JP6000782B2 - 塗布装置および液受け洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布装置に関し、より特定的には、ステージ上に載置した基板にノズルから液柱状態の塗布液を吐出して塗布する塗布装置と、そのための液受け洗浄装置に関する。
従来、ノズルから塗布液を吐出しつつ、基板を走査して基板に塗布液を塗布する塗布装置が開発されている。例えば、有機EL表示装置を製造する装置では、ステージ上に載置されたガラス基板等の基板の主面に所定のパターン形状で有機EL材料がノズルを用いて塗布される。
このような塗布装置においては、基板に塗布液を塗布する際、ノズルが基板外に移動したときに基板外に塗布された塗布液や不要な塗布液を回収するために、基板外に塗布液を受ける液受け部が配設される。これは、いったんノズルからの塗布液の吐出を中止すると、塗布液がノズルの吐出口付近で凝固してしまい、以後の塗布に悪影響を与えてしまうことと関係している。すなわちこのような状況を防止するために、ノズルが基板外にあるときにもノズルからの塗布液の吐出を継続させているが、その際に吐出された塗布液を受けて回収あるいは廃棄する必要があるためである。例えば、特許文献1の液受け部ではその内部に空間を設け、その空間内を負圧にすることにより、液受け部の上面に吐出された塗布液を吸引する構成が示されている。
また、特許文献2には、塗布液を吐出するノズルの吐出口を洗浄するために、ノズルの下方より吐出口に洗浄液を供給するノズル洗浄装置3が液受け部に隣接して設けられる構成が示されている。
特開2011−167655号公報 特開2009−45541号公報
しかしながら、特許文献2に示すようなノズル洗浄装置の場合、塗布ノズルからの塗布液の吐出を行った状態でノズル洗浄を行うにあたって、吐出された塗布液がノズル洗浄装置の洗浄ノズルに衝突することで、塗布液がミスト状に飛散するおそれがある。また、塗布ノズルから吐出された塗布液が、吐出直後は液柱状態を保っていても、吐出されてから距離が長くなるにつれて液滴化し、さらにはミスト化し飛散するおそれがある。
さらに、特許文献1に示すような吸引機能を有する液受け部をノズル洗浄装置に隣接して配置すると、上記ミストが液受け部の吸引機能により生じた気流によって巻き上げられ塗布ノズルやその周辺(例えば、塗布ノズルを保持する部材の下面)に付着する可能性が生じる。
塗布ノズルは処理対象基板の上方を走査するため、このようにノズル周辺にミストが付着すると、パーティクル(ミストが固化したもの)が基板上に落下する恐れもあり、歩留まりの低下につながる。
他方、ノズル洗浄の度にノズルからの塗布液の吐出を停止すれば、ミストの発生を抑制しつつノズルを洗浄することが可能である。しかし、この場合には、塗布液の再吐出の際に塗布液が液柱状態で流量が安定して吐出されるまでに長時間を要するため、待機時間が生じてしまいスループットの低下に繋がる。
本発明は以上の課題を鑑みてなされたものであり、塗布液を吐出しつつノズルの洗浄処理を行っても、この洗浄処理によって発生するミストが塗布ノズルやその周辺に付着することを防止できる塗布装置を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基板上に塗布液を塗布する塗布装置であって、前記基板の保持領域の上方の空間を移動可能であって、前記塗布液を下方に液柱状態で吐出する吐出口を有するノズルと、吸引経路に接続された内部空間を有し、かつ、前記内部空間の上面は前記内部空間の上開口を覆う多孔性の面状体の上面によって規定されるとともに、前記ノズルが前記基板の存在領域外にあるときに前記ノズルから吐出された前記塗布液を、上方から前記内部空間に受ける液受け部と、前記液受け部の近傍に前記液受け部と一体化されて配置されるとともに、所定の洗浄液を前記面状体より上方に放出可能な開口を有し、前記洗浄液によって前記ノズルの前記吐出口の洗浄処理を前記面状体より上方にて行うノズル洗浄装置と、を備え、前記吸引経路を通じた吸引によって前記液受け部の前記内部空間が負圧状態となることにより前記液受け部の近傍空間に発生する気流のうち、下向きの成分を有する下降気流が発生する空間領域である下降気流領域内において、前記ノズル洗浄装置の前記開口が、前記液受け部に対して相対的に固定配置されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗布装置であって、前記ノズル洗浄装置の前記開口が前記液受け部の前記内部空間の上面よりも上方に固定配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の塗布装置であって、一体化された前記液受け部と前記ノズル洗浄装置との上面が、前記多孔性の面状体で形成されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗布装置であって、前記ノズル洗浄装置の一部が前記液受け部の内部に配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗布装置であって、前記液受け部と前記ノズル洗浄装置との双方を一体的に移動させる一体的移動機構を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、基板の塗布装置のノズルから下方に液柱状態で吐出される塗布液を受けるとともに、前記ノズルの洗浄を行う液受け洗浄装置であって、吸引経路に接続された内部空間を有し、かつ、前記内部空間の上面は前記内部空間の上開口を覆う多孔性の面状体の上面によって規定されるとともに、前記ノズルが前記基板の存在領域外にあるときに前記ノズルから吐出された前記塗布液を、上方から前記内部空間に受ける液受け部と、前記液受け部と一体化され、所定の洗浄液を前記面状体より上方に放出可能な開口を有し、前記洗浄液によって前記ノズルの吐出口の洗浄処理を前記面状体より上方にて行うノズル洗浄装置と、を備え、前記吸引経路を通じた吸引によって前記液受け部の前記内部空間が負圧状態となることにより前記液受け部の近傍空間に発生する気流のうち、下向きの成分を有する下降気流が発生する空間領域である下降気流領域内において、前記ノズル洗浄装置の前記口が、前記液受け部に対して相対的に固定配置されることを特徴とする。
請求項1〜請求項の発明によれば、液受け部の近傍空間に発生する気流のうち、下降気流が発生する空間領域である下降気流領域内にノズル洗浄装置の洗浄液を供給可能な開口を配置することで、洗浄処理の際に発生するミストが気流によって上方に巻き上げられる原因が減少し、そのようなミストが塗布ノズルやその周辺に付着することを防止できる。また、液受け部の上面が多孔性の面状体によって構成されるため、液受け部の上面を気体が通過しやすい。したがって、内部空間を負圧にする際に、液受け部上面で気流が発生しやすい。
特に、請求項の発明においては、液受け部とノズル洗浄装置とを一体的に移動させる一体的移動機構を備える塗布装置であるので、省スペース化および制御の簡易化を実現できる。

塗布装置1の上面図である。 塗布装置1の正面図である。 液受け部3の概要を示す斜視図である。 液受け部3の断面を示す概略的な断面図である。 液受け洗浄装置4の概要を示す斜視図である。 液受け洗浄装置4の断面を示す概略的な断面図である。 液受け洗浄装置4の断面を示す概略的な断面図である。 制御部10の電気的な構成を示すブロック図である。 塗布装置1の動作を示すフロー図である。 液受け洗浄装置4の洗浄動作を示すフロー図である。 液受け洗浄装置4の洗浄動作中における、塗布ユニット50と液受け洗浄装置4との相対的な位置関係を示す図である。 液受け洗浄装置4周辺の気流6を示す図である。 他の実施形態における液受け洗浄装置4周辺の気流6を示す図である。 他の実施形態における液受け部3周辺の気流6を示す図である。 比較例における液受け部3周辺の気流6を示す図である。
{実施の形態}
<1.1 塗布装置1の全体の概略構成>
以下、本発明の実施形態に係る塗布装置1について、図面を参照しつつ説明を行う。説明を具体的にするために、当該塗布装置が有機EL材料や正孔輸送材料等を塗布液として用いる有機EL表示装置を製造する塗布装置に適用された例を用いて、以下の説明を行う。当該塗布装置1は、有機EL材料や正孔輸送材料等を、ステージ上に載置されたガラス基板上に所定のパターン形状に塗布して有機EL表示装置のパネルを製造するものである。なお、この明細書に添付した図において、X方向およびY方向は水平面を規定する2次元座標軸であり、Z方向はXY面に垂直な鉛直方向を規定している。
図1は、塗布装置1の要部概略構成を示す平面図である。また、図2は、塗布装置1の正面図である。なお、塗布装置1は、上述したように有機EL材料や正孔輸送材料等の複数の塗布液を用いるが、それらの代表として有機EL材料を塗布液として説明を行う。
図1,図2において、塗布装置1は、大略的に、基板載置装置2、液受け部3、液受け洗浄装置4、有機EL塗布機構5、および、制御部10を備えている。
<1.2 塗布装置1内の各装置の構成>
<1.2.1 基板載置装置2の構成>
図2に示すように、基板載置装置2は、ステージ21、旋回部22、平行移動テーブル23、ガイド受け部24、およびガイド部材25を有している。
ステージ21は、被塗布体となるガラス基板等の基板Pをそのステージ上面に載置する水平な厚板状の剛性材である。ステージ21の下部は、旋回部22によって支持されており、旋回部22の回動動作によって図示θ方向にステージ21が水平面内で旋回可能に構成されている。
また、ステージ21の内部には、有機EL材料が塗布された基板Pをステージ21面上で予備加熱処理するための加熱機構や基板Pを下方から吸着して保持する吸着機構や、基板Pを搬送機構との間で受け渡しする際に利用される受け渡しピン機構等(いずれも図示せず)が設けられている。
有機EL塗布機構5の下方を通るように、ガイド部材25が図示Y軸方向に延設されて床面に水平に固定される。平行移動テーブル23の下面には、ガイド部材25と当接してガイド部材25上を滑動するガイド受け部24が固設されている。
また、平行移動テーブル23の上面には、旋回部22が固設される。これによって、平行移動テーブル23が、例えばリニアモータ(図示せず)からの駆動力を受けてガイド部材25に沿った図示Y軸方向に移動可能になり、旋回部22に支持されたステージ21の水平直進移動も可能になる。なお、以下の説明においては、平行移動テーブル23、ガイド受け部24、ガイド部材25、および、例えばリニアモータ(図示せず)からなる機構について、「ステージ移動機構26」と称することがある。
<1.2.2 液受け部3の構成>
液受け部3は複数の塗布ノズル52a〜52cが基板の存在領域(ステージ21の広がりよりも若干広い領域)の上方空間から外れた位置にあるときに、これらの塗布ノズル52a〜52cより吐出される有機EL材料(塗布液)を受けて吸引する装置であり、図1および図2に示すように、基板Pから+X方向に隣接する側部空間に配置される。
図3は、液受け部3の概略を示す斜視図である。また、図4は、図3に示すA3−A3断面から−X方向を見た場合の断面図である。
図3および図4に示すように、液受け部3は、ボックス部31、接液部材32、および排出部33を備えている。
ボックス部31は、X軸方向に伸びる横長形でかつ底面の一部に傾斜床を持つ箱形状であり、ノズル移動機構51との位置関係が常時固定されるように固設されている。その傾斜床は、下側端縁31aと上側端縁31bとによって規定される傾斜面となっており、後述するようにボックス部31内に落下した塗布液はこの傾斜床に沿って一方側(下側端縁31aの側)に流下して一時的に貯留する(図1〜図4参照)。
ボックス部31の上面には、多孔性材料からなる面状体の接液部材32が上方に開放した状態で配置されている。この明細書で言うところの「多孔性材料」とは、塗布液が通過できる程度の小孔が多数分布した材料一般を指しており、樹脂やセラミックスなどがその製造過程で多数の小孔を内包する状態となった「多孔質材料」でもよく、平面材に多数の小孔を分布形成した板状材や、網目によって多数の小孔が分布した網状のように、加工によって形成された小孔が分布するような「多孔形成部材」であってもよい。そして、この接液部材32の幅(Y方向の長さ)は、複数の塗布ノズル52a〜52cから液柱状態で吐出される有機EL材料を全て塗着させることができる幅、すなわち複数の塗布ノズル52a〜52cの配列幅と同等またはそれ以上のサイズとなっている。
また、液受け部3の内部はボックス部31と接液部材32によって囲まれる中空の内部空間L1を備えている。内部空間L1の側面および下面には、排気および排液を行う排出部33を構成する排出配管が連通している。したがって、内部空間L1の上開口は多孔性材料からなる面状体の接液部材32で覆われており、内部空間L1の上開口以外の面には排出部33が設けられている。
塗布処理の詳細な説明は後述するが、基板Pに対して有機EL材料を塗布する際、塗布ノズル52a〜52cは有機EL材料を吐出しつつX方向に沿って移動して基板Pの上方を往復走査する。また、塗布ノズル52a〜52cとステージ21上に載置される基板PとがY方向に相対的に移動することにより、塗布ノズル52a〜52cからの塗布液による基板Pの上面の2次元的な走査(X方向の主走査とY方向の副走査との組み合わせ)が達成される。ノズル52a〜52cが+X方向の走査(主走査)に伴って液受け部3の上方に移動されるとき、塗布ノズル52a〜52cと接液部材32が対向するように液受け部3が配置されている。そのため、塗布ノズル52a〜52cから基板Pの外部に吐出される塗布液は接液部材32の上面に接液する。
接液部材32の下面はボックス部31の内部空間L1に面しており、この内部空間L1に連通する排出部33によって負圧に維持されている。そのため、多孔性材料である接液部材32の上面に付着した塗布液は接液部材32に分布した小孔群を通過して内部空間L1に向かって吸引され、ボックス部31内に滴下する。そして、既述したようにボックス部31の底面の一部は+X方向側に低くなるように傾斜されているため、ボックス部31内の傾斜面に滴下した塗布液は傾斜に沿って流れる。
さらに、ボックス部31の側面および+X方向側の下面(底面の最下位置)には排出部33が連通しているので、液受け部3に吐出された塗布液はこの排出部33より排出される。なお、排出部33は図示しない気液分離装置に接続されているため、排出部33によりボックス部31から排出された気液は排気と排液に分けて処理される。
本実施形態で用いられている接液部材32は、ポリエチレンなどの樹脂を焼結成形することによって形成されている。塗布される液に応じて、樹脂材料は適宜選択可能であるが、一例としてはサンファイン(旭化成ケミカルズ株式会社の登録商標)などが用いられる。一般的に多孔性材料は、樹脂等の粉末を焼結成形することにより形成され、内部に不規則な空隙が立体的に形成されている。そのため、気体や液体などの流体を通過させることが可能となっている。なお、このような構成としては、金属により形成された多孔性材料を採用しても良い。
なお、排出部33によって内部空間L1内の空気が排出され内部空間L1内が負圧に保たれるタイミングについては、制御部10により適宜設定することが可能である。本実施形態においては、排出部33は、塗布ノズル52a〜52cから塗布液が吐出されているときはオン状態(排出状態)となり、塗布ノズル52a〜52cから塗布液が吐出されていないときはオフ状態(非排出状態)となるよう、制御部10によって制御される。
また、本実施形態では、排出部33はボックス部31の+Y方向の側面に2本と下面に1本とで形成されているが、ボックス部31のX方向の長さや要求される負圧に応じて、その取り付け位置や本数を適宜選択することが可能である。なお、排出部33(および後述する排出部43)が本発明における「吸引経路」に相当し、上記排出状態が本発明における「吸引経路を通じた吸引」に相当する。
以上のような構成となっているため、接液部材32の下面と接している内部空間L1が負圧となり、その上方には内部空間L1の上部開口に向けての気流が発生する。この気流に沿って、接液した塗布液は周囲の気体とともに急速に下面に吸引される。そのため、接液部材32の上方およびその付近は塗布液の浮遊ミストが存在せず、乾いた状態となっている。この気流についての詳細な説明は後述する。
<1.2.3 液受け洗浄装置4の構成>
図5(a)は、液受け洗浄装置4の概略を示す斜視図であり、図5(b)はそのうちの一部を拡大して示す図である。また、図6は図5(a)に示すA5−A5断面から−X方向を見た場合の液受け洗浄装置4の断面図であり、図7は図5に示すA5−A5断面から+X方向を見た場合の液受け洗浄装置4の断面図である。図1、図2、図5〜図7に示すように、液受け洗浄装置4は、ボックス部41、接液部材42、排出部43、洗浄ノズル45a〜45c、共通配管46a〜46c、供給配管461a〜461c、吸引配管462a〜462c、Y方向移動機構48、および、昇降機構49を備えている。
液受け洗浄装置4は塗布ノズル52a〜52cより吐出される有機EL材料(塗布液)を捕集して吸引する液受け部としての機能と、塗布ノズル52a〜52cの先端の吐出口を洗浄する洗浄部としての機能を兼ね備える装置であり、図1および図2に示すように、基板に対して−X方向に配置される。本発明における「液受け部」には、本実施形態における「液受け部3」および「液受け洗浄装置4」が相当する。
液受け洗浄装置4におけるボックス部41、接液部材42、および、排出部43は、液受け部3におけるボックス部31、接液部材32、および、排出部33に対応した構成となっているが、ノズル洗浄のための後述する各要素と一体化されていることによる形状としての一部相異がある。具体的には、多孔性材料からなる平面視で略T文字状の接液部材42の下面に接して、同様に平面視で略T文字状となったボックス部41が設けられており、ボックス部41内の内部空間L2には、内部空間L2内の空気および内部空間L2内に滴下される液体(例えば、有機EL材料)を吸引する排出部43(排出配管)が設けられている。また、ボックス部41は底面の一部に傾斜床を有しており、その傾斜床は下側端縁41aと上側端縁41bとによって規定される傾斜面となっている。
このような構成となっているため、液受け洗浄装置4は液受け部3と同様に、接液部材42の下面と接している内部空間L2が負圧となり、その上方には内部空間L2に向けての気流が発生する。この気流に沿って、接液した塗布液は周囲の気体とともに急速に下面に吸引される。そのため、接液部材42の上方およびその付近は塗布液の浮遊ミストが存在せず、乾いた状態となっている。この気流についての詳細な説明は後述する。
また、図7に示すように、共通配管46a〜46cは、ボックス部41の側面を水平方向に、そして接液部材42を鉛直方向に貫通する構成となっている。そして、共通配管46a〜46cの上側の端には洗浄ノズル45a〜45cが設けられており、共通配管46a〜46cの下側の端には供給配管461a〜461c、および、吸引配管462a〜462cが設けられている。共通配管46a〜46cの名称に付された「共通」とは、共通配管46a〜46cが洗浄液の供給と吸引との共通の経路部分を提供していることを意味する。
また、図5(a)および図7に示すように、3つの洗浄ノズル45a〜45cの先端は、それらの高さ(Z軸方向に関する位置)が同じであり、水平XY面内においてはX軸方向から傾いた斜め方向に、等間隔でほぼ直線的に1列に配置されている。このような配置関係は、後述する塗布ノズル52a〜52cについても同様であるので、塗布ノズル52a〜52cとあわせて後段にて説明する。
さらに、供給配管461a〜461cの他端には洗浄液供給機構(例えばポンプなど)が備えられており、吸引配管462a〜462cの他端には吸引機構(例えば吸引ポンプなど)が備えられている。また、供給配管461a〜461cおよび吸引配管462a〜462cには配管の開度を設定するバルブが設けられている(いずれも図示省略)。
また、液受け洗浄装置4には、Y方向移動機構48および昇降機構49が設けられており、液受け洗浄装置4はY方向およびZ方向に自在に移動可能である。これらの機構は、液受け洗浄装置4を移動させることができれば足り、例えばシリンダによる移動機構を採用することができる。そして、これらの移動機構によって、洗浄時には塗布ノズル52a〜52cと洗浄ノズル45a〜45cが対向するよう移動される。本実施形態においては、Y方向移動機構48および昇降機構49が、液受け洗浄装置4を構成する「液受け部」と「ノズル洗浄装置」との双方を一体的に移動させる一体的移動機構として機能する。
液受け洗浄装置4は以上のような構成となっているため、次に説明する、洗浄液供給処理および吸引処理を行うことができる。
バルブにより吸引配管462a〜462cが閉じられた状態で、洗浄液供給機構により洗浄液の供給を行うことで、洗浄液は供給配管461a〜461cおよび共通配管46a〜46cを通って洗浄ノズル45a〜45cまで供給される。そのため、洗浄ノズル45a〜45cと塗布ノズル52a〜52cとが対向されることによって、洗浄ノズル45a〜45cの開口45m(図5(b)参照)から湧出された洗浄液によって、塗布ノズル52a〜52cのそれぞれの先端に洗浄液を供給することができる(洗浄液供給処理)。
なお、洗浄液は、例えば、塗布液が有機溶媒を含む溶液である場合、当該有機溶媒を含む液体(当該有機溶媒の純溶媒でもよい)が好ましい。具体的には、塗布液の溶媒がトルエンであれば、洗浄液としてトルエンを用いればよい。
また、バルブにより供給配管461a〜461cが閉じられた状態で吸引機構により吸引動作を行うことで、吸引配管462a〜462cおよび共通配管46a〜46cを通じて、洗浄ノズル45a〜45c付近の洗浄液等を吸引することができる。そのため、洗浄ノズル45a〜45cと塗布ノズル52a〜52cとが対向されることによって、塗布ノズル52a〜52c周辺の気体、液体(塗布液や洗浄液)、およびパーティクルを吸引配管462a〜462cを通じて吸引し、図示しない気液分類装置に送出することができる(吸引処理)。また、このような吸引処理によって塗布ノズル52a〜52cを乾燥させることができる。
なお、液受け洗浄装置4にかかる動作(移動、洗浄液供給処理、吸引処理等)の詳細については後述する。また、塗布装置1におけるこれらの各種動作は制御部10によって制御される。
また、洗浄ノズル45a〜45cの先端に形成された開口45mが、本発明における「洗浄液を上方に放出可能な開口」に相当する。そして、本発明における「ノズル洗浄装置内の開口が、液受け部に対して相対的に固定配置される」とは、本実施形態においては、「洗浄ノズル45a〜45c(より詳細には、開口45m)が、液受け部に対して相対的に固定配置される」ことに対応している。
ここで、液受け洗浄装置4の構成について整理する。図1および図5(a)に示すように、液受け洗浄装置4は平面視で略T文字状をしている箱形状である。以下の説明において、液受け洗浄装置4のT字の横棒(―)に相当する部分(図5(a)のB5−B5断面より+Y方向の部分)を特に、「液受け洗浄装置4の液受けブロック4a」と称し、T字の縦棒(|)に相当する部分(図5のB5−B5断面より−Y方向の部分)を特に、「液受け洗浄装置4の洗浄ブロック4b」と称する。
なお、液受けブロック4aと洗浄ブロック4bとは、液受け洗浄装置4の2つの部分を概念的に区別しているに過ぎず、実際にはそれらを隔てる部材等もなく一体の液受け洗浄装置4を構成している。
液受けブロック4aの主たる機能は、液受け部3の構成と同様、液受け機能である。したがって、塗布ノズル52a〜52cが有機EL材料を吐出しつつ−X方向に沿って基板Pの上方を走査した後、その走査のための塗布ノズル52a〜52cの移動を持続することにより、塗布ノズル52a〜52cは液受けブロック4aの上方に移動される。このとき、塗布ノズル52a〜52cの下端にある吐出口と接液部材42が対向するように液受けブロック4aは配置されているため、塗布ノズル52a〜52cから吐出される塗布液は液受けブロック4aの接液部材42の上面に接液する。
一方、洗浄ブロック4bは、主として塗布ノズル52a〜52cの洗浄機能を有する構成であるので、塗布ノズル52a〜52cの洗浄処理を行う場合にのみ、洗浄ブロック4bの洗浄液放出機能および吸引機能が能動化される。
この場合、Y方向移動機構48および昇降機構49によって、液受けブロック4aの上方にある塗布ノズル52a〜52cの各吐出口が洗浄ノズル45a〜45c(洗浄ブロック4b)のそれぞれの開口45mのほぼ直上にくるように、液受け洗浄装置4が移動され、上述した洗浄液供給処理および吸引処理が行われる。
なお、本実施形態の液受け洗浄装置4では、塗布ノズル52a〜52cから有機EL材料が吐出されている期間においても、吐出されていない期間においても、塗布ノズル52a〜52cに対して上記洗浄液供給処理および吸引処理を行うことが可能である。
<1.2.4 有機EL塗布機構5の構成>
有機EL塗布機構5について、主に図1および図2を参照しつつ説明する。有機EL塗布機構5は、ノズルユニット50とノズル移動機構51とを有している。
ノズルユニット50は、赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料を吐出する複数の塗布ノズル52(図1では、3本の塗布ノズル52a、52b、および52c)を並設した状態で保持する。
各塗布ノズル52a〜52cへは、それぞれ図示しない供給部から赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料が供給される。このように、複数の塗布ノズル52から同じ色の有機EL材料が吐出されるが、説明を具体的にするために赤色の有機EL材料が3本の塗布ノズル52a〜52cから吐出される例を用いる。
塗布ノズル52a〜52cは、その高さ(Z軸方向に関する位置)は同じであり、X軸方向に沿ってほぼ1列に配置されているが、Y軸方向に関して少しずつずれて配置されている。また、ノズルピッチ(各ノズル間のY方向の間隔)は、適宜設定することが可能であるが、本実施形態においては、基板Pに形成されたストライプ状の溝3列分の間隔と一致するように設定されている。このような配置関係は、上述した洗浄ノズル45a〜45cと同様である。
ノズル移動機構51は、図示X軸方向に延設されているシャフトガイド511およびボールネジ512と、図示しないモータとにより構成される。ノズルユニット50には、ボールネジ512が螺合し、シャフトガイド511が貫通している構成となっている。そのため、図示しないモータにより、ボールネジが回転されると、それと螺合されるノズルユニット50はガイドシャフトに沿って、X方向に自在に移動する。
したがって、制御部10が、塗布ノズル52a〜52cから有機EL材料を塗布させつつ、ノズルユニット50をX軸方向に沿って移動させるようにノズル移動機構51を制御することで、ステージ21上に保持される基板Pの溝に、塗布ノズル52a〜52cから所定流量の有機EL材料を吐出させる。このとき、本実施形態の塗布装置1では、塗布ノズル52a〜52cのピッチが基板Pの溝3列分と一致するため、互いに2列ずつ間隔をあけた3列分の溝について塗布が行われる。
また、塗布ノズル52a〜52cのX軸方向吐出位置において、ステージ21に載置された基板Pから逸脱する両サイドの空間には、基板Pから外れて吐出された有機EL材料を受ける液受け部3(+X側)および液受け洗浄装置4(−X側)がそれぞれ設けられている。ノズル移動機構51は、基板Pの一方サイド外側に配設されている液受け部3(或いは、液受け洗浄装置4)の上部空間から、基板Pを横断して基板Pの他方サイド外側に配設されている液受け洗浄装置4(或いは、液受け部3)の上部空間まで、ノズルユニット50を移動させることで、基板上に有機EL材料を塗布する。なお、上記「基板Pから逸脱する両サイドの空間」が、本発明における「基板の存在領域外」に相当する。
また、平行移動テーブル23は、ノズルユニット50が液受け部3の上部空間に配置されている際、ノズル往復移動方向とは垂直の所定方向(図示Y軸方向)に所定ピッチ(例えば、ノズルピッチの3倍分)だけステージ21を移動させる。このようなノズル移動機構51および平行移動テーブル23の動作と、塗布ノズル52a〜52cから有機EL材料を液柱状態で吐出する吐出動作とを行うことによって、赤色の有機EL材料が基板Pに形成されたストライプ状の溝毎に配列された、いわゆる、ストライプ配列が基板P上に形成される。
また、本実施形態の塗布装置1には、基板上に塗布すべきパターンに対応して塗布ノズル45a〜45cのY軸方向のピッチを個別に調整する機構を備えても良い。このようなピッチ調整の機構としては、ピッチ調整機構(特開2008-155138号公報)など種々のピッチ調整の機構を採用することができる。
<1.2.5 制御部10の構成>
図8は、塗布装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
制御部10は、図8に示されるように、例えば、CPU11、ROM12、RAM13、記憶装置14等が、バスライン15を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成される。ROM12は基本プログラム等を格納しており、RAM13はCPU11が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置14は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成される。
また、制御部10では、入力部16および出力部17もバスライン15に接続されている。入力部16では、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータ(塗布装置1を操作する作業者)から処理レシピ等の各種の入力設定指示を受ける。出力部17は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU11による制御のもと各種の情報を表示する。
さらに、制御部10には、基板載置装置2、液受け部3、液受け洗浄装置4、有機EL塗布機構5が制御対象として接続されている。以上のような構成となっているため、制御部10によって、塗布装置1内の各装置(基板載置装置2、液受け部3、液受け洗浄装置4、有機EL塗布機構5)の動作が制御される。
<2.1 塗布装置1の全体動作>
次に、上記のように構成された塗布装置1の動作を説明する。図9は、塗布装置1において1枚の基板Pに有機EL材料の塗布処理が行われる際の工程を示したブロック図である。以下、図9を参照しつつ塗布装置1の塗布処理の概要について説明する。
塗布装置1における塗布処理の対象となる基板Pは、図示しない搬送ロボット等によって塗布装置1に搬入されてステージ21上に載置される。このとき、基板Pは、有機EL発光セルの列を規定するように形成された多数の溝がX軸方向に平行となるように載置される(ステップST1)。塗布装置1に搬入されてくる基板Pには、有機EL発光セル用の陽極および正孔輸送層がすでに形成されている。
塗布装置1に搬入された基板Pがステージ21に固定されると、制御部10は、液受け洗浄装置4、ステージ21、および、塗布ノズルユニット50を初期位置に移動させる(ステップST2)。具体的には、制御部10は、Y方向移動機構48および昇降機構49によって、液受け洗浄装置4の液受けブロック4aが液受け部3と同じY方向位置およびZ方向位置となるように、液受け洗浄装置4の全体を移動させる。
また、予め定められた初期位置にステージ21を基板Pごと移動させるとともに、ノズル移動機構51(シャフトガイド511、ボールネジ512)の一端に塗布ノズルユニット50を移動させる。このとき、ノズルユニット50は、液受け部3の上方(+X側の一端)か液受け洗浄装置4の液受けブロック4aの上方(−X側の一端)かどちらか一方に移動される。以下の説明では、ノズルユニット50の初期位置が液受け部3の上方である場合について説明する。
なお、ステージ21の初期位置は、基板PにおいてY軸方向に並んで形成された複数本の溝のうちの最もY軸正方向側にある溝の真上に塗布ノズル52c(各塗布ノズル52a〜52cのうちで最もY軸正方向側にある塗布ノズル)が位置する位置である。以上のように液受け洗浄装置4、ステージ21、および、塗布ノズルユニット50が初期位置に配置されると、制御部10は塗布ノズル52a〜52cから有機EL材料の吐出を開始する(ステップST3)。
塗布ノズルユニット50の各塗布ノズル52a〜52cから赤色の有機EL材料が吐出されるとともに、塗布ノズルユニット50がノズル移動機構51(シャフトガイド511、ボールネジ512)の一端(液受け部3の上方)から他端(液受けブロック4aの上方)へ移動する(ステップST4)。このステップST4の工程を、以下「一回の塗布動作(主走査)」と称する。
なお、上述のように、各塗布ノズル52a〜52cのY軸方向のピッチは基板Pに形成された溝3列分の間隔と一致する。そのため、1回の塗布動作においては、基板Pに対して2列毎に間隔を空けて3列の溝について有機EL材料の直線状の塗布が行われる。
一回の塗布動作が終了すると、ノズルユニット50は受け洗浄装置4の液受けブロック4aの上方で有機EL材料の吐出を行いつつ待機する。この際、接液部材43の上面に有機EL材料が接液されるが、上述したように排出部43による吸引が行われているので、接液部材43の上面に吐出される有機EL材料は、ボックス部41を通って排出部43より排出される。
また、このようにノズルユニット50が待機している間に、ステージ移動機構26によって所定ピッチ(例えば、ノズルピッチの3倍分)だけステージ21を+Y方向に移動させる。その結果、ステージ21上に載置される基板Pも+Y方向に移動される(ステップST5)。このステップST5の工程を、以下「一回の基板送り動作(副走査)」と称する。ノズルピッチは基板Pの3列分の溝間隔であるため、一回の基板送り動作では溝9列分だけ基板Pが+Y方向に移動される。
そして、このように、ノズルユニット50が液受けブロック4aの上方で待機しているタイミングでは、塗布ノズル52a〜52cの洗浄処理を行うことが可能である。これらの洗浄処理の工程(ステップST6、ステップST7)については、後述するので、ステップST6の分岐でNOに進んだ場合(洗浄処理を行わない場合)について説明を続ける。
ステップST8に示すように、塗布処理が終了した場合には有機EL材料の吐出が停止され、塗布処理が終了していない場合にはステップST4に移行する。結果として、上記一回の塗布動作と、上記一回の送り動作と、を繰り返すことによって、基板Pへの塗布が3列分ずつ行われる。これによって、基板Pに有機EL材料が3列のストライプ状に塗布されていく。
一回の塗布動作および一回の送り動作は、基板Pの有効領域(溝が形成されている領域)に対して有機EL材料が塗布されるまで行われる。なお、この時点では、X軸方向に関しては基板Pの有効領域以外の部分についても有機EL材料が塗布されるが、有効領域以外の領域に塗布された有機EL材料は、後述する除去処理によって除去される。以上によって、塗布ノズル52a〜52cによる有機EL材料の吐出が終了する(ステップST9)。
なお、塗布装置1における塗布処理が完了した基板Pは、図示しない搬送ロボットにより塗布装置1から搬出される(ステップST10)。搬出された基板Pに対しては、基板Pの有効領域以外の領域に付着した有機EL材料が除去される。除去処理は、基板P上の有機EL材料を除去する方法であればどのような方法であってもよく、例えば、レーザアブレーションによって有機EL材料を除去する方法であってもよいし、除去領域に予めマスキングテープを貼付しておく方法であってもよい。そして、除去処理が完了した基板Pに対して乾燥処理(ベーク処理)が行われる。
以上によって、赤色の有機EL材料について塗布・乾燥処理が完了したことになる。この後、基板Pに対しては、赤色の場合と同様に、緑色および青色の有機EL材料について塗布・乾燥処理が行われる。すなわち、緑色の有機EL材料を塗布する処理、塗布された緑色の有機EL材料を乾燥させる処理、青色の有機EL材料を塗布する処理、および、塗布された青色の有機EL材料を乾燥させる処理が順に行われる。このように赤色、緑色および青色の有機EL材料について塗布・乾燥処理が行われることによって、有機EL表示装置の発光層が形成される。さらに、発光層が形成された基板に対して例えば真空蒸着法により陰極電極が発光層上に形成されることによって、有機EL表示装置が製造される。
<2.2 洗浄処理の動作>
次に、洗浄時における塗布装置1の動作(洗浄動作)を説明する。図10は、塗布装置1の洗浄動作の流れを示すフローチャートである。なお、図10に示す洗浄動作は、塗布装置による1日の作業の開始前または終了後に行われてもよいし、所定枚数の基板に対する塗布処理が終了する毎に行われてもよいし、所定時間間隔で行われてもよい。また、図9のステップST6およびステップST7で示すように、1枚の基板Pの塗布処理の最中に行われてもよい。また、塗布装置1のメンテナンス後など、各塗布ノズル52a〜52cから吐出を再開する場合に行われてもよい。
また、洗浄動作は、作業者によって手動で制御部10に指示されたことに応じて開始されてもよいし、所定の条件に従って制御部10によって自動的に開始されるようにしてもよい。
洗浄動作においては、まず、ノズルユニット50は、各塗布ノズル52a〜52cと各洗浄ノズル45a〜45cのX方向位置が対応するように、ノズル移動機構51によって液受け洗浄装置4の上方に移動する(図10:ステップST11)。
このとき、液受け洗浄装置4は上述した初期位置にあるので、ノズル移動機構51は液受け洗浄装置4の液受けブロック4aの上方の位置することになる。以下の説明において、この液受け洗浄装置4の初期位置を位置P1と称する。位置P1でのノズルユニット50と液受け洗浄装置4との相対的な位置関係を図11(a)に示す。なお、図11(a)〜(e)は液受け洗浄装置4との相対的な位置関係を説明する図であるので、排出部43などは適宜省略している。
次に、昇降機構49によって、塗布ノズル52a〜52cの最下面より洗浄ノズル45a〜45cの最上面が低くなるまで、液受け洗浄装置4が下降する(ステップST12)。これは、次工程であるステップST13において、塗布ノズル52a〜52cと洗浄ノズル45a〜45cとが衝突するのを防ぐためである。以下の説明において、ステップST12直後の液受け洗浄装置4の位置を位置P2と称する。なお、図11(b)には、位置P2でのノズルユニット50と液受け洗浄装置4との相対的な位置関係が示されている。
次に、Y方向移動機構48によって、各塗布ノズル52a〜52cの直下に各洗浄ノズル45a〜45cが位置するまで、液受け洗浄装置4が+Y方向に移動する(ステップST13)。この結果、図11(c)に示すように、各塗布ノズル52a〜52cと、液受け洗浄装置4の洗浄ブロック4bにある各洗浄ノズル45a〜45cとが対向し接近した状態となる。以下の説明において、ステップST13直後の液受け洗浄装置4の位置を位置P3と称する。なお、図11(c)には、位置P3でのノズルユニット50と液受け洗浄装置4との相対的な位置関係が示されている。
液受け洗浄装置4が位置P3に移動すると、まず、上述した吸引処理が行われる(ステップST14)。つまり、バルブにより供給配管461a〜461cが閉じられた状態で吸引機構により吸引動作を行うことで、共通配管46a〜46cおよび吸引配管462a〜462cを通じて、洗浄ノズル45a〜45c付近の吸引が行われる。
このとき、図11(c)に示すように、各洗浄ノズル45a〜45cは各塗布ノズル52a〜52cに対向しているため、塗布ノズル52a〜52c周辺の気体、塗布液、およびパーティクルを吸引することができる(吸引処理)。以下では、このステップST14での吸引処理(洗浄処理前に行われる吸引処理)のことを第1の吸引処理と称する。第1の吸引処理終了のタイミングについては、作業者によって手動で制御部10に指示されたことに応じて処理が終了されてもよいし、予め定めた吸引処理時間の経過によって処理が終了されるようにしてもよい。
第1の吸引処理(ステップST14)が終了すると、上述した洗浄液供給処理が行われる(ステップST15)。つまり、バルブにより吸引配管462a〜462cが閉じられた状態で、洗浄液供給機構により洗浄液の供給を行うことで、洗浄液は供給配管461a〜461cおよび共通配管46a〜46cを通って洗浄ノズル45a〜45cまで供給される。
このとき、図11(c)に示すように、各洗浄ノズル45a〜45cは各塗布ノズル52a〜52cに対向しているため、洗浄ノズル45a〜45c(より詳細には開口45m)から湧出された洗浄液によって、塗布ノズル52a〜52cに洗浄液を供給することができる(洗浄液供給処理)。洗浄液供給処理の終了のタイミングについても、第1の吸引処理の終了タイミングと同様、作業者によって決定されてもよいし、予め決められていても構わない。
洗浄液供給処理が終了すると、上述した吸引処理が行われる(ステップST16)。つまり、バルブにより供給配管461a〜461cが閉じられた状態で吸引機構により吸引処理を行うことで、共通配管46a〜46cおよび吸引配管462a〜462cを通じて、洗浄ノズル45a〜45c周辺の気体、液体(洗浄液や塗布液等)およびパーティクル等の吸引が行われる。
このとき、図11(c)に示すように、各洗浄ノズル45a〜45cは各塗布ノズル52a〜52cに対向しているため、塗布ノズル52a〜52c周辺の気体、塗布液、およびパーティクル等を吸引することができる(吸引処理)。また、この吸引処理によって塗布ノズル52a〜52cを乾燥させることもできる。以下では、このステップST16での吸引処理(洗浄処理後に行われる吸引処理)のことを第2の吸引処理と称する。第2の吸引処理の終了のタイミングについても、第1の吸引処理および洗浄処理の終了タイミングと同様、作業者によって決定されてもよいし、予め決められていても構わない。
ステップST14〜ステップST16における、第1の吸引処理、洗浄液供給処理、第2の吸引処理が終了すると、本実施形態における塗布ノズル52a〜52cへの洗浄処理は終了である。したがって、塗布動作を開始するための初期位置へ各装置が移動される。
具体的には、まず、Y方向移動機構48によって、液受け洗浄装置4が位置P3から位置P2まで−Y方向に移動する(ステップST17)。移動後のノズルユニット50と液受け洗浄装置4との相対的な位置関係を図11(d)に示す(位置P2)。
液受け洗浄装置4は、位置P2まで−Y方向に移動すると、次に、昇降機構49によって位置P1まで上昇する(ステップST18)。移動後のノズルユニット50と液受け洗浄装置4との相対的な位置関係を図11(e)に示す(位置P1)。位置P1は塗布動作を開始するための初期位置でもあるので、ノズルユニット50は、図8に示す塗布動作を再開することができる。
以上説明した、ステップST11〜ステップST18により、一連の洗浄動作が完了する。
<3 塗布装置1の効果>
前述のように、塗布装置1が基板全面に対して塗布液を塗布する場合、走査移動する塗布ノズル52a〜52cによって、液受け部3或いは液受け洗浄装置4に対して、何度も塗布液が吐出される。その際、接液部材(32、42)の上面に塗布液が残留していると、次に吐出される塗布液と残留する塗布液とが衝突することにより、ミスト状の液滴(以下、単に「ミスト」と称する)が発生する可能性が高まる。
この発生したミストがノズルユニット50(例えば、塗布ノズル52a〜52c)に付着すると、ノズルユニット50が基板Pの上方を移動する際に、上記ミストまたはパーティクル(ミストが固化したもの)が基板Pに落下する恐れが生じる。ミストやパーティクルの基板Pへの落下は、基板Pが不良品となる可能性を高め歩留まりの低下につながるため、防止することが求められている。
本実施形態に係る塗布装置1によると、塗布ノズル52a〜52cから吐出された塗布液が接液する接液部材(32、42)の上面は、排出部(33,43)の吸引によって常に乾いた状態となっているため、上記ミストが発生する可能性を低下させることができる。
また、上述したように、排出部(33,43)の吸引によって接液部材(32、42)の下面と接している内部空間(L1、L2)が負圧となり、接液部材(32、42)上面の近傍では内部空間(L1、L2)に向けての気流が発生する。当然ながら、この気流は、接液部材(32、42)に近いほど強力である。また、接液部材(32、42)の直近では内部空間(L1、L2)に向けて下降気流(下向き成分を持つ気流)が発生している。ここで、「接液部材の直近」とは、気流の発生する「接液部材の近傍」の中でも、より接液部材に近く、下降気流が発生する範囲を意味する。
このように接液部材(32、42)の直近では下降気流が発生しているため、仮に塗布液が接液部材(32、42)に衝突してミストが発生した場合においても、当該ミストは上記下降気流に沿って周囲の気体とともに内部空間(L1、L2)に吸引される。その結果、発生したミストが舞い上がり、塗布ノズル52a〜52cおよびその周辺(例えば、ノズルユニット50など)に付着することを防止できる。
図12は、本実施形態のノズルユニット50と液受け洗浄装置4(位置P3)との位置関係を示す図である図11(c)に、上記気流6を書き加えた図である。
上述したように、液受け洗浄装置4が位置P3にある場合には、吸引処理および洗浄処理を行うため、塗布ノズル52a〜52cの直下には洗浄ノズル45a〜45cが位置する。したがって、図11(c)や図12に示すように、塗布液である有機EL材料は、接液部材42ではなく洗浄ノズル45a〜45cに向けて吐出される。この際、吐出された塗布液と洗浄ノズル45a〜45c(洗浄処理中においては洗浄液)とが衝突することにより、ミストが発生する可能性がある。
しかし、このようにミストが発生した場合においても、本実施形態のように、洗浄ノズル45a〜45c(より詳細には、開口45m)が、上記気流6のうち下向き(−Z向き)の成分を有する下降気流が発生する領域である下降気流領域Dの範囲内において、液受け部(液受け部3であっても構わないが、この例においては液受け洗浄装置4)に対して相対的に固定配置されていれば、ミストは当該下降気流に沿って周囲の気体とともに内部空間L2に吸引される。したがって、発生したミストが舞い上がり、塗布ノズル52a〜52cおよびその周辺(例えば、ノズルユニット50など)に付着することを防止できる。
以上まとめると、本実施形態の発明では、ミストの発生する確率を低減させることができる。また、仮にミストが発生したとしても当該ミストの発生箇所が下降気流領域Dの範囲内であれば、ミストが塗布ノズル52a〜52cおよびその周辺(例えば、ノズルユニット50など)に付着することを防止することができる。
特に、本実施形態のように、洗浄ノズル45a〜45c(より詳細には、開口45m)が液受け部の内部空間(L1,L2)の上面より上方に固定配置されている場合には、ミストの発生箇所が下降気流領域Dの範囲内となるため、ミストが塗布ノズル52a〜52cおよびその周辺(例えば、ノズルユニット50など)に付着することを確実に防止することができる。
{変形例}
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
また、変形例の説明において、本発明の実施形態の各要素と同一の要素については同じ符号を付して説明する。また、本発明の実施形態と同様の構成あるいは動作については、重複説明を省略する。
<4.1 液受け洗浄装置4の変形例>
上記実施形態に係る液受け洗浄装置4は、ノズル洗浄装置としての機構(洗浄ノズル45a〜45c、共通配管46a〜46c、供給配管461a〜461c、吸引配管462a〜462c)の一部が、液受け部としての機構(ボックス部41、接液部材42、排出部43)の内部に設けられていた。本発明における「ノズル洗浄装置が液受け部の内部に配置」とは、上記実施形態のように、「ノズル洗浄装置の一部が液受け部の内部に配置」される場合も含む。
また、上記実施形態に係る液受け洗浄装置4は、図5および図7に示すように、洗浄ノズル45a〜45cの上端(開口m)が接液部材42の上面より高く配置されていた。
しかし、本発明の構成はこのような上記実施形態の構成に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、液受け洗浄装置4について以下に例を示すような変形を加えることができる。
<4.1.1 液受け洗浄装置4の変形例1>
図13は、第1の変形例において本発明の液受け洗浄装置4に相当する構成を示した概念的な断面図である。図12に示すように、洗浄ノズル45a〜45cの上端が接液部材42の上面と同じ高さとなるように、液受け洗浄装置4を構成してもよい。
この場合においても、吸引処理および洗浄液供給処理を行う場合には、本実施形態と同様、塗布ノズル52a〜52cの直下に洗浄ノズル45a〜45cが位置する(位置P3)。したがって、有機EL材料が洗浄ノズル45a〜45cに向けて吐出され、吐出された塗布液と洗浄ノズル45a〜45c(洗浄処理中においては洗浄液)とが衝突することにより、ミストが発生する可能性がある。
しかしながら、本変形例では、洗浄ノズル45a〜45cの上端が接液部材42の上面と同じ高さであるので、当然ながら、ミストの発生箇所(洗浄ノズル45a〜45cの開口45m)は下降気流領域Dの範囲内となる。
したがって、第1の変形例では、仮にミストが発生した場合においても、ミストは当該下降気流に沿って周囲の気体とともに内部空間L2に吸引される。その結果、発生したミストが舞い上がり、塗布ノズル52a〜52cおよびその周辺(例えば、ノズルユニット50)に付着することを防止できる。
また、第1の変形例とは異なるが、洗浄ノズル45a〜45cの上端が接液部材42の上面より低い高さであっても、本発明の範囲に含まれる。ただし、このような場合にあっては、洗浄液供給処理において塗布ノズル52a〜52cと洗浄ノズル45a〜45cとが対向して接近している状態が望ましいという機械的な制約を考慮する必要がある。
<4.1.2 液受け洗浄装置4の変形例2>
図14は、第2の変形例において本発明の液受け洗浄装置4に相当する構成を示した概念的な断面図である。図14に示すように、本発明の実施形態とは異なり、液受け機能を有する液受け部3とノズルの洗浄機能を有する洗浄装置9とを、別体として設けてもよい。
洗浄装置9は、液回収部91、排出部93、洗浄ノズル95a〜95c、共通配管96a〜96c、供給配管961a〜961c、および、吸引配管962a〜962cから構成される。
なお、図14の各要素に付された参照記号のうち、液回収部91はボックス部(31、41)に、排出部93は排出部(33、43)に、洗浄ノズル95a〜95cは洗浄ノズル45a〜45cに、共通配管96a〜96cは共通配管46a〜46cに、供給配管961a〜961cは供給配管461a〜461cに、吸引配管962a〜962cは吸引配管462a〜462cに、それぞれ対応している。
液回収部91は、上面が開放された箱形状の装置であり、その幅(Y方向の長さ)は、塗布ノズル52a〜52cから液柱状態で吐出される有機EL材料を全て塗着させる幅を有している。
塗布処理の詳細な説明は後述するが、基板Pに対して有機EL材料を塗布する際、塗布ノズル52a〜52cは有機EL材料を吐出しつつX方向に沿って基板Pの上方を走査される。ノズル52a〜52cがX方向に沿って走査されて洗浄装置9の上方に移動されるとき、塗布ノズル52a〜52cと洗浄ノズル95a〜95cとが対向するように洗浄装置9が配置されている。そのため、洗浄ノズル95a〜95cによって、本変形例における洗浄処理(洗浄液供給処理および吸引処理)を塗布ノズル52a〜52cに対して行うことができる。
以上のように、液受け機能を有する液受け部3と洗浄機能を有する洗浄装置9とを別体として設けた第2の変形例の構成においても、本発明は適用される。
つまり、図14に示すように、ミストの発生箇所(洗浄ノズル95a〜95c、より詳細にはその開口)が、ボックス部31の負圧により発生する気流6のうち下降気流が発生する領域である下降気流領域Dの範囲内であれば、ミストは当該下降気流に沿って周囲の気体とともに内部空間L1に吸引される。したがって、発生したミストが舞い上がり、塗布ノズル52a〜52cおよびその周辺(例えば、ノズルユニット50)に付着することを防止できる。
また、本変形例のように、洗浄装置9が液受け部3の測部に隣接配置されて相互の位置関係が固定されている場合には、上述した一体的移動機構を採用することが容易となる。
図15は、本発明の比較例として、本発明を適用できない塗布装置1の、液受け部3と洗浄装置9との構成を示した概略的な断面図である。
図15に示すように、ミストの発生箇所(洗浄ノズル95a〜95c)が、ボックス部31の負圧により発生する気流6のうち上昇気流が発生する領域である上昇気流領域Eの範囲内にある場合は、ミストは当該上昇気流に沿って、巻き上げられる。その結果、ミストが塗布ノズル52a〜52cおよびその周辺(例えば、ノズルユニット50など)に付着する可能性が高くなる。
<4.2 塗布装置1の種々の変形例>
以上、特に液受け洗浄装置4に関する変形例について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
上述の実施形態では、液受け部3および液受け洗浄装置4において塗布ノズル52a〜52cから吐出された塗布液が接液する接液部材として、多孔質材料が用いられていたが、これらに限るものではない。すなわち、多孔性の材料であれば足り、例えば、不織布や綿状体、織布やメッシュ状の薄板など、液体と共に気体を通過させることが出来る程度の間隙を内部に備える材料であれば、接液部材として用いる事が可能である。
また、塗布液が接液する接液部材として、多孔質材料ではなく、多数のスリット状部材などが用いられてもよい。スリット状部材は、斜め方向に傾斜した間隙から気体を通すことで液体をその間隙から下部に流下しやすくするように構成されている。ここで、スリット状部材としてはステンレスなどの金属板や、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂材料等を用いる事ができる。
また、接液部材の下面に接する空間(L1、L2)としては空隙を形成する構成を記載したが、これに限るものではない。例えば、実質的に空間(L1、L2)と同じようにあまり圧力損失を発生させない程度の、低密度の綿状部材や、複数の柱状の部材などが空間(L1、L2)に配置されていてもよい。
また、上述した実施形態では、赤、緑、および青色のうち、赤色の有機EL材料を3個1組の塗布ノズル52a〜52cで基板Pに塗布する構成であったが、他の色の有機EL材料でもよく、また、正孔輸送層材料の塗布にも用いる事が可能である。
また、塗布ノズル52a〜52cから赤、緑、および青色の有機EL材料をそれぞれ吐出してもかまわない。この場合、赤、緑、および青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が1つの塗布工程で形成される。
また、上述した実施形態では、3個1組の塗布ノズル52a〜52cで基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでいるが、この個数は3個に限定されるものではなく、1個であっても、さらにはより多数のノズルによって塗布されてもよい。ノズルの個数を増やすことにより、一度の走査移動にて塗布できる個数が増えるため、処理時間を短縮することが可能となる。
また、上述した実施形態では、塗布液として有機EL材料や正孔輸送材料を塗布液とした有機EL表示装置の製造装置を一例にして説明したが、本発明は他の塗布装置にも適用できる。例えば、レジスト液やSOG(Spin On Glass)液やPDP(プラズマディスプレイパネル)を製造するのに使用される蛍光材料を塗布する装置にも適用することができる。また、液晶カラーディスプレイをカラー表示するために液晶セル内に構成されるカラーフィルタを製造するために使用される色材を塗布する装置にも適用することができる。さらには、太陽光発電に用いる太陽光パネルを製作する際、塗布処理を行う装置にも適用することができる。
また、上記実施形態における液受け部3および液受け洗浄装置4はX方向に移動できない構成であったが、液受け部3および液受け洗浄装置4にX方向に沿って移動させる移動機構を設けてもよい。このようにした場合、塗布対象基板Pのサイズに合わせて、液受け部3および液受け洗浄装置4の相対的な位置を調節することができる。
1 塗布装置
2 基板載置装置
3 液受け部
4 液受け洗浄装置
5 有機EL塗布機構
6 気流
9 洗浄装置
21 ステージ
31,41 ボックス部
32,42 接液部材
33,43,93 排出部
45,95 洗浄ノズル
46,96 共通配管
50 ノズルユニット
51 ノズル移動機構
52 塗布ノズル
91 液回収部
L1,L2 内部空間

Claims (6)

  1. 基板上に塗布液を塗布する塗布装置であって、
    前記基板の保持領域の上方の空間を移動可能であって、前記塗布液を下方に液柱状態で吐出する吐出口を有するノズルと、
    吸引経路に接続された内部空間を有し、かつ、前記内部空間の上面は前記内部空間の上開口を覆う多孔性の面状体の上面によって規定されるとともに、前記ノズルが前記基板の存在領域外にあるときに前記ノズルから吐出された前記塗布液を、上方から前記内部空間に受ける液受け部と、
    前記液受け部の近傍に前記液受け部と一体化されて配置されるとともに、所定の洗浄液を前記面状体より上方に放出可能な開口を有し、前記洗浄液によって前記ノズルの前記吐出口の洗浄処理を前記面状体より上方にて行うノズル洗浄装置と、
    を備え、
    前記吸引経路を通じた吸引によって前記液受け部の前記内部空間が負圧状態となることにより前記液受け部の近傍空間に発生する気流のうち、下向きの成分を有する下降気流が発生する空間領域である下降気流領域内において、前記ノズル洗浄装置の前記開口が、前記液受け部に対して相対的に固定配置されることを特徴とする塗布装置。
  2. 請求項1に記載の塗布装置であって、
    前記ノズル洗浄装置の前記開口が前記液受け部の前記内部空間の上面よりも上方に固定配置されていることを特徴とする塗布装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の塗布装置であって、
    一体化された前記液受け部と前記ノズル洗浄装置との上面が、前記多孔性の面状体で形成されることを特徴とする塗布装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗布装置であって、
    前記ノズル洗浄装置の一部が前記液受け部の内部に配置されていることを特徴とする塗布装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗布装置であって、
    前記液受け部と前記ノズル洗浄装置との双方を一体的に移動させる一体的移動機構を備えることを特徴とする塗布装置。
  6. 基板の塗布装置のノズルから下方に液柱状態で吐出される塗布液を受けるとともに、前記ノズルの洗浄を行う液受け洗浄装置であって、
    吸引経路に接続された内部空間を有し、かつ、前記内部空間の上面は前記内部空間の上開口を覆う多孔性の面状体の上面によって規定されるとともに、前記ノズルが前記基板の存在領域外にあるときに前記ノズルから吐出された前記塗布液を、上方から前記内部空間に受ける液受け部と、
    前記液受け部と一体化され、所定の洗浄液を前記面状体より上方に放出可能な開口を有し、前記洗浄液によって前記ノズルの吐出口の洗浄処理を前記面状体より上方にて行うノズル洗浄装置と、
    を備え、
    前記吸引経路を通じた吸引によって前記液受け部の前記内部空間が負圧状態となることにより前記液受け部の近傍空間に発生する気流のうち、下向きの成分を有する下降気流が発生する空間領域である下降気流領域内において、前記ノズル洗浄装置の前記開口が、前記液受け部に対して相対的に固定配置されることを特徴とする液受け洗浄装置。
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