JP5986332B1 - 微多孔プラスチックフィルム - Google Patents
微多孔プラスチックフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5986332B1 JP5986332B1 JP2016061486A JP2016061486A JP5986332B1 JP 5986332 B1 JP5986332 B1 JP 5986332B1 JP 2016061486 A JP2016061486 A JP 2016061486A JP 2016061486 A JP2016061486 A JP 2016061486A JP 5986332 B1 JP5986332 B1 JP 5986332B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plastic film
- recess
- roll
- fine particles
- opening diameter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Molding Of Porous Articles (AREA)
Abstract
Description
前記プラスチックフィルムが20〜100μmの範囲内の厚さを有し、
前記凹部がほぼ多角体形状を有し、
前記凹部が60〜300μmの範囲内の開口径分布及び10〜100μmの範囲内の深さ分布を有し、
前記裂け目の50%以上が前記凹部の底部と側部との境界域に形成されており、もって100〜7000 g/m2・24hr・40℃90%RHの透湿度を有することを特徴とする。
図1及び図2に示す装置を用いて、微多孔プラスチックフィルムを製造する方法の一例を説明する。この装置は、穿孔装置を構成するパターンロール1及びアンビルロール2と、第一及び第二のリール3,4と、パターンロール1及びアンビルロール2のバックアップロール5,6と、第一及び第二のガイドロール7,8とを具備する。第一のリール3又は第一のガイドロール7にプラスチックフィルム11の張力を調整するための手段(図示せず)を設けても良く、第二のリール4又は第二のガイドロール8に微多孔プラスチックフィルム11’の張力を調整するための手段(図示せず)を設けても良い。
図2に示す穿孔装置では、上から順にバックアップロール5、パターンロール1、アンビルロール2及びバックアップロール6がそれぞれ一対の軸受け25,25,21,21,22,22,26,26を介して一対のフレーム30,30に回転自在に支持されている。バックアップロール5,6は金属製でもゴム製でも良い。図示の例では、パターンロール1及びアンビルロール2の両方とも駆動ロールである。パターンロール1の軸受け21,21はフレーム30,30に固定されており、上下のバックアップロール5,6の軸受け25,25,26,26及びアンビルロール2の軸受け22,22は一対のフレーム30,30に沿って上下動自在である。上方のバックアップロール5の両軸受け25,25に駆動手段35,35が取り付けられており、下方のバックアップロール6の両軸受け26,26に駆動手段36,36が取り付けられている。上方のバックアップロール5はパターンロール1を下方に押圧し、下方のバックアップロール6はアンビルロール2を上方に押圧する。バックアップロール6の押圧によりアンビルロール2はプラスチックフィルム11を介してパターンロール1に押圧される。パターンロール1及びアンビルロール2はそれぞれバックアップロール5,6に押圧されるので、穿孔中の弾性変形が防止される。
パターンロール1は、図4に詳細に示すように、金属製ロール本体1aの表面に多数の高硬度微粒子1bをニッケルめっき等のめっき層1cによりランダムに固着したロールが好ましい。このようなパターンロール1の具体例は、例えば特開平5-131557号、特開平9-57860号及び特開2002-59487号に記載されている。
パターンロール1と対向して配置されるアンビルロール2のロール面は凹部2aを有することを特徴とする。アンビルロール2の凹部2aは70〜350μmの範囲内の開口径分布及び15〜150μmの範囲内の深さ分布を有する。凹部2aの開口径が70μm未満であるか深さ分布が15μm未満であると、プラスチックフィルム11に形成される凹部11aが小さすぎ、十分な裂け目ができない。一方、凹部2aの開口径が350μm超であるか深さ分布が150μm超であると、プラスチックフィルム11に形成される凹部11aが大きすぎ、過大な裂け目が形成される。凹部2aの開口径の下限は80μmが好ましく、90μmがより好ましい。また、凹部2aの開口径の上限は300μmが好ましく、250μmがより好ましい。さらに、凹部2aの深さの下限は20μmが好ましく、30μmがより好ましい。また、凹部2aの深さの上限は120μmが好ましく、100μmがより好ましい。
(1) アンビルロールの作製
表面に70〜350μmの範囲内の開口径分布及び15〜150μmの範囲内の深さ分布を有する多数の凹部2aがランダムに形成されているアンビルロール2は、図3に示すように、平坦な表面を有する金属ロール42に、ロール本体51aの表面に多数の高硬度微粒子52がめっき層53によりランダムに固着された第一のパターンロール51を押圧することにより作製する。パターンロール(第二のパターンロール)1と同様に、第一のパターンロール51における高硬度微粒子52は鋭い角部を有するとともに、5以上のモース硬度、2以下のアスペクト比、80〜500μmの範囲内の粒径分布、及び20〜200μmの範囲内の高さ分布(めっき層53の表面から)を有する。
プラスチックフィルム11に裂け目を有する多数の凹部を形成するために、アンビルロール2の凹部2aはパターンロール1の高硬度微粒子1bを僅かな隙間で受承する程度の大きさを有する必要がある。そのため、(a) パターンロール1の高硬度微粒子1bが80〜500μmの範囲内の粒径分布及び20〜200μmの範囲内の高さ分布を有し、アンビルロール2の凹部2aが70〜350μmの範囲内の開口径分布及び15〜150μmの範囲内の深さ分布を有する必要があり、(b) 高硬度微粒子の粒径分布の幅が120μm以下で高さ分布の幅が50μm以下であり、かつ凹部2aの開口径分布の幅が100μm以下で深さ分布の幅が50μm以下であるのが好ましく、さらに(c) 高硬度微粒子1bが150〜400μmの平均粒径及び50〜150μmの平均高さを有し、凹部2aが110〜300μmの平均開口径及び25〜120μmの平均深さを有するのが好ましい。
プラスチックフィルム11は、パターンロール1の高硬度微粒子1bによりアンビルロール2の凹部2aに押し込まれたときに、塑性変形するとともに適度な裂け目ができる材質であるのが好ましい。このようなプラスチックとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等、ポリエチレン等のポリオレフィン類、エチレン-酢酸ビニル共重合体類(EVAc)、ナイロン(Ny)等のポリアミド類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリスチレン類等の熱可塑性可撓性ポリマーが好ましい。
図2に示す穿孔装置に、パターンロール1及びアンビルロール2を設置し、それらの隙間にプラスチックフィルム11を通過させながら、アンビルロール2の駆動手段32,32を作動させてパターンロール1及びアンビルロール2との隙間を所定の間隔まで狭くするとともに、バックアップロール5,6の駆動手段35,35,36,36を作動させて、パターンロール1及びアンビルロール2にかかる押圧力を調整する。所望の隙間に設定したパターンロール1とアンビルロール2との間にプラスチックフィルム11を通すと、図4〜図6に示すように、プラスチックフィルム11は高硬度微粒子1bに押されて塑性変形し、アンビルロール2の凹部2aに進入する。このように、高硬度微粒子1bと凹部2aとの狭い隙間でプラスチックフィルム11が延ばされると、プラスチックフィルム11は部分的に破断する。また、高硬度微粒子1bがアンビルロール2の凹部2aに接触すると、その間のプラスチックフィルム11は切断される。その結果、パターンロール1の高硬度微粒子1bに押されてアンビルロール2の凹部2aに進入したプラスチックフィルム11は凹部11aの形状に変形するとともに、凹部11aに切断部(裂け目)11bが形成される。裂け目11bは主に凹部11aの底面周辺部(側面部と底面部との境界域)に形成されるが、勿論限定的でなく、高硬度微粒子1bの形状及び凹部2aの形状の組合せに応じて別の箇所にも裂け目11bが形成されることがある。
上記方法により得られる微多孔プラスチックフィルム11’は、図7に示すように、異なる開口径Do及び深さDdを有する多数の凹部11aがランダムに形成され、凹部11aに裂け目11bが形成されている。凹部11aは60〜300μmの範囲内の開口径分布及び10〜100μmの範囲内の深さ分布を有する。凹部11aの開口径分布が60μm未満であるか深さ分布が10μm未満であると、十分な数及びサイズの裂け目11bが形成されない。一方、凹部11aの開口径分布が300μm超であるか深さ分布が100μm超であると、凹部11aが大きすぎ、凹部11aに形成される裂け目11bも大きくなりすぎる。凹部11aの開口径Dodの下限は70μmが好ましく、80μmがより好ましい。また、凹部11aの深さDdの下限は20μmが好ましく、30μmがより好ましい。凹部11aの深さDdの上限は80μmが好ましく、70μmがより好ましい。
(1) アンビルロールの作製
図2に示す穿孔装置に、外径200 mmのSKD11製ロールに、鋭い角部を有する多角体状のダイヤモンド微粒子53を約60%の面積率でニッケルめっき52により付着させた第一のパターンロール51、及び外径200 mmの金属ロール42を取り付けた。ダイヤモンド微粒子53は平均1.3のアスペクト比を有するとともに、250〜350μmの範囲内の粒径分布、300μmの平均粒径、100〜140μmの高さ分布、及び100μmの平均高さを有していた。金属ロール42は、SKD11製の本体部に、耐食性ステンレススチール(SUS440C)からなる厚さ50 mmの外層を設けたクラッド構造を有していた。
図2に示す穿孔装置に、第一のパターンロール51と同じ第二のパターンロール1、及び上記アンビルロール2を取り付け、図1に示すように両ロールの隙間にそれぞれ6 kgf/cm、10 kgf/cm及び100 kgf/cmの線圧で厚さ40μmの延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム11を通し、サンプル1〜3の微多孔OPPフィルム11’を作製した。
図11はサンプル3のレーザ顕微鏡写真(1000倍)であり、図12は図11における線分ABに沿った微多孔OPPフィルム11’のプロファイル(高さ)を示す。図11及び図12から明らかなように、凹部11aはほぼ多角体状で、側面部と底面部との境界領域に裂け目11bが形成されていた。サンプル1及び2も同様に多角体状で、側面部と底面部との境界領域に裂け目11bが形成されていた。
1a・・・パターンロール本体
1b・・・高硬度微粒子
1c・・・めっき層
2・・・アンビルロール
2a・・・アンビルロールの凹部
3,4・・・第一及び第二のリール
5,6・・・バックアップロール
7,8・・・ガイドロール
11・・・プラスチックフィルム
11’・・・微多孔プラスチックフィルム
11a・・・微多孔プラスチックフィルムの凹部
11b・・・微多孔プラスチックフィルムの凹部の裂け目
21,22,25,26・・・軸受け
30・・・穿孔装置のフレーム
32,35,36・・・駆動手段
Claims (5)
- 異なる開口径及び深さを有する多数の凹部がランダムに形成され、前記凹部に裂け目が形成されている微多孔プラスチックフィルムであって、
前記プラスチックフィルムが20〜100μmの範囲内の厚さを有し、
前記凹部がほぼ多角体形状を有し、
前記凹部が60〜300μmの範囲内の開口径分布及び10〜100μmの範囲内の深さ分布を有し、
前記裂け目の50%以上が前記凹部の底部と側部との境界域に形成されており、もって100〜7000 g/m2・24hr・40℃90%RHの透湿度を有することを特徴とする微多孔プラスチックフィルム。 - 請求項1に記載の微多孔プラスチックフィルムにおいて、前記凹部の少なくとも30%に前記裂け目が形成されていることを特徴とする微多孔プラスチックフィルム。
- 請求項1又は2に記載の微多孔プラスチックフィルムにおいて、前記凹部の開口径分布の幅が100μm以下であり、深さ分布の幅が50μm以下であることを特徴とする微多孔プラスチックフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の微多孔プラスチックフィルムにおいて、前記凹部が100〜240μmの平均開口径及び20〜80μmの平均深さを有することを特徴とする微多孔プラスチックフィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の微多孔プラスチックフィルムにおいて、前記微多孔プラスチックフィルム表面における前記凹部の面積率が10〜70%であることを特徴とする微多孔プラスチックフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016061486A JP5986332B1 (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 微多孔プラスチックフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016061486A JP5986332B1 (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 微多孔プラスチックフィルム |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015224969A Division JP5926437B1 (ja) | 2015-11-17 | 2015-11-17 | 微多孔プラスチックフィルムの製造方法及び製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5986332B1 true JP5986332B1 (ja) | 2016-09-06 |
JP2017095672A JP2017095672A (ja) | 2017-06-01 |
Family
ID=56843303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016061486A Active JP5986332B1 (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 微多孔プラスチックフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5986332B1 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0661859B2 (ja) * | 1991-02-28 | 1994-08-17 | 清二 加川 | 多孔質フィルムの製造装置 |
JP2001310406A (ja) * | 2000-04-28 | 2001-11-06 | Kagawa Atsuko | 高透湿性フィルム、高透湿性対応包装用袋、茸包装密封袋、納豆包装密封袋およびその製造方法 |
-
2016
- 2016-03-25 JP JP2016061486A patent/JP5986332B1/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0661859B2 (ja) * | 1991-02-28 | 1994-08-17 | 清二 加川 | 多孔質フィルムの製造装置 |
JP2001310406A (ja) * | 2000-04-28 | 2001-11-06 | Kagawa Atsuko | 高透湿性フィルム、高透湿性対応包装用袋、茸包装密封袋、納豆包装密封袋およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017095672A (ja) | 2017-06-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5926437B1 (ja) | 微多孔プラスチックフィルムの製造方法及び製造装置 | |
US7799254B2 (en) | Method for the treating films | |
AU2002214842A1 (en) | Method for treating films | |
CN108357116B (zh) | 裂性塑料膜的制造装置 | |
CN106232309B (zh) | 制造多微孔金属箔的方法以及装置 | |
JP6386201B1 (ja) | 微多孔プラスチックフィルムの製造装置 | |
TWI358359B (en) | Laminate of thermoplastic film materials exhibitin | |
JP5887008B1 (ja) | シート部材の製造方法 | |
TWI709471B (zh) | 多微孔塑膠薄膜的製造裝置 | |
JP5986332B1 (ja) | 微多孔プラスチックフィルム | |
CN107538728B (zh) | 微多孔塑料膜的制造装置 | |
JP2005313387A (ja) | 積層マット及びその製造方法並びにこれに用いる製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160802 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160804 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5986332 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |