JP5985328B2 - 蓄電池の残存価値格付け装置およびプログラム - Google Patents

蓄電池の残存価値格付け装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、蓄電池の残存価値格付け装置およびプログラムに関する。
蓄電池のリユース市場のため、蓄電池の将来の価値(残存価値)を評価する技術が求められている。
例えば、第1には、蓄電池の残存価値を推定するために、従来の使用履歴を詳細に知り、その使用履歴に基づいて類推する技術などが考えられてきた。
また、第2に、容量などの蓄電池の代表的な性能指標が所定の範囲内に入っているか否かで、蓄電池のグレード分けを行う技術も開示されている。
特開2011−146389号公報
しかしながら、第1の従来技術のようにこれまでの使用履歴を知るためには、充放電の情報を逐次収集しても、ユーザが変わるケースなど、必ずしも正確に将来の蓄電池の劣化状態を推定することができなかった。
また、複数の蓄電セルから構成される蓄電池システムの場合、蓄電セルごとに残存価値が評価できるが、個々の蓄電セルの評価結果から蓄電池システムとしての評価、格付けを行う方法がない、という問題があった。
さらに、第2の従来技術によれば、現在の状態量のみを用いて評価(グレード分け)しており、将来の劣化可能性を考慮したグレード分けになっていない。
実施形態の蓄電池の残存価値格付け装置は、等価履歴同定手段と、推定手段と、残存価値算出手段と、格付け手段と、を備える。前記等価履歴同定手段は、蓄電池について試験条件ごとに測定した劣化試験データと前記蓄電池の内部の状態量とから算出され、これまでの前記蓄電池の使用履歴に対して等価的な前記試験条件における前記蓄電池の等価履歴を同定する。前記推定手段は、同定した前記等価履歴を前記蓄電池の現在の状態とみなして所定期間後の前記蓄電池の状態を推定する。前記残存価値算出手段は、推定された前記状態が前記蓄電池の使用用途に即した使用限界水準を超える割合を不適合率として算出して前記蓄電池の残存価値を求める。前記格付け手段は、前記所定期間後の前記不適合率に応じて前記蓄電池の残存価値に対して格付けを行う。
実施形態の蓄電池の残存価値格付け装置は、等価履歴同定手段と、確率分布算出手段と、残存価値算出手段と、格付け手段と、を備える。前記等価履歴同定手段は、蓄電池について試験条件ごとに測定した劣化試験データと前記蓄電池の内部の状態量とから算出され、これまでの前記蓄電池の使用履歴に対して等価的な前記試験条件における前記蓄電池の等価履歴を同定する。前記確率分布算出手段は、同定した前記等価履歴を前記蓄電池の現在の状態とみなして所定期間後の前記蓄電池の状態を前記劣化試験データから確率分布として算出する。前記残存価値算出手段は、前記確率分布が前記蓄電池の使用用途に即した使用限界水準を超える割合を不適合率として算出して前記蓄電池の残存価値を求める。前記格付け手段は、前記所定期間後の前記不適合率に応じて前記蓄電池の残存価値に対して格付けを行う。
図1は、第1の実施形態にかかる蓄電池の残存価値格付けシステムの構成を示すブロック図である。 図2は、残存価値格付け装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は、蓄電池の所定期間後の不適合率を求めた結果例を示す図である。 図4は、蓄電池の残存価値の診断処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、蓄電池の状態量の検出手法を示す図である。 図6は、蓄電池の状態量の検出手法を示す図である。 図7は、蓄電池の状態量の検出手法を示す図である。 図8は、劣化特性DBに格納される状態量の劣化特性の例を示す図である。 図9は、等価履歴の同定方法を例示的に示す説明図である。 図10は、等価履歴を同定する処理の流れを示すフローチャートである。 図11は、蓄電池の代表性能指標(容量)の存在確率を算出する方法を示す図である。 図12は、蓄電池の代表性能指標(内部抵抗)の存在確率を算出する方法を示す図である。 図13は、蓄電池の所定期間後の不適合率から格付けする基準の一例を示す図である。 図14は、蓄電池の所定期間後の不適合率から格付けを行った結果例を示す図である。 図15は、蓄電池に対する格付け処理の流れを示すフローチャートである。 図16は、第2の実施形態にかかる残存価値格付け装置の機能構成を示すブロック図である。 図17は、蓄電池の残存価値の診断処理の流れを示すフローチャートである。 図18は、等価履歴の同定尤度を求める方法を示す図である。 図19は、等価履歴の同定および同定尤度算出処理の流れを示すフローチャートである。 図20は、蓄電池の代表性能指標(容量)の存在確率を算出する方法の一例を示す図である。 図21は、蓄電池の代表性能指標(容量)の存在確率を算出する方法の一例を示す図である。 図22は、存在確率を算出せずに蓄電池の将来の状態を推定する方法の一例を示す図である。 図23は、存在確率を算出せずに蓄電池の将来の状態を推定する方法の一例を示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる蓄電池の残存価値格付けシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、蓄電池の残存価値格付けシステム200は、蓄電池1の残存価値の格付けを行うコンピュータシステムである。本実施形態において、蓄電池の残存価値格付けシステム200の構成要素の一つである残存価値格付け装置201は、処理機能に応じて装置をLAN(Local Area Network)、イントラネット等の通信ネットワークを介した各種処理装置群で構成することができる。
残存価値格付け装置201は、概略的には、診断対象の蓄電池1の充放電回数や抵抗測定値、容量測定値などの現在の蓄電池1の状態量と予め蓄積された多数の試験データに基づいて、所定期間後の蓄電池1の残存価値を求め、推定された所定期間後の残存価値から蓄電池1の格付けを行う。
残存価値格付け装置201は、プログラムを実行し演算するコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)100と、RAM(Random Access Memory)110と、通信インタフェース(IF)120と、入力インタフェース(IF)130と、表示インタフェース(IF)140と、ROM(Read Only Memory)150と、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶部160と、タイマ170とを備えている。その他、残存価値格付け装置201は、USBメモリ等の外部記憶装置を装着するインタフェース(IF)を備えていても良い。
CPU100は、ROM150や記憶部160に記憶されているプログラムをRAM110に読み出し、処理を行う演算処理部(マイクロプロセッサ)である。CPU100は、機能に合わせて複数のCPU群(マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ)で構成することができる。また、CPU内にRAM機能を有している内蔵メモリを備えていても良い。
RAM110は、CPU100がプログラムを実行するに際して使用する記録エリアであって、ワーキングエリアとして用いられるメモリである。RAM110は、処理に必要なデータを一時的に記憶させるのに好適である。
通信IF120は、蓄電池1とデータ授受を行う通信装置(通信手段)であり、例えば、ルータである。本実施形態では、通信IF120と蓄電池1との接続は有線通信のごとく記載しているが、各種無線通信網に代替することができる。
入力IF130は、入力部131と残存価値格付け装置201とを接続するインタフェースである。入力IF130は、入力部131から送られてきた入力信号を変換し、CPU100が認識可能な信号に変換する入力制御機能を有していても良い。なお、入力IF130は、端子等として必須の構成要素ではなく、残存価値格付け装置201内の配線と直接接続されていても良い。
入力部131は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン等の入力制御を行う入力装置(入力手段)である。その他、人の発する声を認識することにより、入力信号として認識または検出する機能を備えていても良い。本実施形態では、残存価値格付け装置201の外部に設置されているが、残存価値格付け装置201に組み込まれている形態であっても良い。
表示IF140は、表示部141と残存価値格付け装置201とを接続するインタフェースである。CPU100から表示IF140を介して表示部141の表示制御が行われても良いし、グラフィックボードなど描画処理を行うLSI(GPU)から表示IF140を介して表示部141の表示制御が行われても良い。表示制御機能としては、例えば画像データを復号化するデコード機能がある。なお、表示IF140は、端子等として必須の構成要素ではなく、残存価値格付け装置201内の配線と直接接続されていても良い。
表示部141は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどの出力装置(出力手段)である。表示部141は、その他、音を発する機能を備えていても良い。本実施形態では、表示部141は、残存価値格付け装置201の外部に設置されているが、残存価値格付け装置201の内部に組み込まれているようにしても良い。
ROM150は、プログラムを格納するプログラムメモリである。データの書き込みはできない非一次記憶媒体を用いることが好適であるが、データの読み出し、書き込みが随時できる半導体メモリ等の記憶媒体であっても良い。その他、画像データを表示部141にて人が認識可能な文字や図柄を表示させる表示プログラムや、電池の劣化情報等のコンテンツを通信IF120を介して図示しない他の端末に配信させるプログラム、取得したデータを記憶部160に予め定められた時間毎に記憶させる情報登録プログラムなどが格納されていても良い。
記憶部160は、プログラム161の他、蓄電池1について試験条件ごとに測定した劣化試験データを予め記憶する劣化試験データデータベース(DB)4を格納する。
次に、残存価値格付け装置201の機能構成について説明する。図2は、残存価値格付け装置201の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、CPU100は、プログラム161に従って動作することにより、特性検査装置2と、状態量検出器3と、蓄電池1の残存価値を診断する残存価値診断器10と、劣化特性算出管理部20と、診断結果表示部30として機能する。
特性検査装置2は、残存価値診断器10からの蓄電池1の残存価値の診断命令を受け、診断対象の蓄電池1の充放電や抵抗測定、容量測定などを行い、診断対象の蓄電池1の現在の複数の状態量を検出するための特性検査を行い、その結果である特性検査データを状態量検出器3に送る。
状態量検出器3は、特性検査装置2から受け取った診断対象の蓄電池1の特性検査データを用いて、蓄電池1の状態量を検出または推定し、その結果を劣化特性算出管理部20と残存価値診断器10に入力する。
残存価値診断器10は、評価対象の蓄電池1の複数の状態量を検出、推定する診断制御部11と、等価履歴同定手段として機能する等価履歴同定部15と、確率分布算出手段または推定手段として機能する将来価値推定部16と、残存価値算出手段として機能する残存価値算出部14と、格付け手段として機能する価値格付け部17と、を備える。
劣化特性算出管理部20は、劣化特性算出部21と、劣化特性データベース(DB)22と、劣化特性管理部23と、格付け結果データベース(DB)24と、を備えている。劣化特性DB22および格付け結果DB24は、記憶部160に形成される。
残存価値診断器10の診断制御部11は、評価対象となる蓄電池1が残存価値格付け装置201に装着された後、蓄電池1の残存価値の診断を開始する。
劣化特性算出管理部20の劣化特性管理部23は、診断制御部11からの指令を受けて、劣化特性算出部21に対して出力する。劣化特性算出部21は、蓄電池の劣化試験データDB4から試験条件ごとに測定した試験データを入手し、各試験条件における試験データを状態量検出器3に与える。そして、状態量検出器3は、複数の状態量を検出または推定し、状態量の算出結果として劣化特性算出部21に入力する。
加えて、劣化特性算出部21は、状態量検出器3から入力された複数の状態量を、劣化試験データDB4から入手した充放電サイクル数と対応付けて試験条件ごとに整理して、劣化特性DB22に格納する。なお、劣化特性DB22には、過去に評価した蓄電池1の状態量の情報も格納されている。
残存価値診断器10の診断制御部11は、評価対象の蓄電池1の複数の状態量を検出、推定すると、劣化特性管理部23に問い合わせる。
劣化特性管理部23は、診断制御部11からの問い合わせに応じ、劣化特性DB22から、複数の蓄電池で行われた試験条件、等価条件ごとに、格納された複数の状態量を充放電サイクル数に対応させて入手し、等価履歴同定部15に送付する。
等価履歴同定部15は、状態量検出器3から評価対象の蓄電池1の状態量の情報を得ると同時に、劣化特性DB22から充放電サイクル数と対応付けられた各試験条件の状態量のデータを入手する。そして、等価履歴同定部15は、評価対象の蓄電池1の状態量を、各試験条件の状態量のデータと照会することで、評価対象の蓄電池1の等価履歴として、等価サイクル数と等価温度条件と等価充放電条件との少なくともいずれか一つを同定する。
将来価値推定部16は、等価履歴同定部15において同定された等価履歴である、等価温度条件、等価充放電条件における複数の状態量の劣化特性を劣化特性管理部23に問い合わせる。
劣化特性管理部23は、劣化特性DB22から、等価履歴同定部15において同定された等価履歴である、等価温度条件、等価充放電条件における複数の状態量の劣化特性を入手し、将来価値推定部16に送付する。
将来価値推定部16は、等価履歴同定部15において同定された等価履歴である現在の等価サイクル数Neqをもとに、所定期間分のサイクル数Nを進めた将来のサイクル数Nを求める。この所定期間分のサイクル数Nは、評価対象の蓄電池1が前回の診断から経過した年数Yと、現在の等価サイクル数であるNeqと、前回の診断における等価サイクル数であるNeq−pとから次のように求めることができる。例えば、今後1年間に行うと想定されるサイクル数Nf−1は、次のように求めることができる。
f−1=(Neq−Neq−p)÷Y
また、初めて診断する場合には、使用開始日から評価した当日までの経過日数と等価サイクル数の関係から、1年分のサイクル数を求めても構わない。また、1年間のサイクル数Nは100サイクル、というように固定値を用いても構わない。このように1年間、2年間、4年間といった所定期間分のサイクル数Nを決定し、
=Neq+N
として、価値を求めたい将来のサイクル数Nを決定する。
続いて、将来価値推定部16は、等価履歴同定部15において同定された等価履歴である、等価温度条件、等価充放電条件における、将来のサイクル数Nにおける、複数の状態量データを、蓄電池容量や内部抵抗値などの代表的な性能指標に換算する。
なお、代表的な性能指標が等価サイクル数に対する劣化特性として予め表現されていて、将来のサイクル数Nにおける性能指標値が求められる状態になっていても構わない。このとき、性能指標値は、等価サイクル数に対するばらつきを持つ値として換算でき、中心値に対して標準偏差σ(Ncyc)(等価サイクル数の関数)の分布を持つ値として求めることができる。将来の等価サイクル数Nに対応する性能指標値のばらつきを考慮した代表性能指標は、中心値を等価サイクル数がNのときの性能指標値で、標準偏差σ(N)の分布を持つ存在確率分布となる。
残存価値算出部14は、診断制御部11から評価対象の蓄電池の使用用途に即した性能指標における使用限界水準(=回復不能レベル)を入手し、将来価値推定部16で算出された将来のサイクル数Nにおける性能指標値を求め、性能指標におけるばらつき誤差の標準偏差σ(N)を用いて、使用限界水準値と比較して、現在の残存価値を算出する。
残存価値算出部14は、存在確率分布が使用限界水準を超えた割合を不適合率として、残存価値を決める変数とする。このとき、所定期間後の不適合率として、1年後、2年後、4年後、というように複数の所定期間後の不適合率を求めることができる。その結果、図3に示すような蓄電池1の所定期間後の不適合率を求めた結果が得られる。なお図3に示す例においては、1年分の等価サイクル数を100サイクルとしている。残存価値算出部14は、このようにして得られた結果を診断結果表示部30に出力する。
診断結果表示部30は、残存価値算出部14から出力された結果を表示部141に表示する。
ここで、上述した蓄電池1の残存価値の診断処理の流れについて図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
図4に示すように、まず、残存価値診断器10の診断制御部11は、評価対象の蓄電池1が残存価値格付け装置201(特性検査装置2)に装着されたことを確認して、残存価値診断を開始する(ステップS101)。なお、評価対象の蓄電池1が複数の蓄電セルから構成される場合、全ての蓄電セルについて少なくとも等価履歴の同定までは行われるものとする。
続いて、診断制御部11は、特性検査装置2を制御して蓄電池1の充放電曲線を取得し、その結果から状態量検出器3が評価対象の蓄電池1の複数の状態量を検出する(ステップS102)。
このような状態量の検出は、例えば特許第3669673号公報に開示されているように、図5に示すような放電曲線を用いて、あらかじめ準備された図6に示すようなパラメータおよび物理定数で放電曲線を表現するモデルにより、そのパラメータを図7に示すように推定して行うことができる。
続いて、等価履歴同定部15は、状態量検出器3からの評価対象の蓄電池1の状態量の情報と、劣化特性DB22からの充放電サイクル数と対応付けられた各試験条件の状態量のデータとに基づいて、評価対象の蓄電池の等価履歴として、等価温度条件、等価充放電条件における等価サイクル数などを同定する(ステップS103)。より詳細には、今回検出された評価対象の蓄電池1の各状態量は、充放電サイクル数に対する各状態量の劣化特性と比較して、最も尤度の高い等価履歴が同定される。
ここで、劣化特性DB22に格納される、特定温度条件、特定充放電条件ごとに充放電サイクル数に対する複数の状態量の劣化特性は、充放電条件が1C充放電の場合、図8に示すような形で管理される。図8に示すように、劣化特性DB22に格納される劣化特性は、試験対象の複数の蓄電池1の試験データをもとに、算出された複数の状態量が、離散的な充放電サイクル数間隔で測定されている。
また、図9は等価履歴の同定方法を例示的に示す説明図である。図8に示したような状態量の劣化特性に対して、等価履歴は図9に示すように同定される。図9においては、温度条件35℃、充放電条件1C(1時間で充放電サイクル1回)でのデータを示しており、それぞれ、測定が行われた離散的な充放電サイクル数での測定結果のばらつきがあるため、中央値を結んだ近似曲線が“線”で、標準偏差±σの点を線形補間した曲線が“破線”で示されている。以下、検出される状態量がs1、s2、s3の3つである場合を例に説明する。
図9に示すように、試験対象の複数の蓄電池1の試験データをもとに算出された複数の状態量ごとに、検出された値に対応する充放電サイクル数がN、N、Nとして求められる。同時に、以下の式(1)で、同定誤差Eeqが求められる。
、N、Nはそれぞれの状態量が図9に示す劣化特性の中心線に対応した等価サイクル数として以下の式で求められる。
=Ncyc(T,s1)
=Ncyc(T,s2)
=Ncyc(T,s3)
またそれぞれの状態量s1、s2、s3に応じた同定尤度が、図9に示すように中央値を結んだ近似曲線に対する標準偏差±σの点を線形補間した曲線との関係で、その間隔が2σとなるように、σ、σ、σが求められる。
Figure 0005985328
また、等価サイクル数Neqは、この同定誤差Eeqを最小化する値として、決定される。
minEeq(T,Ccrg
このようにして、等価サイクル数Neqは、温度条件、充放電条件ごとに求められる。劣化特性DB22に格納される温度条件が25℃、35℃、45℃の3種類、充放電条件が1C、3Cの2種類の場合、まず1C充放電を仮定して計3つの等価サイクル数Neqと、minEeq(T,Ccrg)とが求められ、このうち最もEeq(T,Ccrg)が小さい場合の等価サイクル数Neqが、同定結果として採用される。そして、その際の温度条件、充放電条件が、等価充放電条件1Cの場合の等価温度条件、として決定される。図9では、等価温度条件として、35℃が決定された場合を示している。
ここで、等価履歴同定部15における等価履歴を同定する処理の流れについて図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
図10に示すように、等価履歴同定部15は、等価履歴(等価サイクル数)の同定を開始し(ステップS201)、充放電レートCcrgの選択を受け付ける(ステップS202)。上記した図9に示した例では、1C充放電を選択している。
続いて、等価履歴同定部15は、状態量検出器3によって検出された状態量の数を“m”とし(ステップS203)、劣化特性DB22に登録されたp種類の温度条件Tのうち一つの温度条件の選択を受け付ける(ステップS204)。
次いで、等価履歴同定部15は、ステップS204で選択された温度条件Tにおいて充放電サイクル数をm個の状態量の等価サイクル数Ncyc(T,sm)として求め、その相対誤差Eeq(T,Ccrg)を求める(ステップS205)。
例えば図8に示したように25℃、35℃、45℃の温度条件が劣化特性DB22に登録されている場合、等価履歴同定部15は、3種類の温度条件に対して相対誤差Eeq(T,Ccrg)を求め(ステップS206のYes)、P種類(図8の例では3種類)の温度条件に対して、その相対誤差Eeq(T,Ccrg)が最小となる温度条件を等価温度条件とし、等価サイクル数Neqおよび等価温度Tを選択させて(ステップS207)、等価サイクル数Neqおよび等価温度Tを特定して(ステップS210)、等価履歴の同定を終了する。
なお、評価対象の蓄電池1が複数のq個の蓄電セルから構成される場合、図3に示したように全ての蓄電セルについて、この等価履歴が求められる。このとき、等価充放電条件と等価温度条件は、q個のセルのうち最も多くのセルの等価履歴として採用された等価充放電条件、等価温度条件に揃えられることが好ましい。q個のセルのうち、最も多くの等価履歴として蓄電池1の代表等価充放電条件、代表等価温度が決定されたのち、図10の処理フローで異なる等価充放電条件、等価温度が選択されたセルについては、再度、蓄電池1として決定された代表等価充放電条件、代表等価温度での等価サイクル数Neqが計算される。
図4のフローに戻り、将来価値推定部16は、ステップS104で求められた等価サイクル数Neqに対して、等価履歴同定部15において同定された等価履歴である等価温度条件と等価充放電条件から、所定期間分のサイクル数Nを決定して、等価サイクル数N(=Neq+N)における性能指標値における存在確率分布を求める(ステップS104)。
ここで、代表性能指標が蓄電池1の容量の場合の結果を図11に示す。なお、蓄電池1の容量は、状態量1と状態量2が蓄電池1の電極の主要な2つの活物質の容量の場合、状態量1と状態量2の和で表現できる。
図11に示すように、等価サイクル数Neqが、等価温度条件35℃における値として求められた場合、35℃における代表性能指標の劣化特性が、蓄電池の劣化特性DB22より引き出され、等価サイクル数Nにおける代表性能指標の値、すなわち等価サイクル数Nにおける容量を中心に、劣化特性DB22が持つばらつき分布の標準偏差σに応じた正規分布の存在確率分布として求められる。
次いで、残存価値算出部14は、ステップS104で求めた性能指標における存在確率分布と使用限界水準(=回復不能レベル)とを比較して、存在確率分布が使用限界水準を超える割合を不適合率として、残存価値を算出する(ステップS105)。
なお、評価対象の蓄電池が複数のq個の蓄電セルから構成される場合、図3に示したように全ての蓄電セルについて、この不適合率が求められるが、等価サイクル数が所定の値以上のセルの不適合率のみ求めても構わない。このとき、等価充放電条件と等価温度条件は、q個のセルのうち最も多くのセルの等価履歴として採用された代表等価充放電条件、代表等価温度条件に揃えられることが好ましい。
そして、診断結果表示部30は、ステップS105で算出された残存価値を表示部141に表示する(ステップS106)。
なお、上記した不適合率は、将来の等価サイクル数における性能指標値の中心値と使用限界水準との距離によって決める値としても構わない。この場合は、あらかじめ距離に対していくつかの閾値と閾値に対する所定の不適合率を定めておき、この閾値と距離を比較することで所定の不適合率を求める方法となる。
また、図11には蓄電池の容量に対して不適合率を求める方法を示したが、図12に示すように代表性能指標として内部抵抗についても同様に不適合率を求めることができる。このように、容量および内部抵抗値など、複数の代表性能指標について不適合率を求めて、残存価値を総合的に評価しても構わない。
続いて、価値格付け部17について詳述する。
価値格付け部17は、残存価値算出部14によって求められたN(=Neq+N)における性能指標値の不適合率を用いて格付けを行う。また、価値格付け部17は、格付け結果を診断制御部11に通知する。
価値格付け部17において格付けを行う基準は、例えば図13に示すように事前に規定されている。図13に示すような基準に則り、蓄電池1に対して格付けを行った結果の一例を図14に示す。
なお、不適合率が、蓄電池1の容量と内部抵抗とのように複数種類の代表性能指標に対して得られる場合は、それぞれの格付けを行って、低い格付けを採用することが好ましい。
また、複数の蓄電セルから構成される蓄電池の場合、格付けは、複数の蓄電セルに対して行った格付けのうち、最も低い格付け結果のみを示す構成としても構わないし、格付けごとに該当する蓄電セルの個数を表示しても構わない。また、それぞれの格付けに対応する蓄電セルの個数を、全体q個の蓄電セルに対する割合として格付けごとに示しても構わない。
このようにして格付け結果を受信した診断制御部11は、蓄電池1のIDを特性検査装置2から取得してその蓄電池1のIDと格付け結果とを劣化特性管理部23に通知する。劣化特性管理部23は、その蓄電池のIDと格付け結果とを格付け結果DB24に格納する。
ここで、価値格付け部17における蓄電池1に対する格付け処理の流れについて図15のフローチャートを参照しつつ説明する。
図15に示すように、価値格付け部17は、格付けを開始の指示があると(ステップS501)、上述した格付け処理を実行する(ステップS502)。
その後、価値格付け部17は、診断制御部11に評価対象の蓄電池1のIDを問い合わせて、格付け結果DB24に以前の格付け結果が格納されていない場合には(ステップS503のNo)、ステップS502における格付け結果を採用して(ステップS505)、格付け処理を終了する。
一方、格付け結果DB24に以前の格付け結果が格納されている場合には(ステップS503のYes)、価値格付け部17は、評価対象の蓄電池1が同一用途で使用される場合に以前の格付け結果よりも高い格付けとならないように、格付け結果DB24に格納されている以前の格付け結果よりも低い格付けの場合には(ステップS504のYes)、そのまま格付け処理を終了する。また、価値格付け部17は、評価対象の蓄電池1が同一用途で使用される場合に以前の格付け結果よりも高い格付けとならないように、格付け結果DB24に格納されている以前の格付け結果よりも高い格付けの場合には(ステップS504のNo)、以前の格付け結果を採用して(ステップS506)、格付け処理を終了する。
そして、診断結果表示部30は、価値格付け部17における蓄電池1に対する格付け処理での格付け結果も表示部141に表示する。すなわち、診断結果表示部30は、格付け結果表示手段として機能する。
このように、第1の実施形態の蓄電池の残存価値格付け装置およびプログラムによれば、推定された蓄電池1の内部の複数の状態量と、蓄電池1について試験条件ごとに測定した多数の劣化試験データから、これまでの蓄電池1の使用履歴に対して等価的な試験条件における等価履歴(例えば、充放電サイクル数)を同定し、同定した等価履歴を現在の状態とみなして、所定期間後の蓄電池1の状態を過去の劣化試験データから確率分布として求め、所定期間後の蓄電池1の残存価値を使用限界水準を超える割合を不適合率として算出し、この不適合率によって格付けを行う。これにより、将来の残存価値を評価して蓄電池1の格付けを行うことが可能となり、使用限界水準に対する余裕度を確率的に定量化することで、今後の蓄電池1の継続的使用に対して、余裕度の変化をも確率的に表現でき、将来の残存価値を求めることができる。
すなわち、蓄電池1の過去の使用履歴を知らなくても、現在の蓄電池1の格付けを知ることができるので、蓄電池1のリユース市場における、所定期間後の蓄電池1の残存価値を、現在の蓄電池の情報のみから定量的に評価することができる。
また、格付けを行うことで、蓄電池1の状態を将来の使用状態も勘案したうえで診断することができ、交換すべき蓄電セルを特定することも可能となる。
さらに、将来の価値を知るためにも、現在までの等価的な履歴としてサイクル数を知ることができれば、サイクル数増加に対する性能劣化を予測することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、前述した第1の実施形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
第1の実施形態においては、等価サイクル数Nを求めたのち、その等価サイクル数Nにおける代表性能指標のばらつきである標準偏差σを参考に存在確率分布を求めたが、現在の等価サイクル数Neqを同定する過程の同定尤度にも同様に各状態量のばらつき要素の影響が考慮されているため、同定尤度σeqを用いて、同様の存在確率分布を求めることができる。
図16は、第2の実施形態にかかる残存価値格付け装置201の機能構成を示すブロック図である。図16に示すように、蓄電池の残存価値格付けシステム200の残存価値格付け装置201においては、第1の実施形態の等価履歴同定部15に代えて、等価履歴同定手段として機能する等価履歴同定および同定尤度算出部12を備えているとともに、第1の実施形態の将来価値推定部16に代えて、確率分布算出手段または推定手段として機能する存在確率分布算出部13を備えている。
等価履歴同定および同定尤度算出部12は、状態量検出器3から評価対象の蓄電池1の状態量の情報を得ると同時に、劣化特性DB22から充放電サイクル数と対応付けられた各試験条件の状態量のデータを入手する。そして、等価履歴同定および同定尤度算出部12は、評価対象の蓄電池1の状態量を、各試験条件の状態量のデータと照会することで、評価対象の蓄電池1の等価履歴として、等価温度条件、等価充放電条件における等価サイクル数などを同定するとともに、同時に、その同定尤度を確率分布として算出する。
存在確率分布算出部13は、等価履歴同定および同定尤度算出部12において同定された等価履歴である、等価温度条件、等価充放電条件における複数の状態量の劣化特性を劣化特性管理部23に問い合わせる。
劣化特性管理部23は、劣化特性DB22から、等価履歴同定および同定尤度算出部12において同定された等価履歴である、等価温度条件、等価充放電条件における複数の状態量の劣化特性を入手し、存在確率分布算出部13に送付する。
存在確率分布算出部13は、等価履歴同定および同定尤度算出部12において同定された等価履歴である、等価温度条件、等価充放電条件における、充放電サイクル数と対応付けられた複数の状態量データを、蓄電池容量や内部抵抗値などの代表的な性能指標に換算し、等価履歴同定および同定尤度算出部12において同定された等価サイクル数における性能指標値を算出する。また、存在確率分布算出部13は、等価履歴同定および同定尤度算出部12において算出された同定尤度をもとに、性能指標値における存在確率分布を求める。
ここで、本実施形態における蓄電池1の残存価値の診断処理の流れは、図17に示すフローチャートのようになる。第1の実施形態の図4に示したフローチャートとの違いは、図4に示したステップS103〜S104が、ステップS108〜ステップS109に変更になっている点である。
すなわち、図17に示すステップS108では、等価履歴同定および同定尤度算出部12は、等価履歴を同定した後、同定尤度の算出を実行する。
より詳細には、同定尤度は、図18に示すように、上記で求めた等価温度条件、等価充放電条件における、各状態量の同定尤度としてσ、σ、σを標準偏差として持つ正規分布として等価サイクル上のN、N、Nを中心に存在させた場合の、すなわちN、N、Nを中心に分散をσ 2、σ 2、σ 2とした正規分布として存在させた場合の、全ての分布を包含する正規分布を同定尤度分布として求められる。この同定尤度分布の標準偏差をσeqとする。
ここで、等価履歴同定および同定尤度算出部12における等価履歴の同定および同定尤度算出処理の流れは図19に示すフローチャートのようになる。第1の実施形態の図10に示したフローチャートとの違いは、図10に示したステップS210が、ステップS208〜ステップS209に変更になっている点である。
すなわち、図19に示すように、等価履歴同定および同定尤度算出部12は、等価サイクル数の同定と同定尤度算出を開始し(ステップS201)、充放電レートCcrgの選択を受け付ける(ステップS202)。上記した図9に示した例では、1C充放電を選択している。
続いて、等価履歴同定および同定尤度算出部12は、状態量検出器3によって検出された状態量の数を“m”とし(ステップS203)、劣化特性DB22に登録されたp種類の温度条件Tのうち一つの温度条件の選択を受け付ける(ステップS204)。
次いで、等価履歴同定および同定尤度算出部12は、ステップS204で選択された温度条件Tにおいてm個の状態量について充放電サイクル数を等価サイクル数Ncyc(T,sm)として求め、その相対誤差Eeq(T,Ccrg)を求める(ステップS205)。
例えば図8に示したように25℃、35℃、45℃の温度条件が劣化特性DB22に登録されている場合、等価履歴同定および同定尤度算出部12は、3種類の温度条件に対して相対誤差Eeq(T,Ccrg)を求め(ステップS206のYes)、P種類(図8の例では3種類)の温度条件に対して、その相対誤差Eeq(T,Ccrg)が最小となる温度条件を等価温度条件とし、等価サイクル数Neqおよび等価温度Tを選択させる(ステップS207)。
次いで、等価履歴同定および同定尤度算出部12は、図18に示したように等価サイクル数Neqと温度条件Tにおけるm個の状態量の等価サイクル数Ncyc(T,sm)との相対誤差から同定尤度を確率密度として算出して(ステップS208)、等価サイクル数Neq、等価温度T、同定尤度である標準偏差σeqを特定して(ステップS209)、等価履歴の同定と同定尤度算出を終了する。
図17のフローに戻り、存在確率分布算出部13は、ステップS108で求められた等価サイクル数Neqに対して、等価履歴同定および同定尤度算出部12において同定された等価履歴である等価温度条件と等価充放電条件と、同定尤度とから、所定期間分のサイクル数Nを決定して、等価サイクル数N(=Neq+N)における性能指標値を求めるとともに、等価サイクル数N(=Neq+N)に対して同定尤度である標準偏差σeqを加減算した点での性能指標値を求め、この標準偏差σeqに対応する性能指標値が等価サイクル数Nに対する性能指標値に対する標準偏差の点となるような存在確率分布を求める(ステップS109)。
図20において、上述した等価サイクルの同定尤度から蓄電池1の将来の状態を推定する方法について例示的に示す。
そして、以下のステップS105以降においては、前述した第1の実施形態と同様に、存在確率分布と使用限界水準を比較し、不適合率を算出するものである。
なお、ステップS109では、図21に示すように、代表性能指標の持つばらつきを考慮して、等価サイクル数N±標準偏差σeqに相当する等価サイクル数に対応する、劣化特性DB22が持つばらつき分布の標準偏差σの破線のポイントを標準偏差の点とする存在確率分布を求めても構わない。
また、図22または図23に示すように、存在確率分布を求めずに、所定期間分のサイクル数N、あるいは所定期間分のサイクル数N+標準偏差σeqにおける代表性能指標値を最悪条件での現在の蓄電池1の残存価値として、使用限界水準との距離で、残存価値を評価しても構わない。
このように、第2の実施形態の蓄電池の残存価値格付け装置およびプログラムによれば、将来の残存価値を評価して蓄電池1の格付けを行うことが可能となり、使用限界水準に対する余裕度を確率的に定量化することで、今後の蓄電池1の継続的使用に対して、余裕度の変化をも確率的に表現でき、将来の残存価値を求めることができる。
本実施形態の残存価値格付け装置201で実行されるプログラム161は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の残存価値格付け装置201で実行されるプログラム161を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の残存価値格付け装置201で実行されるプログラム161をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態のプログラム161を、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 蓄電池
12,15 等価履歴同定手段
13,16 確率分布算出手段、推定手段
14 残存価値算出手段
17 格付け手段
30 格付け結果表示手段

Claims (12)

  1. 蓄電池について試験条件ごとに測定した劣化試験データと前記蓄電池の内部の状態量とから算出され、これまでの前記蓄電池の使用履歴に対して等価的な前記試験条件における前記蓄電池の等価履歴を同定する等価履歴同定手段と、
    同定した前記等価履歴を前記蓄電池の現在の状態とみなして所定期間後の前記蓄電池の状態を推定する推定手段と、
    推定された前記状態が前記蓄電池の使用用途に即した使用限界水準を超える割合を不適合率として算出して前記蓄電池の残存価値を求める残存価値算出手段と、
    前記所定期間後の前記不適合率に応じて前記蓄電池の残存価値に対して格付けを行う格付け手段と、
    を備える蓄電池の残存価値格付け装置。
  2. 蓄電池について試験条件ごとに測定した劣化試験データと前記蓄電池の内部の状態量とから算出され、これまでの前記蓄電池の使用履歴に対して等価的な前記試験条件における前記蓄電池の等価履歴を同定する等価履歴同定手段と、
    同定した前記等価履歴を前記蓄電池の現在の状態とみなして所定期間後の前記蓄電池の状態を前記劣化試験データから確率分布として算出する確率分布算出手段と、
    前記確率分布が前記蓄電池の使用用途に即した使用限界水準を超える割合を不適合率として算出して前記蓄電池の残存価値を求める残存価値算出手段と、
    前記所定期間後の前記不適合率に応じて前記蓄電池の残存価値に対して格付けを行う格付け手段と、
    を備える蓄電池の残存価値格付け装置。
  3. 前記等価履歴同定手段は、前記等価履歴を同定する過程の同定尤度を算出し、
    前記確率分布算出手段は、前記同定尤度を考慮して前記確率分布を算出する、
    請求項2記載の蓄電池の残存価値格付け装置。
  4. 前記格付け手段における前記蓄電池に対する格付け結果を表示部に表示する格付け結果表示手段を更に備える、
    請求項1ないし3のいずれか一記載の蓄電池の残存価値格付け装置。
  5. 前記格付け手段は、前記蓄電池が同一用途で使用される場合に以前の格付け結果よりも高い格付けとならないように格付けを行う、
    請求項1ないし4のいずれか一記載の蓄電池の残存価値格付け装置。
  6. 前記等価履歴同定手段で同定される前記等価履歴は、等価サイクル数と等価温度条件と等価充放電条件との少なくともいずれか一つである、
    請求項1ないし5のいずれか一記載の蓄電池の残存価値格付け装置。
  7. 前記等価履歴同定手段は、前記蓄電池が複数の蓄電セルから構成される場合、全ての蓄電セルについて求めた前記等価履歴のうち最も多い前記蓄電セルの前記等価履歴を代表とする、
    請求項1ないし6のいずれか一記載の蓄電池の残存価値格付け装置。
  8. 前記残存価値算出手段は、前記蓄電池が複数の蓄電セルから構成される場合、前記等価履歴が所定の値以上の蓄電セルの不適合率のみを求める、
    請求項1ないし6のいずれか一記載の蓄電池の残存価値格付け装置。
  9. 前記格付け手段は、前記蓄電池が複数の蓄電セルから構成される場合、全ての蓄電セルについて行った格付けのうち、最も低い格付け結果のみを示す、
    請求項1ないし6のいずれか一記載の蓄電池の残存価値格付け装置。
  10. コンピュータを、
    蓄電池について試験条件ごとに測定した劣化試験データと前記蓄電池の内部の状態量とから算出され、これまでの前記蓄電池の使用履歴に対して等価的な前記試験条件における前記蓄電池の等価履歴を同定する等価履歴同定手段と、
    同定した前記等価履歴を前記蓄電池の現在の状態とみなして所定期間後の前記蓄電池の状態を推定する推定手段と、
    推定された前記状態が前記蓄電池の使用用途に即した使用限界水準を超える割合を不適合率として算出して前記蓄電池の残存価値を求める残存価値算出手段と、
    前記所定期間後の前記不適合率に応じて前記蓄電池の残存価値に対して格付けを行う格付け手段と、
    として機能させるためのプログラム。
  11. コンピュータを、
    蓄電池について試験条件ごとに測定した劣化試験データと前記蓄電池の内部の状態量とから算出され、これまでの前記蓄電池の使用履歴に対して等価的な前記試験条件における前記蓄電池の等価履歴を同定する等価履歴同定手段と、
    同定した前記等価履歴を前記蓄電池の現在の状態とみなして所定期間後の前記蓄電池の状態を前記劣化試験データから確率分布として算出する確率分布算出手段と、
    前記確率分布が前記蓄電池の使用用途に即した使用限界水準を超える割合を不適合率として算出して前記蓄電池の残存価値を求める残存価値算出手段と、
    前記所定期間後の前記不適合率に応じて前記蓄電池の残存価値に対して格付けを行う格付け手段と、
    として機能させるためのプログラム。
  12. 前記等価履歴同定手段は、前記等価履歴を同定する過程の同定尤度を算出し、
    前記確率分布算出手段は、前記同定尤度を考慮して前記確率分布を算出する、
    請求項11記載のプログラム。
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