JP5987640B2 - 超音波を用いた被検体の3次元復元方法および装置 - Google Patents

超音波を用いた被検体の3次元復元方法および装置 Download PDF

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Description

3.1 産業上の利用可能性
本発明は、生体組織を3次元的に復元する超音波画像診断技術に関する。具体的には、本発明により、従来の線形アレイトランスデューサを用いて、一連の2次元画像から管状構造を3次元的に復元することができる。3D(又はマトリックス)トランスデューサの有無は問わない。3Dトランスデューサは、トランスデューサ用の位置追跡デバイスの有無に関係なく、医療用画像処理装置に搭載することができる。本発明の具体的な利用法としては、アテローム性動脈硬化症の診断およびプラークの評価のため、頚動脈の3Dモデルの作成に用いることができる。以下に記載される方法は、頚動脈だけでなく管状組織構造にも用いられる。
3.2 背景技術および先行技術
3.2.1 超音波画像診断システム
医師が人体の器官を観察する際に超音波画像診断システムは有用である。一般的な超音波画像診断システムは、(プローブとしても知られる)トランスデューサ、データ取得部、データ処理部、データ表示部、及び、人間と機械を結ぶためのユーザインターフェースを備える。
特定の周波数とエネルギーを有する信号は、プローブの配列要素を励起し音響圧力波を生成するのに用いられる。音響圧力波は、媒体を通過し観察対象である被検体に向けられる。さらに、音響圧力波は、被検体の様々な身体的特徴に反射し吸収される、又は、吸収される。反射波はプローブにはね返り、配列要素がその反射波を受波する。反射波から生体組織の情報を取得し処理して、超音波画像を生成する。
超音波画像診断装置は、「リアルタイム」の断層撮像装置であり、医学分野で最も広く使用され汎用性のある最新の撮像モダリティの1つである。磁気共鳴(MR)やコンピュータ断層撮影(CT)など他のモダリティと比較した場合、同装置は比較的安価で持ち運びしやすい。また、医療における超音波画像診断装置の利用よる患者へのリスクは現在確認されていない。こうした利点が、主要な画像診断モダリティとして超音波画像診断装置が用いられる理由となっている。
超音波画像の最も一般的な種類の1つにBモード画像がある。Bモード画像とは、受信した超音波信号から生成された下部組織のグレースケール画像のことである。画像のより明るい領域は、器官間の境界など、超音波信号をよく反射する生体組織の一部分に相当する。より暗い領域は、流動体で満たされる中空構造など、超音波をあまり反射しない生体組織の一部に相当する。Bモード画像は走査した生体組織の形態構造を示す。走査した生体組織は、医師が診断のために用いることができる。または、生体組織の自動評価のため、自動化アルゴリズムにより重要な特徴を取得する際に用いられる。
他の画像診断モダリティと比較した際の超音波画像診断装置の利点として、高フレームレート、患者への安全性、及び、使いやすさが挙げられる。他のモダリティには、例えば、MRI、CT、マンモグラフィなどがある。MRIとCTは走査時間が長いため、超音波画像診断装置と比べると、画像は比較的静止状態のものしか生成できない。マンモグラフィを使用する際に患者にX線を照射するが、X線の頻繁な利用は好ましくない。一方、超音波画像診断装置の主要な欠点は、他の画像診断モダリティと比較し画像の解像度が低いことである。それにもかかわらず、超音波画像診断装置は、心臓系など動きの多い生体組織の診断に用いる最も実用性の高いモダリティである。
解像度を向上し画質を向上させる方法により、又は、診断に利用する超音波画像の重要な特徴を抽出する方法により、超音波画像診断装置の品質を向上する多くの試みがなされてきた。必ずしも医師への支援があるとは限らない集団検診においては特により多くの人を超音波画像診断するため、超音波画像診断装置のメーカーは、生体組織の特徴を自動抽出する超音波画像診断装置を製造する傾向にある。
以前の超音波画像診断装置は、線形配列した超音波トランスデューサを用いて2D画像しか生成することができなかった。ハードウェアの性能により、限定数のトランスデューサ要素しか用いることができず、要素は線形にしか配列することができなかった。近年のハードウェア及びソフトウェアの進歩により、マトリックス超音波トランスデューサの使用が可能になった。マトリックス超音波トランスデューサにより、行列状に配列された構成要素から超音波信号が生成され、多くの受信信号を生成するため、走査した生体組織の3D画像が得られる。しかしながら、診療所における超音波画像診断装置のより幅広い使用法及び一般的な使用法、各生体組織を撮影できるようにするための超音波トランスデューサの小型化、超音波画像診断装置の低価格化といった要望に応えるため、マトリックストランスデューサを備えるこのような超音波画像診断システムの改良品をさらに開発する必要がある。
多くの分野において、3Dの情報により、確実により綿密な診断が得られる。すぐに利用可能な3D撮像機能を有するシステムが得られない場合に、2D機能のみを備える現在のシステムを用いて3D撮像することが可能であるか否かについて研究する開発者もいる。これは、複数の2D画像を組み合わせ、走査した生体組織の3Dモデルを作成することにより達成できる。
3.2.2 先行技術
複数の2D画像を組み合わせて、走査した生体組織の3Dモデルを作成する方法が発明されている。
先行技術の中には、[2]など、一連の2Dスライス画像を組み合わせて動脈の3Dモデルの作成を試みるものもある。冠状動脈の部分を一連の2D画像において分類し抽出して、一連の画像を組み合わせることにより、3Dモデルが得られる。フレーム間の欠損データを取得するため、補間法が用いられる。同方法は動脈の形態学的画像を利用しており、パラメータ情報は全く用いていない。また、走査面の位置情報が正しく推定されるという保証はなく、抽出した動脈の画像の画質を測定する指標もない。
別の先行技術[3]も、一連の2D画像から、血管の3Dボリュームを作成することを目的としている。同先行技術では、血管の中心軸を用いて一連の2D画像を登録するため、想定される誤差を修正することができる。画像が組み合わされ3Dモデルが得られる。上記の先行技術と同様に、位置情報の正確性の保証はなく、登録ステップの質を測る指標もない。
同様に、先行技術[4]も、一連の2D画像を組み合わせて3Dモデルを作成することを目的とする。正中線、イントラ画像、軸方向像、矢状断像、冠状断像など、一連の2D画像を組み合わせることにより、管状構造の様々な特徴を3D表示するシステムを先行技術[4]は記載している。
先行技術[5]も、複数の2Dスライス画像を組み合わせることによる、3Dモデルの作成を記載している。3Dモデルは予め利用できる場合があり、同先行技術は、走査した生体組織の様々な解剖構造を表示するため、このような3Dモデルにおける2D画像の正確な位置を検出する方法に着目している。テクスチャマッピングなどの方法を用いて表示(画像)の質を向上する。
[6]及び[7]などの先行技術には、位置センサを用いて一連の2D画像を撮像するシステムが記載されている。位置センサが位置トランスレーターとして超音波プローブに搭載されるため、位置トランスレーターの正確な位置からプローブの位置を導出してもよい。これらの先行技術は、2D画像を組み合わせて3Dモデルを作成する方法ではなく、システムの実現方法に着目している。
他の先行技術の中には、[1]のように、マルチビューから取得された2D画像を用いて、ある構造の3Dモデルを作成しようとするものもある。互いに平行な一連の2D画像を撮像する代わりに、同先行技術では、線形超音波プローブを様々な角度で回転させながら一連の2D画像を撮像する。中空の形状に関する先行知識を用いて、心臓の左心室の境界を判定し、様々な角度から取得した2D画像を組み合わせて左心室の3Dモデルを作成する。
要約すると、先行技術の中には、2D画像を用いて3Dモデルを再構築するものや、位置センサを用いるもの、わずか2枚の2D画像から3D再構築するものがあるが、3Dモデルの品質指標を有する先行技術はない。先行技術の中には、3Dモデルの品質を向上させるため、専門知識に基づいて、走査した生体組織の所定モデルを用いるものがあるが、そのようなモデルは全ての患者には適用できない。また、管状構造の3D再構築において、複数のスキャンビューを利用する先行技術はない。よって、確実に高品質の3Dモデルを得るために必要なデータが不足する。
米国特許第5,871,019号明細書、「Fast cardiac boundary imaging」 米国特許第8,105,239号明細書、「Method and apparatus to visualize the coronary arteries using ultrasound」 米国特許第7,480,398号明細書、「Method of registering a sequence of 2D image data with 3D image data」 国際公開第1998/032371号、「System for two−dimensional and three−dimensional imaging of tubular structures in human body」 米国特許出願公開第2005/0018892号明細書、米国特許出願公開第2007/0253610号明細書、国際公開第1997/024697号、米国特許出願公開第2002/0191822号明細書、米国特許出願公開第2005/0058327号明細書、国際公開第1996/041567号、「Anatomical visualization and measurement system」 欧州特許第1,653,861号明細書、米国特許第6,996,432号明細書、米国特許出願公開第2004/0133105号明細書、国際公開第2005/018460号、「Automated longitudinal position translator for ultrasonic imaging probes, and methods of using same」 米国特許第6,193,736号明細書、米国特許第5,361,768号明細書、米国特許第5,485,846号明細書、米国特許第5,592,942号明細書、米国特許第5,759,153号明細書、米国特許第6,013,030号明細書、米国特許第6,409,672号明細書、米国特許第6,623,433号明細書、米国特許出願公開第2001/0021841号明細書、米国特許出願公開第2002/0143255号明細書、「Automated longitudinal position translator for ultrasonic imaging probes, and methods of using same」
3.3 課題
先行技術の主な課題として、取得した2D画像を用いて再構築した3Dモデルの品質を保証する方法の欠如、及び、管状構造の3Dモデルの再構築に用いられる複数のスキャンビューの欠如が挙げられる。
管状構造の形態学的画像として2D画像をそのまま用いてもよく、画像中の管状構造の輪郭をパラメトリック画像として抽出してもよい。しかしながら、これらの画像の品質を定量化する方法を示す先行技術はない。
2D画像からの生体組織の3D再構築には、2D画像の正確な位置及び向き(の情報)が必要である。しかし、多くの先行技術は、位置及び向きの正確性を保証する方法を提供していない。
また、特定のスキャンビューからの一連の2D画像のみを用いることにより誤差が生じる。誤差の例として、フリーハンド走査による不良データ、収集データの誤差による欠落フレーム又は使用不能フレーム、走査モダリティの限界による画像中の低画質部分、血管の脈動など生体組織内の動きによる影響が挙げられる。
上記の課題を克服するための想定される手法は、構造物のマルチビューから得られるスキャンデータを利用することである。先行技術の中には、2つ以上の走査角度から得られるデータを利用するものもあるが、各スキャンビューの限界を克服するため、どのようにマルチビューを組み合わせるのかは説明されていない。
3.4 解決手段
上記の課題を克服する方法の提供が求められる。本発明は、品質指標を提供し、マルチビューの2D画像を用いることにより、複数の2D画像を用いた再構築3Dモデルの品質を保証する方法を教示する。
品質指標は、生体組織の境界を示すため、グレースケール変化、グレースケール変化の一貫性、動脈の拍動時相などの基準を用いて算出される。なお、基準の例は上記の例に限定されるものではない。
生体組織の管状構造をマルチビューで撮影する。マルチビューは、短軸像と長軸像とに分類されることもある。マルチビューは、一又は複数の参照ビューを規定することにより組み合わされる。これらの参照ビューの生体組織の輪郭は、他のビューを用いて、調整用のガイド(指針)として輪郭の品質指標を組み込むことにより調整してもよい。
調整プロセスは、最終的な3Dモデルの特徴を調整するための様々なパラメータから構成されるコスト関数を最小化にすることにより、実行される。各ビューに対する3D空間における輪郭及び3Dモデルの平滑性など、異なる要因に対する、3Dモデルとの適合度を調整するためのパラメータに、異なる重みが与えられる。
3.6 発明の効果
本発明に記載される方法を用いて、管状構造の3Dモデルの質を向上させてもよい。一例では、頸動脈ファントムデータを用いて同方法を検証する。図18にその結果が示される。
調整前の3Dモデルには、管状構造の直径に大きな変動が見られる。調整後、この変動は大幅に縮小する。
4 図面の説明
図1は、本発明の3D再構築方法を示す図である。 図2は、モデル頂点信頼度算出を用いた、本発明の3D再構築方法の別の方法を示す図である。 図3は、位置情報取得を用いた、本発明の3D再構築方法の別の方法を示す図である。 図4は、モデル頂点信頼度算出及び位置情報取得を用いた、本発明の3D再構築方法の別の方法を示す図である。 図5は、頸動脈の血管壁及び内中膜複合体厚を示す図である。 図6は、輪郭の図である。 図7は、短軸像及び長軸像を示す図である。 図8は、短軸輪郭を示す図である。 図9は、長軸輪郭を示す図である。 図10は、位置情報を取得せず信頼度を算出しない、本発明の好ましい実施形態の例を示す図である。 図11は、位置情報を取得せず信頼度を算出する、本発明の好ましい実施形態の例を示す図である。 図12は、位置情報を取得し信頼度を算出する、本発明の好ましい実施形態の例を示す図である。 図13は、位置情報取得、信頼度算出、及び、ナビゲーションを用いる、本発明の好ましい実施形態の例を示す図である。 図14は、位置情報取得、信頼度算出、ナビゲーション、及び、輪郭選択を用いる、本発明の好ましい実施形態の例を示す図である。 図15、交点の図である。 図16は、調整した頂点の図である。 図17は、個別の3Dモデルの図である。 図18は、本発明の効果を示す図である。
3.5 実施の形態
本発明の方法は、マルチビューの2D画像から、管状組織構造の3Dモデルを再構築する方法を提供することを目的としている。図1は、本発明の概要ブロック図である。以下の実施形態は、様々な進歩性の原理を示しているにすぎない。ここで記載される詳細の変形例は、当業者には自明である。したがって、本発明は請求の範囲によってのみ限定されるもので、ここで記載される具体的な実施形態により限定されることはない。
医療用超音波(画像診断)装置は、信号送信機/受信機、データ取得部、データ処理部、及び、表示部のうち、複数の要素又は全ての要素から構成されてもよい。送信機により、走査した生体組織に高周波の超音波パルスを送ってもよい。受信機は、超音波パルスの反射および散乱を受信する。データ取得部は、超音波システムの機能に必要な他の種類のデータとともに、受信データを超音波システムの適切なフォーマットに変換してもよい。超音波装置のデータ処理部は、必要に応じて走査した生体組織の下部構造とその特性を抽出し、超音波画像としてその構造を表示する。本発明は、医療用超音波装置のデータ取得部、データ処理部及び/又は表示部において実行する方法を教示する。本発明を用いる場合、医療画像装置の他の構成要素を用いてもよい。
本実施形態のステップ及び効果を示すため、ここで記載される方法では、線形アレイプローブ(リニアプローブ)が用いられることがある。しかしながら、そのような記載は例示を目的としているにすぎず、線形アレイプローブは、医療画像装置として最も広く利用されているプローブの1つである。1.5Dプローブ及び2D(マトリックス)プローブ、又は、メカニカルリニアプローブも、本発明の範囲内である。
ここでの記載は、2Dスキャン画像又は3Dスキャン画像を提供できるいかなる画像モダリティのスキャンデータに適用してもよい。画像モダリティの例としてCTやMRIなどがあるが、これらに限定されるものではない。以下のセクション及び段落では、例示のため超音波データを用いて説明するが、その理由は単に理解しやすくするためである。他の画像モダリティを用いたここで記載する方法のそのような実施も本発明の範囲内である。
輪郭の概念は図6に示される。例示のため、頸動脈の2つのビューが示される。他の管状構造のより多くのスキャンビューに同一の図を用いることができ、そのような例示も本発明の範囲内である。
図7には、図6に記載される方法で取得された画像が示されている。図7には、短軸方向のビューと超軸方向のビューである2つのスキャンビューが示されている。超音波トランスデューサを動脈の中心線に対して比較的垂直に置き、短軸像を取得する。また、超音波トランスデューサを動脈の中心線と比較的平行に置き、長軸像を取得する。
図8には、短軸方向の輪郭の例が示されている。血管内腔(暗い)から血管壁及び周辺の生体組織(明るい)への変化に相当する画像の勾配を評価値として、能動輪郭モデルなどのアルゴリズムを用いて、画像から短軸輪郭を抽出してもよい。短軸輪郭は、頂点と称される複数の制御点から成る。また、流動体が流れる管状構造の場合は、ドップラー法を用いて短軸輪郭を抽出してもよい。垂直方向に対する角度により、頂点を配置してもよい。
動脈全体を撮像するため、総頸動脈(CCA)から内頚動脈(ICA)/外頸動脈(ECA)に向かってトランスデューサを移動させ、短軸像における一連の2D画像を撮像する。別途、各画像に対応する位置情報及び向き情報を取得してもよい。また、そのような情報は、長軸像をガイドとして、短軸像を長軸像にパターンマッチングすることにより推定してもよい。また、メカニカル3Dプローブを用いる場合、そのプローブの位置からそのような情報を算出してもよい。また、2D画像の取得にマトリックスプローブを用いる場合、画像取得時に用いられるトランスデューサの構成要素の位置からそのような情報を算出してもよい。
位置情報及び向き情報の取得に用いてもよい装置の例として、光学カメラシステム、磁気センサ、加速度計、及び、ジャイロスコープなどがある。しかしながら、装置はこれらの装置に限定されることはない。磁気センサ、加速度計、又は、ジャイロスコープを、超音波プローブに物理的に取り付けてもよい(搭載してもよい)。或いは、超音波プローブに取り付けられた光学マーカーを追跡するため、光学カメラシステムを用いてもよい。1個または複数のカメラにより、超音波プローブの所定の位置に取り付けられた1個または複数のマーカーの光学画像を取得してもよい。取得した光学画像に対し画像処理アルゴリズムを用いて、超音波プローブの位置と向きとを検出する際の目印として、そのようなマーカーを用いてもよい。
図9に長軸輪郭の例が示されている。動的プログラミングのようなアルゴリズムやパターンマッチングを用いる、あるいは、血管壁における画像の勾配を指標として用いることにより、画像から長軸輪郭を抽出してもよい。また、流動体が流れる管状構造の場合は、ドップラー法を用いて長軸輪郭を抽出してもよい。また、長軸輪郭は制御点(頂点)を有してもよい。また、長軸輪郭は制御点のない曲線であってもよい。
動脈全体を撮像するため、短軸像に対する処理と同様のスキャン処理を長軸像に対して行なってもよい。一方で、様々な角度から長軸方向の2つ以上のビューを取得して、管状構造のモデルをより完全なものにしてもよい。
単純化のため、曲線の頂点、制御点、及び、全ての輪郭点を以下では頂点と総称する。
3.5.1 発明の概要
本発明の主要な実施形態は図1に示される。本発明は、主要なブロックである、データ取得(100)、輪郭抽出(101)、個別3D位置算出(102)、輪郭信頼度算出(103)、及び、3D輪郭調整(104)を含む。
データ取得(100)は、本願の要件に応じてスキャン画像を記録する。一例として、データ取得部(100)は、頸動脈の2つのビューである短軸(横)方向に沿ったビューと長軸(縦)方向に沿ったビューから、スキャン画像を取得してもよい。別の例では、スキャン面の位置と向きを別途取得する。さらに別の例において、2つ以上の角度から長軸像を取得する。
輪郭抽出(101)は、スキャン画像を用いて管状組織構造の組織境界(輪郭)を抽出する。一例では、頸動脈の短軸像から短軸輪郭が抽出され、頸動脈の長軸像から長軸輪郭が抽出される。例示の目的で、輪郭は血管壁としてもよく、また、内中膜複合体厚(IMT)を測定するため、外膜−中膜境界および内膜−内腔境界としてもよい。図5に、内中膜複合体厚(IMT)がさらに詳細に示される。しかしながら、輪郭の概念はいかなる管状構造にも用いることができ、そのような適用も本発明の範囲内である。
個別3D位置算出(102)は、各ビューのスキャン画像の3D空間における位置および向きを算出する。一例では、個別3D位置算出(102)は別の装置を用いて、スキャン面の位置情報及び向き情報を取得する。または、パターンマッチング法を用いてスキャン画像から上記情報を算出する。または、メカニカルプローブの位置及び向きから上記情報を算出する。また、マトリックスプローブを用いる場合は、画像取得時に用いられるトランスデューサの構成要素の位置及び向きから上記情報を算出する。上記情報は、3D空間におけるスキャン面の位置決めに用いられる。別の例では、個々のモデルの位置合わせまたは可視化のため、特定のビューのスキャン画像を組み合わせることにより、走査した組織(例えば、頸動脈)の個別の3Dモデルを作成することができる。別の例では、位置情報及び/又は向き情報を利用できない場合、画像から位置及び/又は向きを推定する方法が用いられる。例えば、パターンマッチングによる、手動、半自動、又は、自動での画像の位置合わせが挙げられる。
輪郭信頼度算出(103)は、各スキャンビューにおける輪郭の頂点または制御点の信頼度を算出する。信頼度により、頂点の信頼度が判定され、管状構造の最終的な3Dモデルの再構築に用いる上でその頂点が信頼できるものか否かが判定される。以下、この信頼度を輪郭頂点信頼度と称する。
3D輪郭調整(104)は輪郭頂点信頼度を考慮し、各ビューから抽出した個々の輪郭又はモデルを3D空間で組み合わせて、管状構造の1つの3Dモデルとして作成する。3Dモデルも頂点を有する。以下、最終的な3Dモデルを算出するプロセスを最適化プロセスと称する。最終的な3Dモデルを最適化3Dモデルと称する。
図2には本発明の別の実施形態が示されている。図2に示されるブロックである、データ取得(200)、輪郭抽出(201)、個別3D位置算出(202)、輪郭信頼度算出(203)、及び、3D輪郭調整(204)は、図1の対応するブロックと類似している。
モデル頂点信頼度算出(205)は、最適化3Dモデルの頂点の信頼度を算出するための追加の任意ステップである。以下、この信頼度を頂点信頼度と称する。このモデル頂点信頼度は、既に3Dモデルが最適化されており、新たなビューを取得する場合に用いられる。以前のモデル頂点信頼度と新たなモデル頂点信頼度とを考慮して、以前最適化した3Dモデルと新たに撮影した輪郭とを用いて、新たな最適化3Dモデルを算出してもよい。
図3には本発明の別の実施形態が示されている。図3に示されるブロックである、データ取得(300)、輪郭抽出(301)、個別3D位置算出(302)、輪郭信頼度算出(303)、及び、3D輪郭調整(304)は、図1の対応するブロックと類似している。
また、位置情報取得(305)は、個別3D位置算出(302)で用いられる取得データの位置及び向きを算出する。各画像は、個々の装置を用いて取得した位置情報及び向き情報を有してもよい。また、パターンマッチングの指標に長軸スキャンを用いてそのような情報を推定してもよい。また、メカニカル3Dプローブを用いる場合、そのプローブの位置からそのような情報を算出してもよい。また、2D画像の取得にマトリックスプローブを用いる場合、画像取得時に用いられるトランスデューサの構成要素の位置からそのような情報を算出してもよい。
図4には本発明の別の実施形態が示されている。この実施形態は、図2および図3に示される上記2つの実施形態を組み合わせたものである。
各処理ブロックの詳細は、以下の段落で説明する。
3.5.2 データの取得
データ取得(100,200,300,400)は、様々なビューの管状構造のスキャンデータを取得する処理のことである。管状構造を頸動脈としてもよい。以下で頸動脈が記載される場合、その記載は例示のためであり、単純化するための記載にすぎない。ここで記載した方法は、腹部大動脈などいかなる管状構造にも用いることができ、そのような実施形態は本発明の範囲内である。
ここでの記載は、2D又は3Dスキャン画像を提供できるいかなる撮像モダリティのスキャンデータに適用してもよい。撮像モダリティの例としてCTやMRIが挙げられるが、これらに限定されるものではない。以下で超音波データが記載される場合、その記載は例示のためであり、単純化するための記載にすぎない。他の撮像モダリティを用いた、ここで記載される方法の実施は、本発明の範囲内である。
管状構造では、中心線の形状により、管状構造の全体的な形状が表現される。短軸像は、中心線に比較的垂直なスキャン面で取得された画像と定義してもよい。この画像において、管状構造とスキャン面との交点は、比較的円形で閉じた輪郭になる。長軸像は、中心線に比較的平行なスキャン面で取得された画像でもよい。この画像において、管状構造とスキャン面との交点は、比較的細長い輪郭(閉じていても開いていてもよい)になる。
スキャンビューは、超音波プローブの特定の向き付近のスキャン面の集合である。プローブの向きを一定に保ったまま、一方向に沿ってリニアアレイ超音波プローブを走査させる(移動させる)ことにより、そのようなスキャン面を取得してもよい。自動的に3次元走査するリニアアレイ超音波プローブを特定の位置に固定することにより、そのようなスキャン面を取得してもよい。プローブが一端から他端へ移動する際にそのデータは得られる。マトリックス(2D)プローブを特定の位置に固定し、平行に並ぶトランスデューサの構成要素のリニアセットを作動させることにより、このようなスキャン面を取得してもよい。これにより、取得した複数のスキャン面は互いに平行する。
一実施形態において、横方向に沿って管状構造のマルチビューを取得して短軸像を取得し、縦方向に沿って管状構造のマルチビューを取得して長軸像を取得する。管状構造の一端から他端へトランスデューサを走査させることにより、短軸像を取得する。シネデータの各画像は、管状構造上の特定の位置における1枚の断面画像に対応する。トランスデューサを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、同様の手法を用いて長軸像を取得してもよい。
別の実施形態において、管状構造は蛇行していても曲がっていてもよい。管状構造を、比較的真っ直ぐな形状の複数の部分に細分化してもよい。各部分において、長軸スキャン像及び/又は短軸スキャン像を個別に取得してもよい。異なる部分のこれらのデータを個々のスキャンビューとしてもよい。
別の実施形態において、長軸像の最大割面画像つまり管状構造の中心線を含む画像を取得するためにトランスデューサを特定の位置及び角度に固定することにより、長軸像を取得してもよい。
別の実施形態では、縦方向の管状構造の特徴をより効率的に撮影するために、異なるスキャンビューを選択することにより、2つ以上の傾斜角度で撮影してもよい。
また別の実施形態では、例えば、総頸動脈、外頸動脈、及び、内頚動脈などの管状構造に複数の支流がある場合は、各支流の完全な長軸像を取得するため、複数の長軸像を選択してもよい。それぞれのビューが、各支流と一致する。管状構造の特徴をより正確に撮影するため、2つ以上の傾斜角を用いてもよい。
別の実施形態において、人間の血管の場合は、その後の処理で特定の拍動状態の画像のみが選択されるように、画像をさらにフィルタリングしてもよい。例えば、内中膜複合体厚の測定のため頸動脈を撮影する場合、収縮期における最小の動脈直径の画像のみが選択される。
データ取得(100,200,300,400)の出力は、マルチビューの画像である。
3.5.3 位置情報の取得
位置情報取得(305,405)は、データ取得(300,400)から得た取得画像の位置情報を取得する処理のことである。このブロックは任意のブロックであり、このブロックの処理を行わない実施形態も本発明の範囲内である。
一実施形態において、別の装置を用い、スキャンデータの取得と同期させるなどして各スキャン面の位置および向きを取得してもよい。この情報は、スキャン面の3D位置を示すため用いられる。
位置情報および向き情報の取得に用いてもよい別の装置の例として、光学カメラシステム、磁気センサ、加速度計、及び、ジャイロスコープなどがある。しかしながら、これらの装置に限定されることはない。磁気センサ、加速度計、及び、ジャイロスコープは、超音波プローブに物理的に取り付けられてもよい。或いは、光学カメラシステムは、超音波プローブに取り付けられた光学マーカーの追跡に用いられてもよい。1個又は複数のカメラにより、超音波プローブの所定の位置に取り付けられた1個又は複数のマーカーの光学画像を取得してもよい。取得した光学画像に対し画像処理アルゴリズムを用いて、超音波プローブの位置と向きとを検出する際の目印として、そのようなマーカーを用いてもよい。
そのような装置の詳細は本発明の範囲外であるため、これ以上説明しない。
別の実施形態で、データ取得のためリニアプローブを機械的に走査させる場合は、取得したスキャン面の位置と向きは、リニアプローブの位置と向きから判定される。取得したスキャン面における位置情報及び向き情報は、超音波装置により取得できる。そのような超音波装置の詳細は本発明の範囲外のため、これ以上説明しない。
別の実施形態において、取得したスキャン面の位置と向きは、マトリックス(2D)プローブにおいて画像取得時に使用したトランスデューサの構成要素の位置及び構成により判定してもよい。マトリックスプローブは、3次元データの取得に用いてもよいし、トランスデューサの構成要素のリニアセットのみが作動中の場合、2次元データの取得に用いてもよい。そのようなリニアセットに対するスキャン面の位置と向きは、作動中のトランスデューサの構成要素の位置と超音波ビームのステアリング角度から得られる。そのような算出の詳細は本発明の範囲外のため、これ以上説明しない。
別の実施形態において、位置情報及び向き情報を取得する装置が使用できない場合、スキャンビュー間の輪郭のパターンマッチングを用いてそのような情報を推定してもよい。正確な推定を行うため、互いに直交する角度でスキャンビューを取得してもよい。例えば、管状構造の中心線と垂直に短軸像を取得し、管状構造の中心線と平行に長軸像を取得してもよい。
位置情報取得(305,405)の出力は、データ取得(300,400)で得られるようなスキャン面の位置情報である。
3.5.4 輪郭抽出
輪郭抽出(101,201,301,401)は、スキャン画像中の管状構造の境界を判定する処理のことである。そのような境界については以下、輪郭と総称することにする。これらの輪郭は制御点または頂点を含む。このような制御点や頂点を頂点と総称する。
画像中の領域間のグレースケール変化により、画像中のこれらの輪郭は特徴づけられる。図5に血管の場合のグレースケール変化の例が示される。内腔は一般的に周辺の生体組織よりも暗い。また中膜層は一般的に内膜と外膜よりも暗いので、より明るい2つの領域の間の薄くて暗い領域となる。グレースケール変化の特性を用いて、内腔、内膜、中膜、及び、外膜間の特徴を示すため、適切なマッチングフィルタを用いてもよい。ここでの記載は、生体組織の境界を抽出するために特定のグレースケール変化の特性を用いた一例である。他の種類の生体組織に対してグレースケール変化の他の特性を用いてもよく、これに関しても本発明の範囲内である。
グレースケール変化を利用する際、様々な技術を適用することができ、それらの技術により、グレースケールの変化、および、グレースケールが変化する点の連続性を検出することができる。ドップラー法(例えば、カラードップラー法又はパワードップラー法)を用いて輪郭を抽出してもよい。
全てのビューを短軸像と長軸像の2種類に分類することができる。輪郭が閉じており、そのような輪郭が中心点を囲むビューとして、短軸像を規定してもよい。輪郭が開いており、そのような輪郭が中心線を囲むビューとして、長軸像を規定してもよい。
図7に短軸像と長軸像の例が示されている。図8には短軸輪郭の例が、図9には長軸輪郭の例が示されている。
輪郭抽出の方法は先行技術で確立されている。
輪郭抽出アルゴリズムの一例は、画像処理を用いたエッジ検出である。エッジ検出の処理については先行技術で広く紹介されている。エッジ検出アルゴリズムの実際の実施は本発明の範囲外であり、ここではこれ以上説明しない。
輪郭抽出アルゴリズムの別の例として、能動輪郭アルゴリズムがある。能動輪郭モデルでは、多くの頂点を含む輪郭のエネルギーが最小化される。全体のエネルギーは、外部エネルギーと内部エネルギーを含む。外部エネルギーは、輪郭における画像の特徴から測定される。内部エネルギーは、輪郭の特定の形状の特徴から測定される。画像の特徴から、外部エネルギーは引張力であることが分かる。例えば、血管壁に対するグレースケール勾配や画像のエッジのことである。内部エネルギーは頂点間の弾性力であり、スプラインの曲率エネルギーとなる。能動輪郭モデルは先行技術で広く紹介されている。能動輪郭モデルの詳細は先行技術文献に記載されている。能動輪郭の実際の実施は本発明の範囲外であるため、ここではこれ以上説明しない。
輪郭抽出アルゴリズムの別の例は、マッチングフィルタを用いた、画像の部分セグメントにおけるグレースケールの検出である。所望のグレースケール変化の特性を示す所定のプロファイルを有するマッチングフィルタを部分セグメントに用いる。そのような部分セグメントは画像の走査線でもよい。フィルタリング処理の結果、マッチングフィルタのプロファイルに追従する位置におけるベストマッチ(最適な組み合わせ)が得られる。全ての部分セグメントを通過する一続きの曲線のうち、部分セグメントにおけるマッチングのコストの累積値が最大となる曲線が、輪郭として抽出される。
上記の抽出アルゴリズムは、輪郭抽出アルゴリズムを適用する前に、輪郭が含まれる関心領域を絞り込むことにより精度向上が見込まれる。撮像した画像の多くにおいて、関心のある構造物(例えば、短軸像は閉じた円形の輪郭、長軸像は細長い輪郭)に類似する複数の領域が画像中に存在する可能性がある。しかし、ほとんどの場合、正しい領域はこれらの領域のうち1つの領域のみである。このような絞り込みは、パターンマッチングアルゴリズムを用いて行なってもよい。
輪郭抽出アルゴリズムの別の例では、ドップラー法を用いる。(血管などの)構造壁内を流動体が流れる管状構造には、流動体が流れる領域の検出にドップラー法を用いてもよく、これらの領域の境界は流動体領域と構造壁との境界である。構造物の内壁は、ドップラー画像からその境界を検出することにより抽出してもよい。
輪郭抽出アルゴリズムの別の例では、特に血管において、複数の輪郭を抽出してもよい。そのような複数の輪郭の一例が、内腔−内膜境界(又は内膜−中膜の内輪郭)及び中膜−外膜境界(又は内膜−中膜の外輪郭)である。内中膜複合体厚(IMT)の測定やプラークの検出など頸動脈の診断のため、両方の層を抽出し、IMTを算出しプラークを検出してもよい。大動脈の診断などへの外輪郭の適用はより重要である。用いる輪郭はそれぞれの適用分野によって決まる。こうした適用も本発明の範囲内である。
輪郭抽出の出力は、スキャン面における輪郭の頂点である。
3.5.5 個別3D位置算出
個別3D位置算出(102,202,302,402)では、各スキャン面における2Dの全ての算出済み輪郭頂点座標を3D空間座標に変換する。対応する位置情報及び向き情報に基づいて、スキャン面を移動、および、回転させることにより、上記の変換を実行する。
位置情報取得(305,405)によりスキャン面の位置情報と向き情報が得られる実施形態では、利用可能な情報をそのまま用いて移動と回転を行なってもよい。
スキャン面の位置情報及び向き情報が利用できない実施形態においては、パターンマッチング法を用いて、スキャン画像からそのような情報を推定してもよい。推定処理に用いるため、互いに直交する角度でスキャンビューを取得してもよい。
スキャン面の位置及び向きが利用できない実施形態において、ある特定のビューのスキャン面は互いに平行し、そのビューにおけるスキャン面の間隔は一定であるとしてもよい。走査時間(例えば、プローブが走査領域の一端から他端へ移動するのにかかる時間)、データ取得部のフレームレート、及び、走査領域の大きさなどから、各スキャン面の位置を算出してもよい。
輪郭の欠損につながる欠落フレームや低画質の画像など、データ取得処理における予想外の誤差を克服するための追加的な実施形態として、同じ3D領域内の他のスキャンビューの輪郭を指針として用いて、同じスキャンビューにおける隣接フレームの隣接する輪郭から、そのような欠損輪郭を補間してもよい。また、輪郭抽出誤差などの影響で、孤立した輪郭が存在する可能性がある。孤立した輪郭は、近くの輪郭とは大きく異なるかもしれない。これらの孤立した輪郭については除いてもよく、対応フレームの輪郭位置を隣接フレームで補間してもよい。
複数のスキャンビューの輪郭を組み合わせる次のステップを準備するための追加的な実施形態では、参照スキャンビューとしてスキャンビューを1つ選択する。一実施形態において、そのようなスキャン画像は短軸スキャン像である。この参照スキャンビューのスキャン面のそれぞれにおいて、このスキャン面と他のスキャンビューの全ての輪郭の交点を算出する。これら交点の3D座標が、スキャンビューにおけるスキャン面の対応する2D座標に変換される。
別の実施形態では、位置情報及び向き情報の誤差を補間するため、手動、半自動、又は、完全に自動の位置合わせを行なってもよい。個別モデルの中心線を用いて、そのような位置合わせを行なってもよい。また、Bモードの特徴点のマッチングを用いて行なってもよい。
このブロックの出力は個別の3Dモデルであり、交点の2Dにおける位置である。図17に、頸動脈の個別3Dモデルの一例が示されている。2つのモデルが示されており、短軸スキャン像から作成されるモデルと、長軸スキャン像から作成されるモデルである。
短軸輪郭は円形リングの形をしており、リニアプローブが動脈の長軸方向(動脈の長さ)に沿って動くため、比較的平行な面で短軸輪郭は撮影される。全ての輪郭が同一の座標系で示され、図17の左パネルに示されるようなモデルを作成する。
長軸輪郭は開いた緩やかな曲線であり、リニアプローブは動脈の短軸方向(動脈の幅)に沿って動くため、比較的平行な面で長軸輪郭は撮影される。描出状態が最良の輪郭のみを使用し、本例では、最高の質の輪郭は、動脈の最大割面に対応するスキャン面に対応する。
図15にスキャン面と交点の一例が示されている。図15では、参照面は短軸面であり、頸動脈ファントムが走査されている。短軸面において動脈は円形リングとして現れるため、短軸輪郭も円形リングとして現れる。この短軸面に比較的垂直な角度で、長軸(方向の)走査が複数回行われる。長軸輪郭と短軸面との交点が検出される。これらの交点は短軸輪郭の調整に用いられる。
3.5.6 輪郭信頼度算出
輪郭信頼度算出(103,203,303,403)は、全ての輪郭の信頼度、特定のスキャン面における輪郭の頂点及び/又は輪郭の交点を算出する。このブロックの入力は、Bモード画像、特定のスキャン面の輪郭点及び/又は交点の位置である。
全体の輪郭又は個別の輪郭の頂点の信頼度は、信頼度パラメータの信頼指標及び様々な信頼度値から算出される。例えば、信頼度値の範囲は0から1の間で設定してもよい。信頼度パラメータを1つ以下に示す。
・信頼度指標が最大値の場合、信頼度値は1である。
・信頼度指標が最小値の場合、信頼度値は0である。
・信頼度指標が最小値と最大値の間の場合、リニアマッピングを適用する。
血管に対する輪郭信頼度算出の一実施形態では、信頼度パラメータは拍動時相であり、信頼度指標は血管径である。血管が拡大する期間に血管径は最大となり、血管が縮小する期間に血管径は最小となる。長軸スキャンにおける比較的平行な長軸輪郭間の距離から、又は、短軸輪郭の一端から輪郭の中心点を通る他端までのラインセグメントから、血管径を求めてもよい。脈動の影響として、血管が縮小する期間に輪郭頂点の信頼度は高く、血管が拡大する期間に輪郭頂点の信頼度は低くなる。したがって、最小の血管径の場合に信頼度値を1に設定してもよく、最大の血管径の場合に信頼度値を0に設定してもよい。本実施形態では、同一の信頼度値が輪郭の全ての頂点に適用される。
血管に対する輪郭信頼度算出の別の例では、信頼度パラメータは拍動時相であり、信頼度指標は対応する血管における平均化されたパワードップラー値である。血管が拡大する期間に血流は最も多くなるため、パワードップラー値が最大となる。また、血管が縮小する期間に血流は最も少なくなるため、パワードップラー値が最小となる。脈動の影響として、血管が縮小する期間に輪郭頂点の信頼度は高くなり、血管が拡大する期間に輪郭頂点の信頼度は低くなる。したがって、平均化されたパワードップラー値が最小の場合に信頼度値を1に設定してもよく、平均化されたパワードップラー値が最大の場合に信頼度値を0に設定してもよい。本実施形態では、同一の信頼度値が輪郭の全ての頂点に適用される。
任意の管状構造に対する輪郭信頼度算出の別の実施形態では、信頼度パラメータは、管状構造の境界と輪郭との近接度である。信頼度指標は、輪郭頂点又は交点における、Bモード画像のグレースケール変化である。頂点又は交点の位置で勾配の変化が大きい場合、信頼度は高い。また、頂点又は交点の位置で勾配の変化が小さい場合、信頼度は低い。管状構造の内部領域のグレースケール値は低く、外部領域のグレースケール値は高いと仮定として、勾配変化は算出される。したがって、グレースケールの最大の変化はこれらの2つの領域の境界を示す。この仮定に基づき、特定のスキャン面に対して、管状構造の内側から外側への方向で、抽出した輪郭の全ての頂点におけるグレースケール変化を算出する。最大及び最小のグレースケール変化を算出してもよく、グレースケール変化が最大の場合、信頼度値を1に設定してもよく、グレースケール変化が最小の場合、信頼度値を0に設定してもよい。本実施形態において、個別の頂点又は交点に対して個別信頼度値を算出する。
輪郭信頼度算出の別の実施形態において、信頼度パラメータは輪郭に沿った一連のグレースケール変化であり、信頼度指標は算出される輪郭頂点又は交点の付近のグレースケール変化の差である。頂点又は交点の付近において同様のグレースケール変化が長く続く場合、信頼度は高くなる。また、その反対の条件で信頼度は低くなる。グレースケール変化の継続性を検出するための想定される方法は、輪郭の隣接する頂点又は交点のグレースケール変化の差を確認する方法である。この差が大きい場合、信頼度は低くなる。またこの差が小さい場合、信頼度は高くなる。輪郭の全ての頂点又は交点に対して最大の差及び最小の差を算出してもよい。最小の差の場合、信頼度値を1に設定してもよい。最大の差の場合、信頼度値を0に設定してもよい。本実施形態において、個別の頂点又は交点に対して個別信頼度値を算出する。
輪郭信頼度算出の別の実施形態において、信頼度パラメータは、輪郭全体に対するグレースケールの変化の一貫性であり、信頼度指標は、全ての頂点又は交点におけるグレースケール変化の標準偏差である。より均一なグレースケール変化の場合、信頼度は高く標準偏差は低い。また、逆の場合は、信頼度が低く標準偏差は高いといえる。特定の輪郭に対して、グレースケール変化の標準偏差を算出する。同一のスキャンビューの全ての輪郭について、最大の標準偏差値と最小の標準偏差値を求めることができる。グレースケールの標準偏差が最小の場合、輪郭の信頼度値を1に設定してもよい。グレースケールの標準偏差が最大の場合、輪郭の信頼度値を0に設定してもよい。本実施形態では、同一の信頼度値が輪郭の全ての頂点に適用される。
輪郭信頼度算出の別の実施形態において、輪郭又は輪郭の頂点に対して算出される信頼度値が2つ以上ある。このような場合、より重要な信頼度パラメータに比重を置き、複数の信頼度値を加重合計してもよい。
また、信頼度指標の異なる組み合わせを短軸像と長軸像に用いることができる。輪郭信頼度算出の別の実施形態において、長軸スキャン像中の輪郭の信頼度値を、短軸スキャン像中の輪郭の信頼度値よりも高く設定してもよい。
輪郭信頼度算出の別の実施形態において、付近の長軸スキャン像の輪郭の信頼度値に基づいて短軸スキャン像の輪郭の信頼度値を調整してもよい。例えば、長軸スキャン像の輪郭の信頼度値が大きくなるにつれて、短軸スキャン像の信頼度値を小さくする。
一例では、血管などの管状構造は、流体の拍動に伴って、血管壁が移動する。短軸スキャン像の取得に用いられる方法、例えば、管状構造の一端から他端へプローブを走査させる方法を用いることにより、異なるスキャン面が異なる拍動時相に対応する場合がある。これにより、これらのスキャン面から作成される3Dモデルにおける不整合が、血管壁の凹凸して現れる。一方で、特定のスキャン位置及び角度を選択して取得した長軸スキャン像は、スキャン画像全体が同一の拍動時相となる。このような場合、短軸スキャン像よりも長軸スキャン像に対して、より高い信頼度値を与えてもよい。
また、短軸スキャン像の管状構造のエッジは、管状構造の側面において不明瞭である。したがって、これらのエッジから抽出した輪郭は信頼できない場合がある。それらの不明瞭なエッジを別の角度から撮影できるように、長軸スキャン像の位置と向きを定めてもよい。このような場合、短軸スキャン像よりも長軸スキャン像に対して、より高い信頼度値を与えてもよい。
輪郭信頼度算出の出力は、次の3D輪郭調整ステップに用いられる全てのスキャン面における、輪郭又は輪郭の頂点の信頼度値である。
3.5.7 3Dにおける輪郭調整
3D輪郭調整(103,204,304,404)は、同一の管状構造の異なるスキャンビューの個別の3Dモデルを、信頼度値に応じて統合することで、3Dモデルを高精度化する処理のことである。
個別3D位置算出において、参照スキャンビューを選択してもよい。スキャンビューは管状構造の全体を含むこと、又は、スキャンビューの輪郭は管状構造全体の形状を示すことを、参照スキャビュー像の基準としてもよい。選択する参照スキャンビューは2つ以上あってもよい。
スキャン角度の限界により特定の位置しか撮影できない、又は、走査プローブが管状構造の全長を撮影できる長さではないなどの想定される理由から、他のスキャンビューは完全なビューではないかもしれない。これらの不完全なスキャンビューは参照スキャンビューとして選択しなくてもよい。その代わりに、参照スキャンビューを調整し質を向上させる目的で、これらの不完全なスキャンビューを利用してもよい。これらのスキャンビューを「非参照ビュー」と呼んでもよい。
調整に用いる輪郭頂点は、参照ビューの頂点及び、非参照ビューの輪郭と参照ビューのスキャン面との交点である。参照ビューの輪郭及び頂点を、参照輪郭および参照頂点と呼ぶ。非参照ビューから導出した頂点を交差頂点と呼ぶ。
3D輪郭調整の一実施形態において、スキャン面における元の輪郭頂点、そのスキャン面における他のスキャンビューの交点、それに対応する信頼度値を用いて、参照ビューにおける各スキャン面内の輪郭を最適化することにより、この調整を行なってもよい。
参照ビューのスキャン面に対し、最適化プロセスを連続して行なってもよい。1つの操作で複数のスキャン面に対し、最適化プロセスを行なってもよい。最適化プロセスの結果を「新輪郭」と呼ぶ。
少なくとも以下の要素全て又は以下の要素のサブセットを含むコスト関数を最小化することにより、最適化を行う。
・新たな輪郭から、信頼度により重み付けされた参照輪郭までの距離(輪郭頂点コスト)
・新たな輪郭から、信頼度により重み付けされた交点までの距離(交点コスト)
・新たな輪郭における、隣接する輪郭点間の半径の差(フレーム内の輪郭の平滑性コスト)
・新たな輪郭の頂点と参照ビューの隣接するスキャン面の対応する輪郭頂点との距離(フレーム間の輪郭の平滑性コスト)
・新たな中心点と隣接する中心点との距離(中心線の平滑性コスト)
各要素は、最適化3Dモデルが適合するパラメータを調整する。その要素に対する重み因子は、適合度を調整する。ここで、重み因子は相対値である。例えば、重み因子の絶対値が全て等しく大きい場合には、各パラメータに対する適合度は同一である。一方、重み因子が相対的に異なる値であれば、各パラメータに対する適合度は、重み因子の値に応じて調節される。 より具体的には、以下の式を用いて、コスト関数全体を説明してもよい。コスト関数の各項それぞれを重み因子により重み付けすることにより、各要素の重要性を調整する。より高い重み因子は対応する要素がより重要であることを意味する。より低い重み因子は対応する要素の重要度がより低いことを意味する。
別の実施形態では、長軸スキャン像に関連する要素の重みを短軸スキャン像に関連する要素の重みよりも高く設定する。
一例では、血管などの管状構造は、流体流を振動させることにより生成される移動壁を有する。短軸スキャン像の取得に用いられる方法、例えば、管状構造の一端から他端へプローブを走査させる方法を用いることにより、異なるスキャン面が異なる拍動時相に対応する場合がある。これにより、これらのスキャン面から作成される3Dモデルにおける不整合が、構造壁上で波形として現れる。一方で、特定のスキャン位置及び角度を選択することにより、長軸スキャン像を取得してもよい。長軸スキャン像では、スキャン画像全体が特定の拍動時相に対応する。このような場合、短軸スキャン像に関するコスト要素よりも、長軸スキャン像に関するコスト要素に対してより高い重みを与えてもよい。
別の例では、短軸スキャン像の管状構造のエッジは、管状構造の側面において不明瞭である。したがって、これらのエッジから抽出した輪郭は信頼できない場合がある。それらの不明瞭なエッジを別の角度から撮影できるように、長軸スキャン像の位置と向きを定めてもよい。このような場合、短軸スキャン像よりも長軸スキャン像に関する要素に対して、より高い重みを与えてもよい。
下記式では、新たな頂点をnewVtxと呼ぶ。これらの頂点で形成される新たな輪郭をnewContoursと呼ぶ。頂点をvtxと呼ぶ。交差頂点をintsecと呼ぶ。
下記式を用いて全コスト関数を算出してもよい。
下記式を用いて輪郭頂点コストを算出してもよい。
ここで、iは、新頂点の指標を示す。vtxReliabilityは、参照頂点の信頼度を示す。vtxは、参照頂点を示す。newVtxは、新たにサンプリングした頂点を示す。
下記式を用いて交差頂点コストを算出してもよい。
ここで、jは、近くに交差頂点がある新頂点の指標を示す。kは、頂点jの付近の全ての交差頂点の指標を示す。intsecReliabilityk,jは、交差頂点の信頼度を示す。intseck,jは、交差頂点を示す。newVtxは、新たにサンプリングした頂点を示す。
下記式を用いて、フレーム内の輪郭平滑性コストを算出してもよい。
ここで、iは、全ての頂点の指標を示す。kは、特定の頂点に隣接する全ての頂点の指標を示す。newVtxは、新たにサンプリングした頂点を示す。adjacentVtxk,i は、頂点iに隣接する頂点を示す。
下記式を用いて、フレーム間の輪郭平滑性コストを算出してもよい。
iは、新頂点の指標を示す。pは、隣接面の対応する全ての頂点の指標を示す。vtxReliabilityは、隣接頂点の信頼度を示す。newVtxは、新たにサンプリングした頂点を示す。adjPlaneVtxi,pは、頂点iに対応する隣接面の頂点を示す。
下記式を用いて、中心線の平滑性コストを算出してもよい。
ここで、pは、現在のスキャン面に隣接し現在のスキャン面を含む全ての中心点の指標を示す。newCenterPtは、新頂点の中心点を示す。adjacentCenterptは、現在の面を含む全ての隣接面における元の中心点を示す。
多数のパラメータから構成されるコスト関数の最小化方法としては、焼きなまし法などの統計的最適化アルゴリズムを用いることができる。そのような実施形態は本発明の範囲外であるため、ここではこれ以上説明しない。
3D輪郭調整の出力とは、参照ビューの最適化輪郭のこと、又は、参照ビューの全てのスキャン面における全ての最適化頂点を含む管状構造の3Dモデルのことである。
図16に、最適化頂点の一例が示される。
3D輪郭調整の別の実施形態では、対応する参照輪郭及び非参照輪郭の輪郭座標を平均化することにより調整を行なってもよい。平均化プロセスの重み因子として信頼度値を用いてもよい。
3D輪郭調整の別の実施形態では、調整した輪郭及び参照/非参照輪郭との差を最小化する最小二乗問題を解くことにより、調整した輪郭を検出してもよい。擬似逆行列の手法を用いてそのような問題を解いてもよい。そのようなアルゴリズムの実施は先行技術に詳細に記載されており、その詳細な実施は本発明の範囲外であるため、ここではこれ以上説明しない。
3.5.8 モデル頂点信頼度の算出
本発明の追加的な任意ステップとして、モデル頂点信頼度算出(205、406)は、管状構造の最適化3Dモデルにおける全ての最適化頂点の信頼度値を算出する。
各スキャンビューにおいて、輪郭信頼度算出により算出された信頼度値が、全ての頂点又は輪郭に割り当てられる。3D輪郭調整により算出されるような、管状構造の最適化3Dモデルの対応頂点に対する1つの信頼度値に、これらの値を組み込んでもよい。この信頼度値は、最適化頂点の全体的な信頼度を示す。
一実施形態において、対応する参照頂点の各信頼度値と、最適化頂点、対応する参照モデルの頂点、及び、交点間の距離を加重した最適化プロセスに用いられる交点とを合計することにより、モデル頂点信頼度を算出する。
3.5.9 3D輪郭調整の任意ステップ
このステップは任意のステップであり、このステップを行わない実施形態も本発明の範囲内である。
3D輪郭調整の出力は、スキャンビューの個別3Dモデル及び信頼度値から算出されるような、管状構造の最適化3Dモデルである。また、最適化後、追加のスキャンビューをこの算出に組み込むことにより、この最適化3Dモデルの質をさらに向上させてもよい。第1最適化プロセス中に、追加のスキャンビューは利用できない可能性がある。
一実施形態では、新たなスキャンビューがデータセットに加えられる場合であれば、モデル頂点信頼度を用い、同様の手法を用いて管状構造の3Dモデルを再度最適化してもよい。3D輪郭調整(104)に用いられるコスト関数は、モデルコストと呼ばれる別のコスト要素を含んでもよい。新たな頂点と以前最適化された頂点との差を算出する。このコスト要素も重み因子に組み込まれ、以前最適化した3Dモデルの重要性を調整する。
コスト関数の合計を以下に示す。
モデルコストCostmodel以外の残りの要素は第1最適化プロセルに用いられているため、重み因子を減らしてオーバーフィッティング(重複適合)を避けてもよい。
3.5.7に記載されるようなCostvtx、Costintsec、Costintra_smooth、Costinter_smooth、及び、Costcenter_smoothを算出する同じ方法を上記式に適用してもよい。そのような場合、追加のスキャンビューとしてCostvtxとCostintsecを算出してもよい。
下記式を用いてモデルコストを算出してもよい。
ここで、iは、新頂点の指標を示す。vtxReliabilityは、新スキャンビューの頂点の信頼度/交差頂点の信頼度を示す。modelReliabilityは、最適化頂点の信頼度を示す。newVtxは、新たにサンプリングした頂点を示す。vtxは、新スキャンビューの頂点/交点を示す。
3.5.10 本発明の好ましい実施の形態
本セクションでは、本発明の好ましい実施形態について記載する。以下で記載する実施形態は、特定の構成のシステム及び装置における本発明の実現例であり、本発明の範囲が以下の記載により限定されることはない。以下の記載と異なる実施形態も本発明の範囲内である。
詳細は以下のセクションで説明する。
3.5.10.1 信頼度及び取得位置を用いない3Dモデル再構築
図10に、本発明の好ましい実施形態が記載されている。
本実施形態では、スキャン面の位置と向きを取得する手段を用いずに、超音波プローブを用いて短軸像及び長軸像を取得する。輪郭及び輪郭頂点に対して信頼度を算出しない。
短軸像及び長軸像の走査
本実施形態において、3Dモデルの再構築前に短軸像及び長軸像を同時に取得してもよい。
1つの短軸スキャン像に応じた短軸像の1セットがあってもよい。中心線に垂直に配置した超音波プローブを、管状構造の一端から他端へ移動させることにより、そのような短軸像を取得してもよい。
1つ又は複数の長軸スキャン像に応じた1つ又は複数の長軸像セットがあってもよい。中心線に対して平行に配置した超音波プローブを特定の位置及びスキャン角度に固定することにより、又は、中心線に対して平行に配置した超音波プローブを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、そのような長軸像を取得してもよい。
長軸スキャン像が管状構造の最大の断面領域を通るように、また、2つ以上の角度から長軸スキャン像を取得してもよいように、最適な位置及び向きを選択してもよい。例えば、長軸スキャン像を取得するための対象面として、2つの直交する長軸像を選択してもよい。
超音波プローブが管状構造に沿って走査する一方で、管状構造の位置は撮影画像中で同じ位置に保たれるように、スキャンビューを取得してもよい。上記の撮影を確実に行うため、画像撮影中にリアルタイムで超音波スキャナー上のBモード画像を確認してもよい。
管状構造及びその境界がスキャン画像に鮮明に映るように、スキャンビューを取得してもよい。上記の撮影を確実に行うため、画像撮影中にリアルタイムで超音波スキャナー上でライブのBモード画像を確認してもよい。
信頼度値を算出しないため、確実に、輪郭を抽出するのに十分な撮影画像の画質にする必要があるかもしれない。また、画質の指標は、内腔領域が周辺領域よりも著しく暗いという条件であってもよい。
図7に、良い短軸スキャン像と長軸スキャン像の例が示される。
短軸像及び長軸像からの輪郭抽出
3.5.4の輪郭抽出に基づき、短軸スキャン像及び長軸スキャン像のスキャン画像から、短軸輪郭及び長軸輪郭を抽出してもよい。本実施形態では、輪郭及び輪郭頂点に対して信頼度値を算出していない。したがって、全ての輪郭及び輪郭頂点が同じ信頼度値1を有することとする。
個々の輪郭の3D位置算出
走査長、走査時間、及び、撮影フレームレートなどに基づいて、短軸スキャン像中の個々の輪郭の3D位置を推定してもよい。直線に沿ってプローブを移動させることを想定してもよい。
管状構造の最大の断面領域で長軸像を取得するという想定で、長軸スキャン像中の個々の輪郭の3D位置を推定してもよい。短軸スキャン像と長軸スキャン像間で自動又は半自動のパターンマッチングを行い、3D空間でスキャンビューを並べてもよい。
本実施形態において、短軸スキャン像を参照ビューとして、長軸スキャン像を非参照ビューとして選択してもよい。長軸輪郭と短軸のスキャン面との交差頂点を抽出し3モデル調整ステップに用いてもよい。
長軸輪郭を参照することによる、短軸輪郭の3D位置の修正
短軸スキャン面それぞれに対して、3.5.7の3D輪郭調整に記載されるようなコスト関数を最小化することにより、最適化輪郭を算出してもよい。
輪郭頂点を3D空間で再現することにより、短軸スキャン面の最適化輪郭で管状構造の最適化3Dモデルを形成してもよい。
3.5.10.2 信頼度を用い、取得位置を用いない3Dモデルの再構築
図11に、本発明の好ましい実施形態が記載されている。本実施形態では、スキャン面の位置及び向きを取得する手段を用いずに、超音波プローブを用いて短軸像及び長軸像を取得する。輪郭及び輪郭頂点に対して信頼度を算出する。
短軸像及び長軸像の走査
本実施形態では、3Dモデルの再構築前に短軸像及び長軸像を同時に取得してもよい。
1つの短軸スキャン像に応じた短軸像1セットがあってもよい。中心線に比較的垂直に配置した超音波プローブを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、そのような短軸像を取得してもよい。
1つ又は複数の長軸スキャン像に応じた1つ又は複数の長軸像セットがあってもよい。中心線に対して平行に配置した超音波プローブを特定の位置及びスキャン角度に固定することにより、又は、中心線に対して比較的平行に配置した超音波プローブを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、そのような長軸像を取得してもよい。
長軸スキャン像が管状構造の最大の断面領域を通るように、また、2つ以上の角度から長軸スキャン像を取得してもよいように、最適な位置及び向きを選択してもよい。例えば、長軸スキャン像を取得するための対象面として、2つの直交する長軸像を選択してもよい。
超音波プローブが管状構造に沿って走査する一方で、撮影画像中の管状構造の位置が同じ位置に保たれるように、スキャンビューを取得してもよい。上記の撮影を確実に行うため、画像撮影中に超音波スキャナー上のBモード画像をリアルタイムで確認してもよい。
短軸像及び長軸像からの輪郭抽出
3.5.4の輪郭抽出に基づき、短軸スキャン像及び長軸スキャン像のスキャン画像から、短軸輪郭及び長軸輪郭を抽出してもよい。
個々の輪郭の3D位置算出
走査長、走査時間、及び、撮影フレームレートの想定により、短軸スキャン像中の個々の輪郭の3D位置を推定してもよい。直線に沿ってプローブを移動させることを想定してもよい。
管状構造の最大の断面領域で長軸像を取得するという想定で、長軸スキャン像中の個々の輪郭の3D位置を推定してもよい。短軸スキャン像と長軸スキャン像間で自動又は半自動のパターンマッチングを行い、3D空間でスキャンビューを並べてもよい。
本実施形態において、短軸スキャン像を参照ビューとして、長軸スキャン像を非参照ビューとして選択してもよい。長軸輪郭と短軸のスキャン面との交差頂点を抽出し3モデル調整ステップに用いてもよい。
個々の輪郭の信頼度算出
3.5.6の輪郭信頼度算出及び3.5.8のモデル頂点信頼度算出に基づいて、輪郭又は輪郭頂点の信頼度を算出してもよい。閾値を設定することにより、算出された信頼度値を用いて、抽出された低質の輪郭又は輪郭頂点の部分を除いてもよい。閾値よりも低い信頼度値の輪郭又は輪郭頂点を3Dモデル再構築ステップから除いてもよい。
長軸輪郭を参照することによる、短軸輪郭の3D位置の修正
短軸スキャン面それぞれに対して、3.5.7の3D輪郭調整に記載されるようなコスト関数を最小化することにより、最適化輪郭を算出してもよい。輪郭頂点を3D空間で再現することにより、短軸スキャン面の最適化輪郭で管状構造の最適化3Dモデルを形成してもよい。
3.5.10.3 信頼度及び取得位置を用いた3Dモデル再構築
図12に、本発明の好ましい実施形態が記載されている。本実施形態では、スキャン面の位置および向きを取得する手段を用い、超音波プローブを用いて短軸像及び長軸像を取得する。輪郭及び輪郭頂点に対して信頼度を算出する。
位置情報を有する短軸像及び長軸像の走査
本実施形態において、3Dモデルの再構築前に短軸像及び長軸像を同時に取得してもよい。
1つの短軸スキャン像に応じた短軸像1セットがあってもよい。中心線に比較的垂直に配置した超音波プローブを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、そのような短軸像を取得してもよい。
1つ又は複数の長軸スキャン像に応じた1つ又は複数の長軸像セットがあってもよい。中心線に対して比較的平行に配置した超音波プローブを特定の位置及びスキャン角度に固定することにより、又は、中心線に対して比較的平行に配置した超音波プローブを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、そのような長軸像を取得してもよい。
長軸スキャン像が管状構造の最大の断面領域を通るように、また、2つ以上の角度から長軸スキャン像を取得してもよいように、最適な位置及び向きを選択してもよい。例えば、長軸スキャン像を取得するための対象面として、2つの直交する長軸像を選択してもよい。
3.5.3の位置情報取得に基づき、スキャン画像の取得と同時に、スキャン面の位置情報及び向き情報を取得してもよい。
短軸像及び長軸像からの輪郭抽出
3.5.4の輪郭抽出に基づき、短軸スキャン像及び長軸スキャン像のスキャン画像から、短軸輪郭及び長軸輪郭を抽出してもよい。
個々の輪郭の3D位置算出
スキャン面の3D位置情報が利用可能であるため、3.5.5の個々の3D位置算出に基づき、個々の輪郭及び輪郭頂点の3D位置情報を算出してもよい。本実施形態において、短軸スキャン像を参照ビューとして、長軸スキャン像を非参照ビューとして選択してもよい。長軸輪郭と短軸のスキャン面との交差頂点を抽出し3Dモデル調整ステップに用いてもよい。
個々の輪郭の信頼度算出
3.5.6の輪郭信頼度算出及び3.5.8のモデル頂点信頼度算出に基づき、輪郭及び輪郭頂点の信頼度を算出してもよい。閾値を設定することにより、算出された信頼度値を用いて、抽出された低質の輪郭又は輪郭頂点の部分を除いてもよい。閾値よりも低い信頼度値の輪郭又は輪郭頂点を3Dモデル再構築ステップから除いてもよい。
長軸輪郭を参照することによる、短軸輪郭の3D位置の修正
短軸スキャン面それぞれに対して、3.5.7の3D輪郭調整に記載されるようなコスト関数を最小化することにより、最適化輪郭を算出してもよい。輪郭頂点を3D空間で再現することにより、短軸スキャン面の最適化輪郭で管状構造の最適化3Dモデルを形成してもよい。
3.5.10.4 信頼度、取得位置、及び、ナビゲーションを用いた3Dモデルの再構築
図13に、本発明の好ましい実施形態が記載されている。本実施形態では、スキャン面の位置および向きを取得する手段を用い、超音波プローブを用いて短軸像及び長軸像を取得する。輪郭及び輪郭頂点に対して信頼度を算出する。ナビゲーションステップは、管状構造の仮3Dモデルの表示と、さらなる取得データを得ることを目的とした、仮3Dモデルに対する超音波プローブの3D位置の表示を含む。
位置情報を有する短軸像の走査
本実施形態では、最初に短軸像を取得してもよい。1つの短軸スキャン像に応じた短軸像1セットがあってもよい。中心線に比較的垂直に配置した超音波プローブを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、そのような短軸像を取得してもよい。3.5.3の位置情報取得に基づいて、スキャン画像の取得と同時に、スキャン面の位置情報及び向き情報を取得してもよい。
短軸像からの輪郭抽出
3.5.4の輪郭抽出に基づき、短軸スキャン像のスキャン画像から、短軸輪郭を抽出してもよい。
短軸像から抽出した血管輪郭の3Dボリュームの作成
利用可能な短軸輪郭又は輪郭頂点とそれらの位置情報及び向き情報を用いて、3.5.5の個別3D位置算出に基づき、管状構造の仮3Dモデルを作成してもよい。ナビゲーションの目的で仮3Dモデルを表示してもよい。
長軸像を走査するための対象位置及び角度の決定
管状構造の仮3Dモデルを用いて、長軸スキャン像などのスキャンビューをさらに撮影するための最適な位置及び向きを決定してもよい。長軸スキャン像が管状構造の最大の断面領域を通るように、また、2つ以上の角度から長軸スキャン像を取得してもよいように、そのような最適な位置及び向きを選択してもよい。例えば、長軸スキャン像を取得するための対象面として、2つの直交する長軸像を選択してもよい。
また、上述したような最適なスキャン面を選択する方法を、ナビゲーションステップを行わない実施形態に適用してもよい。
重ね合わせた対象走査面を用いた3Dボリュームの表示
3.5.3の位置情報取得により、スキャン面の位置及び向きをリアルタイムで取得してもよい。そのような情報を用いてスキャン面を仮3Dモデルに重畳することにより、選択した位置及び角度を確認してもよい。このステップをナビゲーションステップと呼んでもよい。
位置情報を有する長軸像の走査
ナビゲーションステップを用いて、選択した対象位置及び角度で長軸像を取得してもよい。1つ又は複数の長軸スキャン像に応じた1つ又は複数の長軸像セットがあってもよい。3.5.3の位置情報取得に基づいて、スキャン画像の取得と同時にスキャン面の位置情報及び向き情報を取得してもよい。
長軸像からの輪郭抽出
3.5.4の輪郭抽出に基づき、長軸スキャン像のスキャン画像から長軸輪郭を抽出してもよい。
個々の輪郭の3D位置算出
スキャン面の3D位置情報が利用可能であるため、3.5.5の個別3D位置算出に基づいて、個々の輪郭及び輪郭頂点の3D位置情報を算出してもよい。本実施形態において、短軸スキャン像を参照ビューとして、長軸スキャン像を非参照ビューとして選択してもよい。長軸輪郭と短軸のスキャン面との交差頂点を抽出し3Dモデル調整ステップに用いてもよい。
個々の輪郭の信頼度算出
3.5.6の輪郭信頼度算出及び3.5.8のモデル頂点信頼度算出に基づき、輪郭又は輪郭頂点の信頼度を算出してもよい。閾値を設定することにより、算出された信頼度値を用いて、抽出された低質の輪郭又は輪郭頂点の部分を除いてもよい。閾値よりも低い信頼度値の輪郭又は輪郭頂点を3Dモデル再構築ステップから除いてもよい。
長軸輪郭を参照することによる、短軸輪郭の3D位置の修正
短軸スキャン面それぞれに対して、3.5.7の3D輪郭調整に記載されるようなコスト関数を最小化することにより、最適化輪郭を算出してもよい。輪郭頂点を3D空間で再現することにより、短軸スキャン面の最適化輪郭で管状構造の最適化3Dモデルを形成してもよい。
3.5.10.5 信頼度、取得位置、ナビゲーション、及び、選択輪郭を用いた3Dモデル再構築
図14に、本発明の好ましい実施形態が記載されている。
本実施形態では、スキャン面の位置および向きを取得する手段を用い、超音波プローブを用いて短軸像及び長軸像を取得する。輪郭及び輪郭頂点に対して信頼度を算出する。ナビゲーションステップは、管状構造の仮3Dモデルの表示と、さらなる取得データを得ることを目的とした、仮3Dモデルに対する超音波プローブの3D位置の表示を含む。輪郭選択ステップは、3Dモデルの調整に用いる適切な輪郭セグメントの選択に関する。
例えば3.5.10.1(信頼度及び取得位置を用いない3Dモデル再構築)、3.5.10.2(信頼度を用い取得位置を用いない3Dモデル再構築)、及び、3.5.10.3(信頼度及び取得位置を用いる3Dモデル再構築)に記載される実施形態などにおいて、この選択ステップを用いてもよい。
位置情報を有する短軸像の走査
本実施形態では、最初に短軸像を取得してもよい。1つの短軸スキャン像に応じた短軸像1セットがあってもよい。中心線に比較的垂直に配置した超音波プローブを管状構造の一端から他端へ走査させることにより、そのような短軸像を取得してもよい。3.5.3の位置情報取得に基づいて、スキャン画像の取得と同時に、スキャン面の位置情報及び向き情報を取得してもよい。
短軸像からの輪郭抽出
3.5.4の輪郭抽出に基づき、短軸スキャン像のスキャン画像から短軸輪郭を抽出してもよい。
短軸像から抽出した血管輪郭の3Dボリュームの作成
利用可能な短軸輪郭又は輪郭頂点とそれらの位置情報及び向き情報を用いて、3.5.5の個別3D位置算出に基づき管状構造の仮3Dモデルを作成してもよい。ナビゲーションの目的で仮3Dモデルを表示してもよい。
長軸像を走査するための対象位置及び角度の決定
管状構造の仮3Dモデルを用いて、長軸スキャン像などのスキャン画像をさらに取得するために最適な位置及び向きを決定してもよい。長軸スキャン像が管状構造の最大の断面領域を通るように、また、2つ以上の角度から長軸スキャン像を取得してもよいように、そのような最適な位置及び向きを選択してもよい。例えば、長軸スキャン像を取得するための対象面として、2つの直交する長軸像を選択してもよい。
また、上述したような最適なスキャン面を選択する方法を、ナビゲーションステップを行わないこれらの実施形態に適用してもよい。
重ね合わせた対象走査面の3Dボリュームの表示
3.5.3の位置情報取得により、スキャン面の位置情報及び向き情報をリアルタイムで取得してもよい。そのような情報を用いてスキャン面を仮3Dモデルに重畳することにより、選択した位置及び角度を確認してもよい。このステップをナビゲーションステップと称してもよい。
位置情報を有する長軸像の走査
ナビゲーションステップを用いて、選択した対象位置及び角度で長軸像を取得してもよい。1つ又は複数の長軸スキャン像に応じた1つ又は複数の長軸像セットがあってもよい。3.5.3の位置情報取得に基づき、スキャン画像の取得と同時にスキャン面の位置情報及び向き情報を取得してもよい。
長軸像からの輪郭抽出
3.5.4の輪郭抽出に基づき、長軸スキャン像のスキャン画像から長軸輪郭を抽出してもよい。
個々の輪郭の3D位置算出
スキャン面の3D位置情報が利用可能であるため、3.5.5の個別3D位置算出に基づき、個々の輪郭及び輪郭頂点の3D位置情報を算出してもよい。本実施形態において、短軸スキャン像を参照ビューとして、長軸スキャン像を非参照ビューとして選択してもよい。長軸輪郭と短軸のスキャン面との交差頂点を抽出し3Dモデル調整ステップに用いてもよい。
適切な輪郭セグメントの選択
3D空間の輪郭の位置が特定された後、輪郭セグメントの種類を確認してもよい。例えば、輪郭の位置及び向きに基づき、頸動脈を総頸動脈、内頚動脈、及び、外頸動脈に分類してもよい。適宜、頸動脈の当該種類を選択してもよい。
例えば3.5.10.1(信頼度及び取得位置を用いない3Dモデル再構築)、3.5.10.2(信頼度を用い取得位置を用いない3Dモデル再構築)、及び、3.5.10.3(信頼度及び取得位置を用いる3Dモデル再構築)に記載される実施形態などにおいて、この輪郭選択ステップを用いてもよい。
個々の輪郭の信頼度算出
3.5.6の輪郭信頼度算出及び3.5.8のモデル頂点信頼度算出に基づき、輪郭又は輪郭頂点の信頼度を算出してもよい。閾値を設定することにより、算出された信頼度値を用いて、抽出された低質の輪郭又は輪郭頂点の部分を除いてもよい。閾値よりも低い信頼度値の輪郭又は輪郭頂点を3モデル再構築ステップから除いてもよい。
長軸輪郭を参照することによる、短軸輪郭の3D位置の修正
短軸スキャン面それぞれに対して、3.5.7の3D輪郭調整に記載されるようなコスト関数を最小化することにより、最適化輪郭を算出してもよい。輪郭頂点を3D空間で再現することにより、短軸スキャン面の最適化輪郭で管状構造の最適化3Dモデルを形成してもよい。

Claims (28)

  1. 複数の2D画像を用いて、被検体の3Dモデルを再構築する方法であって、
    a. 複数のスキャンビューの複数の2D画像から、前記被検体スキャンして得られたデータである複数の2D画像を取得するステップと、
    b. aにおいて取得された前記複数の2D画像中の前記被検体の輪郭を抽出するステップと、
    c. 前記複数のスキャンビューから1つまたは複数の参照スキャンビューを選択し、
    残りの前記スキャンビューを非参照スキャンビューと称するステップと、
    d. スキャンビューの輪郭を3D空間で再構築するステップと、
    e. 前記参照スキャンビューに対する前記非参照スキャンビューの相対位置および向きを算出するステップと、
    f. 前記算出した相対位置および向きに基づいて、前記非参照スキャンビューを配置するステップと、
    g. 前記参照スキャンビューの輪郭の位置を、その付近の前記非参照スキャンビューの輪郭に基づき修正するステップとを含む、
    方法。
  2. 前記2D画像の位置情報および向き情報を取得するステップをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 1つまたは複数の前記スキャンビューは、管状構造の短軸像である、
    請求項1に記載の方法。
  4. 1つまたは複数の前記スキャンビューは、管状構造の長軸像である、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記スキャンビューの前記輪郭の信頼度を算出するステップをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記管状構造が血管の場合、拍動時相から前記信頼度を算出する、
    請求項5に記載の方法。
  7. 輪郭又は輪郭頂点における前記画像のグレースケール変化から前記信頼度を算出する、
    請求項5に記載の方法。
  8. 輪郭または輪郭頂点付近における前記画像のグレースケール変化の差から、前記信頼度を算出する、
    請求項5に記載の方法。
  9. グレースケール変化の標準偏差など、輪郭全体に対する前記グレースケール変化の貫性から、前記信頼度を算出する、
    請求項5に記載の方法。
  10. 短軸像の信頼度値が長軸像の信頼度値よりも低い、
    請求項5に記載の方法。
  11. 複数の信頼度値を加重合計する、
    請求項5に記載の方法。
  12. 所定の閾値に基づき、最も高い信頼度値の輪郭のセグメントを選択するステップをさらに含む、
    請求項5に記載の方法。
  13. a. 3D空間における前記参照ビューの輪郭をユーザーインターフェース上に表示するステップと、
    b. 表示から、所望のスキャン位置および向きを選択するステップと、
    c. 3D空間における超音波プローブの現在の位置および向きを前記ユーザーインターフェース上で重畳するステップと、
    d. 前記所望のスキャン位置および向きにおける前記非参照スキャンビューの画像を取得するステップとを含む、
    請求項1に記載の方法。
  14. a. 前記修正済み輪郭の全ての頂点に対し、頂点信頼度を算出するステップと、
    b. 1つまたは複数の追加ビューの前記被検体のスキャン画像を取得するステップと、
    c. 前記追加ビューの前記被検体の輪郭を抽出するステップと、
    d. 前記1つまたは複数の追加ビューの画像および輪郭を用いて、輪郭信頼度を算出するステップと、
    e. 前記参照ビューの輪郭付近の追加ビューの輪郭に基づいて、前記参照ビューの輪郭をさらに修正するステップとをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  15. 前記参照スキャンビューは、管状構造の前記短軸スキャン像である、
    請求項1に記載の方法。
  16. 前記非参照スキャンビューは、管状構造の前記長軸スキャン像である、
    請求項1に記載の方法。
  17. 前記参照スキャンビューに対する前記非参照スキャンビューの相対位置および向きを算出する前記算出ステップはさらに、前記非参照ビューの輪郭と3D空間における前記参照ビューの3Dモデルの形状とのベストマッチ(最適な組み合わせ)を検索するステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  18. 前記参照スキャンビューの輪郭の位置を修正する前記修正ステップは、前記参照スキャンビューの輪郭の位置を調整し、前記参照スキャンビューの輪郭の位置とその付近の前記非参照スキャンビューの輪郭の位置との差を縮小する、
    請求項1に記載の方法。
  19. コスト関数の最適化により、前記参照スキャンビューの輪郭の位置を修正し、前記コスト関数は、以下の要素、
    a. 新輪郭から参照スキャンビューの輪郭までの距離、
    b. 新輪郭から非参照スキャンビューの輪郭までの距離、
    c. 新輪郭の隣接する輪郭点間の半径の差、
    d. 新輪郭と、前記参照ビューの隣接するスキャン面の対応輪郭との距離、
    e. 輪郭の新中心点と、前記参照ビューの前記隣接するスキャン面の隣接する輪郭の中心点との距離
    のうち、少なくとも全てまたはサブセットを含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記要素それぞれに重み因子を乗じ、前記要素それぞれの重要性を決定する、
    請求項19に記載の方法。
  21. 対応スキャンビューの対応輪郭の信頼度で、前記要素それぞれを重み付けする、
    請求項19に記載の方法。
  22. 前記参照スキャンビューおよび前記非参照スキャンビューの対応輪郭の座標を平均化することにより、前記修正済み輪郭の位置を算出する、
    請求項1に記載の方法。
  23. 対応する信頼度値により、前記対応輪郭の前記座標を重み付けする、
    請求項22に記載の方法。
  24. 複数の2D画像を用いて、被検体の3Dモデルを再構築する装置であって、
    a. 複数のスキャンビューの複数の2D画像から、前記被検体スキャンして得られたデータである複数の2D画像を取得する手段と、
    b. aにおいて取得された前記複数の2D画像中の前記被検体の輪郭を抽出する手段と、
    c. 前記複数のスキャンビューから1つまたは複数の参照スキャンビューを選択し、
    残りの前記スキャンビューを非参照スキャンビューと称する手段と、
    d. スキャンビューの輪郭を3D空間で再構築する手段と、
    e. 前記参照スキャンビューに対する前記非参照スキャンビューの相対位置および向きを算出する手段と、
    f. 前記算出した相対位置および向きに基づいて、前記非参照スキャンビューを配置する手段と、
    g. 前記参照スキャンビューの輪郭の位置を、その付近の前記非参照スキャンビューの輪郭に基づき修正する手段とを備える
    装置。
  25. 前記2D画像の位置情報および向き情報を取得する手段をさらに備える、
    請求項24に記載の装置。
  26. 前記スキャンビューの輪郭の信頼度を算出する手段をさらに備える、
    請求項24に記載の装置。
  27. a. 3D空間における前記参照ビューの輪郭をユーザーインターフェース上に表示する手段と、
    b. 表示から、所望のスキャン位置および向きを選択する手段と、
    c. 3D空間における超音波プローブの現在の位置および向きを前記ユーザーインターフェース上で重畳する手段と、
    d. 前記所望のスキャン位置および向きにおける前記非参照スキャンビューの画像を取得する手段とを備える、
    請求項24に記載の装置。
  28. a. 前記修正済み輪郭の全ての頂点に対し、頂点信頼度を算出する手段と、
    b. 1つまたは複数の追加ビューの前記被検体のスキャン画像を取得する手段と、
    c. 前記追加ビューの前記被検体の輪郭を抽出する手段と、
    d. 前記1つまたは複数の追加ビューの画像および輪郭を用いて、輪郭信頼度を算出する手段と、
    e. 前記参照ビューの輪郭付近の追加ビューの輪郭に基づいて、前記参照ビューの輪郭をさらに修正する手段とをさらに備える、
    請求項24に記載の装置。
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