアンチセンス鎖の5’側末端がリン酸化された、リンカー融合2本鎖DNAフラグメントを得、精製する。ライブラリーの場合は、各々のフラグメント群からなるライブラリーごとの精製を行う。
1−1−3.リン酸化リンカー融合2本鎖DNAフラグメントの一本鎖消化とアニーリング
2種類のリン酸化リンカー融合2本鎖DNAフラグメントを混合した緩衝液中に、λエキソヌクレアーゼ(EC 3.1.11.3)を作用させて(例えば、37℃、30秒)、5’末端がリン酸化された方の鎖を、リンカー部分を含め、少なくとも5’末端から15〜20塩基長程度消化する。ただし、2本鎖DNAフラグメントがランダム領域を有している場合は、ランダム領域が一本鎖の状態となると本来の多様性が損なわれかねないため、ランダム領域の前でλエキソヌクレアーゼ消化が止まるように調整する。λエキソヌクレアーゼ消化は温度を上げることで、λエキソヌクレアーゼが失活し、反応を停止させることができるので、シャープに調整可能となり、系の温度を、70℃〜75℃にまで温度を上げれば、λエキソヌクレアーゼ消化反応が終了する。一本鎖状態となっているリンカー部をアニーリングするために、温度を、65〜50℃に下げることにより2本鎖DNAフラグメントがリンカー部でアニーリングする。
1−1−4.リンカー融合2本鎖DNAフラグメントの連結
系にBstDNAポリメラーゼ(DNA-directed DNA Polymerase EC 2.7.7.7)を添加し、リンカー部でアニーリングしている2本鎖DNAフラグメントのそれぞれに対して、3’方向に残っている相補鎖をはがしつつ、新たな相補鎖を合成させて、2種類の2本鎖DNAフラグメントがリンカーを介して連結された完全な2本鎖が製造できる。
1−2.DNAフラグメントのS化(Phosphorothioate)
本発明において用いるλエキソヌクレアーゼには、S化(Phosphorothioate)DNAを消化できないという性質があるので、上記1−1−2.工程における2種類のDNAフラグメント増幅用プライマーの1箇所にS化処理(1〜6塩基分のリン酸基の酸素の1つ以上をS化する。例えば、−PO4を−PO3Sにする。以下、単に「S化する。」ということもある。)を行う。
具体的には、非リン酸化プライマーについては、5’端をS化することにより、λエキソヌクレアーゼの非特異的な(非リン酸化5’末端)への反応を防止する。
一方、リン酸化プライマーについては、3’端近傍(3’端から、2〜8塩基長部分)の1〜6塩基分のリン酸基の酸素の1つ以上をS化することにより、その位置でλエキソヌクレアーゼの消化が止まるため、一本鎖の状態で露出されるDNAの長さを正確に制御できる。
そして、本発明では、鎖置換反応によってDNAを合成していくBstDNAポリメラーゼを選択したことで、アニーリング後に2本鎖部分にS化DNAがあっても相補鎖合成反応の妨げにはならず、しかも最終的に得られる2本鎖DNAフラグメントにはS化DNAは残らない。
1−3.本発明の遺伝子連結法
したがって、本発明の遺伝子連結方法は、以下のように表現することができる。
第1のDNAと第2のDNAとをリンカー部を介して連結するための遺伝子連結法において、
ここで、第1のDNAと第2のDNAは、同一もしくは異なるDNA分子であって、それぞれが単一のDNA分子又はDNAライブラリー中の任意のDNA分子であり、
下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする遺伝子連結方法;
(1)第1及び第2のDNA増幅用のプライマーセットを用意する工程であって、第1のDNA増幅用のリバースプライマーの5’側、及び第2のDNA増幅用のフォワードプライマーの5’側のそれぞれにリンカー配列を付加すると共に、その5’末端塩基をリン酸化する工程、
ここで、第1のDNA増幅用のリバースプライマー及び第2のDNA増幅用のフォワードプライマーにそれぞれ設けられたリンカー配列中の3’側から1〜6塩基のいずれかの塩基をS化することが好ましい。同時に、第1のDNA増幅用のフォワードプライマーの5’側末端塩基、及び第2のDNA増幅用のリバースプライマーの5’側末端塩基をS化することがさらに好ましい。
(2)第1及び第2のDNAのそれぞれをPCRで増幅し、片方の鎖がリン酸化されたリンカー領域を有する状態で増幅された第1’及び第2’のDNAを得る工程、
(3)第1’及び第2’のDNAに設けられたリンカー領域が1本鎖になるまでλエキソヌクレアーゼで消化する工程、
(4)両者をアニーリングする工程、
(5)BstDNAポリメラーゼを作用させて、3’方向に鎖置換反応を起こさせる工程。
前記遺伝子連結方法を、第1及び第2のDNAライブラリー中のDNA同士の連結方法として利用することで、工程(1)〜(5)の最終産物として、第1及び第2のDNAライブラリーのそれぞれから選択された任意のDNA分子同士がリンカーを介して連結されている融合DNA分子群からなる融合DNAライブラリーを作製することができる。
そして、当該融合DNAライブラリーは、種々のスクリーニング系で、機能性タンパク質及びそれをコードする遺伝子のスクリーニングに利用できる。
例えば、当該融合DNAライブラリーをファージミドに繋ぎ、大腸菌を形質転換して、ファージ表面の融合タンパク質と関連づけた融合タンパク質ライブラリーが作製できるので、以下、その融合タンパク質ライブラリーを用いたスクリーニング方法、及び得られた機能性タンパク質の大量生産方法について述べる。
2.目的とする機能性タンパク質のスクリーニング方法
上記工程で得られたリンカーで連結された2本鎖DNAフラグメントを適宜ベクターに繋ぎ、形質転換細胞内で、目的とする融合タンパク質を大量生産できる。
2本鎖DNAフラグメントのライブラリーに適用した場合は、リンカーで連結された2本鎖DNAフラグメントライブラリーが製造される。典型的には、これらをファージミドに繋いで、大腸菌を形質転換し、それぞれを大量生産した後、ファージ表面にディスプレイされたタンパク質を目的の機能を指標にスクリーニングする。例えば、特定の標的物質への親和性の強いタンパク質を取得する目的であれば、標的物質を固定化した基板表面にファージを結合させるスクリーニング工程によって、結合活性の強いクローンを取得できる。ファージディスプレイ法以外のリボソームアッセイ法なども無細胞系のディスプレイ法によりスクリーニングしてもよい。
典型的な融合タンパク質ライブラリーとして、上記1−3.で得られた融合DNAライブラリーをファージミドに繋ぎ、大腸菌を形質転換して、ファージ表面の融合タンパク質と関連づけた融合タンパク質ライブラリーを用いた、本発明の機能性タンパク質、特に標的物質との結合活性を有する融合タンパク質のスクリーニング方法については、以下のように表現できる。
上記1−3.で得られた融合DNAライブラリーをファージミドに繋ぎ、大腸菌を形質転換して、ファージ表面の融合タンパク質と関連づけた融合タンパク質ライブラリーに対して、標的物質を固定化した基板表面に結合させるパニング工程を含む、標的物質との結合活性を有する融合タンパク質又はそれをコードする遺伝子のスクリーニング方法。
また、標的物質との結合活性を有する融合タンパク質の大量生産方法については、以下のように表現できる。
上記1−3.で得られた融合DNAライブラリーをファージミドに繋ぎ、大腸菌を形質転換して、ファージ表面の融合タンパク質と関連づけた融合タンパク質ライブラリーに対して、標的物質を固定化した基板表面に結合させるパニング工程,増殖工程、及び精製工程を繰り返すことによる、標的物質との結合活性の高い融合タンパク質の大量生産方法。
3.VH遺伝子とVL遺伝子との連結
3−1.「VL−VHアッセンブリー法」
本発明者らの開発した遺伝子連結法の典型的な例として、VH遺伝子とVL遺伝子との2本鎖フラグメントに適用した場合(図3)について、以下具体的に説明する。VH遺伝子とVL遺伝子に適用した場合を、特に「VL−VHアッセンブリー法」と呼ぶこともある。
(1)まず、VL遺伝子、VH遺伝子をそれぞれPCRにより増幅する。この時、VLのC端、VHのN端側のプライマーに(a)(b)の工夫を加える。
(a)プライマーにリンカー配列を付加する。
(b)5’端にリン酸を付加する。
ここで、リンカー配列としては、通常9〜60塩基、好ましくは21〜51塩基程度なので、プライマー全体の長さは、フォワード及びリバースプライマーそれぞれ通常24〜75塩基、好ましくは36〜66塩基である。5’端にリン酸を付加する手法は周知手法であり、本実施例では、T4 Polynucleotide kinaseのキットの仕様書に従って当該kinaseによりATP由来のリン酸を5’端に付加した。
下記[表1]に示す、VLとVHのフォワード及びリバースプライマー(配列番号1,3,5,7)を用いて、ハイブリドーマからのcDNAよりVL及びVH遺伝子をPCR反応により、増幅する。このVL及びVH遺伝子に対して以下の手法を適用すればよい。また実験動物の脾臓由来のcDNAライブラリーからVL及びVH遺伝子をPCR反応により増幅し、VL及びVH遺伝子フラグメントを精製すれば、CDR部分に抗体本来の多様性を保持したVL及びVHライブラリーが作製できるので、当該VL及びVHライブラリーに対して、以下の手法を適用すればよい。
その際、実験動物をあらかじめ標的物質で免疫しておけば、より標的物質への結合活性の強い単鎖抗体を創出可能なVL及びVHライブラリーが製造できる。
得られた5’端にリン酸が付加されたリンカー領域を有するVH遺伝子及び相補鎖側の5’端にリン酸が付加されたリンカーのアンチセンス領域を有するVL遺伝子(VL及びVH遺伝子は反対でも良く、それぞれがライブラリーであっても良い。以下同様。)のそれぞれを精製する。
(2)VL及びVH遺伝子フラグメントのセンス鎖及びアンチセンス鎖のリン酸化5’末端をλエキソヌクレアーゼで消化して、そのリンカー部分を一本鎖化し、λエキソヌクレアーゼを熱変性で失活させる。
(3)λエキソヌクレアーゼにより消化されて一本鎖となったリンカー部分は、VLとVHで相補的な配列になっているので、λエキソヌクレアーゼを熱変性で失活させた後、適当な温度でアニーリングさせ、VLとVHを連結させる。
(4)次いで、BstDNAポリメラーゼ酵素を作用させて、トップ鎖・ボトム鎖ともに3’方向に残っている相補鎖を置換しつつ、新たな相補鎖を合成させることにより、完全な2本鎖を形成する。
(5)反応終了後(30分程度の短い時間でこの反応は終了する)、精製物をアガロース電気泳動し、精製すれば、高品質のVL−VH連結断片が取得できる。
(6)VLライブラリー及びVHライブラリーに上記手法を適用した場合には、得られたVL−VH連結断片群をファージミドに挿入して、大腸菌に形質転換して単鎖抗体ライブラリーを作製し、固定化した標的物質によるパニング工程を繰り返すことで目的とする機能的単鎖抗体を濃縮する。
[表1] プライマー
1)VLフォワードプライマー:(配列番号1)
5’-GTGGCCCAGCCGGCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTC-3’
2)S化VLフォワードプライマー:(配列番号2)
5’-gaTCGTGGCCCAGCCGGCCCTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTC-3’
(小文字部gaをS化)
3)VLリバースプライマー:(配列番号3)
5’-GGAAGATCTAGAGGACTGACCTAGGACGGTCAGG-3’
4)S化VLリバースプライマー:(配列番号4)
5’-GGAAGATCTAGAGGACTGACCTAGGACGGTCagG-3’
(小文字AGをS化)
5)VHフォワードプライマー:(配列番号5)
5’-GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGCCGTGACGTTGGACGAG-3’
6)S化VHフォワードプライマー:(配列番号6)
5’-GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGCCGTGACGTtgGACGAG-3’
(小文字TGにS化)
7)VHリバースプライマー:(配列番号7)
5’-CCTTTTGCGGCCGCACTAGTGGAGGAGACGATGACTTCGGTCC-3’
8)S化VHリバースプライマー:(配列番号8)
5’-ccTTTTGCGGCCGCACTAGTGGAGGAGACGATGACTTCGGTCC-3’
(小文字部分CCをS化)
3−2.単鎖抗体ライブラリーの作製方法
上述のように、脾臓由来のcDNAライブラリーに対して、上記[表1]のプライマーを用いて、VL及びVH遺伝子領域をPCR反応により増幅し、VL及びVH遺伝子フラグメントを精製すれば、CDR部分に抗体本来の多様性を保持したVL及びVHライブラリーが作製できる。
その際、既存のVH遺伝子及びVL遺伝子をテンプレートとし、それぞれのCDR領域の少なくとも1つ以上を、縮退オリゴヌクレオチドを用いた方法などによりランダム化することで、ランダム化VL及びVHライブラリーが作製できる。また、脾臓由来のVHライブラリー及びVLライブラリーをテンプレートとして、縮退オリゴヌクレオチドを用いて、CDR領域をランダム化することでもよりランダム化度合いの高いVL及びVHライブラリーが作製できる。
3−3.S化DNAを用いる方法
さらに、本発明では、λエキソヌクレアーゼがS化(Phosphorothioate)DNAは消化できないという性質を用いることにより、一層特異的に反応を行わせることが可能となる(図4)。VL,VH増幅時に非リン酸化プライマーの5’端をS化することにより、λエキソヌクレアーゼの非特異的な(非リン酸化5’末端)への反応をゼロにすることができる。またリン酸化プライマーの3’端に近いところをS化することにより、λエキソヌクレアーゼが消化するDNAの長さを制御できるようになる。つまりリン酸化5‘末端から、S化部分までのDNAが消化され、その部分のみが、一本鎖になる。これにより、VLおよびVHの相補的部分のみ一本鎖化することができ、バックグラウンド反応を激減させることができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明におけるその他の用語や概念は、当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものであり、本発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。また、各種の分析などは、使用した分析機器又は試薬、キットの取り扱い説明書、カタログなどに記載の方法を準用して行った。
なお、本明細書中に引用した技術文献、特許公報及び特許出願明細書中の記載内容は、本発明の記載内容として参照されるものとする。
(実施例1)VH,VLの増幅
ナイーブ・ライブラリー作製のために、ニワトリより、脾臓を摘出し、RNAを精製、それをテンプレートにcDNAを合成した。このcDNAをテンプレートに、抗体遺伝子特異的なプライマー[表1]を用いてVH,VL遺伝子を各々PCR法により増幅した。
PCR終了後、アガロースゲル電気泳動し、それぞれVL,VH部を切り出し、精製する。精製後のVL,VHをTAクローニングにより、pGEMベクター(Promega社製)に組み込み、大腸菌DH5αにトランスフォーメーションした。トランスフォーメーション後、LBプレート(Sigma Aldrich社製)に撒き込み、翌朝シングルクローンを採取した。これを培養し、プラスミドを精製した。VL,及びVHの遺伝子配列を解析し、VL及びVH遺伝子であることを確認した。
次いで、VLのリバースプライマーの5’端、及びVHのフォワードプライマーの5’端を、下記の配合割合で、T4 Polynucleotide kinase(NEB社製)を用いて、使用説明書に従い、37℃30分間処理し、リン酸化した。
(プライマーリン酸化反応)
プライマー 10μl
T4 Polynucleotide kinase 2μl
10×バッファー 2μl
水 6μl
プライマー及びリン酸化プライマーを用いて、配列を確認した各クローンのプラスミドからVH、VL遺伝子をそれぞれ下記条件でのPCR法にて増幅した。
(PCR反応)
プラスミド 1μl
3’プライマー(配列番号1,5) 0.5μl
5’プライマー(配列番号3,7) 0.5μl
PCR酵素(KOD FX TOYOBO) 1μl
2×バッファー 25μl
dNTP 8μl
水 14μl
(反応条件)
・98℃1分×1回
・(98℃10秒、68℃30秒)×25回
・68℃2分
・25℃
PCR終了後、アガロースゲル電気泳動し、それぞれVL,VH部を切り出し、VL及びVH遺伝子を精製した。
(実施例2)遺伝子連結反応
精製したVL,VH部遺伝子のリン酸化部分を下記の配合条件下でλエキソヌクレアーゼ(NEB社製)にて37℃30秒消化し、VL,VHの相補的な配列を露出させた。
(λエキソヌクレアーゼ反応)
VL 5μl
VH 5μl
λエキソヌクレアーゼ 0.5μl
10×バッファー 2μl
水 7.5μl

チューブを75℃30秒インキュべートし、λエキソヌクレアーゼ(NEB)を失活させたのち、Bstポリメラーゼ(NEB)2μlと10×バッファー3μlを加えて、65℃にて20分インキュべートすることで、VL,VH遺伝子をアニーリングさせると同時に、BstDNAポリメラーゼによる連結、伸張反応を起こさせ、VL−VH、即ちscFVの2本鎖遺伝子を作製した。作製したscFVを、アガロースゲル電気泳動し、バンドを確認した結果を(図5)に示す。VLとVH遺伝子のバンドが消失し、両方を合わせた750bp付近にバンドがシフトしていた。
(実施例3)単一クローンscFVのファージミドへの組み込み
作製したscFVの2本鎖遺伝子を、アガロースゲル電気泳動後、切り出し、精製した。次いで、制限酵素SfiIとNotI(Promega社製)を用いて、同社の使用説明書に従い、処理し、同様の制限酵素で処理したpCAMTAB5Eベクターにライゲーションで組み込み、大腸菌XL−1Blueにトランスフォーメーションした。トランスフォーメーション後、LBプレートに撒き込み、翌朝シングルクローンを採取した。これを培養し、プラスミドを精製した。scFVの遺伝子配列を解析し、VL,VH遺伝子及び連結部分であるリンカーの配列を確認する。確認されたscFVの遺伝子配列を(図6)に示す。読み枠のずれ、遺伝子欠失、遺伝子挿入等は見られなかった。
(実施例4)VH及びVLライブラリーの増幅
ラビットIgGで免疫したニワトリより脾臓を摘出し、RNAを精製、それをテンプレートにcDNAを合成する。このcDNAをテンプレートに、抗体遺伝子特異的なプライマー(配列番号1,3,5,7)を用いてVH,VL遺伝子をPCR法により各々増幅した。このとき、S化を含むプライマー(配列番号2,4,6,8、Sigma Aldrich社製)も使用した。
上記プライマーのうちVLの3’側プライマー(配列番号1,2,5,6)の5’端、及びVHの5’側プライマー(配列番号3,4,7,8)の5’端を下記の配合条件でリン酸化する。
(プライマーリン酸化反応)
cDNA 1μl
3’プライマー 0.5μl
5’プライマー 0.5μl
PCR酵素(KODFX) 1μl
2×バッファー 25μl
dNTP 8μl
水 14μl
(PCR反応条件)
・98℃1分×1回
・(98℃10秒、68℃30秒)×25回
・68℃2分
・25℃
PCR終了後、アガロースゲル電気泳動し、それぞれVL,VH部を切り出し、精製する。
(実施例5)ライブラリー中のVH、VL遺伝子連結反応
精製したVL,VH部遺伝子のリン酸化部分をλエキソヌクレアーゼにて37℃30秒消化し、VL,VHのリンカー配列を露出させた。
(λエキソヌクレアーゼ反応)
VL 20μl
VH 20μl
λエキソヌクレアーゼ 3μl
10×バッファー 5μl
水 2μl
チューブを75℃30秒インキュべートし、λエキソヌクレアーゼを失活させたのち、BstDNAポリメラーゼ2μlと10×バッファー3μlを加えて、65℃にて20分インキュべートすることで、VL,VH遺伝子をアニーリングさせると同時に、BstDNAポリメラーゼによる連結、伸張反応を起こさせ、scFVの2本鎖遺伝子を作製する。作製したscFVを、アガロースゲル電気泳動し、scFVを切り出しと共に、バンドを確認する。結果を(図7)に示す。単一クローンと同様に、VLとVH遺伝子のバンドが消失し、両方を合わせた750bp付近にバンドがシフトしていた。S化プライマーを用いた場合が、一番バンドのシフトが効率的に起こっていた。すなわち、scFvがより効率的に形成されていた。
(実施例6)scFV遺伝子ライブラリーのファージミドへの組み込み
scFV遺伝子を精製し、制限酵素SfiIとNotI(Promega社製)を用いて同社の使用説明書に従い処理し、同様の制限酵素で処理したpCAMTAB5Eベクターにライゲーションで組み込み、大腸菌XL−1Blueにトランスフォーメーションした。トランスフォーメーション後、LBプレートに撒き込み、翌朝シングルクローンを採取した。これを培養し、プラスミドを精製した。scFVの遺伝子配列を解析し、VL,VH遺伝子及び連結部分であるリンカーの配列を確認した。
(実施例7)ライブラリーの遺伝子多様性
採取した48クローンのコロニーを用いて、コロニーPCR法によりscFVを増幅し、反応液をBstOI(Promega社製)を用いて、同社の使用説明書に従い処理した。その後処理溶液を、アガロースゲル電気泳動し、48クローンのscFV遺伝子の切断パターンよりライブラリーの多様性を確認した。結果を(図8)に示す。制限酵素による切断パターンは48クローン全て異なっており、充分な多様性が確保されたライブラリーを構築できたことが示されている。
(実施例8)結合活性を持つscFVの単離
scFV遺伝子ライブラリーの、大腸菌XL−1BlueトランスフォーメーションコロニーをLBプレートから全て回収し、2×YT培地で37℃、OD(595nm)が0.6に達するまで培養し、M13KO7ヘルパーファージ(NEB)を感染させた。その後、37℃一晩培養し、培養上清からポリエチレングリコール沈殿により、scFVファージライブラリーを精製する。精製したVL―VHファージライブラリーは抗原(ラビットIgG)をコートしたプレートを用いて1回目のパニングを行い、抗原(ラビットIgG)に結合したファージを溶出し、2×YT培地で37℃、OD(595nm)が0.6に達するまで培養した大腸菌XL−1Blueに感染させた。続いて、M13KO7ヘルパーファージを感染させ、感染させたXL−1BlueをLBプレートに巻き込み、翌朝大腸菌XL−1Blueトランスフォーメーションコロニーを全て回収し、再び2回目のパニングを行った。パニングは3回行い、最後のパニング後の大腸菌XL−1Blueトランスフォーメーションクローンより結合活性を持つscFVを単離した。
(実施例9)単離したscFVのELISAによる結合活性の確認
パニングを3回後のLBプレートから大腸菌XL−1Blueトランスフォーメーションコロニーを10個拾い、それぞれ2×YT培地で37℃、OD(595nm)が0.6に達するまで培養し、M13KO7ヘルパーファージを感染させた。その後、37℃1晩培養し、培養上清からポリエチレングリコール沈殿により、scFVファージを精製する。scFVファージの希釈系列を抗原(ラビットIgG)及びネガティブコントロールとしてBSA(WAKO)をコートした96穴プレート(抗原コートの後、BSAでブロッキング)に分注し、37℃2時間反応させ、その後洗浄する。次いでHRP標識抗M13KO7抗体(GE Healthcare)を4000倍希釈、分注し、37℃1時間反応させ、その後洗浄する。発色基質DAB(SIGMA)を加え、室温で発色させた後、プレートリーダーで450nmの吸光を測定する。測定結果を(図9)に示す。10クローン中、No.3,5,8,9に結合活性がみられた。
(実施例10)結合活性を持つscFVの配列確認
結合活性を確認したNo.3,5,8,9のクローンを培養し、プラスミドを精製した。scFVの遺伝子配列を解析し、VL,VH遺伝子及び連結部分であるリンカーの配列を確認する。単一クローンと同様に読み枠のずれ、遺伝子欠失、遺伝子挿入等は見られなかった。No.5の配列解析の結果を(図10)に示す。
[配列表フリーテキスト]
配列番号1:VL forward primer
配列番号2:VL forward primer(S)
配列番号3:VL reverse primer
配列番号4:VL reverse primer(S)
配列番号5:VH forward primer
配列番号6:VH forward primer(S)
配列番号7:VH reverse primer
配列番号8:VH reverse primer(S)
配列番号9:DNA sequence of chicken scFv constructed with λ-exonulease method
配列番号10:DNA sequence of chicken scFv spefific to rabbit IgG

Claims (9)

  1. 第1のDNAと第2のDNAとをリンカー部を介して連結するための遺伝子連結法において、
    ここで、第1のDNAと第2のDNAは、同一もしくは異なるDNA分子であって、それぞれが単一のDNA分子又はDNAライブラリー中の任意のDNA分子であり、
    下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする遺伝子連結方法;
    (1)第1及び第2のDNA増幅用のプライマーセットを用意する工程であって、第1のDNA増幅用のリバースプライマーの5’側、及び第2のDNA増幅用のフォワードプライマーの5’側のそれぞれにリンカー配列を付加すると共に、その5’末端塩基をリン酸化する工程、
    (2)第1及び第2のDNAのそれぞれをPCRで増幅し、片方の鎖がリン酸化されたリンカー領域を有する状態で増幅された第1’及び第2’のDNAを得る工程、
    (3)第1’及び第2’のDNAに設けられたリンカー領域が1本鎖になるまでλエキソヌクレアーゼで消化する工程、
    (4)両者をアニーリングする工程、
    (5)BstDNAポリメラーゼを作用させて、3’方向に鎖置換反応を起こさせる工程。
  2. 前記工程(1)において、第1のDNA増幅用のリバースプライマー及び第2のDNA増幅用のフォワードプライマーにそれぞれ設けられたリンカー配列中の3’側から1〜6塩基のいずれかの塩基をS化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(1)において、第1のDNA増幅用のフォワードプライマーの5’側末端塩基、及び第2のDNA増幅用のリバースプライマーの5’側末端塩基をS化することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第1のDNAが、抗体のH鎖可変領域をコードするDNAもしくはDNAライブラリー中のDNAであり、かつ第2の核酸がL鎖可変領域をコードするDNAもしくはDNAライブラリー中のDNAであるか、又はその反対であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第1のDNAライブラリー中のそれぞれの第1のDNA分子と第2のDNAライブラリー中のそれぞれの第2のDNA分子に対し、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遺伝子連結方法を適用することにより、第1及び第2のDNAライブラリーのそれぞれから選択された任意のDNA分子同士をリンカーを介して連結させることを特徴とする、第1及び第2のDNAライブラリーのそれぞれから選択された任意のDNA分子同士がリンカーを介して連結されている融合DNA分子群からなる融合DNAライブラリーの製造方法
  6. 請求項5に記載の方法により融合DNAライブラリーを製造し、当該ライブラリーをファージミドに繋ぎ、大腸菌を形質転換して、ファージ表面の融合タンパク質と関連づけた融合タンパク質ライブラリーを製造することを特徴とする、融合タンパク質ライブラリーの製造方法
  7. 請求項6に記載の方法により融合タンパク質ライブラリーを製造し、当該ライブラリーに対して、標的物質を固定化した基板表面に結合させるパニング工程を適用することを含む、標的物質との結合活性を有する融合タンパク質又はそれをコードする遺伝子のスクリーニング方法。
  8. 請求項6に記載の方法により融合タンパク質ライブラリーを製造し、当該ライブラリーに対して、標的物質を固定化した基板表面に結合させるパニング工程,増殖工程、及び精製工程を繰り返すことによる、標的物質との結合活性の高い融合タンパク質の大量生産方法。
  9. 融合タンパク質が単鎖抗体である請求項8に記載の方法。
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