JP5997825B1 - 焼成チョコレート及び焼成チョコレートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】洋菓子のクレームブリュレのように、表面が程よく焦げた外観であり、表層がカリッとしていて、内部が軟らかく滑らかな食感であり、カラメル化した香ばしい風味を味わうことができる焼成チョコレート、及びその製造方法の提供。【解決手段】二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層と、二糖以下の糖の含有量が前記第1チョコレート層よりも少ない第2チョコレート層とを、前記第1チョコレート層が前記第2チョコレート層よりも薄い厚さで前記焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合し、焼成することにより、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させる焼成チョコレートの製造方法及び焼成チョコレート。焦げ目は、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の40%以上の面積に発生している焼成チョコレート。【選択図】なし

Description

本発明は、焼成チョコレート及び焼成チョコレートの製造方法に関する。
洋菓子のクレームブリュレは、フランス語で焦げたクリームを意味し、カスタードクリームの表層を焦がして、そのカラメル層で覆われた独特の外観を有すると共に、表層のカリっとした食感と、内部の軟らかく滑らかなクリームの食感、カラメル化した香ばしい風味などを楽しむことができるデザート菓子である。
一方、例えば、下記特許文献1には、チョコレート成形品の表面に、含水マルトース、含水トレハロース又はグルコースなどからなる粉糖をまぶしてから焼成を行うことで、焼成されたチョコレート表面に粉糖が溶融した被膜が形成されて、チョコレート内部は軟らかく滑らかな食感を保ち、外観が透明でパリッとした食感の焼成チョコレートが得られることが記載されている(特許文献1の段落0033)。
また、例えば、下記特許文献2には、チョコレートの生地にトレハロース及び/又はマルトースを含有せしめ、これを焼成することで、内部ではチョコレート本来の風味や滑らかさが維持され、表面にパリパリ感があり快い歯触りを有する焼成チョコレートが得られることが記載されている。
特開2008−206458号公報 特開2010−207197号公報
本発明者らは、洋菓子のクレームブリュレに似た独特の食感と外観を呈する菓子製品を、焼成チョコレートによって実現できないか試みた。
しかしながら、上記特許文献1,2に記載されているような焼成チョコレートでは、表面に糖成分のガラス化した透明な皮膜が形成されるだけであり、焦げた外観を呈するものではなく、カラメル化した香ばしい風味も十分に付与されなかった。また、従来の手法において焼成の程度を調節しても、特定の箇所だけが焦げてしまい、程よい外観や食感、カラメル化した香ばしい風味を付与することができなかった。
本発明の目的は、洋菓子のクレームブリュレのように、表面が程よく焦げた外観であり、表層がカリッとしていて、内部が軟らかく滑らかな食感であり、カラメル化した香ばしい風味を味わうことができる焼成チョコレート、及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の焼成チョコレートは、二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層と、二糖以下の糖の含有量が前記第1チョコレート層よりも少ない第2チョコレート層とが接合された焼成チョコレートであって、前記第1チョコレート層は前記第2チョコレート層よりも薄い厚さで前記焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合されており、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域には、その中央部から周縁部に亘って焦げ目が発生していることを特徴とする。
本発明の焼成チョコレートによれば、第1チョコレート層が第2チョコレート層よりも薄い厚さで焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合されているので、焼成の際には、その第1チョコレート層が第2チョコレート層によって裏打ちされ、支持されて、形状を保ちつつ、十分に焼成される。そして、二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層で覆われた所定領域には、その中央部から周縁部に亘って焦げ目が発生しているので、カリッとした食感と共に、カラメル化した香ばしい風味が付与される。
本発明の焼成チョコレートにおいては、前記焦げ目は、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の40%以上の面積に発生していることが好ましい。これによれば、カリッとした食感及びカラメル化した香ばしい風味を、焼成チョコレートの外周面のより広い領域に付与することができる。
また、前記第1チョコレート層は、前記第2チョコレート層よりも、20℃における固体脂含量が多くなっていることが好ましい。これによれば、第1チョコレート層においてカリッとした食感にさせ易くすることができると共に、第2チョコレート層に柔らかさを付与し易くすることができる。
また、前記焦げ目が発生した所定領域の前記中央部が前記周縁部に比して盛り上がった形状をなしていることが好ましい。これによれば、焦げ目を偏りなく発生させ易くすることができる。
また、前記焦げ目が発生した所定領域の前記周縁部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さが前記中央部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さに比して厚くされていることが好ましい。これによれば、焦げ目を偏りなく発生させ易くすることができる。
また、前記第2チョコレート層は気泡を含有し、前記第1チョコレート層は気泡を含有しないか、前記第2チョコレート層よりも気泡含有量が少ないことが好ましい。これによれば、第2チョコレート層には、気泡含有により焼成時の保形性が得られ易いと共に、軽い食感を付与し易くすることができる。また、第1チョコレート層には、気泡含有量を少なくしてカリッとした食感にさせ易くすることができる。
一方、本発明の焼成チョコレートの製造方法は、二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層と、二糖以下の糖の含有量が前記第1チョコレート層よりも少ない第2チョコレート層とを、前記第1チョコレート層が前記第2チョコレート層よりも薄い厚さで前記焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合し、焼成することにより、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させることを特徴とする。
本発明の焼成チョコレートの製造方法によれば、第1チョコレート層を第2チョコレート層よりも薄い厚さで焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合するので、焼成する際には、その第1チョコレート層が第2チョコレート層によって裏打ちされ、支持されて、形状を保ちつつ、十分に焼成される。そして、二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層で覆われた所定領域を焼成することにより、その所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させることができる。これにより、カリッとした食感と共に、カラメル化した香ばしい風味を付与することができる。
本発明の焼成チョコレートの製造方法においては、前記焦げ目を、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の40%以上の面積に発生させるように焼成することが好ましい。これによれば、カリッとした食感及びカラメル化した香ばしい風味を、焼成チョコレートの外周面のより広い領域に付与することができる。
また、前記第1チョコレート層は、前記第2チョコレート層よりも、20℃における固体脂含量が多くなっていることが好ましい。これによれば、第1チョコレート層においてカリッとした食感にし易くすることができると共に、第2チョコレート層に柔らかさを付与し易くすることができる。
また、前記焦げ目を発生させた所定領域の前記中央部が前記周縁部に比して盛り上がった形状をなしていることが好ましい。これによれば、焦げ目を偏りなく発生させ易くすることができる。
また、前記焦げ目を発生させた所定領域の前記周縁部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さが前記中央部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さに比して厚くされていることが好ましい。これによれば、焦げ目を偏りなく発生させ易くすることができる。
また、前記第2チョコレート層は気泡を含有し、前記第1チョコレート層は気泡を含有しないか、前記第2チョコレート層よりも気泡含有量が少ないことが好ましい。これによれば、第2チョコレート層には、気泡含有により焼成時の保形性が得られ易いと共に、軽い食感を付与し易くすることができる。また、第1チョコレート層には、気泡含有量を少なくしてカリッとした食感にさせ易くすることができる。
本発明によれば、洋菓子のクレームブリュレのように、表面が程よく焦げた外観であり、表層がカリッとしていて、内部が軟らかく滑らかな食感であり、カラメル化した香ばしい風味を味わうことができる焼成チョコレート、及びその製造方法を提供することができる。
試験例1における調製例1〜7の焼成チョコレートに関し、焼成前の成形物の断面形状を示す図であり、それぞれ図1aは調製例1に関し、図1bは調製例2に関し、図1cは調製例3に関し、図1dは調製例4に関し、図1eは調製例5に関し、図1fは調製例6に関し、図1gは調製例7に関する。 試験例1における調製例7と同様にして調製した焼成チョコレートの一例を斜め上方から見たときの斜視図である。 試験例3において、焼成チョコレートの上面部を写真にとり、そのイメージデータを画像処理ソフトで解析し、焦げ目の面積率を求めた結果を示す図表である。
本明細書において「チョコレート」は、規約や法規上の規定によって限定されるものではなく、カカオマス、ココア、ココアバター、ココアバター代用脂等を使用した油脂加工食品全般を意味するものとする。例えば、純チョコレート、チョコレート、準チョコレート、純ミルクチョコレート、ミルクチョコレート、準ミルクチョコレートなどが挙げられ、カカオマスやココアパウダーを含まないホワイトチョコレートも包含するものである。
チョコレートは、通常のチョコレートの製造方法に従って、カカオマス及び/又はココア、糖類、粉乳、乳化剤、ココアバター及び/又は油脂類、香料、着色料等を原料として、製造することができる。すなわち、常法に従って原料をミキシングし、リファイニングを行った後、コンチングを行うことで製造することができる。また、必要に応じて、コンチング工程後、加熱、冷却、加圧、減圧しながら激しく撹拌する、いわゆるホイップ処理を施して、気泡を含有させてもよい。撹拌は、例えば、ミキサー、含気ミキサー装置等を用いて行うことができる。
なお、チョコレートには、本発明が奏する作用効果を損なわない範囲で、例えばナッツ類の粉砕物、果汁パウダー、果物凍結乾燥チップ、コーヒーチップ、キャラメル、抹茶、カカオニブ、膨化型スナック食品、ビスケットチップ、キャンディーチップ、チョコレートチップ、ドライフルーツ、マシュマロなどの具材を含有させてもよい。
本発明の焼成チョコレートにおいては、二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層と、二糖以下の糖の含有量が第1チョコレート層よりも少ない第2チョコレート層とが接合されている。接合の態様としては、第1チョコレート層と第2チョコレート層が2層状に接合されていたり、更に他のチョコレート層と3層状に接合されていたり、更にそれ以上の多層状に接合されていたり、第1チョコレート層が、例えば、およそ棒状に成形された第2チョコレート層の一部又は全部を囲むように接合されていたり、第1チョコレート層が、例えば、およそ球状ないし直方体状に成形された第2チョコレート層の一部又は全部を覆うように接合されていたりしてもよく、また、その第1チョコレート層や第2チョコレート層には、更に他の素材による層や内包物等を備えていてもよく、そのようないずれの態様をも採用し得るが、第1チョコレート層が第2チョコレート層よりも薄い厚さで焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合されている必要がある。
ここで後述するように、本発明では、焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域に、少なくともその所定領域の範囲において、偏りなく焦げ目が発生している。そして、その焦げ目が発生している部分が第1チョコレート層で構成されている。よって、「第1チョコレート層が第2チョコレート層よりも薄い厚さで焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆う」とは、焦げ目が発生している第1チョコレート層の表面から垂直方向に垂線を引いたときに第1チョコレート層を貫くまでの厚さ(長さ)が、その垂線が延出して第2チョコレート層を貫くまでの厚さ(長さ)より薄い(短い)ことをいう。このような構成を採用したことにより、第1チョコレート層の表面に偏りなく焦げ目を発生させることができる。これに対して、上記第1のチョコレートを単層の状態で焼成したり、上記第1チョコレート層が上記第2チョコレート層と同じか、あるいはより厚い厚さのものを焼成したりしても、局所的に焦げが発生するだけであり、その第1チョコレート層の表面に偏りなく焦げ目を発生させることが困難である。
本明細書において「二糖以下の糖」は、通常当業者に理解されるように、炭素数が3〜12の単糖類もしくは二糖類の意味であり、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類や、スクロース、トレハロース、マルトース、ラクトース等の二糖類などが挙げられる。これらは、2種以上のものがチョコレート原料に配合された場合や、無水あるいは含水の結晶の形態のものがチョコレート原料に配合された場合も含み、それらの合計の含有量として、第2チョコレート層における含有量が第1チョコレート層における含有量よりも少なくなるようにする。より具体的には、第1チョコレート層の二糖以下の糖の含有量は30〜60質量%であることが好ましく、40〜50質量%であることがより好ましい。また、第2チョコレート層の二糖以下の糖の含有量は第1チョコレート層の二糖以下の糖の含有量より5質量%以上少ないことが好ましく、10質量%以上少ないことがより好ましい。これによれば、第1チョコレート層による焦げ目を発生し易くすることができると共に、第2チョコレート層による甘味を調整し易くすることができる。
本発明の好ましい態様においては、第2チョコレート層には香料及び/又は呈味料を含有することが好ましい。より具体的には、第2チョコレート層にはバニラ、カスタード等の香料及び/又は呈味料を含有することがより好ましい。これによれば、第1チョコレート層がカラメル化した香ばしい風味とのバランスが良い。
本発明の好ましい態様においては、第1チョコレート層は、第2チョコレート層よりも、20℃における固体脂含量(SFC)が多くなっていることが好ましい。より具体的には、第1チョコレート層の20℃における固体脂含量(SFC)が20〜60%であることが好ましく、30〜50%であることがより好ましい。また、第2チョコレート層の20℃における固体脂含量(SFC)が第1チョコレート層の20℃における固体脂含量(SFC)より5%以上少ないことが好ましく、10%以上少ないことがより好ましい。これによれば、第1チョコレート層において、カリッとした食感にし易くすることができると共に、第2チョコレート層に柔らかさを付与し易くすることができる。チョコレートの固体脂含量(SFC)は、例えば油脂原料を選択することで油脂組成を変更することなどによって調整することができる。固体脂含量(SFC)の測定は、例えば、核磁気共鳴(NMR)など、当業者に周知の測定方法により行うことができる。
本発明の好ましい態様においては、第2チョコレート層は気泡を含有し、第1チョコレート層は気泡を含有しないか、第2チョコレート層よりも気泡含有量が少ないことが好ましい。より具体的には第2チョコレート層は気泡を含有し、比重の値が1.1〜0.6であることが好ましく、比重の値が1.0〜0.7であることがより好ましい。また、第1チョコレート層は気泡を含有しないか、あるいは第1チョコレート層の比重の値が第2チョコレート層の比重の値より0.1以上大きいことが好ましく、0.2以上大きいことがより好ましい。これによれば、第2チョコレート層には、気泡含有により焼成時の保形性が得られ易いと共に、軽い食感を付与し易くすることができる。また、第1チョコレート層には、気泡含有量を少なくしてカリッとした食感にさせ易くすることができる。チョコレートの気泡含有量は、例えばチョコレート生地への含気処理の条件を変更することなどによって調整することができる。なお、チョコレート中の気泡の含有量は、チョコレートの比重の値によく相関している(気泡含有量の値が大きいと比重の値が小さいという関係)。また、焼成前後でその相関関係の変化はわずかであり、焼成後の比重の値も、焼成前と同様にして、焼成後のチョコレートの気泡含有量によく相関している。比重は、例えば、流動性を有する状態のチョコレートを200ml容のカップにすり切り入れてその質量を測定する方法などで測定することができる。また、断面の顕微鏡写真を画像解析する方法などでも測定することができる。具体的には、例えば、固化して流動性を有しない状態のチョコレートを切断し、断面の顕微鏡写真を画像解析に付して、断面積に対して気泡が占める面積の割合を、偏りなく計測することで、比重を求めることができる。
本発明の焼成チョコレートにおいては、第1チョコレート層が、焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように、第2チョコレート層と接合されており、その所定領域には、その中央部から周縁部に亘って焦げ目が発生している。すなわち、焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域に、少なくともその所定領域の範囲において、偏りなく焦げ目が発生している。
ここで「所定領域には、その中央部から周縁部に亘って焦げ目が発生している」かどうかや、あるいは「少なくともその所定領域の範囲において、偏りなく焦げ目が発生している」かどうかは、当業者における通常の基準に則って、官能評価などにより判断すればよい。例えば、上記所定領域の40%以上の面積に焦げ目が発生しているかどうかを判断基準とすることが好ましく、上記所定領域の60%以上の面積に焦げ目が発生しているかどうかを判断基準とすることがより好ましい。
焦げ目の面積は、所定人数を要したパネラー試験などによる官能評価によって判定してもよく、より客観的には、写真等のイメージデータを画像処理ソフトで解析することなどによって行うことができる。例えば、得られた焼成チョコレートの上面部を写真にとり、そのイメージデータを画像処理ソフト等で解析し、明度等を基準にして、焦げ目部分と、そうでない部分を色分けし(2値化し)、面積率を計算することなどによって行うことができる。更により具体的には、イメージデータの1ピクセル上での明度等の値を高い方から並べて個数%にして好ましくは0〜10%の位置にあるピクセルの明度(明らかに焦げていない部分の明度)の値を基準とし、その基準の値に比べて値が好ましくは10〜30%以上減少した部分を焦げ目として面積率を計算する、などによって行うことができる。例えば、明らかに焦げていない部分の明度の値が180である場合、明度の値が144よりも低い部分を焦げ目として面積率を計算することができる。また、ホワイトチョコレート等の白色を基調にした色調のチョコレートに比べ、黒・褐色系のチョコレートの場合は、基準の値に比べて好ましくは30〜50%以上減少した部分を焦げ目としたりしてもよい。なお、焦げている部分と焦げていない部分との基準は、明度に代えて、あるいは明度と共に彩度などであってもよい。
本発明の好ましい態様においては、第1チョコレート層及び/又は第2チョコレート層がホワイトチョコレート等の白色を基調にした色調のチョコレートからなるものであることが好ましい。これによれば、焦げ目によって、より斬新性のある外観が付与される。
本発明の焼成チョコレートの大きさは、適宜設定すればよいが、焼成前の成形物の状態での形状に換算して、その最小径あるいは短辺の長さが0.5〜5.0cmとなるようにすることが好ましく、1.0〜2.5cmとなるようにすることがより好ましい。大きさが上記範囲未満であると成形し難くなる傾向があるので好ましくない。また、大きさが上記範囲を超えると自重による保形性の低下を免れない傾向があるので好ましくない。
また、第1チョコレート層と第2チョコレート層との質量比が、焼成前の成形物の状態での質量に換算して、3:97〜40:60であることが好ましく、5:95〜20:80であることがより好ましい。第1チョコレート層の質量比が第2チョコレート層に対して大きすぎると、第1チョコレート層を第2チョコレート層よりも薄い厚さで焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合することが困難となり、それにより焦げ目を偏りなく発生させることが困難となる傾向があるので、好ましくない。また、第1チョコレート層の質量比が第2チョコレート層に対して小さすぎると、焦げ目が付される領域が小さくなり、それにより、カリッとした食感やカラメル化した香ばしい風味が乏しくなる傾向があるので、好ましくない。
以下、本発明の焼成チョコレートの製造方法について、更により詳細に説明する。
本発明の焼成チョコレートの製造方法においては、上記第1チョコレート層と上記第2チョコレート層とを、第1チョコレート層が第2チョコレート層よりも薄い厚さで外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合する。その接合の方法に特に制限はない。例えば、モールド成形により、モールド(型)内に、上記第1チョコレート層を構成するチョコレートによってシェル、上記第2チョコレート層を構成するチョコレートによってセンター、更に必要に応じて上記第1チョコレート層を構成するチョコレートによってボトムを、順次作製する方法、押出成形により、押出成形装置のノズルから、その上側ノズルからは上記第1チョコレート層を構成するチョコレートを、その下側ノズルからは上記第2チョコレート層を構成するチョコレートを、それぞれ押し出し、所定形状になるように切断する方法、被覆成形により、所定形状にした上記第1チョコレート層を構成するチョコレートをエンロバーなどを用いて上記第2チョコレート層を構成するチョコレートでコーティングする方法、ワンショットデポジターを用いて、外側ノズルから上記第2チョコレート層を構成するチョコレートの押出しを開始した後、内側ノズルから上記第1チョコレート層を構成するチョコレートの押出しを行い、内側ノズルからの押出しを終了した後、更に必要に応じて外側ノズルからの押出しを終了させる方法などを採用することができる。このうち特に押出成形装置による製造が好ましい。これによれば、効率的に製造することができ、生産コストを抑えることができる。
本発明においては、上記のようにするなどして、上記第1チョコレート層と上記第2チョコレート層とを、第1チョコレート層が第2チョコレート層よりも薄い厚さで外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆うように接合した後、第1チョコレート層で覆われた所定領域を焼成することにより、第1チョコレート層で覆われた所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させる。すなはち、上記第1チョコレート層によって構成される、焦げ目を発生させようとする表面に対し、適当な焼成の処理を施すことにより、少なくともその第1チョコレート層の表面に偏りなく焦げ目を発生させることができると共に、他の部分を焼成し過ぎてチョコレートの保形性が損なわれてダレてしまったり、食感や風味が劣化してしまったりすることがない。焼成は、オーブン、シュバンクバーナー、ガスバーナー、電気ヒーター、電子レンジなどを用いて行うことができる。焼成条件は、用いる装置の能力、特性に応じ、適宜調整すればよい。例えば、オーブンの場合には、第1チョコレート層の、焦げ目を発生さようとする表面に対し、好ましくは150〜400℃で30〜600秒間の焼成条件で、より好ましくは200〜300℃で200〜400秒間の焼成条件で焼成するなどが典型的な焼成条件として挙げられるが、これに限らない。焼成後には、送風等による強制冷却を行うことにより、除熱してもよい。
本発明の好ましい態様においては、焼成チョコレートの外周面における、上記所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させた、その所定領域の中央部が、その所定領域の周縁部に比して盛り上がった形状をなしていることが好ましい。これによれば、第1チョコレート層によって構成される、焦げ目を発生させようとする表面に対し、上記のように適当な焼成の処理を施すなどして、より偏りなく焦げ目を発生させることができる。なお、このような形状は、上記第1チョコレート層における、上記所定領域の中央部に相当する部分が、その所定領域の周縁部に相当する部分に比して盛り上がった形状をなしていることによっても、あるいは、上記第2チョコレート層における、上記所定領域の中央部に相当する部分が、その所定領域の周縁部に相当する部分に比して盛り上がった形状をなしていることによっても、実現し得るが、本発明においては、後者であることがより好ましく、なお且つ、更に焼成チョコレートの外周面における、上記所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させた、その所定領域の周縁部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さが、その所定領域の中央部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さに比して厚くされていることが、更により好ましい。その所定領域の中央部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さは、例えば全体の厚さが10mmである場合、2.5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。また、その所定領域の周縁部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さが、その所定領域の中央部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さに比べ0.01〜0.2mm厚いことが好ましく、0.05〜0.1mm厚いことがより好ましい。
本発明の好ましい態様においては、焼成チョコレートの外周面における、上記所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させた、その所定領域の周縁部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さが、その所定領域の中央部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さに比して厚くされていることが好ましい。これによれば、第1チョコレート層によって構成される、焦げ目を発生させようとする表面に対し、上記のように適当な焼成の処理を施すなどして、より偏りなく焦げ目を発生させることができる。その所定領域の中央部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さは、例えば全体の厚さが10mmである場合、5mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることがより好ましい。また、その所定領域の周縁部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さが、その所定領域の中央部に相当する第1チョコレート層の部分の厚さに比べ0.01〜0.2mm厚いことが好ましく、0.05〜0.1mm厚いことがより好ましい。なお、このような形状は、上記第2チョコレート層における、上記所定領域の中央部に相当する部分が、その所定領域の周縁部に相当する部分に比して盛り上がった形状をなしていることによっても、実現し得ることは、前述したとおりである。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[調製例1]
下記表1に示す原料の配合にて、常法に従い、混合、リファイニング、コンチングの処理を行って、ホワイトチョコレートからなるチョコレート生地を調製した。このチョコレート生地の20℃での固体脂含量(SFC)の値は40%であった。以下、この生地を上部チョコレート生地として使用した。
下記表2に示す原料の配合にて、常法に従い、混合、リファイニング、コンチングの処理を行って、ホワイトチョコレートからなるチョコレート生地を調製した。このチョコレート生地の20℃での固体脂含量(SFC)の値は25%であった。次いで、このチョコレート生地を、加圧式のミキサーにて2気圧下で所定時間撹拌し、比重が0.9となるように含気した。以下、この生地を下部チョコレート生地として使用した。
それぞれ所定の形状に成型した下部チョコレートに上部チョコレートを積重することで、上部チョコレート生地の層の厚さがおよそ5.0mm、下部チョコレート生地の層の厚さがおよそ5.0mm、全体としておよそ25.0mm(長さ)×15.0mm(幅)×10.0mm(高さ)の形状になるように成形した。なお、図1aには、得られた成形物の断面形状を示す。すなわち、上部チョコレート生地からなる上層1が、下部チョコレート生地からなる下層2に、上記に説明した所定の形状になるように積重している状態が示されている。
上記成形物をトンネル型オーブンに通して焼成雰囲気温度220℃、焼成時間300秒の条件で焼成し、調製例1の焼成チョコレートを得た。
[調製例2]
上部チョコレート生地の層の厚さがおよそ2.5mm、下部チョコレート生地の層の厚さがおよそ7.5mm、全体としておよそ25.0mm(長さ)×15.0mm(幅)×10.0mm(高さ)の形状になるように成形した以外は、調製例1の焼成チョコレートと同様にして、調製例2の焼成チョコレートを得た。なお、図1bには、焼成前の成形物の断面形状を示す。すなわち、上部チョコレート生地からなる上層1が、下部チョコレート生地からなる下層2に、上記に説明した所定の形状になるように積重している状態が示されている。
[調製例3]
上部チョコレート生地の層の厚さがおよそ2.0mm、下部チョコレート生地の層の厚さがおよそ8.0mm、全体としておよそ25.0mm(長さ)×15.0mm(幅)×10.0mm(高さ)の形状になるように成形した以外は、調製例1の焼成チョコレートと同様にして、調製例3の焼成チョコレートを得た。なお、図1cには、焼成前の成形物の断面形状を示す。すなわち、上部チョコレート生地からなる上層1が、下部チョコレート生地からなる下層2に、上記に説明した所定の形状になるように積重している状態が示されている。
[調製例4]
上部チョコレート生地の層の厚さがおよそ1.2mm、下部チョコレート生地の層の厚さがおよそ8.8mm、全体としておよそ25.0mm(長さ)×15.0mm(幅)×10.0mm(高さ)の形状になるように成形した以外は、調製例1の焼成チョコレートと同様にして、調製例4の焼成チョコレートを得た。なお、図1dには、焼成前の成形物の断面形状を示す。すなわち、上部チョコレート生地からなる上層1が、下部チョコレート生地からなる下層2に、上記に説明した所定の形状になるように積重している状態が示されている。
[調製例5]
上部チョコレート生地の層の厚さがおよそ0.6mm、下部チョコレート生地の層の厚さがおよそ9.4mm、全体としておよそ25.0mm(長さ)×15.0mm(幅)×10.0mm(高さ)の形状になるように成形した以外は、調製例1の焼成チョコレートと同様にして、調製例5の焼成チョコレートを得た。なお、図1eには、焼成前の成形物の断面形状を示す。すなわち、上部チョコレート生地からなる上層1が、下部チョコレート生地からなる下層2に、上記に説明した所定の形状になるように積重している状態が示されている。
[調製例6]
上部チョコレート生地の層の厚さがおよそ1.2mm、下部チョコレート生地の層の厚さがおよそ8.8mm、全体としておよそ25.0mm(長さ)×15.0mm(幅)×10.0mm(高さ)の形状になるように成形し、更に上部チョコレートの長さ方向の中心部を削ることで、上部チョコレート生地の層の長さ方向の側縁部(上面2辺の周縁部)におよそ8mm幅を残して、その中央部分が凹んだ形状であって、その凹んだ部分の上部チョコレート生地の層の厚さがおよそ1.1mmになるように成形した以外は、調製例1の焼成チョコレートと同様にして、調製例6の焼成チョコレートを得た。なお、図1fには、焼成前の成形物の断面形状を示す。すなわち、上部チョコレート生地からなる上層1が、下部チョコレート生地からなる下層2に、上記に説明した所定の形状になるように積重している状態が示されている。
[調製例7]
以下のようにして成形物を成形した以外は、調製例1の焼成チョコレートと同様にして、調製例7の焼成チョコレートを得た。
すなわち、押出成形装置を用いて、装置のノズル部分の上側からは、上部チョコレート生地を幅がおよそ15.0mm、厚さがおよそ1.2mmのシート状に押し出し、装置のノズル部分の下側からは、下部チョコレート生地を、その上面の幅方向の中央部が盛り上がった、上面がドーム形状をした棒状(幅がおよそ15.0mm、幅方向の中央部の厚さがおよそ8.9mm、長さ方向の側縁部に沿った厚さがおよそ6.7mm)に押し出し、それぞれの生地がコンベア上に共に押し出されるようにして、上部チョコレート生地の層(上層)の、幅方向の中央部の厚さがおよそ1.1mm、長さ方向の側縁部に沿った厚さがおよそ1.3mm、下部チョコレート生地の層(上層)の、幅方向の中央部の厚さがおよそ8.9mm、長さ方向の側縁部に沿った厚さがおよそ6.7mm、全体として、幅がおよそ15.0mm、幅方向の中央部の高さがおよそ10.0mm、長さ方向の側縁部に沿った高さがおよそ8.0mmの、その上面の幅方向の中央部が盛り上がった、上面がドーム形状をした棒状となるように成形した。また、成形物がコンベアに載って移動する経路の途中に冷却トンネル型のクーラーを配して、そのクーラーでコンベアに載って移送される成形物を冷却雰囲気温度10℃、冷却時間12分の条件で冷却し、冷却後の成形物をカッターにより所定長さで切断することで、長さがおよそ25.0mm、幅がおよそ15.0mm、幅方向の中央部の高さがおよそ10.0mm、長さ方向の側縁部に沿った高さがおよそ8.0mmの、その上面の幅方向の中央部が盛り上がった、上面がドーム形状をした成形物を得た。
なお、図1gには、得られた成形物の断面形状を示す。すなわち、上部チョコレート生地からなる上層1が、下部チョコレート生地からなる下層2に、上記に説明した所定の形状になるように積重している状態が示されている。
上記成形物をトンネル型オーブンに通して焼成雰囲気温度220℃、焼成時間300秒の条件で焼成し、調製例7の焼成チョコレートを得た。
<試験例1>
調製例1〜7の焼成チョコレートについて、食感及び外観の官能評価を行った。その結果を下記表3にまとめて示す。
その結果、上層の厚さが下層の厚さと同じ調製例1の焼成チョコレートでは、局所的に焦げが発生してしまい、結果は不良であった。
これに対して、上層の厚さが下層の厚さより薄い調製例2〜5の焼成チョコレートでは、上層の厚さが下層の厚さに比べて薄くなるのにつれて、良好な結果が得られた。また、上層の、焦げ目を付けようとする所定領域の中央部分の厚さを側縁部分の厚さよりも薄くすると、更により良好な結果が得られた(調製例6、7)。なお、図2には、調製例7と同様にして調製した焼成チョコレートの一例を斜め上方から見たときの斜視図を示す。
[調製例8]
下記表3に示す原料の配合にて、常法に従い、混合、リファイニング、コンチングの処理を行って、黒褐色のミルクチョコレートからなるチョコレート生地を調製した。この上部チョコレート生地の20℃での固体脂含量(SFC)の値は40%であった。以下、この生地を上部チョコレート生地として使用した。
下記表5に示す原料の配合にて、常法に従い、混合、リファイニング、コンチングの処理を行って、黒褐色のミルクチョコレートからなるチョコレート生地を調製した。このチョコレート生地の20℃での固体脂含量(SFC)の値は25%であった。次いで、このチョコレート生地を、加圧式のミキサーにて2気圧下で所定時間撹拌し、比重が0.9となるように含気した。以下、この生地を下部チョコレート生地として使用した。
押出成形装置を用いて、装置のノズル部分の上側からは、上部チョコレート生地を幅がおよそ15.0mm、厚さがおよそ1.2mmのシート状に押し出し、装置のノズル部分の下側からは、下部チョコレート生地を、その上面の幅方向の中央部が盛り上がった、上面がドーム形状をした棒状(幅がおよそ15.0mm、幅方向の中央部の厚さがおよそ8.9mm、長さ方向の側縁部に沿った厚さがおよそ6.7mm)に押し出し、それぞれの生地がコンベア上に共に押し出されるようにして、上部チョコレート生地の層(上層)の、幅方向の中央部の厚さがおよそ1.1mm、長さ方向の側縁部に沿った厚さがおよそ1.3mm、下部チョコレート生地の層(上層)の、幅方向の中央部の厚さがおよそ8.9mm、長さ方向の側縁部に沿った厚さがおよそ6.7mm、全体として、幅がおよそ15.0mm、幅方向の中央部の高さがおよそ10.0mm、長さ方向の側縁部に沿った高さがおよそ8.0mmの、その上面の幅方向の中央部が盛り上がった、上面がドーム形状をした棒状となるように成形した。また、成形物がコンベアに載って移動する経路の途中に冷却トンネル型のクーラーを配して、そのクーラーでコンベアに載って移送される成形物を冷却雰囲気温度10℃、冷却時間12分の条件で冷却し、冷却後の成形物をカッターにより所定長さで切断することで、長さがおよそ25.0mm、幅がおよそ15.0mm、幅方向の中央部の高さがおよそ10.0mm、長さ方向の側縁部に沿った高さがおよそ8.0mmの、その上面の幅方向の中央部が盛り上がった、上面がドーム形状をした成形物を得た。
上記成形物をトンネル型オーブンに通して焼成雰囲気温度350℃、焼成時間30秒の条件で焼成し、調製例8の焼成チョコレートを得た。
<試験例2>
調製例8の焼成チョコレートについて、食感及び外観の官能評価を行った。その結果、黒褐色のミルクチョコレートからなる試験例8の焼成チョコレートは、見た目にも焦げ目が判別でき、偏りなく上層に焦げ目が付いていた。また、上層は全体的にカリッとした食感であり、下層は軟らかく良好な食感であった。
<試験例3>
調製例7の焼成条件を、焦げ目の面積率が見た目におよそ0、20、40、60、80%となるように調整した以外は、調製例7の焼成チョコレートと同様にして、焼成チョコレートを調製した。なお、同程度の焼成条件について8サンプルずつ、合計40個の焼成チョコレートを調製した。
得られた焼成チョコレートの上面部を写真にとり、そのイメージデータを画像処理ソフト「ImageJ」(フリーソフト)で解析し、焦げ目の面積率を求めた。解析においては、イメージデータの明度を基準にして、焦げ目部分と、そうでない部分とに色分けし(2値化し)、面積率を計算した。より具体的には、1ピクセル上での明度の値が高い方から並べて個数%にして5%の位置にあるピクセルの明度(明らかに焦げていない部分の明度)の値を基準とし、その基準の値に比べて明度の値が20%以上減少した部分を焦げ目として面積率を計算した。
図3に示すように、焼成チョコレートの上面部に発生させた焦げ目について、画像処理ソフトを用いた解析により、見た目の印象とよく合致した面積率の測定結果を得ることができた。
<試験例4>
調製例8の焼成条件を、焦げ目の面積率が見た目におよそ20、40%となるように調整した以外は、調製例8の焼成チョコレートと同様にして、焼成チョコレートを調製した。
得られた焼成チョコレートの上面部を写真にとり、そのイメージデータを画像処理ソフト「ImageJ」(フリーソフト)で解析し、焦げ目の面積率を求めた。解析においては、イメージデータの明度を基準にして、焦げ目部分とそうでない部分とに色分けし(2値化し)、面積率を計算した。より具体的には、1ピクセル上での明度の値を高い方から並べて個数%にして10%の位置にあるピクセルの明度(明らかに焦げていない部分の明度)の値を基準とし、その基準の値に比べて明度の値が40%以上減少した部分を焦げ目として面積率を計算した。
その結果、測定により求められた面積率はそれぞれ19%、41%であり、黒褐色のミルクチョコレートからなるチョコレートの場合でも、焼成チョコレートの上面部に発生させた焦げ目について、画像処理ソフトを用いた解析により、見た目の印象とよく合致した面積率の測定結果を得ることができた。
1 上層
2 下層

Claims (8)

  1. 二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層と、二糖以下の糖の含有量が前記第1チョコレート層よりも少ない第2チョコレート層とが接合された焼成チョコレートであって、前記第2チョコレート層は気泡を含有し、その比重の値が1.1〜0.6であり、前記第1チョコレート層は、その比重の値が前記第2チョコレート層の比重の値より0.1以上大きくされており、前記第1チョコレート層は前記第2チョコレート層よりも薄い厚さで前記焼成チョコレートの外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆い、該所定領域の周縁部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さが、その中央部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さに比して厚くされており、該所定領域の前記中央部が前記周縁部に比して盛り上がった形状をなしており、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域には、その中央部から周縁部に亘って焦げ目が発生していることを特徴とする焼成チョコレート。
  2. 前記焦げ目は、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の40%以上の面積に発生している請求項1記載の焼成チョコレート。
  3. 前記第1チョコレート層は、前記第2チョコレート層よりも、20℃における固体脂含量が多くなっている請求項1又は2記載の焼成チョコレート。
  4. 記第1チョコレート層は気泡を含有しない請求項1〜のいずれか1つに記載の焼成チョコレート。
  5. 二糖以下の糖を含有する第1チョコレート層と、二糖以下の糖の含有量が前記第1チョコレート層よりも少ない第2チョコレート層とが、前記第2チョコレート層は気泡を含有し、その比重の値が1.1〜0.6であり、前記第1チョコレート層は、その比重の値が前記第2チョコレート層の比重の値より0.1以上大きくされており、それらを、前記第1チョコレート層が前記第2チョコレート層よりも薄い厚さで外周面のうちの少なくとも1つの所定領域を覆い、該所定領域の周縁部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さが、その中央部に相当する前記第1チョコレート層の部分の厚さに比して厚くされ、該所定領域の前記中央部が前記周縁部に比して盛り上がった形状をなすように接合し、焼成することにより、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の中央部から周縁部に亘って焦げ目を発生させることを特徴とする焼成チョコレートの製造方法。
  6. 前記焦げ目を、前記第1チョコレート層で覆われた所定領域の40%以上の面積に発生させるように焼成する請求項記載の焼成チョコレートの製造方法。
  7. 前記第1チョコレート層は、前記第2チョコレート層よりも、20℃における固体脂含量が多くなっている請求項又は記載の焼成チョコレートの製造方法。
  8. 記第1チョコレート層は気泡を含有しない請求項のいずれか1つに記載の焼成チョコレートの製造方法。
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