JP5990966B2 - 不燃性化粧パネル - Google Patents

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Description

本発明は、不燃性化粧パネルに関するものである。
メラミン化粧板は硬く、耐水性、耐汚染性、耐傷付き性が良好なため、車輌の内装用途、家具や建築用途等、様々な分野で使用されてきているが、近年では、様々な箇所で不燃性又は難燃性等の耐熱性を要する材料の設置が要求されるに至っており、金属を芯材にもちいた材料、あるいは、金属で熱硬化性樹脂を含む不燃性コア層を挟んだ構成体を芯材にもちいて軽量化や低コスト化をおこなったユニット材料(例えば特許文献1)が提案されている。しかし、これらの材料は、メラミン表面に延性がなく、メラミン化粧板自体の厚みが厚くなるため、曲げ加工性は制限され、小Rの内曲げや外曲げ加工は困難であった。
特開2002−137327号公報
本発明は、メラミン化粧板の表面硬度を維持しつつ、内外曲げ加工することができ、かつ、発熱量を抑制して充分な不燃性を有する不燃性化粧パネルを提供するものである。
このような目的は、下記の本発明[1]〜[7]により達成される。
[1] 表面化粧層、第1の金属層、芯材層、及び第2の金属層がこの順に積層された構造を有する不燃性化粧パネルであって、
前記表面化粧層は、意匠面となる第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を内部に担持する表面化粧層基材からなる表面化粧層材料で構成され、前記芯材層は合成樹脂からなり、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は、厚みが0.2mm以上であり、化粧パネル全体の厚みが1.0〜8.0mmであり、前記合成樹脂が、熱可塑性樹脂であり、前記熱可塑性樹脂が、難燃剤を含むことを特徴とする不燃性化粧パネル。
[2] 前記メラミン樹脂の重量平均分子量が、200〜500である前記[1]に記載の不燃性化粧パネル。
[3] 前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン及びポリ酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む前記[1]又は[2]に記載の不燃性化粧パネル。
[4] 前記第1の金属層及び前記第2の金属層はアルミニウム層である前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
[5] 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するウレタンアクリル複合粒子を含む、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
[6] 前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプである、前記[5]に記載の不燃性化粧パネル。
[7] 前記不燃性化粧パネルが、第2の金属層の芯材層と反対側に更に表面化粧層を有する前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
本発明は、化粧面への力に対する剛性(以下、面剛性という)に優れ、かつ高い加工性を有する樹脂化粧パネルに関するものであり、高圧メラミン樹脂化粧板の持つ優れた表面性能を維持し、複数の金属薄板を配する事で高い面剛性を持ちながら軽量化と不燃化を図ることを可能とするものである。
本発明によれば、メラミン化粧板の表面硬度を維持しつつ、内外曲げ加工することができ、かつ、発熱量を抑制して充分な不燃性を有する不燃性化粧パネルを提供することができる。
本発明の不燃性化粧パネルの構成の一例を表す概念図である。 本発明の請求項8記載の不燃性化粧パネルの構成の一例を表す概念図である。
以下、本発明の不燃性化粧パネルについて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の不燃性化粧パネルの断面の構成を示したものである。
不燃性化粧パネル101は、表面化粧層10、第1の金属層11、芯材層12、及び第2の金属層13とから構成されている。
本発明の不燃性化粧パネルは、表面化粧層、第1の金属層、芯材層、及び第2の金属層をこの順で積層することにより製造することができるものである。
以下に、本発明の不燃性化粧パネルについて詳細に説明する。
本発明の不燃性化粧パネル101(以下、単に「化粧パネル」ということがある)は、
表面化粧層10、第1の金属層11、芯材層12、及び第2の金属層13が、この順に積層された構造を有する不燃性化粧パネルであって、
前記表面化粧層は、意匠面となる第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面化粧層基材からなる表面化粧層材料で構成され、前記芯材層は合成樹脂からなることを特徴とする。
最初に、本発明の化粧パネルに用いる表面化粧層について説明する。
本発明の表面化粧層材料は、表面化粧層基材の意匠面である第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する(すなわち意匠面と反対側である)第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持してなるものである。
前記表面化粧層基材は、第1の面側に意匠面が形成されたシート状の基材である。前記表面化粧層基材の材質は特に限定されないが、好ましくは、パルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維などを用いることができ、必要に応じて、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙などを用いることができる。
前記表面化粧層基材の坪量は特に限定されないが、40〜150g/mであることが好ましい。坪量が前記下限値未満であると、樹脂含浸工程での切れ、しわの問題から、塗工処理が困難であり、さらに第1の面と第2の面それぞれに担持させる樹脂含浸量を調整する事も困難である。一方、坪量が前記上限値を超えると、表面化粧層基材が担持する樹脂の含浸量にムラが生じ、表面化粧層10の柔軟性を低下させると共に、生産性低下、コスト高の原因となるため好ましくない。
本発明に用いる表面化粧層材料は、表面化粧層基材の第1の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂が担持されてなる。これにより、表面化粧層材料の第1の面側の表面、即ちメラミン樹脂化粧板表面に好適な表面硬度を付与することができる。
メラミン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、メラミンとホルムアルデヒドを中性又は弱アルカリ下において反応させて得られるものを用いることができる。メラミンに対するホルムアルデヒドの反応モル比((ホルムアルデヒドのモル量)/(メラミンのモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は、特に限定されないが、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.0、さらに好ましくは1.1〜1.8として、反応させて得られたものを好適に用いることができる。反応モル比が前記下限値未満であると、未反応成分が増加し保存性低下、コスト高となり、前記上限値を超えると硬化後の樹脂柔軟性低下が著しくなる。なお、メラミン樹脂としては、1種類が単独で含まれるもの用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、メラミン樹脂としては、住友化学(株)製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
メラミン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、200〜500が好ましく、特に250〜350が好ましい。分子量が前記下限値よりも小さいと、未反応分が多くなり、保存性が低下し、前記上限値よりも大きいと、基材への含浸性が低下する。なお、前記重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
前記メラミン樹脂を含有する樹脂を表面化粧層基材の第1の面側に担持させる方法としては、特に限定されないが、前記樹脂を溶剤に溶解した樹脂ワニスを、例えば、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーターなどの公知の装置を用いて塗工した後、80〜130℃程度で加熱乾燥する方法等が挙げられる。なお、前記加熱乾燥後の樹脂含浸紙には、当該樹脂含浸紙全体の重さを100質量%としたときに、2〜6質量%の揮発分(溶剤)が残存する事が好ましい。これにより、樹脂含浸紙の取り扱いが容易になり、また加熱成形時において、第1の面側に担持させたメラミン樹脂の樹脂フローが向上する事で化粧板の意匠外観・表面光沢度が良好となるからである。揮発分が2%以下では樹脂含浸紙が割れ易く取り扱いが困難となり、樹脂フローの低下もあり外観形成に支障が生じる。また、揮発分が6%以上にした場合、成形後の乾燥環境下では、化粧板反り(シートカール)が増大しやすくなり、7.5%以上では化粧板外観での光沢転写性に揮発分の影響が生じて来る。
前記メラミン樹脂を含有する樹脂を溶解する溶剤としては、特に限定されないが、例えば、水、メタノール等が挙げられる。中でも水が好ましい。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。前記樹脂ワニスの固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、前記樹脂ワニスの30〜70質量%が好ましく、特に45〜60質量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
本発明の表面化粧層材料は、表面化粧層基材の意匠面と反対側である第2の面側には、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が担持されてなる。なお、本発明において、熱可塑性エマルジョン樹脂とは、熱可塑性樹脂を含むが溶剤に分散してエマルジョン状態となったものである。また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分とは、熱可塑性エマルジョン樹脂から溶剤を除いた成分を意味する。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、エマルジョン樹脂粒子として存在する成分を含み、金属や各種素材との接着特性を有し、メラミン樹脂化粧板に柔軟性を付与する。従って、第2の面側には、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が担持することにより、表面化粧層と第1の金属層との接着強度を向上させることができる。
前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分には、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。本発明において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。ウレタン樹脂とアクリル樹脂とは、各々が芯材層との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、芯材層との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
また、本発明において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。また、前記ウレタンアクリル複合粒子が、表面化粧層材料の第1の面側に担持された時の粒子間の配列状態は、特に限定されないが、例えば、直鎖構造等が挙げられる。粒子の構造及び粒子間の配列状態は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。これらの中でも、前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプであることが特に好ましい。ウレタンアクリル複合粒子が上記コアシェル構造であると、表面化粧層材料の第2の面側に担持させたときに、表面外郭がウレタン組成となるので、表面化粧層材料の第2の面側は、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の両方の特性を有しつつ、外郭にウレタン樹脂の特性が付与される。
なお、本発明において「水性クリヤー」とは、樹脂液は水溶性であり水分を飛ばした後の塗膜は非水性で、かつ下地の色柄が明らかに識別出来る程の透明性を持つ樹脂水溶液を意味する。表面化粧層材料の第2の面側に担持される樹脂が水性クリヤータイプであることにより、表面化粧層が有する意匠面の色調に及ぼす影響を抑制することができる。
なお、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、これらの中の1種類が単独で含まれるもの用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むもの用いることもできる。
また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分には、上記熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等を含んでいても良い。
前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、平均粒径が30〜100nmのエマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、前記エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60〜90nmであることが特に好ましい。これにより、表面化粧層基材の繊維間への含浸性が向上し、より表面化粧層基材の内部に含浸させることができるため、表面化粧層に良好な柔軟性を付与することができる。
また、前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、非水溶性であることが好ましい。これにより、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が表面化粧層材料の第1の面側へと移行して、第1の面側に担持されているメラミン樹脂と混合して、第1の面側のメラミン樹脂による表面性能を損なうことを防止することができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を表面化粧層基材の第2の面側に担持させる方法としては、特に限定されず、メラミン樹脂を含有する樹脂を表面化粧層基材の第1の面側に担持させる上述の方法と同様にして行うことができる。つまり、溶剤に溶解されたエマルジョン状態の前記熱可塑性エマルジョン樹脂を塗工、加熱乾燥する方法等が挙げられる。なお、前記加熱乾燥後の樹脂含浸紙には、当該樹脂含浸紙全体の重さを100質量%としたときに、2〜6質量%の揮発分が残存することが好ましい。これにより、樹脂含浸紙の取り扱いが容易になり、また加熱成形時において、第1の面側に担持させたメラミン樹脂の樹脂フローが向上する事で化粧板の意匠外観・表面光沢度が良好となるからである。
前記熱可塑性エマルジョン樹脂に用いられる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、水等が挙げられる。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。
前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、前記熱可塑性エマルジョン樹脂の25〜60質量%が好ましく、特に30〜45質量%が好ましい。これにより、前記熱可塑性エマルジョン樹脂の基材への含浸性を向上できる。
次に、第1及び第2の金属層について説明する。
本発明の化粧パネルには、第1及び第2の金属層を用いる。これにより、雰囲気中からの吸湿を抑え、吸湿による膨潤を防ぎ、化粧パネル表面のフクレ発生を防止させることができる。
第1及び第2の金属層を形成する金属としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスなどが挙げられる。これらの中でも、汎用性、経時安定性、価格などの点から、アルミニウムを用いることが好ましい。
ここで用いられるアルミニウム層は、アルミニウム箔又はアルミニウム板を適用することができ、メラミン化粧板に、耐熱性、不燃性、剛性などを付与することができる。
このアルミニウム層の厚みとしては、0.2mm以上とすることが好ましい。これにより、化粧板に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。
第1、第2の金属層の厚みが0.2mm未満であると、熱放散性が十分ではなく、また燃焼時の熱により貫通してしまい、十分な不燃性が得られない。
第1及び第2の金属層としては、このような厚みを有する金属箔、金属板などを用いることができる。
また、これらの金属層は、必要に応じて加熱時の放熱を促す処理、あるいは吸熱し芯材層への熱伝播を防ぐ処理を施してもよい。
第1及び第2の金属層と接する層との密着方法については特に制限はないが、金属層の一方又は両方の面に、密着させる処理、材料を介す方法が挙げられる。
金属層と接する層とを密着させる処理としては、プライマー処理、金属層腐食処理、サンディング処理等が挙げあられ、密着させる材料としては、エポキシ系、アクリル系、ポリウレタン系、合成ゴム系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリオレフィン系、ポリアミド系などのホットメルト接着剤あるいは接着フィルム、ガラスクロスプリプレグなどが挙げられる。
更に、接着剤層、粘着フィルムに替えて、ポリエステル等の熱可塑性シートを介して、熱圧着により溶着すること、芯材層の表面に共押出によって接着層を設け密着させることもできる。
また、芯材層の樹脂によっては、樹脂の融点以上の温度をかけて直接溶着することもできる。
また、接着効果は無くとも、被着体同士よりも密着の良いものとして例えばガラスクロスを用いることができる。ガラスクロスは、表面化粧層の第2の面側に担持される熱可塑性エマルジョン樹脂と、プライマー処理した芯材層のそれぞれとの密着性が良好であり、表面化粧層の第2の面側とプライマー処理した芯材層とを直接接するよりも接着性が大きく向上する。これにより、化粧パネルの表面化粧層と芯材層との接着力を強化することができる。
上記ガラスクロスあるいはプリプレグ基材で用いるガラスクロスとしては、特に限定されないが、例えば、ガラス織布、ガラス不織布等が挙げられ、中でも不燃性、強度の点からガラス織布が好ましい。
また、ガラスクロスを構成するガラスとしては、例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもTガラスが好ましい。これにより、ガラスクロスの熱膨張係数を小さくすることができる。
また、ガラスクロス以外にも、不織布、コア紙、チタン紙、カーボンファイバークロス、アラミド繊維クロスなどを用いてもよい。
前記プリプレグとしては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物を上述のガラスクロスに含浸してなるものを用いることができる。前記樹脂組成物としては、前記表面化粧層と第1の金属層、第1の金属層と芯材層との層間接着強度が、化粧パネルを形成するために十分であれば、特に限定されないが、熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられ、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等があげられ、これらを単独あるいは混合してもちいることができる。
前記プリプレグは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、上述したガラスクロスと同様のガラスクロスに、前記樹脂組成物を溶剤に溶解させたワニスを含浸、乾燥させることにより得られる。
次に、本発明の化粧パネルで用いられる芯材層について説明する。
ここで用いられる芯材層の厚みは、0.5〜6.5mm、であり、2.0〜4.0mmであることがさらに好ましい。芯材層の厚みが前記下限値未満であると、相対的に金属層の厚みが増えるため軽量化が困難となり、芯材層の厚みが前記上限値を超えると小Rでの外曲げが困難になる。
本発明に用いる芯材層は、合成樹脂からなるものであり、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでも用いることができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、好ましくは環境に悪影響を及ぼすハロゲンを含まない、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等を用いることができる。
また、これらの合成樹脂には、必要に応じて加熱時の発熱、着火、樹脂流動を抑える難燃剤などの添加剤を含んでもよい。
本発明の芯材層は、合成樹脂の性状に適した形態として、シート状、発泡体、中空体、ハニカム構造等の形態を取ることができる。
本発明の化粧パネル全体の厚みは、1.0〜8.0mmである。化粧パネルの厚みが前記下限値を下回ると、化粧パネルの強度が低下し、前記上限値を超えると、内外曲げ加工が困難になり好ましくない。
本発明の化粧パネルの製造方法としては特に限定されないが、
例えば、表面化粧層、第1の金属層、芯材層及び第2の金属層の各層間に、密着させる処理を施すあるいは密着させる材料を介して積層する方法、
例えば、第1の金属層、芯材層及び第2の金属層をこの順で積層したものを作製しておき、別に作製した表面化粧層と、接着剤層、粘着フィルム等を介して積層することにより製造することができる。
具体的には、合成樹脂よりなる芯材層の片面に第1の金属層を、反対側の面に第2の金属層を重ね合わせ、成形温度138〜152℃、成形圧力6.5〜9.0MPaにて加熱加圧成形することにより複合板を製造することができる。
この他、押出ラミネート成形、注入成形等の手段により複合板を製造することもできる。
押出ラミネート成形法としては、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などを例示することができる。
そして、本発明の化粧パネルは、得られた複合板の第1の金属層側に接着剤層を介して、表面化粧層の意匠面と反対側の面を積層し、コールドプレスにて0.1〜0.5MPaで圧着する、ことにより製造することができる。
あるいは、ヒートシールなどの粘着フィルムを介してホットラミネートする
以下に、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
表面化粧層基材として、米坪80g/mの酸化チタン含有化粧紙を用いた。
上記基材の第一の面側(意匠面側)には、メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50重量%)を固形分で50g/m塗工した。
上記基材の第二の面側には、ウレタンアクリル樹脂エマルジョンを含有する水性クリヤー(中央理化工業社製「SU−100」、平均粒径84nm)を固形分で40g/m塗工し、加熱乾燥して、表面化粧層用含浸紙1を得た。
また、米坪145g/m の未晒しクラフト紙からなる基材に、フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比1.2にて乳化反応し、粘度120cps/20℃の脱水濃縮タイプのフェノール樹脂ワニスを得た後、メタノールにより粘度27cps/35℃に調整した含浸用フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥して、樹脂量48%、揮発分5%の接着含浸紙3を得た。
また、第1の金属層として両面サンディングされた厚さ0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)、接着含浸紙7枚、第2の金属層として0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面サンディング処理品)を順次重ね合わせた後に、ステンレス艶消し板と表面化粧層用含浸紙1が接触する様に、かつ、このステンレス板間に、当該化粧板構成素材セットを背中合わせに2組ずつ組み込んだ。プレスは、圧力8.0MPaに保持した。熱盤温度を160℃とし、製品最高温度が142℃になるまで加熱した後、冷却し、厚さ3.1mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして表面化粧層用含浸紙1及び接着含浸紙3を得た。
これらの表面化粧層用含浸紙1、接着含浸紙3に続いて、第1の金属層として表面をエポキシ樹脂によるプライマー処理を施した厚さ0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)を挿入し、厚さ1.0mmの難燃ポリカーボネートシート、続いて第2の金属層として0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面エポキシプライマー処理品)を順次重ね合わせた後に、ステンレス艶消し板と表面化粧層用含浸紙1が接触する様に、かつ、このステンレス板間に、当該化粧板構成素材セットを背中合わせに2組ずつ組み込んだ。プレスは、スペーサーを介し、圧力2.0MPa に保持した。熱盤温度を160℃とし、製品最高温度が142℃になるまで加熱した後、冷却し、厚さ3.0mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。
(比較例1)
表面化粧層基材として、米坪80g/mの酸化チタン含有化粧紙を用いた。
上記基材の第一と第二の面にメラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50重量%)を固形分で各55g/mずつ、計110g/m塗工した。
実施例1において、表面化粧用含浸紙1に替えて、上記で得られた表面化粧層用含浸紙4を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ3.1mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。
(比較例2)
第1の金属層として両面サンディングされた厚さ0.1mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)、接着含浸紙7枚、第2の金属層として0.1mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面サンディング処理品)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.7mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。
(比較例3)
第1の金属層と第2の金属層の間に用いる接着含浸紙を35枚にした以外は、実施例1と同様にして、厚さ8.5mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。芯材層部分の厚みは7.0mmであった。
(比較例4)
第1の金属層として両面サンディングされた厚さ0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)、接着含浸紙7枚、第2の金属層として0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面サンディング処理品)を順次重ね合わせた後に、圧力8.0MPa、熱盤温度を160℃とし、製品最高温度が142℃になるまで加熱プレスした後、冷却して試料1を得た。
表面化粧層基材として0.2mmオレフィンシート(塩化ビニル樹脂印刷シート)を用い、第一の金属層表面の表面化粧層基材側にウレタン系接着剤を施した試料1を重ね80℃、30分で硬化させ、厚さ3.1mmの試料を得た。
(試験方法)
1.不燃性試験:運輸省鉄道営業法構造規則に定める鉄道車両用材料燃焼試験による。
2.内曲げR試験:室温(25℃)、75mmRにて外曲げ成形を行い、意匠面の割れの有無を確認した。
3.外曲げR試験:室温(25℃)、75mmRにて外曲げ成形を行い、意匠面の割れの有無を確認した。
4.表面硬度:JIS K 5401の塗膜鉛筆引っ掻き試験による。
5.耐汚染性試験:JIS K6902の耐汚染性試験(試薬A)による。
本発明による化粧パネルは、良好な曲げ加工性、不燃性、曲げ強度を有したものである。
そして、表面化粧層には、従来の化粧板と同様の表面化粧層基材が使用できるため、豊富な色柄から自由に選択でき、且つ、車両等における不燃性を有する材料の規制を受ける天井、壁等の用途に広く適用することができるものである。
10 表面化粧層
11 第1の金属層
12 芯材層
13 第2の金属層
101 不燃性化粧パネル

Claims (7)

  1. 表面化粧層、第1の金属層、芯材層、及び第2の金属層がこの順に積層された構造を有する不燃性化粧パネルであって、
    前記表面化粧層は、意匠面となる第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を内部に担持する表面化粧層基材からなる表面化粧層材料で構成され、前記芯材層は合成樹脂からなり、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は、厚みが0.2mm以上であり、化粧パネル全体の厚みが1.0〜8.0mmであり、
    前記合成樹脂が、熱可塑性樹脂であり、
    前記熱可塑性樹脂が、難燃剤を含むことを特徴とする不燃性化粧パネル。
  2. 前記メラミン樹脂の重量平均分子量が、200〜500である請求項1に記載の不燃性化粧パネル。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン及びポリ酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2記載の不燃性化粧パネル。
  4. 前記第1の金属層及び前記第2の金属層はアルミニウム層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
  5. 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するウレタンアクリル複合粒子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
  6. 前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプである、請求項5に記載の不燃性化粧パネル。
  7. 前記不燃性化粧パネルが、前記第2の金属層の前記芯材層と反対側に更に表面化粧層を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
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