JP5994298B2 - 移動テーブル装置 - Google Patents

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Description

本発明は移動テーブル装置に関する。
従来の直動テーブル装置としては、例えば図6に示すようなものがある。この直動テーブル装置は、移動テーブル101、テーブルベース102、ボールねじ103、及び4本のリニアガイド104を備えている。ボールねじ103及びリニアガイド104は、移動テーブル101とテーブルベース102との間に設けられているが、ボールねじ103は、テーブル幅方向(直動方向に直交する方向)の中心に配されており、リニアガイド104は、テーブル幅方向の両端及びこれら両端のリニアガイド104とボールねじ103との間に配されている。そして、移動テーブル101の上には、固定体や移動体105(例えば、移動テーブル101とは移動方向が異なる移動テーブル)が載置される。
このような直動テーブル装置は、移動テーブル101が4本のリニアガイド104で支持されているので、自重や積載物の荷重によって変形しにくく、また、移動体105の移動に伴う移動テーブル101の重心位置の移動によっても変形しにくい。よって、移動テーブル101の変形によるボールねじ103の芯高さの変化が生じにくいので、移動テーブル101を安定姿勢で移動させることができる。しかしながら、4本のリニアガイド104について高さ及び移動方向の調整を精度良く行う必要があるため、直動テーブル装置の組立時の調整が非常に難しいという問題があった。
そこで、このような問題が生じにくい直動テーブル装置が特許文献1に提案されている(図7を参照)。特許文献1に開示の直動テーブル装置は、図6の直動テーブル装置において、テーブル幅方向両端のリニアガイド104とボールねじ103との間に2本のリニアガイド104を設ける代わりに、移動テーブル101側からテーブルベース102に向けてエアを吹き付けるエアパッド106を移動テーブル101に設けたものである。
移動テーブル101の自重及び積載物の質量等に応じてエアパッド106のエア吹き付け圧を調整することにより、移動テーブル101のテーブル幅方向中心部分を上方に浮上させ、移動テーブル101とテーブルベース102との間隔(垂直方向距離)を移動テーブル101の全面にわたって一定とすることができる。これにより、移動テーブル101に積載した移動体105の移動等により重心位置が移動しても、移動テーブル101に変形が生じ難くなる。また、リニアガイド104の数は2本なので、図6の直動テーブル装置のように組立時の調整が非常に難しいという問題はほとんどない。
特開平11−277351号公報
しかしながら、エアパッド106は移動テーブル101に固定されているので、静圧気体軸受の軸受案内面であるテーブルベース102の平面の精度が悪い場合には、エアパッド106と軸受案内面との間隔(垂直方向距離)が一定とはならず、軸受案内面の場所によって変化することとなる。
そのため、移動テーブル101をテーブルベース102から浮上させる力(すなわち、静圧気体軸受により移動テーブル101に付与される力)が変動してしまうので、移動テーブル101とテーブルベース102との間隔(垂直方向距離)を移動テーブル101の全面にわたって一定とすることができず、移動テーブル101に変形が生じるおそれがあった。その結果、ボールねじ103の芯高さの変化が生じて、移動テーブル101を安定姿勢で移動させることができないおそれがあった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、静圧気体軸受の軸受案内面の精度が不十分であったとしても、移動テーブルの変形が生じにくく移動テーブルを安定姿勢で移動させることができる移動テーブル装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の態様は次のような構成からなる。すなわち、本発明の一態様に係る移動テーブル装置は、ベースと、前記ベース上を直線移動又は回転する移動テーブルと、前記ベースと前記移動テーブルとの間に配され前記移動テーブルを前記ベース上に支持しつつ前記移動テーブルの直線移動又は回転を案内する案内機構と、を備える移動テーブル装置であって、静圧気体軸受の軸受案内面が、前記移動テーブルの前記ベースと対向する面に設けられ、気体を噴出する噴出口が形成された気体軸受面を備え、該気体軸受面から軸受隙間を介して対向する前記軸受案内面に向かって気体を噴出することにより前記軸受案内面と前記気体軸受面との間に静圧気体軸受を構成可能なエアパッドが、前記気体軸受面を前記軸受案内面に向けて前記ベースの前記移動テーブルに対向する面に固定され、前記エアパッドは、前記気体軸受面を備える軸受部と、前記ベースに固定され且つ前記軸受部を保持するハウジング部と、を備え、前記ハウジング部は、前記気体軸受面が露出するように前記軸受部を収容する凹部を有し、前記気体軸受面の垂直方向に進退可能に前記軸受部を前記凹部内に保持し、さらに前記エアパッドは、前記軸受部を前記気体軸受面の垂直方向に進退させて、前記移動テーブルと前記ベースとの間の垂直方向距離を一定に保つ進退機構を備えることを特徴とする。
このような移動テーブル装置においては、前記進退機構が、前記ハウジング部と前記軸受部との間に配され前記ハウジング部と前記軸受部とに前記気体軸受面の垂直方向の付勢力を付与するバネであることが好ましい。そして、前記バネがコイルバネ及び空気バネの少なくとも一方であることがより好ましい。また、前記進退機構は、前記バネの付勢力を調整する調整機構を備えることが好ましい。
本発明の移動テーブル装置は、移動テーブルとベースとの間の垂直方向距離を一定に保つ進退機構を有するエアパッドを備えているので、静圧気体軸受の軸受案内面の精度が不十分であったとしても、移動テーブルの変形が生じにくく移動テーブルを安定姿勢で移動させることができる。
本発明に係る移動テーブル装置の一実施形態である回転テーブル装置の構造を示す断面図である。 エアパッドの第一変形例を示す断面図である。 エアパッドの第二変形例を示す断面図である。 エアパッドの第三変形例を示す断面図である。 回転テーブル装置を顕微鏡に適用した例を説明する断面図である。 従来のXYテーブル装置の構造を示す正面図である。 別の従来のXYテーブル装置の構造を示す正面図である。
本発明に係る移動テーブル装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る移動テーブル装置の一実施形態である回転テーブル装置の構造を示す断面図である。
平板状のベース2の上面に、回転テーブル1(本発明の構成要件である移動テーブルに相当する)の回転を案内する回転案内機構4が設置されている。この回転案内機構4は、ベース2の上面に固定された筒状のハウジング4aと、ハウジング4a内に挿通された回転軸4bと、ハウジング4aと回転軸4bとの間に配されてハウジング4aに対して回転軸4bを回転自在に支持する転がり軸受4cと、を備えている。ハウジング4aは、その軸方向がベース2の上面に直交するようにベース2に固定されている。よって、回転軸4bは、ベース2の上面に直交する方向の軸線を中心に回転する。なお、転がり軸受4cに代えて、静圧軸受,すべり軸受等の別種の軸受を用いても差し支えない。
この回転案内機構4の上には、ワーク等の積載物5を載置可能な円板状の回転テーブル1が、ベース2の上面と平行をなすように配され固定されている。すなわち、回転テーブル1の中心部に回転軸4bの上端部が取り付けられている。そして、回転テーブル1は、回転案内機構4によってベース2上に支持され、モータ等の回転駆動部(図示せず)によって、回転軸4bを中心に所望の回転速度で回転させることができるようになっている。回転駆動部は、回転軸4bに回転駆動力を伝達し回転軸4bを介して回転テーブル1を回転させるタイプのものでもよいし、回転テーブル1に回転駆動力を伝達して回転テーブル1を直接回転させるタイプのものでもよい。
さらに、回転テーブル1の下面に対向するベース2の上面には、エアパッド6が取り付けられている。このエアパッド6は、例えば、回転テーブル1の径方向外端部に対向する位置に配置されている。
エアパッド6の設置数は1個でもよいが、回転テーブル1が大径の場合や大質量の場合は、複数個が好ましい。複数個を設置する場合は、複数個のエアパッド6を周方向に沿って並べて設置してもよいし、径方向に沿って並べて設置してもよい。図1の例では、2個のエアパッド6が、180°の位相差を有しつつ周方向に等配に配置されている。
エアパッド6は、空気等の気体を噴出する噴出口10bが形成された気体軸受面10aを備えており、この気体軸受面10aを回転テーブル1の下面に形成された静圧気体軸受の軸受案内面1aに向けてベース2の上面に取り付けられている。よって、エアパッド6の気体軸受面10aは、回転テーブル1の軸受案内面1aと隙間(軸受隙間)を介して対向しており、気体軸受面10aから軸受案内面1aに向かって気体を噴出すれば、軸受案内面1aと気体軸受面10aとの間に静圧気体軸受(非接触軸受)が構成されるようになっている。
ここで、エアパッド6の構造について、図1を参照しながらさらに詳細に説明する。エアパッド6は、略円柱状の軸受部10と、軸受部10の外径形状にほぼ対応する形状の略円柱状の凹部11aを有するハウジング部11と、を備えている。ハウジング部11は、凹部11aを上方の軸受案内面1aに向けてベース2の上面に固定されており、このハウジング部11の凹部11a内に軸受部10が収容されている。
略円柱状の軸受部10の平行な2つの平面のうち一方は、ハウジング部11の凹部11aの底面に対向している。また、前記平行な2つの平面のうち他方は、凹部11aの外に露出して軸受案内面1aに対向しており、静圧気体軸受の構成要素である気体軸受面10aをなしている。この気体軸受面10aには、回転テーブル1に形成された静圧気体軸受の軸受案内面1aに向かって気体を噴出する噴出口10bが複数形成されている。
この噴出口10bから噴出される気体は、ハウジング部11の外面に開口する給気口13からエアパッド6内に導入され、エアパッド6(ハウジング部11及び軸受部10)内に形成されている通気路14により噴出口10bに供給される。すなわち、ハウジング部11の通気路14が、ハウジング部11の内部を通って凹部11aの底面に至り、ハウジング部11の凹部11aの底面に対向する平面に開口する軸受部10の通気路14に接続する。両通気路14,14の接続部分には、気体の漏洩を防ぐためにOリング15等のシールが装着されている。軸受部10の通気路14は、軸受部10の内部を通って気体軸受面10aに形成されている噴出口10bに接続する。なお、気体は、ハウジング部11を介さず、軸受部10に直接導入してもよい。
また、軸受部10の通気路14は、軸受部10の内部で分岐して軸受部10の円柱面にも開口している。すなわち、軸受部10の円柱面にも気体を噴出する噴出口10cが形成されており、軸受部10の円柱面と隙間を介して対向するハウジング部11の凹部11aの円柱面に気体が噴出されて、両円柱面の間に静圧気体軸受(非接触軸受)が構成されるようになっている。なお、両円柱面の間の静圧気体軸受については、軸受部10の進退を妨げず且つ軸受案内面1aの傾き方向の影響を伝えないように、軸受隙間を広く設定し且つ軸受剛性は低くする方が好ましい。ただし、軸受剛性が低すぎると共振現象が生じるおそれがあるので、共振現象が生じない程度の軸受剛性とする必要がある。
さらに、ハウジング部11には、凹部11aの内周面と外周面とを連通する貫通孔16(例えば、気体軸受面10aに平行な方向に延びる貫通孔)が設けられていて、軸受部10の円柱面に形成された噴出口10cからハウジング部11の凹部11aの円柱面に向かって噴出された気体が、上方を向いた凹部11aの開口部(軸受部10の円柱面とハウジング部11の凹部11aの円柱面との間の隙間の開口)とともにこの貫通孔16からも、エアパッド6の外部に排出されるようになっている。
さらに、ハウジング部11の凹部11aの底面の中心部には有底穴24が形成されており、この有底穴24の中に、軸受部10を気体軸受面10aの垂直方向に進退させる進退機構を構成するバネが配置されている。すなわち、軸受部10は、気体軸受面10aの垂直方向に進退可能にハウジング部11の凹部11a内に保持されている。図1の例では、進退機構として空気バネが設けられていて、この空気バネが、ハウジング部11と軸受部10とに気体軸受面10aの垂直方向の付勢力を付与するようになっている。
詳述すると、ハウジング部11の凹部11aの底面の中心部には、有底穴24が形成されている。この有底穴24の空間はOリング25等で密封されており、密封された有底穴24の空間に気体を供給することができるようになっている。有底穴24の空間に気体を供給し陽圧とすれば空気バネが形成され、この空気バネにより前記進退機構が構成される。
この空気バネは、ハウジング部11に気体軸受面10aの垂直方向下方に向く付勢力を付与し、軸受部10に気体軸受面10aの垂直方向上方に向く付勢力を付与する。有底穴24の空間の圧力を調整することによって、ハウジング部11と軸受部10とに付与される気体軸受面10aの垂直方向の付勢力の強さを調整することができるので、軸受部10に付与したい付勢力(すなわち回転テーブル1に付与したい力)の強さに応じて、有底穴24の空間の圧力を適宜調整すればよい。
次に、本実施形態の回転テーブル装置の動作について説明する。給気口13からエアパッド6内に気体を導入すると、軸受部10の気体軸受面10aに形成された噴出口10bから回転テーブル1の軸受案内面1aに向かって気体が噴出されるとともに、軸受部10の円柱面に形成された噴出口10cからハウジング部11の凹部11aの円柱面に向かって気体が噴出される。その結果、軸受部10の気体軸受面10aと回転テーブル1の軸受案内面1aとの間に静圧気体軸受が構成されるとともに、軸受部10の円柱面とハウジング部11の凹部11aの円柱面との間に静圧気体軸受が構成される。
両円柱面の間に静圧気体軸受が構成されるため、軸受部10とハウジング部11は両円柱面において非接触状態が維持され、軸受部10が円滑に進退可能となっている。また、軸受部10の気体軸受面10aと回転テーブル1の軸受案内面1aとの間に静圧気体軸受が構成されるため、軸受部10には気体軸受面10aの垂直方向下方に向く力が付与され、軸受部10の気体軸受面10aと回転テーブル1の軸受案内面1aとの非接触状態が維持される。
前述したように、軸受部10には空気バネにより気体軸受面10aの垂直方向上方に向く付勢力が付与されている(すなわち、空気バネにより軸受部10に予圧が付与されている)ので、空気バネによる付勢力と静圧気体軸受による力とが釣り合った高さ位置で、軸受部10がハウジング部11の凹部11aに保持される。
回転テーブル1は中心部で回転案内機構4により支持されており、径方向外端部は支持されていないので、回転テーブル1の自重や積載物5の質量による荷重を受けて、下方に撓み変形するおそれがある。また、図示したように、積載物5に下方向の押し付け力が作用する場合にも、回転テーブル1の径方向外端部は下方に撓み変形するおそれがある。しかしながら、静圧気体軸受が構成されることによって回転テーブル1の径方向外端部に垂直方向上方に向く力が作用するので、回転テーブル1の径方向外端部が上方に持ち上げられる。
よって、回転テーブル1の自重や積載物5の質量による荷重、積載物5への押し付け力等に応じてエアパッド6の気体軸受面10aからの気体噴出圧を設定し、また、空気バネが適切な付勢力を付与するように有底穴24の空間の圧力を調整しておけば、回転テーブル1の径方向外端部が上方に持ち上げられ、回転テーブル1の自重や積載物5の質量による荷重、積載物5への押し付け力等による撓み変形が抑制される。その結果、回転テーブル1とベース2との間隔(垂直方向距離)を、回転テーブル1の全体にわたって一定とすることができる。
したがって、回転テーブル1の自重による撓みを抑制する場合には、自重による撓みを最も効果的に抑制できる径方向位置(通常は径方向外端部)に垂直方向上方に向く力が作用するように、エアパッド6を配置することが好ましい。また、積載物5の質量による荷重や積載物5への押し付け力による撓みを抑制する場合には、積載物5が載置される径方向位置に垂直方向上方に向く力が作用するように、エアパッド6を配置することが好ましい。そして、複数の積載物5が載置される場合には、全ての積載物5に対してそれぞれエアパッド6を設置することが好ましい。
また、回転テーブル1の径方向外端部が上方に持ち上げられれば、回転案内機構4に作用するモーメント荷重を軽減することができる。そのため、回転案内機構4に用いる転がり軸受4cの小径化や、回転案内機構4の小型化、軽量化、低重心化等を図ることができる。
さらに、上記のように回転テーブル1の撓み変形を抑制することができるので、回転テーブル1の薄肉化が可能である。特に回転テーブル1が大径である場合は、回転テーブル1に撓み変形が生じやすいが、そのような場合でも、撓み変形を抑制するために回転テーブル1の厚さを大きくして回転テーブル1の剛性を高める必要がない。よって、回転テーブル1の薄肉化が可能であるため、回転テーブル1が大径である場合でも、回転テーブル装置を薄型とすることができる。
前述の進退機構をエアパッドに備えていない従来品では、回転テーブルの軸受案内面の精度が低いと、回転テーブルの回転に伴って気体軸受面と軸受案内面との間の隙間(軸受隙間)の大きさが変動してしまうおそれがある。例えば、軸受隙間が大きくなると、静圧気体軸受によって軸受部に付与される気体軸受面の垂直方向下方に向く力が小さくなるので、回転テーブルに付与される垂直方向上方に向く力も小さくなって、回転テーブルの径方向外端部が下方に撓み変形するおそれが生じる。また、軸受隙間が小さくなると、静圧気体軸受によって軸受部に付与される気体軸受面の垂直方向下方に向く力が大きくなるので、回転テーブルに付与される垂直方向上方に向く力も大きくなって、回転テーブルの径方向外端部が上方に撓み変形するおそれが生じる。
しかしながら、本実施形態の回転テーブル装置は、軸受部10を気体軸受面10aの垂直方向に進退させる進退機構を備えているので、回転テーブル1の軸受案内面1aの精度が低く回転テーブル1の移動に伴って気体軸受面10aと軸受案内面1aとの間の隙間(軸受隙間)の大きさが変動したとしても、回転テーブル1に撓み変形が生じにくく、回転テーブル1とベース2との間隔(垂直方向距離)が一定に保たれる。よって、回転テーブル1を安定姿勢で回転させることができる。
このメカニズムについて、以下に詳細に説明する。例えば、回転テーブル1の軸受案内面1aの精度不十分に起因して軸受隙間が大きくなると、静圧気体軸受によって軸受部10に付与される気体軸受面10aの垂直方向下方に向く力が小さくなるが、そうすると、前述した空気バネによる付勢力と静圧気体軸受による力との釣り合いが崩れ、空気バネによる気体軸受面10aの垂直方向上方に向く付勢力によって軸受部10が上方に移動する(すなわち、エアパッド6の垂直方向長さが大きくなる)。そして、空気バネによる付勢力と静圧気体軸受による力とが釣り合った高さ位置で、軸受部10がハウジング部11の凹部11a内に保持される。
逆に、軸受隙間が小さくなると、静圧気体軸受によって軸受部10に付与される気体軸受面10aの垂直方向下方に向く力が大きくなるが、そうすると、前述した空気バネによる付勢力と静圧気体軸受による力との釣り合いが崩れ、静圧気体軸受によって軸受部10に付与される気体軸受面10aの垂直方向下方に向く力によって軸受部10が下方に移動する(すなわち、エアパッド6の垂直方向長さが小さくなる)。そして、空気バネによる付勢力と静圧気体軸受による力とが釣り合った高さ位置で、軸受部10がハウジング部11の凹部11a内に保持される。
このように、軸受隙間が大きくなると、軸受部10が上方に移動することによりエアパッド6の垂直方向長さが大きくなるし、軸受隙間が小さくなると、軸受部10が下方に移動することによりエアパッド6の垂直方向長さが小さくなるので、回転テーブル1の回転に伴って軸受隙間が変動したとしても、回転テーブル1の自重及び積載物の質量等に応じて初期に設定したエアパッド6の気体軸受面10aからの気体噴出圧を軸受隙間の変動に応じて調整することなく、回転テーブル1とベース2との間隔(垂直方向距離)は一定に保たれることとなる。よって、軸受案内面1aの精度の影響を受けずに、回転テーブル1を常に安定姿勢で回転させることができる。
そのため、回転テーブル1の軸受案内面1aの精度を高精度で管理する必要がないので、回転テーブル装置の部品製造のコストダウンが可能である。また、熱変形、経時変形、初期の組み立て時の変形、荷重による設置面(ベース2の上面)の変形などにより、エアパッド6の基準面(例えば気体軸受面10a)が変形したとしても、上記のメカニズムによって回転テーブル1とベース2との間隔(垂直方向距離)は一定に保たれる。
なお、進退機構については、下記のような各変形例を採用可能である。例えば、図2に示すように、空気バネの代わりにコイルバネ20を用いて、進退機構を構成することもできる(第一変形例)。第一変形例について、以下に詳述する。
図2の例では、ハウジング部11の凹部11aの底面の中心部に形成された有底穴22の中に、進退機構としてコイルバネ20が配置されていて、このコイルバネ20が、ハウジング部11と軸受部10とに気体軸受面10aの垂直方向の付勢力を付与するようになっている。詳述すると、コイルバネ20は、ハウジング部11に気体軸受面10aの垂直方向下方に向く付勢力を付与し、軸受部10に気体軸受面10aの垂直方向上方に向く付勢力を付与する。このコイルバネ20のバネ定数は、軸受部10に付与したい付勢力(すなわち回転テーブル1に付与したい力)の強さに応じて適宜選択すればよい。
この第一変形例において、コイルバネ20の付勢力を調整する調整機構を備えていてもよい。図3には、調整機構として間座21を用いた例(第二変形例)が示されている。すなわち、有底穴22の底部とコイルバネ20との間に例えば環状の間座21を配してコイルバネ20の圧縮量を調整すれば、付勢力の強さを調整することができる。また、間座21の厚さや間座21を設ける垂直方向位置を調整して、付勢力の強さを調整することができる。
また、図4に示すように、進退機構としてコイルバネ20と気体供給による空気バネとを併用することもできる(第三変形例)。コイルバネ20を配した有底穴22をOリング17等で密封し、密封された有底穴22の空間に気体を供給し陽圧とすれば、コイルバネ20と空気バネの付勢力によって、ハウジング部11と軸受部10とに気体軸受面10aの垂直方向の付勢力を付与することができる。また、有底穴22の空間の圧力を調整することにより、間座21を用いなくても、ハウジング部11と軸受部10とに付与される気体軸受面の垂直方向の付勢力の強さを調整することができる。
なお、有底穴22の空間への気体の供給は安定しない場合があり、有底穴22の空間の圧力が不安定となるおそれがあるので、ハウジング部11と軸受部10とに付与される気体軸受面10aの垂直方向の付勢力の強さを安定させるために、コイルバネ20の方を主体として付勢力を付与することが好ましい。また、回転テーブル装置が陽圧又は陰圧条件下で使用される場合には、有底穴22の空間の圧力が変動するおそれがあるので、ハウジング部11と軸受部10とに付与される気体軸受面10aの垂直方向の付勢力の強さを安定させるために、コイルバネ20の方を主体として付勢力を付与することが好ましい。
このような本実施形態の回転テーブル装置は、露光装置(例えば、半導体ウエハ,液晶パネル等の平板状基板にパターンを形成するための半導体露光装置)、組み立て装置、検査装置(例えば顕微鏡)、精密工作機械等に用いられる位置決め装置として使用することができる。
例えば、半導体ウエハを露光してパターンを形成する露光装置は、被露光材である半導体ウエハを載せて回転し半導体ウエハの位置決めをする位置決め装置と、位置決めされた半導体ウエハに露光用光を照射する光学系と、これらを制御する制御装置と、を備えている。位置決め装置としては、本実施形態の回転テーブル装置が好適に用いられる。
回転テーブル上にウエハを載せた回転テーブル装置を駆動して、ウエハを所定の位置に移動させたら、光学系の光源からウエハに露光用光を照射して露光を行い、ウエハにパターンを形成する。露光が終了したら回転テーブル装置を駆動して、別のウエハを所定の位置に移動させ、上記と同様に露光を行い、そのウエハにパターンを形成する。
このような露光装置において位置決め装置として用いられる本実施形態の回転テーブル装置は、回転テーブルの変形が生じにくく回転テーブルを安定姿勢で回転させることができるので、露光装置は被露光材の位置決めが正確である。
また、顕微鏡は、被検試料8を載せて回転し被検試料8の位置決めをする位置決め装置と、位置決めされた被検試料8を観察する光学系と、これらを制御する制御装置と、を備えている(図5を参照)。位置決め装置としては、本実施形態の回転テーブル装置が好適に用いられる。回転テーブル1上に被検試料8を載せた回転テーブル装置を駆動して、被検試料8を所定の位置に移動させたら、光学系を用いて被検試料8の観察を行う。
このような顕微鏡において位置決め装置として用いられる本実施形態の回転テーブル装置は、回転テーブル1の変形が生じにくく回転テーブル1を安定姿勢で回転させることができるので、顕微鏡は被検試料8の位置決めが正確である。また、エアパッド6の気体軸受面10aからの気体噴出圧を変化させれば、回転テーブル1とベース2との間隔(垂直方向距離)を調整することができるので、前記気体噴出圧によって顕微鏡の焦点合わせを行うことができる。
すなわち、前記気体噴出圧を強めれば、回転テーブル1に付与される垂直方向上方に向く力も大きくなって、回転テーブル1のエアパッド6に対向する部分が上方に撓み変形し、その部分の上面の高さ位置が上昇する。反対に、前記気体噴出圧を弱めれば、回転テーブル1に付与される垂直方向上方に向く力も小さくなって、回転テーブル1のエアパッド6に対向する部分が下方に撓み変形し、その部分の上面の高さ位置が下降する。
よって、顕微鏡の光学系の対物レンズ9に対向する位置にエアパッド6を配置すれば、上記のような前記気体噴出圧により、回転テーブル1の対物レンズ9に対向する部分(図5では径方向外端部)の上面の高さ位置を調整して、顕微鏡の焦点合わせを行うことができる。顕微鏡に適用する回転テーブル装置においては、エアパッド6の設置数は図5のように1個でもよいが、複数数でもよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、移動テーブル装置の例として回転テーブル装置をあげて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、移動テーブルの直動を案内する案内機構によりベースに支持された移動テーブルを直交する二方向に移動させるXYテーブル装置に適用することもできる。また、本発明は、移動テーブルを一方向に直動させる直動テーブル装置に適用することもできる。
また、バネの種類は、コイルバネや空気バネに限定されるものではなく、板バネ等の他種のバネを用いることができる。また、ゴム等の弾性体の塊状物からなるバネを用いることもできる。さらに、コイルバネ、板バネの材質は金属に限定されるものではなく、樹脂材料、木材、竹材等を用いることも可能である。
さらに、静圧気体軸受の絞りには、図1〜5に示した自成絞り以外にオリフィス絞り、表面絞り、多孔質絞り等の形式があるが、本発明にはいずれの形式も使用可能である。ただし、これらの中でも自成絞りは、キリ穴を絞りとして使用するため、製造が容易で好ましい。
1 回転テーブル
1a 軸受案内面
2 ベース
4 回転案内機構
6 エアパッド
10 軸受部
10a 気体軸受面
10b 噴出口
11 ハウジング部
11a 凹部
20 コイルバネ
21 間座
22 有底穴
24 有底穴

Claims (1)

  1. ベースと、前記ベース上を直線移動又は回転する移動テーブルと、前記ベースと前記移動テーブルとの間に配され前記移動テーブルを前記ベース上に支持しつつ前記移動テーブルの直線移動又は回転を案内する案内機構と、を備える移動テーブル装置であって、
    静圧気体軸受の軸受案内面が、前記移動テーブルの前記ベースと対向する面に設けられ、
    気体を噴出する噴出口が形成された気体軸受面を備え、該気体軸受面から軸受隙間を介して対向する前記軸受案内面に向かって気体を噴出することにより前記軸受案内面と前記気体軸受面との間に静圧気体軸受を構成可能なエアパッドが、前記気体軸受面を前記軸受案内面に向けて前記ベースの前記移動テーブルに対向する面に固定され、
    前記エアパッドは、前記気体軸受面を備える軸受部と、前記ベースに固定され且つ前記軸受部を保持するハウジング部と、を備え、前記ハウジング部は、前記気体軸受面が露出するように前記軸受部を収容する凹部を有し、前記気体軸受面の垂直方向に進退可能に前記軸受部を前記凹部内に保持し、
    さらに前記エアパッドは、前記軸受部を前記気体軸受面の垂直方向に進退させて、前記移動テーブルと前記ベースとの間の垂直方向距離を一定に保つ進退機構を備え
    前記進退機構は、前記ハウジング部と前記軸受部との間に配され前記ハウジング部と前記軸受部とに前記気体軸受面の垂直方向の付勢力を付与する空気バネであり、且つ、前記空気バネの付勢力を調整する調整機構を備え、
    前記エアパッドは、前記ハウジング部内に形成されている通気路と、前記軸受部内に形成されており且つ前記ハウジング部の通気路に接続する通気路と、を備え、前記ハウジング部の外面に開口する給気口から導入される前記静圧気体軸受用の気体が前記両通気路を通って前記噴出口から噴出可能となっており、
    前記両通気路の接続部分には、前記静圧気体軸受用の気体の漏洩を防ぐためのシールが装着されており、
    前記凹部の底面には密封された有底穴が形成されており、この有底穴の空間に前記空気バネ用の気体を供給することにより前記空気バネが形成可能となっていることを特徴とする移動テーブル装置。
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