JP5990436B2 - 無線通信システムおよび無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システムに関し、例えば近接場での無線通信に好適に利用できるものである。
非接触カップリングを用いた近接場での無線通信技術が知られている。非接触カップリングは、例えば、誘導性カップリング又は容量性カップリングである。非接触カップリングを用いた近接場での無線通信技術は、限られた伝送可能距離(例えば、数十μm〜数cm)において高いビットレートを実現できる利点がある。非特許文献1〜3は、一対のインダクタの誘導性カップリングを用いてベースバンド信号を伝送する通信システムを開示している。また非特許文献1〜3は、同一方向又は双方向において同時に複数チャネル通信を行うために、複数のインダクタ対を配置することを開示している。
特許文献1は、一対の信号線(有線伝送路)に差動モード信号及び同相モード信号を同時に送信可能な有線通信システムを開示している。なお、特許文献1は、DVI(Digital Visual Interface)、LVDS(Low Voltage Differential Signal)等を対象としている。すなわち、特許文献1では、一対の信号線を用いて送信される差動モード信号及び同相モード信号は共に、変調されていないベースバンド信号である。
特開2002−204272号公報
N. Miura et al., "A High-Speed Inductive-Coupling Link With Burst Transmission", IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL. 44, NO. 3, March 2009, pp. 947-955 T. Takeya et al., "A 12Gb/s Non-Contact Interface with Coupled Transmission Lines", IEEE International Solid-State Circuits Conference, Digest of Technical Papers, 2011, pp. 492-494 Y. Yoshida et al., "A 2 Gb/s Bi-Directional Inter-Chip Data Transceiver With Differential Inductors for High Density Inductive Channel Array", IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL. 43, NO. 11, November 2008, pp. 2363-2369
非特許文献1〜3に開示された近接場での無線通信システムは、同一方向又は双方向において同時に複数チャネル通信を行うために複数のインダクタ対を必要とするという問題がある。複数のインダクタ対を配置することは、例えば、実装面積の増大を招くおそれがある。
また、同一方向又は双方向において同時に複数チャネル通信を行うために、時分割多重または周波数分割多重等の多重化方式を利用することが考えられる。しかしながら、時間又は周波数などのリソースを複数のチャネル間で排他的に利用する多重化方式は、1つのチャネルが利用できるリソースが制限されるため、高いビットレートでの通信を妨げる要因となるおそれがある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施形態において、第1及び第2の通信機は、第1及び第2の結合素子の間の非接触カップリングを介して、差動モード信号及び同相モード信号を同時に無線伝送できるよう構成されている。
上述した一実施形態によれば、結合素子対の非接触カップリングを用いた無線通信システムにおいて、複数の結合素子対の使用を必須とすることなく、かつ時分割多重又は周波数分割多重といったリソース分割を必須とすることなく、同一方向又は双方向での複数チャネル通信を行うことができる。
第1の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る一対の結合素子を介した差動モード伝送及び同相モード伝送を説明するための図である。 第1の実施形態に係る一対の結合素子を介した差動モード伝送及び同相モード伝送を説明するための図である。 第1の実施形態に係る結合素子の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る一対の結合素子の差動モード利得(Sdd21)及び同相モード利得(Scc21)の一例を示すグラフである。 第1の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る同相モード送信機の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る同相モード送信機の他の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る同相モード受信機の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る同相モード受信機の他の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る無線通信システムの応用例を示す図である。 第1の実施形態に係る無線通信システムの応用例を示す図である。 第1の実施形態に係る無線通信システムの応用例を示す図である。 第2の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る通信機の構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る通信機の構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る通信機の構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る通信機の構成例を示す図である。 第3の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第3の実施形態に係る送信電力制御手順の一例を示すシーケンス図である。 第4の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第4の実施形態に係る通信開始手順の一例を示すシーケンス図である。 第4の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第4の実施形態に係る通信開始手順の一例を示すシーケンス図である。 第4の実施形態に係る通信機の構成例を示す図である。 第5の実施形態に係る無線通信システムにおける差動モードの送信データと同相モードの搬送波の関係を示す図である。 第5の実施形態に係る無線通信システムにおける差動モードの送信データと同相モードの搬送波の関係を示す図である。 第5の実施形態に係る無線通信システムにおける差動モードの送信データと同相モードの搬送波の関係を示す図である。 第6の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第6の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る無線通信システム1の構成例を示している。無線通信システム1は、2つの通信機2及び3を含む。通信機2は、差動モード送信機(DMTX(Differential Mode Transmitter)21、信号線対22、結合素子23、及び同相モード受信機(CMRX(Common Mode Receiver)24を含む。また通信機3は、差動モード受信機(DMRX(Differential Mode Receiver)31、信号線対32、結合素子33、及び同相モード送信機(CMTX(Common Mode Transmitter)34を含む。信号線対22は結合素子23の両端のポートP1A及びP1Bに接続され、信号線対32は結合素子33の両端のポートP2A及びP2Bに接続される。なお、結合素子23及び33についての詳細は後述する。
通信機2及び3は、一対の結合素子23及び33の間に形成される非接触カップリングを介して、差動モード信号及び同相モード信号を同時に無線伝送できるよう構成されている。一対の結合素子23及び33は、差動モード信号を送信するための送信及び受信カプラ(又はアンテナ)、並びに同相モード信号を送信するための送信及び受信カプラ(又はアンテナ)を兼ねる。差動モード信号及び同相モード信号の伝送方向は、同一方向でも良いし逆方向(双方向)であってもよい。したがって、無線通信システム1は、一対の結合素子23及び33の非接触カップリングを介して同一方向又は双方向において同時に複数チャネル通信を行うことができる。
図1の例では、差動モード信号及び同相モード信号の伝送方向が逆方向である。つまり、通信機2から通信機3に差動モード信号が送信され、通信機3から通信機2に同相モード信号が送信される。図1に示された差動モード送信機(DMTX(Differential Mode Transmitter)21は、データ信号D1がエンコードされた差動モード信号によって信号線対22及び結合素子23を駆動する。差動モード受信機(DMRX(Differential Mode Receiver)31は、結合素子33及び信号線対32を介して差動モード信号を受信し、データ信号D1を復元する。同相モード送信機(CMTX(Common Mode Transmitter)34は、データ信号D2がエンコードされた同相モード信号によって信号線対32及び結合素子33を駆動する。同相モード受信機(CMRX(Common Mode Receiver)24は、結合素子23及び信号線対22を介し同相モード信号を受信し、データ信号D2を復元する。図1に示された信号波形A〜Dは、送信されるデータ信号D1、受信されたデータ信号D1、送信されるデータ信号D2、及び受信されたデータ信号D2の信号波形の具体例をそれぞれ示している。
しかしながら、図1の構成例は一例に過ぎず、既に述べたように差動モード信号及び同相モード信号の伝送方向は同一方向であってもよい。また、無線通信システム1は、差動モード伝送のためのDMTX及びDMRXのペアを複数組有してもよいし、同相モード伝送のためのCMTX及びCMRXのペアを複数組有してもよい。
続いて以下では、一対の結合素子23及び33による無線伝送の詳細、及び一対の結合素子23及び33の構成例について詳細に説明する。結合素子23及び33は、互いにDC(Direct Current)分離されており、非接触カップリングによってエネルギー(信号)の伝達を行うことができる。言い換えると、結合素子23及び33は、AC(alternating current)カップリングされ、ACカップリングによってエネルギーの伝達を行うことができる。結合素子23及び33の非接触カップリングは、誘導性カップリング及び容量性カップリングの少なくとも一方を含み、好ましくは誘導性カップリング及び容量性カップリングの両方を含む。後述するように、結合素子23及び33を差動モード信号及び同相モード信号の両方によって同時に駆動する場合、結合素子23及び33の非接触カップリングは誘導性カップリング及び容量性カップリングの両方の特性を示すと考えられる。
誘導性カップリングを形成した結合素子間では、一方の結合素子(例えば、結合素子23)を流れる電流の周りに生じる磁界(磁束密度)がエネルギーの伝達に寄与する。誘導性カップリングは、磁界カップリング又は磁気カップリングと呼ぶこともできる。具体的には、一方の結合素子(例えば、結合素子23)が差動モード信号によって駆動されると、一方の結合素子(例えば、結合素子23)に差動モード信号に応じて時間変動する電流が流れ、一方の結合素子(例えば、結合素子23)の周囲に時間変動する磁界が発生する。そして、この時間変動する磁界内に他方の結合素子(例えば、結合素子33)が配置されることにより、差動モード信号を反映した誘導起電力が他方の結合素子(例えば、結合素子33)に発生する。これにより、一方の結合素子(例えば結合素子23)から他方の結合素子(例えば結合素子33)に差動モード信号が伝送される。例えば、送信される差動モード信号がNRZ(Non Return Zero)信号又はRZ(Return Zero)信号等の差動ベースバンド信号(パルス波信号)である場合、一方の結合素子(例えば、結合素子23)を流れる差動ベースバンド信号に基づく交流電流の時間微分に応じたパルス電圧変化が他方の結合素子(例えば、結合素子33)に励起される。この場合、DMRX31は、励起されたパルス電圧変化を検出することによって、送信されたベースバンド信号(例えば、NRZ信号)を復元すればよい。
一方、容量性カップリングを形成した結合素子間では、空間的に分離された2つの導電体の間(つまり2つの結合素子の間)に生じる電界がエネルギーの伝達に寄与する。容量性カップリングは、電界カップリングと呼ぶこともできる。具体的には、一方の結合素子(例えば、結合素子33)が信号線対(例えば、信号線対32)を介して同相モード信号によって駆動される。なお、同相モード信号が供給された信号線対(例えば、信号線対32)は、1本の信号線のように振る舞うと考えられる。同相モード信号に応じた一方の結合素子(例えば、結合素子33)の電位変動は、静電誘導によって他方の結合素子(例えば、結合素子23)に交流電圧を誘起する。これにより、同相モード信号が他方の結合素子(例えば、結合素子23)に伝達される。例えば、送信される同相モード信号が変調された搬送波信号である場合、他方の結合素子(例えば、結合素子23)の同相モード電位は、変調された搬送波信号に従って変化する。この場合、CMRX24は、他方の結合素子(例えば、結合素子23)によって受信された同相モード電位を検出し、受信した搬送波信号に対する復調処理を行ってデータ信号を復元すればよい。
以上に述べた定性的な考察から理解されるように、差動モード信号は主に結合素子23及び33の間の誘導性カップリングによって伝送され、同相モード信号は主に結合素子23及び33の間の容量性カップリングによって伝送されると考えられる。したがって、結合素子23及び32の構造および配置は、差動モード伝送のための誘導性カップリングと同相モード伝送のための容量性カップリングを共に効果的に形成できるように決定されることが望ましい。本実施形態の無線通信システム1に好適な結合素子23及び32の構造および配置の具体例について以下に説明する。
一例において、図2(A)及び(B)に示されるように、結合素子23及び33の各々は、導電性ループを有するインダクタであってもよく、より具体的にはコイルであってもよい。なお、図2(A)及び(B)は、差動モード信号及び同相モード信号が同一方向に伝送される例を示している。差動モード伝送の場合、図2(A)に示されるように、結合素子23及び33によってトランス構造が形成される。具体的に述べると、差動モード信号を構成する互いに逆位相の2つの信号によって結合素子23(つまり、導電性ループ又はコイル)の両端のポートP1A及びP1Bが駆動される。なお、ここでP1A、P1BをミックスドポートとしたポートをP1と称する。図2(A)に示された信号波形A及びBはポートP1に入力される差動モード信号を示している。これにより、導電性ループ又はコイルを貫く磁界H(磁束密度B)が発生し、差動モード信号に基づく電流に応じた磁界H(磁束)の変化を妨げるように結合素子33(つまり、導電性ループ又はコイル)の両端のポートP2A及びP2Bの間に誘導起電力が生じる。なお、ここでP2A、P2BをミックスドポートとしたポートをP2と称する。図2(A)に示された信号波形C及びDはポートP2から出力される差動モード信号を示している。
一方、同相モード伝送の場合、図2(B)に示されるように、同相モード信号を構成する互いに同位相の2つの信号によって結合素子23の両端のポートP1A及びP1Bが駆動される。図2(B)に示された信号波形A及びBはポートP1に入力される同相モード信号を示している。これにより、結合素子23の電位が同相モード信号に応じて変化し、結合素子33の電位も同相モード信号に応じて変化する。図2(B)に示された信号波形C及びDはポートP2から出力される同相モード信号を示している。したがって、結合素子33の両端のポートP2A及びP2Bから同相モード信号を取り出すことができる。
他の一例において、図3(A)及び(B)に示されるように、結合素子23及び33の各々は、導電性ループを有するインダクタとされ、互いの導電性ループが対向するように配置されてもよい。図3(A)及び(B)では、結合素子23及び33の各々は、1巻きのコイルとみなすことができる。2つの導電性ループの対向配置によって、図3(A)から理解されるように、結合素子23を流れる電流によって生じる磁界H(磁束)が効率よく結合素子33の導電性ループを貫くため、結合素子23から結合素子33への差動モード利得(伝達係数)の向上に寄与することができる。さらに、図3(B)から理解されるように、結合素子23及び33を構成する2つの導電性ループが等距離で向かい合う配置によって、結合素子23及び33の容量性カップリング係数を高めることができる。
さらに、詳しく述べると、図3(A)及び(B)の例では、各導電性ループは、線対称な形状を有する。線対称な形状は、差動モード信号及び同相モード信号の伝送品質の向上に寄与する。すなわち、線対称な形状を採用することで、差動モード信号及び同相モード信号の対称性を向上することができる。したがって、例えば、高いビットレートでの通信を行う場合でも、精度良くデータを伝送することができる。
また、図3(A)及び(B)の例では、2つの導電性ループ(結合素子23及び33)は、一方の導電性ループの対称軸を含む平面と他方の導電性ループの対称軸を含む平面が平行となるように配置されている。このような配置によって、特に差動伝送に寄与する磁気エネルギーを効率良く伝送できることができる。
さらにまた、図3(A)及び(B)の例では、2つの導電性ループ(結合素子23及び33)は、同一形状を有する。同一形状を採用することで、例えば、通信機2及び3の双方が送信及び受信機を持つ構成とした場合に、各々に同一仕様の送信機及び受信機を利用することができ、装置構成を共通化できる利点がある。これに対して、2つのカプラ(つまり、2つの導電性ループ)の形状が異なる場合、カプラの負荷が異なるために、異なるカプラを駆動するための互いに異なる送信機を通信機2及び3に設ける必要があり、異なる振幅又は異なるパルス波形の信号を受信するための互いに異なる送受信機を通信機2及び3に設ける必要がある。したがって、2つのカプラ(つまり、2つの導電性ループ)の形状が異なる場合には、通信機2及び3をそれぞれカスタム化して設計する必要が生じる。
図3(A)及び(B)に示したインダクタとしての結合素子23及び33は、配線基板上のプリント配線、半導体パッケージ内のリードフレーム(つまり、インナーフレーム)、又は半導体基板上の配線層によって形成されてもよい。配線基板は、リジッド配線基板でもよいし、フレキシブル配線基板でもよい。半導体パッケージ内のインナーフレームによって結合素子23及び33が形成される場合、結合素子23及び33は図4に示すように構成されてもよい。図4は、本件発明者等によって考案されたリードフレームカプラ(リードフレームインダクタ)を含む半導体パッケージの構造を示している。パッケージ内のリードフレーム形状を示すために、モールド樹脂70の図示は省略されている。また、ダイパッド77に搭載された半導体チップ78とリード79を接続するボンディングワイヤの図示も省略されている。図4の例では、モールド樹脂70によってパッケージ内に封止されるフレーム部材71〜76によってリードフレームカプラ(つまり、導電性ループ)が形成されている。リードフレームカプラの両端のフレーム部材71及び76がボンディングワイヤによって半導体チップ78と接続されている。フレーム部材71上のボンディングワイヤの接続点が結合素子23(又は結合素子33)の一方のポートP1A(又はポートP2A)に相当し、フレーム部材76上のボンディングワイヤの接続点が結合素子23(又は結合素子33)の他方のポートP1B(又はポートP2B)に相当する。半導体チップ78は、DMTX及びDMRXの少なくとも一方とCMTX及びCMRXの少なくとも一方を含み、フレーム部材71〜76によって形成されたリードフレームカプラを用いて差動モード信号及び同相モード信号の伝送を行う。図4に示された半導体パッケージ2つを近づけることで双方のリードフレームカプラの間で非接触カップリングが形成され、2つの半導体パッケージの間で差動モード信号及び同相モード信号を伝送できる。
図5は、結合素子23及び33が共に図4に示したリードフレームカプラ(リードフレームインダクタ)である場合において、差動モード利得(伝達係数)Sdd21及び同相モード利得(伝達係数)Scc21のシミュレーション結果の一例を示すグラフである。なお、図5は、差動モード利得(伝達係数)及び同相モード利得(伝達係数)をミックスモードSパラメータ(Mixed-mode S-parameter)で示している。ここで、Sdd21は、図2及び図3で符号を付与した、カプラのミックスドポートP1からP2への差動モード信号、Scc21は、カプラのミックスドポートP1からP2への同相モード信号の伝達特性を示している。すなわち、Sdd21は、ミックスドポートP1に差動信号を印加した場合にミックスドポートP2に伝達される差動信号の利得を示し、Scc21は、ミックスドポートP1に同相信号を印加した場合にミックスドポートP2に伝達される同相信号の利得を示している。
図5を含むシミュレーション結果に基づいて、本件発明者等は、差動モード利得Sdd21は同相モード利得Scc21に比べて0Hz近傍を含む広帯域で高い利得が得られるとの知見を得た。一方、同相モード利得Scc21は、高周波帯域の一部(図5では、概ね2〜5GHz)において高利得を示すものの、0Hz近傍を含む広帯域での利得は十分でないとの知見が得られた。
なお、図5には、Sdd21及びScc21に加え、差動モードと同相モード(コモンモード)間のモード変換量であるSdc21及びScd21のシミュレーション結果も示されている。ここから明らかなように、リードフレームカプラが各々対称形状を有し、かつ対向配置されているため、モード変換に該当するScd21及びSdc21の利得は無視できる程度に小さい。結合素子23及び33が共に図4に示したリードフレームカプラ(リードフレームインダクタ)である場合においては、Scd21(同相信号を加えた時に差動信号に与える影響)及びSdc21(差動信号を加えた時に同相信号に与える影響)の利得は無視できる程度に小さいことがわかる。
これらの知見に基づき、本件発明者等は、1つの好ましい態様として、NRZ信号等のベースバンド信号(パルス波信号)を差動モード信号として伝送し、変調された搬送波信号を同相モード信号として伝送する態様を考案した。言い換えると、差動モードではベースバンド伝送を行い、同相モードでは搬送波帯域伝送(carrier-band transmission 又は pass-band transmission)を行う。ここでの変調は、典型的には、正弦波を搬送波として用いる正弦波変調である。変調方式は、例えば、OOK(On Off Keying)、ASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、又はQAM(Quadrature Amplitude Modulation)としてもよい。また、ベースバンド信号に適用される伝送路符号方式(line coding)は、例えば、ダイポーラNRZ符号、ダイポーラRZ符号、バイポーラ(AMI(Alternative Mark Inversion))NRZ符号、バイポーラRZ符号、又はバイフェーズ符号であってもよい。また、誘導性カップリングを介した差動モード伝送では送信側の電流変動が信号伝達に主に寄与する。このため、DMTXは、所望の電流パルス波形(例えば、ガウシアンパルス)を得るための差動電圧信号(例えば、バイポーラパルス信号、マンチェスタ符号信号)を送信ベースバンド信号として生成してもよい。ベースバンド信号のスペクトルは、0Hz近傍の周波数成分を含む。一方、変調された搬送波信号のスペクトルでは、中心周波数が搬送波の周波数にシフトする。したがって、搬送波の周波数を同相モード利得が高い周波数領域に設定することで、インダクタとしての結合素子23及び33の間で同相モード伝送を効果的に行うことができる。
さらに、同相モードでの搬送波伝送では、搬送波の変調に用いるベースバンド信号を適切なローパスフィルタ(例えば、ナイキストフィルタ、コサインロールオフフィルタ、レイズドコサインフィルタ)によって帯域制限することが望ましい。これにより、正弦波変調された搬送波信号の占有帯域は、最大でもシンボルレートの2倍程度に制限される。このため、同相モード利得が高い周波数領域を有効に利用することができる。更には、各国の無線装置の放射電力に関わる法規制に適合させるため、前記搬送波の周波数帯域は、例えば、ISM(industrial, scientific and medical)バンドと呼称される帯域に設定することが望ましい。ISMバンドの具体的な周波数としては、例えば、2.4GHz〜2.5GHzの帯域があげられる。
図2〜5を用いた説明から理解されるように、各々がインダクタである一対の結合素子23及び33を差動モード信号及び同相モード信号によって同時に駆動することにより、結合素子23及び33の非接触カップリングを介して差動モード信号及び同相モード信号を同時に伝送することができる。そして、好ましくは、同相モード信号は、変調された搬送波信号とするとよい。これにより、同相モード利得が高い周波数領域を同相モード伝送に有効利用できる。また、差動モード信号は、変調されていないベースバンド信号としてもよい。搬送波を用いないベースバンド伝送は、一般的に、搬送波伝送に比べて高いビットレートの確保が容易である。したがって、図1に示された信号波形A〜Dのように、差動モード信号により送信されるデータ信号D1のビットレートを、同相モード信号により送信されるデータ信号D2のビットレートより高くしてもよい。
続いて以下では、差動ベースバンド伝送と、同相モードでの搬送波伝送を行う無線通信システム1の具体的な構成例について図6〜8を用いて説明する。図6は、図1に比べてより具体化された無線通信システム1の構成例を示している。図6の例では、DMTX21は、差動ドライバ211を含む。差動ドライバ211は、データ信号(ベースバンド信号)D1を受信して差動ベースバンド信号を生成し、信号線対22を介して結合素子23を駆動する。なお、本実施形態では、差動モード信号と同相モード信号の同時伝送を想定しているため、差動ドライバ211に起因する同相モードノイズを抑制できることが望ましい。したがって、差動ドライバ211の最終段は、例えばカスコードアンプとされてもよい。
図6に示されたDMRX31は、差動増幅器311及びヒステリシスコンパレータ312を含む。差動増幅器311は、結合素子33によって受信された差動モード信号とCMTX34によって信号線対32に重畳された同相モード信号を受信し、差動モード信号を増幅して出力するとともに、同相モード信号を除去する。つまり、差動増幅器311は、同相モード信号除去回路であると言うことができる。ヒステリシスコンパレータ312は、差動ベースバンド信号(つまり、差動パルス信号)を受信し、差動パルス信号の2つの信号電圧の比較結果を出力する。ヒステリシスコンパレータ312の出力は、復元されたデータ信号D1を示す。
図6に示されたCMTX34は、変調回路341、シングルエンド・ドライバ342及び343、並びにACカップリングキャパシタCC1及びCC2を含む。変調回路341は、送信されるデータ信号D2によって搬送波を変調し、変調された搬送波信号を生成する。変調回路341は、正弦波変調を行う。シングルエンド・ドライバ342及び343は、ACカップリングキャパシタCC1及びCC2を介して、信号線対32を構成する2つの信号線に変調された搬送波信号を供給する。つまり、シングルエンド・ドライバ342及び343によって、同相モード信号が信号線対32及び結合素子33に供給される。シングルエンド・ドライバ342及び343の各々は、例えば、CMOS(Complementary Metal-oxide semiconductor)プッシュプル回路であってもよい。
図6に示されたCMRX24は、差動モード信号除去回路241および復調回路242を含む。差動モード信号除去回路241は、結合素子23によって受信された同相モード信号とDMTX21によって信号線対22に重畳された差動モード信号を受信し、差動モード信号を除去するとともに、同相モード信号を復調回路242に供給する。差動モード信号の除去は、信号線対22を構成する2つの信号線の中点電位を取ることで実現できる。具体的には、図6に示されているように、信号線対22の2つの信号線の各々に抵抗Rを並列接続し、2つの抵抗Rの中間電位点に復調回路242を接続すればよい。復調回路242は、受信された同相モード信号に対する復調処理を行い、データ信号D2を復元する。
なお、図6では、終端ネットワークの表示を省略しているが、DMTX21の出力端、DMRX31の入力端、CMTX34の出力端、及びCMRX24の入力端に適切に終端素子を配置すればよい。例えば、CMTX34の最終段をCML(Current Mode Logic)とし、CMLの負荷抵抗を同相モード信号のマッチング回路として使用してもよい。また、信号線対22及び32のそれぞれに終端抵抗を並列接続してもよい。また、図6では、バイアス回路の表示を省略しているが、例えば、DMTX211がオフにした状態でCMRX24を駆動させる場合のために、CMRX24に別途バイアスを供給するためのバイアス回路を設けてもよい。
図7は、図6に示したCMTX34の構成例を示すブロック図である。図7の例は、ASK又はOOKによって搬送波を変調する例を示している。すなわち、変調回路341は、ミキサ3411及び発振器3412を含む。発振器3412は、周波数Fcの搬送波信号を生成する。ミキサ3411は、送信データ信号D2と搬送波をミキシングし、変調された搬送波信号を生成する。図7に示された信号波形Aは、ミキサ3411に入力されるデータ信号D2の信号波形の具体例を示している。なお、図7では省略されているが、結合素子23及び33の非接触カップリングを介した狭帯域な同相モード伝送でのシンボル間干渉を抑制するために、データ信号(ベースバンド信号)D2を整形する帯域制限フィルタ(例えば、コサインロールオフフィルタ)を配置するとよい。変調された搬送波信号は、シングルエンド・ドライバ342及び343を介して結合素子33に供給される。図7に示された信号波形Bは、結合素子33に供給される変調された搬送波信号の信号波形の具体例を示している。
図7に示されたシングルエンド・ドライバ342及び343は、ドライバ及びキャパシタのサイズを変更することで、信号線対32に供給される同相モード信号(変調された搬送波信号)の振幅を変更できるよう構成されている。具体的には、図7のシングルエンド・ドライバ342及び343は、増幅器AMP0並びに増幅器AMP1〜AMP4を含む2段構成を有する。スイッチS1〜S4のオン・オフ動作によって、複数の増幅器AMP1〜AMP4並びにキャパシタC1〜C4が選択的に使用される。同相モード信号の振幅を必要十分なレベルに抑えることで、信号線対32に乗る同相モードノイズを小さくすることができる。
図9は、図6に示したCMRX24の構成例を示すブロック図である。図9の例は、ASK又はOOKによって変調された搬送波を復調し、受信シンボル(受信データ)を復元する例を示している。すなわち、復調回路242は、包絡線検波器2421及びコンパレータ2422を含む。包絡線検波器2421は、例えば、整流素子およびローパスフィルタを含み、受信された同相モード信号の包絡線に追従する信号(包絡線信号)を出力する。コンパレータ2422は、包絡線信号を参照電圧VREFと比較し、データ信号D2を表す比較結果を出力する。図9に示された信号波形A〜Cは、受信された同相モード信号、包絡線検波器2421から出力される包絡線信号、及びコンパレータ2422によって得られたデータ信号D2の信号波形の具体例をそれぞれ示している。
図10は、CMRX24のより詳細な構成例を示す回路図である。CMRX24において任意にバイアスを設定できるようにするため、CMRX24と結合素子23の間はACカップリングキャパシタCC3及びCC4を介して接続されている。図10の構成例では、差動アンプ2423及び2424は、差動モード信号除去回路241から出力されるシングルエンド信号及び任意のバイアス電圧を受信して差動増幅する。そして、包絡線検波器2421は、差動アンプ2423及び2424によって生成された差動信号を受信する。図10に示された包絡線検波器2421は、差動トランジスタ対を有し、当該トランジスタ対のソースと接地電位との間に並列に接続された電流源(図10では、電流源として動作させるための適切なバイアスを与えたトランジスタとして図示)及びキャパシタを有する。これにより、包絡線信号が差動トランジスタ対のソースから出力される。さらに、図10の構成例では、レプリカパス2425によって参照電圧VREFが生成される。包絡線検波器2421及びレプリカパス2425の出力は、RCローパスフィルタ2426及び2427を介してコンパレータ2422に供給される。また、図10に示されるように、CMRX24は、電圧レベル調整機構としての可変電流源2428及び2429を含んでもよい。可変電流源2428及び2429は、包絡線検波器2421及びレプリカパス2425の出力に並列に接続されている。
上述したように、本実施形態の無線通信システム1は、誘導性カップリングによる差動モード信号の伝送に用いられる結合素子23及び33を、同相モード信号によってさらに駆動する。これにより、無線通信システム1は、一対の結合素子23及び33の非接触カップリングを介して、差動モード信号及び同相モード信号を同時に伝送することができる。これにより、無線通信システム1は、複数の結合素子対の使用を必須とすることなく、かつ時分割多重又は周波数分割多重といったリソース分割を必須とすることなく、同一方向又は双方向での複数チャネル通信を行うことができる。
また、本実施形態の1つの具体例においては、差動モード信号を変調されていないベースバンド信号とし、同相モード信号を変調された搬送波信号とする。これにより、結合素子23及び33の同相モード利得が高い周波数帯域を有効に利用することができる。また、差動ベースバンド伝送を行うことによって、高ビットレート通信を実現することができる。搬送波を用いる同相モード伝送のビットレートは、ベースバンド伝送を行う差動モード伝送に比べて低くなる可能性があるため、同相モード伝送と差動モード伝送のそれぞれの用途はビットレートに違いに応じて決定されてもよい。例えば、差動モード伝送において高ビットレートの映像信号を送信し、同相モード伝送において制御信号を送信してもよい。
なお、上述の説明では、正弦波変調の例を示した。しかしながら、同相モード伝送に適用される変調は、搬送波に矩形波を用いるパルス変調(矩形波変調)であってもよい。例えば、ASK又はOOKを利用し、データ信号によってパルス波の振幅を変調すればよい。図8は、OOKによるパルス変調を行うCMTX34の構成例を示すブロック図である。図8では、図7に示すCMTX34の変調回路341が、リング・オシレータ344及びインバータ345に置き換えられている。
図8のリング・オシレータ341は、1つのNAND回路3411及び2つのインバータ(NOT回路)を含む。NAND回路3441を含むリング・オシレータ344は、パルス波を発振すると共に、NAND回路3441への入力信号に従ってパルス波の発振をオン・オフすることができる。NAND回路3441の入力信号としてデータ信号D2(つまり、変調信号(modulating signal)を用いることによって、リング・オシレータ344はパルス信号をOOK変調することができる。発振器をリング・オシレータで形成することにより、オンチップ・インダクタ素子が不要となるため、LC−VCOと比較して回路面積を小さくできる利点がある。
インバータ345は、リング・オシレータ341の出力信号を反転してシングルエンド・ドライバ342及び343に供給する。図8に示されたシングルエンド・ドライバ342及び343は、インバータINV0並びにインバータINV1〜INV4を含む2段構成を有する。図7の例と同様に、スイッチS1〜S4のオン・オフ動作によって、複数のインバータINV1〜INV4並びにキャパシタC1〜C4が選択的に使用される。これにより、同相モード信号の振幅を必要十分なレベルに抑えることができ、信号線対32に乗る同相モードノイズを小さくすることができる。
図8の例のように発振器(例えば、リング・オシレータ344)が変調されたパルス波信号を生成する場合であっても、結合素子33に供給される同相モード信号波形は結果的に正弦波に近い波形となる。リング・オシレータ344等によって生成されたパルス波によって結合素子33を駆動しても、トランジスタの能力、並びに信号線32及び結合素子33を含む負荷等の要因によって信号波形が鈍り(帯域制限され)、結果的に結合素子33に供給される信号の波形はパルス波よりも正弦波に近い波形となるためである。言い換えると、同相モード信号として伝送される正弦波信号は、リング・オシレータ等のパルス発生回路により生成された矩形波信号が帯域制限されたものでもよい。
なお、図8に示す例では、インバータ345は論理を整合させるために設けられている。したがって、たとえば、リング・オシレータ344の中にインバータ345を含める構成としてもよい。
また、図6〜図8に示す例では、ACカップリングキャパシタCC1及びCC2をCMTX34に含める構成として説明したが、キャパシタCC1及びCC2はシングルエンド・ドライバ342及び343の出力と信号線対32の間にあればよい。
続いて以下では、本実施形態に係る無線通信システム1のいくつかの応用例について説明する。図11は、無線通信システム1が半導体パッケージ間(半導体チップ間)の通信に利用される例を示している。図11の例では、通信機2及び3は、半導体パッケージ700A及び700Bにそれぞれ実装されている。半導体パッケージ700A及び700Bは、例えば、0〜10mm程度の間隔で近接して配置される。半導体パッケージ700A及び700Bが接触していても(0mm間隔)、通信機2及び3の結合素子23及び33がショートしなければそのように構成してもよい。
まず、通信機2の構成について説明する。DMTX21及びCMRX(CMTX)24は、半導体パッケージ700A内に封止された半導体チップ78Aに形成されている。半導体チップ78Aは、データ信号D1を入力するためのパッド701A、データ信号D2を出力又は入力するためのパッド702Aを有する。さらに、半導体チップ78Aは、インダクタとしての結合素子23に接続されるパッド703A及び704Aを有する。次に、通信機3について説明する。DMRX31及びCMTX(CMRX)34は、半導体パッケージ700B内に封止された半導体チップ78Bに形成されている。半導体チップ78Bは、データ信号D1を出力するためのパッド701B、データ信号D2を入力又は出力するためのパッド702Bを有する。半導体チップ78Bは、インダクタとしての結合素子33に接続されるパッド703B及び704Bを有する。
図11では、データ信号D2のビットレートは、例えば、200Mbit/sであり、データ信号D1のビットレート(5Gbit/s)よりも低速である。図11のDMTX21及びDMRX31は、5Gbit/sのデータ信号D1をベースバンド信号のまま伝送する。一方、CMRX(CMTX)24及びCMTX(CMRX)34は、200Mbit/sのデータ信号D2によって搬送波を変調し、変調された搬送波信号を伝送する。搬送波信号の中心周波数は、結合素子23及び33の同相モード利得が高い周波数領域に設定すればよい。なお、発明者の検討では、同相モード信号として伝送されるデータ信号D2のビットレートがおよそ500Mbit/sまで動作することがシミュレーション結果より得られている。つまり、USB(Universal Serial Bus)2.0などの規格も満足できることとなり、これらへの応用が可能となる。
図12(A)及び(B)は、無線通信システム1を電子機器間の通信に利用する例を示している。図12(A)及び(B)では、通信機2は電子機器12に配置され、通信機3は電子機器13に配置されている。電子機器12は、例えば、画像伝送装置、又は自動車制御用のECU(Electronic Control Unit)である。電子機器13は、例えば、画像表示装置である。
通信機2は、電子機器12の筺体120によって形成されたキャビティ121に収容されている。同様に、通信機3は、電子機器13の筺体130によって形成されたキャビティ131に収容されている。筺体120及び130の少なくとも一部は、通信機2及び3の間の無線通信のために電磁波を透過する材料、例えば樹脂等の誘電性材料、によって形成されている。図12(A)及び(B)の例では、筐体120及び130の一部に樹脂性の窓122及び132が設けられている。窓122及び132を除く筐体120及び130の他の部分は、例えば、金属材料により形成されてもよい。電子機器12及び13を近接して配置することにより、通信機2及び3は、一対の結合素子23及び33の間に形成される非接触カップリングを介して無線通信を行うことができる。
電子機器13は、図12(B)に示すように、可動機構によってその配置又は姿勢を変更できるように構成されてもよい。例えば、カーナビゲーションシステムのディスプレイユニットのように、電子機器13は傾斜可能に構成されてもよい。例えば、結合素子23及び33が図3(A)若しくは(B)又は図4に示したような導電性ループを有するインダクタである場合、通信機2及び3は、互いの導電性ループが対向するように配置された場合に最も高い通信品質が得られる。しかしながら、電子機器12又は13の配置を変更可能である場合、電子機器12及び13の位置関係によって通信品質が変化するおそれがある。例えば、図12(B)に示す配置は、図12(A)の配置に比べて通信品質が低下する場合がある。結合素子23及び33が導電性ループを有するインダクタである場合に、2つの導電性ループ面が互いに平行でないためである。
図12(B)に示す配置での通信品質の低下を抑制するために、窓122及び132の少なくとも一方を大きくしてもよい。これにより、筺体120又は130による電磁波の遮蔽を防ぐことができる。また、電子機器12及び13は、電子機器12及び13の位置関係の変更に応じて、通信機2及び3の少なくとも一方を可動できるように構成されてもよい。例えば、電子機器12及び13は、図12(B)に示す配置においても通信機2及び3(つまり、結合素子23及び33の導電性ループ面)が互いに平行となるように、通信機2及び3の少なくとも一方を可動してもよい。
図13も無線通信システム1を電子機器間の通信に利用する例を示している。図13では、通信機2は電子機器12に配置され、通信機3は電子機器14に配置されている。電子機器12及び14は、例えば、自動車制御用のECUである。図13において、通信機2は電子機器12の筺体120によって形成されたキャビティ121に収容され、通信機3は電子機器14の筺体140によって形成されたキャビティ141に収容されている。電子機器12及び14が近接して配置されることにより、通信機2及び3は、窓122及び142を介して向かい合う。筺体120及び140に設けられた窓122及び142は、樹脂等の誘電性材料によって形成されている。これにより、通信機2及び3は、一対の結合素子23及び33の間に形成される非接触カップリングを介して無線通信を行うことができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、上述した第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態では、同相モード信号を変調された搬送波信号とする例を示した。本実施形態では、差動モード信号及び同相モード信号を同一方向に送信するとともに、同相モード信号を"変調されていない正弦波信号"とする例について示す。この正弦波信号は、例えば、差動モード信号を受信するDMRXにおいてビット判定タイミングを決定するためのクロック信号として利用される。
図14は、本実施形態に係る無線通信システム4の構成例を示すブロック図である。図14の例では、通信機42が差動モード信号及び同相モード信号を送信し、通信機43が結合素子23及び33の非接触カップリングを介して差動モード信号及び同相モード信号を受信する。通信機42は、信号線対22、結合素子23、DMTX421、CMTX424、及びPLL(Phase Locked Loop)425を含む。また通信機43は、信号線対32、結合素子33、DMRX431、及びCMRX434を含む。信号線対22は結合素子23の両端のポートP1A及びP1Bに接続され、信号線対32は結合素子33の両端のポートP2A及びP2Bに接続される。DMTX421及びDMRX431の構成及び動作は、図1又は図6に示したDMTX21及びDMRX31と同様とすればよい。
PLL425は、送信データ信号D1のエッジタイミングに応じてVCO(Voltage Controlled Oscillator)の発振周波数および位相を調整し、送信データ信号D1の周波数及び位相に追従した正弦波クロック信号を生成する。図14に示された信号波形Cは、正弦波クロック信号の具体例を示している。なお、PLL425が生成する正弦波クロック信号の周波数は、データ信号D1(例えば、図14に示された信号波形A及びB)の基本周波数と同一でもよい。データ信号D1がNRZ信号であるときのデータ信号D1の基本周波数は、データ信号D1のビットレートRbの2分の1(つまり、Rb/2[Hz])である。しかしながら、正弦波クロック信号の周波数は、データ信号D1の基本周波数を逓倍または分周した周波数であってもよい。この場合、正弦波クロック信号の周波数は、結合素子23及び33の同相モード利得が高い周波数帯域内から選択されるとよい。これにより、同相モード伝送による正弦波クロック信号の劣化を抑制できる。
CMTX424は、PLL425によって生成された正弦波クロック信号によって、信号線対22の2本の信号線を駆動する。つまり、CMTX424は、正弦波クロック信号を同相モード信号として利用する。CMTX424は、変調機能を有していなくてもよい。CMRX434は、結合素子33及び信号線対32を介して同相モード信号を受信し、クロック信号を復元する。なお、図14に示されるように、CMRX434は、正弦波クロックではなく矩形波クロックを復元してもよい。矩形波クロックは、同期型デジタル回路(例えば、Dラッチ、レジスタ)の動作に適しているためである。図14に示された信号波形Dは、CMRX434によって復元された矩形波クロック信号の具体例を示している。また、CMRX434は、必要に応じて、復元したクロック信号を逓倍又は分周してもよい。
図15は、本実施形態に係る無線通信システム4の他の構成例を示すブロック図である。図15に示す無線通信システム4の他の構成例は、図14に示す無線通信システム4に含まれるPLL425を発振器426に置き換えた構成である。また、図15の例では、差動モード信号の周波数及び位相に追従するためのPI(Phase Interpolator)が受信側に配置される。図15に示されたその他の要素の構成及び動作は、図14に示された同じ符号の要素と同様とすればよい。
発振器426は、正弦波信号を生成する。図15に示された信号波形Cは、発振器426により生成される正弦波信号の具体例を示している。図14に関する先の説明から理解されるように、発振器426により生成される正弦波信号の周波数は、データ信号D1(例えば、図15に示された信号波形A及びB)の基本周波数と同一でもよいし、異なっていてもよい。CMTX424は、発振器426によって生成された正弦波クロック信号によって、信号線対22の2本の信号線を駆動する。CMRX434は、同相モード信号を受信し、正弦波クロック信号又は矩形波クロック信号を復元する。PI435は、CMRX434によって復元されたクロック信号から多相のクロック信号を生成するとともに、受信された差動モード信号(パルス電圧変化)のエッジタイミングに基づいて、最適なクロック位相を選択する。図15に示された信号波形Dは、PI435から出力される矩形波クロック信号の具体例を示している。
図16及び図17は、本実施形態に係る無線通信システム4のさらに他の構成例を示すブロック図である。図16及び図17は、CMRX434によって受信されたクロック信号の用途の具体例を示している。図16及び図14の比較から明らかであるように、図16の構成例は、CMRX434によって復元されたクロック信号がDMRX431に配置されたFFE(Feed Forward Equalizer)436に供給される点が図14の構成例と異なる。図16中のFFE436を除く他の要素の構成及び動作は、図14に示された同じ符号の要素と同様とすればよい。FFE436は、遅延素子を含むFIR(Finite Impulse Response)フィルタであり、差動モード信号の受信波形を整形する。クロック信号は、例えば、FFE436内の遅延素子等の動作のために使用される。レジスタ437は、FFE436にタップ係数を供給する。FFE436のタップ係数は、適応的に調整されてもよい。
また、図17の例では、CMRX434によって復元されたクロック信号がDMRX431に配置されたDFE(Decision Feedback Equalizer)438に供給される点が図14の構成例と異なる。図17中のDFE438を除く他の要素の構成及び動作は、図14に示された同じ符号の要素と同様とすればよい。DFE438は、差動モード信号の受信波形を整形するためのFIRフィルタ、整形後の受信波形をサンプリングするサンプリング回路、及びFIRフィルタのタップ係数を決定する調整回路を含む。クロック信号は、例えば、DFE438内のFIRフィルタおよびサンプリング回路等の動作のために使用される。レジスタ439は、DFE438にタップ係数を供給する。DFE438のタップ係数は、適応的に調整されてもよい。
図18A〜図18Dは、本実施形態に係る通信機42のさらに他の構成例を示すブロック図である。図18A〜図18Dに示された通信機42の構成例は、図15、図16、及び図17に示された通信機42の変形例を示している。図15、図16、及び図17に示された通信機42は、PLL425において差動モード信号(つまり、データ信号D1)からクロック信号を再生し、差動モード信号に同期させたクロック信号をCMTX424から同相モード信号として送信する。これに対して、図18A〜図18Dに示された通信機42の構成例は、外部より供給されるリファレンスクロックRCLKにデータ信号D1を同期させ、同期されたリファレンスクロックRCLK及びデータ信号D1を送信する。
図18Aに示された構成例は、図15、図16、及び図17に示された通信機42に含まれるPLL425が省略されている代わりに、フリップフロップ427を含む。図18Aの例では、リファレンスクロックRCLKがCMTX424及びフリップフロップ427に供給される。フリップフロップ427は、データ信号D1を受信し、リファレンスクロックRCLKに同期してデータ信号D1を出力する。これにより、データ信号D1は、リファレンスクロックRCLKに同期する。図18Aに示されたその他の要素の構成及び動作は、図15、図16、又は図17に示された同じ符号の要素と同様とすればよい。
図18Bに示された構成例では、図18Aのデータ信号D1がシリアルデータからパラレルデータに変更されている。パラレルデータをシリアルデータに変換するために、図18Bの構成例は、フリップフロップ427に代えてマルチプレクサ428を含む。図18Bの構成例では、マルチプレクサ428は、リファレンスクロックRCLKを受信し、リファレンスクロックRCLKに同期してシリアライズされたデータ信号D1を出力する。これにより、シリアライズされたデータ信号D1は、リファレンスクロックRCLKに同期する。図18Bに示されたその他の要素の構成及び動作は、図15、図16、又は図17に示された同じ符号の要素と同様とすればよい。
図18Cは、図18Aに示された構成例の変形を示しており、図18Aの構成例に加えてPLL429を含む。PLL429は、リファレンスクロックRCLKを受信し、リファレンスクロックRCLKを逓倍したクロック信号を生成する。PLL429により生成された逓倍クロック信号は、CMTX424及びフリップフロップ427に供給される。広く知られているように、半導体装置において高速クロックを発生させる場合、低速のクロック信号を半導体装置に供給し、半導体装置内のPLLにより逓倍された高速クロック信号を生成することが一般的である。図18Cは、かかる構成を示している。
図18Dは、図18Bに示された構成例の変形を示しており、図18Cと同様に逓倍クロック信号を生成するためのPLL429を含む。図18Dに示されたPLL429により生成された逓倍クロック信号は、CMTX424及びマルチプレクサ428に供給される。
以上に述べたように、図18A〜図18Dの構成例は、リファレンスクロックRCLK又はその逓倍クロックにデータ信号D1を同期させる。従って、図18A〜図18Dに示された送信機42から同相モード信号として送信されるクロック信号は、図16及び図17に示したように、FFE436やDFE438の動作のためのクロック信号として用いることができる。
なお、第1の実施形態で述べた正弦波変調に変えてパルス変調(矩形波変調)を用いる例と同様に、本実施形態においても、クロック信号は、厳密な正弦波信号ではなく、リング・オシレータ等のパルス発生回路により発生された矩形波信号が帯域制限されたものでもよい。言い換えると、同相モード信号として伝送される正弦波クロック信号は、リング・オシレータ等のパルス発生回路により発生された矩形波クロック信号が帯域制限されたものでもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上述した第1の実施形態の変形例について説明する。具体的には、本実施形態では、差動モード信号と同相モード信号の双方向通信を利用した差動モード信号の送信電力制御シーケンスについて説明する。図19は、本実施形態に係る無線通信システム5の構成例を示すブロック図である。図19の例では、通信機52は、信号線対22、結合素子23、DMTX521、CMRX524、及びコントロールロジック525を含む。また通信機53は、信号線対32、結合素子33、DMRX531、CMTX534、及びコントロールロジック535を含む。信号線対22は結合素子23の両端のポートP1A及びP1Bに接続され、信号線対32は結合素子33の両端のポートP2A及びP2Bに接続される。DMTX521、CMRX524、DMRX531、及びCMTX534の構成及び動作は、第1の実施形態に係るDMTX21、CMRX24、DMRX31、及びCMTX34と同様とすればよい。
通信機53は、通信機52における差動モード信号の送信電力調整に使用される制御データCを同相モード信号を用いて送信するよう構成されている。そして、通信機52は、通信機53からの制御データCを用いて、DMTX521による差動モード信号の送信電力を調整するよう構成されている。例えば、消費電力低減の観点から、通信機52及び53は、差動モード信号の送信電力をなるべく小さくする制御を行ってもよい。また、差動モード信号の受信品質維持の観点から、通信機52及び53は、DMRX531における受信レベルが所定範囲内となるようにDMTX521の送信電力を増減する制御を行ってもよい。
図19の例では、DMTX521の送信電力を調整するために、コントロールロジック525及び535が設けられている。通信機53に配置されたコントロールロジック535は、DMRX531における差動モード信号の受信電力レベル(受信振幅)に基づいて制御データを生成し、当該制御データCをCMTX534を介して通信機52に送信する。通信機52に配置されたコントロールロジック525は、通信機53からの制御データCをCMRX524を介して受信し、制御データCに基づいてDMTX521の送信電力を調整する。制御データCは、送信電力調整の指標として利用可能な情報を含んでいればよい。例えば、制御データCは、DMTX521の送信電力を示す制御情報でもよいし、DMRX531の受信電力レベルを示す計測情報でもよい。また、いわゆるインナーループ送信電力制御を行う場合、制御データCは、送信電力の増加要求又は減少要求を示す制御情報であってもよい。
図20は、本実施形態に係る送信電力制御シーケンスの一例を示している。ステップS51では、通信機52は、差動モード信号を送信する。ステップS52では、通信機53は、DMRX531において受信された差動モード信号の受信電力を取得する。ステップS53では、通信機53は、差動モード信号の受信電力に基づいて制御データCを生成し、制御データCがエンコードされた同相モード信号を送信する。ステップS54では、通信機52は、通信機53からの同相モード信号を受信し、制御データCに従ってDMTX521による差動モード信号の送信電力を調整する。ステップS55では、通信機52は、送信電力が調整された差動モード信号を送信する。
以上に述べたように、本実施形態に係る無線通信システム5は、差動モード信号及び同相モード信号の双方向伝送が可能であることを利用して、DMTX521による差動モード信号の送信電力を調整することができる。これにより、差動モード信号の過剰な送信電力による消費電力の増加、通信品質の劣化、又は漏洩電磁界の増加などを抑制できる。
また、差動モード伝送の制御(例えば、送信電力の調整)のために同相モード信号を用いることは、同相モード信号と差動モード信号の伝送可能距離の観点からも有効である。既に述べたように、差動モード信号は、主として結合素子23及び33の誘導性カップリング(磁界カップリング)によって伝送されると考えられる。誘導性カップリング(磁界カップリング)は送信側の結合素子を流れる電流の周りに生じる渦状(回転性)の磁場を利用した結合であるから、その結合の強さは送信側の結合素子からの距離が長くなるにつれて指数関数的に減少する。したがって、差動モード信号の伝送可能距離は非常に短い。これに対して、同相モード信号は、主として結合素子23及び33の容量性カップリング(電界カップリング)によって伝送されると考えられる。容量性カップリング(電界カップリング)は帯電した送信側の結合素子から発散する電場を利用した結合であるから、その結合の強さは送信側の結合素子からの距離に比例して減少するのみである。したがって、結合素子23及び33の構造、並びに同相モード及び差動モード信号の各々の送信電力を適切に設定することにより、同相モード信号の伝送可能距離を差動モード信号の伝送可能距離にくらべて長くすることができる。このため、通信機52及び53の間の距離が遠いために差動モード信号の伝送を十分に行えない場合にも、通信機52及び53は、同相モード信号を用いた差動モード伝送の制御を行うことができる。
なお、通信機53(コントロールロジック535)は、DMRX531における差動モード信号の受信電力レベルに基づいて、CMTX534の送信電力の調整を併せて行なってもよい。これにより、過剰な同相モード信号の送信電力による消費電力の増加、通信品質の劣化、又は漏洩電磁界の増加などを抑制できる。
また、本実施形態で述べた差動モード信号と同相モード信号の役割を入れ替えてもよい。すなわち、通信機52は、CMRX524における同相モード信号の受信電力レベルに基づく制御データを、差動モード信号を用いて通信機53にフィードバックしてもよい。そして、通信機53は、DMRX531において受信された制御データに従ってCMTX534の送信電力を調整してもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態では、上述した第1又は第3の実施形態の変形例について説明する。具体的には、本実施形態では、通信相手の存在の検出と当該検出に応じたDMRX又はDMTXのウェイクアップのために同相モード伝送を利用する例について説明する。図21は、本実施形態に係る無線通信システム6の構成例を示すブロック図である。図21の例では、通信機62は、信号線対22、結合素子23、DMTX621、CMRX624、及びコントロールロジック626を含む。また通信機63は、信号線対32、結合素子33、DMRX631、及びCMTX634を含む。信号線対22は結合素子23の両端のポートP1A及びP1Bに接続され、信号線対32は結合素子33の両端のポートP2A及びP2Bに接続される。DMTX621、CMRX624、DMRX631、及びCMTX634の構成及び動作は、第1の実施形態に係るDMTX21、CMRX24、DMRX31、及びCMTX34と同様とすればよい。
通信機62は、通信機63からの同相モード信号の受信に成功したことに応答して、差動モード信号の送信ためのDMTX621を起動するよう構成されている。コントローラ626は、CMRX624による同相モード信号の受信に応答して、DMTX621を起動する。
図22は、本実施形態に係るDMTX621の起動シーケンスの一例を示している。ステップS61では、通信機62は、DMTX621の動作を休止(例えば、電力供給を停止)し、CMRX624を連続的又は間欠的に動作させる。ステップS62では、通信機62は、通信機63からの同相モード信号をCMRX624において受信する。ステップS63では、通信機62は、同相モード信号の受信に応答して、DMTX621に電力を供給しDMTX621の動作を開始する。ステップS64では、通信機62は、起動されたDMTX621から差動モード信号を送信する。
図22に示されているように、DMTX621の起動後に、第3の実施形態(図20)で説明したのと同様の手順で差動モード信号の送信電力調整を行なってもよい。なお、図22のステップS52〜S55は、本実施形態におけるオプションの1つに過ぎない。また、本実施形態において、通信機62及び63は、DMTX621の起動後に同相モード信号の送信電力調整を行なってもよい。
以上の説明では、通信機62におけるDMTX621の起動について説明した。これと同様に、同相モード信号の伝送が成功したことに応答して、通信機63におけるDMRX631の起動を行なってもよい。そのためには、図23に示されているように、通信機63にコントローラ636を配置すればよい。また、通信機62から通信機63に同相モード信号を送信するために、第2のCMTX625を通信機62に配置し、第2のCMRX635を通信機63に配置すればよい。コントローラ636は、第2のCMRX635による同相モード信号の受信に応答して、DMRX631を起動する。図23に示されたその他の要素の構成及び動作は、図21に示された同じ符号の要素と同様とすればよい。
図24は、同相モード信号の伝送成功に応答してDMTX621及びDMRX631の両方を起動するシーケンスの一例を示している。図24のステップS61〜S63における動作は、図22に示されたステップS61〜S63における動作と同様である。ステップS74では、通信機62は、第2のCMTX625から同相モード信号を送信する。この同相モード信号は、通信機63におけるDMRX631の起動を促すトリガー信号である。ステップS75では、通信機63は、第2のCMRX635における同相モード信号の受信に応答して、DMRX631を起動する。ステップS76では、通信機62及び63は、起動されたDMTX621及びDMRX631を用いて差動モード信号を送受信する。
本実施形態によれば、同相モード信号の伝送が成功するまでDMTX又はDMRXの動作を停止できるため、DMTX又はDMRXの動作に伴う消費電力を低減できる。また、第3の実施形態で述べたように、結合素子23及び33の構造、並びに同相モード及び差動モード信号の各々の送信電力を適切に設定することにより、同相モード信号の伝送可能距離を差動モード信号の伝送可能距離に比べて長くすることができる。したがって、同相モード信号を用いることによって、通信相手の存在をいち早く検出してDMTX又はDMRXの起動を行うことができる。このことは、通信機62と通信機63の配置、機器間の距離が変動するアプリケーションにおいて有効である。例えば、携帯機器とクレードル間の通信、携帯機器と店頭ステーション(キオスク端末)間の通信などに無線通信システム6が適用される場合が考えられる。本実施形態によれば、通信機62と通信機63の距離が徐々に近づき、通信機62と通信機63の間で同相モード伝送が成功したことに応答して差動モード伝送のためのDMTX又はDMRXが起動される。したがって、本実施形態によれば、通信機62及び通信機63が差動モード伝送を行える距離までさらに近づいたときに、速やかに差動モード伝送を開始することができる。
更に本実施形態では、通信機62及び63の少なくとも一方は、差動モード信号による通信の可否に関する表示を行なってもよい。例えば、同相モード信号の受信品質が十分でない場合(例えば、受信品質が所定の閾値を下回る場合)、言い換えると、同相モード信号の受信品質に基づいて差動モード信号の受信品質が十分でないと推定される場合に、通信機62及び63の少なくとも一方は、通信機の配置調整を使用者に促すための表示を行なってもよい。また、通信機62及び63の少なくとも一方は、差動モード信号の送受を開始した後に差動モード信号の受信品質が十分でないこと(例えば、受信品質が所定の閾値を下回ること)が検出されたことに応じて、通信機の配置調整を使用者に促すための表示を行なってもよい。このとき、通信機63は、差動モード信号の受信品質が十分でないことを示す通知を通信機62に同相モード信号を用いて送信してもよい。これらの表示は、一方の通信機(例えば、携帯機器)を他方の通信機(例えば、クレードル又は店頭ステーション)に近づけるように促す画像又は文字を含んでもよい。また、当該表示のために、通信機62及び63の少なくとも一方は、図25に示すように表示装置を有してもよい。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス・ディスプレイ、又はLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を用いた表示デバイスであってもよい。
<第5の実施形態>
本実施形態では、差動モード伝送においてベースバンド信号を送信し、同相モード伝送において変調された搬送波信号を送信する形態において、差動モードのベースバンド信号のビットレートRb(又はベースバンド信号の基本周波数)と同相モードの搬送波周波数の関係について説明する。なお、NRZ信号の場合、ベースバンド信号の基本周波数はビットレートRbの2分の1(つまり、Rb/2[Hz])である。
図26は、差動モードのベースバンド信号のビットレートRb(又はベースバンド信号の基本周波数)と同相モードの搬送波周波数の好ましい関係の1つを示している。図26の例では、同相モードの搬送波周波数は、差動モードのベースバンド信号のビットレートRbの2分の1(つまり、Rb/2[Hz])である。同相モードの搬送波周波数が任意の周波数である場合、同相モード信号が差動モード信号に与えるジッタ量が変動する。これに対して、図26の例では、同相モード信号が差動モード信号に与えるジッタ量が一定となるため、差動モード伝送の通信品質の確保が容易となる。
なお、同相モードの搬送波周波数がRb/2[Hz]であればよいため、ベースバンド信号と搬送波信号の位相関係は任意であってもよい。ベースバンド信号と搬送波信号の位相関係は、例えば図27のように設定されてもよい。図26では、同相モードの搬送波の位相は、差動モードのベースバンド信号の位相に対して90度ずれている。これに対して、図27では、同相モードの搬送波の位相は、差動モードのベースバンド信号の位相と同一である。しかしながら、ベースバンド信号と搬送波信号の位相関係は、図26の例が好ましい。なぜなら、差動モード信号のエッジ位置において、同相モード信号が大きく変動すると、差動モード信号に重畳される同相モード信号に起因したノイズが大きくなってしまい、差動モード信号のジッタ要因となってしまうからである。これを避けるためには、同相モード信号の変化量が最も小さいポイント、すなわち、同相モードの搬送波の微分係数が最も小さいポイントを、差動モード信号のエッジポイントに合わせることが、最も好ましい。一方で、図27においては、差動モード信号のエッジ位置と、同相モード信号のエッジ位置とが重なっている。この場合、図26の例と比較して、同相モード信号に起因した差動モード信号のジッタは増加してしまうが、通信品質が確保できる程度のジッタ量であるならば、図27のような位相関係を用いてもよい。この場合でも、差動モード信号と同相モード信号の位相関係が既知であるので、設計者は差動モード信号のジッタ量を予測することができる。
また、同相モードの搬送波周波数は、Rb/2[Hz]の整数倍であってもよい。図28は、同相モードの搬送波周波数がRb[Hz]である場合を示している。この場合も、同相モード信号が差動モード信号に与えるジッタ量が一定となるため、差動モード伝送の通信品質の確保が容易となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、上述した第1又は第2の実施形態の変形例について説明する。具体的には、本実施形態では、電力伝送のために同相モード伝送を利用する例について説明する。DMRXは、受信した同相モード信号を整流して電力として取り出す。DMRXにおいて取り出された電力は、負荷(例えば、他の回路ブロック、蓄電池)に供給される。
図29は、本実施形態に係る無線通信システム7の構成例を示すブロック図である。図29の例では、通信機72が差動モード信号及び同相モード信号を送信し、通信機73が結合素子23及び33の非接触カップリングを介して差動モード信号及び同相モード信号を受信する。通信機72は、信号線対22、結合素子23、DMTX721、CMTX724、PLL725を含む。また通信機73は、信号線対32、結合素子33、DMRX731、CMRX734、及び負荷737を含む。信号線対22は結合素子23の両端のポートP1A及びP1Bに接続され、信号線対32は結合素子33の両端のポートP2A及びP2Bに接続される。
DMTX721及びDMRX731の構成及び動作は、図1又は図6に示したDMTX21及びDMRX31と同様とすればよい。CMTX724及びPLL725の構成及び動作は、図14に示したCMTX424及びPLL425と同様とすればよい。用途を電力伝送に限定した場合、CMTX724は、変調機能を有していなくてもよい。例えば、CMTX724は、図29に示すように、シングルエンド・ドライバ726及び727、並びにACカップリングキャパシタCC1及びCC2を含んでもよい。シングルエンド・ドライバ342及び343は、ACカップリングキャパシタCC1及びCC2を介して、信号線対32を構成する2つの信号線にPLL725の出力信号を供給する。
図29に示されたCMRX734は、差動モード信号除去回路735および整流回路736を含む。差動モード信号除去回路735は、結合素子33による受信信号から差動モード信号を除去し、同相モード信号のみを整流回路736に供給する。差動モード信号除去回路735は、図6に示された差動モード信号除去回路241と同様に、信号線対32を構成する2つの信号線の中点電位を取ることで実現されてもよい。整流回路736は、同相モード信号を整流し、直流電力を負荷737に供給する。負荷737は、例えば、他の回路ブロック、又は蓄電池である。
なお、図29では省略されているが、負荷737に適した電圧に変換するためのDC−DCコンバータ(つまり、電圧レギュレータ)が整流回路736と負荷737の間に配置されてもよい。また、図29の構成例は、同相モード信号及び差動モード信号を同一方向に伝送する例を示しているが、同相モード信号及び差動モード信号の伝送方向は逆方向であってもよい。
また、図29では、電力信号としての同相モード信号が正弦波信号である場合を示しているが、同相モード信号は、厳密な正弦波信号でなくてもよい。例えば、同相モード信号は、リング・オシレータ等のパルス発生回路により発生された矩形波信号が帯域制限されたものでもよい。
また、図29は、図14に示したクロック信号伝送に用いる構成を電力伝送に用いるためPLL725を備えている。図29のPLL725を用いる構成によれば、データ信号D1と電力信号の同期をとることが容易であるため、第5の実施形態で述べたジッタ低減の効果を得ることができる。しかしながら、電力伝送においては必ずしもデータ信号D1と電力信号の同期をとる必要はないため、PLL725は省略されてもよい。したがって、本実施形態に係る通信システム7は、図30のように変形されてもよい。図30の例では、PLL725に代えて発振器728が設けられている。発振器728により生成される正弦波信号は、CMTX724を介して同相モード信号として信号線対22に供給される。なお、発振器728の出力信号は、厳密な正弦波信号でなくてもよい。例えば、発振器728は、リング・オシレータ等のパルス発生回路でもよい。つまり、信号線22及び結合素子23に供給される電力信号は、帯域制限された矩形波信号であってもよく、より具体的にはデータ信号D1(ベースバンド信号)に比べて帯域制限された矩形波信号であってもよい。
本実施形態では、交流信号としての同相モード信号の周波数は、結合素子23及び33の同相モード利得が高い周波数帯域内から選択されるとよい。これにより、同相モード信号の電力を効率良く伝送することができる。
<その他の実施形態>
上述した第1〜第6の実施形態は、適宜組み合わせて実施されてもよい。
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、本件発明者等により得られた技術思想は、以下に示す実施形態A1〜A46を含む。
実施形態A1〜A2、A6〜A12、A17〜A18、A22〜A28、A33〜A34、並びにA38〜A42は、例えば、上述した第1の実施形態に対応する。
実施形態A3、A19、及びA35は、例えば、上述した第2の実施形態に対応する。
実施形態A14、A30、及びA44は、例えば、上述した第3の実施形態に対応する。
実施形態A13、A15、A29、A31、A43、及びA45は、例えば、上述した第4の実施形態に対応する。
実施形態A4〜A5、A20〜A21、A36〜A37は、例えば、上述した第5の実施形態に対応する。
実施形態A16、A32、及びA46は、例えば、上述した第6の実施形態に対応する。
(実施形態A1)
第1及び第2の通信機と、
第1の信号線対を介して前記第1の通信機に接続された第1の結合素子と、
第2の信号線対を介して前記第2の通信機に接続された第2の結合素子と、
を備え、
前記第1及び第2の通信機は、前記第1及び第2の結合素子の間の非接触カップリングを介して、差動モード信号及び同相モード信号を同時に無線伝送できるよう構成されている、
無線通信システム。
(実施形態A2)
前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
前記同相モード信号は、変調された搬送波信号である、実施形態A1に記載の無線通信システム。
(実施形態A3)
前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
前記同相モード信号は、正弦波信号、又は前記ベースバンド信号に比べて帯域制限された矩形波信号である、実施形態A1に記載の無線通信システム。
(実施形態A4)
前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の中心周波数は、前記ベースバンド信号のビットレートの2分の1と同一又はその整数倍である、実施形態A2又はA3に記載の無線通信システム。
(実施形態A5)
前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の位相は、前記ベースバンド信号の位相に対して90度ずれている、実施形態A4に記載の無線通信システム。
(実施形態A6)
前記第1の通信機は、前記第1の信号線対に前記差動モード信号を供給する差動モード送信機を含み、
前記第2の通信機は、前記第1及び第2の結合素子を介して前記差動モード信号を受信する差動モード受信機を含み、
前記第1及び第2の通信機の一方は、前記第1又は第2の信号線対に前記同相モード信号を供給する同相モード送信機を含み、
前記第1及び第2の通信機の他方は、前記第1及び第2の結合素子を介して前記同相モード信号を受信する同相モード受信機を含む、
実施形態A1〜A5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(実施形態A7)
前記第1の結合素子は、第1の導電性ループを有する第1のインダクタを含み、
前記第2の結合素子は、第2の導電性ループを有する第2のインダクタを含み、
前記第1及び第2の結合素子は、前記第1及び第2の導電性ループが対向するように配置されることにより、前記非接触カップリングを形成する、
実施形態A1〜A6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(実施形態A8)
前記第1の通信機は、前記差動モード信号を構成する互いに逆位相の2つの信号によって前記第1の導電性ループの両端を駆動するよう構成され、
前記第1又は第2の通信機は、前記同相モード信号を構成する互いに同位相の2つの信号によって前記第1又は第2の導電性ループの両端を駆動するよう構成されている、
実施形態A7に記載の無線通信システム。
(実施形態A9)
前記第1及び第2のインダクタは、配線基板上のプリント配線、半導体パッケージ内のリードフレーム、又は半導体基板上の配線層によって形成される、実施形態A7又はA8に記載の無線通信システム。
(実施形態A10)
前記第1及び第2の導電性ループの各々は、線対称な形状を有し、
前記第1及び第2のインダクタは、前記第1の導電性ループの対称軸を含む平面と前記第2の導電性ループの対称軸を含む平面が平行となるように配置される、
実施形態A7〜A9のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(実施形態A11)
前記第1の導電性ループは、前記第2の導電性ループと同一形状を有する、実施形態A10に記載の無線通信システム。
(実施形態A12)
前記非接触カップリングは、誘導性カップリング及び容量性カップリングを含み、
前記差動モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の誘導性カップリングにより伝送され、
前記同相モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の容量性カップリングにより伝送される、
実施形態A1〜A11のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(実施形態A13)
前記第1及び第2の通信機の少なくとも一方は、前記同相モード信号の伝送が成功したことに応答して、前記差動モード信号の送信又は受信のための回路を起動するよう構成されている、実施形態A1〜A12のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(実施形態A14)
前記第2の通信機は、第1の通信機における前記差動モード信号の送信電力調整に使用される制御データを前記同相モード信号を用いて送信するよう構成されている、実施形態A1〜A13のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(実施形態A15)
前記第1及び第2の通信機の少なくとも一方は、前記同相モード信号又は前記差動モード信号の受信品質が十分でないことに応答して、前記第1の通信機及び前記第1の結合素子、又は前記第2の通信機及び前記第2の結合素子の配置調整を使用者に促すための表示を表示装置に出力するよう構成されている、実施形態A1〜A14のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(実施形態A16)
前記同相モード受信機は、受信された前記同相モード信号を整流する整流回路を含む、実施形態A6に記載の無線通信システム。
(実施形態A17)
第1の通信機と、
第1の信号線対を介して前記第1の通信機に接続された第1の結合素子と、
を備え、
前記第1の通信機は、他の無線通信装置に設けられた第2の結合素子と前記第1の結合素子の非接触カップリングを介して、前記他の無線通信装置との間で差動モード信号及び同相モード信号を同時に無線伝送できるよう構成されている、
無線通信装置。
(実施形態A18)
前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
前記同相モード信号は、変調された搬送波信号である、実施形態A17に記載の無線通信装置。
(実施形態A19)
前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
前記同相モード信号は、正弦波信号、又は前記ベースバンド信号に比べて帯域制限された矩形波信号である、実施形態A17に記載の無線通信装置。
(実施形態A20)
前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の中心周波数は、前記ベースバンド信号のビットレートの2分の1と同一又はその整数倍である、実施形態A18又はA19に記載の無線通信装置。
(実施形態A21)
前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の位相は、前記ベースバンド信号の位相に対して90度ずれている、実施形態A20に記載の無線通信装置。
(実施形態A22)
前記第1の通信機は、
前記第1の信号線対に差動モード信号を供給する差動モード送信機、及び前記第1の信号線対から前記差動モード信号を受信する差動モード受信機のうち少なくとも1つと、
前記第1の信号線対に同相モード信号を供給する同相モード送信機、及び前記第1の信号線対から前記同相モード信号を受信する同相モード受信機のうち少なくとも1つと、
を含む、
実施形態A17〜A21のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(実施形態A23)
前記第1の結合素子は、第1の導電性ループを有する第1のインダクタを含み、
前記第2の結合素子は、第2の導電性ループを有する第2のインダクタを含み、
前記第1の結合素子は、前記第1及び第2の導電性ループが対向するように配置されることにより、前記非接触カップリングを形成する、
実施形態A17〜A22のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(実施形態A24)
前記第1の通信機は、
前記差動モード信号を構成する互いに逆位相の2つの信号によって前記第1の導電性ループの両端を駆動するか、前記第1の導電性ループの両端から前記差動モード信号を受信するよう構成され、
前記同相モード信号を構成する互いに同位相の2つの信号によって第1の導電性ループの両端を駆動するか、前記第1の導電性ループの両端から前記同相モード信号を受信するよう構成されている、
実施形態A23に記載の無線通信装置。
(実施形態A25)
前記第1のインダクタは、配線基板上のプリント配線、半導体パッケージ内のリードフレーム、又は半導体基板上の配線層によって形成される、実施形態A23又は24に記載の無線通信装置。
(実施形態A26)
前記第1及び第2の導電性ループの各々は、線対称な形状を有し、
前記第1のインダクタは、前記第1の導電性ループの対称軸を含む平面と前記第2の導電性ループの対称軸を含む平面が平行となるように配置される、
実施形態A23〜A25のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(実施形態A27)
前記第1の導電性ループは、前記第2の導電性ループと同一形状を有する、実施形態A26に記載の無線通信装置。
(実施形態A28)
前記非接触カップリングは、誘導性カップリング及び容量性カップリングを含み、
前記差動モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の誘導性カップリングにより伝送され、
前記同相モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の容量性カップリングにより伝送される、
実施形態A17〜A27のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(実施形態A29)
前記第1の通信機は、前記同相モード信号の伝送が成功したことに応答して、前記差動モード信号の送信又は受信のための回路を起動するよう構成されている、実施形態A17〜A28のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(実施形態A30)
前記第1の通信機は、前記差動モード信号の送信電力調整に使用される制御データを前記同相モード信号を用いて送信又は受信するよう構成されている、実施形態A17〜A29のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(実施形態A31)
前記同相モード信号又は前記差動モード信号の受信品質が十分でないことに応答して、前記無線通信装置又は前記他の無線通信装置の配置調整を使用者に促すための表示を表示装置に出力するよう構成されている、実施形態A17〜A30のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(実施形態A32)
前記同相モード受信機は、受信された前記同相モード信号を整流する整流回路を含む、実施形態A22に記載の無線通信装置。
(実施形態A33)
第1の無線通信装置が有する第1の結合素子と第2の無線通信装置が有する第2の結合素子が非接触カップリングを形成するように、前記第1及び第2の無線通信装置を配置すること、及び
前記非接触カップリングを介して、前記第1及び第2の無線通信装置の間で差動モード信号及び同相モード信号を同時に無線伝送すること、
を備える無線通信方法。
(実施形態A34)
前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
前記同相モード信号は、変調された搬送波信号である、実施形態A33に記載の無線通信方法。
(実施形態A35)
前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
前記同相モード信号は、正弦波信号、又は前記ベースバンド信号に比べて帯域制限された矩形波信号である、実施形態A33に記載の無線通信方法。
(実施形態A36)
前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の中心周波数は、前記ベースバンド信号のビットレートの2分の1と同一又はその整数倍である、実施形態A34又はA35に記載の無線通信方法。
(実施形態A37)
前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の位相は、前記ベースバンド信号の位相に対して90度ずれている、実施形態A36に記載の無線通信方法。
(実施形態A38)
前記第1の結合素子は、第1の導電性ループを有する第1のインダクタを含み、
前記第2の結合素子は、第2の導電性ループを有する第2のインダクタを含み、
前記配置することは、前記第1及び第2の導電性ループが対向するように前記第1及び第2の無線通信装置を配置することを含む、
実施形態A33〜A37のいずれか1項に記載の無線通信方法。
(実施形態A39)
前記無線伝送することは、
前記第1の通信機から前記第1のインダクタの2つのポートに前記差動モード信号を供給すること、及び
前記第1又は第2の通信機から、前記第1又は第2のインダクタの2つのポートに前記同相モード信号を供給すること、
を含む、
実施形態A33〜A38のいずれか1項に記載の無線通信方法。
(実施形態A40)
前記第1及び第2の導電性ループの各々は、線対称な形状を有し、
前記配置することは、前記第1の導電性ループの対称軸を含む平面と前記第2の導電性ループの対称軸を含む平面が平行となるように前記第1及び第2の無線通信装置を配置することを含む、
実施形態A38又はA39に記載の無線通信方法。
(実施形態A41)
前記第1の導電性ループは、前記第2の導電性ループと同一形状を有する、実施形態A40に記載の無線通信方法。
(実施形態A42)
前記非接触カップリングは、誘導性カップリング及び容量カップリングを含み、
前記差動モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の誘導性カップリングにより伝送され、
前記同相モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の容量性カップリングにより伝送される、
実施形態A33〜A41のいずれか1項に記載の無線通信方法。
(実施形態A43)
前記同相モード信号の伝送が成功したことに応答して、前記第1及び第2の通信機の少なくとも一方において、前記差動モード信号の送信又は受信のための回路を起動することをさらに備える、実施形態A33〜A42のいずれか1項に記載の無線通信方法。
(実施形態A44)
前記差動モード信号の送信電力調整に使用される制御データを、前記同相モード信号を用いて前記第1及び第2の通信機の間で転送することをさらに備える、実施形態A33〜A43のいずれか1項に記載の無線通信方法。
(実施形態A45)
前記同相モード信号又は前記差動モード信号の受信品質が十分でないことに応答して、前記第1の通信機及び前記第1の結合素子、又は前記第2の通信機及び前記第2の結合素子の配置調整を使用者に促すための表示を表示装置に出力することをさらに備える、実施形態A33〜A44のいずれか1項に記載の無線通信方法。
(実施形態A46)
前記同相モード信号を受信した前記第1又は第2の無線通信装置受信において、整流回路を用いて前記同相モード信号を整流することをさらに備える、実施形態A33〜A45のいずれか1項に記載の無線通信方法。
1、4、5、6、7 無線通信システム
12、13、14 電子機器
2、3、42、43、52、53、62、63、72、73 通信機
21、421、521、621、721 差動モード送信機(DMTX)
22、32 信号線対
23、33 結合素子
24、434、524、624、635、734 同相モード受信機(CMRX)
31、431、531、631、731 差動モード受信機(DMRX)
34、424、534、625、634、724 同相モード送信機(CMTX)
70 モールド樹脂
71〜76 フレーム部材
77 ダイパッド
78、78A、78B 半導体チップ(ダイ)
79 リード
120、130、140 筺体
121、131、141 キャビティ
122、132、142 窓
211 差動ドライバ
241、735 差動モード信号除去回路
242 復調回路
311 差動増幅器
312 ヒステリシスコンパレータ
341 変調回路
342、343、726、727 シングルエンド・ドライバ
344 リング・オシレータ
425、429、725 PLL(Phase Locked Loop)
426、728 発振器
427 フリップフロップ
428 マルチプレクサ
430 差動レシーバ
435 PI(Phase Interpolator)
436 FFE(Feed Forward Equalizer)
437 レジスタ
438 DFE(Decision Feedback Equalizer)
439 レジスタ
525、535 コントロールロジック
626、636 コントローラ
700A、700B 半導体パッケージ
701A〜704A、701B〜704B パッド
736 整流回路
737 負荷
2421 包絡線検波器
2422 コンパレータ
3411 ミキサ
3412 発振器

Claims (20)

  1. 第1及び第2の通信機と、
    第1の信号線対を介して前記第1の通信機に接続された第1の結合素子と、
    第2の信号線対を介して前記第2の通信機に接続された第2の結合素子と、
    を備え、
    前記第1及び第2の通信機は、前記第1及び第2の結合素子の間の誘導性カップリング及び容量性カップリングの少なくとも一方を含む非接触カップリングを介して、差動モード信号及び同相モード信号を同時に無線伝送できるよう構成されている、
    無線通信システム。
  2. 前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
    前記同相モード信号は、変調された搬送波信号である、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
    前記同相モード信号は、正弦波信号、又は前記ベースバンド信号に比べて帯域制限された矩形波信号である、請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記第1の結合素子は、第1の導電性ループを有する第1のインダクタを含み、
    前記第2の結合素子は、第2の導電性ループを有する第2のインダクタを含み、
    前記第1及び第2の結合素子は、前記第1及び第2の導電性ループが対向するように配置されることにより、前記非接触カップリングを形成する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 第1の通信機と、
    第1の信号線対を介して前記第1の通信機に接続された第1の結合素子と、
    を備え、
    前記第1の通信機は、他の無線通信装置に設けられた第2の結合素子と前記第1の結合素子の間の誘導性カップリング及び容量性カップリングの少なくとも一方を含む非接触カップリングを介して、前記他の無線通信装置との間で差動モード信号及び同相モード信号を同時に無線伝送できるよう構成されている、
    無線通信装置。
  6. 前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
    前記同相モード信号は、変調された搬送波信号である、請求5に記載の無線通信装置。
  7. 前記差動モード信号は、ベースバンド信号であり、
    前記同相モード信号は、正弦波信号、又は前記ベースバンド信号に比べて帯域制限された矩形波信号である、請求項5に記載の無線通信装置。
  8. 前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の中心周波数は、前記ベースバンド信号のビットレートの2分の1と同一又はその整数倍である、請求項6又は7に記載の無線通信装置。
  9. 前記搬送波信号、正弦波信号、又は前記帯域制限された矩形波信号の位相は、前記ベースバンド信号の位相に対して90度ずれている、請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 前記第1の通信機は、
    前記第1の信号線対に差動モード信号を供給する差動モード送信機、及び前記第1の信号線対から前記差動モード信号を受信する差動モード受信機のうち少なくとも1つと、
    前記第1の信号線対に同相モード信号を供給する同相モード送信機、及び前記第1の信号線対から前記同相モード信号を受信する同相モード受信機のうち少なくとも1つと、
    を含む、
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  11. 前記第1の結合素子は、第1の導電性ループを有する第1のインダクタを含み、
    前記第2の結合素子は、第2の導電性ループを有する第2のインダクタを含み、
    前記第1の結合素子は、前記第1及び第2の導電性ループが対向するように配置されることにより、前記非接触カップリングを形成する、
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  12. 前記第1の通信機は、
    前記差動モード信号を構成する互いに逆位相の2つの信号によって前記第1の導電性ループの両端を駆動するか、前記第1の導電性ループの両端から前記差動モード信号を受信するよう構成され、
    前記同相モード信号を構成する互いに同位相の2つの信号によって第1の導電性ループの両端を駆動するか、前記第1の導電性ループの両端から前記同相モード信号を受信するよう構成されている、
    請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記第1のインダクタは、配線基板上のプリント配線、半導体パッケージ内のリードフレーム、又は半導体基板上の配線層によって形成される、請求項11に記載の無線通信装置。
  14. 前記第1及び第2の導電性ループの各々は、線対称な形状を有し、
    前記第1のインダクタは、前記第1の導電性ループの対称軸を含む平面と前記第2の導電性ループの対称軸を含む平面が平行となるように配置される、
    請求項11に記載の無線通信装置。
  15. 前記第1の導電性ループは、前記第2の導電性ループと同一形状を有する、請求項14に記載の無線通信装置。
  16. 前記非接触カップリングは、誘導性カップリング及び容量性カップリングを含み、
    前記差動モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の誘導性カップリングにより伝送され、
    前記同相モード信号は、主として前記第1及び第2の結合素子の容量性カップリングにより伝送される、
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  17. 前記第1の通信機は、前記同相モード信号の伝送が成功したことに応答して、前記差動モード信号の送信又は受信のための回路を起動するよう構成されている、請求項5に記載の無線通信装置。
  18. 前記第1の通信機は、前記差動モード信号の送信電力調整に使用される制御データを前記同相モード信号を用いて送信又は受信するよう構成されている、請求項5に記載の無線通信装置。
  19. 前記同相モード信号又は前記差動モード信号の受信品質が十分でないことに応答して、前記無線通信装置又は前記他の無線通信装置の配置調整を使用者に促すための表示を表示装置に出力するよう構成されている、請求項17又は18に記載の無線通信装置。
  20. 前記同相モード受信機は、受信された前記同相モード信号を整流する整流回路を含む、請求項10に記載の無線通信装置。
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