JP5991127B2 - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの技術分野に属し、より詳細には、ある人物に他の人物の情報を提供するための処理を行う情報処理装置及び情報処理方法並びに当該処理のための情報処理プログラムの技術分野に属する。
近年、インターネット等のネットワークの普及に伴い、例えば趣味や趣向が合う等の共通点のある人物同士を紹介する仕組みが開発されている。具体的には、下記特許文献1及び特許文献2に開示されているような、いわゆる「人物推薦システム」が開発されている。
一方近年では、読書が広く楽しまれており、またこれら読書体験を複数の人物間で共有するといった試みも為されている。これらの試みは、例えばいわゆるソーシャルリーディングとして知られているものである。
しかしながら、上述したような従来のソーシャルリーディングにおける読書体験の共有の手法では、書籍等を複数読まなければ他の人物の推薦ができないという問題点があった。またこれに関し、仮に一冊のみの読書により人物を推薦しようとすると、例えば「同じような読書体験」をしている人物を推薦するといった細かな人物推薦ができないという問題点があった。
一方、例えばネットワーク上で共有可能ないわゆる電子書籍上に残したメモや、その電子書籍の特定個所の引用、或いは要約文を複数の人物間で共有する試みが為されているが、このような、書籍の内容以外の他のデータを利用した推薦を行う場合、純粋な読書とは異なった動作や操作(例えば、メモを作る、引用部分を特定する、或いは要約文を改めて作成する、といった、読書以外の動作や操作)が別途必要となり、結果として、その人物の純粋な読書活動を阻害してしまう恐れがあるという問題点があった。
そこで本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、全く新しい観点から読書体験を共有し合う人物を推薦することができると共に、純粋な読書活動を阻害することなく読書の趣味/趣向の似ている読者同士を推薦することが可能な情報処理装置及び情報処理方法並びに当該処理のための情報処理プログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザ端末装置等の電子書籍提示装置を用いて提示される電子書籍を読む読者の読書速度を示す速度情報を、当該読者を識別するための読者識別情報及び当該電子書籍を識別するための書籍識別情報に関連付けて記憶するHDD等の記憶手段と、前記記憶されている速度情報に基づいて、一の前記読者と前記読書速度が類似する他の前記読者を識別する前記読者識別情報を前記記憶手段から抽出するCPU等の抽出手段と、前記抽出された読者識別情報により識別される前記他の読者を示す読者情報を、前記一の読者に提示するインターフェース等の提示手段と、を備える。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、ユーザ端末装置等の電子書籍提示装置を用いて提示される電子書籍を読む読者の読書速度を示す速度情報を、当該読者を識別するための読者識別情報及び当該電子書籍を識別するための書籍識別情報に関連付けて記憶するHDD等の記憶手段を備えるサーバ装置等の情報処理装置において実行される情報処理方法であって、前記記憶されている速度情報に基づいて、一の前記読者と前記読書速度が類似する他の前記読者を識別する前記読者識別情報を前記記憶手段から抽出する抽出工程と、前記抽出された読者識別情報により識別される前記他の読者を示す読者情報を、前記一の読者に提示する提示工程と、を含む。
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、ユーザ端末装置等の電子書籍提示装置を用いて提示される電子書籍を読書する読者の読書速度を示す速度情報を、当該読者を識別するための読者識別情報及び当該電子書籍を識別するための書籍識別情報に関連付けて記憶するHDD等の記憶手段を備えるサーバ装置等の情報処理装置に含まれるコンピュータを、前記記憶されている速度情報に基づいて、一の前記読者と前記読書速度が類似する他の前記読者を識別する前記読者識別情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段、及び、前記抽出された読者識別情報により識別される前記他の読者を示す読者情報を、前記一の読者に提示する提示手段、として機能させる。
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電子書籍提示装置に含まれるコンピュータを、前記電子書籍の提示中において前記読書速度を検出する検出手段、前記検出された読書速度を示す前記速度情報を生成する生成手段、及び、前記生成された速度情報を、前記コンピュータを含む前記電子書籍提示装置において提示された前記電子書籍を識別するための前記書籍識別情報、及び前記提示された電子書籍を読んだ前記読者を識別するための前記読者識別情報と共に前記情報処理装置に送信する送信手段、として機能させる。
請求項1又は請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の発明によれば、読者の読書速度を示す速度情報を読者識別情報及び書籍識別情報に関連付けて記憶すると共に、記憶されている速度情報に基づいて、一の読者と読書速度が類似する他の読者を識別する読者識別情報を抽出する。その後、抽出された読者識別情報により識別される他の読者を示す読者情報を一の読者に提示する。よって、読書速度が類似する読者を紹介できることで、読書速度という全く新しい観点から読書体験を共有し合う人物を推薦することができる。また、読書に必然的に付随する読書速度を用いて人物を推薦できることで、純粋な読書の動作を阻害することなく読書の趣味/趣向の似ている読者同士を推薦することができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記電子書籍提示装置を用いて前記電子書籍を読んだ読者に対応する前記速度情報、前記書籍識別情報及び前記読者識別情報が当該電子書籍提示装置から送信されたとき、当該送信された速度情報、書籍識別情報及び読者識別情報を受信するインターフェース等の受信手段と、前記受信された速度情報、書籍識別情報及び読者識別情報を用いて前記記憶手段の記憶内容を更新するCPU等の更新手段と、を更に備える。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、電子書籍を読んだ読者に対応する速度情報、書籍識別情報及び読者識別情報を電子書籍提示装置から受信し、受信された速度情報、書籍識別情報及び読者識別情報を用いて記憶手段の記憶内容を更新するので、常に新しい速度情報等を取得できることで、読者同士で新しい人物推薦を常に行うことができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、前記速度情報は、前記電子書籍における一のページを読むために必要な時間に対する比を用いて他のページを読むために必要な時間を表した比情報であって、当該他のページごとの比情報により構成されている。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、速度情報がページごとの比情報により構成されているので、読書速度の個人差を相殺できることで、類似する読書速度の読者を適切に推薦することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記一のページは前記電子書籍における本文の最初のページであるように構成される。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて、比情報の基準となる一のページが電子書籍における本文の最初のページであるので、集中力がある最初のページを読むために必要な時間を基準とすることで、より適切に他の読者を推薦することができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、前記速度情報は、前記電子書籍全体を読むために必要な時間を当該電子書籍の全ページ数で除した時間に対する比を用いて他のページを読むために必要な時間を表した比情報であって、当該他のページごとの比情報により構成されている。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、電子書籍全体を読書するために必要な時間を全ページ数で除した時間を基準とした比情報により速度情報が構成されているので、一の電子書籍内における読書速度の時間的な変化を相殺できることで、類似する読書速度の読者をより適切に推薦することができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記比が1を含んだ予め設定された範囲内の値であったときの前記読書速度は0とされるように構成される。
請求項6に記載の発明によれば、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、電子書籍における一のページを読むために必要な時間、又は電子書籍全体を読むために必要な時間をその全ページ数で除した時間に対する比が、1を含んだ既定範囲内の値であったときの読書速度が0とされる。よって、特徴的でない状態での読書状態に対する読書速度を除外することで、類似する読書速度の読者をより適切に推薦することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記電子書籍提示装置において前記電子書籍の複数のページの内容が同時に提示される場合の前記速度情報では、前記内容が同時に提示されている前記複数のページを読むために必要な時間を当該複数のページの数で除した値が、一ページを読むために必要な時間とされている。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、複数のページの内容が同時に提示される場合の速度情報では、同時に内容が提示されている複数のページを読むために必要な時間を当該複数のページの数で除した値が一ページを読むために必要な時間とされている。よって、複数のページの内容が同時に提示されるタイプの電子書籍提示装置であっても、実用に則した態様の速度情報を用いて読者を推薦することができる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記抽出手段は、前記記憶されている速度情報に基づくコサイン類似度法を用いて前記読書速度間の類似度を判定し、前記他の前記読者を識別する前記読者識別情報を抽出するように構成される。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、速度情報に基づくコサイン類似度法を用いて読書速度間の類似度を判定して読者識別情報を抽出する。よって、類似する読書速度の読者をより適切に推薦することができると共に、類似度の判定方法として一般的なコサイン類似度法を用いることで、情報処理装置を安価に製造することができる。
本発明によれば、読者の読書速度を示す速度情報を読者識別情報及び書籍識別情報に関連付けて記憶すると共に、記憶されている速度情報に基づいて、一の読者と読書速度が類似する他の読者を識別する読者識別情報を抽出する。その後、抽出された読者識別情報により識別される他の読者を示す読者情報を一の読者に提示する。
よって、読書速度が類似する読者を紹介できることで、読書速度という全く新しい観点から読書体験を共有し合う人物を推薦することができる。また、読書に必然的に付随する読書速度を用いて人物を推薦できることで、純粋な読書の動作を阻害することなく読書の趣味/趣向の似ている読者同士を推薦することができる。
従って、これまでになかった新たな手法により、読者に不要な処理負担等をかけることなく、趣味/趣向が似ている読者同士を推薦することができる。
次に、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお以下に説明する実施形態は、インターネット等のネットワークに接続されているユーザ端末装置に対して、当該ユーザ端末のユーザに相応しい他のユーザを推薦する人物推薦システムに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
また、図1は実施形態に係る人物推薦システムの概要構成を示すブロック図であり、図2は当該人物推薦システムに含まれるユーザ端末装置の細部構成を示すブロック図等である。更に図3は当該人物推薦システムに含まれるサーバ装置の細部構成を示すブロック図等であり、図4は当該人物推薦システムにおける処理を示すフローチャートである。
図1に示すように、実施形態に係る人物推薦システムSは、サーバ装置SVと、複数のユーザ端末装置P1、P2、…、Pn(nは自然数)と、が、例えばインターネット等のネットワークNTを介して接続されて構成されている。なお以下の説明において、ユーザ端末装置P1、P2、…、Pnについて共通の説明を行う場合、これらを纏めて「ユーザ端末装置P」と称する。図1に示すサーバ装置SVが本発明に係る「情報処理装置」の一例に相当し、ユーザ端末装置Pが本発明に係る「電子書籍提示装置」の一例に相当する。
また、実施形態に係る各ユーザ端末装置Pを操作するユーザは、実施形態に係る人物推薦システムSを利用して他のユーザの推薦を受ける(他のユーザを推薦してもらう)ユーザ、又は、当該他のユーザに対して推薦されるユーザ、のいずれかを含む。以下の説明では、他のユーザの推薦を受ける上記ユーザを「対象ユーザ」と称し、対象ユーザに対して人物推薦システムSにより推薦されるユーザを「推薦ユーザ」と称する。
次に、実施形態に係るユーザ端末装置Pについて、図2(a)を用いて詳説する。
実施形態に係るユーザ端末装置Pは、具体的にはいわゆるパーソナルコンピュータ、又は携帯型のブックリーダ等からなる電子書籍端末として構成されるものであり、図2(a)に例示するように、インターフェース10と、RAM等からなるメモリ部11と、不揮発性の記録装置であるハードディスクドライブ(以下、HDDと称する)12と、キーボード、タッチパネル又はマウス等からなる操作部14と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ15と、CPU13と、により構成されている。
この構成においてインターフェース10は、CPU13の制御の下、ネットワークNTを介した他のユーザ端末措置P又はサーバ装置SVとの間におけるデータの授受を制御する。メモリ部11及びHDD12は、実施形態に係るユーザ端末装置Pとしての処理に必要なデータベース又はプログラム等を記録し、CPU13との間でこれらを授受する。そしてCPU13は、操作部14における各ユーザの操作に基づき、メモリ部11及びHDD12との間でデータの授受を行いつつ、当該操作の内容に応じた処理を実行する。この際ディスプレイ15には、当該処理に必要な情報が表示される。
次に、HDD12に不揮発性に記録されている実施形態に係るデータベースについて、具体的に図2(b)に例示しつつ説明する。図2(b)に例示するように、ユーザ端末装置PのHDD12には、読書データ12Aと、書籍データ12Bと、ユーザデータ12Cと、が不揮発性に記録されている。このうちユーザデータ12Cは、当該ユーザデータ12Cが記録されているユーザ端末装置Pのユーザを実施形態に係る人物推薦システムS内において識別するためのユーザIDと、当該ユーザIDに関連付けられた例えば当該ユーザの氏名と、を含んでいる。
次に書籍データ12Bは、ユーザ端末装置Pを用いて読むことが可能な電子書籍を構成するデータである。より具体的に書籍データ12Bとしては、人物推薦システムS内においてその電子書籍を識別するための書籍IDと、その書籍IDにより識別される電子書籍の名称のデータと、その電子書籍の内容たる本文のデータと、が関連付けられて記録されている。
次に読書データ12Aには、ユーザデータ12Cにより識別されるユーザがユーザ端末装置Pを用いて読む電子書籍の読書速度を示す実施形態に係る読書速度データが、その電子書籍の書籍IDに関連付けて、その電子書籍のページごとに記録されている。このとき、上記読書速度データは、対応する電子書籍の本文の第1ページの読書速度に対する比を用いて、本文の第2ページ以降の読書速度を示す読書速度データがページごとに記録されている。例えば図2(b)に例示する書籍IDが「1」の電子書籍の場合、本文第2ページは本文第1ページに対して1.02倍の速度で(即ち第1ページより少し速く)読まれたことになり、また本文第10ページは本文第1ページに対して0.98倍の速度で(即ち第1ページより少し遅く)読まれたことになる。これら読書速度の測定方法については、後ほど詳述する。この読書速度データは、後ほど詳述するように上記ユーザID及び書籍ID等と共に、ユーザ端末装置Pからサーバ装置SVに送信されるデータである。
次に、実施形態に係るサーバ装置SVについて、図3を用いて詳説する。
実施形態に係るサーバ装置SVは、図3(a)に例示するように、インターフェース20と、RAM等からなるメモリ部21と、不揮発性の記録装置であるHDD22と、キーボード又はマウス等からなる操作部24と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ25と、CPU23と、により構成されている。このとき、インターフェース20が本発明に係る「提示手段」の一例及び「受信手段」の一例にそれぞれ相当し、HDD22が本発明に係る「記憶手段」の一例に相当する。またCPU23が本発明に係る「抽出手段」の一例及び「更新手段」の一例にそれぞれ相当する。
この構成においてインターフェース20は、CPU23の制御の下、ネットワークNTを介した各ユーザ端末措置Pとの間におけるデータの授受を制御する。メモリ部21及びHDD22は、実施形態に係るサーバ装置SVとしての処理に必要なデータベース又はプログラム等を記録し、CPU23との間でこれらを授受する。そしてCPU23は、操作部24における管理者等による操作に基づき、メモリ部21及びHDD22との間でデータの授受を行いつつ、当該操作の内容に応じた処理を実行する。この際ディスプレイ25には、当該処理に必要な情報が表示される。
次に、HDD22に不揮発性に記録されている実施形態に係るデータベースについて、具体的に図3(b)に例示しつつ説明する。図3(b)に例示するように、サーバ装置SVのHDD22には、読書データ22Aと、書籍データ22Bと、ユーザデータ22Cと、が不揮発性に記録されている。このうちユーザデータ22Cとしては、サーバ装置SVにネットワークNTを介して接続されている各ユーザ端末装置Pのユーザごとに、上記ユーザIDと当該ユーザの氏名とが関連付けて記録されている。
次に読書データ22Aには、各ユーザ端末装置Pから送信されて来た上記読書速度データが、それを送信してきたユーザ端末装置Pのユーザ(この場合は対象ユーザとなる)ごと、電子書籍ごと及びその電子書籍のページごとに、各読書データ22A自体を他の読書データから識別するための読書データID、対象ユーザID及び書籍IDにそれぞれ関連付けて記録されている。
次に書籍データ22Bは、その電子書籍の読書速度が類似している対象ユーザと推薦ユーザとの関連付けを、電子書籍ごとに示す類似度データを含む。具体的に書籍データ22Bとしては、図3(b)に例示するように、ある電子書籍について、ある対象ユーザの読書速度に対する類似度が予め設定されている閾値よりも高い読書速度を有する推薦ユーザを識別するための推薦ユーザIDが、その対象ユーザを識別するための対象ユーザIDに関連付けて、具体的な類似度を示すデータと共に記録されている。この書籍データ22B内において関連付けられている推薦ユーザが、後ほど詳述するように実施形態に係る人物推薦システムSにより対象ユーザに対して推薦される推薦ユーザである。
次に、主としてサーバ装置SVのCPU23及びユーザ端末装置PのCPU13により実行される、実施形態に係る人物推薦システムSにおける処理について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、実施形態に係る人物推薦システムSでは、各ユーザ端末装置P及びサーバ装置SVそれぞれに電源が投入されると、先ず、相互にいわゆるログイン処理が実行される(ステップS1及びS10)。このログイン処理では、対象となるユーザ端末装置Pとサーバ装置SVとの間で、パスワード等のログインデータ及びユーザデータ等の授受が実行される。
相互にログイン処理が終了すると、次にユーザ端末装置PのCPU13により、当該ユーザ端末装置Pにおいて所望される電子書籍を識別するための書籍IDがサーバ装置SVに送信される。これによりサーバ装置SVのCPU23は、当該送信されて来た書籍IDにより識別される電子書籍の書籍名及び本文それぞれのデータ等を含む書籍データを、書籍IDを送信してきたユーザ端末装置Pに送信し(ステップS11)、当該ユーザ端末装置PのCPU13はこれを受信して書籍データ12BとしてHDD12に記録する(ステップS2)。
そして書籍データを受信したユーザ端末装置Pのユーザは、受信した書籍データの電子書籍の読書を、ユーザ端末装置Pを用いて開始する(ステップS3)。このときユーザ端末装置PのCPU13は、先ずその電子書籍の本文の第1ページを読むのに要した読書時間を検出する(ステップS4)。この時CPU13は、例えば、ユーザ端末装置Pにおいて本文第1ページをディスプレイ15に表示する操作が行われたタイミングから当該第1ページを捲る操作が行われたタイミングまでの時間を、上記第1ページを読むのに要した読書時間として検出する。
次に、その電子書籍が読み進められると、ユーザ端末装置PのCPU13は、その本文の第2ページ以降のページごとに読書速度を検出する(ステップS5)。この時の読書速度は、図2を用いて説明したように、当該第2ページ以降のページの読書時間を、上記ステップS4の処理により検出された第1ページの読書時間に対する比として表した読書速度である。なおこの時の第2ページ以降のページの読書時間も、上記第1ページの場合と同様に、ページ捲りのタイミングに応じてページごとに検出される。そしてページごとに検出された読書速度は、図2(b)に例示する態様で読書データ12AとしてHDD12内に順次記録されていく。その後CPU13は、その電子書籍を読み終わったか否かを確認し(ステップS6)、未だ読書中である場合は(ステップS6;NO)、上記ステップS5に戻ってページごとの読書速度の検出及び記録を継続する。
一方ステップS6の判定において、電子書籍の読書が終了した場合(ステップS6;YES)、CPU13は、ステップS6までの処理により検出された読書速度を示す読書データ12Aをサーバ装置SVに送信する(ステップS7)。
この読書データ12Aを受信した(ステップS12)サーバ装置SVのCPU23は次に、当該受信した読書データ12Aを用いて、書籍ID及び対象ユーザのユーザIDが同一の読書データ22Aを更新する(ステップS13)。次にCPU23は、読書データ22A内において、ステップS12の処理により受信した読書データ12Aに含まれていた書籍IDの電子書籍を読書した他の一又は複数のユーザの読書データを検索する(ステップS14)。その後CPU23は、検索した読書データにおけるページごとの読書速度に基づき、ステップS7及びS12の処理により読書データを送受信した対象ユーザの読書速度と、他のユーザごとの読書速度と、の間の類似度を算出し、その結果を用いて書籍データ22B内の類似度表をユーザごとに更新する(図3(b)参照。ステップS15)。
ここで、実施形態にかかる類似度の算出方法としては、各ユーザにおける同じ電子書籍のページごとの読書速度のデータを用いたいわゆるコサイン類似度法又はユークリッド距離法等を用いるのが好適である。この場合のユークリッド距離法とは、ユーザごとの読書速度を要素とするn次元のベクトル空間において、互いのベクトル(本実施形態の場合は読書速度)間の距離を算出する方法であり、当該距離の値が小さいほど類似度が高いことになる。
次にCPU23は、書籍データ22Bの更新された類似度表に基づき、ステップS7及びS12の処理により読書データを送信してきた対象ユーザに対する類似度が予め設定された閾値以上である他のユーザのユーザIDを上記推薦ユーザのユーザIDとして抽出する(ステップS16)。この場合の閾値は、例えば実験的或いは経験的に予め求められているものである。その後CPU23は、当該抽出された推薦ユーザを示すユーザID等を、推薦ユーザデータとして上記対象ユーザのユーザ端末装置Pに送信する(ステップS17)。
これにより対象ユーザのユーザ端末装置PのCPU13は、送信されて来た推薦ユーザデータを受信し、これを例えばディスプレイ15に表示して対象ユーザに告知する(ステップS8)。その後対象ユーザは、告知された推薦ユーザについて確認し、当該推薦ユーザとその後に情報交換する等の処理を行うことになる。
その後、ユーザ端末装置PのCPU13及びサーバ装置SVのCPU23は、それぞれ、ユーザ端末装置P及びサーバ装置SVの電源がオフとされたか否かを判定する(ステップS9及びS18)。そして、それぞれの電源がオフとされていない場合(ステップS9;NO及びS18;NO)にCPU13及び23は、上記ステップS2の処理及びステップS11の処理に戻って上述してきた一連の処理を繰り返す。一方ステップS9及びステップS18の判定において、ユーザ端末装置P及びサーバ装置SVの電源がそれぞれオフとされた場合(ステップS9;YES及びS18;YES)、CPU13及びCPU23は実施形態に係る処理を終了する。
以上説明したように、実施形態の人物推薦システムSの動作によれば、各ユーザの読書速度を示すデータをユーザID及び書籍IDに関連付けて読書データ12A及び22Aとして記録すると共に、記録されている読書速度を示すデータに基づいて、対象ユーザと読書速度が類似する他の推薦ユーザを抽出する。その後、抽出された推薦ユーザを示す推薦ユーザデータを対象ユーザのユーザ端末装置Pに出力して告知させる。よって、読書速度が類似する推薦ユーザを紹介できることで、読書速度という全く新しい観点から読書体験を共有し合う人物を推薦することができる。また、読書に必然的に付随する読書速度を用いて人物を推薦できることで、純粋な読書の動作を阻害することなく読書の趣味/趣向の似ているユーザ同士を推薦することができる。
また、電子書籍を読んだ対象ユーザに対応する読書速度を示すデータ、書籍ID及びユーザIDをユーザ端末装置Pから受信し、受信された読書速度を示すデータ、書籍ID及びユーザIDを用いてHDD22に記録されている読書データ22A等を更新するので、常に新しい読書速度のデータ等を取得できることで、ユーザ同士で新しい人物推薦を常に行うことができる。
更に、読書速度を示すデータが電子書籍のページごとの比により構成されているので、読書速度の個人差を相殺できることで、類似する読書速度のユーザを適切に推薦することができる。このとき、上記比の基準となるページが電子書籍における本文の第1ページであるので、集中力がある第1ページを読むために必要な時間を基準とすることで、より適切に推薦ユーザを推薦することができる。
なお、上述したように電子書籍における本文の第1ページの読書時間を比の基準とする他に、電子書籍全体を読むために必要な時間を当該電子書籍の全ページ数で除した時間を基準とした比により、第1ページを含む全てのページの読書速度を表しても良い。この場合には、電子書籍全体を読書するために必要な時間を全ページ数で除した時間を基準とした比により読書速度が表されているので、一の電子書籍内における読書速度の時間的な変化を相殺できることで、類似する読書速度のユーザをより適切に推薦することができる。
また、上述した実施形態において、読書速度についての上記比が1を含んだ予め設定された範囲内の値であったときの当該読書速度を「0」としても良い。この場合には、上記比が1を含んだ既定範囲内の値であったときの読書速度を0とすることで、特徴的でない状態での読書状態に対する読書速度を除外することで、類似する読書速度のユーザをより適切に推薦することができる。
更に、ユーザ端末装置Pにおいて電子書籍の複数のページの内容が同時に表示される場合、上記読書速度としては、同時に内容が表示されている複数のページを読むために必要な時間を当該複数のページの数で除した値を、一ページを読むために必要な読書時間として検出するように構成しても良い。この場合には、複数のページの内容が同時に表示されるタイプのユーザ端末装置Pであっても、実用に則した態様の速度情報を用いてユーザを推薦することができる。
また、上記ステップS15の処理における類似度の判定において、読書速度に基づくコサイン類似度法を用いて読書速度間の類似度を判定する場合は、類似する読書速度のユーザをより適切に推薦することができると共に、類似度の判定方法として一般的なコサイン類似度法を用いることで、サーバ装置SVを安価に製造することができる。
更に、上述した実施形態では、電子書籍の内容を表示するユーザ端末装置Pを用いた場合について説明したが、これ以外に、例えば当該内容を音声により読み上げる聴取型のユーザ端末装置を含む人物推薦システムに対して本発明を適用することも可能である。なお本願では、推薦ユーザを示す推薦ユーザデータの視覚的な「告知(図4ステップS8参照)」と、上記聴取型のユーザ端末装置を用いた推薦ユーザデータの聴覚的な「聴取」と、の上位概念として、「提示」なる用語を用いている。
更にまた、図4に示す各フローチャートにそれぞれ対応するプログラムを光ディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはネットワークNTを介して配信されたものを取得して記録しておき、これらを汎用の例えばマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施形態に係るCPU13及びCPU23として機能させることも可能である。
以上夫々説明したように、本発明は人物推薦システムの分野に利用することが可能であり、特に読書習慣のあるユーザ同士を紹介する人物推薦システムの分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
10、20 インターフェース
11、21 メモリ部
12、22 HDD
12A、22A 読書データ
12B、22B 書籍データ
12C、22C ユーザデータ
13、23 CPU
14、24 操作部
15、25 ディスプレイ
S 人物推薦システム
SV サーバ装置
P1、P2、Pn…ユーザ端末装置
NT ネットワーク
11、21 メモリ部
12、22 HDD
12A、22A 読書データ
12B、22B 書籍データ
12C、22C ユーザデータ
13、23 CPU
14、24 操作部
15、25 ディスプレイ
S 人物推薦システム
SV サーバ装置
P1、P2、Pn…ユーザ端末装置
NT ネットワーク
Claims (11)
- 電子書籍提示装置を用いて提示される電子書籍を読む読者の読書速度を示す速度情報を、当該読者を識別するための読者識別情報及び当該電子書籍を識別するための書籍識別情報に関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶されている速度情報に基づいて、一の前記読者と前記読書速度が類似する他の前記読者を識別する前記読者識別情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出された読者識別情報により識別される前記他の読者を示す読者情報を、前記一の読者に提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置において、
前記電子書籍提示装置を用いて前記電子書籍を読んだ読者に対応する前記速度情報、前記書籍識別情報及び前記読者識別情報が当該電子書籍提示装置から送信されたとき、当該送信された速度情報、書籍識別情報及び読者識別情報を受信する受信手段と、
前記受信された速度情報、書籍識別情報及び読者識別情報を用いて前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と、
を更に備えることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記速度情報は、前記電子書籍における一のページを読むために必要な時間に対する比を用いて他のページを読むために必要な時間を表した比情報であって、当該他のページごとの比情報により構成されていることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項3に記載の情報処理装置において、
前記一のページは前記電子書籍における本文の最初のページであることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記速度情報は、前記電子書籍全体を読むために必要な時間を当該電子書籍の全ページ数で除した時間に対する比を用いて他のページを読むために必要な時間を表した比情報であって、当該他のページごとの比情報により構成されていることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記比が1を含んだ予め設定された範囲内の値であったときの前記読書速度は0とされることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記電子書籍提示装置において前記電子書籍の複数のページの内容が同時に提示される場合の前記速度情報では、前記内容が同時に提示されている前記複数のページを読むために必要な時間を当該複数のページの数で除した値が、一ページを読むために必要な時間とされていることを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、前記記憶されている速度情報に基づくコサイン類似度法を用いて前記読書速度間の類似度を判定し、前記他の前記読者を識別する前記読者識別情報を抽出することを特徴とする情報処理装置。 - 電子書籍提示装置を用いて提示される電子書籍を読む読者の読書速度を示す速度情報を、当該読者を識別するための読者識別情報及び当該電子書籍を識別するための書籍識別情報に関連付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記記憶されている速度情報に基づいて、一の前記読者と前記読書速度が類似する他の前記読者を識別する前記読者識別情報を前記記憶手段から抽出する抽出工程と、
前記抽出された読者識別情報により識別される前記他の読者を示す読者情報を、前記一の読者に提示する提示工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - 電子書籍提示装置を用いて提示される電子書籍を読書する読者の読書速度を示す速度情報を、当該読者を識別するための読者識別情報及び当該電子書籍を識別するための書籍識別情報に関連付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置に含まれるコンピュータを、
前記記憶されている速度情報に基づいて、一の前記読者と前記読書速度が類似する他の前記読者を識別する前記読者識別情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段、及び、
前記抽出された読者識別情報により識別される前記他の読者を示す読者情報を、前記一の読者に提示する提示手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電子書籍提示装置に含まれるコンピュータを、
前記電子書籍の提示中において前記読書速度を検出する検出手段、
前記検出された読書速度を示す前記速度情報を生成する生成手段、及び、
前記生成された速度情報を、前記コンピュータを含む前記電子書籍提示装置において提示された前記電子書籍を識別するための前記書籍識別情報、及び前記提示された電子書籍を読んだ前記読者を識別するための前記読者識別情報と共に前記情報処理装置に送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
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