以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1及び図2は、本実施の形態における撮影遊技機の外観を示す斜視図である。撮影遊技機は、全体として、ユーザが入り込むことが可能な略直方体形状のボックス型の装置である。図1は、撮影遊技機の撮影空間におけるカメラ21側を観た斜視図を示している。なお撮影空間は、ユーザが入り込めるように、カメラ21と反対側に背面、及び撮影空間を囲むカーテンが存在するが、図1ではいずれも図示していない。図2は、編集空間を観た外観斜視図を示している。編集空間は、撮影空間のカメラ21が設置されている壁面の裏側に設けられている。
図1に示す撮影空間は、ユーザからの料金の投入を受け付け、ユーザの写真撮影を実行するための空間である。撮影空間には所定料金を受け付ける事前接客部1が外側に設けられている。また撮影空間の内部壁面には、ユーザを撮影するためのカメラ21、ディスプレイ22、各種照明装置24〜28を含む撮影部2が設けられている。
事前接客部1は、撮影遊技機の筐体のカメラ21を基準とした右側又は左側側面に選択的に配置される。事前接客部1は、所定料金を受け付ける他に、撮影を開始する前に、撮影、編集、作成される画像又は出力されるシート等の各種遊技に関する案内を行なう。事前接客部1は、コイン投入口10、コインセレクタ11、コイン返却口12、表示パネル13、及びスピーカ14を含む。
コイン投入口10は、硬貨の投入を受け付ける。コインセレクタ11は、後述する制御機構に接続されており、コイン投入口10から投入される硬貨の真偽を判定し、判定信号を出力する。コイン返却口12は、コインセレクタ11にて偽と判定された場合に硬貨を返却する。
表示パネル13は、ユーザに対し、撮影遊技機又は広告等の各種案内、事前の選択操作に必要な画面を表示する。表示パネル13は、後述する制御機構と接続されており、制御機構からの制御に基づき、各種画面を表示する。表示パネル13は、タッチパネルを内蔵しており、表示された選択項目に対するユーザによる選択を受け付ける。ユーザが表示パネル13のタッチパネルに接触するまで、表示パネル13は、制御機構による制御に基づき、撮影遊技機のデモ画面を表示する。なお、表示パネル13のタッチパネルは、同時に複数のユーザからの操作を受け付けることが可能な所謂マルチタッチに対応可能である。
スピーカ14は、ユーザに対し、撮影遊技機又は広告等の各種案内、事前の選択操作に必要な情報を音声出力する。スピーカ14は、表示パネル13と同様に後述の制御機構と接続されており、制御機構からの制御に基づき、各種音声を出力する。スピーカ14は、ユーザが表示パネル13のタッチパネルに接触するまで、制御機構による制御に基づき、撮影遊技機の利用開始を促す音声案内を出力する。
ユーザは、表示パネル13にタッチし、コイン投入口10から所定料金に相当する硬貨を投入することにより、撮影遊技機によるサービスを開始させることができる。
撮影空間の内部には、撮像部2を構成する各機器が設置されている。撮像部2は、カメラ21、ディスプレイ22、スピーカ23、各種照明装置24〜28を含む。カメラ21、ディスプレイ22、スピーカ23、及び各種照明装置24〜28は、後述の制御機構に夫々接続されている。
撮影空間の内部では、ユーザの平均的な目線等に基づく高さに設置されたカメラ21の下部に、ディスプレイ22及びスピーカ23が設置されている。カメラ21、ディスプレイ22及びスピーカ23は、縦長の略長方形の同一枠内に、ユーザがカメラ21へ視線を向けた場合にもディスプレイ22に表示されている画面が確認することが可能に配置されている。撮影空間のカメラ21及びディスプレイ22周囲には各種照明装置24〜28が設置されている。カメラ21及びディスプレイ22を囲む枠内には、カメラ周辺照明装置28が設けられている。カメラ21の上方及び左右には、ドーム型照明装置24が、撮影空間にいるユーザを斜め上方から、更に斜め左右から照らすように設置されている。カメラ21及びディスプレイ22を囲む枠の下方には、後述の制御機構を収納し、表面に照明装置を設けた筐体が設置されている。筐体の上面中央部には、ユーザを斜め下方から照らす角度をなした上半身照明装置25が設けられている。筐体の前面には、垂直面及び下方を向いた面が形成されており、垂直面には脚上照明装置26が設けられ、下方を向いた面には、足元照明装置27が設けられている。そして上半身照明装置25が配置された筐体の上面左右部は、略水平面をなしており、ユーザの荷物置き場29として利用される。
カメラ21は、ユーザを人物被写体として撮影するため、内部にレンズ群、絞り、シャッター、CCD(Charge Coupled Device )等の撮像素子を含むデジタルカメラである。カメラ21は、タイマー機能によりシャッターが動作して撮像素子から静止画像を取得して記憶することにより写真撮影を実行する。なお、カメラ21は起動している間、撮像素子から出力されるデジタル化された映像信号(画像信号)を後述の制御機構へ出力している。
なおカメラ21は、ユーザの平均的な目線の高さよりも高い所定の高さに設置され、撮影方向は、ユーザを所定角度上方から撮影するように、下方に向けられている。カメラ21の画角は、ユーザが2人程度である場合に適した所定画角に設定されている。更に、カメラ21は、撮影方向の角度及び画角が、撮影空間における撮影内容に応じて夫々独立に制御可能な機構(図示せず)を有している。
ディスプレイ22は、タッチパネル内蔵型の液晶パネルを用いる。ディスプレイ22は、撮影遊技機の操作中の各種案内、選択操作に必要な画面を表示する。ディスプレイ22は、ユーザによりタッチされた箇所の画面上の位置の情報を含む信号を制御機構へ出力する。なお、ディスプレイ22は、ユーザからの接触がされるまで、利用開始を促すデモ画面を表示している。
スピーカ23は、ディスプレイ22と同様に、撮影遊技機の操作中の各種案内、選択操作に必要な情報を音声出力する。スピーカ23は、制御機構からの制御に基づき、各種音声を出力する。スピーカ23は、ユーザがディスプレイ22のタッチパネルに接触するまで、制御機構による制御に基づき、撮影遊技機の利用開始を促す音声案内を出力する。
各種照明装置24〜28は夫々、ストロボ及び蛍光灯を備えており、撮影空間の照明機器であると共に、制御機構からの制御に基づき、写真撮影時のフラッシュとして機能する。
撮影空間には更に、天井装置及び背面装置が設けられている(いずれも図示せず)。天井装置は、天井からの光を照射する照明装置及びスピーカを含む。上述した撮影部2に含まれるスピーカ23は、天井装置のスピーカに代替されてもよい。背面装置は、アップ撮影用照明装置、及び全身撮影用照明装置を含む。アップ撮影照明装置は、ストロボ及びグリッドを備え、ユーザの背面上方からユーザの頭部に光を照射する装置である。全身撮影用照明装置は、ストロボを備え、ユーザの全身へ背面から光を照射するべく、上部及び下部に設置されている。
次に、編集空間について説明する。編集空間は、撮影空間のカメラ21、ディスプレイ22が設置されていた壁面の裏側の空間である。図2では、撮影空間と編集空間との間の壁は図示していない。編集空間は、撮影空間での撮影が終了したユーザに対し、各種選択、編集作業に対する案内を行なうと共に、選択操作、及び、撮影画像に対する落書き操作を行なわせる空間である。
図2に示すように編集空間には、各構成部を内外に備える略直方体の筐体が設置されている。筐体は、狭側面である一側面が撮影空間との仕切りである壁面(図示せず)に接しており、前記一側面と対向する面には、撮影結果に基づく画像を所定の写真シール用紙へ印刷出力する印刷部5の構成部が設けられている。筐体の広側面は、上部で扁平な壁面状になっており、夫々に、写真撮影された画像及びその他の画像を編集するためのインタフェースを備える第1編集部4a及び第2編集部4bが設けられている。
筐体内部には、第1編集部4a、第2編集部4b及び印刷部5を制御する制御機構が設置されている。なお、撮影空間内の筐体と、編集空間内の筐体とは、相互に接している面が開口部を有し、内部で連通している。撮影部2の制御機構及び第1編集部4a、第2編集部4b及び印刷部5を制御する制御機構とは接続されている。
第1編集部4aは、タブレットディスプレイ40a、2つのタッチペン41a,42a、タッチペン置き43a,44a、スピーカ45a、照明装置46a、及び非接触通信装置47aを含む。第2編集部4bも同様であるので、対応する符号を付し、詳細な説明を省略する。タブレットディスプレイ40a、スピーカ45a、照明装置46a及び非接触通信装置47aは、制御機構に接続されている。
タブレットディスプレイ40aは、筐体の広側面の所定高さに、ユーザが操作しやすい角度に傾いて設けられている。タブレットディスプレイ40aは、制御機構からの制御に基づき、ユーザに対して各種案内、落書き操作に必要な画面を表示する。またタブレットディスプレイ40aは、タッチペン41a,42aが接触した位置情報を制御機構へ出力する。なおタブレットディスプレイ40aは、2つのタッチペン41a,42aからの操作が可能なマルチタッチパネルである。
タッチペン41a,42aは筐体に接続され、ユーザに使用される。2つのタッチペン置き43a,44a及びタッチペン41a,42aの筐体との接続部は、タブレットディスプレイ40aの両側に設けられており、2人のユーザが夫々操作しやすいようにしてある。
スピーカ45aは、タブレットディスプレイ40aの右側に設けられている。スピーカ45aは、制御機構による制御に基づき、ユーザに対して各種案内、落書き操作に必要な情報を音声出力する。利用されていない間は、スピーカ45aは、使用開始を促すデモ音声等を出力する。
照明装置46aは、筐体上部に、タブレットディスプレイ40aを照らすように設けられている。照明装置46aは蛍光灯を備える。照明装置46aは、制御機構からの制御に基づき、ユーザが落書き操作を行ないやすいように常時点灯してある。
非接触型通信装置47aは、タブレットディスプレイ40aの上部に設けられている。非接触型通信装置47aは、ユーザが所持する携帯電話機等の携帯端末装置内に設けられている非接触型ICカードと通信を行なう。又は、赤外線通信により通信を行なう構成としてもよい。非接触型通信装置47aは、携帯端末装置へ、撮影によって得られた画像データのアドレス情報を送信する。具体的には、後述するように制御部6のCPU60により、撮影して編集が行なわれた後の画像データが、外部ネットワークNに接続している他のサーバ装置へ送信される。CPU60は、非接触型通信装置47aから、前記サーバ装置上の画像データのURL情報をユーザの携帯端末装置へ送信する。なお非接触型通信装置47aは、2つ以上設けられる構成としてもよい。
印刷部5は、筐体内に設けられたプリンタ50、筐体側面に設けられているシール吐出口51、筐体側面に設けられているエラーランプ52を含む。
プリンタ50は、筐体内で、編集空間における編集がなされた画像を所定の写真シール用紙へ印刷出力する。プリンタ50は、制御機構からの制御に基づき印刷出力を行なう。プリンタ50から排出された所定の写真シール用紙は、シール吐出口51へ吐き出されるように構成されている。エラーランプ52は、複数のLEDを用い、制御機構からの制御に基づいてLEDを点灯させる。なおエラーランプ52は、第1編集部4a又は第2編集部4bのいずれの編集結果に基づき印刷出力された写真シール用紙であるかを示すために用いられる。エラーランプ52は勿論、用紙切れ等が発生した場合に、知らせるためにも用いられる。
図3及び図4は、本実施の形態における撮影遊技機の構成を模式的に示すブロック図である。図3は、制御部6、画像処理部7、電源部8、通信部9及び事前接客部1の構成を示し、図4は、撮影部2、第1編集部4a、第2編集部4b及び印刷部5の構成を示している。
図3及び図4に示すように、本実施の形態における撮影遊技機は、各構成部を制御する制御部6と、画像処理部7と、電源部8と、通信部9と、事前接客部1と、撮像部2と、第1編集部4aと、第2編集部4bと、印刷部5と、各部を接続するバス100とにより構成される。制御部6、画像処理部7、電源部8、通信部9及びバス100が、上述の説明における制御機構に対応する。以下、図3及び図4を参照して主に、図1及び図2には図示しなかった制御機構について説明する。
制御機構は、上述した撮影空間及び編集空間内の筐体内部の空間に設置された複数のパーソナルコンピュータ(以下、PC:Personal Computer という。)と、上述の事前接客部1、撮影部2、第1編集部4a、第2編集部4b及び印刷部5を構成する各ハードウェアをPCから制御するための制御基板とを含んで構成される。なお、複数のPCは夫々、その制御対象によって機能が分割される。例えば、撮影空間の事前接客部1を制御するPCと、撮影部2を制御するPCと、第1編集部4a及び第2編集部4bを制御するPCと、印刷部5を制御するPCと、夫々機能が分割されて動作するように構成される。勿論、1つのPCで全てを制御するようにしてもよい。本実施の形態では、撮影部2におけるディスプレイ22等の制御について主に説明するため仮想的に、事前受付部1及び撮影部2を制御する第1PCと、第1編集部4a及び第2編集部4bを制御し、画像処理を行ない、印刷部5にて画像を出力する第2PCとの動作によって各構成部が制御されるとして以下に説明する。
制御部6には、第1PCに備えられたCPU60と、メモリ61と、HDD(Hard Disk )62と、キャプチャ・クロマキーボード63とが含まれる。
CPU60は、各構成部のハードウェアを制御する。メモリ61は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を用い、CPU60の動作により発生する情報を一時的に記憶する。
CPU60は、HDD62に記憶されている後述の制御プログラム6Pを読み出して実行し、メモリ61に各種情報を記憶しながら処理を行なうことにより、以下の各種処理を実行する。CPU60はまず、事前接客部1のコインセレクタ11からの判定信号を受け付け、受け付けた判定信号に応じて表示パネル13へ制御信号を送出し、所定料金の受け付けを実現する。またCPU60は、制御プログラム6Pを読み出して実行することにより、撮影部2のカメラ21による撮影と、各照明装置24〜28との動作を同期させる制御と、カメラ21によって写真撮影されて記憶された印刷出力用の画像の取得とを行なう。また、CPU60は、カメラ21から得られる映像信号を、キャプチャ・クロマキーボード63を介して、撮影中のライブ画面の撮影画像として取得し、取得した撮影画像に基づき、ライブ画面の画像信号をディスプレイ22へ表示する処理を実行する。CPU60によるライブ画面を表示させるための処理について、後述にて詳細を説明する。
HDD62は、各種データを記憶する。HDD62は、CPU60が各構成部のハードウェアを制御するための制御プログラム6Pを予め記憶している。制御プログラム6Pは、図示しないCD−ROM、DVD等の記録媒体に記録された制御プログラム6PをHDD62に複製したものでもよいし、通信部9を介して通信媒体を介して取得したものでもよい。CPU60がHDD62から制御プログラム6Pを読み出して実行することにより、各ハードウェアの制御及び種々のソフトウェア機能が実現される。
またHDD62には、制御プログラム6Pの他に、写真撮影された印刷出力用の画像と合成するための前景/背景画像、撮影部2のディスプレイ22に撮影画像と共に表示するための前景/背景画像等が記憶されている。HDD62には更に、事前接客部1の表示パネル13、及び撮影部2のディスプレイ22に表示される画像、テキストファイル(フォントデータ)が記憶されている。また、HDD62には、事前接客部1のスピーカ14、及び撮影部2のスピーカ23に出力する案内音声などの音声データ等のデータが記憶されている。更にHDD62には、写真撮影によってCPU60がカメラ21から取得した印刷出力用の画像が記憶される。
キャプチャ・クロマキーボード63は、映像信号から例えば毎秒30枚の静止画像を取得して出力するキャプチャ機能と、キャプチャされた各静止画像から所定の色調及び明度の画素を認識し、一定の範囲内で同一の色調及び明度の画素に対してα値(透明度)を設定することにより透明化し出力するクロマキー機能とを有する回路基板である。キャプチャ・クロマキーボード63は、カメラ21から出力される映像信号を受け付けるように接続されている。また、キャプチャ及びクロマキー処理された後の静止画像は、キャプチャ・クロマキーボード63に内蔵される図示しないメモリに書き込まれる。CPU60は当該メモリから静止画像をライブ用又は撮影後のプレビュー用の撮影画像として読み出してクロマキー処理を行なわせ、後述するように、ディスプレイ22のライブ画面又はプレビュー画面を作成する処理を実行する。
画像処理部7には、第2PCに備えられたCPU70と、メモリ71と、HDD72と、グラフィックボード73とが含まれる。
CPU70は、各構成部のハードウェアを制御する。メモリ71は、DRAM等を用い、CPU70の動作により発生する情報を一時的に記憶する。
CPU70は、HDD72に記憶されている後述の画像処理プログラム7Pを読み出して実行することにより、制御部6の制御に基づく写真撮影によってカメラ21にて撮影された画像を加工する画像処理を実現する。詳細には、制御部6の制御により、ユーザが写真撮影を実行した場合にカメラ21にて撮影された画像が画像処理部7へ受け渡される。CPU70は、カメラ21にて撮影された画像を取得してメモリ71へ書き込み、画像処理を行なう。画像処理の内容は、画像中のユーザの顔を小顔にする加工、髪に艶を出す加工、髪色を明るくする加工、目を大きくする加工、体のラインを細く見せるための加工、脚を長く見えるようにする加工等、種々の加工が含まれる。体のラインを細く見せるための加工では、クロマキー処理を行なう際に、検出される輪郭の所定内側までα化処理を行なうなどしている。なお、脚を長く見えるようにする加工処理の内容については、後述にて詳細に説明する。
なお、CPU70は、加工処理を行なう前に、カメラ21から出力される映像信号を、編集画面用の撮影画像として取得し、第1編集部4a及び第2編集部4bによる編集を受け付ける処理等の各種処理を実行する処理も行なう。
HDD72には、CPU70が上述の画像処理を行なうための画像処理プログラム7Pが記憶されている。CPU70がHDD72から画像処理プログラム7Pを読み出して実行することにより、上述の画像に対する加工処理が実現される。
HDD72には更に、第1及び第2編集部4a,4bのタブレットディスプレイ40a,40bに表示される画像、テキストファイル(フォントデータ)が記憶されている。また、HDD72には、第1及び第2編集部4a,4bのスピーカ45a,45bに出力する案内音声などの音声データ等のデータが記憶されている。更にHDD72には、CPU70が制御部6から得る編集用の撮影画像、前景画像及び/又は背景画像と合成処理が実行されることで得られる合成画像及び編集処理によって得られる編集画像が記憶される。
グラフィックボード73は、受け付けた画像及び描画命令に基づき、図示しない内蔵メモリに画像を描画するハードウェアである。CPU70は、制御部6から取得してメモリ71に一時的に記憶した撮影画像に対する画像処理を、グラフィックボード73を用いて行なう。具体的には、CPU70は撮影画像と、画像処理に伴なう描画命令とをグラフィックボード73に与えて描画処理を行なわせ、描画処理によって得られた画像をメモリ71に取得する。
電源部8は、第1PC及び第2PCのみならず各構成部へのAC電源からの電力の供給を実現する。撮影遊技機には、電源を投入する電源スイッチ(図示せず)が設けられており、電源部8に接続されている。電源部8は電源スイッチのオン/オフを検知し、画像出力装置の稼動/動作を切り替える。なお、電源部8はUPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)ユニット80を含んで構成される。UPSユニット80により、AC電源からの電力が突然遮断された場合でも、各構成部へのダメージを減らすことができる。電源スイッチがオフに切り替えられた場合、UPSユニット80は停電信号をCPU60へ出力し、CPU60は停電信号を検知したときの所定の終了処理を行ない画像出力装置全体の電源をオフにする。
通信部9は、PHSユニット90により構成され、制御部6(CPU60)に内部バス100を介して接続されている。PHSユニット90は、インターネット等の外部ネットワークNに接続してデータの送受信を実現する。CPU60は、通信部9のPHSユニット90を介して外部ネットワークN上の他の装置と通信し、データの送受信を行なうことが可能である。本実施の形態における撮影遊技機では、PHSユニット90はユーザの名前、メールアドレス等の識別情報又は送信先のURL情報と共に、撮影して編集した後の画像を外部ネットワークNに接続している他のサーバ装置へ送信する機能を有している。この機能により、ユーザは、サーバ装置から自身が撮影して編集した画像を携帯端末装置へメールで送信するか、又は自宅のPCにより閲覧することができるサービス、及び携帯端末装置又はPCへダウンロードすることができるサービスが実現される。
上述で説明したように、本実施の形態では制御プログラム6Pと画像処理プログラム7Pとを別体として構成した。しかしながら、制御プログラム6Pに、種々の加工処理を行なう画像処理を実現するプログラムが含まれ、1つのプログラムとして構成されてもよい。
このように構成される撮影遊技機にて、制御機構に基づき実行される制御内容について、フローチャートを参照して説明する。
まず、制御部6のCPU60の処理に基づき撮影遊技機にて実行される全体的処理及びユーザによる操作について説明する。図5は、制御部6のCPU60による案内、撮影、編集受付、及び印刷を含む一連の制御処理手順を示すフローチャートである。
CPU60は、事前接客部1における処理を実行し(ステップS1)、次に、撮影空間における撮影処理を実行する(ステップS2)。CPU60は、撮影終了後に編集空間における編集を受け付け(ステップS3)、撮影により得られた画像に対して受け付けた編集内容に基づく画像処理を行なう(ステップS4)。最後にCPU60は、印刷出力及び画像処理後の画像の送信を行ない(ステップS5)、処理を終了する。
図6は、事前接客部1における処理手順の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、図5のフローチャートにおけるステップS1の詳細に対応する。
CPU60は、表示パネル13へ、撮影遊技機の案内画面、又は他の広告の各種案内画面を表示させる(ステップS101)。
CPU60は、コイン投入口10から所定料金(例えば400円)を満たす硬貨が投入されたか否かを判断する(ステップS102)。CPU60は、所定料金を満たす硬貨が投入されていないと判断した場合(S102:NO)、処理をステップS101へ戻し、案内等の画面を表示させる。なお、CPU60は、コイン投入口10から、所定料金未満の硬貨が投入されている場合は、投入済みの硬貨の総額を表示パネル13へ表示させるように制御信号を出力する。
CPU60は、所定料金を満たす硬貨が投入されたと判断した場合(S102:YES)、表示パネル13及びスピーカ14にて、撮影遊技機の操作説明を出力させる(ステップS103)。具体的にはCPU60は、撮影遊技機の案内の画面、及び後述する各処理のための選択画面を表示パネル13に表示させ、スピーカ14から案内音声を出力させる。本実施の形態における撮影遊技機では、後述する撮影処理にて、4枚のアップ撮影、2枚の全身撮影に加え、「スペシャル撮影」が可能であって、計7回の撮影が行なわれる。CPU60は、7回の撮影夫々の内容を説明し、事前接客部1にて夫々の撮影に応じた項目選択を行なうことを説明する画面及び音声を出力させる。
次にCPU60は、表示パネル13にて、事前に、全体的なデザイン選択を受け付ける(ステップS104)。本実施の形態における撮影遊技機では、複数種類のデザインを選択することができる。各デザインに応じて、選択できる背景画像等が異なる。
CPU60は、ユーザの名前を受け付ける(ステップS105)。本実施の形態における撮影遊技機では、出力結果にユーザの名前(記憶してあるフォントデータに基づく文字列)を入れることが可能であり、前景画像又は背景画像に名前を入れることも可能である。したがって、撮影中のユーザを撮影したライブ画面に、名前が反映された前景画像又は背景画像を表示させるため、事前に名前を受け付ける。
CPU60は、ステップS104にて選択されたデザインに応じて複数種類の背景画像から、いずれかの選択を受け付ける(ステップS106)。なお、背景画像は、4枚のアップ撮影、2枚の全身撮影、及びスペシャル撮影夫々の計7回の撮影に対し、選択することが可能である。背景画像によっては、前景画像もセットで選択される。また本実施の形態における撮影遊技機では、背景画像には、対応する撮影方法が異なるものが含まれる。当該撮影方法については、後述にて詳細に説明する。
更にCPU60は、スペシャル撮影の内容を複数の種類から、いずれかの選択を受け付ける(ステップS107)。本実施の形態における撮影遊技機では、スペシャル撮影として、ユーザの全身を撮影した画像を用いた全身コラージュ写真を撮影する全身コラージュ撮影、雑誌表紙風のカバーショット撮影、又は最大2人のユーザの全身を1人ずつ撮影するピンプリ(商標出願中)撮影が、スペシャル撮影として選択可能である。
CPU60は、ステップS104、S105、S106、S107で選択された項目夫々をメモリ61に記憶する(ステップS108)。
次にCPU60は、撮影空間が空いているか否かを判断する(ステップS109)。CPU60は、撮影空間が空いていないと判断した場合(S109:NO)、ユーザを待機させるためのウェイト画面を表示パネル13へ表示させ(ステップS110)、処理をステップS109へ戻し、待機する。
CPU60は、ステップS109にて撮影空間が空いていると判断した場合(S109:YES)、撮影空間へ誘導する画面を表示パネル13へ表示させ、案内音声をスピーカ14から出力させる(ステップS111)。CPU60は、図5のフローチャートのステップS2へ処理を戻す。
図7は、撮影空間における撮影処理手順の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートは、図5のフローチャートにおけるステップS2の詳細に対応する。
CPU60は、ディスプレイ22へ、撮影空間の案内画面及び撮影内容の説明を表示させ、スピーカ23から案内音声を出力させる(ステップS201)。
CPU60は、通常撮影の開始を通知する画面及び音声を、ディスプレイ22及びスピーカ23へ出力し(ステップS202)、通常撮影(アップ撮影及び全身撮影)を実施する(ステップS203)。なお通常撮影時におけるCPU60の処理については、後述にて詳細を説明する。
次にCPU60は、選択されている項目内容に基づき、スペシャル撮影の開始を通知する画面及び音声を、ディスプレイ22及びスピーカ23へ出力する(ステップS204)。ステップS204ではCPU60は、スペシャル撮影の内容に適したポジションへ、ユーザを誘導する画面及び音声を出力するとよい。例えば、全身コラージュ撮影が選択されている場合には、撮影空間内の所定のエリア(予め床部分等で識別可能にしてある)に立つことを誘導したり、ピンプリ(商標出願中)撮影が選択されている場合には、該当する所定のエリアに立つことを誘導したり、事前接客部1で選択された名前が入った前景又は背景画像が選択されている場合には、自分の名前側に立つように誘導したりする。
CPU60は、スペシャル撮影におけるライブ画面、及び、選択されたスペシャル撮影に対応するおすすめポーズのサンプル画面をディスプレイ22へ出力させる(ステップS205)。このとき、CPU60は、音声でも案内を出力し、写真撮影(シャッター)のタイミングまでのカウントダウンを表示及び音声出力する。
CPU60は、カメラ21及び各照明装置24〜28を制御し、スペシャル撮影を実施する(ステップS206)。CPU60は、スペシャル撮影によって得られた撮影画像のプレビュー画面を、ユーザに確認させるべく表示する(ステップS207)。
CPU60は、ステップS203の撮影にて得られた撮影画像に基づき、目の写り及び明るさの設定の選択を受け付ける(ステップS208)。ステップS208ではCPU60は具体的には、ユーザがイメージする通りの出力結果となるように、ステップS203の通常撮影のアップ撮影で実際にユーザを撮影して得られた撮影画像を用いて目の大きさを複数段階(例えば3段階〜5段階)で変え、ディスプレイ22へ表示する。また、明るさについても、アップ撮影で得られた撮影画像に対して明るさを複数段階(例えば5段階)で変え、ディスプレイ22へ表示する。そしてCPU60は、複数段階のいずれかから、ユーザが選択した目の写り(大きさ)及び明るさを受け付け、メモリ61へ記憶する(ステップS209)。
次にCPU60は、編集空間の第1編集部4a又は第2編集部4bのいずれかが空いているか否かを判断する(ステップS210)。CPU60は、編集空間が空いていないと判断した場合(S210:NO)、ユーザを待機させるためのウェイト画面をディスプレイ22へ表示させ(ステップS212)、処理をステップS210へ戻し、待機する。
CPU60は、ステップS210にて編集空間が空いていると判断した場合(S210:YES)、編集空間へ誘導する画面をディスプレイ22へ表示させ、案内音声をスピーカ23から出力させる(ステップS211)。CPU60は、図5のフローチャートのステップS3へ処理を戻す。
図8及び図9は、編集空間における処理手順の一例を示すフローチャートである。図8及び図9のフローチャートは、図5のフローチャートにおけるステップS3の詳細に対応する。
CPU70は、タブレットディスプレイ40a,40bへ、編集空間の案内画面及び編集の説明を表示させ、スピーカ45a,45bから案内音声を出力させる(ステップS301)。具体的にはCPU70は、タブレットディスプレイ40a又は40bに、タッチペン41a,42a又は41b,42bでタッチするように促す画面及び音声を出力する。
CPU70は、タブレットディスプレイ40a又は40bにて、タッチがされたか否か判断し(ステップS302)、タッチがされていないと判断した場合(S302:NO)、処理をステップS301へ戻す。
CPU70は、ステップS302にてタッチがされたと判断した場合(S302:YES)、編集空間における落書きの案内及び撮影空間からの画像の移動開始を示す画面をタブレットディスプレイ40a又は40bにて表示させ、スピーカ45a又は45bに出力させる(ステップS303)。
CPU70は、制御部6から撮影画像(計7回分)、並びに、選択されたデザイン、入力された名前、背景画像又は前景画像、スペシャル撮影の内容(背景画像等)、目の写り、及び明るさ等の選択項目の情報を取得する(ステップS304)。
次にCPU70は、取得した撮影画像及び選択項目の情報に基づき落書きを受け付ける(ステップS305)。落書き処理の内容については、本実施の形態では説明を省略するが、手書きの文字入力、スタンプ入力等を受け付ける処理である。
次にCPU70は、印刷する写真シール用紙への写真の分割の仕方の選択を受け付けるための説明画面をタブレットディスプレイ40a又は40bに表示させ、案内音声をスピーカ45a又は45bに出力させる(ステップS306)。本実施の形態における撮影遊技機では、スペシャル撮影の内容に応じて、予め記憶してある複数種類の分割数のパターンが選択可能であるので、CPU70は、選択内容について知らせる。
CPU70は、選択されているスペシャル撮影の内容に応じた分割が異なる用紙デザインの選択を受け付け(ステップS307)、メモリ71に記憶する(ステップS308)。
CPU70は、通常撮影及びスペシャル撮影によって得られた画像の内、ユーザの携帯端末装置へ送信する画像の選択について案内する画面をタブレットディスプレイ40a又は40bに表示させ、案内音声をスピーカ45a又は45bに出力させる(ステップS309)。本実施の形態における撮影遊技機では、計7回の撮影によって得られた撮影画像、及び、それらの撮影画像に対する編集後の合成画像の内のいずれか1つを、外部のサーバ装置へ送信し、携帯端末装置からダウンロードすることが可能である。
次にCPU70は、計7回の撮影によって得られた撮影画像、及び、それらの撮影画像に対する編集後の合成画像を表示し(ステップS310)、いずれかの選択を受け付け(S311)、選択された画像を識別する情報をメモリ71に記憶する(ステップS312)。
CPU70は、ユーザの携帯端末装置へメール送信するためのアドレス入力画面をタブレットディスプレイ40a又は40bに表示させる(ステップS313)。CPU70は、アドレス入力がされたか否かを判断し(ステップS314)、アドレス入力がされていないと判断した場合(S314:NO)、非接触通信装置47a又は47bへ、ユーザの携帯端末装置を近づけるように案内する画面をタブレットディスプレイ40a又は40bに表示させ、スピーカ45a又は45bから音声を出力させる(ステップS315)。CPU70は、非接触通信装置47a又は47bにて携帯端末装置を検知したか否かを判断し(ステップS316)、検知しないと判断した場合(S316:NO)、処理をステップS315へ戻す。CPU70は、携帯端末装置を検知したと判断した場合(S316:YES)、非接触通信装置47a又は47bから、選択された画像のURL情報を携帯端末装置へ送信し(ステップS317)、処理を次のステップS319へ進める。
CPU70は、ステップS314でアドレス入力がされたと判断した場合(S314:YES)、メモリ71へ入力されたアドレスを記憶し(ステップS318)、処理を次のステップS319へ進める。
CPU70は、印刷部5のプリンタ50が使用中であるか否かを判断する(ステップS319)。CPU70は、プリンタ50が使用中であると判断した場合(S319:YES)、広告等のウェイト画面をタブレットディスプレイ40a又は40bに表示させ、スピーカ45a又は45bから音声を出力させ(ステップS320)、処理をステップS319へ戻す。
CPU70は、プリンタが使用中でないと判断した場合(S319:NO)、プリント中であることを表示する画面、及び、編集空間における処理が終了したことを示す画面をタブレットディスプレイ40a又は40bに表示させ、スピーカ45a又は45bから案内音声を出力させ(ステップS321)、図5のフローチャートのステップS4へ処理を戻す。なお、図5のフローチャートにおけるステップS4の画像処理(加工及び合成処理)は、上述の処理の内のステップS306以降に、バックグラウンドで実行されるようにするとよい。
図10は、上述の処理によって撮影遊技機にて得られる写真シール用紙の例を示す説明図である。図10の説明図に示す例では、写真シール用紙の上部に、スペシャル撮影によって得られた画像、写真シール用紙の下部に、通常撮影によって得られた画像が印刷される。通常撮影によって得られる画像の内、左4枚がアップ撮影によって得られる画像、右2枚が全身撮影によって得られる画像である。
なお、図10に示すように、アップ撮影によって得られる画像と全身撮影によって得られる画像とは、6枚並べてレイアウトが可能である。アップ撮影によって得られる画像は縦横の比率が1.2:1で作成され、全身撮影によって得られる画像は縦横の比率が1.6:1で作成されている。これにより、図10に示したようなレイアウト、又は他の様々なレイアウトが容易になる。
本実施の形態における撮影遊技機では、上述によって得られる全身撮影の2枚の画像には基本的に、画像処理部7にて脚を長く見えるようにする加工(以下、脚補正)を行なっている。スペシャル撮影時も、内容によっては脚補正を行なってもよい。
図11は、本実施の形態における撮影遊技機にて行なわれる脚補正の方法を説明する説明図である。図11に示す説明図は、撮影画像全体を矩形で表わしている。また図11中の太線の範囲は、脚が写る範囲として推定される範囲である。
本実施の形態における撮影遊技機では、カメラ21は通常撮影時において、上述したように、ユーザの平均的な目線の高さよりも高い所定の高さに設置され、撮影方向は、ユーザを所定角度上方から撮影するように、下方に向けられている。これにより、照明、顔の写り方などが好適である。しかしながら、当該画角では下半身が短縮されるように撮影される。そこで画像処理部7のCPU70は、全身撮影で得られた画像を、図11に示すように、上部の横方向を収縮し、下部の縦方向を伸長することにより、脚が長く見える画像を得ることができる。
しかしながら、ユーザが撮影遊技機を楽しむ方法は様々である。ユーザは、多人数で全員が写ろうとする場合、又はしゃがんで写ろうとする場合に、撮影範囲の下部、つまり脚補正の影響がある範囲に顔が入るようなポーズをとる場合もある。この場合、上述の図11のような補正を行なうと撮影範囲の下部に写る顔領域が不自然に歪む可能性が高い(後述の図14参照)。これによりユーザは、撮影遊技機に対する満足度が低くなる可能性が高くなる。そこで、本実施の形態における撮影遊技機では、通常撮影の全身撮影時に、脚補正が行なわれる範囲をユーザに知らせることによって、撮影遊技機で想定していない画像が出力されることを回避する。
図7にて示した撮影処理の内、通常撮影における処理について詳細を説明する。
図12は、通常撮影における撮像部2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートは、図7のフローチャートにおけるステップ203の詳細に対応する。
CPU60は、通常撮影を開始するに際し、事前接客部1にて選択された背景画像が、画像処理部7による各種加工処理の内、脚補正を行なう背景画像であるか否かを判断する(ステップS601)。
CPU60は、脚補正を行なう背景画像でないと判断した場合(S601:NO)、通常撮影におけるライブ画面をディスプレイ22に表示させ(ステップS602)、アップ撮影及び全身撮影を行ない(ステップS603)、プレビュー画面を、ユーザに確認させるべく表示し(ステップS604)、処理を図7のフローチャートにおけるステップS204へ戻る。
CPU60は、脚補正を行なう背景画像であると判断した場合(S601:YES)、アップ撮影におけるライブ画面をディスプレイ22に表示させ(ステップS605)、アップ撮影を1回行なう(ステップS606)。
CPU60は、アップ撮影にてカメラ21から得られる映像信号からキャプチャした撮影画像に基づき、顔認識を行なう(ステップS607)。CPU60は、顔認識によって得られた撮影範囲内の人数を特定し、メモリ61に記憶する(ステップS608)。
CPU60は、4回のアップ撮影が終了したか否かを判断する(ステップS609)。CPU60は、4回のアップ撮影が終了していないと判断した場合(S609:NO)、処理をステップS605へ戻す。CPU60は、4回のアップ撮影が終了したと判断した場合(S609:YES)、メモリ61に撮影毎に記憶した人数を合計する(ステップS610)。
CPU60は、合計人数に基づき、全身撮影時に撮影範囲内に入る推定人数に係る数値を算出する(ステップS611)。具体的には、CPU60は、合計人数をアップ撮影の回数「4」で除算した1枚当たりの撮影人数の平均値を求める。またCPU60は、ユーザが多人数で撮影を行なう場合に、同時に全員で撮影を行なわず、入れ替わりながら撮影を行なうことによって生まれる人数の偏りを加味するための演算値を求める。演算値は、4回のアップ撮影の内の最大人数から最小人数を減算し、2で除算する。そしてCPU60は、平均値に演算値を加算する。
ステップS609において例えば、1回目が「2」人、2回目が「2」人、3回目が「3」人、4回目が「4」人であった場合、CPU60はまず、平均値「2.75」(=11/4)を得る。CPU60は、最大値「4」から最小値「2」を減算し、得られた「2」を2で除算し、演算値「1」を得る。CPU60は、平均値「2.75」に演算値「1」を加算し、推定人数として「3.75」を得る。
CPU60は、ステップS611で得られた推定人数に係る数値に対し、設定されている多人数判定値以上であるか否かを判断する(ステップS612)。多人数判定値は、予め、HDD62に設定値として記憶されている数値であり、可変である。
CPU60は、ステップS612にて多人数判定値以上であると判断した場合(S612:YES)、全身撮影におけるライブ画面に、脚補正を行なう範囲を示すガイドを重畳させてディスプレイ22に表示させる(ステップS613)。このときCPU60は、スピーカ23から、ガイドで示される範囲に顔が入ると顔が歪むなどと通知する音声を出力させるとよい。CPU60は、全身撮影を2回行ない(ステップS614)、処理を図7のフローチャートにおけるステップS204へ戻す。
CPU60は、ステップS612にて多人数判定値未満であると判断した場合(S612:NO)、全身撮影におけるライブ画面(ガイドなし)をディスプレイ22に表示させ(ステップS615)、処理をステップS614へ進める。
図13及び図14は、脚補正を行なう範囲を示すガイドの例を示す例示図である。図13及び図14は、全身撮影時のライブ画面の例を示している。図13及び図14中、太線で示すラインがガイド220である。図13では、ガイド220のラインよりも下の範囲が、脚補正が行なわれる範囲である。図13に示す例では、ガイド220の下には、ユーザの脚部の範囲が入っており、撮影遊技機の想定通りに脚補正が行なわれる。一方、図14に示す例では、ユーザの1人がカメラ21に近づいて撮影範囲の下部に写っているため、ガイド220よりも下に顔領域が入り、脚補正によって顔領域が上下に伸長されて歪んでいる。ガイド220が表示されることにより、当該ラインよりも下に脚以外の部分が入ると、好適な撮影結果が得られないことが、ユーザにとって明確になる。なお、脚補正が行なわれる範囲を示すガイド220は、図13及び図14のようなラインに限らず、矩形でもよい。α化してもよい。また、CPU60は、音声にて、「顔が歪むよ」などと出力させるようにしてもよい。
図12のフローチャートに示した処理及び図13及び図14に示したようなガイドにより、全身撮影を行なう際に、脚補正が行なわれる範囲にユーザの顔が入るような多人数による撮影が行なわれる可能性があるときには、当該範囲内に顔が写りこまないようにユーザを促すことができる。これにより、全身撮影時には脚が長く写るという撮影遊技機の演出に適した撮影画像を得ることが可能となる。
なお、図12のフローチャートでは、ステップS611にて、全身撮影時に撮影範囲内に入る推定人数に係る数値を算出した。全身撮影時のライブ画面にて、カメラ21からリアルタイムに得られる映像信号から、各時点で撮影範囲内にいる人数を特定する構成としてもよい。しかしながら、動画像である映像信号から顔認識を行なって人数を特定する場合、膝部分を誤認識するなど精度が必ずしもよくないことが知見として得られている。また、リアルタイムに得られる映像信号からの認識では、人数特定に時間を要し、全身撮影までに時間がかかるなど、問題が生じる可能性がある。そこで、アップ撮影時に得られる静止画像に基づき、人数特定を行なうことにより精度及び速度の問題を解決している。
上述のように、多人数が推定されるか否かによってガイドの表示及び非表示を制御することにより、ユーザに違和感を覚えさせることなく、撮影遊技機の演出に適した撮影画像を得ることが可能となる。なおガイドの表示は、必ず行なうようにしてもよい。
また、ガイドの表示は、撮影遊技機の演出に適した撮影画像を得るために、選択されているスペシャル撮影の内容によっては、行なわないなどの制御も可能である。スペシャル撮影の中には、背景又は前景画像をディスプレイ22に表示させ、実際の仕上がりをユーザが確認しながら撮影するものがある。この場合、ガイドを表示すると画面が複雑になり紛らわしくなるためである。
図15は、通常撮影における撮像部2の制御処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートは、図7のフローチャートにおけるステップS203の詳細に対応する。なお、図15のフローチャートの内、図12のフローチャートに示す処理手順と共通する処理手順については同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
CPU60は、ステップS612にて、多人数判定値以上であると判断した場合(S612:YES)、スペシャル撮影で全身コラージュ撮影が選択されているか否かを判断する(ステップS621)。CPU60は、全身コラージュ撮影以外が選択されていないと判断した場合(S621:NO)、処理をステップS613へ進める。CPU60は、全身コラージュ撮影が選択されていると判断した場合(S621:YES)、処理をステップS615へ進める。
全身コラージュ撮影が選択されている場合には、全身撮影の画像を用いるが、全身コラージュ撮影では脚補正を行なわないように設定されているときには、全身撮影でも脚補正を行なわないようにしているためである。
更に、多人数判定値以上である場合には、脚補正を行なわないように制御することも可能である。この場合、処理は以下のようになる。CPU60は、図12におけるステップS612にて、多人数判定値以上であると判断した場合(S612:YES)、処理をステップS602へ進め、脚補正を行なわない通常撮影を行なう。
またCPU60は、以下のような処理によってガイドの表示及び非表示を制御してもよい。図16は、通常撮影における撮像部2の制御処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図16のフローチャートは、図7のフローチャートにおけるステップS203の詳細に対応する。なお、図16のフローチャートの内、図12のフローチャートに示す処理手順と共通する処理手順については同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
CPU60は、ステップS612にて、多人数判定値以上であると判断した場合(S612:YES)、一旦、ガイドなしのライブ画面を表示させる(ステップS631)。
CPU60は、ライブ画面に対して顔認識処理を行ない、脚補正を行なう範囲内に顔が検出されたかを判断する(ステップS632)。CPU60は、顔が検出されたと判断した場合(S632:YES)、以降、全身撮影におけるライブ画面に、脚補正を行なう範囲を示すガイドを重畳させてディスプレイ22に表示させ(ステップS633)、全身撮影を行なう処理(S614)へ進める。
CPU60は、顔が検出されたと判断されない場合(S632:NO)、ガイドを表示しないまま、処理をステップS614へ進める。
このようにCPU60は、ライブ画面を表示させ始めた後に、実際に脚補正を行なう範囲内に一度でも顔領域が入った場合のみ、表示を行なってユーザに通知するようにしてもよい。
なお図12又は図15のフローチャートに示した例では、ステップS601にて、脚補正を行なう背景画像であるか否かの判断を行なった。事前接客部1にて、背景画像として、脚補正を行なうべきではない種類の画像が選択可能であるからである。本実施の形態における撮影遊技機では、多くのユーザが2人にて利用することが想定されている。そこで、アップ撮影及び全身撮影時に、カメラ21がユーザの平均的な目線の高さよりも高い所定の高さに設置され、撮影方向は、ユーザを所定角度上方から撮影するように、下方に向けられている。しかしながら、3人若しくは4人以上での撮影も可能である。そこで、事前接客部1にて、背景画像として多人数用の背景画像が選択されている。撮像部2は、事前接客部1にて、多人数用の背景画像が選択されている場合、多人数用の画角へ変更する。
図17は、通常撮影における撮像部2の制御処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、図7のフローチャートにおけるステップ203の詳細に対応する。なお、図17のフローチャートの内、図12のフローチャートに示す処理手順と共通する処理手順については同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
CPU60は、まず、事前接客部1にて選択された背景画像が、多人数用の背景画像であるか否かを判断する(ステップS641)。CPU60は、多人数用の背景画像でないと判断した場合(S641:NO)、ステップS605以降の処理を行なう。
CPU60は、多人数用の背景画像であると判断した場合(S641:YES)、撮像部2のカメラ21の撮影方向を水平方向に近付け(ステップS642)、カメラ21のズームを広角方向へ変更する(ステップS643)。そしてCPU60は、多人数用の設定で、ステップS602〜S604の処理を行ない、図7のフローチャートのステップS204へ処理を戻す。
図18乃至図20は、多人数用の背景画像の画角を説明するための説明図である。図18及び図19は、多人数用でない背景画像における初期的画角、図20は、多人数用の背景画像における変更後の画角を示している。
図18に示すように、カメラ21の初期的画角では、撮影範囲内の人数が、撮影遊技機で想定されている2人である場合に、好適な結果を得られるようにしてある。図18に示す例と同一の初期的な画角で、4人のユーザが撮影範囲に入って撮影しようとする場合、図19に示すように、一部又は全員のユーザの頭部分が欠けた写真となる。
そこで、多人数による撮影が想定される場合には、図20のように画角を広げて撮影行なうようにしてある。これにより、多人数が撮影範囲に入る場合であっても、小顔にする加工、髪色の加工などによる好適な結果が得られ、ユーザによる満足度の向上が期待される。
なお、上述のように開示された本実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。