JP6000435B1 - ハニカム構造体製造方法及びハニカム構造体製造システム - Google Patents

ハニカム構造体製造方法及びハニカム構造体製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】金型その他の特別な製造装置を用いることなく、変化に富んだハニカム構造体を迅速に製造し、製造コストを低減する。【解決手段】六角形のセル底壁と、セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えたハニカム構造体を製造する方法において、ハニカム構造体の3次元データを入力しスライスデータに変換するステップS1,S2と、ステップS1,S2で変換したスライスデータを参照し、造形材料及び造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上にそれぞれ積層することにより、セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に形成し、セル側壁を、各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して形成するステップS3と、ステップS3で形成したハニカム構造体を造形ステージから分離してサポート材料を除去するステップS4,S5とを備える。【選択図】図3

Description

この発明は、ラピッド・プロトタイピング(Rapid Prototyping)により、養蜂の人工巣脾として用いられるハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法及びハニカム構造体製造システムに関するものである。
<第1の従来技術>
養蜂に用いられる人工巣脾の第1の従来技術として、特許文献1「養蜂用巣礎及び養蜂方法」がある。この文献の人工巣脾では、樹脂材料としてポリカーボネートを用いて一体成型して本体部と枠部とを形成し、各セルの底部を構成するフレーム単体の裏面側を各セルの中心点に向けて下向きに傾斜形成し、かつ、各フレーム単体の裏面を左右対称の横断面V字状に形成する。
また、セルの底部は溶融した蜜蝋を固化して薄い蜜膜として形成し、幼虫同士が底部を介して行う音や振動、熱などの刺激を伝えて互いに成長を促進するようにしている。
さらに、セルの中心間の距離を変えて働き蜂用巣礎と雄蜂用巣礎とを作成し、雄蜂が不要となった場合、又は雄蜂用巣礎にダニが集中的に発生した場合に、雄蜂用巣礎を巣箱から除去するように構成している。
<第2の従来技術>
養蜂に用いられる人工巣脾の第2の従来技術として、特許文献2「人工巣脾」がある。この文献の人工巣脾において、底板及び隔壁をポリ乳酸樹脂によって形成された各セルの6面の隔壁のうち、対向する少なくとも一対の隔壁を、隔壁の底部から開口部に向かって拡開するように傾斜する。
この構成により、各セル内の空間を十分確保し、蜜蜂の動作をスムーズになるように工夫し、かつ、成型時に金型からの離型を向上している。
また、人工巣脾が巣箱に吊り下げられた状態で、各セルが上向きに傾斜するように構成し、各セル内に蓄積された蜂蜜がセルの外部に流出するのを防止している。
さらに、成型後の強度が十分であるため、機械的強度を補強する金属ワイヤなどの部材を必要とせず、使用後の人工巣脾をそのまま地中に埋設して廃棄することが可能である。
さらに、隔壁の高さが最初から適切に設けられているので、蜜蜂が隔壁をつくる必要がなく、直ちに蜂蜜の蓄積を開始することができ、蜂蜜の生産効率を向上するとしている。
<第3の従来技術>
養蜂に用いられる人工巣脾の第3の従来技術として、特許文献3「蜜蜂用人工巣」がある。この文献の人工巣脾は、アルミド繊維をシート状に加工したシートを用い、セル壁の外表面には熱硬化性樹脂を付着、含浸する。
また、セル壁面の高さを7mm程度に設定し、蜜蜂が残り3mm程度の壁を継ぎ足すことにより、最終的に10mm程度の高さの壁面を構成する。この製法により、蜜蜂が壁面を作る労力が減り、蜂蜜の生産効率を向上するとしている。
さらに、この文献の人工巣脾は、シート状の材料に条線上に接着剤を塗布した後、複数枚を加熱加圧して接着し、重積方向に引っ張って展張する展張方法により製造する。
<第4の従来技術>
養蜂に用いられる人工巣脾の第4の従来技術として、特許文献4「受粉用ミツバチの紙製巣箱」がある。この文献の人工巣脾は、紙製ハニカムコア又はロールコアを用いて紙製仕切りの両面に積層し、全体に蜜蝋を塗布又は含浸して構成する。
これにより、予め蜜蜂が巣作りを開始する際のベースとなる巣穴を形成することにより、巣作りに要する時間の短縮と、蜂蜜の生産効率を向上する。
また、素材が紙であるため軽量であり、破棄処分として焼却することにより容易に行うことができるという特徴がある。
<第5の従来技術>
養蜂に用いられる人工巣脾の第5の従来技術として、特許文献5「可搬式現場設置型ハチ飼育器及びハチの巣」がある。この文献の人工巣脾は、図2又は図3に記載されているように、折り重ねた波形シートを順次積層することで、六角形などの断面を有するキャビティを碁盤目状に形成して構成する。これらの波形シートは一例として生物分解可能な蜜蝋付き厚紙から形成され容易に廃棄可能とするとともに、防水加工を施すことで耐性を持たせる工夫をしている。
<第6の従来技術>
養蜂に用いられる人工巣脾の従来技術ではないが、ハニカム構造体及びハニカム構造体製造方法の基本的構造をなす「ハニカムコアの製造方法」が特許文献6に記載されている。この公報では、繊維強化された熱可塑性樹脂を基材とした複数のプリプレグシートの平部同士を当接、熱融着接合することで縦断面形状をハニカム形状に形成する。その後、積層したプリプレグシートを所定長毎に切断して、所望の厚みのハニカムコアを製造する。
<第7の従来技術>
また、ハニカムコアの展張方法による製造技術については、特許文献7の第4図に記載されている。
<第8の従来技術>
なお、最新研究による蜜蜂の生態系については、非特許文献1に詳しく述べられている。
<第9の従来技術>
最近、3次元構造物の3次元データから、積層方向の断面をスライスしたスライスデータを生成し、樹脂や金属、石膏などで立体造形物を製造するいわゆる3Dプリンタが注目されている。3Dプリンタで立体造形物を作成する際、構造物の強度の強化と軽量化を図るために、構造物の内部を正六角形のハニカム構造体などで積層する技術が開発されている。
このような技術として、特許文献8「三次元造形装置および三次元造形方法」がある。この文献の図4及び図6には、造形物の内部にハニカム構造体を順次積層して形成した三次元造形物が開示されている。
<第10の従来技術>
3Dプリンタを用いて内部にハニカム構造体を有する造形物を造形する第10の従来技術が、特許文献9「三次元物体を形成する方法および装置」に開示されている。この文献の[0106]に、六角形がタイルを密に詰め込むことができる点で優れていることが記載され、さらに、[0107]に、タイル張りパターンによる層を順次形成する際に、層ごとにタイル位置を互い違いにして隣接層のタイルが相互に整列しないように配置することが記載されている。
<第11の従来技術>
3Dプリンタを用いて内部にハニカム構造体を有する造形物を造形する第11の従来技術が、特許文献10「支持構造付き3次元物体の高速試作装置」に開示されている。この文献の[0145]にも、造形物内部をハニカム状に積層し、造形物全体としての軽量化と造形材料の低減、製造時間の短縮化とクラック対策などを行うことが記載されている。
特許第5519817号公報
国際公開第2011/115112号公報
特許第3408912号公報
特許第4260569号公報
特表2009−529907公報
特開平6−297616号公報
特開平4−2328号公報
特開2015−112836公報
特開2002−86575公報
特開2003−181941公報
Jurgen Tauts著、丸野内棣訳 「ミツバチの世界」 丸善出版 平成22年6月25日、p.159−275
特許文献1「養蜂用巣礎及び養蜂方法」は、各セルの底部を出来るだけ薄く形成し、幼虫の成長を促進するため、セルの底部を構成するフレーム単体の裏面側を各セルの中心点に向けて下向きに傾斜形成し、かつ、各フレーム単体の裏面を左右対称の横断面V字状に形成する。また、セルの底部を溶融した蜜蝋で固化して薄い膜として形成する技術が開示されている。
しかしながら、この文献の製造方法は[0018]に記載されているように、樹脂材料としてポリカーボネートを用いて型で一体成形する方法が用いられており、この方法では、蜜蜂のコロニーに適したハニカム構造体を有する巣脾を製造することは容易でない。
すなわち、非特許文献1に記載されているように、蜜蜂のコロニーは複雑な組織形態を有しており、かつ、蜜蜂は環境に順応するために、高度な行動パターンで活動する。この文献の巣脾の製造方法では、画一的な大量生産には向いているものの、蜜蜂のコロニーに適した様々なバリエーションを有し、かつ、高度に複雑な構造を有する巣脾を製造することは困難である。
特許文献2「人工巣脾」は、[0033]に記載されているように製造方法としては、一般的な射出成型を用いている。このため、上述したように、蜜蜂のコロニーに適した巣脾をタイムリーに製造することは困難である。
換言すると、射出成型による人工巣脾の製造方法は量産性については優れているものの、再設計に対する柔軟性や、設計から製造まで迅速に処理することに課題がある。このため、多くの環境変数などを変えて人工巣脾を試作し、多種多様なコロニーに最も適した人工巣脾をタイムリーに製造することは困難である。
特許文献3「蜜蜂用人工巣」は、シート状の材料に条線上に接着剤を塗布した後、複数枚を加熱加圧して接着し、重積方向に引っ張って展張する展張方法により製造している。このため、上述したように、再設計に対する柔軟性や、設計から製造まで迅速に処理を進めることは困難である。
換言すると、自然環境及び蜜蜂のコロニーに適する人工巣脾を、これらを注意深く観察することにより適切な設計パラメータを求め、この設計パラメータを基にして迅速に人工巣脾を試作し、実際に、自然環境や蜜蜂のコロニーに適しているかをフィールドで試して最適な人工巣脾を開発することは困難である。
特許文献4「受粉用ミツバチの紙製巣箱」に実装する巣脾は、具体的には、[0024]に記載されているように、紙製ハニカムコアを、クラフト紙からなる紙製仕切りの両面に貼り付けした後に蜜蝋を含浸して形成する。この第4の従来技術の製造方法も、上述したように、再設計に対する柔軟性や、設計から製造までの処理を効率良く進めることは困難である。同様に、多種多様な蜜蜂のコロニーに適した様々なバリエーションに対応し、かつ、高度に複雑な構造を有する巣脾を開発することについては何ら記載又は示唆がない。
特許文献5「可搬式現場設置型ハチ飼育器及びハチの巣」は、折り重ねた波形シートを順次積層することで、六角形などの断面を有するキャビティを碁盤目状に形成して製造する。したがって、上述したようにこの文献の技術も、画一的で大量生産方式の巣脾を製造することには向いているものの、多種多様な蜜蜂のコロニーに適した様々なバリエーションに対応し、かつ、高度に複雑な構造を有する巣脾を開発することは困難である。
特許文献6「ハニカムコアの製造方法」は、複数のプリプレグシートの平部同士を当接、熱融着接合することで縦断面形状をハニカム形状に形成する。この方法は、製造ラインで大量に同一構造のハニカムコアを量産することは好適であるが、上述したように、多種多様な蜜蜂のコロニーに適した様々なバリエーションに対応し、かつ、高度に複雑な構造を有する巣脾を迅速に開発することや、設計変更に柔軟に対応することは不適である。
特許文献7の第4図に、一般的に用いられる平板上のハニカムコアを展張して立体形ハニカムコアを形成する方法が記載されているが、この製造方法は、種々の平板上の構造体の芯材などの目的のため、一定形状の立体形ハニカムを大量に製造するには便利であるものの、上述したように、様々なバリエーションを有し、かつ、高度に複雑な構造を有するハニカム構造体を迅速に開発することや、設計変更に柔軟に対応してハニカム構造体を開発することは不適である。
非特許文献1の第7章に、蜜蜂によって作られた自然巣について詳細に記載されているが、いうまでもなく、人工巣脾については記載又は示唆は全く無い。
特許文献8の図6に、インクジェット方式により光硬化性樹脂を積層して形成したハニカム構造体が記載されている。この文献では、積層方向における強度を向上するために、骨格を構成する部分では、タック性が消失した状態で造形材料を積層して骨格部の剛性を確保しつつ、造形物の部分では、タック性が残存した状態で造形材料を積層し、積層方向における結合強度を向上している。このような製造方法を用いて、トロフィーなどを誤って落下した場合でも、積層される界面部から折れて壊れることを防止している。
すなわち、この文献の目的は造形物の内部をハニカム構造体とし、造形物の機械的強度を向上させることであるが、蜜蜂の巣脾に適するハニカム構造体及びハニカム構造体製造方法については全く記載されていない。例えば、巣脾を構成する底壁の厚さは出来るだけ薄いことが望まれるが、この薄いシート状の構造をハニカム構造体と一体化し安定して人工巣脾を製造することは高度な技術が必要である。一方、この文献のハニカム構造体においては、「底壁」という概念はなく、単に機械的強度を保つだけの構造体に過ぎない。
特許文献9「三次元物体を形成する方法および装置」の目的は、[0009]に記載されているように、ステレオリソオグラフィーにより造形された部品の構造一体性を増進して、歪を低減することを目的としており、上述したような蜜蜂の巣脾に適するハニカム構造体及びハニカム構造体製造方法については全く記載されていない。
特許文献10「支持構造付き3次元物体の高速試作装置」は、SDM(Selective Deposition Modeling)システムにおいて、材料供給台上に供給された流動性材料を、平滑化部材(回転シリンダー)で厚さを一定に制御することで、造形物の精度を向上させているが、上述した蜜蜂の巣脾に適するハニカム構造体及びハニカム構造体製造方法については全く記載されていない。
また、傾斜角度を有する底壁を形成する際に、造形材料と異なるサポート材料を用いる必要があるが、後処理で必要となるサポート材料の除去については、何ら記載がない。すなわち、巣脾の各セルは互いに独立しており、各セルのセル側壁に付着したサポート材料を完全に除去するのは容易でない。もし、サポート材料が完全に除去しきれず巣脾に残ってしまうとサポート材料特有の異臭と粘りとが生じるため、蜜蜂にとって好ましくない。
この発明は上記の課題を好適に解決したハニカム構造体製造方法及びハニカム構造体製造システムを提供することを目的とする。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、六角形状をなすセル底壁と、セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えた養蜂用のハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法において、ハニカム構造体の3次元データを入力し、3次元データをスライスデータに変換する第1のステップと、第1のステップで変換したスライスデータを参照し、造形材料及び造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上にそれぞれ積層することにより、セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に形成し、セル側壁を、各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して形成する第2のステップと、第2のステップで形成したハニカム構造体からサポート材料を除去する第3のステップとを備えるようにしたものである。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、サポート材料により造形ステージ上に傾斜面を有する土台を造形し、セル底壁を、傾斜面に対してほぼ垂直に傾斜面上に所定の厚さで造形材料を積層して形成するようにしたものである。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、第3のステップ以降に、サポート材料を除去したハニカム構造体のセル開口部の全体をセル封止手段により覆い、この状態のままハニカム構造体を洗浄する第4のステップを備えるようにしたものである。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、第1のステップでは、平面視において各セル側壁と平行又は垂直な方向に沿って、ハニカム構造体が複数備えた各セルのセル側壁の固有情報をコード化して3次元データに含めて入力してスライスデータに変換し、第2のステップでは、コード化の結果に応じて所定の固有情報に合致したセル側壁を形成するようにしたものである。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、セル側壁の上端がセル側壁の厚さよりも大きいようにしたものである。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、セル底壁とセル側壁とが接するセルコーナー部に沿って一周または離散的に、セル底壁とセル側壁との結合を補強するセル補強部を備えるようにしたものである。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、セルよりも大きいセルを複数備えたサブハニカム構造体が、ハニカム構造体の外周部の少なくとも一部に配置されるようにしたものである。
この発明にかかるハニカム構造体製造システムは、請求項1から請求項7のうちいずれか1項記載のハニカム構造体製造方法により製造されたハニカム構造体が養蜂用の人口巣脾として実装されるとともに、ハニカム構造体に関する環境パラメータを測定する環境パラメータ測定手段とを備えた巣箱と、環境パラメータ測定手段が測定した環境パラメータを取得して、ハニカム構造体について、蜜蜂の活動及び蜜蜂が貯留した蜂蜜の量との相関関係をシミュレーションし、このシミュレーション結果を基に、ハニカム構造体の材質及び構造パラメータを修正するとともに、ハニカム構造体の3次元データを修正するハニカム構造体設計装置とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、六角形状をなすセル底壁と、セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えた養蜂用のハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法において、ハニカム構造体の3次元データを入力し、3次元データをスライスデータに変換する第1のステップと、第1のステップで変換したスライスデータを参照し、造形材料及び造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上にそれぞれ積層することにより、セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に形成し、セル側壁を、各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して形成する第2のステップと、第2のステップで形成したハニカム構造体からサポート材料を除去する第3のステップとを備えるようにしたので、金型その他の特別な製造装置を用いることなく、3次元データを参照し、樹脂などの造形材料を硬化させてハニカム構造体を製造するので、様々なバリエーションを有し、かつ、高度に複雑な構造を有するハニカム構造体を容易かつ迅速に製造でき、製造コストを低減できるという効果が得られる。設計変更に対しては、3次元CADツール上でハニカム構造体の構造やデメンションなどを修正し、このデータを参照し立体造形物形成装置がハニカム構造体を造形することにより、設計変更に柔軟に対応したハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。さらに、サポート材料上に造形材料を積層することで、後方に突き出た六角錐形状のセル底壁を薄く形成できるようになり、ハニカム構造体を人工巣脾として巣箱に実装した場合、蜜蜂にとって好適な環境を提供できるという効果が得られる。さらに、セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状とし、かつ、セル底壁を薄く形成することができるので、蜜蜂、特に幼虫の成長にとって好適な環境を提供できるという効果が得られる。とりわけ、インクジェット法、光造形法で製造した場合は、このセル底壁を十分薄くし安定して製造することが可能である。
この発明によれば、サポート材料により造形ステージ上に傾斜面を有する土台を造形し、セル底壁を、傾斜面に対してほぼ垂直に傾斜面上に所定の厚さで造形材料を積層して形成するようにしたので、セル底壁が極めて薄くても、安定してセル底壁を積層できるという効果が得られる。
この発明によれば、第3のステップ以降に、サポート材料を除去したハニカム構造体のセル開口部の全体をセル封止手段により覆い、この状態のままハニカム構造体を洗浄する第4のステップを備えるようにしたので、第3のステップで除去し切れなかったサポート材料の残渣がセル開口部からセル内部空間へ侵入するのを防止できるようになり、セル底壁形成時の際に用いたサポート材料が洗浄液の撹拌にともなって各セル内部空間のセル側壁に付着することがなく、サポート材料特有の異臭と粘りとを伴うことのない清浄なハニカム構造体を製造することができ、蜜蜂にとって好ましい人工巣脾を提供できるという効果が得られる。
この発明によれば、第1のステップでは、平面視において各セル側壁と平行又は垂直な方向に沿って、ハニカム構造体が複数備えた各セルのセル側壁の固有情報をコード化して3次元データに含めて入力してスライスデータに変換し、第2のステップでは、コード化の結果に応じて所定の固有情報に合致したセル側壁を形成するようにしたので、立体造形物形成装置によって造形されたハニカム構造体に対して汎用的にコード化の手法を提供できるという効果が得られる。
この発明によれば、セル側壁の上端がセル側壁の厚さよりも大きいようにしたので、蜜蜂がセル上端の縁上を歩き回りやすくなるとともに、蜜蜂が振動を起こして仲間とコミュニケーションを行う際の信号伝達を効率良く行うことができ、また、セル内部空間に溜めた蜂蜜が縁によって外に漏れない人工巣脾を提供できるという効果が得られる。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、セル底壁とセル側壁とが接するセルコーナー部に沿って一周または離散的に、セル底壁とセル側壁との結合を補強するセル補強部を備えるようにしたので、セルの強度を高めることができ、信頼性の高いハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
この発明にかかるハニカム構造体製造方法は、セルよりも大きいセルを複数備えたサブハニカム構造体が、ハニカム構造体の外周部の少なくとも一部に配置されるようにしたので、働き蜂用巣脾としてハニカム構造体を、繁殖期にのみ必要な雄蜂用巣脾としてサブハニカム構造体をそれぞれ用いて、これらを一体化した人工巣脾を構成できるので、貴重なコロニーの資源を使って働き蜂が雄蜂用巣脾を作る必要がなくなり、蜂蜜の生産効率がさらに改善するという効果が得られる。
この発明によれば、請求項1から請求項7のうちいずれか1項記載のハニカム構造体製造方法により製造されたハニカム構造体が養蜂用の人口巣脾として実装されるとともに、ハニカム構造体に関する環境パラメータを測定する環境パラメータ測定手段とを備えた巣箱と、環境パラメータ測定手段が測定した環境パラメータを取得して、ハニカム構造体について、蜜蜂の活動及び蜜蜂が貯留した蜂蜜の量との相関関係をシミュレーションし、このシミュレーション結果を基に、ハニカム構造体の材質及び構造パラメータを修正するとともに、ハニカム構造体の3次元データを修正するハニカム構造体設計装置とを備えるようにしたので、自然環境や蜜蜂のコロニーに適しているかを実際に試し、環境パラメータ測定手段を用いて24時間リアルタイムで巣箱内の蜜蜂の行動を観察することにより適切な構造パラメータを求め、この構造パラメータを、ハニカム構造体の改良に迅速にフィードバックできるので、蜜蜂にとって好適なハニカム構造体に改良できるという効果が得られる。
この発明の実施の形態1によるハニカム構造体製造方法に用いる3Dプリンタの構成を示す側面断面図である。 図1に示す立体造形物形成装置の制御システムを説明する回路ブロック図である。 この発明の実施の形態1によるハニカム構造体製造方法を説明するためのフローチャートである。 図3(a)のステップS6におけるハニカム構造体特有の洗浄に関する課題とその解決手段とを説明するための図である。 この発明の実施の形態1による人工巣脾の外観を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1による人工巣脾の断面を示す図である。 この発明の実施の形態2による人工巣脾の外観を示す正面図である。 この発明の実施の形態4による人口巣脾が備えるセルの形状を説明するための図である。 この発明の実施の形態5によるハニカム構造体製造方法を説明するための平面図である。 この発明の実施の形態6によるハニカム構造体が備えるセルの構成を示す図である。 この発明の実施の形態7によるハニカム構造体製造システムの構成を示す図である。
3次元の立体造形物を形成する装置として、最近、いわゆる3Dプリンタ(立体造形物形成装置)が急速に普及してきている。この3Dプリンタによる製造方法としては、熱溶解積層法、光造形法、インクジェット法、粉末焼結法など様々な方法が開発されてきており、広範囲の立体造形物に応用されている。
一方、蜜蜂用の人工巣脾については、量産品が市販されているものの、自然環境を含む様々な環境下で、蜜蜂にとり好適な人工巣脾が提供されているとは言えないのが実情である。
われわれ発明者は、3Dプリンタの技術的な特徴及び可能性と、人工巣脾に必要な要素とを考察し、3Dプリンタを用いて、蜂蜜の生産効率が高く、柔軟性に富んだ人工巣脾を開発する方法を見出した。
以下、この発明に係るハニカム構造体及びハニカム構造体製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるハニカム構造体製造方法に用いる3Dプリンタの構成を示す側面断面図である。ここでは例として、インクジェット法による3Dプリンタを示すが、その他の立体造形物形成装置、例えば、光造形法による3Dプリンタを用いても良い。
図1に示す3Dプリンタは、X軸方向とY軸方向とにスキャンしながら、造形ステージ11上に造形材料12及びサポート材料13をそれぞれ供給し、これらの材料12,13を順次積層するヘッド10を有する。ここで、ヘッド10は、光源104からの光により硬化する造形材料を、不図示の制御部からの信号により造形ステージ11上に造形材料12を選択的に順次供給する造形材料供給ヘッド101を有する。造形材料供給ヘッド101の先端には、列状に配置された不図示の複数の吐出ノズルが設けられ、これらの吐出ノズルから造形材料12の液滴を吐出する。
なお、上記の説明では、紫外線硬化性樹脂など光によって硬化する造形材料12を用いたが、熱、電子線、振動などの刺激により硬化する樹脂を用いても良い。
また、図1のヘッド10は、造形材料12の融点よりも低いポリビニル・アルコール(PolyVinyl Alcohol,略称PVA)や水溶性のサポート材料13を、制御部からの信号により選択的に造形ステージ11上に順次供給するサポート材料供給ヘッド102を備えている。
平滑ローラー103は、造形材料供給ヘッド101から吐出された造形材料12と、サポート材料供給ヘッド102から吐出されたサポート材料13とのZ軸方向に沿う厚さを制御する。すなわち、各ヘッド101,102から吐出された造形材料12とサポート材料13との厚さは不均一であり、表面も平坦でないが、回転する平滑ローラー103により各層の厚さを均一に、かつ、表面の平坦性を滑らかに制御する。
光源104は、造形ステージ11上に吐出された造形材料12に対し光を一括照射し、造形材料12を硬化する。そして図1の3Dプリンタは、光の照射を完了すると、造形ステージ11をZ軸の下方方向に一層分だけ移動し、上記の工程を最上位層を形成するまで繰り返す。
次に、図2の回路ブロックを参照して、本発明によるハニカム構造体の製造方法に用いる立体造形物形成装置の制御システムについて説明する。
X軸方向制御部21及びY軸方向制御部22は、CPU(制御部)29からの制御信号により、ヘッド10をそれぞれX軸方向及びY軸方向に駆動制御し、Z軸方向制御部23は、造形ステージ11を一層分の積層ピッチでZ軸方向に駆動制御する。
また、造形材料供給ヘッド制御部24は、スライスデータを参照し、造形材料供給ヘッド101からの造形材料12の供給を制御し、サポート材料供給ヘッド制御部25もスライスデータを参照し、サポート材料供給ヘッド102からのサポート材料13の供給を制御する。
さらに、光源制御部26は、光源104の照射を制御する。すなわち、スライスデータを参照して造形材料12とサポート材料13とを一層分積層した後、これらの積層領域を含むように、光源104から光を非選択的に照射するように制御し、造形材料12を硬化させる。
なお、上記の説明においては、スライスデータを参照して所定パターンに積層された造形材料12を、光源104からの光を非選択的に照射し硬化するものとしたが、造形材料12を造形ステージ11上に概ね非選択的に一層分積層し、スライスデータを参照し、光源104からのレーザー光などのビーム光をX軸方向及びY軸方向に所定のパターンを形成するようスキャンするように構成しても良い。
また、造形材料12を造形ステージ11上に概ね非選択的に一層分積層し、スライスデータを参照し、液晶シャッター等により光が透過する領域と透過しない領域とを生成し、液晶シャッター等の透過光をスライスデータに対応する形状にして造形材料12を一括露光するように構成しても良い。
図2のモニター部27は、3Dプリンタでこれから製造する立体造形物のSTL(Standard Triangulated Language,スタンダード・トライアンギュレイテッド・ランゲージ)ファイルを基にして可視化した3次元画像、積層完了層までの3次元画像、スライスデータ画像、造形温度、積層ピッチ、造形完了までの予想時間と予想時刻、消費する造形材料12の予想量、各種アラーム情報などを表示する。
操作部28は、ユーザーからの操作を受けてその指示情報をCPU29に出力する。バス210はデータバスやメモリバスなどを示しており、CPU29,各制御部21〜26,モニター部27及び操作部28間のデータを伝送する。
なお、3Dプリンタには通常、温度センサ、位置センサなど多数のセンサが搭載されているが、図1及び図2ではこれらの各センサの図示を省略している。
図3はこの発明の実施の形態1によるハニカム構造体製造方法を説明するためのフローチャートである。図3のステップS1でユーザーは3Dプリンタに、3次元CADツール、3Dスキャナなどで作成したSTL形式の3次元データをサーバやUSBメモリなどから入力する。
このとき使用する3次元CADツールは、履歴管理されている単形状の属性(フィーチャ、feature)のパラメータを変更して形状を変化させるフィーチャ・ベースの3次元CADツールを用いることにより、柔軟に、かつ、素早く所望のハニカム構造体を製造することができる。
次に、ステップS2でCPU29は、入力された3次元データのエラーチェックを行う。エラーチェックの結果、問題がある場合は3次元データを修正し、問題がない場合は、スライサーソフトを用いて3次元データを一層毎の積層モデル(スライスデータ)に変換し、これを基にして、3Dプリンタを制御するためのGコードを生成する。
さらに、次のステップS3において、CPU29はGコードを参照し、各制御部21〜25を介してヘッド10を駆動制御することにより、造形材料供給ヘッド101から造形領域に造形材料12を吐出し、また、サポート材料供給ヘッド102からサポート領域にサポート材料13を吐出し、一層分の造形領域とサポート領域とを同時に積層する。
この発明のハニカム構造体をなすセル底壁は、後述するように、奥行き方向に凹状の第1の傾斜角を有しており、かつ、極めて薄く形成されている。このようなセル底壁を実現するため、サポート材料13を適切に設計することはこの発明のハニカム構造体を安定して製造する上で極めて重要である。
続いて、CPU29は、光源制御部26を介して光源104から照射対象領域に紫外線などの光を非選択的に照射制御することにより、一層分の造形領域に積層された造形材料12を硬化する(ステップS3)。そして、この工程を一層分ずつ最上位層に至るまで繰り返す(ステップS3)。
ステップS3が完了するとステップS4において、ステップS3で形成したハニカム構造体を造形ステージ11から分離する。一例として、金属の造形ステージ11とハニカム構造体とを冷却又は加熱することにより、造形ステージ11とハニカム構造体との熱膨張係数の違いを利用して造形ステージ11からハニカム構造体を分離するが、他の分離方法であっても良い。そしてステップS5で、ユーザーは、分離したハニカム構造体をオーブンなどに入れて60°以上に加熱し、サポート材料13を融解して除去する。
続いて、第1洗浄ステップS6において、高温にした油などの溶液中にハニカム構造体を浸し、超音波洗浄機を用いて超音波洗浄した後、第2洗浄ステップS7において、ステップS6で使用した油とサポート材料13の残渣とを洗剤を用いて除去する。ここで、われわれ発明者は、ステップS6で、ハニカム構造体特有の洗浄に関する課題を見出した。
図4は図3(a)のステップS6におけるハニカム構造体特有の洗浄に関する課題とその解決手段とを説明するための図である。図4(a)は、ハニカム構造体41を超音波洗浄している際に、セル底壁42に接して形成されたサポート材料13が対流などにより撹拌され、セル側壁43に残渣44として付着する様子を示している。
セルサイズが小さくセル内部空間がセルサイズに比べて深い場合、図4(a)に示すように、ステップS6でセル側壁43に付着した残渣44を次のステップS7で完全に除去するのは容易でない。最終的に、サポート材料13の残渣がハニカム構造体から除去し切れないままだと、ハニカム構造体はサポート材料13特有の異臭と粘りとを伴うようになってしまう。このようなハニカム構造体は、蜜蜂にとって好ましい人工巣脾とは成り得ない。
図3(b)は図3(a)の第1洗浄ステップS6を改良したフローチャートであり、図4(b)は上記で説明した課題を解決するための手段を説明するための図である。図3(b)のステップS6において、まずステップS61でシートなどのセル封止材(セル封止手段)45を用いてセル開口部の全体を覆うようにしてから、この状態のままステップS62で第1洗浄を行う。
このようなステップS61,S62の手順により、サポート材料13の残渣がセル内部空間に混入して付着することがなくなるので、サポート材料13が除去された清浄なハニカム構造体41を形成することができ、サポート材料13特有の異臭と粘りとを伴うことのない、蜜蜂にとって好ましい人工巣脾を製造できるようになる。
上記ではハニカム構造体41について説明したが、この手法はハニカム構造体41に限らず、サポート材料13が内部空間に形成されておらず、内部空間と表面との間の間隙が狭い場合にも適用可能で、セル封止材45を用いてセル内部空間の入り口を封じてから洗浄するという技術思想は広く応用することができる。
なお、この発明によるハニカム構造体41を製造する場合は、サポート材料13はセル底壁42の外面のみに形成されるので、ステップS6の第1洗浄(超音波洗浄)を行わずに、ステップS5の処理の後にステップS7の第2洗浄を行うようにしても良い。
図3に戻って説明を続ける。
以上のステップS1〜S7のようにして製造したハニカム構造体41を、ステップS8において、養蜂用の人工巣脾として巣箱に実装しフィールド評価を実際に行う。すなわち、蜜蜂及び蜜蜂のコロニーを観察し、この発明による人工巣脾を蜜蜂がどのように活用するのか、また、その行動と蜂蜜の生産効率とを評価する。
このとき、蜜蜂の行動は自然環境を含む環境により大きく変化するため、複数の条件で人工巣脾を試作し、これらの人工巣脾を巣箱に実装して設置場所を色々と変え、蜜蜂の行動を詳細に観察する。このとき、超スローモーション機能付き監視カメラや、夜間の活動を観察するための赤外線カメラ、音や振動を観測するための高感度のマイクロフォン、振動計などの観測機器を巣箱に設けて蜜蜂の行動を観察するようにしても良い。
次に、ステップS9において、ステップS8で得られた観察データを基にして評価を行い、評価結果が仕様を満足するか否かを判定する。評価結果が仕様を満足した場合は(ステップS9でOK)、人工巣脾の製造目標を達成したものとしてステップS11で一連の作業を完了する。一方、評価結果が仕様を達成しなかった場合は(ステップS9でNG)、ステップS10へ移行し評価結果の解析と設計パラメータの修正とを行う。
蜜蜂は働き蜂の場合でも生活の90%以上の時間を巣脾で過ごすと言われており、蜜蜂にとって巣脾は重要な生活インフラ(infrastructure[英]の略。)となっている。したがって、好適な人工巣脾を蜜蜂に提供することは、養蜂を行う上で極めて重要である。ステップS10における解析としては下記のような項目があげられる。
(1)コロニー全体としての人工巣脾への定着率
(2)女王蜂の産卵率
(3)幼虫から成虫への成長率
一例としてセル底壁を挟んで両側に巣礎が形成された巣脾の場合、巣脾を構成するセル底壁の厚みに好適な寸法があり、この寸法よりも厚くなるとセル底壁を介した幼虫同士のコミュニケーションが不足し幼虫の成長が遅くなる。また、セル底壁に関して対称な関係にある2つのセルを観察すると、蜜蜂は、一方に蜜を溜めると他方にも蜜を溜め、一方に花粉を溜める場合は他方にも花粉を溜めるように行動する。これらのことは、セル底壁が薄い場合はセル底壁を介して蜜蜂が相互に情報交換するとしか考えられない。したがって、この発明で試作した人工巣脾を構成するセル底壁の条件を変えて幼虫から成虫への成長率、及びセル底壁に対して対称の2つのセルに貯蓄する貯蓄物を観察する。
(4)人工巣脾に対する蜜蜂の再構築の程度
この発明による人工巣脾にたいして、蜜蜂自身がさらに構築する割合、再構築に要するエネルギーの程度
(5)単位巣脾の蜂蜜の生産量、及び蜂蜜品質
(6)病原菌の感染に対する防御の程度
上記の項目(1)〜(6)を解析して、ハニカム構造体41の構造パラメータ、造形材料12の材質、造形材料12に混入する添加材料を、ハニカム構造体ファイル31を参照して決定する。ハニカム構造体ファイル31は、フィーチャ・ベースのモデルが格納されており、構造パラメータを変更することによりハニカム構造体41の形状を柔軟に変更することができる。
ステップS10で解析した解析結果と、構造パラメータ、造形材料12の材質、添加材料の材質及び添加量との相関関係はハニカム構造体ファイル31に格納され、更新履歴情報とともに更新されるので、試作及びフィールド評価を繰り返すごとに人工巣脾としてのハニカム構造体の品質が向上する。
ハニカム構造体41の構造パラメータ、造形材料12の材質、造形材料12に混入する添加材料をステップS10で決定して3次元データを生成した後、ステップS1でこの3次元データを3Dプリンタに再度読み込む。このようにして、3Dプリンタを用いての試作と、フィールド評価による各種の観察とを繰り返しながら、蜜蜂及びコロニーに好適な人工巣脾としてのハニカム構造体を開発製造することができる。
従来のハニカム構造体は金型を用いて製造されるため、人工巣脾として好適なハニカム構造体を柔軟かつ迅速に製造することが困難であったが、この発明のハニカム構造体製造方法は、3次元CADツールと、解析結果を格納し、かつ、更新され続けるハニカム構造体ファイル31とを密接に関連しあいながら一体的な開発を行うので、人工巣脾として好適なハニカム構造体41を柔軟かつ迅速に製造することができる。
図5はこの発明の実施の形態1によるハニカム構造体の外観を示す斜視図である。また、図6はこの発明の実施の形態1によるハニカム構造体の断面を示す図であり、図6(a),(b)はそれぞれ図5のP−P,Q−Q切断線による断面図である。
図5,図6において、符号51はセル底壁である。図5に示すように、六角形状をなすセル底壁51の6辺には、6枚のセル側壁52がそれぞれ立設され、セル底壁51及び6枚のセル側壁52からセル53が形成されている。図6(a)では、セル底壁51に対し、セル側壁52,52’のうち、セル側壁52は紙面奥行き(X軸の正)方向に向かって伸びており、セル側壁52’は紙面左右(Y軸の正負両)方向に向かって伸びている。このようなセル53がアレイ状に複数敷き詰めて配置されることで図5に示す平板状のハニカム構造体が形成されている。
そして、図6(a),(b)にそれぞれ示すように、セル53の開口側から見ると、セル底壁51は、0.25mmと薄く構成された6枚の2等辺3角形がセル中心部に向かって水平面(XY平面)から第1の傾斜角をなして六角錐形状(すり鉢状)に形成されている。この形状は、自然巣脾の構造を参考にして決定した。
図6(a)において、符号61はサポート材料である。図6(a)から容易にわかるように、このサポート材料61は、インクジェット法においては、セル53の後方(Z軸の負の方向)に突き出た六角錐形状のセル底壁51を形成する上で必須である。すなわち、セル底壁51は、図6(a)の位置Aから位置Bに向かうにつれて積層方向(Z軸方向)での高さが高くなる。このため、サポート材料61を用いずに造形材料12のみでセル底壁51を形成すると、セル底壁51が薄いことと相まってオーバーハングが発生し、平坦性のあるセル底壁51を形成することができない。
したがって、この発明によるハニカム構造体製造方法では、セル底壁51の六角錐形状に沿ってサポート材料61を造形ステージ11に積層し、六角錐の凹部形状に積層されたサポート材料61上に造形材料12を一層ずつ積層することにより、六角錐形状に後方に突き出たセル底壁51を形成する。上記の説明は言うまでもなく、サポート材料61を六角錐全体に積層後、この上面に造形材料12を積層するということではなく、右下がりの傾斜面においては、一積層面におけるサポート材料61の右端から造形材料12が、このサポート材料61の下層の上面と一層下に造形された造形材料12の上面とにそれぞれ積層される。一方、左下がりの傾斜面においては、一積層面におけるサポート材料61の左端から造形材料12が、このサポート材料61の下層の上面と一層下に造形された造形材料12の上面とにそれぞれ積層される。ゆえに、セル底壁51が極めて薄くても、安定してセル底壁51を積層することができる。
もう一点、図6(b)からわかるように、各セル53において、セル側壁52,52’はZ軸方向に対して第2の傾斜角をなして傾斜するように形成されており、ハニカム構造体に備えられた全てのセルが同じ側に傾斜している。このようなハニカム構造体41を人工巣脾として用いる場合、図6(b)の紙面右側を実装時の上側とし、紙面左側を実装時の下側として、セル開口部がセル底壁51よりも高い位置となるように巣箱に実装すれば、セル中心軸54(すなわちセル53全体)が斜め上方を向くので、セル53に溜められた蜂蜜が開口から溢れにくくなっており、蜂蜜の流出を防止することができる。
なお、セル53において、向かい合うセル側壁52,52どうしや、向かい合うセル側壁52’,52’どうしの間の距離は5.8mm,セル側壁52,52’の厚さ及び高さはそれぞれ0.25mm及び8mmとした。これらの寸法については、図3のフローチャートで説明したように一例であり、蜜蜂の種類や巣箱を設置する環境により異なるので、養蜂家が求める多様な人工巣脾の仕様に合うように設計する。
また、セル底壁51及びセル側壁52,52’を形成する造形材料12としては、自然巣脾の色合いに近いアクリル樹脂を用いたが、他の材料を、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂やポリカーボネート(polycarbonate)を用いても良い。
さらに、造形材料12としてポリ乳酸樹脂を用いても良い。この場合は、地中の微生物などにより容易に分解可能なので、環境負荷を軽減したハニカム構造体41を製造できるというメリットがある。
なお上記において、造形方向を図6(a)、(b)に示すようにセル底壁51からセル53の開口部の方向として説明したが、一般的にはこの方向に限らず任意の方向であっても良い。例えば、前述の方向と逆にして開口部からセル底壁51方向に造形しても良い。しかしながら、この場合セル53内部にサポート材料61が充填されるため、洗浄工程S6,S7で充填されたサポート材料61を完全に除去することは困難である。さらに、サポート材料の量も余分に消費する。上記の説明からわかるように、図6(a)、(b)で説明した積層方向が好適の積層方向である。
以上のように、この実施の形態1によれば、六角形状をなすセル底壁51と、セル底壁51の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁52,52’とからなるセル53を複数備えたハニカム構造体41を製造するためのハニカム構造体製造方法において、ハニカム構造体41の3次元データを入力し、この3次元データをスライスデータに変換する第1のステップS1,S2と、第1のステップS1,S2で変換したスライスデータを参照し、造形材料12及び造形材料12と異なる材料のサポート材料13を造形ステージ11上にそれぞれ積層することにより、セル底壁51を、後方に突き出た六角錐形状に形成し、セル側壁52,52’を、各セル53が全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して形成する第2のステップS3と、第2のステップS3で形成したハニカム構造体41を造形ステージから分離してサポート材料13を除去する第3のステップS4,S5と、を備えるようにしたので、バリエーションに富んだハニカム構造体41を3Dプリンタにより迅速に製造でき、金型その他の特別な製造装置が不要となり、製造コストを低減できるという効果が得られる。加えて、造形材料12と異なる材料のサポート材料13の上に造形材料12を積層することで、後方に突き出た六角錐形状のセル底壁51を薄く形成できるようになり、ハニカム構造体41を人工巣脾として巣箱に実装した場合、蜜蜂にとって好適な環境を提供できるという効果が得られる。
また、この実施の形態1によれば、サポート材料61により造形ステージ11上に傾斜面を有する土台を造形し、セル底壁51を、傾斜面に対してほぼ垂直に傾斜面上に所定の厚さで造形材料12を積層して形成するようにしたので、セル底壁51が極めて薄くても、安定してセル底壁51を積層できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態1によれば、第2のステップS3では、セル側壁52,52’を、各セル53が全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して形成するようにしたので、セル開口部がセル底壁51よりも高い位置となるように巣箱に実装することで、各セル53に蓄積された蜂蜜が外に流出するのを防止できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態1によれば、第3のステップS4,S5以降に、サポート材料13を除去したハニカム構造体41のセル開口部の全体をセル封止材45により覆うステップS61と、この状態のままハニカム構造体41を洗浄するステップS62とからなる第4のステップS6を備えるようにしたので、第3のステップS4,S5で除去し切れなかったサポート材料13の残渣がセル内部空間へ侵入するのを防止できるようになり、清浄なハニカム構造体41を形成することができ、サポート材料13特有の異臭と粘りとを伴うことのない、人工巣脾として好適なハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態1によれば、第2のステップS3では、造形材料12としてポリ乳酸樹脂を用いるようにしたので、地中の微生物などにより容易に分解可能なハニカム構造体41が形成され、環境負荷を軽減したハニカム構造体41を製造できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態1によれば、第3のステップS4,S5以降に、ハニカム構造体41を人工巣脾として巣箱に実装してフィールド評価を行い、ハニカム構造体41に関する観察データを取得する第5のステップS8と、この第5のステップS8で取得した観察データを基にしてハニカム構造体41について評価を行い、この評価結果がハニカム構造体41の仕様を満足するか否かを判定する第6のステップS9と、この第6のステップS9で評価結果が仕様を満足しなかった場合に、ハニカム構造体41について評価結果の解析と設計パラメータの修正とを行ってハニカム構造体ファイル31に格納するとともに、次のステップS1〜S5におけるハニカム構造体41の製造に活用する第7のステップS10とを備えるようにしたので、製造及びフィールド評価を繰り返すごとにハニカム構造体41の品質を向上させることができ、金型を用いるため好適な巣脾を柔軟かつ迅速に開発することが困難な従来のハニカム構造体製造方法と比べて、好適なハニカム構造体41を柔軟かつ迅速に製造できるという効果が得られる。
実施の形態2.
ステップS1,S2において、次の図7に示すような構造を3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしても良い。
図7はこの発明の実施の形態2によるハニカム構造体の外観を示す正面図であり、働き蜂用人工巣脾としてのハニカム構造体71の外周の一部又は全てに、働き蜂用人工巣脾としてのハニカム構造体71の働き蜂用セルよりも大きい雄蜂用セルを複数備えた雄蜂用巣脾としてのサブハニカム構造体72が配置されている。
この実施の形態2では、繁殖期に必要なサブハニカム構造体72がハニカム構造体71と一体的に設けられるので、貴重なコロニーの資源を使って働き蜂が雄蜂用巣脾を作る必要がなく、生産効率がさらに改善する。
なお、サブハニカム構造体72は蜜蜂の繁殖期のみ雄蜂用巣脾として必要なので、普段はサブハニカム構造体72をカバーしておき、繁殖期だけカバーを取り外すように構成しても良い。
また、サブハニカム構造体72の一部又は全部をアタッチメント方式とし、必要な時期に必要なセル数のサブハニカム構造体72をハニカム構造体71に接続して人工巣脾を構成するようにしても良い。
さらに、図7において、73は人工王椀として用いるキャップ状構造体、731はキャップ状構造体73の一部であって、キャップ状構造体73をハニカム構造体71又はサブハニカム構造体72に結合及び分離するためのキャップ状構造体側結合部、74はハニカム構造体71又はサブハニカム構造体72に設けられ、キャップ状構造体側結合部731をハニカム構造体71又はサブハニカム構造体72と結合及び分離するためのハニカム構造体側結合部である。
図7に示すように、キャップ状構造体73は、キャップ状構造体側結合部731及びハニカム構造体側結合部74を介してハニカム構造体71又はサブハニカム構造体72と結合し、人口王椀として必要な数だけ使用する。女王蜂を生産しない場合は、キャップ状構造体73の開口部をキャップなどで封止するよう構成しても良い。
この実施の形態2によるキャップ状構造体73は、女王蜂を生産する必要がある場合、ハニカム構造体71又はサブハニカム構造体72とキャップ状構造体73とを一体化した人工巣脾を構成できるので、貴重なコロニーの資源を使って働き蜂が自然王椀を作る必要がなく、蜂蜜の生産効率がいっそう改善する。
ハニカム構造体71の働き蜂用セル、サブハニカム構造体72の雄蜂用セル及びキャップ状構造体73の大きさはそれぞれ異なるので、通常の展張法によるハニカム構造体製造方法では、これらの各セル及びキャップ状構造体73を混在させたいわばハイブリッドハニカム構造体を製造することは困難である。これに対し、この発明によるハニカム構造体製造方法は、3次元データから変換したスライスデータを参照し、3Dプリンタにより積層した造形材料12を硬化させてハニカム構造体71,サブハニカム構造体72及びキャップ状構造体73を製造するので、複雑なハイブリッドハニカム構造体であっても容易に製造することができる。
なお、キャップ状構造体側結合部731とハニカム構造体側結合部74との結合方法としては、ネジ方式、ピン状のものを開口部に差し込む方式、接着材などによる固定方式など多種の方法が適用できる。
特に、キャップ状構造体側結合部731とハニカム構造体側結合部74との結合方法として、雄ネジと雌ネジとを用いるネジ方式を採用する場合、雄ネジと雌ネジとの間にサポート材料13を配置し、このサポート材料13を最終的に除去することにより、一つの製造フローで全部の構成部材を製造することができるので、ネジとしての精度が高いだけでなく、製造効率も高いという特徴がある。これは、ピン状のものを開口部に差し込む方式などについても同様である。
以上のように、この実施の形態2によれば、第1のステップS1,S2では、ハニカム構造体71の働き蜂用セルよりも大きい雄蜂用セルを複数備え、ハニカム構造体71の外周部の少なくとも一部に配置されるサブハニカム構造体72を3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしたので、働き蜂用巣脾としてハニカム構造体71を、繁殖期にのみ必要な雄蜂用巣脾としてサブハニカム構造体72をそれぞれ用いて、これらを一体化した人工巣脾を構成できるので、貴重なコロニーの資源を使って働き蜂が雄蜂用巣脾を作る必要がなくなり、蜂蜜の生産効率がさらに改善するという効果が得られる。
また、この実施の形態2によれば、第1のステップS1,S2では、ハニカム構造体71又はサブハニカム構造体72と結合及び分離が可能なキャップ状構造体73を3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしたので、働き蜂用人口巣脾としてハニカム構造体71を、雄蜂用人口巣脾としてサブハニカム構造体72を、人工王椀としてキャップ状構造体73をそれぞれ用いて、これらを一体化した人工巣脾を構成できるので、貴重なコロニーの資源を使って働き蜂が人工王椀を作る必要がなくなり、蜂蜜の生産効率がさらに改善するという効果が得られる。
実施の形態3.
実施の形態1,2のハニカム構造体製造方法では、造形材料12として樹脂を用いる場合について説明したが、最近、Paper 3D Printingと称する紙を積層する立体造形方式が開発され、立体地図の造形などに応用されている。この立体造形方式では、インクジェットプリンタなどで紙に印刷・彩色し、一層毎にスライスデータに対応する形状に紙を裁断しておき、裁断した紙を最下層から順に積層と接着とを繰り返しながら造形する。
この紙を積層する立体造形方式を、この発明によるハニカム構造体に用いた場合は、樹脂で造形した場合と比べて、ハニカム構造体の重量を軽量化することができる。
また、彩色した紙を積層することにより、巣礎を蜜蜂が好む色彩にすることが容易にできる。
さらに、紙で製造したハニカム構造体に、蜜蝋又は蜂蜜をスプレーなどして蜜膜を形成することにより、自然巣脾の材質に近い人工巣脾としてハニカム構造体を製造することができる。
さらに、紙で製造したハニカム構造体を蜜蝋に浸してセル底壁51又はセル側壁52,52’に蜜膜をコーティングし、その後、遠心分離器に入れ回転数を制御することにより、コーティングした蜜膜の厚さを制御するようにしても良い。
さらに、造形材料12として樹脂の代わりに蜜蝋を用いた場合は、自然巣脾に極めて近い人工巣脾としてハニカム構造体を製造することができる。
以上のように、この実施の形態3によれば、第2のステップS3では、造形材料12及びサポート材料13の代わりに、スライスデータに対応する形状に裁断された紙を積層するようにしたので、樹脂などで製造した場合と比べて、ハニカム構造体を軽量化できるという効果が得られる。
また、この実施の形態3によれば、第2のステップS3では、彩色した紙を積層するようにしたので、蜜蜂が好む色彩に彩色したハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態3によれば、第3のステップS4,S5以降に、セル底壁51又はセル側壁52,52’に蜜蝋又は蜂蜜を噴霧して蜜膜を形成する第8のステップを備えるようにしたので、自然巣脾に近い人工巣脾としてハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態3によれば、第3のステップS4,S5以降に、ハニカム構造体を蜜蝋又は蜂蜜に浸してセル底壁51又はセル側壁52,52’に蜜膜をコーティングするとともに、蜜蝋又は蜂蜜に浸したハニカム構造体の蜜膜の厚さを遠心分離によって制御する第9のステップを備えるようにしたので、自然巣脾に近い人工巣脾としてハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態3によれば、第2のステップS3では、蜜蝋又は蜂蜜を造形材料12として積層するようにしたので、自然巣脾に極めて近い人工巣脾としてハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
実施の形態4.
図3のステップS1,S2において、次の図8に示すような構造を3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしても良い。
図8はこの発明の実施の形態4によるハニカム構造体が備えるセルの形状を説明するための図である。
一般にセル上端の縁は膨らんでおり、蜜蜂はこの縁を歩き回るとともに、振動を起こして仲間とコミュニケーションすることが知られている(非特許文献1第7章参照。)。この実施の形態4では、図8に示すように、セル側壁52のセル上端52uをセル側壁52の厚さ(セル側壁52のセル上端52u以外の部分の内径)よりも大きい(外側に膨らむ)ように構成する。
図8(a),(b),(c),(d)は、セル上端52uの形状を矩形、三角錐、球、楕円とした場合をそれぞれ図示している。しかしながら、セル上端52uの形状はこれらに限らず、セル側壁52の外側に膨らんだ形状であれば良い。
この発明によるハニカム構造体のセル上端52uにこの構造を採用することにより、蜜蜂が縁の上を歩き回りやすくなるとともに、振動を起こしてコミュニケーションを行う際の信号伝達を効率良く行うことが可能な人口巣脾を提供することができる。
また、セル内部空間に溜めた蜂蜜が縁によって外に漏れないようにすることができる。
以上のように、この実施の形態4によれば、第1のステップS1,S2では、セル側壁52の厚さよりも大きい形状のセル上端52uを3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしたので、蜜蜂がセル上端52uの縁上を歩き回りやすくなるとともに、蜜蜂が振動を起こして仲間とコミュニケーションを行う際の信号伝達を効率良く行うことができ、また、セル内部空間に溜めた蜂蜜が縁によって外に漏れない人工巣脾を提供できるという効果が得られる。
実施の形態5.
図3(a)のステップS1において、ハニカム構造体の製造番号、製造年月日などのハニカム構造体固有の製造に関する固有情報であって、ハニカム構造体に造形して表示するためのものを3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしても良い。
このようにすることで、ハニカム構造体と固有情報とを一体的に造形して表示できるようになり、レーザー光などにより固有情報をハニカム構造体に刻印する方法や、固有情報を印字したシールをハニカム構造体に添付する方法などの、後工程で表示する方法に比べて、固有情報を確実かつ効率良くハニカム構造体に表示することができる。
また、図7において、キャップ状構造体側結合部731とハニカム構造体側結合部74とにそれぞれ対応する番号を造形し、これらを結合する際の効率を向上するように構成しても良い。
図9はこの発明の実施の形態5によるハニカム構造体製造方法を説明するための平面図である。
例えば図9(a)では、ハニカム構造体の平面視において、紙面上部の各セル側壁52h,52l,……と平行に左上端から右上端へと向かう水平な矢印arwに沿って、所定の厚さ(固有情報)のセル側壁52h及び所定の薄さ(固有情報)のセル側壁52lを“1”“0”“1”“1”“0”“0”“1”“0”とそれぞれコード化している。
図9(a)において、ハニカム構造体の右上端のコーナー部分までコード化したら、他のセル列を、例えば紙面右側の各セル側壁52h,52l,……を引き続きコード化するようにしても良い。
また、例えば図9(b)では、ハニカム構造体の平面視において、各セル側壁52h,52lと垂直に右上端から左下端へと向かう斜めの矢印arwに沿って、所定の厚さ(固有情報)のセル側壁52h及び所定の薄さ(固有情報)のセル側壁52lを“1”“0”“0”“1”“1”“1”“0”“1”とそれぞれコード化している。斜め方向にコード化する場合、コード化されるセル側壁52h,52lの数が増加するので、コード化する情報量が多い場合は好適である。
図9(b)において、ハニカム構造体の左下端のコーナー部分までコード化したら、他の斜め方向のセル列を引き続きコード化するようにしても良い。このときのコード化の方向は図9(b)に示す矢印arwと平行である必要はなく、この矢印arwの方向と60°又は120°の角度をなす方向でも良い。
このようにすることで、3Dプリンタにより造形されたハニカム構造体に対して汎用的にコード化の手法を提供でき、かつ、データ量を軽減できるという効果が得られる。
なお、上の説明においては、固有情報として、セル側壁52hの厚さ/薄さをそれぞれ“1”/“0”としてコード化したが、固有情報の他の例として、セル側壁52のセル上端52uが厚いものを“1”(又は“0”)とし、薄いものを“0”(又は“1”)としても良い。
コードは暗号化されたものであっても良い。
以上のように、この実施の形態5によれば、第1のステップS1,S2では、ハニカム構造体の製造に関する固有情報であって、ハニカム構造体に造形して表示するための情報を3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしたので、ハニカム構造体と固有情報とを一体的に造形できるようになり、後工程で表示する方法と比べて、固有情報を確実かつ効率良くハニカム構造体に表示できるという効果が得られる。
また、この実施の形態5によれば、第1のステップS1,S2では、平面視において各セル側壁52h,52lと平行又は垂直な方向の矢印arwに沿って、ハニカム構造体が複数備えた各セル53のセル側壁52h,52lの厚さ/薄さといった固有情報を“0”/“1”にコード化したものを3次元データに含めて入力してスライスデータに変換し、第2のステップS3では、コード化の結果に応じて所定の厚さ/薄さを持ったセル側壁52h,52lを形成するようにしたので、3Dプリンタにより造形されたハニカム構造体に対して汎用的にコード化の手法を提供でき、かつ、データ量を軽減できるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態5によれば、キャップ状構造体側結合部731とハニカム構造体側結合部74とにそれぞれ対応する番号を造形するようにしたので、これらを結合する際の効率を向上するように構成できるという効果が得られる。
実施の形態6.
図3のステップS1において、次の図10に示すような構造を含む3次元データを入力してスライスデータに変換するようにしても良い。
図10はこの発明の実施の形態6によるハニカム構造体が備えるセルの構成を示す図であり、図10(a)はセルの正面図、図10(b)は図10(a)の切断線R−Rによる断面図である。
図10(a),(b)において、符号55はセル内部空間においてセル底壁51及びセル側壁52,52’の双方と一体化されたセル補強部55であり、セル底壁51とセル側壁52,52’とが接するセルコーナーCCに沿って、その一周にわたって設けられ、セル底壁51とセル側壁52,52’との結合を補強している。このようにすることで、セル側壁52,52’に対してオーバーハングの関係にあり、薄く形成する必要のあるセル底壁51を補強することが可能となり、セル53の強度を高めることができ、信頼性の高いハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
なお、セル補強部55は、セル底壁51とセル側壁52とが接するセルコーナーCCを中心に形成されるので、セルの内部環境には影響を及ぼすことがない。
また、セル補強部55の断面形状は、図10(b)に示す円弧状のものに限定されるものではなく、その他の断面形状、例えば多角形状であっても良い。
さらに、セル補強部55は、セルコーナーCCの一周にわたって設ける以外に、セルコーナーCC上に離散的に設けるようにしても良い。
以上のように、この実施の形態6によれば、図3のステップS1,S2では、セル内部空間において、セル底壁51とセル側壁52,52’とが接するセルコーナーCCに沿って一周にわたり又は離散的に形成され、かつ、セルコーナーCC近傍において、セル底壁51とセル側壁52,52’との結合を補強するセル補強部55を3次元データに含めて入力し、スライスデータに変換するようにしたので、セル53の強度を高めることができ、信頼性の高いハニカム構造体を製造できるという効果が得られる。
なお、このセル補強部55は、本願明細書中の各実施の形態で示したハニカム構造体のセルに限定して適用されるものではなく、セル内部空間を六角柱形状とした一般的なハニカム構造体のセルなどにも適用可能であり、同様の効果が得られる。
実施の形態7.
図11はこの発明の実施の形態7によるハニカム構造体製造システムの構成を示す図である。
図11の巣箱300内には、各実施の形態1〜6で示した養蜂用のハニカム構造体301を人工巣脾として複数セットしてある。この巣箱300内には、巣箱300の設置環境と蜜蜂の活動とを観測するための各センサ(環境パラメータ測定手段)302A〜302Jが設けられている。
温度センサ302Aは巣箱300内の温度を観測するセンサであり、巣箱300内の複数の位置にそれぞれ設けて巣箱300内の各位置における温度と、これらの温度を平均化した平均温度を観察する。蜜蜂は飛翔筋を高速に動作させることで温度を上げ、羽で風を送ることにより温度を低下させて巣脾を一定温度に制御していることが知られており、蜜蜂の活動を解析する上で巣箱300内の温度を温度センサ302Aで観測することは極めて重要である。
湿度センサ302Bは巣箱300内の湿度を観測するセンサであり、イメージセンサ302CはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサで構成する。
これらのセンサ情報をセンサ領域で平均化し可視光領域での輝度情報を得るようにしても良いが、図11ではフォトダイオードなどの輝度センサ302Jを別に設けるように構成している。一例として、複数のフィルタを搭載した複数のフォトダイオード群から特定の分光特性を有するフォトダイオードを選択することにより、特定波長の輝度を高精度に観測することができる。
なお、巣箱300に輝度センサ302Jを実装せず、イメージセンサ302Cのセンサ情報を平均化して輝度を検知する場合は、輝度センサ302Jのスロットをオプションスロット(将来の拡張スロット)として使用することもできる。例えば、蜜蜂の個体を識別するための装置を設けるようにしても良い。
赤外線センサ302Dは蜜蜂の体温分布や蜜蜂の集合体の温度分布、巣箱300内のハニカム構造体301の温度分布などを高精度に観測することができる。これらのセンサ情報から、発熱蜂の巣脾の暖房方法、暖房に用いている消費エネルギーなどの貴重な情報を得ることができる。
匂いセンサ302Eはフェロモンなどの匂いを検知するセンサである。女王蜂は特別のフェロモンを出してこのフェロモンを巣箱300全体に行き渡らせることにより、女王蜂の存在とその状態とについての情報を伝えていることが知られており、匂いセンサ302Eでフェロモンなどの匂いを検知することは、蜜蜂コロニーでの情報伝達の仕組みを解明する上で重要である。
音響センサ302Fは具体的には小型マイクロフォンなどであり、蜜蜂の音声を観測する。蜜蜂は音声によってコミュニケーションを図っていることが知られており、蜜蜂の音声によるコミュニケーションを知る上で音響センサ302Fは重要である。
振動センサ302Gはハニカム構造体301の振動を、COセンサ302H及びNOセンサ302Iは巣箱300内のCO濃度及びNO濃度をそれぞれ観測するセンサであり、巣箱300内の複数の位置に設けるように構成しても良い。
センサバス303は、各センサ302A〜302Jと送受信部304との間の伝送路であり、シリアルバス、パラレルバスのいずれであっても良い。センサバス303を伝送する信号速度は低速なのでシリアルバスで十分機能する。
送受信部304は、各センサ302A〜302Jからセンサバス303を介してセンサ情報を得ると、これらを符号化してRF(Radio Frequency)信号に重畳しハニカム構造体設計装置400のセンサ情報取得部402に送信するとともに、センサ制御部403からの無線信号を受信して復号化しセンサバス303に出力する。
各センサ302A〜302Jと、センサ情報取得部402及びセンサ制御部403との間でセンサバス303及び送受信部304を介してやりとりされるセンサ情報や信号は、各センサ302A〜302J固有のID番号を有するように構成されている。したがって、センサ情報取得部402は各センサ302A〜302JのID番号を参照して送受信部304から送られてきた各センサ302A〜302Jのセンサ情報を抽出し、また、各センサ302A〜302Jは自己のID番号に対応する信号をセンサバス303から取り込む。
熱/光/音響/振動/匂い/出力部305は、ハニカム構造体設計装置400に設けられた環境パラメータ発生部401からの指示により、巣箱300に対し、熱、光、音響、振動、匂いを出力する。巣箱300を自然環境下におき蜜蜂の活動を観察する場合は長時間の観察が必要であり、また、必ずしも所望の環境下で観察できるとは限らない。
そこで、この実施の形態7では、巣箱300内の環境パラメータを積極的に変えて、この環境下での蜜蜂の活動を観察するようにしている。このようにすることで、所望の環境下において蜜蜂の活動を効率的に観察できるようになる。このとき、2つ以上の環境パラメータを同時に変え、蜜蜂に与える環境負荷をより強くするようにしてもよい。
なお、図11では、各センサ302A〜302Jが一列に配置されているように図示しているが、実際には、各センサ302A〜302Jは巣箱300内の最適な位置にそれぞれ分散して配置される。また、各センサ302A〜302Jの中の一種類のセンサを複数個それぞれ複数の場所に設置して各場所に応じたセンサ情報を得るように構成しても良い。
次に動作について説明する。
<初期設定>
センサ情報取得部402は、センサバス303及び送受信部304を介して各センサ302A〜302Jから送られてきたRF信号を復調および復号化しセンサ制御部403に出力する。センサ制御部403は、この信号が正常か否かを検知するとともに、ノイズレベル、オフセット信号などを検知し、これらの信号により補正信号と検知すべきセンサ信号を得るための制御信号とを各センサ302A〜302Jに出力する。
例えば、センサ情報取得部402は、巣箱300内のどの位置の画像を取り込むかを決定し、イメージセンサ302Cの角度を調整するための制御信号を、センサ制御部403を介して巣箱300内のイメージセンサ302Cへ送信する。
また例えば、センサ情報取得部402は、輝度センサ302Jを構成する複数のフォトダイオード群から特定の分光特性を有するフォトダイオードを選択するための選択信号を、センサ制御部403を介して巣箱300内の輝度センサ302Jへ送信し、これにより特定波長の輝度を高精度に測定する。
さらに例えば、センサ情報取得部402は、複数配置されたセンサのうち、どのセンサを活性化させるかについての制御信号を、センサ制御部403を介して巣箱300へ送信する。
なお、ノイズレベル、オフセット信号を補正する際には、送受信部304に組み込んだ不図示の標準信号発生装置からの出力信号と各センサ302A〜302Jからの信号とを比較して補正信号を算出するように構成しても良い。
<動作>
図11において蜜蜂の活動を観察するには、以下の(1),(2)のやり方がある。以下では後者(2)の場合について説明する。
(1)環境パラメータ発生部401を停止させて自然環境下に巣箱300をおいて蜜蜂の活動を観察する。
(2)環境パラメータ発生部401を動作させて熱/光/音響/振動/匂い/出力部305から各環境パラメータ(熱、光、音響、振動、匂い)のうちの一又は複数を出力し、環境パラメータを積極的に変えて作り出した環境下に巣箱300をおいて蜜蜂の活動を観察する。
環境パラメータ発生部401からの信号により巣箱300内の環境を変化させると、この環境変化に応じて蜜蜂の活動が変化し、各センサ302A〜302Jが巣箱300の環境と蜜蜂の応答とを検知し、センサバス303及び送受信部304を介してセンサ情報取得部402にセンサ信号を出力する。
シミュレーション部404はセンサ情報取得部402からセンサ信号を、環境パラメータ発生部401から環境パラメータをそれぞれ受け取るとともに、ハニカム構造体301の材質(造形材料)及び構造パラメータとをハニカム構造体ファイル31から読み出す。
そしてシミュレーション部404は、巣箱300に設置されているハニカム構造体301について、環境パラメータと蜜蜂の活動及び蜜蜂が貯留した蜂蜜の量との相関関係をシミュレーションし、このシミュレーション結果をハニカム構造体ファイル31に格納する。このような工程を繰り返すことで、蜜蜂及び養蜂家にとって好適な材質および構造パラメータを算出し、パラメータ修正部405に出力する。
パラメータ修正部405は、上記のシミュレーション結果を受けて3Dプリンタ502用のハニカム構造体の3次元データを生成し、パソコンなどの3DプリンタI/F(Interface)部501に出力する。3DプリンタI/F部501は、図3のステップS2において3次元データをスライスデータに変換し、3Dプリンタ502にGコードを出力し、3Dプリンタ502はより改良されたハニカム構造体301を製造する。
<効果>
この実施の形態7では、巣箱300内に設置した各センサ302A〜302Jを用いて24時間リアルタイムで蜜蜂の活動を観察することが可能であり、この観察結果を用いてハニカム構造体設計装置400が蜜蜂の活動を解析し、蜜蜂にとって好適なハニカム構造体301を設計することができる。そして3Dプリンタ502を用いてハニカム構造体301に改良し、改良したハニカム構造体301を巣箱300に実装することにより、蜜蜂にとってより好適な環境を提供することができる。
また、環境パラメータ発生部401を動作させて、熱/光/音響/振動/匂い/出力部305により巣箱300内の環境パラメータを自然環境下から変化させた状態で蜜蜂の行動を観察することができ、環境の推移を予め予測したうえで蜜蜂の活動を予測することが可能となる。このため、自然環境の変化にも十分対応可能なハニカム構造体301を提供することができる。
以上のように、この実施の形態7によれば、図3のステップS8〜S10において、実施の形態1〜6のハニカム構造体301が養蜂用の人工巣脾として実装されるとともに、ハニカム構造体301に関する温度、湿度、イメージ、温度分布、匂い、音響、振動、CO濃度、NO濃度及び輝度といった各環境パラメータを測定して出力する各センサ302A〜302J,センサバス303及び送受信部304とを備えた巣箱300と、各センサ302A〜302Jがそれぞれ測定した各環境パラメータをセンサ情報取得部402で取得し、ハニカム構造体301について、蜜蜂の活動及び蜜蜂が貯留した蜂蜜の量との相関関係をシミュレーションし、このシミュレーション結果を基に、ハニカム構造体301の材質及び構造パラメータをシミュレーション部404により修正するとともに、ハニカム構造体301の3次元データをパラメータ修正部405で修正するハニカム構造体設計装置400とを備えるようにしたので、各センサ302A〜302Jを用いて24時間リアルタイムで巣箱300内の蜜蜂の活動を観察することができ、この観察結果を用いてシミュレーションを行うので、蜜蜂にとって好適なハニカム構造体301に改良できるという効果が得られる。
また、この実施の形態7によれば、図3のステップS8において、巣箱300内の熱/光/音響/振動/匂いといった各環境パラメータを変化させる環境パラメータ発生部401及び熱/光/音響/振動/匂い/出力部305を備えるようにしたので、巣箱300内の環境パラメータを自然環境下から変化させた状態で蜜蜂の行動を観察できるようになり、環境変化を予め予測したうえで蜜蜂の活動を予測でき、このため、自然環境の変化にも十分対応可能なハニカム構造体301を提供できるという効果が得られる。
なお上記の説明において、セルは六角形のセル底壁の各辺に立設するセル側壁として説明したが、六角形に限らず、四角形、五角形、八角形などの多角形であっても良い。このような形状に拡張することで、巣脾以外のハニカム構造体に広く応用することができる。
10 ヘッド、101 造形材料供給ヘッド、102 サポート材料供給ヘッド、103 平滑ローラー、104 光源、11 造形ステージ、12 造形材料、13 サポート材料、21 X軸方向制御部、22 Y軸方向制御部、23 Z軸方向制御部、24 造形材料供給ヘッド制御部、25 サポート材料供給ヘッド制御部、26 光源制御部、27 モニター部、28 操作部、29 CPU(制御部)、210 バス、41 ハニカム構造体、42,51 セル底壁、43,52,52’,52h,52l セル側壁、52u セル上端、44 残渣、45 セル封止材(セル封止手段)、53 セル、54 セル中心軸、55 セル補強部、61 サポート材料、71 ハニカム構造体、72 サブハニカム構造体、73 キャップ状構造体、731 キャップ状構造体側結合部、74 ハニカム構造体側結合部、CC セルコーナー、300 巣箱、301 ハニカム構造体、302A〜302J 各センサ(環境パラメータ測定手段)、303 センサバス、304 送受信部、305 熱/光/音響/振動/匂い出力部、400 ハニカム構造体設計装置、401 環境パラメータ発生部、402 センサ情報取得部、403 センサ制御部、404 シミュレーション部、405 パラメータ修正部、501 3DプリンタI/F部、502 3Dプリンタ。

Claims (7)

  1. 六角形状をなすセル底壁と、前記セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えた養蜂用のハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法において、
    前記ハニカム構造体の3次元データを入力し、前記3次元データをスライスデータに変換する第1のステップと、
    前記第1のステップで変換したスライスデータを参照し、造形材料及び前記造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上にそれぞれ積層することにより、
    前記セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に形成し、前記セル側壁を、前記各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して形成する第2のステップと、
    前記第2のステップで形成した前記ハニカム構造体から前記サポート材料を除去する第3のステップと
    を備え、
    前記第3のステップ以降に、前記サポート材料を除去した前記ハニカム構造体のセル開口部の全体をセル封止手段により覆い、この状態のまま前記ハニカム構造体を洗浄する第4のステップを備えることを特徴とするハニカム構造体製造方法。
  2. 六角形状をなすセル底壁と、前記セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えたハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法において、
    前記ハニカム構造体の3次元データを入力し、前記3次元データをスライスデータに変換する第1のステップと、
    前記第1のステップで変換したスライスデータを参照し、造形材料及び前記造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上においてXY平面に直交するZ軸方向において一層分ずつそれぞれ積層することにより、
    前記セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に前記造形材料で形成し、前記セル側壁を、前記各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して前記造形材料で形成する第2のステップと、
    前記第2のステップで形成した前記ハニカム構造体から前記サポート材料を除去する第3のステップと
    を備え、
    前記第2のステップにおいて、前記セル底壁を前記六角錐形状に形成するとき、前記サポート材料により前記造形ステージ上に前記XY平面に対して傾斜する土台を造形し、前記Z軸方向において前記サポート材料の前記傾斜した土台上に前記造形材料を所定の厚さまで積層するように、一層ずつ前記造形材料と前記サポート材料とを選択的に積層し、
    前記第3のステップ以降に、前記サポート材料を除去した前記ハニカム構造体のセル開口部の全体をセル封止手段により覆い、この状態のまま前記ハニカム構造体を洗浄する第4のステップを備えることを特徴とするハニカム構造体製造方法。
  3. 六角形状をなすセル底壁と、前記セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えたハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法において、
    前記ハニカム構造体の3次元データを入力し、前記3次元データをスライスデータに変換する第1のステップと、
    前記第1のステップで変換したスライスデータを参照し、造形材料及び前記造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上においてXY平面に直交するZ軸方向において一層分ずつそれぞれ積層することにより、
    前記セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に前記造形材料で形成し、前記セル側壁を、前記各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して前記造形材料で形成する第2のステップと、
    前記第2のステップで形成した前記ハニカム構造体から前記サポート材料を除去する第3のステップと
    を備え、
    前記第2のステップにおいて、前記セル底壁を前記六角錐形状に形成するとき、前記サポート材料により前記造形ステージ上に前記XY平面に対して傾斜する土台を造形し、前記Z軸方向において前記サポート材料の前記傾斜した土台上に前記造形材料を所定の厚さまで積層するように、一層ずつ前記造形材料と前記サポート材料とを選択的に積層し、
    前記セル側壁の上端が前記セル側壁において膨らんでいることを特徴とするハニカム構造体製造方法。
  4. 六角形状をなすセル底壁と、前記セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えたハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法において、
    前記ハニカム構造体の3次元データを入力し、前記3次元データをスライスデータに変換する第1のステップと、
    前記第1のステップで変換したスライスデータを参照し、造形材料及び前記造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上においてXY平面に直交するZ軸方向において一層分ずつそれぞれ積層することにより、
    前記セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に前記造形材料で形成し、前記セル側壁を、前記各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して前記造形材料で形成する第2のステップと、
    前記第2のステップで形成した前記ハニカム構造体から前記サポート材料を除去する第3のステップと
    を備え、
    前記第2のステップにおいて、前記セル底壁を前記六角錐形状に形成するとき、前記サポート材料により前記造形ステージ上に前記XY平面に対して傾斜する土台を造形し、前記Z軸方向において前記サポート材料の前記傾斜した土台上に前記造形材料を所定の厚さまで積層するように、一層ずつ前記造形材料と前記サポート材料とを選択的に積層し、
    前記セル底壁と前記セル側壁とが接するセルコーナー部に沿って一周または離散的に、前記セル底壁と前記セル側壁との結合を補強するセル補強部を備えたことを特徴とするハニカム構造体製造方法。
  5. 六角形状をなすセル底壁と、前記セル底壁の各辺にそれぞれ立設された6個のセル側壁とからなるセルを複数備えたハニカム構造体を製造するためのハニカム構造体製造方法において、
    前記ハニカム構造体の3次元データを入力し、前記3次元データをスライスデータに変換する第1のステップと、
    前記第1のステップで変換したスライスデータを参照し、造形材料及び前記造形材料と異なる材料のサポート材料を造形ステージ上においてXY平面に直交するZ軸方向において一層分ずつそれぞれ積層することにより、
    前記セル底壁を、後方に突き出た六角錐形状に前記造形材料で形成し、前記セル側壁を、前記各セルが全て同じ側にそれぞれ傾斜するように立設して前記造形材料で形成する第2のステップと、
    前記第2のステップで形成した前記ハニカム構造体から前記サポート材料を除去する第3のステップと、
    更なるステップと
    を備え、
    前記第2のステップにおいて、前記セル底壁を前記六角錐形状に形成するとき、前記サポート材料により前記造形ステージ上に前記XY平面に対して傾斜する土台を造形し、前記Z軸方向において前記サポート材料の前記傾斜した土台上に前記造形材料を所定の厚さまで積層するように、一層ずつ前記造形材料と前記サポート材料とを選択的に積層し、
    前記更なるステップでは、
    製造されたハニカム構造体を養蜂用の人巣脾として巣箱に実装し、
    前記ハニカム構造体を実装した前記巣箱内の環境パラメータを環境パラメータ測定手段で測定し、
    前記環境パラメータ測定手段が測定した前記環境パラメータを取得して、前記ハニカム構造体について、蜜蜂の活動及び前記蜜蜂が貯留した蜂蜜の量との相関関係をシミュレーションし、このシミュレーション結果を基に、前記ハニカム構造体の材質及び構造パラメータを修正するとともに、前記ハニカム構造体の前記3次元データを修正する、
    ことを特徴とするハニカム構造体製造方法。
  6. 前記第1のステップでは、平面視において前記各セル側壁と平行又は垂直な方向に沿って、前記ハニカム構造体が複数備えた前記各セルの前記セル側壁の固有情報をコード化して前記3次元データに含めて入力して前記スライスデータに変換し、
    前記第2のステップでは、前記コード化の結果に応じて所定の固有情報に合致した前記セル側壁を形成することを特徴とする請求項4に記載のハニカム構造体製造方法。
  7. 前記セルよりも大きいセルを複数備えたサブハニカム構造体が、前記ハニカム構造体の外周部の少なくとも一部に前記ハニカム構造体と一体的に造形されることを特徴とする請求項4に記載のハニカム構造体製造方法。
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