JP5994988B2 - 飛翔体用tdma通信システム、飛翔体、および飛翔体用tdma方式通信方法 - Google Patents
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Description
本発明に係るTDMA無線機を搭載する飛翔体は、所定数のタイムスロットを複数のスロット群に分けると共にスロット群毎に同期用タイムスロットを設けたTDMA形式フレームに時刻を用いて同期処理し、前記TDMA形式フレームに含まれる複数の同期用タイムスロットの全てを、在域する覆域での使用周波数チャンネルを用いて検出して、個々の同期用タイムスロットからスロット群毎のシステム同期用情報をそれぞれ取得し、前記スロット群毎のシステム同期用情報に基づいて、無線接続する1ないし複数の基地局と、スーパーフレーム自体の情報および同一スーパーフレーム内の残りのタイムスロットに関する固有の情報とを特定する、と共に、複数の基地局を統括する中央局と通信する際の通信に用いる基地局を切り替えるハンドオーバ時に、前記複数の同期用タイムスロットに夫々含まれていた帰属中の覆域および移動先の覆域を構築するそれぞれの基地局から送信されたシステム同期用情報を複数ある同期用タイムスロットを用いて検出し、複数のスロット群を分けて両基地局を介する前記中央局との通信を可能にする過程を経て、ハンドオーバを完了することを特徴とする。
本発明に係る飛翔体用TDMA方式通信方法は、それぞれ所定数のタイムスロットを複数のスロット群に分け、前記スロット群のタイムスロットを異なる群のタイムスロットと隣接するように分散配置し、フレームのはじめに各スロット群の同期用タイムスロットを並べて配置したTDMAフレーム形式を、覆域を構築する複数の基地局と飛翔体とが用いて、該複数の基地局を統括する中央局と前記飛翔体とが通信する際に、前記複数の基地局から、スロット群の同期用タイムスロット全てに、システム同期用情報を送信し、前記飛翔体は、TDMA無線機の使用周波数チャンネルをスロット群毎に設定して、個々の同期用タイムスロットに含まれるシステム同期用情報を取得すると共に、前記中央局との通信に用いる基地局を切り替えるハンドオーバ時に、前記複数の同期用タイムスロットに夫々含まれていた帰属中の覆域および移動先の覆域を構築するそれぞれの基地局から送信されたシステム同期用情報を複数ある同期用タイムスロットを用いて検出し、複数のスロット群を分けて両基地局を介する前記中央局との通信を可能にする過程を経て、ハンドオーバを完了することを特徴とする。
地上には、中央局10と 中央局10と通信回線で接続されている複数の基地局群(21、22、23)が設置されている。基地局群の上空には、中央局10の通信相手となる飛翔体100が飛んでいる。
本実施形態で採用するスーパーフレームは、A0スロットから始まりC15スロットで終わる計48スロットからなり、これらのスロットは複数のスロット群(A群、B群、C群)で構成される。図において、スロット群はそれぞれ16スロットずつをA群(A0〜A15:セットA)、B群(B0〜B15:セットB)、C群(C0〜C15:セットC)とされ、異なる群のタイムスロットと隣接するように分散配置される。
図3は、スーパーフレームに対する飛翔体での受信環境を示す説明図である。
仮に、X基地局21が周波数チャンネルFxで覆域Pに在域している飛翔体100に向けて信号(電波)を送出すると、その飛翔体100では、送信された信号をΔTaの遅延を生じて識別し、スーパーフレームと実際に受信する信号とに時刻ズレが生じる。
図4では、仮に、飛翔体100が基地局21の覆域に位置しながらも、他の基地局22、23とも通信可能である場合での受信タイミングを明示的に示している。中央局10が飛翔体100との通信に、X基地局21からA群、Y基地局22からB群、Z基地局23からC群のスロットを用いてデータ通信したと仮定すると、飛翔体100では、それぞれのスロット群で、ΔTa,ΔTb,ΔTcの遅延が生ずる。この遅延は、飛翔体100と基地局(21、22、23)の位置や伝搬環境によって時々刻々と変化する。
図7は、覆域Rにおける受信環境を例示する説明図である。
覆域QおよびRにおいても、覆域Pと同様に、スロット毎には同一局からの遅延の差は極僅かとなり、異なる基地局からの信号には、遅延量に差が生じる。また、飛翔体100とNTR情報を送信する基地局との位置関係から、覆域毎に遅延量が変化している。
尚、実環境では、飛翔体と複数基地局との地形上の位置関係は色々で、飛翔体に於ける受信状況の良し悪しは、距離による減衰だけではなく周囲の環境により左右されるため、感度良好な基地局を予め予測することは困難である。
このようにすることで、基地局と無線接続する飛翔体100は、帰属中の覆域で使用する周波数チャンネル(Fx,Fy,Fzの何れか)にTDMA無線機の使用周波数チャンネルを設定し、A0,B0,C0スロットに含まれるNTR情報を取得可能となる。すなわち、飛翔体100はA0、B0、C0スロットに夫々含まれていたNTR情報を取得し、このNTR情報から、TDMA形式スーパーフレーム内のA0,B0,C0スロット以降A15,B15,C15スロットまでの周波数情報、現在のスーパーフレーム番号、データの送信或は受信用タイムスロット番号、特定データの格納スロット番号、データ先頭位置情報、必要に応じてデータ長などを取得し、送られてくるデータを正確に取得することが可能となる。
また、飛翔体100は、自機の位置情報を取得できる。
基地局及び中央局10に対する飛翔体100のフレーム同期は、GPSからの時刻情報を用いる。即ち、時刻に対して同期する。
中央局10で、それぞれの飛翔体100の送受信用タイムスロットを割当てる。送信用タイムスロットの割り当ては、同一の飛翔体100に対して、1スーパーフレーム内では、基本的に基地局毎に各群のタイムスロットを用い、異なる周波数チャンネルを用いて送信する。覆域間のハンドオーバを考えないのであれば、A0,B0,C0スロットで同期してしまえば、以降のA1スロットからC15スロットまで全てのスロットをデータ伝達のために使用する通信も可能である。
飛翔体100は、1スーパーフレーム毎に、中央局10から予めないし前スーパーフレームで指示された周波数チャンネルのスロットA0、B0、C0をスキャンし、各スロット群とのシステム同期を図る。
このとき、飛翔体100は、1スーパーフレーム中に各群を用いて行う通信では、それぞれA0,B0,C0スロットを基地局(21,22,23)が使用する周波数チャンネル(Fx,Fy,Fz)でスキャン(受信周波数チャンネルをFx,Fy,Fzの順に変更)し、NTR情報を取得する。NTR情報を取得後、NTR情報から以降のタイムスロットの周波数情報、現在のスーパーフレーム番号、データの送信或は受信用タイムスロット番号、特定データの格納スロット番号、データ先頭位置情報、必要に応じて使用データ長、等を取得し、A1,B1,C1スロットからA15,B15,C15スロットのいくつかを用いてデータを取得する。これは、飛翔体100において、どの周波数チャンネルを用いるスロットであっても良好に通信可能とするためである。即ち、スーパーフレームの先頭部分で当該スーパーフレームの各スロットの同期タイミングを取得する。この様にして、各飛翔体100は、中央局10から取得した情報に基づいて、各群内で割当てられたスロットを用いて、所望するデータのやり取りを行う。
即ち、飛翔体100は、帰属中の覆域で使用する周波数チャンネルで無線システムと同期して、同期した各スロットのタイミングを用いてデータ通信を実現し、A群,B群,C群での3回の送受信情報を、積み上げて受信情報を確認することにより、より強固な情報伝達が可能になる。基地局側も同様に積み上げることもできる。
X基地局21およびY基地局22は、図8の例と同様に、夫々の使用周波数チャンネルであるFxおよび Fyを用いて、A0,B0,C0スロットのタイミングで、NTR情報を報知する。
X基地局21は、使用周波数チャンネルであるFxを用いて、A0,B0,C0スロットのタイミングで、NTR情報を報知する。
飛翔体100は自ら若しくは中央局10からの指示に基づき、覆域Pを識別して、A0,B0,C0スロット全てのタイミングで、基地局21の使用する周波数チャンネルFxを使用して受信し、スロットA群、B群、C群夫々のシステム同期タイミングを取得する。
また、飛翔体は、フレームの各スロットの同期タイミングを取得することで、どのスロットであっても、良好に異なる基地局(周波数チャンネル)と通信可能となる。
また、多数基地局と複数の周波数チャンネルで同期のとれるTDMA通信方式を提供できる。
また、海面や山岳によるフェージングの影響を受けにくいTDMA通信方式を提供できる。
また、無線リンクを繋いだまま、使用周波数チャンネルの異なる覆域に対してハンドオーバが可能になる。
上記効果は、飛翔体が高速移動することに対して、既存のTDMA通信方式では、提供できない効果である。
例えば、スーパーフレームのスロット数や、スロット群の数の増減は、任意の値でよい。
また、ハンドオーバ時に切り替えるスロット群の順番も任意である。
また、基地局は、固定局でなくとも、移動局(船舶や車上、航空機の中継局)であっても良い。
また、各基地局の位置情報および遅延時間が明確であれば、基地局から送信するまでの、中央局から飛翔体に向けて送信するデータの遅延を算定し、当該遅延分を打ち消してからデータを送出する遅延補正手段を基地局および中央局に設けても良い。
21 基地局(従属局)
22 基地局(従属局)
23 基地局(従属局)
100 飛翔体(移動局)
Claims (8)
- それぞれ所定数のタイムスロットを複数のスロット群に分け、前記スロット群のタイムスロットを異なる群のタイムスロットと隣接するように分散配置し、フレームのはじめに各スロット群の同期用タイムスロットを並べて配置したTDMAフレーム形式を用いて、覆域を構築する複数の基地局と該複数の基地局を統括して飛翔体と通信する中央局と1ないし複数の飛翔体とから構成され、
前記複数の基地局から、スロット群の同期用タイムスロット全てに、システム同期用情報を送信し、
前記飛翔体は、
TDMA無線機の使用周波数チャンネルをスロット群毎に設定して、個々の同期用タイムスロットに含まれるシステム同期用情報を取得すると共に、
前記中央局との通信に用いる基地局を切り替えるハンドオーバ時に、前記複数の同期用タイムスロットに夫々含まれていた帰属中の覆域および移動先の覆域を構築するそれぞれの基地局から送信されたシステム同期用情報を複数ある同期用タイムスロットを用いて検出し、複数のスロット群を分けて両基地局を介する前記中央局との通信を可能にする過程を経て、ハンドオーバを完了する
ことを特徴とする飛翔体用TDMA通信システム。 - 請求項1記載のTDMAフレーム形式を用いる飛翔体用TDMA通信システムにおいて、
前記複数の基地局からスロット群の同期用タイムスロット全てに、システム同期用情報を基地局毎の周波数チャンネルを用いて送信し、
前記飛翔体は、TDMA無線機の使用周波数チャンネルをスロット群毎に設定して、個々の同期用タイムスロットに含まれるシステム同期用情報を少なくとも1以上の周波数チャネルで検出し、検出したシステム同期用情報から、スーパーフレーム自体の情報および同一スーパーフレーム内の残りのタイムスロットに関する固有の情報を取得して通信する
ことを特徴とする飛翔体用TDMA通信システム。 - 請求項1又は2に記載のTDMAフレーム形式を用いる飛翔体用TDMA通信システムにおいて、
前記システム同期用情報には、スロットのデータ長を示す情報が含まれ、
前記飛翔体は、個々の同期用タイムスロットからシステム同期用情報を検出した際に、前記複数のスロット群で用いられるデータ長を識別して、個々のスロットのデータを識別する
ことを特徴とする飛翔体用TDMA通信システム。 - 請求項1ないし3の何れか一項に記載の飛翔体用TDMA通信システムであって、
前記飛翔体は、ハンドオーバ処理開始後に、前記複数の同期用タイムスロットの個々のスキャンを、前記TDMA無線機の使用周波数チャンネルを都度切り替えて、移動元の周波数チャンネルと移動先の周波数チャンネルで夫々実施する
ことを特徴とする飛翔体用TDMA通信システム。 - 請求項1ないし4の何れか一項に記載の飛翔体用TDMA通信システムであって、
前記同期用タイムスロットを3スロット以上設け、
前記飛翔体は、ハンドオーバ処理開始後に、前記3スロット以上の同期用タイムスロットの個々のスキャンを、移動元の周波数チャンネルと移動先の周波数チャンネルに、ハンドオーバ処理の進行と共に、移動先の周波数チャンネルが多くなるように分割して実施する
ことを特徴とする飛翔体用TDMA通信システム。 - 所定数のタイムスロットを複数のスロット群に分けると共にスロット群毎に同期用タイムスロットを設けたTDMA形式フレームに時刻を用いて同期処理し、
前記TDMA形式フレームに含まれる複数の同期用タイムスロットの全てを、在域する覆域での使用周波数チャンネルを用いて検出して、個々の同期用タイムスロットからスロット群毎のシステム同期用情報をそれぞれ取得し、
前記スロット群毎のシステム同期用情報に基づいて、無線接続する1ないし複数の基地局と、スーパーフレーム自体の情報および同一スーパーフレーム内の残りのタイムスロットに関する固有の情報とを特定する、
と共に、
複数の基地局を統括する中央局と通信する際の通信に用いる基地局を切り替えるハンドオーバ時に、
前記複数の同期用タイムスロットに夫々含まれていた帰属中の覆域および移動先の覆域を構築するそれぞれの基地局から送信されたシステム同期用情報を複数ある同期用タイムスロットを用いて検出し、複数のスロット群を分けて両基地局を介する前記中央局との通信を可能にする過程を経て、ハンドオーバを完了する
ことを特徴とする飛翔体。 - 請求項6記載の飛翔体であって、
ハンドオーバ処理開始後に、前記複数の同期用タイムスロットの個々のスキャンを、前記TDMA無線機の使用周波数チャンネルを都度切り替えて、移動元の周波数チャンネルと移動先の周波数チャンネルに夫々分割して実施する
ことを特徴とする飛翔体。 - それぞれ所定数のタイムスロットを複数のスロット群に分け、前記スロット群のタイムスロットを異なる群のタイムスロットと隣接するように分散配置し、フレームのはじめに各スロット群の同期用タイムスロットを並べて配置したTDMAフレーム形式を、覆域を構築する複数の基地局と飛翔体とが用いて、
該複数の基地局を統括する中央局と前記飛翔体とが通信する際に、
前記複数の基地局から、スロット群の同期用タイムスロット全てに、システム同期用情報を送信し、
前記飛翔体は、
TDMA無線機の使用周波数チャンネルをスロット群毎に設定して、個々の同期用タイムスロットに含まれるシステム同期用情報を取得すると共に、
前記中央局との通信に用いる基地局を切り替えるハンドオーバ時に、前記複数の同期用タイムスロットに夫々含まれていた帰属中の覆域および移動先の覆域を構築するそれぞれの基地局から送信されたシステム同期用情報を複数ある同期用タイムスロットを用いて検出し、複数のスロット群を分けて両基地局を介する前記中央局との通信を可能にする過程を経て、ハンドオーバを完了する
ことを特徴とする飛翔体用TDMA方式通信方法。
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