JP5985790B2 - 表面機能層を有する樹脂成形体の成形方法及びその成形体 - Google Patents

表面機能層を有する樹脂成形体の成形方法及びその成形体 Download PDF

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本発明は、表面に機能層を有する樹脂成形体に関する。詳しくは、本発明は、表面に機能層を有する樹脂成形体であって、寸法精度、および生産性に優れた樹脂成形体の成形方法並びにかかる樹脂成形体に関する。
ガラス板を芳香族ポリカーボネート樹脂に代表される熱可塑性樹脂製の板に代替する試みは従来から幅広い分野で実施されている。その目的は、軽量化、安全性の向上、およびガラスでは不可能な態様での利用などを達成することにある。この中でガラスでは不可能な態様での利用の具体例としては、開口部や偏肉、ボス、リブ形状を有する成形体等が挙げられ、それらの成形体を後加工でなく直接に製造することが開示されている(特許文献1参照)。また、ガラス板が利用されていた分野では、樹脂板にも耐擦傷性が求められる場合が多く、ハードコートが必須である。ハードコートを樹脂板に施す方法としてはスプレーコート法、フローコート法、ディップコート法を使用する方法が開示されている(非特許文献1参照)。しかしながら開口部等の複雑な形状の成形体では垂れなどの外観不良が出るという問題がある。一方、射出成形中に箔転写することにより成形体の表面に機能層を施す方法も開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、成形体が大型化、厚肉化、立体形状化すると、熱や樹脂流動の複雑化によりフィルムが引き伸ばされて皺を生じるという問題がある。
特開平5−269805号公報 特開昭59−202830号公報
塗装技術ハンドブック[日本塗装技術協会]
本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、表面機能層を有する樹脂成形体の射出成形による製造を可能とすることにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、キャリアフィルムの特性を最適化し、射出圧縮成形方法との組合せにより、大型且つ、立体形状においても皺が無い成形体を得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、上記課題を解決する手段として、融点が220℃以上であり、かつJIS C 2318における200℃での収縮率が5%〜40%である表面に機能層を有するフィルムを一方の金型と他方の金型との間に配置し、該金型を型締めして成形キャビティを形成した後、該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出する工程および成形体よりフィルムを剥がす工程を含む射出成形による表面に機能層が付与された樹脂成形体の成形方法が提供される。
以下、本発明の詳細について説明する。
<表面に機能層を有するフィルム>
本発明で使用される表面に機能層を有するフィルムとは、キャリアフィルムの表面に機能層を積層したフィルムであり、フィルムの融点は220℃以上であり、250℃以上が好ましく、260℃以上がより好ましい。融点が220℃より低い場合、射出成形時に溶融樹脂の熱によってフィルムが成形体に融着する。
上記フィルムのJIS C 2318における200℃での収縮率は5%〜40%であり、10%〜30%が好ましく、15%〜25%がより好ましい。フィルムの収縮率が5%より小さい場合、射出成形時に皺を生じ、40%より大きい場合、成形時に波打ちを生じ外観品質が悪化する。
かかる特性を有するフィルムの製造方法として、MD方向に3〜6倍延伸し、TD方向に2〜5倍延伸し、その後、熱固定処理として融点−150℃〜融点−70℃の温度で熱固定するのが好ましい。
フィルムの厚みは0.1mm〜2mmであり、0.1mm〜0.4mmが好ましく、0.1mm〜0.3mmがより好ましい。フィルムの厚みが0.1mmより薄い場合、腰が足りず成形時に皺になり、2mmより厚い場合は形状追随性が損なわれる。
フィルムの表面における機能層の代表的なものとしては耐擦傷性を有するハードコート層、図柄等が形成された印刷層などが挙げられる。このなかでもハードコート層を有するフィルムが好適に用いられる。
さらに、表面に機能層を有するフィルムとして、フィルムの最表面に、JIS K7120に準拠した熱重量測定(TGA)において280℃における重量減少率が10%以下である熱硬化性接着層を有するフィルムが好ましく用いられる。このフィルムを用いることにより成形時の樹脂温度を上げなけばならない大型で複雑な形状の成形体においても安定的に良好な接着性を得られる。なお、280℃における重量減少率が10%以下の熱硬化性接着層としては、例えばブチラール系接着層、エポキシ系接着層、メラミン系接着層などが挙げられ、そのなかでもブチラール系接着層が好ましい。
<熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂は、各種の重合体または共重合体、およびこれらに各種の添加剤を配合した樹脂組成物を含む。
熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、変性PPE樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、およびポリエーテルイミド樹脂などが例示される。これらの中でもポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
かかるポリカーボネート樹脂は、通常使用されるビスフェノールA型ポリカーボネート以外にも、他の二価フェノールを用いて重合された、高耐熱性または低吸水率の各種のポリカーボネート樹脂であってもよい。ポリカーボネート樹脂はいかなる製造方法によって製造されたものでもよく、界面重縮合の場合は通常一価フェノール類の末端停止剤が使用される。ポリカーボネート樹脂はまた3官能フェノール類を重合させた分岐ポリカーボネート樹脂であってもよく、更に脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸、または二価の脂肪族または脂環族アルコールを共重合させた共重合ポリカーボネートであってもよい。ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、好ましくは1.3×10〜4.0×10、より好ましくは1.5×10〜3.0×10、更に好ましくは2.0×10〜2.8×10である。芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
他の二価フェノールを用いて重合された、高耐熱性または低吸水率の各種のポリカーボネート樹脂の具体例としては、下記のものが好適に例示される。
(1)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称)成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつ9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称)成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、ビスフェノールA成分が10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCF成分が5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPM成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊なポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型のポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊なポリカーボネートの製法及び特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報及び特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
上記の熱可塑性樹脂は、上記の透明性を損なわない範囲において、従来公知の各種の添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、離型剤、摺動剤、赤外線吸収剤、光拡散剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、強化充填材、衝撃改質剤、光触媒系防汚剤、およびフォトクロミック剤等が例示される。尚、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、および離型剤などは、従来上記の熱可塑性樹脂における公知の適正量を配合できる。かかる量が樹脂の透明性を阻害することが稀であるからである。
また樹脂材料は、通常必要な添加剤を原料樹脂と溶融混練したペレットの形状で、射出成形機に供給される。かかる供給時は水分含有量を十分に低減されることが必要である。ポリカーボネート樹脂の如き水分吸収性の高い熱可塑性樹脂は、十分に乾燥され射出成形機に供給されることが必要である。溶融混練は、従来公知の溶融混練機が利用でき、特にベント式二軸押出機が好適である。また押出中に生じた異物を除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置することが好ましい。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。更にペレットの製造場所から、射出成形機への製造場所への運搬には、従来光情報記録媒体の基板製造用ペレットに利用される、各種の防塵コンテナが利用できる。
<樹脂成形体>
本発明の製造方法で製造される樹脂成形体の厚みは2mm〜30mmの範囲が好ましく、3mm〜30mmがより好ましく、5〜30mmがさらに好ましく、8〜30mmが最も好ましい。厚みが2mmより薄い場合、射出成形時に樹脂の剪断によってフィルムが変形してしまう場合がある。また、厚みが30mmより厚い場合、射出成形時のフィルムへの熱負荷が大きくなりフィルムが融着する可能性が高くなる。
上記樹脂成形体は機能層を付与される表面において、絞り形状を有する樹脂成形体であることが好ましい。絞り形状においては、その絞り比が0.07以上であり、かつその面積が3,000mm以上が好ましく、絞り比が0.07以上であり、かつその面積が30,000mm以上がより好ましく、絞り比が0.12以上であり、かつその面積が30,000mm以上が最も好ましい。絞り比が0.07より小さい場合、或いはその面積が3,000mmより小さい場合は従来の技術でも成形可能である。なお、絞り比とは機能層付与部における「凹凸の高さ/投影面積と等価な円の直径」で表される。
<樹脂成形体の製造方法>
本発明の製造方法は以下の工程を含む製造方法である。なお、射出成形方法としては一般的な単色成形でも良いし、意匠や機能を向上させるために2色成形、金型を急速に加熱冷却するヒートアンドクール成形、電気加熱成形または電磁誘導加熱成形を用いても良い。
(工程−1)
工程−1は融点が220℃以上であり、かつJIS C 2318における200℃での収縮率が5%〜40%である表面に機能層を有するフィルムを、一方の金型と他方の金型との間に配置し、該金型を型締めして成形キャビティを形成した後、該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出する工程である。
ここで、本発明でいうところの成形キャビティとは、可動側金型と固定側金型との型締めにより形成した成形用空間のことを指す。
本発明において溶融樹脂は、表面に機能層を有するフィルムを一方の金型と他方の金型との間に配置した後に予め圧縮ストローク分だけ余分に開いた金型キャビティ内に射出充填されることが好ましい。この射出圧縮成形においては、圧縮ストロークと樹脂板の厚みとの合計量は、目的とする樹脂板の厚みに対して、好ましくは1.01〜3倍の範囲、より好ましくは1.05〜2倍の範囲、更に好ましくは1.1〜1.8倍の範囲である。
金型同士が中間型締め状態に型締めされた金型キャビティ内へ溶融した熱可塑性樹脂を射出した後に最終型締めを行う。この最終型締めは閉鎖されたキャビティ中で行うことも、一部開放されたキャビティ中で行うこともできる。閉鎖されたキャビティとは、樹脂の流動する余地のない閉ざされた状態のキャビティをいう。かかるキャビティは、ホットランナのバルブの閉鎖、および完全なゲートシールにより達成される。更にシリンダー側から付加する樹脂圧力と圧縮圧力との平衡が維持された状態が含まれる。一方、一部開放されたキャビティとは、樹脂の流動する余地がある開放されたキャビティをいう。例えば、オープンノズルで樹脂が大きくフローバックされる場合や、捨てキャビが設けられて樹脂が圧縮によって流入する場合などがある。成形体の品質を安定化させるためより好ましいのは閉鎖されたキャビティにおいて圧縮を行う方法である。
最終型締め工程において、可動側金型パーティング面と固定側金型のそれとは接触(以下、“型面タッチ”と称する場合がある)しないことが好ましい。型面タッチがある場合、所定の圧力が樹脂に十分に伝わることがなくなり、寸法精度に優れた低歪みの成形体は得難くなる。可動側金型のパーティング面と固定側金型のそれとの距離は、好ましくは0.05〜3mmの範囲、より好ましくは1〜2mmの範囲である。3mmを超える設定とした場合には成形体の形状によっては可動側金型の倒れが生じ製品にバラツキが生じやすくなる。また0.05mm未満の場合には十分な制御が困難となり、連続の成形において型面タッチが生ずる場合がある。
フィルムの配置方法としては金型の上方或いは下方に配置されたフィルムロールを他方に巻き取り送る方法や、枚葉にカットされたフィルムをロボットアームなどにより金型内に配置する方法などがある。
(工程−2)
工程−2は成形体よりフィルムを剥がす工程である。成形体よりフィルムを剥がす方法としては、枚葉にカットされたフィルムを使用する場合は手作業にて引き剥がす方法、フィルムロールを使用する場合は、取り出し機やロボットアームにて引き剥がす方法、およびフィルムを配置した金型の他方の金型に若干のアンダーカット部を設ることにより型開き時に引き剥がす方法などが挙げられる。
本発明の方法を用いて製造された樹脂成形体は大型で厚肉で3次元形状を有する形状でも良好な外観を有する。したがって、上述のとおり、これらの特性が求められる車両、船舶および航空機などの輸送機器の樹脂製窓(車輌屋根を含む)(例えばサンルーフやクオータ窓等に代表される光透過性を有する部材)、並びに液晶ディスプレイ保護材に代表される画像を透視する用途、特にパチンコやピンボールに代表される遊技具における遊技盤(例えば、前面盤や遊戯盤等に代表される光透過性を有する部材)に代表される幅広い工業分野において有用である。よってその奏する工業的効果は格別のものである。
用いた金型及び成形体の形状を図に示す。なお、図は成形金型の概要を模式的に示しており、ゲート、エジェクタピン等の詳細構造は図示を省略してある。
実施例1〜8、比較例1〜6に用いた金型及び成形体の形状を示す。 実施例9〜11に用いた金型及び成形体の形状を示す。
本発明者らが現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、熱可塑性樹脂及び、表面に機能層を有するフィルムとしては以下のものを用いた。
(I)熱可塑性樹脂
A−1:ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1225Y(商品名)]
A−2:ABS樹脂[東レ(株)製920−555(商品名)]
A−3:PMMA樹脂[三菱レイヨン(株)製VH−001(商品名)]
(II)表面に機能層を有するフィルム
B−1:フィルム厚み0.1mmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムをキャリアフィルムとし、その表面に剥離層と、機能層としてハードコート層、最表面にブチラール系の熱硬化性接着層を積層したフィルム(融点269℃、200℃における収縮率20%)[尾池工業(株)製]
B−2:200℃における収縮率が5%である以外はB−1と同様のフィルム
B−3:フィルム厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをキャリアフィルムとし、その表面に剥離層と、機能層としてハードコート層、最表面にブチラール系の熱硬化性接着層を積層したフィルム(融点258℃、200℃における収縮率20%)
B−4:フィルム厚み0.1mmのポリカーボネート(PC)フィルムをキャリアフィルムとし、その表面に剥離層と、機能層としてハードコート層、最表面にブチラール系の熱硬化性接着層を積層したフィルム(融点240℃、200℃における収縮率20%)
B−5:200℃における収縮率が35%である以外はB−1と同様のフィルム
B−6:キャリアフィルムの厚みが1.7mmである以外はB−1と同様のフィルム
B−7:キャリアフィルムの厚みが0.05mmである以外はB−1と同様のフィルム
B−8:200℃における収縮率が1%である以外はB−1と同様のフィルム
B−9: フィルム厚み0.1mmのポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムをキャリアフィルムとし、その表面に剥離層と、機能層としてハードコート層、最表面にブチラール系の熱硬化性接着層を積層したフィルム(融点180℃、200℃における収縮率20%)
B−10:接着層がアクリルアミド系の熱可塑性接着層である以外はB−1と同様のフィルム
B−11:キャリアフィルムの厚みが2.3mmである以外はB−1と同様のフィルム
B−12:200℃における収縮率が45%である以外はB−1と同様のフィルム
(III)評価項目
(III−1)外観
成形体の外観を観察し、下記の通り評価を実施した。
○:外観不良が認められなかった。
×:シボ状の外観不良を生じた。
(III−2)形状
フィルムがついた成形体の形状を観察し、下記の通り評価を実施した。
○:フィルムが金型に密着し隙間を生じず、所望の形状の成形体が得られた。
×:金型とフィルムの間に隙間を生じ、所望の形状の成形体を得られなかった。
(III−3)鉛筆硬度
JIS K 5600−5−4に示される鉛筆硬度の評価を実施した。
(III−4)シワ
成形体シワの有無を観察し、下記の通り評価を実施した。
1:無数のシワが有る。
2:数本のシワが有る。
3:シワは無いが若干凹状
4:シワが無く良好
(III−5)機能層の剥離
成形体をSEMにて観察し、機能層の剥離の有無について下記の通り評価を実施した。
○:機能層の剥離は認められなかった。
×:機能層の剥離が認められた。
(III−6)フィルムの成形体への融着
成形体をSEMにて観察し、キャリアフィルムの融着の有無について下記の通り評価を実施した。また、FT−IRを用いてフィルムの劣化状態を確認した。
1:フィルムが成形体に融着し剥がせない
2:フィルムが成形体に融着し剥がし難い
3:融着は無いが若干フィルムの劣化有り
4:融着が無く良好
[実施例1]
以下の工程に従い、表面に機能層を有する樹脂成形体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(A−1)のペレットを120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥した後、成形機としてシリンダ径50mmφ、型締め力2,150kNの住友重機製ULTRAIV射出成形機及び図1の金型を使用し、フィルム(B−1)を用いて射出成形を行った。成形はシリンダ温度290℃、ホットランナ設定温度290℃、金型温度は固定側、可動側ともに100℃、および冷却時間30秒で行った。フィルムは、枚葉にしたフィルムを用い、固定側或いは可動側のパーティング面に両面テープを用いて貼り付けて配置した。また、成形体よりのフィルムの剥ぎ取りは手作業にて実施した。
成形体は図1に示すとおり、機能層を付与される表面の絞り比が0.12、面積が31,416mm、長さ200mm、幅200mm、および厚み4mmの成形体である。
[実施例2]
使用するフィルムをフィルム(B−2)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[実施例3]
使用するフィルムをフィルム(B−3)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[実施例4]
使用するフィルムをフィルム(B−4)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[実施例5]
使用するフィルムをフィルム(B−5)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[実施例6]
使用樹脂をABS樹脂(A−2)とし、シリンダ温度250℃、ホットランナ温度250℃、金型温度は固定側可動側ともに60℃とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[実施例7]
使用樹脂をPMMA樹脂(A−3)とし、シリンダ温度250℃、ホットランナ温度250℃、金型温度は固定側可動側ともに60℃とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[実施例8]
使用するフィルムをフィルム(B−6)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[実施例9]
以下の工程に従い、表面に機能層を有する樹脂成形体を作製した。
ポリカーボネート樹脂(A−1)のペレットを120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥した後、成形機としてシリンダ径110mmφ、型締め力15,700kNの名機製作所製M1600NS−DM射出成形機及び図2の金型を使用し、フィルム(B−1)を用いて射出圧縮成形を行った。該成形機は、特開2003−048241号公報の実施例に記載されたものと同じ平行度矯正機構を有するものである。金型取り付け板の四隅に配置された平行度矯正機構の各機構の保持圧力を調整することにより、金型の平行度をtanθが0.00005以下となるよう調整した。成形は中間型締め位置から最終型締め位置までのストロークであるプレスストローク2mm、および圧縮加圧時間30秒で行った。フィルムは、ロール状にしたフィルムを用い、箔送り装置を用いて固定側のパーティング面に配置した。また、キャリアフィルムは取り出し機にて引き剥がした。
成形体は図2に示すとおり、機能層を付与される表面絞り比が0.12、面積が70,686mm、長さ300mm、幅300mm、厚み4mmの成形体である。
[実施例10]
成形体の厚みを30mmとし、圧縮加圧時間を900秒とした以外は、実施例9と同様にして成形を実施した。
[実施例11]
使用するフィルムをフィルム(B−10)とした以外は、実施例9と同様にして成形を実施した。
[比較例1]
フィルムを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[比較例2]
使用するフィルムをフィルム(B−7)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[比較例3]
使用するフィルムをフィルム(B−8)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[比較例4]
使用するフィルムをフィルム(B−9)とした以外は実施例9と同様にして成形を実施した。
[比較例5]
使用するフィルムをフィルム(B−11)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
[比較例6]
使用するフィルムをフィルム(B−12)とした以外は、実施例1と同様にして成形を実施した。
実施例1〜11および比較例1〜6の評価結果を表1および表2に記載した。
1 可動側金型
2 額縁ブロック
3 固定側金型(可動側金型と額縁構造となる)
4 フィルム
5 溶融樹脂
6 成形体本体
7 可動側金型(固定側金型と額縁構造となる)
8 額縁ブロック
9 固定側金型
10 フィルム
11 溶融樹脂
12 成形体本体

Claims (6)

  1. ポリエチレンナフタレートおよびポリカーボネートよりなる群より選ばれる樹脂よりなり、厚みが0.1mm〜2mm、融点が220℃以上であり、かつJIS C 2318における200℃での収縮率が5%〜40%である表面に機能層を有するフィルムを、一方の金型と他方の金型との間に配置し、該金型を型締めして成形キャビティを形成した後、該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出する工程(工程−1)および成形体よりフィルムを剥がす工程(工程−2)を含む、射出成形による表面に機能層を付与された、機能層を付与される表面の絞り比が0.07以上であり、かつその面積が3,000mm以上である樹脂成形体の成形方法。
  2. 樹脂成形体の厚みが2mm〜30mmの範囲である請求項1に記載の樹脂成形体の成形方法。
  3. 成形方法が射出圧縮成形である請求項1または2に記載の樹脂成形体の成形方法。
  4. 機能層を有するフィルムが、フィルムの最表面に280℃における重量減少率が10%以下である熱硬化性接着層を有するフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形体の成形方法。
  5. 表面の機能層がハードコート層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成形体の成形方法。
  6. 熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂成形体の成形方法。
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