JP5998760B2 - 試薬容器および検査チップ - Google Patents

試薬容器および検査チップ Download PDF

Info

Publication number
JP5998760B2
JP5998760B2 JP2012192553A JP2012192553A JP5998760B2 JP 5998760 B2 JP5998760 B2 JP 5998760B2 JP 2012192553 A JP2012192553 A JP 2012192553A JP 2012192553 A JP2012192553 A JP 2012192553A JP 5998760 B2 JP5998760 B2 JP 5998760B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reagent
container
unit
insertion port
storage unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012192553A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014048209A (ja
Inventor
由美子 大鹿
由美子 大鹿
千里 吉村
千里 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2012192553A priority Critical patent/JP5998760B2/ja
Priority to PCT/JP2013/073109 priority patent/WO2014034764A1/ja
Publication of JP2014048209A publication Critical patent/JP2014048209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5998760B2 publication Critical patent/JP5998760B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • G01N35/1002Reagent dispensers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L3/00Containers or dishes for laboratory use, e.g. laboratory glassware; Droppers
    • B01L3/50Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes
    • B01L3/502Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2200/00Solutions for specific problems relating to chemical or physical laboratory apparatus
    • B01L2200/16Reagents, handling or storing thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2300/00Additional constructional details
    • B01L2300/08Geometry, shape and general structure
    • B01L2300/0809Geometry, shape and general structure rectangular shaped
    • B01L2300/0816Cards, e.g. flat sample carriers usually with flow in two horizontal directions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2300/00Additional constructional details
    • B01L2300/08Geometry, shape and general structure
    • B01L2300/0861Configuration of multiple channels and/or chambers in a single devices
    • B01L2300/087Multiple sequential chambers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2400/00Moving or stopping fluids
    • B01L2400/04Moving fluids with specific forces or mechanical means
    • B01L2400/0403Moving fluids with specific forces or mechanical means specific forces
    • B01L2400/0409Moving fluids with specific forces or mechanical means specific forces centrifugal forces
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2400/00Moving or stopping fluids
    • B01L2400/06Valves, specific forms thereof
    • B01L2400/0677Valves, specific forms thereof phase change valves; Meltable, freezing, dissolvable plugs; Destructible barriers
    • B01L2400/0683Valves, specific forms thereof phase change valves; Meltable, freezing, dissolvable plugs; Destructible barriers mechanically breaking a wall or membrane within a channel or chamber
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/02Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor using a plurality of sample containers moved by a conveyor system past one or more treatment or analysis stations
    • G01N35/04Details of the conveyor system
    • G01N2035/0439Rotary sample carriers, i.e. carousels
    • G01N2035/0446Combinations of the above
    • G01N2035/0449Combinations of the above using centrifugal transport of liquid

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Description

本発明は、検査対象物の化学的、医学的、生物学的な検査を行うための試薬容器および検査チップに関する。
従来、生体物質および化学物質等を検査するための検査チップが知られている。例えば特許文献1には、試薬が収容されている試薬容器を内部に挿入可能なカセットが開示されている。試薬容器の表面には、試薬が封止するホイルカバーが貼られている。カセットの内部に試薬容器が挿入される時に、試薬容器からホイルカバーが剥がれる。これにより、試薬容器に収容されている試薬は、カセットの内部に形成された流路へ供給可能となる。
特開2009−92643号公報
上記のカセットでは内部に試薬容器が挿入された場合に、試薬の一部がカセット内の流路に供給されずに、例えばホイルカバーの破断面などの試薬容器の所定箇所に残存することがある。カセットに遠心処理が実行されると、流路に供給された試薬と検査対象の検体とが混合された混合液が生成される。このとき、試薬容器の所定箇所に試薬が残存していると、この残存試薬が遠心処理に伴ってカセット内の流路に流入し、生成済みの混合液に混入する場合がある。生成された混合液に残存試薬が混入すると、正確な検査結果を得られないおそれがあった。
本発明の目的は、試薬容器から流路に供給されずに残存した試薬が、生成済みの混合液に混入するおそれを低減可能な試薬容器および検査チップを提供することである。
本発明の第態様は、液体である検体および試薬を内部に収容可能であり、且つ、所定の軸を中心に回転されることで前記検体および前記試薬が混合される検査チップに挿入可能な試薬容器であって、前記試薬を収容可能な空間を含む試薬収容部と、前記試薬収容部に収容された前記試薬を封止するシール材と、前記試薬収容部に連通する空間を含み、前記試薬収容部に収容された前記試薬の一部を収容可能な捕捉部とを備える。
上記態様に係る試薬容器によれば、試薬収容部に収容された試薬は、シール材によって封止される。試薬収容部に連通する空間を含む捕捉部は、試薬の一部を収容可能である。シール材を破断して試薬収容部から試薬を流出させたのち、試薬収容部に残存した試薬を捕捉部に収容することで、試薬容器の外部への残存試薬の流出が抑制される。そのため、例えば検査チップに試薬容器を挿入した場合に、残存試薬が検査チップ内で生成済みの混合液に混入するおそれを低減できる。
本発明の第態様は、前記試薬容器を備えた検査チップであって、前記試薬容器を挿入可能な挿入口と、前記挿入口から挿入された前記試薬容器を収容可能な空間を含む容器収容部と、前記容器収容部に設けられ、前記容器収容部に配置される前記試薬容器の前記シール材に穴を形成可能な突起部と、前記容器収容部に接続され、前記試薬が前記検体と混合される位置に向けて移動可能な供給路と、前記容器収容部に設けられ、前記穴から流出した前記試薬が前記供給路に向けて移動可能な試薬流路とを備え、前記試薬収容部に対して前記捕捉部が位置する方向は、前記試薬容器が前記挿入口から挿入された状態において、前記試薬が前記試薬流路を移動される方向に沿うことを特徴とする。
上記態様に係る検査チップによれば、挿入口から挿入された試薬容器は、容器収容部に配置され、突起部によってシール材に穴が形成される。形成された穴から流出する試薬は、試薬流路によって供給路に向けて移動可能である。試薬収容部を基準として捕捉部が位置する方向は、試薬容器が挿入口から挿入された状態において、試薬が試薬流路を移動される方向に沿う。そのため、容器収容部内の残存試薬は、試薬流路の試薬と同一方向に移動可能である。したがって、試薬を試薬流路で移動させる外力が検査チップに付与された場合に、容器収容部内の残存試薬も捕捉部に移動できる。検査チップ内で試薬と検体が混合された時点では、残存試薬は捕捉部に収容されているため、残存試薬が生成済みの混合液に混入するおそれを低減できる。
前記試薬容器は、前記試薬収容部に収容されている前記試薬が移動可能な容器内流路を備え、前記試薬が前記容器内流路を移動される方向は、前記試薬容器が前記挿入口から挿入された状態において、前記試薬が前記試薬流路を移動される方向に沿ってもよい。この場合、試薬を試薬流路で移動させる外力が検査チップに付与された場合に、容器収容部内の残存試薬を容器内流路によって捕捉部までスムーズに移動できる。
前記試薬流路は、前記容器収容部を形成する壁を含み、前記容器内流路は、前記試薬収容部を形成する壁を含み、前記試薬収容部を形成する壁は、前記試薬容器が前記挿入口から挿入された状態において、前記容器収容部を形成する壁と同一方向に傾斜してもよい。この場合、試薬流路および容器内流路の各々において試薬を、同一方向に移動させることができる。
検査チップ2が定常状態にある、検査装置1の背面図である。 検査チップ2が変位状態にある、検査装置1の背面図である。 図1に示す検査装置1の平面図である。 第一実施形態に係る、検査チップ2および試薬ユニット200の斜視図である。 第一実施形態に係る、第一容器収容部140の拡大正面図である。 第一実施形態に係る、遠心処理前の検査チップ2の正面図である。 図6に続き、自転角度0度で公転される検査チップ2の正面図である。 図7に続き、自転角度90度で公転される検査チップ2の正面図である。 図8に続き、自転角度0度で公転される検査チップ2の正面図である。 図9に続き、遠心処理後の検査チップ2の正面図である。 第二実施形態に係る、検査チップ2および試薬ユニット200の斜視図である。 第二実施形態に係る、遠心処理前の検査チップ2の正面図である。 図12のI−I線矢視方向断面図である。 図11に続き、自転角度0度で公転される検査チップ2の正面図である。
本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、単なる説明例である。
<1.第一実施形態>
本発明の第一実施形態を説明する。図1および図2を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体および試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査装置1は、検査チップ2から離間した垂直軸を中心とした回転によって、検査チップ2に遠心力を付与できる。検査装置1は、検査チップ2を水平軸まわりに回転させることによって、検査チップ2に付与される遠心力の方向である遠心方向を切り替え可能である。
<1−1.検査装置1の構造>
図1〜図3を参照して、検査装置1の詳細構造について説明する。以下の説明では、図1および図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の上方、下方、右方、左方、後方、前方とする。図3の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の前方、下方、右方、左方、上方、下方とする。本実施形態では、垂直軸の方向は上下方向であり、水平軸の方向は検査チップ2が垂直軸を中心とした回転の際の速度の方向である。なお、理解を容易にするために、図1および図2では上部筐体30を仮想線で示し、図3では上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1〜図3に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、ターンテーブル33、角度変更機構34、および制御装置90を備える。ターンテーブル33は、下部筐体31の上面側に設けられる円盤状の回転体である。検査チップ2は、ターンテーブル33の上方に保持される。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた駆動機構である。この駆動機構は、検査チップ2を水平軸まわりに回転させる。上部筐体30は、下部筐体31の上側に固定されており、検査チップ2に対して光学的な計測を行う計測部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の遠心処理および計測処理等を制御するコントローラである。
下部筐体31の詳細構造を説明する。図1および図2に示すように、下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、平面視長方形の板材である上板32が設けられている。上板32の上側には、ターンテーブル33が回転自在に設けられている。下部筐体31の内部には、ターンテーブル33を垂直軸まわりに回転させる駆動機構が、次のように設けられている。
下部筐体31内の左方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。平面視で下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、平面視でターンテーブル33の中央部に接続されている。
主軸57は、上板32の直下に設けられた支持部材53によって、回転自在に保持されている。支持部材53の下側では、主軸57にプーリ38が固定されている。プーリ37、38に亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、およびプーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
下部筐体31内の右方寄りに、下部筐体31の内部で上下方向に延びるガイドレール56が設けられている。T型プレート48は、ガイドレール56に沿って下部筐体31内で上下方向に移動可能である。T型プレート48の前側、すなわち図1および図2では紙面奥側の面には、左右方向に長い溝部80が形成されている。
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。内軸40は、主軸57の内部で上下方向に移動可能な軸である。内軸40の上端部は、主軸57内を貫通して後述のラックギア43に接続されている。T型プレート48の左端部には、軸受41が設けられている。軸受41の内部では、内軸40の下端部が回転自在に保持される。
T型プレート48の前側には、T型プレート48を上下動させるためのステッピングモータ51が固定されている。ステッピングモータ51の軸58は後側、すなわち図1および図2では紙面手前側に向けて突出している。軸58の先端には、円盤状のカム板59が固定されている。カム板59の後側の面には、円柱状の突起70が設けられている。突起70の先端部は、先述の溝部80に挿入されている。突起70は、溝部80内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板59の回転に連動して突起70が上下動する。このとき、溝部80に挿入されている突起70に連動して、T型プレート48がガイドレール56に沿って上下動する。
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、ターンテーブル33の上面に固定された一対のL型プレート60を有する。各L型プレート60は、ターンテーブル33の中心近傍に固定された基部から上方に延び、且つ、その上端部がターンテーブル33の径方向外側に向けて延びている。一対のL型プレート60の間には、内軸40に固定されたラックギア43が設けられている。ラックギア43は、上下方向に長い金属製の板状部材であり、両端面にギアが各々刻まれている。
各L型プレート60の延設方向の先端側では、ギア45を有する水平な支軸46が回転自在に軸支されている。支軸46は図示外の装着用ホルダを介して検査チップ2に固定されている。このため、ギア45の回転に連動して検査チップ2も支軸46を中心に回転する。ギア45とラックギア43との間には、L型プレート60によって水平軸まわりに回転自在に支持されたピニオンギア44が介在している。ピニオンギア44は、ギア45およびラックギア43にそれぞれ噛合している。ラックギア43の上下動に連動して、ピニオンギア44、ギア45がそれぞれ従動回転し、ひいては検査チップ2が支軸46を中心に回転する。
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、検査チップ2が垂直軸である主軸57を中心に回転して、検査チップ2に遠心力が付与される。検査チップ2の垂直軸まわりの回転を、公転と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸40を上下動させるのに伴って、検査チップ2が水平軸である支軸46を中心に回転して、検査チップ2に作用する遠心力の方向が相対変化する。検査チップ2の水平軸まわりの回転を、自転と呼ぶ。
図1に示すように、T型プレート48が可動範囲の最下端まで下降した状態では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、検査チップ2は、自転角度が「0度」の定常状態になる。図2に示すように、T型プレート48が可動範囲の最上端まで上昇した状態では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上昇する。このとき、検査チップ2は、定常状態から180度水平軸まわりに回転した状態になる。つまり、本実施形態では検査チップ2が自転可能な角度幅は、自転角度0度〜180度である。
上部筐体30の詳細構造を説明する。図3に示すように、上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心にある主軸57からみて、検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。
上部筐体30の内部に設けられた計測部7は、計測光を発する光源71と、光源71から発せられた計測光を検出する光センサ72とを有する。光源71および光センサ72は、検査チップ2の回転範囲の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に計測光が照射される計測位置である。検査チップ2が計測位置にある場合、光源71と光センサ72とを結ぶ光路が、平面視で検査チップ2の前後面に対して垂直に交差する。
<1−2.検査チップ2の構造>
図4および図5を参照して、第一実施形態に係る検査チップ2および試薬ユニット200の詳細構造を説明する。以下の説明では、図4の上方、下方、左下方、右上方、右下方、左上方を、それぞれ、検査チップ2および試薬ユニット200の上方、下方、前方、後方、右方、左方とする。
図4に示すように、検査チップ2は、試薬を収容した試薬ユニット200を装着可能である。試薬ユニット200は、第一容器210および第二容器220を有する。第一容器210および第二容器220は、前後方向の厚みが小さく且つ上下方向が長手方向の直方体状であり、それぞれ内部に第一試薬11および第二試薬12を保持する。第一容器210および第二容器220の各右上部分には、それぞれ右側に延びる板状部231、232が設けられている。板状部231は、第二容器220の左上部分に接続されている。第一容器210および第二容器220は、板状部231によって左右方向に並んで一体に支持される。
第一容器210の内部には、後方に開口する凹部である試薬格納部211が設けられている。試薬格納部211の開口を塞ぐシール材212によって、試薬格納部211の内部に第一試薬11が封止されている。同様に、第二容器220の内部には、後方に開口する凹部である試薬格納部221が設けられている。試薬格納部221の開口を塞ぐシール材222によって、試薬格納部221の内部に第二試薬12が封止されている。
検査チップ2は、上下方向に長い長方形状であり、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。板材20の上面には、検体挿入口110、第一挿入口130、第二挿入口150が形成されている。検体挿入口110は、図6に示す検体10を検査チップ2の内部に注入するための開口である。例えば、図示しない器具に収容された検体10が、ユーザの操作によって検体挿入口110に注入されればよい。すなわち、公知の手法を用いて、検体挿入口110を介して検体10が検査チップ2の内部に注入されればよい。
第一挿入口130は、検査チップ2の内部に第一容器210を挿入するための開口である。すなわち、第一挿入口130は、第一容器210が挿入可能な形状を有している。具体的には、第一挿入口130の前後方向の幅は、第一容器210の前後方向の幅よりも大きい。第一挿入口130の左右方向の幅は、第一容器210の左右方向の幅よりも僅かに大きい。
第二挿入口150は、検査チップ2の内部に第二容器220を挿入するための開口である。すなわち、第二挿入口150は、第二容器220が挿入される形状を有している。具体的には、第二挿入口150の前後方向の幅は、第二容器220の前後方向の幅よりも大きい。第二挿入口150の左右方向の幅は、第二容器220の左右方向の幅よりも僅かに大きい。
検体挿入口110、第一挿入口130、および第二挿入口150は、検査チップ2の上側の壁面である上辺部21に沿って左右方向に並んで形成されている。検体挿入口110、第一挿入口130、第二挿入口150のうち、検体挿入口110が検査チップ2の左側の壁面である左辺部23に最も近い。第二挿入口150が検査チップ2の右側の壁面である右辺部22に最も近い。第一挿入口130が検体挿入口110と第二挿入口150との間に位置する。なお、検査チップ2の下側の壁面は、下辺部24である。
板材20の前面は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート29によって封止されている。板材20とシート29との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。液体流路25は、板材20の前面側に所定深さで形成された凹部であり、板材20の厚み方向と直交する方向に延びる。すなわち、シート29は、板材20の流路形成面を封止する。液体流路25は、検体貯留部111、検体定量部114、検体余剰部116、第一容器収容部140、試薬定量部133、試薬余剰部135、第二容器収容部160、試薬定量部153、試薬余剰部155、混合部170、および貯留部175を含む。
検体挿入口110は、その下側に設けられた検体貯留部111に連通している。検体貯留部111は、検体挿入口110から注入された検体10が貯留される部位であり、上側に開口する凹部である。検体貯留部111から右方向に延びる検体供給路112は、検体貯留部111の下方に設けられ、流路が狭く形成された検体供給部113に接続する。検体供給部113の下方には、検体定量部114が設けられている。検体定量部114は、検体10を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。検体供給部113から検体定量部114の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、検体定量部114の凹部内側の体積と同量の検体10が定量される。
検体供給部113と検体定量部114とが連通する部位から、第一通路115および第二通路117が左右両側に延びている。第一通路115は、検体定量部114の左下方に設けられた検体余剰部116まで延びている。すなわち、第一通路115は、流路の形成方向が変わる。検体余剰部116は、検体定量部114から溢れ出た検体10が貯留される部位であり、第一通路115の下端部から右方向に延びる凹部である。第二通路117は、検体定量部114の右側に設けられた後述の混合部170まで延びている。
第一挿入口130は、その下側に設けられた第一容器収容部140に連通している。第一容器収容部140は、第一挿入口130から挿入された第一容器210を収容可能である。支持部138は、第一挿入口130の右側に設けられた、板材20の上面の一部である。第一挿入口130から第一容器210が挿入されると、支持部138が板状部231を下方から支持する。試薬案内壁141が傾斜面になっており、第一挿入口130から試薬案内壁141の上端までの長さは、第一容器210の上下方向の長さとほぼ等しい。これにより、第一容器210は、試薬案内壁141、142から離間した状態で、第一容器収容部140内に配置される。
第一挿入口130および第一容器収容部140の前後方向長さは、第一容器210の前後方向長さよりも大きい。第一挿入口130の左右方向長さは、第一容器210の左右方向長さよりも僅かに大きい程度である。第一挿入口130および第一容器収容部140が上述した前後方向長さの関係を有するので、第一容器収容部140に収容された第一容器210は、前後方向に移動可能である。第一容器収容部140の右上部分は、後述の試薬供給路131に連通している。
第一容器収容部140には、突起部143が設けられている。接触面144は第一容器収容部140の後面を形成する壁面である。接触面144に、接触面144から前方に突出する突起部143が設けられる。接触面144は、公転方向の下流側の壁面である。この公転方向の下流側の側壁は、第一挿入口130に挿入された第一容器210が、先述の公転時に生じるコリオリ力によって接触する壁面である。突起部143は、第一挿入口130から挿入される第一容器210のシール材212に、図6に示すように穴Rを形成可能である。この穴Rから第一試薬11が流出する。
図5に示すように、第一容器収容部140の下壁は、試薬案内壁141、142を含む。試薬案内壁141は、第一容器収容部140の左側下部から左右方向略中央まで、右下方向に延びる傾斜面である。試薬案内壁142は、第一容器収容部140の左右方向略中央から試薬供給路131まで、右上方向に延びる傾斜面である。第一容器収容部140における試薬案内壁141、142に沿って、試薬流路145が形成される。試薬流路145は、試薬案内壁141の左端部141Bから、第一容器収容部140の最下端に位置する領域である底部140Aを経由して、試薬案内壁142の右端部142Bまで延びる第一試薬11の流路である。穴Rから流出した第一試薬11は、試薬流路145を介して試薬供給路131に向けて移動可能である。
試薬案内壁142の左端部142Aは、試薬案内壁141の右端部141Aよりも右上側に位置している。試薬案内壁141、142の間には、試薬案内壁142よりも下側に設けられ、且つ、第一容器収容部140の底部140Aから右上方向に延びる接続路147が設けられている。接続路147は、試薬流路145から分岐して捕捉部146の左上部分に接続された、第一試薬11の流路である。接続路147は、穴Rから流出した第一試薬11が容器収容部140の底部140Aに貯留される状態において、容器収容部140の底部140Aから捕捉部146に向けて水平方向よりも上方に傾斜する。本実施形態では、図6に示すように上下方向と直交する方向が、水平方向である。
捕捉部146は、試薬流路145から分岐した位置に設けられる。捕捉部146は、前方からみて上下方向に長い長方形状であり、穴Rから流出した第一試薬11の一部を収容可能である。捕捉部146は、突起部143の右下方向に設けられて、左方向に開口している。試薬流路145では、後述するように、穴Rから流出した第一試薬11が右側に向けて移動可能である。つまり、捕捉部146は、突起部143に対して、試薬流路145において第一試薬11が移動される方向の下流側に設けられている。
図5に示すように、第一容器収容部140、捕捉部146等の形状および大きさは、第一容器210との関係において、以下のように定義される。図5に示す「x1」は、第一容器収容部140の左端部から突起部143の右端部までの左右方向距離である。「x2」は、第一容器収容部140の左端部から試薬案内壁142の左端部までの左右方向距離である。本実施形態の検査チップ2は、「x1<x2」の関係を満たす。つまり、突起部143は、接続路147よりも左側に設けられる。
図5に示す「z1」は、第一容器収容部140の底部140Aから試薬案内壁142の左端部までの上下方向距離である。「z2」は、底部140Aから、第一挿入口130に挿入された第一容器210までの上下方向距離である。「z3」は、底部140Aから接続路147の右端部147Aまでの上下方向距離である。「z4」は、底部140Aから試薬案内壁141の左端部141Bまでの上下方向距離である。
本実施形態の検査チップ2は、「z3>0」の関係を満たす。つまり、接続路147は、捕捉部146に向けて上方に傾斜している。検査チップ2は、「z4≧0」の関係を満たす。つまり、試薬案内壁141は水平または右下方向に傾斜している。検査チップ2は、「z2>z1」の関係を満たす。つまり、第一容器210は接続路147の入口よりも上方に位置する。
図5に示す「h1」は、試薬流路145から第一挿入口130に挿入された第一容器210までの最短距離であり、試薬流路145において最も狭い流路幅と同義である。「h2」は、接続路147の流路幅である。本実施形態の検査チップ2は、「h1>h2」の関係を満たす。つまり、試薬流路145の最も狭い流路幅は、接続路147の流路幅よりも大きい。
図4に示すように、試薬案内壁142の右端部は、試薬供給路131に接続している。試薬供給路131は、第一容器収容部140から右方向に延びる流路である。試薬供給路131は、捕捉部146の右側を経由して下方に延び、捕捉部146の下方で流路が狭く形成された試薬供給部132に接続する。試薬供給部132の下方には、試薬定量部133が設けられている。試薬定量部133は、第一試薬11を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。試薬供給部132から試薬定量部133の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部133の凹部内側の体積と同量の第一試薬11が定量される。
試薬供給部132と試薬定量部133とが連通する部位から、第三通路134および第四通路136が左右両側に延びている。第三通路134は、試薬定量部133の左下方に設けられた試薬余剰部135まで延びている。すなわち、第三通路134は、流路の形成方向が変わる。試薬余剰部135は、試薬定量部133から溢れ出た第一試薬11が貯留される部位であり、第三通路134の下端部から右方向に延びる凹部である。第四通路136は、試薬定量部133の下側に設けられた後述の混合部170まで延びている。このように、試薬供給路131は、第四通路136を介して、第一容器収容部140に接続され、第一試薬11が検体10と混合される混合部170に向けて移動可能な供給路を構成する。
第二挿入口150は、その下側に設けられた第二容器収容部160に連通している。第二容器収容部160は、第一容器収容部140と同様の構成であり、試薬案内壁161、162、突起部163、接触面164、および試薬流路165を含む。先述の捕捉部146および接続路147と同様に、捕捉部166が接続路167を介して第二容器収容部160に連通している。第二挿入口150から第二容器220が挿入されると、支持部158が板状部232を下方から支持する。支持部158は、第二挿入口150の右側に設けられた、板材20の上面の一部である。これにより、第二容器220は、試薬案内壁161、162から離間した状態で、第二容器収容部160内に配置される。
第二容器収容部160の右上部分は、試薬供給路151に連通している。試薬供給路151は、第二容器収容部160から右方向に延びる流路である。試薬供給路151は、捕捉部166の右側を経由して下方に延び、捕捉部166の下方で流路が狭く形成された試薬供給部152に接続する。試薬供給部152の下方には、試薬定量部153が設けられている。試薬定量部153は、第二試薬12を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。試薬供給部152から試薬定量部153の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部153の凹部内側の体積と同量の第二試薬12が定量される。
試薬供給部152と試薬定量部153とが連通する部位から、第五通路154および第六通路156が左右両側に延びている。第五通路154は、試薬定量部153の左下方に設けられた試薬余剰部155まで延びている。すなわち、第五通路154は、流路の形成方向が変わる。試薬余剰部155は、試薬定量部153から溢れ出た第二試薬12が貯留される部位であり、第五通路154の下端部から右方向に延びる凹部である。第六通路156は、試薬定量部153の下側に設けられた後述の混合部170まで延びている。このように、試薬供給路151は、第六通路156を介して、第二容器収容部160に接続され、第二試薬12が検体10と混合される混合部170に向けて移動可能な供給路を構成する。
混合部170は、検査チップ2の右下の位置に設けられた、上側に開口する矩形状の凹部である。混合部170では、第二通路117から流入する検体10と、第四通路136から流入する第一試薬11と、第六通路156から流入する第二試薬12とが混合される。検体10、第一試薬11、第二試薬12の混合液13の少なくとも一部は、混合部170の右下部に設けられた凹部である貯留部175に貯留される。
図1に示すように、L型プレート60から延びる支軸46は、図示外の装着用ホルダを介して板材20の後面中央に垂直に連結される。支軸46の回転に伴って、検査チップ2が支軸46を中心に前方からみて反時計回り方向に自転する。検査チップ2は図5に示す定常状態である場合、上辺部21および下辺部24が重力方向Zと直交し、右辺部22および左辺部23が重力方向Zと平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。検査チップ2が定常状態で計測位置に配置されている場合、光源71と光センサ72とを結ぶ光路が貯留部175を上方からみて垂直に通過する。
<1−3.検査方法の一例>
図6〜図10を参照して、検査装置1および検査チップ2を用いた検査方法について説明する。理解を容易にするために、図6〜図10ではシート29を取り除いて、検査チップ2の正面図を示している。後述の図12、図14も同様である。以下の説明では、第一容器収容部140および捕捉部146を中心に説明するが、第二容器収容部160および捕捉部166についても同様である。
まずユーザは、検査チップ2を支軸46に取り付けて、検査チップ2に試薬ユニット200を装着し、第一容器210を第一挿入口130から挿入する。この挿入時において、シール材212は接触面144に沿って移動する。突起部143が接触面144から前方に突出しているので、シール材212の移動時に、突起部143がシール材212に接触して穴Rを形成する。穴Rは、第一容器210の移動方向に対応して上下方向に長い破断面を有する。
試薬格納部211の第一試薬11は、穴Rを介して第一容器収容部140の内部に流出する。流出した第一試薬11は、図6に示すように、試薬案内壁141、142で形成される略V字型の底部140Aに貯留される。本実施形態では、検査チップ2が「z3>0」の関係を満たす。したがって、第一容器収容部140の底部140Aに第一試薬11が貯留された場合でも、第一試薬11が接続路147を介して捕捉部146に流入しにくい。
同様に、第二容器220の挿入時に、シール材222は接触面164に沿って移動する。このとき、突起部163がシール材222に穴Rを形成する。試薬格納部221の第二試薬12は、穴Rを介して流出し、図6に示すように第二容器収容部160の最下端に位置する領域である底部160Aに貯留される。
さらにユーザは、検体挿入口110から検体10を注入する。注入された検体10は検体貯留部111に貯留される。その後、ユーザが検査装置1に処理開始のコマンドを入力すると、以下の計測動作が実行される。なお、検査装置1は2つの検査チップ2を同時に処理可能であるが、以下では説明の便宜のため、1つの検査チップ2を用いて検査する手順を説明する。
まず主軸モータ35の駆動制御によって、図7に示すように、自転角度「0度」である定常状態の検査チップ2が公転される。遠心方向の下流側に向けて、検査チップ2に遠心力Xが働く。本実施形態では、図1に示す右方向に図4に示す右方向が一致するように、検査チップ2が検査装置1にセットされる。したがって、定常状態の検査チップ2が公転されると、左辺部23から右辺部22に向けて遠心力Xが働く。
遠心力Xの作用によって、第一容器収容部140の底部140Aに貯留されている第一試薬11は、試薬案内壁142に沿って右上方向に移動する。つまり、第一試薬11は、試薬流路145を経由して試薬供給路131に流入する。このとき、第一試薬11の一部は、試薬流路145から右方向に分岐する接続路147を介して、捕捉部146に流入する。
同時に、遠心力Xの作用によって、第二容器収容部160の底部160Aに貯留されている第二試薬12は、試薬流路165を経由して試薬供給路151に流入する。このとき、第二試薬12の一部は、試薬流路165から右方向に分岐する接続路167を介して、捕捉部166に流入する。検体貯留部111に貯留されている検体10は、遠心力Xの作用によって、検体供給路112に流入する。
次に、ステッピングモータ51の駆動制御によって、図8に示すように、公転状態の検査チップ2は前方からみて反時計周り方向に90度自転され、自転角度が「90度」に変位される。これにより、上辺部21から下辺部24に向けて、検査チップ2に遠心力Xが働く。遠心力Xの作用によって、試薬供給路131に流入した第一試薬11は、試薬供給部132を介して試薬定量部133に流入する。試薬定量部133では、所定量を超える第一試薬11が第三通路134に溢れ出して試薬余剰部135に貯留される。この結果、所定量の第一試薬11が定量される。
この遠心力Xの方向は、捕捉部146に貯留された第一試薬11が第一容器収容部140に再び移動しないように制御されている。すなわち、捕捉部146は下方向に閉じる凹部であるため、捕捉部146に流入した第一試薬11は捕捉部146から移動せずに留まる。さらに、第一容器210では、試薬格納部211の内壁や穴Rの破断面等に、第一試薬11が残存していることがある。この場合、第一容器210に残存している第一試薬11が、遠心力Xの作用によって、第一容器収容部140の底部140Aに移動する。
本実施形態では、図5に示すように検査チップ2が「z4≧0」の関係を満たす。図7に示すように、試薬案内壁142の左端部142Aが試薬案内壁141の中点よりも低い。
したがって、第一容器収容部140の底部140Aに貯留される第一試薬11のうちで、接続路147よりも上方で貯留される液量の割合が大きくなる。図8に示すように、自転角度「90度」の検査チップ2が公転された場合、第一容器収容部140の底部140Aに貯留されている第一試薬11は、接続路147よりも上方にある試薬流路145に流れやすい。
さらに、図5に示すように検査チップ2が「h1>h2」の関係を満たす。したがって、図8に示すように、自転角度「90度」の検査チップ2が公転された場合、第一容器収容部140の底部140Aに貯留されている第一試薬11は、接続路147よりも試薬流路145に流れやすい。試薬流路145の流路幅は、接続路147の流路幅よりも大きいためである。したがって、試薬流路145を経由して試薬供給路131に移動する第一試薬11の液量を確保でき、且つ、捕捉部166に流入して検査に使用されない第一試薬11の液量を低減できる。
同時に、図8に示すように、遠心力Xの作用によって、試薬供給路151に流入した第二試薬12は、試薬供給部152を介して試薬定量部153に流入する。試薬定量部153では、所定量を超える第二試薬12が第五通路154に溢れ出して試薬余剰部155に貯留される。この結果、所定量の第二試薬12が定量される。一方、試薬余剰部155は下方向に閉じる凹部であるため、捕捉部166に流入した第二試薬12は、捕捉部166に留まる。第二容器220に残存している第二試薬12が、第二容器収容部160の底部160Aに移動する。検体供給路112に流入した検体10は、検体供給部113を介して検体定量部114に流入する。検体定量部114では、所定量を超える検体10が第一通路115に溢れ出して検体余剰部116に貯留される。この結果、所定量の検体10が定量される。
次に、ステッピングモータ51の駆動制御によって、図9に示すように、公転状態の検査チップ2は前方からみて時計周り方向に90度自転され、定常状態に変位される。これにより、左辺部23から右辺部22に向けて、検査チップ2に遠心力Xが働く。遠心力Xの作用によって、試薬定量部133で定量された第一試薬11が第四通路136を介して混合部170に流入する。さらに、第一容器収容部140の底部140Aに貯留されている第一試薬11は、接続路147を経由して捕捉部146に流入する。先述したように、捕捉部146は下方向に閉じる凹部であるため、捕捉部146に流入した第一試薬11は捕捉部146から移動せずに留まる。このように捕捉部146は、第一容器210に残存していた第一試薬11を、試薬流路145の移動中に捉えて収容できるため、残存した第一試薬11が検体10と混合される位置に到達するおそれを低減できる。
本実施形態では、図5に示すように検査チップ2が「x1<x2」の関係を満たす。したがって、突起部143によって形成された穴Rは、捕捉部146に対して、第一試薬11が試薬流路145で移動する方向の上流側である左側に位置する。図8に示すように自転角度「90度」の検査チップ2が公転された場合、第一容器210に残存している第一試薬11は、捕捉部146よりも左側に位置する試薬案内壁141に沿って、第一容器収容部140の底部140Aまで移動する。
その結果、図9に示すように定常状態の検査チップ2が公転された場合、第一容器収容部140の底部140Aに貯留されている第一試薬11は、接続路147が第一容器収容部140の底部140Aに接続しているので、試薬案内壁142に到達する前に、試薬流路145から分岐する接続路147に流入しやすい。つまり、第一容器210に残存している第一試薬11は、穴Rから流出して試薬流路145を移動する場合に、捕捉部146へ分岐する部位を経由する。したがって、捕捉部146は、第一容器210に残存していた第一試薬11を、試薬流路145の移動中に確実に捉えることができる。
さらに、図5に示すように検査チップ2が「z3>0」の関係を満たす。したがって、図9に示すように、第一試薬11を試薬流路145で移動させる遠心力Xが検査チップ2に付与されている場合は、その遠心力Xが検査チップ2に付与されていない場合よりも、第一試薬11は接続路147を介して捕捉部146に流入しやすい。したがって、検体10および第一試薬11と、第二試薬12とを混合させるタイミングである計測動作時に、第一容器210に残存した第一試薬11を捕捉部146に移動させることができる。
同時に、図9に示すように、試薬定量部153で定量された第二試薬12が第六通路156を介して混合部170に流入する。一方、試薬余剰部155は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の第二試薬12は試薬余剰部155に留まる。さらに、第二容器収容部160の底部160Aに貯留されている第二試薬12は、接続路167を経由して捕捉部166に流入する。検体定量部114で定量された検体10が第二通路117を介して混合部170に流入する。一方、検体余剰部116は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の検体10は検体余剰部116に留まる。混合部170に流入した検体10、第一試薬11、および第二試薬12は、遠心力Xの作用によって混合され、混合液13が生成される。
最後に、主軸モータ35の駆動制御によって、検査チップ2を計測位置まで移動させ、検査チップ2の公転動作が終了される。図10に示すように、混合部170で生成された混合液13の一部は、重力方向Zに移動して貯留部175に貯留される。貯留部175を通る光路によって、混合液13が光計測される。検査装置1は、光センサ72が受光した計測光の減衰量に基づいて、検体10の検査結果を得る。検体10の検査結果は、例えば図示しないディスプレイに表示される。
<1−4.本実施形態の作用・効果>
以上説明したように、第一実施形態の検査チップ2によれば、第一挿入口130から挿入された第一容器210は、第一容器収容部140に配置され、突起部143によってシール材212に穴Rが形成される。第一容器収容部140に連通する空間を含む捕捉部146は、形成された穴Rから流出する第一試薬11の一部を収容可能である。シール材212を破断して第一容器210から第一試薬11を流出させたのち、第一容器210に残存した第一試薬11を捕捉部146に収容することで、第一容器210に残存した第一試薬11の試薬供給路131への流出が抑制される。
そのため、第一挿入口130に第一容器210を挿入した場合に、第一容器210に残存した第一試薬11が検査チップ2内で生成済みの混合液13に混入するおそれを低減できる。同様に、第二挿入口150に第二容器220を挿入した場合に、第二容器220に残存した第二試薬12が検査チップ2内で生成済みの混合液13に混入するおそれを低減できる。
<2.第二実施形態>
本発明の第二実施形態を説明する。以下では、第一実施形態と共通の構成には、第一実施形態と同一符号を付して説明を省略し、第一実施形態と異なる点のみを説明する。
<2−1.検査チップ2の構造>
図11〜図13を参照して、第二実施形態に係る検査チップ2および試薬ユニット200の詳細構造を説明する。図11および図12に示すように、本実施形態の試薬ユニット200では、第一容器210および第二容器220は、前後方向の厚みが小さく且つ左右方向が長手方向の直方体状である。第一容器210の左下底部213は、第一容器210の右下底部214よりも下方に突出する。同様に、第二容器220の左下底部223は、第二容器220の右下底部224よりも下方に突出する。第一容器210および第二容器220の各右上部分には、それぞれ右側に延びる板状部231、232が設けられている。板状部231によって、第一容器210および第二容器220が一体に連結されている。さらに、第一容器210の左上部分には、左側に延びる板状部233が設けられている。
図12および図13に示すように、試薬格納部211は、試薬収容部241、捕捉部242、および接続路243を有する。試薬収容部241は、未使用の第一試薬11を収容する空間を含む。試薬収容部241は、前方からみた場合に平行をなす上辺および下辺を有し、且つ、上辺が下辺よりも長い台形状である。試薬収容部241は、左下底部213の上側に設けられ、且つ、後方に開口する凹部である。試薬収容部241の右壁は、右上方向に延びる傾斜面であり、試薬収容部241内の第一試薬11が移動可能な容器内流路244を形成する。容器内流路244では、試薬収容部241に収容されている第一試薬11が、後述の試薬流路145と同一方向に移動可能である。
捕捉部242は、試薬収容部241に連通する空間を含み、試薬収容部241に収容された第一試薬11の一部を収容可能である。捕捉部242は、前方からみた場合に平行をなす上辺および下辺を有し、且つ、下辺が上辺よりも長い台形状である。捕捉部242は、図11に示す右下底部214の上側に設けられ、且つ、試薬収容部241よりも容積が小さい。接続路243は、試薬収容部241の右上部分と捕捉部242の左上部分を接続する、左右方向に延びる第一試薬11の流路である。接続路243は、試薬格納部211において、シール材212とは反対側である前面側に形成されている。
図11および図12に示すように、未使用の試薬ユニット200では、試薬収容部241に収容された第一試薬11が、シール材212によって封止されている。一方、捕捉部242には、第一試薬11が収容されていない。本実施形態では、図12に示すように、接続路243が試薬収容部241の上端部に設けられている。例えば、図11に示すように、シール材212が後方を向く状態では、試薬ユニット200の下方が図6に示す重力方向Zと一致する。この場合、試薬収容部241内の第一試薬11は、自重によって試薬収容部241の下端側に移動する。つまり、試薬収容部241内の第一試薬11は、試薬収容部241の上端部に設けられた接続路243から離間する方向に移動するため、接続路243を介して流出しにくい。
さらに、図13に示すように、接続路243が試薬収容部241の前端部に設けられている。例えば、シール材212が下方を向く状態では、試薬ユニット200の後方が図6に示す重力方向Zと一致する。この場合、試薬収容部241内の第一試薬11は、自重によって試薬収容部241の後端側に移動する。つまり、試薬収容部241内の第一試薬11は、試薬収容部241の前端部に設けられた接続路243から離間する方向に移動するため、接続路243を介して流出しにくい。
図11および図12に示すように、試薬格納部221は、試薬格納部211と同様に、試薬収容部261、捕捉部262、接続路263、および容器内流路264を有する。したがって、シール材212が後方および下方のいずれを向く状態のいずれであっても、上記と同様に、試薬収容部261内の第二試薬12が接続路263を介して流出しにくい。
図12に示すように、本実施形態の検査チップ2では、第一挿入口130は第一容器210の左右方向に長い形状に対応して、第一実施形態よりも左右方向長さが大きい。第一容器収容部140の右上部分には、第一挿入口130の下方で水平に延びる板状の支持部139が設けられている。第一容器210が第一挿入口130に挿入されると、支持部139が図11に示す右下底部214を下方から支持し、且つ、図11に示す左下底部213が支持部139の左側から下方に進入する。第一挿入口130の開口縁で、板状部231、233が下方から支持される。このとき、後述の試薬案内壁148は、第一容器210の下方に位置し、後述の試薬案内壁149は第一容器210の右下に位置する。これにより、第一容器210は、試薬案内壁148、149から離間した状態で、第一容器収容部140内に配置される。
第一容器収容部140の右上部分は、支持部139の直下で試薬供給路131に連通している。第一容器収容部140には、第一実施形態と同様に、接触面144から前方に突出する突起部143が設けられている。第一容器収容部140の下壁は、試薬案内壁148、149を含む。試薬案内壁148は、第一容器収容部140の左側下部から左右方向略中央まで、右下方向に延びる傾斜面である。試薬案内壁149は、第一容器収容部140の左右方向略中央から試薬供給路131まで、右上方向に延びる傾斜面である。試薬案内壁148および試薬案内壁149は、互いに接続されており、前方からみた場合にV字型の底部140Aを形成する。試薬案内壁148、149に沿って、試薬流路145が形成される。
第二挿入口150は、第二容器220の左右方向に長い形状に対応して、第一実施形態よりも左右方向長さが大きい。第二容器220が第二挿入口150に挿入されると、第二容器収容部160の右上部分に設けられた支持部159が右下底部224を下方から支持し、且つ、左下底部223が支持部159の左側から下方に進入する。第二挿入口150の開口縁で、板状部231、232が下方から支持される。これにより、第二容器220は、後述の試薬案内壁168、169から離間した状態で、第二容器収容部160内に配置される。第二容器収容部160は、第一容器収容部140と同様の構成であり、突起部163、接触面164、試薬流路165、および試薬案内壁168、169を含む。
<2−2.検査方法の一例>
図12〜図14を参照して、第二実施形態の検査チップ2を用いた検査方法を説明する。まずユーザは、第一実施形態と同様に、検査チップ2に試薬ユニット200を装着する。第一容器210が第一挿入口130から下方向に移動中に、図12および図13に示すように、突起部143がシール材212に接触して穴Rを形成する。試薬格納部211の第一試薬11は、穴Rを介して第一容器収容部140の内部に流出する。流出した第一試薬11は、第一容器収容部140の底部140Aに貯留される。
同様に、第二容器220が第二挿入口150から挿入されると、突起部163がシール材222に接触して穴Rを形成する。形成された穴Rを介して試薬格納部221の第二試薬12が流出し、第二容器収容部160の最下端に位置する領域である底部160Aに貯留される。検体挿入口110から検体10が注入された後、ユーザが検査装置1に処理開始のコマンドを入力すると、第一実施形態と同様の計測動作が実行される。
まず主軸モータ35の駆動制御によって、図14に示すように、自転角度「0度」である定常状態の検査チップ2が公転される。遠心力Xの作用によって、第一容器収容部140の底部140Aに貯留されている第一試薬11は、試薬流路145を経由して右上方向に移動し、試薬供給路131に流入する。さらに、第一容器210では、試薬収容部241の内壁や穴Rの破断面等に、第一試薬11が残存していることがある。この場合、試薬収容部241に残存している第一試薬11が、容器内流路244に沿って右上方向に移動し、接続路243を介して捕捉部242に流入する。
本実施形態では、試薬流路145と同一方向である右上方向に、容器内流路244が第一試薬11を移動可能である。具体的には、試薬ユニット200が装着された状態において、容器内流路244の傾斜角度と試薬案内壁149の傾斜角度が同じである。本実施形態では、図12に示すように、容器内流路244の傾斜角度αおよび試薬案内壁149の傾斜角度βは、いずれも左右方向に対する傾斜角度が同じである。傾斜角度αおよび試薬案内壁149の傾斜角度βは同じ角度であればよいが、一例として60度が考えられる。したがって、遠心力Xの作用によって第一試薬11が試薬流路145を移動するのと同時に、試薬収容部241に残存している第一試薬11を、容器内流路244を介して捕捉部242までスムーズに移動させることができる。
さらに、接続路243が毛管現象によって試薬収容部241から第一試薬11を取り込む毛管力Fは、計測動作時に検査チップ2に付与される遠心力Xよりも小さい。具体的には、「遠心力X>毛管力F」の関係を満たすように、接続路243の断面形状が設定される。一例として接続路243の断面形状が円形である場合、接続路243の流路半径「r」が以下のように、設定されている。「γ」を第一試薬11の表面張力、「θ」を第一試薬11の接触角とした場合、毛管力Fは以下の式で算出すればよい。
F=2πr×γ×cosθ
これにより、遠心力Xが検査チップ2に付与されている状態では、遠心力Xが検査チップ2に付与されていない状態よりも、試薬収容部241に残存している第一試薬11が、接続路243を経由して捕捉部242に流入しやすい。したがって、検体10および第一試薬11と、および第二試薬12とを混合させるタイミングである計測動作時に、試薬収容部241に残存している第一試薬11を捕捉部242に移動させることができる。
同時に、第二容器収容部160の底部160Aに貯留されている第二試薬12は、試薬流路165を経由して試薬供給路151に流入する。第二容器220では、試薬収容部261に残存している第二試薬12が、容器内流路264に沿って右上方向に移動し、接続路263を介して捕捉部262に流入する。検体貯留部111に貯留されている検体10は、遠心力Xによって検体供給路112に流入する。
以降の処理は、第一実施形態と同様である。この場合、検査チップ2が自転角度「0度」および「90度」のいずれであっても、捕捉部242からみて接続路243は遠心力Xおよび重力方向Zとは反対側にある。そのため、捕捉部242に流入した第一試薬11は、外部に流出しにくい。同様に、捕捉部262に流入した第二試薬12は外部に流出しにくい。
<2−3.本実施形態の作用・効果>
以上説明したように、第二実施形態の試薬ユニット200および検査チップ2によれば、試薬収容部241に収容された第一試薬11は、シール材212によって封止される。試薬収容部241に連通する空間を含む捕捉部242は、試薬収容部241の一部を収容可能である。シール材212を破断して試薬収容部241から第一試薬11を流出させたのち、試薬収容部241に残存した第一試薬11を捕捉部242に収容することで、第一容器210の外部への残存した第一試薬11の流出が抑制される。そのため、検査チップ2に第一容器210を挿入した場合に、試薬収容部241に残存した第一試薬11が検査チップ2内で生成済みの混合液13に混入するおそれを低減できる。
さらに、第一挿入口130から挿入された第一容器210は、第一容器収容部140に配置され、突起部143によってシール材212に穴Rが形成される。形成された穴Rから流出する第一試薬11は、試薬流路145によって検体10と混合される位置に向けて移動可能である。試薬収容部140に対して捕捉部242が位置する方向は、第一容器210が第一挿入口130から挿入された状態において、第一試薬11が試薬流路145を移動される方向に沿う。そのため、試薬収容部241に残存した第一試薬11は、試薬流路145の第一試薬11と同一方向に移動可能である。
したがって、第一試薬11を試薬流路145で移動させる外力が検査チップ2に付与された場合に、試薬収容部241に残存した第一試薬11も捕捉部242に移動できる。検査チップ2内で検体10、第一試薬11、および第二試薬12が混合された時点では、試薬収容部241に残存した第一試薬11は捕捉部242に収容されているため、残存した第一試薬11が生成済みの混合液13に混入するおそれを低減できる。同様に、試薬収容部261に残存した第二試薬12が、検査チップ2内で生成済みの混合液13に混入するおそれを低減できる。
第一試薬11が試薬流路145を移動される方向は、第一容器210が第一挿入口130から挿入された状態において、第一試薬11が試薬流路145を移動される方向に沿う。したがって、第一試薬11を試薬流路145で移動させる外力が検査チップ2に付与された場合に、第一容器収容部140内に残存していた第一試薬11を、容器内流路244によって捕捉部242までスムーズに移動できる。同様に、第二容器収容部160内に残存していた第二試薬12を、容器内流路264によって捕捉部262までスムーズに移動できる。
図12に示すように、試薬流路145は、容器収容部140を形成する試薬案内壁149を含む。容器内流路244は、試薬収容部241を形成する壁を含む。傾斜角度αと傾斜角度βとが同じである。よって、試薬収容部241を形成する壁は、第一容器210が第一挿入口130から挿入された状態において、容器収容部140を形成する試薬案内壁149と同一方向に傾斜している。したがって、試薬流路145および容器内流路264の各々において第一試薬11を、同一方向に移動させることができる。第二試薬12についても同様である。
<3.その他>
上記実施形態において、第一試薬11および第二試薬12が、それぞれ本発明の「試薬」に相当する。第一容器210および第二容器220が、それぞれ本発明の「試薬容器」に相当する。第一挿入口130および第二挿入口150が、それぞれ本発明の「挿入口」に相当する。試薬供給路131および第四通路136と、試薬供給路151および第六通路156とが、それぞれ本発明の「供給路」に相当する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。上記実施形態の検査装置1や検査チップ2は単なる例示であり、各々の構造、形状や処理などを変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ユーザの利便性を考慮して、第一容器210および第二容器220が連結された試薬ユニット200を例示したが、第一容器210および第二容器220を単独で使用してもよい。上記実施形態では、検査チップ2は板材20とシート29とで構成されているが、検査チップ2はシート29を備えていなくてもよい。例えば、各種挿入口や液体流路25が板材20に直接形成された検査チップ2を用いてもよい。「突起部」は、基準領域に配置される試薬容器に試薬が流出する穴を形成できる範囲で、形状、位置、大きさなどを変更してもよい。検査チップに注入される「試薬」の数量は、2つに限定されず、1つの試薬でもよいし、3つ以上の試薬でもよい。
第一実施形態に例示した「捕捉部」は、容器収容部に連通し、且つ、穴から流出した試薬の一部を収容可能な範囲で、形状、位置、大きさなどを変更してもよい。第一実施形態では、図5に示すように、捕捉部146は、第一容器収容部140の底部140Aから右上方向に延びる接続路147を介して設けられている。この接続路147は、試薬流路145から分岐している。すなわち、捕捉部146は左方向に開口している。捕捉部は、左方向に開口していることに限らず、試薬流路と連結してればよく、どちらの方向に開口してもよい。
第二実施形態に例示した「捕捉部」は、試薬収容部に連通し、且つ、試薬収容部に収容された試薬の一部を収容可能な範囲で、形状、位置、大きさなどを変更してもよい。試薬収容部に対して「捕捉部」が位置する方向は、試薬容器が前記挿入口から挿入された状態において、試薬が試薬流路を移動される方向に沿っていればよい。例えば「捕捉部」は、試薬収容部に対して試薬流路で試薬が移動される方向と同一方向に設けてもよい。この「同一方向」は、検査チップに所定方向の外力が付与された場合に、試薬が試薬収容部および試薬流路において同じ側に向けて移動することを意味する。第二実施形態では、図12に示すように、傾斜角度αおよび傾斜角度βは同じ角度として60度であると説明したが、ほかの角度でもよい。また、傾斜角度αと傾斜角度βとは異なる角度であってもよい。
2 検査チップ
10 検体
11 第一試薬
12 第二試薬
13 混合液
130 第一挿入口
140 第一容器収容部
143 突起部
145 試薬流路
146 捕捉部
147 接続路
150 第二挿入口
160 第二容器収容部
163 突起部
165 試薬流路
166 捕捉部
167 接続路
210 第一容器
212 シール材
220 第二容器
222 シール材
241 試薬収容部
242 捕捉部
243 接続路
244 容器内流路
261 試薬収容部
262 捕捉部
263 接続路
264 容器内流路

Claims (4)

  1. 液体である検体および試薬を内部に収容可能であり、且つ、所定の軸を中心に回転されることで前記検体および前記試薬が混合される検査チップに挿入可能な試薬容器であって、
    前記試薬を収容可能な空間を含む試薬収容部と、
    前記試薬収容部に収容された前記試薬を封止するシール材と、
    前記試薬収容部に連通する空間を含み、前記試薬収容部に収容された前記試薬の一部を収容可能な捕捉部と
    を備えたことを特徴とする試薬容器。
  2. 請求項に記載の試薬容器を備えた検査チップであって、
    前記試薬容器を挿入可能な挿入口と、
    前記挿入口から挿入された前記試薬容器を収容可能な空間を含む容器収容部と、
    前記容器収容部に設けられ、前記容器収容部に配置される前記試薬容器の前記シール材に穴を形成可能な突起部と、
    前記容器収容部に接続され、前記試薬が前記検体と混合される位置に向けて移動可能な供給路と、
    前記容器収容部に設けられ、前記穴から流出した前記試薬が前記供給路に向けて移動可能な試薬流路とを備え、
    前記試薬収容部に対して前記捕捉部が位置する方向は、前記試薬容器が前記挿入口から挿入された状態において、前記試薬が前記試薬流路を移動される方向に沿うことを特徴とする検査チップ。
  3. 前記試薬容器は、前記試薬収容部に収容されている前記試薬が移動可能な容器内流路を備え、
    前記試薬が前記容器内流路を移動される方向は、前記試薬容器が前記挿入口から挿入された状態において、前記試薬が前記試薬流路を移動される方向に沿うことを特徴とする請求項に記載の検査チップ。
  4. 前記試薬流路は、前記容器収容部を形成する壁を含み、
    前記容器内流路は、前記試薬収容部を形成する壁を含み、
    前記試薬収容部を形成する壁は、前記試薬容器が前記挿入口から挿入された状態において、前記容器収容部を形成する壁と同一方向に傾斜することを特徴とする請求項記載の検査チップ。
JP2012192553A 2012-08-31 2012-08-31 試薬容器および検査チップ Expired - Fee Related JP5998760B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012192553A JP5998760B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 試薬容器および検査チップ
PCT/JP2013/073109 WO2014034764A1 (ja) 2012-08-31 2013-08-29 試薬容器および検査チップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012192553A JP5998760B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 試薬容器および検査チップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014048209A JP2014048209A (ja) 2014-03-17
JP5998760B2 true JP5998760B2 (ja) 2016-09-28

Family

ID=50183569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012192553A Expired - Fee Related JP5998760B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 試薬容器および検査チップ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5998760B2 (ja)
WO (1) WO2014034764A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016002729A1 (ja) 2014-06-30 2016-01-07 パナソニックヘルスケアホールディングス株式会社 試料分析用基板、試料分析装置、試料分析システムおよび試料分析システム用プログラム
CN106662596A (zh) 2014-06-30 2017-05-10 松下健康医疗控股株式会社 试样分析用基板和试样分析装置
WO2016002727A1 (ja) 2014-06-30 2016-01-07 パナソニックヘルスケアホールディングス株式会社 試料分析用基板、試料分析装置、試料分析システムおよび試料分析システム用プログラム
EP3163307B1 (en) 2014-06-30 2021-03-03 PHC Holdings Corporation Substrate for sample analysis, sample analysis device, sample analysis system, and method for removing liquid from liquid that contains magnetic particles
JP6660305B2 (ja) 2014-12-12 2020-03-11 Phcホールディングス株式会社 試料分析用基板、試料分析装置、試料分析システムおよび試料分析システム用プログラム
CN105021544B (zh) 2015-07-03 2018-02-02 艾康生物技术(杭州)有限公司 检测***

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ211887A (en) * 1984-05-03 1987-05-29 Abbott Lab Sample processor card for use with centrifuge
JP4336834B2 (ja) * 2003-10-03 2009-09-30 独立行政法人物質・材料研究機構 チップの使用方法及び検査チップ
JP4963282B2 (ja) * 2007-10-01 2012-06-27 ローム株式会社 マイクロチップおよびマイクロチップの使用方法
KR100798471B1 (ko) * 2007-10-08 2008-01-28 주식회사 인포피아 당화혈색소 측정카세트 및 이를 이용한 당화혈색소측정방법
JP5137528B2 (ja) * 2007-10-29 2013-02-06 パナソニック株式会社 分析用デバイスとこれを使用する分析装置および分析方法
JP2009168667A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Rohm Co Ltd 液体試薬内蔵型マイクロチップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014048209A (ja) 2014-03-17
WO2014034764A1 (ja) 2014-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5998760B2 (ja) 試薬容器および検査チップ
JP6011156B2 (ja) 検査チップ
JP6028624B2 (ja) 検査チップ及び検査システム
WO2015080193A1 (ja) 検査チップ
JP5900269B2 (ja) 検査チップ
JP5958330B2 (ja) 検査チップ
WO2014061635A1 (ja) 検査装置、検査システム、検査方法、及びコンピュータプログラム
JP5585560B2 (ja) 検査装置、検査方法、およびプログラム
JP5958452B2 (ja) 検査チップ
WO2014061636A1 (ja) 検査チップ
JP6028720B2 (ja) 検査チップ
JP5958331B2 (ja) 検査チップ及び検査システム
JP5915686B2 (ja) 検査チップ
JP5958451B2 (ja) 検査チップ、送液方法、及び送液プログラム
JP2014048194A (ja) 検査チップおよび検査ユニット
WO2014133126A1 (ja) 検査チップ
JP5958249B2 (ja) 検査チップおよび検査装置
JP2015197352A (ja) 検査チップ
JP5939148B2 (ja) 検査チップ及び検査システム
WO2014069511A1 (ja) 検査チップ
JP2017067567A (ja) 検査チップ及び検査システム
JP2014119319A (ja) 検査チップ及び検査システム
JP2014149160A (ja) 検査チップ、検査キット、および検査システム
JP2013076588A (ja) 受体ホルダおよび検査装置
JP2016070808A (ja) 検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5998760

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees