JP5997973B2 - 金属膜研磨用パッドおよびそれを用いた研磨方法 - Google Patents
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Description
また、研磨パッド表面に穴を形成した場合は、研磨パッド上での研磨スラリーの流動性が劣るため、ウェハ表面への研磨スラリーの供給性が低下して研磨速度や研磨均一性が低下し易い。その上、研磨屑の排出性が低いためウェハ表面にスクラッチが発生し易い。
〔1〕ランド幅(x)が5.0〜7.0(mm)であり、かつ溝幅(y)が0.25〜0.75(mm)である同心円溝のみからなり、無発泡構造である、金属膜研磨用パッド;
〔2〕ランド幅(x)が5.1〜6.8(mm)であり、かつ溝幅(y)が0.29〜0.71(mm)である、請求項1に記載の金属膜研磨用パッド;
〔3〕熱可塑性ポリウレタンからなる、上記〔1〕または〔2〕の金属膜研磨用パッド;
〔4〕上記〔1〕から〔3〕のいずれかの金属膜研磨用パッドを用いた金属膜の研磨方法において、前記金属膜研磨用パッドを貼付した定盤の回転数が50〜120(rpm)である金属膜の研磨方法
に関する。
本発明の金属研磨用パッドは、ランド幅(x)が5.0〜7.0(mm)であり、かつ溝幅(y)が0.25〜0.75(mm)である同心円溝を有する。
また、溝幅が0.75(mm)より大きい場合は溝部における研磨後のスラリー保持量が多くなるため、新鮮なスラリーとの置換が不十分となり、一方、0.25(mm)より小さい場合はスラリー保持と置換のバランスが悪くなり、コンディショニング屑が溝につまりやすくなるため、スクラッチが発生しやすくなる。
スラリー保持性と置換のバランスとの観点から、金属膜研磨用パッドにおけるランド幅(x)が5.1〜6.8(mm)であり、かつ溝幅(y)が0.29〜0.71(mm)であることが好ましく、ランド幅(x)が5.2〜6.5であり、かつ溝幅(y)が0.32〜0.67であることがより好ましい。
上記割合が0.95モル未満であると、得られる熱可塑性ポリウレタンからなる金属膜研磨用パッドの機械的強度および耐摩耗性が低下する傾向があり、1.3モルを超えると熱可塑性ポリウレタンの生産性や保存安定性が低下する傾向がある。得られる金属膜研磨用パッドの機械的強度や耐摩耗性および熱可塑性ポリウレタンの生産性や保存安定性の観点から、高分子ジオールおよび鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.96〜1.1モルとなる割合で各成分を使用することがより好ましく、0.97〜1.05モルとなる割合で各成分を使用することがさらに好ましい。
本発明の金属膜研磨用パッドにおける他の成分の含有量は50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
研磨層とクッション層との積層は、公知の粘着剤あるいは接着剤を用いることができる。クッション層のA硬度は30〜90であることが好ましい。クッション層の素材は特に限定されないが、例えば、無発泡構造または発泡構造のエラストマーや、不織布に樹脂を含浸させたものが挙げられる。
本発明の金属膜研磨用パッドの製造方法は、特に制限されるものではないが、上記した1種類もしくは2種類以上の高分子もしくは高分子組成物からなるシートを製造し、該シートから金属膜研磨用パッドを製造することができる。
該シートは、上記高分子または高分子組成物を押出機により押出して製造することができ、例えば、T−ダイを装着した押出機を使用して、上記高分子または高分子組成物を溶融押出する方法が挙げられる。
押出機としては、単軸押出機、二軸押出機等を使用することができる。また該シートは、上記した高分子または高分子組成物からなるブロックを予め製造しておき、これをスライスして製造することもできる。
得られたシートは、必要に応じて、裁断、打ち抜き、切削等により所望の寸法、形状に加工したり、研削等により所望の厚さに加工して研磨層とすることができる。
(1)樹脂シートを切削加工することにより溝を形成する方法;
(2)樹脂シートに、加熱された金型や金属線を接触させたり、レーザー光等の光線を照射したりして、その部分を溶解または分解・揮散させることにより溝を形成する方法;
(3)凸部を有する金型に樹脂シートの原料の溶融物を流し込んだ後に固化させる方法;
などが挙げられる。
(1)〜(3)の方法のうち、加工精度に優れるという観点から、(1)の方法が好ましい。
本発明の研磨方法は、上述した本発明の金属膜研磨用研磨パッドを用いて、半導体基板上に形成された配線材料を研磨するものである。
ここで、研磨に際しては、公知の研磨スラリーを用いて化学的機械的研磨を行うことができる。本発明の研磨方法に用いることができる研磨スラリーとしては、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素等の研磨剤;塩基、酸、酸化剤、界面活性剤、キレート剤などの成分を含有するものが挙げられる。また、化学的機械的研磨を行うに際し、必要に応じ、研磨スラリーとともに、潤滑油、冷却剤等を併用してもよい。
定盤の回転数が50rpmより低い場合は、研磨が進行しにくく、120rpmより高いとスラリーが排出されすぎ、研磨速度が低下する。58〜110(rpm)がより好ましく、66〜100(rpm)がさらに好ましい。
各実施例および比較例において作製した研磨パッドを、Strasbaugh社製研磨装置「nHance 6EG」に設置し、旭ダイヤモンド工業株式会社製ダイヤモンドドレッサー(ダイヤ番手#100)を用い、超純水を200mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数100rpm、研磨パッド回転数50rpm、ドレッサー荷重40Nにて、60分間研磨パッド表面を研磨した(以下、研磨側表面に対して、当該研磨表面上の凹凸や削りカスを取り除くためにドレッサーを回転させて当該研磨側表面を研磨する工程を「コンディショニング」と称する)。研磨パッドを前述の方法でコンディショニングした後、研磨パッド回転数95rpm、ウェハ回転数96rpm、研磨圧力240hPaの条件において、研磨スラリー(株式会社フジミインコーポレーテッド製研磨スラリー「PL−7101」、超純水および31%濃度の過酸化水素水を1:2:0.09の比率で混合したもの)を300mL/分の速度で供給しつつ、膜厚が1000nmでパターンのない銅膜を表面に有する直径8インチの銅膜付きシリコンウェハを60秒間研磨した。
その後、超純水を200mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数100rpm、研磨パッド回転数40rpm、ドレッサー荷重40Nにて60秒間コンディショニングを行った。
その後、ウェハを交換して再度研磨およびコンディショニングを交互に繰り返し、計10枚のウェハを研磨した。
81点の研磨速度の平均値を研磨速度(R)とし、研磨均一性は、〔不均一性(%)=(σ/R)×100〕の式によって求めた不均一性により評価した。
不均一性の値が小さいほど、ウェハ面内で銅膜が均一に研磨されており研磨均一性が優れていることを示す。
(1)熱可塑性ポリウレタンの製造
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール[略号:PTMG]、数平均分子量2000のポリ(2−メチル−1,8−オクタメチレン−co−ノナメチレン アジペート)ジオール[略号:PNOA;ノナメチレン単位と2−メチル−1,8−オクタメチレン単位とのモル比=7対3]、1,4−シクロヘキサンジメタノール[略号:CHDM]、1,4−ブタンジオール[略号:BD]、および、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG:PNOA:CHDM:BD:MDIの質量比が24.5:10.5:5.0:12.5:47.5となるような割合で用いて、定量ポンプにより、同軸で回転する2軸押出機に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。
生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物を、ストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断してペレットを得た。このペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、熱可塑性ポリウレタンを製造した。
上記で得られた熱可塑性ポリウレタンを単軸押出成形機に仕込み、T−ダイより押出し、厚さ2.0mmのシートを成形した後、得られたシートの表面を研削して厚さ1.3mmの均一なシートとした。JIS K 7311に準じて、測定温度25℃の条件で測定したD硬度は63であった。
次いで、このシートを直径81cmの円形状に切り抜き、その一方の表面に溝幅0.6mm、溝深さ0.8mm、ランド幅が5.5mmの同心円状の溝(断面形状は長方形)を、切削加工することにより形成した。
次に、同心円溝を形成した表面(研磨側表面)とは反対側の面に、厚さ1.2mmの発泡ポリウレタンシート(A硬度46)を粘着テープにより貼り合わせて積層構造の研磨パッドを作製した。
同心円状の溝のランド幅を6.3mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.4mm、ランド幅を5.2mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.4mm、溝深さを0.8mm、ランド幅を6.4mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.35mm、ランド幅を5.4mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.3mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.5mm、ランド幅を6.0mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.1mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を1.0mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.5mm、ランド幅を7.5mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
同心円状の溝の溝幅を0.5mm、ランド幅を1.5mmとした以外は実施例1と同様にして積層構造の研磨パッドを作製し、研磨性能を評価した。
Claims (4)
- ランド幅(x)が5.0〜7.0(mm)であり、かつ溝幅(y)が0.25〜0.75(mm)である同心円溝のみからなり、無発泡構造である、金属膜研磨用パッド。
- ランド幅(x)が5.1〜6.8(mm)であり、かつ溝幅(y)が0.29〜0.71(mm)である、請求項1に記載の金属膜研磨用パッド。
- 熱可塑性ポリウレタンからなる、請求項1または2に記載の金属膜研磨用パッド。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の金属膜研磨用パッドを用いた金属膜の研磨方法において、前記金属膜研磨用パッドを貼付した定盤の回転数が50〜120(rpm)である、金属膜の研磨方法。
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