JP5987531B2 - 積層型ラベル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型ラベルに関する。
物流分野等の様々な分野において、注意事項、警告事項等の表示、内容物表示等を目的として、ダンボール箱、ごみ袋等の被貼付物品にラベルを貼付することが広く行われている。このようなラベルの貼付には、紙基材の一方の面に剥離層が設けられ、該紙基材の他方の面に前記剥離層から剥離可能な感圧粘着剤層が設けられたラベルが複数枚積層されたラベル積層体を有する積層型ラベルが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
特許文献1〜3のような積層型ラベルは、剥離した各々のラベルを被貼付物品に貼付した際に剥がれ落ちないように、感圧粘着剤層に充分な粘着力が付与される一方、剥離層によってラベル積層体から各々のラベルが剥離できるようになっている。
特開2000−135750号公報 特開2004−70272号公報 特開2012−98638号公報
しかし、特許文献1〜3のような積層型ラベルにおいては、1つのラベルの感圧粘着剤層と該ラベルに隣接するラベルの剥離層とが密着し、隣接するラベル間には指を挿し入れるような隙間がない。そのため、ラベル積層体からラベルを1枚1枚剥離する際、ラベル積層体の最上層のラベルのみをつかんで剥離することが難しく、被貼付物品にラベルを貼付する作業に手間がかかる。特に、物流分野等、軍手をして作業をする場合等にはラベルの剥離はさらに困難である。
ラベル積層体からのラベルの剥離を容易にする方法としては、各々のラベルにめくり代を形成することが考えられる。しかし、めくり代を軍手をしてもつまめる程度に大きく形成すると、ラベルを被貼付物品に貼付したときに該めくり代がきっかけとなってラベルが剥がれ落ちやすくなる。
本発明は、ラベルに大きなめくり代を設けなくても、複数枚のラベルが剥離可能に積層されたラベル積層体から各々のラベルを容易に剥離して使用できる積層型ラベルを提供する。
本発明の積層型ラベルは、ラベルが複数枚積層されたラベル積層体を有し、
前記ラベルが、基材と、前記基材の裏面に設けられ、前記基材の表面から剥離可能な感圧粘着剤層と、を有し、
前記ラベル積層体の積層側面の少なくとも一部が積層方向に対して傾斜し、該積層側面側で各々のラベルの裏面が隣接する基材からはみ出ている。
本発明の積層型ラベルでは、前記ラベル積層体の裏面に剥離紙が設けられ、前記積層側面側で前記ラベル積層体の最下層のラベルの裏面が前記剥離紙からはみ出ていることが好ましい。
本発明の積層型ラベルは、ラベルに大きなめくり代を設けなくても、複数枚のラベルが剥離可能に積層されたラベル積層体から各々のラベルを容易に剥離して使用できる。
本発明の積層型ラベルの一例を示した斜視図である。 図1の積層型ラベルのA−A断面図である。 積層型ラベル前駆体を示した斜視図である。
本明細書中では、積層型ラベルにおける「裏」とは該積層型ラベルから剥離したラベルを被貼付物品に貼付したときの被貼付物品側の面、「表」とは被貼付物品と反対側の面を意味する。また、「上」および「下」は、積層型ラベルを水平面においたときの上および下を意味する。
[第1実施形態]
本発明の積層型ラベルの一例について図1および図2に基づいて説明する。
本実施形態の積層型ラベル1は、図1および図2に示すように、互いに合同な複数枚の矩形のラベル22が積層されたラベル積層体20と、ラベル積層体20の裏面に設けられた、ラベル22と合同な矩形の剥離紙10と、を有する。
各々のラベル22は、矩形の基材24と、基材24の裏面24bに設けられ、表面24aから剥離可能な感圧粘着剤層26とを有している。各々のラベル22は、感圧粘着剤層26が剥離紙10側に向いている。
本実施形態の積層型ラベル1は、ラベル積層体20の一対の積層側面20a(図1および図2の左側の積層側面)と積層側面20b(図1および図2の右側の積層側面)が積層方向に対して傾斜し、積層側面20a側で各々のラベル22の裏面22aが隣接するラベル22の基材24からはみ出るように、各々のラベル22がずれて積層されている。また、積層側面20a側で、ラベル積層体20の最下層のラベル22の裏面が剥離紙10からはみ出ている。
このように、積層側面20a側で各々のラベル22の裏面22aがはみ出ていることで、そのラベル22のはみ出た部分をきっかけにして指を引っ掛けてラベル22を捲り上げることができ、大きなめくり代を設けなくても、積層されている各々のラベル22を上から1枚1枚容易に剥離することができる。
ラベル積層体20の積層側面20a側におけるラベル22の裏面がはみ出た部分の長さL(図2)は、0.01〜0.5mmが好ましく、0.05〜0.4mmがより好ましく、0.1〜0.3mmが特に好ましい。前記長さLが下限値以上であれば、ラベル積層体20の積層側面20a側から各々のラベル22を剥離することが容易になる。前記長さLが上限値以下であれば、ラベル積層体20の積層側面20aを傾斜させる作業が容易になり、生産性が高い。
本実施形態では、前記ラベル22の裏面がはみ出た部分の長さLは、全てのラベル22で均一になっている。すなわち、ラベル積層体20の積層側面20aが見かけ上、平面状になっている。これにより、ラベル積層体20における最上層のラベル22から最下層のラベル22まで安定して剥離が行える。
ラベル積層体20の積層側面20aの積層方向に対する傾斜角度、すなわちラベル積層体20の積層方向と積層側面20aとのなす角度θ(図1)は、10〜70°が好ましく、25〜65°がより好ましく、35〜55°が特に好ましい。前記角度θが下限値以上であれば、ラベル積層体20の積層側面20a側から各々のラベル22を剥離することが容易になる。前記角度θが上限値以下であれば、ラベル積層体20を傾斜させる作業が容易になり、生産性が高い。
(剥離紙)
剥離紙10は、剥離紙10上のラベル22、すなわちラベル積層体20の最下層で剥離紙10と接しているラベル22が剥離できるものであれば特に限定されず、公知の剥離紙を採用できる。
(基材)
基材24は、表面24aに、隣接するラベル22の感圧粘着剤層26を剥離可能に接着できるものであればよく、例えば、紙基材の表面に剥離層が設けられた基材、ポリプロピレンフィルム等の剥離性を有するフィルム基材等が挙げられる。なかでも、紙基材の表面に剥離層が設けられた基材が好ましい。
紙基材としては、例えば、木材パルプを主成分として構成され、必要に応じて顔料、各種助剤等の添加剤を含有するものが挙げられる。
木材パルプとしては、広葉樹材(L材)または針葉樹材(N材)のいずれを使用してもよく、各種の化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができる。
化学パルプとしては、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等が挙げられる。半化学パルプとしては、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等が挙げられる。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等が挙げられる。再生パルプとしては、古紙を原料とする脱墨パルプ(DIP)等が挙げられる。
また、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプを使用してもよい。
高白色度の紙基材とする場合は、塩素、二酸化塩素、酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸等を使用する各種漂白法を組み合わせて漂白したパルプが使用できる。中でも、塩素を使用しない工程で製造される、無塩素漂白(ECF)または完全無塩素漂白(TCF)により得られたパルプは、黄変を起こし難く好ましく使用される。
紙基材を形成するパルプは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
紙基材に用いるパルプのJIS P 8121で規定されるカナディアンスタンダードフリーネス(ろ水度;CSF)に基づく、離解後のフリーネスは、80〜650mLが好ましく、200〜600mLがより好ましい。フリーネスが上限値以下であれば、紙基材の表面が平滑になりやすく、また紙基材の紙力が充分に得られやすい。フリーネスが下限値以上であれば、ろ水性が良好となり充分な抄紙速度が得られる等、良好な抄紙適性が得られると共に、剥離層表面の筆記性および捺印性が得られやすい。
紙基材を形成するパルプは、離解後のフリーネスが350〜550mLの広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
紙基材には、顔料を配合してもよい。紙基材に顔料を配合することで、基材24に不透明性が付与される、基材24の表面に筆記性および捺印性が付与される等の効果を得ることができる。
顔料としては、軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、ホワイトカーボン、タルク、酸化チタン等が挙げられる。なかでも、タルク、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボンが好ましく、抄紙適性(ワイヤーの磨耗適性)に優れ、抄紙時に留まり易い点から、タルク、軽質炭酸カルシウムが特に好ましい。
紙基材に顔料を配合する場合、紙基材中の顔料の含有率(灰分)は、0.1〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。顔料の含有率が下限値以上であれば、筆記性および捺印性が良好になる。顔料の含有率が上限値以下であれば、充分な紙力が得られやすい。
紙基材には、助剤を配合してもよい。
助剤としては、例えば、内添サイズ剤(高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等。)、定着剤(硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等。)、紙力増強剤(澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等。)、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤、防黴剤等が挙げられる。
紙基材は、長網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツインワイヤーフォーマー、傾斜ワイヤーフォーマー、ドライヤー(ヤンキードライヤー、多筒式ドライヤー等。)等の公知の抄紙機を使用した抄紙により得ることができる。
紙基材は、カレンダー処理等の公知の処理を施したものであってもよい。
紙基材は、表面強度やサイズ性等を調整する目的で、サイズプレスまたはゲートロールによってサイズ処理を施したものであってもよい。
サイズ処理に使用するサイズ処理液としては、例えば、澱粉類、ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類、表面サイズ剤、カチオン樹脂等を溶媒に配合した処理液が挙げられる。表面サイズ剤としては、例えば、スチレンマレイン酸共重合物、オレフィン系共重合物、アルキルケテンダイマー系化合物、アルケニル無水コハク酸系化合物、スチレン−アクリル系共重合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤等が挙げられる。
サイズ処理を施す場合、サイズ処理液の塗工量は、乾燥質量で0.3〜5.0g/mが好ましく、0.5〜3.0g/mがより好ましい。前記塗工量が下限値以上であれば、サイズ処理の効果が得らやすい。また、前記塗工量が上限値を超えるとサイズ処理の効果は頭打ちになるので、前記塗工量が上限値以下であれば、コスト面で有利である。
サイズ処理を両面に施す場合、サイズ処理液の塗工量は、両面合計で前記範囲内となるようにすることが好ましい。
紙基材の坪量は、40〜210g/mが好ましく、60〜120g/mがより好ましい。前記坪量が下限値以上であれば、充分な紙力が得られやすい。前記坪量が上限値以下であれば、紙厚を薄くしやすい。
紙基材の密度は、0.55〜1.00g/mが好ましい。前記密度が下限値以上であれば、充分な紙力が得られやすい。前記密度が上限値以下であれば、筆記性および捺印性が良好になる。
紙基材は、未塗工紙、または片面に塗工層を設けた片面塗工紙が好ましい。紙基材を片面塗工紙とする場合、良好な筆記性および捺印性が得られる点で、紙基材は、その裏面側、すなわち剥離層を設けない側に塗工層を有することが好ましい。
未塗工紙としては、例えば、上質紙、中質紙、片艶紙等が挙げられる。なかでも、印刷インキ剥離強度の点で、上質紙が好ましい。片面塗工紙としては、例えば、一般の印刷用紙、感熱記録紙、粘着剤等の紙基材への染込みを抑える目止め層、ポリエチレンラミネート層等が挙げられる。
塗工層を設ける方法としては、ブレードコータ、ナイフコータ、バーコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、スロットダイコータ、グラビアコータ等を用いる方法が挙げられる。
剥離層を形成する剥離剤としては、シリコーン系剥離剤が好ましい。
シリコーン系剥離剤としては、例えば、熱硬化型剥離剤(付加硬化型シリコーン系剥離剤、縮合硬化型シリコーン系剥離剤等。)、電子線硬化型シリコーン系剥離剤、紫外線硬化型シリコーン系剥離剤(ラジカル硬化型シリコーン系剥離剤、カチオン硬化型シリコーン系剥離剤、メルカプト硬化型シリコーン系剥離剤等。)等が挙げられる。なかでも、硬化速度が速く基材24に染み込み難いため、積層された各々のラベル22の剥離が軽くなる点から、電子線硬化型シリコーン系剥離剤または紫外線硬化型シリコーン系剥離剤が好ましい。また、設備投資が少なくて済む点から、紫外線硬化型シリコーン系剥離剤がより好ましく、カチオン硬化型シリコーン系剥離剤が特に好ましい。
剥離剤には、必要に応じて、他の紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、光重合開始剤、架橋剤、染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、レベリング剤、潤滑剤等の各種助剤を配合してもよい。
剥離層の乾燥質量は、0.2〜2.0g/mが好ましく、0.5〜1.5g/mがより好ましい。前記剥離層の乾燥質量が下限値以上であれば、積層された各々のラベル22の剥離が軽くなる。前記剥離層の乾燥質量が上限値以下であれば、筆記性および捺印性が良好になる。
積層された各々のラベル22の剥離がより軽くなる点から、剥離層の表面の平滑度は、30秒以上が好ましく、50秒以上がより好ましい。また、ラベル22の表面を筆記可能とする場合は、剥離層の表面の平滑度は、200秒以下が好ましく、150秒以下がより好ましい。
なお、前記平滑度は、「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に基づく王研式平滑度」にて規定される値である。
(感圧粘着剤層)
感圧粘着剤層26を形成する感圧粘着剤としては、例えば、溶剤型粘着剤、エマルション型粘着剤、ホットメルト型粘着剤等が挙げられる。なかでも、基材24中に粘着剤が染み込み難く、積層された各々のラベル22の剥離が軽くなる点から、ホットメルト型粘着剤が好ましい。
ホットメルト型粘着剤としては、ゴム系のホットメルト型粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。なかでも、粘着力の安定性、ブリード、コストの点から、ゴム系のホットメルト型粘着剤が好ましい。
ゴム系のホットメルト型粘着剤としては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等のスチレン系共重合体が挙げられる。なかでも、SISが特に好ましい。
感圧粘着剤層26を形成する感圧粘着剤としては、重量平均分子量(Mw)が1×10以上1×10未満のスチレン系共重合体(I)と、重量平均分子量(Mw)が1×10〜1×10のスチレン系共重合体(II)と、を含むことが好ましい。これにより、ラベル22の性能が温度条件によって変化し難くなり、各々のラベル22の剥離性、および被貼付物品に対する粘着性がより安定して得られる。
スチレン系共重合体(I)とスチレン系共重合体(II)の質量比(I)/(II)は、10/1〜1/10が好ましく、5/1〜1/5がより好ましく、2/1〜1/2が特に好ましい。
感圧粘着剤層26は、必要に応じて、粘着付与剤、軟化剤、ワックス等を含有してもよい。粘着付与剤は、感圧粘着剤層26の粘着性を向上させる。軟化剤は、感圧粘着剤層26の装置適合性を向上させる。ワックスは、感圧粘着剤層26の瞬間的な粘着性を低くさせ、貼付直後に被貼付物品を破損させずに引き剥がすことを容易にする。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族(C5)系石油樹脂、芳香族(C9)系石油樹脂、共重合(C5/C9)系石油樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ロジン、ロジンエステル樹脂、テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、およびこれらの水添型樹脂等が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、各種可塑剤、ポリブテン、液状粘着付与剤樹脂、ポリイソブチレン低重合体、ポリビニルイソブチルエーテル低重合体、ラノリン、塊重合ゴム、プロセスオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、加硫オイル等が挙げられる。
ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、合成ワックスに加え、これらの加工・変性ワックスが好ましく挙げられる。植物系ワックスとしては、カルナバワックス、木蝋がより好ましい。動物系ワックスとしては、蜜蝋がより好ましい。鉱物系ワックスとしては、モンタンワックス、オゾケライトがより好ましい。石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスが好ましい。合成ワックスとしてはフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、油脂系(エステル、ケトン類、アミド)合成ワックス、水素化ワックスがより好ましい。加工・変性ワックスとしては、前記したより好ましいワックスの加工、変性ワックスがより好ましい。
ワックスとしては、42〜73℃の各種融点を有するパラフィンワックス、50〜120℃の各融点を有するマイクロクリスタリンワックス、あるいはポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスのようなポリオレフィンワックスを更に好ましく挙げることができる。
ポリオレフィンワックスは、通常分子量が1,000から10,000程度のもの、すなわち一般にポリオレフィンワックスとして知られているものである。このポリオレフィンワックスは、通常、高圧重合法、低圧重合法、または高分子量のポリオレフィンの熱分解によって得られる。
加工・変性ワックスの具体例としては、例えば、前記したワックスを酸化し、該ワックスに水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基等の極性基を導入したものを挙げられる。
粘着付与剤を使用する場合、感圧粘着剤層26中の粘着付与剤の含有量は、感圧粘着剤100質量部に対して、10〜70質量部が好ましく、30〜60質量部がより好ましく、30〜50質量部が特に好ましい。前記粘着付与剤の含有量が下限値以上であれば、優れた粘着力が得られやすく、被貼付物品に貼付したラベル22が部分的に剥がれたり、完全に脱落したりすることを容易に抑制できる。前記粘着付与剤の含有量が上限値以下であれば、積層型ラベル1における各々のラベル22の剥離が重くなりすぎることを抑制しやすい。
感圧粘着剤層26中の軟化剤の含有量は、感圧粘着剤100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、5〜35質量部がより好ましく、10〜25質量部が特に好ましい。 前記軟化剤の含有量が下限値以上であれば、感圧粘着剤の粘度が高くなりすぎることを抑制しやすい。前記軟化剤の含有量が上限値以下であれば、感圧粘着剤の粘度が低くなりすぎることを抑制しやすい。
感圧粘着剤層26中のワックスの含有量は、感圧粘着剤100質量部に対して0.1〜25質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部が特に好ましい。前記ワックスの含有量が下限値以上であれば、貼付から短時間であれば被貼付物品を破損させずに容易にラベルを剥がすことができる。前記ワックスの含有量が上限値以下であれば、十分な粘着力が得られる。
感圧粘着剤層26の乾燥質量は、5〜60g/mが好ましく、10〜30g/mがより好ましい。前記感圧粘着剤層26の乾燥質量が下限値以上であれば、充分な接着性能が得られる。前記感圧粘着剤層26の乾燥質量が上限値以下であれば、経済的にも優れる。
感圧粘着剤層26のJIS Z 0237に基づいて測定される180°引き剥がし粘着力は、3〜20N/10mmが好ましく、4〜16N/10mmがより好ましく、5〜14N/10mmが特に好ましい。前記180°引き剥がし粘着力が下限値以上であれば、被貼付物品に貼付したラベル22が部分的に剥がれたり、完全に脱落したりすることが抑制される。前記180°引き剥がし粘着力が上限値以下であれば、積層型ラベル1において積層された各々のラベル22の剥離が軽くなり、ラベル22の貼付作業が容易になる。
ラベル22を貼付してから短時間で被貼付物品を破損させずにラベル22を容易に剥がすことができる点では、JIS Z 0237に基づいて測定される感圧粘着剤層26の傾斜角30°の傾斜式ボールタックは、10以下が好ましく、5以下がより好ましい。また、感圧粘着剤層26の傾斜角30°の傾斜式ボールタックは、1以上が好ましい。
感圧粘着剤層26の傾斜角30°の傾斜式ボールタックは、ワックスの使用等によって調節できる。具体的には、ワックスの使用量を多くすることで、感圧粘着剤層26の傾斜角30°の傾斜式ボールタックを小さくすることができる。
感圧粘着剤層26の0℃以上60℃以下の範囲内で測定される貯蔵弾性率は、5×10以上5×10以下が好ましい。すなわち、0℃以上60℃以下の範囲内のどの温度条件で測定した場合でも、感圧粘着剤層26の貯蔵弾性率が5×10以上5×10以下の範囲内になっていることが好ましい。前記貯蔵弾性率が下限値以上であれば、積層型ラベル1から各々のラベル22を剥離することが容易になる。前記貯蔵弾性率が上限値以下であれば、充分な粘着力が得られ、被貼付物品に貼付したラベル22が剥がれ落ち難くなる。また、0℃以上60℃以下という広い温度範囲で貯蔵弾性率が前記範囲内になっていることで、積層型ラベル1の性能に対する温度環境の影響が小さく、積層型ラベル1からのラベル22の剥離性、および添付した被貼付物品へのラベル22の粘着性が安定して得られる。
感圧粘着剤層26の0℃以上60℃以下の範囲内で測定される貯蔵弾性率は、5×10以上1×10以下がより好ましく、1×10以上1×10以下が特に好ましい。
なお、前記貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置により測定される。感圧粘着剤層26の0℃以上60℃以下の貯蔵弾性率は、例えば、前記スチレン系共重合体(I)とスチレン系共重合体(II)を特定の比率で併用すること等によって調節できる。
本発明の積層型ラベルの用途としては、特に限定されず、例えば、ごみ袋等の表面に注意事項、警告事項等を表示する注意喚起用、荷札ラベル等の物流用、管理ラベル等の工程管理用等が挙げられる。
(製造方法)
以下、本発明の積層型ラベルの製造方法の一例として、積層型ラベル1の製造方法について説明する。
積層型ラベル1の製造方法としては、例えば、下記の工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられる。
工程(1):基材24の裏面24bに感圧粘着剤層26を形成してラベル22を得る工程。
工程(2):図3に示すように、複数枚のラベル22を、剥離紙10上にそれぞれのラベル22が揃うように積層してラベル積層体20Aを形成し、積層型ラベル前駆体1Aを得る工程。
工程(3):積層型ラベル前駆体1Aのラベル積層体20Aをその積層側面20b側から押圧し、各々のラベル22を少しずつずらして、積層方向に対して積層側面20aを傾斜させ、積層側面20a側でラベル22の裏面22aを隣接するラベル22の基材24からはみ出させて積層型ラベル1を得る工程。
工程(1):
例えば、感圧粘着剤等を含む粘着剤成分を基材24の裏面24bに塗工して感圧粘着剤層26を形成して複数のラベル22を得る。
基材24として紙基材の表面に剥離層を有する基材を使用する場合は、紙基材の表面に剥離剤を塗工し、硬化させて剥離層を形成して基材24とする。前記剥離層の形成は、感圧粘着剤層26を形成する前に行ってもよく、感圧粘着剤層26を形成した後に行ってもよい。
剥離剤の塗工量は、剥離層の乾燥質量が前記した範囲内になる量が好ましい。
剥離剤の塗工方法は、特に限定されず、例えば、バーコータ、多段ロールコータ、エアーナイフコータ、グラビアコータ、オフセットグラビアコータ等を使用する方法が挙げられる。なかでも、フレキソ印刷が好ましい。
剥離剤を硬化させる装置としては、熱風ドライヤ、遠赤外線ドライヤ、紫外線照射装置、電子線照射装置等が挙げられる。
粘着剤成分の塗工量は、感圧粘着剤層26の乾燥質量が前記した範囲内になる量が好ましい。
粘着剤成分の塗工方法としては、特に限定されず、感圧粘着剤としてホットメルト型粘着剤を使用する場合、例えば、凸版印刷法、ホットメルトダイコータを使用する方法等が挙げられる。また、溶剤型粘着剤、エマルション型粘着剤を使用する場合、例えば、ロールコータ、リバースロールコータ、ナイフコータ、バーコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、スロットダイコータ、ギアインダイコータ等を使用する方法が挙げられる。
工程(2):
複数のラベル22を揃えて積層し、ラベル積層体20Aを形成して積層型ラベル前駆体1Aを得る方法としては、特に限定されず、例えば、上方が開放され、ラベル22とほぼ同形状の底面を有する枠体を使用し、該枠体に上方からラベル22を順次供給し、各々のラベル22の重なりを揃えつつ積層する方法(例えば、特開2000−135750号公報参照。)が挙げられる。
具体的には、基材24の裏面24bに形成した感圧粘着剤層26を上にして、前記枠体内に複数のラベル22を上方から順次落下させながら、所定の枚数のラベル22が積層されたところで剥離紙10を落下させて、所定の間隔で剥離紙10を挿入しつつ連続的にラベル22を積層していく方法が挙げられる。ラベル22および剥離紙10は、前記枠体内に真上から落下させるようにしてもよく、斜め上方から落下させるようにしてもよい。また、積層作業は、ラベル22の感圧粘着剤層26が装置等に接着しないようにすれば、基材24の表面24aを上にして行ってもよい。
前記のように複数のラベル22を連続的に落下させて積層する場合、落下してきたラベル22がその下で積層されているラベル積層体に接触する瞬間には、落下してきたラベル22の位置がラベル積層体と完全に重なるように揃っていないことがある。例えば、落下してきたラベル22の角または辺の部分が、ラベル積層体の最上層のラベル22の中央付近に接触することがある。このとき、ラベル22の感圧粘着剤層26の瞬間的な粘着力が大きいと、落下してきたラベル22における角または辺の部分がラベル積層体における上面の中央付近に接着固定されてしまうため、ラベル22の位置がずれてスムーズに積層が行えないことがある。しかし、各々のラベル22の感圧粘着剤層26の傾斜角30°の傾斜式ボールタックを10以下とすれば、落下してきたラベル22が積層体の上面に接触したときの感圧粘着剤層26の瞬間的な粘着力が小さくなり、積層体の上面に接触したラベル22が該積層体上で前記枠体の形状に合わせて動いて位置がより安定して調整される点で好ましい。このことは、ラベル積層体の最上層のラベル22上に剥離紙10が落下してきて積層される際も同様である。
工程(3):
工程(2)で得られた各々のラベル22の重なりが揃った積層型ラベル前駆体1Aを、その積層側面20b側から押圧し、積層側面20aを積層方向に対して傾斜させ、積層側面20a側でラベル22の裏面22aを隣接するラベル22の基材24からはみ出させてラベル積層体20とし、積層型ラベル1(図1)を得る。
積層型ラベル前駆体1Aを押圧する方法は、前記のように積層側面20aが傾斜したラベル積層体20とすることができるものであれば特に限定されず、例えば、油圧、空気圧、蒸気等を利用したプレス機等が挙げられる。
積層型ラベル1を得る方法は前記方法には限定されない。例えば、大判の基材に対して感圧粘着剤層を形成した複数のラベル原反を複数得た後、前記複数のラベル原反を重なりを揃えて順次積層し、所定の大きさに断裁することで複数の積層型ラベル前駆体1Aを切り出し、得られた積層型ラベル前駆体1Aのラベル積層体20Aを傾斜させて積層型ラベル1とする方法であってもよい。ラベル原反の積層は、ラベル22の積層と同じ方法で行える。
[他の実施形態]
本発明の積層型ラベルは、前記した積層型ラベル1には限定されない。
例えば、本発明の積層型ラベルは、大きなめくり代を設けなくても各々のラベルの剥離は容易であるが、被貼付物品に貼付したラベルの剥がれが充分に抑制できる範囲であれば、各々のラベルにおける、ラベルの裏面がはみ出ている側の辺または角に、めくり代として感圧粘着剤層が形成されていない部分を設けてもよい。これにより、積層した各々のラベルの剥離がより容易になる。
また、前記のようなめくり代は、基材の裏面全体に感圧粘着剤層を形成し、該感圧粘着剤層上のめくり代とする部分に糊殺し層を形成することで設けてもよい。
糊殺し層を形成する方法としては、オフセット印刷、フレキソ印刷、レータープレス印刷(凸版印刷)が好ましく、速乾性の観点から、紫外線硬化方式のオフセット印刷、紫外線硬化方式のフレキソ印刷、紫外線硬化方式のレータープレス印刷(凸版印刷)がより好ましく、糊殺し層の厚さを厚くできる観点から、紫外線硬化方式のフレキソ印刷が特に好ましい。
糊殺し剤としては、感圧粘着剤層の粘着を防止できるものであれば、如何なるものも使用でき、オフセット印刷、フレキソ印刷、レータープレス印刷(凸版印刷)用のそれぞれの印刷に使用する印刷用インキ、メジウムインキ、糊殺し専用インキが好ましく、紫外線硬化型のインキが特に好ましい。
糊殺し層を形成する際の糊殺し剤の塗工量は、乾燥質量で0.01〜20g/mが好ましく、0.1〜10g/mがより好ましい。前記塗工量が下限値未満であると、感圧粘着剤層の粘着を防止できなくなることがある。前記塗工量が上限値より大きいと、糊殺し層を施した部分のみが厚すぎるため、積層型ラベルとした場合にその部分のみが膨らんでしまい見た目が良くないという問題を起こすことがある。
また、めくり代を設ける場合は、めくり代と感圧粘着剤層との境界部分にミシン目等の切り取り線を設け、ラベルを被貼付物品に貼付した後にめくり代の部分を切り取れるようにしてもよい。これにより、めくり代部分が起点となってラベルが被貼付物品から剥がれることを抑制できる。
また、本発明の積層型ラベルは、各々のラベルの裏面がはみ出した部分の長さLが、それぞれ異なっていてもよい。例えば、ラベルの裏面がはみ出した部分の長さLが、ラベル積層体の上にいくほど長くなっており、ラベル積層体におけるラベルの裏面がはみ出した側の積層側面が湾曲した形状になっている積層型ラベルであってもよい。
また、本発明の積層型ラベルは、ラベル積層体における積層側面の一部が前記したように傾斜し、該積層側面側でラベルの裏面が隣接する基材からはみ出ていればよい。例えば、矩形のラベルが積層されたラベル積層体の場合、ラベル積層体が有する一対の積層側面のうち、一方の積層側面が積層方向に対して傾斜し、該積層側面側でラベルの裏面が隣接するラベルの基材からはみ出ており、他方の積層側面が積層方向に沿って揃っているものであってもよい。
また、ラベル積層体における積層側面の一部が前記したように傾斜し、該積層側面側でラベルの裏面が隣接する基材からはみ出ているものであれば、ラベルの形状は、三角形、五角形、六角形等の多角形、円形等であってもよい。また、各々のラベルが角を有する場合、その角は丸みを帯びた形状になっていてもよく、直線的に角落とししたものでもよい。
本発明の積層型ラベルは、紙基材の表面に剥離層を有する基材を使用する場合、必要に応じて紙基材の表面および裏面の少なくとも一方に、絵柄、文字、アイマーク等を印刷してもよく、全面にメジウムインキを印刷してもよい。印刷方式としては、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷が好ましい。使用するインキは、紫外線硬化型のインキが好ましく、アミン類の配合が少ないあるいは含有しないアミンレス紫外線硬化型インキがより好ましい。
また、本発明の積層型ラベルは、剥離紙を有していなくてもよい。
また、基材におけるめくり代以外の領域において、めくり代としての機能を奏しない範囲で感圧粘着剤層が設けられていない部分が設けられていてもよい。例えば、基材の全ての辺に沿ってごくわずかな幅で感圧粘着剤層が設けられていない領域(ドライエッジ)を設ければ、ラベル製造時の断裁刃を保護できる。また、ラベルの辺から離れた内部の領域に感圧粘着剤層が設けられていない部分があってもよい。
また、基材の裏面の辺部分に帯状の感圧粘着剤層を設ける態様としてもよい。例えば、紙基材の表面に剥離層を有する基材の場合、紙基材における表面の辺部分に帯状に剥離層を設け、該紙基材の裏面における前記剥離層と対応する辺部分に帯状の感圧粘着剤層を設ける態様としてもよい。
このような態様は、感圧粘着剤の種類や、感圧粘着剤層および必要に応じて設ける剥離層の位置および形状を調節することで、ラベルの粘着力を強粘着から弱粘着まで幅広く制御できる点で好ましい。この場合の感圧粘着剤層および必要に応じて設ける剥離層の形態は、基材の少なくとも一辺に設けられる形態であればよく、被貼付物品に貼付したラベルの剥がれ防止の点から、基材の全周にわたって設けられる形態が好ましい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。なお、本実施例中の「%」は、特に断わらない限り質量%を示す。また、「部」は質量部を示す。
[実施例1]
(紙基材の製造)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をフリーネス430mL(CSF)になるまで叩解し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、顔料としてタルクを添加して、十分に撹拌して分散させた。なお、タルクの添加量はでき上がった紙基材に対して2%となるようにした。次に、酸化澱粉(商品名「エースA」、王子コーンスターチ社製)に水を加えて加熱溶解し、濃度を5%に調整してサイズプレス液とした。前記パルプスラリーを抄紙機で抄紙して原紙を得た後、該抄紙機に付帯されたサイズプレスにて、前記サイズプレス液によって原紙の両面にサイズ処理を行い、紙基材を得た。サイズプレス液の紙基材への吸収量は、両面合計で50mL/mであった。最後に抄紙機エンドのマシンカレンダーにてカレンダー処理を行い、坪量100g/m、密度0.85g/cm、ステキヒトサイズ度35秒の紙基材を得た。また、得られた紙基材について、JIS P 8121で規定されるカナディアンスタンダードフリーネス(ろ水度;CSF)に基づく、離解後のフリーネスを測定したところ、350mLであった。
(積層型ラベルの製造)
得られた紙基材の片面上に、TOKA社製アミンレスUVインキ(商品名:NVR)を用いて絵および文字柄を印刷し、さらにこの上にフレキソ印刷機にて紙基材全面に、ポリオルガノシロキサン(商品名「シリコリースPOLY201」、ローディア社製)100部にオニウム塩系光開始剤(商品名「シリコリースCATA211」、ローディア社製)5部を混合して得た剥離剤塗料を塗工し、高圧水銀紫外線照射装置にて紫外線照射量140mJ/cmの条件で硬化して剥離層を設けて基材を得た。この剥離層を形成する剥離剤の塗工量は、乾燥質量で1.2g/mであった。
次にホットメルトダイコータにて、前記基材の裏面(前記剥離層の反対側の面)にホットメルト型粘着剤(商品名「TN−530Z」、モレスコ社製)を塗工量20g/mとなるように、ただし積層型ラベルとした際に1辺のみ、幅1cmホットメルト型粘着剤を設けない部分を設けて塗工することにより、感圧粘着剤層を設けてラベル原反を作製した。
次に、前記ラベル原反を縦8cm×横12cmの長方形に断裁し、長方形のラベルを50枚得た。その後、それら50枚のラベルを、各々の感圧粘着剤層と剥離層が接触するように積層することで積層型ラベル前駆体を得た。
次に、得られた積層型ラベル前駆体に対して、油圧プレス機によって一方の積層側面から押圧して、ラベル積層体の他方の積層側面を積層方向に対して傾斜させ、該他方の積層側面側で各々のラベルの裏面が隣接するラベルの基材からはみ出るようにずれた積層型ラベルを得た。ラベル積層体の前記他方の積層側面側における各々のラベルの裏面がはみ出た部分の長さは、0.1mmで均一であった。また、得られた積層型ラベルにおけるラベル積層体の前記他方の積層側面と、積層方向とのなす角度は、35°であった。
[実施例2]
ラベル積層体の前記他方の積層側面側における各々のラベルの裏面がはみ出た部分の長さを0.2mmなるように、得られた積層型ラベル前駆体に対して、油圧プレス機によって一方の積層側面から押圧して、ラベル積層体の他方の積層側面を積層方向に対して傾斜させる以外、実施例2と同様にした。得られた積層型ラベルにおけるラベル積層体の前記他方の積層側面と、積層方向とのなす角度は、55°であった。
[比較例1]
実施例1における積層型ラベル前駆体に対して、ラベル積層体を傾斜させる工程を行わず、そのままの状態で積層型ラベルとした。
[180°引き剥がし粘着力(単位:N/10mm)の測定]
各例の積層型ラベルからラベルを剥がし、JIS Z 0237の常態接着力の測定方法に準拠して、該ラベルを被着体であるSUS304鋼板に圧着し、30分間放置した後に、引張り試験機(商品名:RTC−1210、オリエンテック株式会社製)にて、0.3m/分の剥離速度にて180°剥離した際の粘着力(剥離抵抗)を測定した。結果を表1に示す。
[評価方法]
各例における積層型ラベルの評価は、以下の方法で行った。
(めくり性評価)
実施例1、2で得られた積層型ラベルに対し、前記他方の積層側面側の辺から軍手をはめた手でラベルを1枚1枚剥がし、合計10枚のラベルを剥がす時間を測定した。また、比較例1で得られた積層型ラベルに対し、実施例1、2の積層型ラベルの前記他方の積層側面側に相当する側の辺から、同様に合計10枚のラベルを剥がす時間を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005987531
表1に示すように、ラベル積層体の積層側面を積層方向に対して傾斜させ、該積層側面側でラベルの裏面を隣接するラベルの基材からはみ出るようにした実施例1、2の積層型ラベルは、1枚1枚ラベルを容易に剥離することができた。
一方、各々のラベルが揃った状態で重ねられた比較例1の積層型ラベルは、各々のラベルを剥離することが困難であった。
本発明の積層型ラベルは、ラベルを1枚1枚容易に剥離して使用することができるので、物流用、工程管理用、家庭用等の様々な分野で好適に使用できる。
1・・・積層型ラベル、1A・・・積層型ラベル前駆体、10・・・剥離紙、20・・・ラベル積層体、22・・・ラベル、24・・・基材、24a・・・表面、24b・・・裏面、26・・・感圧粘着剤層。

Claims (4)

  1. 複数枚のラベルが表裏方向に積層された積層型ラベルであって、
    前記複数枚のラベルは、各々基材と前記基材の裏面に設けられた感圧粘着剤層を有し、
    前記複数枚のラベルの感圧粘着剤層は、各々隣接する他のラベルの基材から剥離可能とされており、
    前記感圧粘着剤層の積層側面の少なくとも一部は、下記の捲り用傾斜面とされており、
    前記基材の積層側面の少なくとも一部は、下記の捲り用傾斜面とされていない積層型ラベル。
    (捲り用傾斜面)
    互いに隣接するラベルの内、表側に積層されたラベルの方が、その基材の側面が外側にはみ出ており、かつ、前記各ラベルの感圧粘着剤層の側面が、隣接する他のラベルの基材に近づく程内側となるように傾斜している積層側面。
  2. さらに、剥離紙を備え、
    前記剥離紙は、最も裏側に積層されたラベルの感圧粘着剤層に接して配置され、
    前記捲り用傾斜面では、前記最も裏側に積層されたラベルの基材の側面が前記剥離紙の外側にはみ出ており、かつ、前記最も裏側に積層されたラベルの感圧粘着剤層の側面が、前記剥離紙に近づく程内側となるように傾斜している請求項1に記載の積層型ラベル。
  3. 前記表裏方向と前記捲り用傾斜面とがなす角度θが10〜70°である、請求項1又は2に記載の積層型ラベル。
  4. 複数枚のラベルが表裏方向に互いに剥離可能に積層された積層型ラベルの製造方法であって、
    基材と前記基材の裏面に設けられた感圧粘着剤層を有する複数のラベルが、互いに剥離可能に、かつ、各ラベルの側面が表裏方向に沿って揃うように積層した積層型ラベル前駆体を準備する工程と、
    前記積層型ラベル前駆体の側面を押圧することにより、積層側面の少なくとも一部を、下記の捲り用傾斜面とする工程を含む、積層型ラベルの製造方法。
    (捲り用傾斜面)
    互いに隣接するラベルの内、表側に積層されたラベルの方が、その基材の側面が外側にはみ出ており、かつ、前記各ラベルの感圧粘着剤層の側面が、隣接する他のラベルの基材に近づく程内側となるように傾斜している積層側面。
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