JP5984695B2 - 回転角度検出器及び車両用回転電機 - Google Patents

回転角度検出器及び車両用回転電機 Download PDF

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Description

この発明は、回転電機の回転角度を検出する回転角度検出器、及び、この回転角度検出器を備えた車両用回転電機に関するものである。
一般に、車両用回転電機は、エンジン始動時には同期電動機として、エンジン稼働中は交流発電機として使用される。エンジン始動時に同期電動機として用いる場合には、ステータコアやロータコアに巻回されたコイルへの通電タイミングを制御する必要がある。そのため、ロータコアが装着されている回転軸に回転角度検出器を配置して、回転軸の回転角度を検出するようにしている。
ここで、回転角度検出器として磁気の変化を利用したもの、例えば、レゾルバやホール素子を用いた場合、回転電機のロータコアに巻回された界磁巻線への通電により発生した磁束の一部が回転軸を介して回転角度検出器に漏洩し、角度検出精度が低下してしまう恐れがある。
特に、回転角度検出器としてレゾルバを用いた場合、レゾルバはレゾルバステータとレゾルバロータとの間の磁気パーミアンス変化を利用してレゾルバロータ角度を検出するものであるため、漏洩磁束がレゾルバに流れると出力波形にノイズ成分が重畳してしまい回転角度の検出精度が低下するという問題がある。
そこで、従来の回転角度検出器では、磁気センサを軸方向に沿って前後に挟む状態で高透磁性の磁気バイパス部材を設け、回転軸を通じて流れる漏洩磁束をこれらの磁気バイパス部材に経由させることで、磁気センサに漏洩磁束が流れないようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載されている構成にすれば、磁気センサを経由する漏洩磁束が低減されるため、回転角度検出精度の改善を図ることができる。
特開2002−171723号公報(第5頁、図2)
特許文献1に記載されている従来技術では、回転角度検出器として磁気センサを用いたものであるが、レゾルバに適用することも可能である。しかしながら、磁気バイパス部材を備えているために、構造が複雑になるという問題があった。さらにロータコアに近接した内側の磁気バイパス部材はハウジングの側壁に固定されており、回転軸との間に隙間が生じている。このため、バイパスの磁気抵抗が高くなってしまい、回転軸を通じて流れ込む漏洩磁束を、この磁気バイパスでバイパスさせる効果が不十分である。また、回転軸の軸端に固定された外側の磁気バイパス部材は、非磁性体からなるリテーナに取り付けられている。そのため、このリテーナに取り付けられた磁気バイパス部材によっても漏洩磁束をバイパスさせる効果が不十分である。
以上のように、従来技術では、回転角度検出器の近傍に設けたいずれの磁気バイパス部材によっても、漏洩磁束を十分にバイパスさせることはできず、回転角度検出精度を高めるのには限界があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、回転軸からの漏洩磁束の影響を低減し、高精度な回転角度検出が可能な回転角度検出器、及び、それを組み込んだ車両用回転電機を提供することを目的とする。
この発明に係る回転角度検出器は、出力コイルと励磁コイルからなるレゾルバコイルを有するレゾルバステータと、レゾルバステータの内周面とギャップを介して対向する凹凸状の外周面を有し中心部に形成された取付孔に回転電機の回転軸が挿入固着されて回転軸と一体に回転可能なレゾルバロータとを備え、レゾルバロータの取付孔と回転軸の外周部との間に形成された隙間を貫通して、回転軸の軸端部側に設けられたスリップリングから回転電機のロータの界磁コイルに往復の電流を供給するための少なくと一対の導体が配置されており、出力コイルの巻線次数の基本次数は、導体の本数の約数以外の次数になるように構成されているものである。
また、この発明に係る車両用回転電機は、上記の回転角度検出器が装着されているものである。
この発明の回転角度検出器によれば、レゾルバステータのレゾルバコイルを構成する出力コイルの巻線次数の基本次数は、導体の本数の約数以外の次数に構成されているので、回転電機の内部で発生し、回転軸からレゾルバロータ,ギャップ,レゾルバステータへと漏洩する漏洩磁束が出力コイルに電圧を誘起することを防止できるので、角度検出に利用する信号電圧に重畳するノイズを低減し、角度検出精度を改善することができる。
また、この発明の車両用回転電機によれば、上記回転角度検出器を備えたので、角度検出に利用する信号電圧に重畳するノイズを低減し、角度検出精度を改善することができるため、特許文献1のような従来技術と比較して、磁気バイパス部材を必要とせず、偏心を小さくするための組立位置調整がしやすくなり、組立コストの低減や、軽量化、小型化が可能となる。特に車両用回転電機では、軽量化、小型化は車両の燃費向上に大きく貢献できる。
この発明の実施の形態1における回転角度検出器を組み込んだ車両用回転電機の構成を示す側面断面図である。 図1の回転角度検出器であるレゾルバの正面図である。 レゾルバのギャップ部の磁束密度分布の半径方向成分を次数分析した結果を示す説明図である。 図2のレゾルバにおいて、レゾルバステータとレゾルバロータの磁束密度分布図である。 この発明の実施の形態2における回転角度検出器のレゾルバロータの正面断面図である。 図5の変形例を示すレゾルバロータの正面断面図である。 実施の形態2におけるレゾルバロータの他の例を示す正面断面図である。 実施の形態1の発明と比較するための、回転角度検出器を組み込んだ従来の車両用回転電機の構成を示す側面断面図である。 図8の回転角度検出器であるレゾルバの正面図である。
実施の形態1.
以下、図面に基づいて説明する。
最初に、実施の形態1の本願発明を説明する前に、従来構造の課題について、もう少し詳しく説明しておく。
図8は、比較例として示す車両用回転電機の正面断面図である。特許文献1と同様に回転角度検出器を回転軸の軸端部取り付け、回転角度検出器としてはレゾルバを組み込んだものである。本願発明と対比できるように、回転電機本体部は本願発明と同様な構成として説明する。図9は、図8の回転電機のレゾルバの軸方向に見た平面図である。
図8において、車両用回転電機1は、ハウジング2と、ハウジング2に固定されたステータ3と、ステータ3の内側に微少間隙を空けて配置されたロータ4とを有している。
ハウジング2は、図方向に見て左右一対のブラケット5,6からなり、ブラケット5,6はねじ7で固定されて一体に構成されている。
ステータ3は、ブラケット5,6間に挟まれて固定されたステータコア8と、ステータコア8に巻回されたステータコイル9を有している。ステータコイル9は図示しない3相インバータ回路に接続されている。
一方、ロータ4は、中心に回転軸10を有し、回転軸10は、ブラケット5及びブラケット6のそれぞれに取り付けられた軸受11,12によって回転自在に支持されている。回転軸10には、一対のコア部材13a,13で構成されるロータコア13が圧入されて固定され、ロータコア13の筒状部にはボビン(図示せず)を介して界磁コイル14が巻回されている。筒状部から界磁コイル14の外周を覆うように軸方向に伸びる爪形磁極部が形成されており、コア部材13aの爪形磁極部とコア部材13bの爪形磁極部とが、周方向に所定の間隔で一定ピッチに配列されている。
また、ロータコア13の軸方向端面には、それぞれ冷却ファン15,16が取り付けられている。
回転軸10には、2個のスリップリング17が組み付けられており、スリップリング17に摺接するブラシ18を備えている。回転軸10のスリップリング17より外側の軸端部には、ロータ4の回転角度を検出するための回転角度検出器としてレゾルバ30が配置されている。レゾルバ30の詳細については後述する。
回転軸10のレゾルバ30側とは反対側の軸端部には、ベルト(図示せず)が懸架されるプーリ19が、ナット20によって固定されている。
また、ハウジング2のブラシ18が配置される側には、ステータコイル9に電力を供給するパワー回路部21や制御回路が搭載された制御装置部22を備えているが、それらの詳細な説明は省略する。
図9は、図8の車両用回転電機に組み込んだレゾルバ30を、軸方向に見た正面図である。
レゾルバ30は、打ち抜き加工された複数の珪素鋼板が積層されて構成されたレゾルバロータ31と、その外周側に微少ギャップを空けて配置されたレゾルバステータ32を有している。レゾルバロータ31は、凹凸状の外周面を有し、その中心側に取付孔31aが形成されており、取付孔31aに回転軸10の軸端部が挿入固定されている。
一方のレゾルバステータ32は、ブラケット5側に固定されている。
各部を更に詳しく説明する。レゾルバステータ32は、複数の珪素鋼板が積層され、内周側に内方に突出する複数のティース33aが形成された環状のステータコア33と、ティース33aに巻回されたレゾルバコイル34と、ティース33aとレゾルバコイル34を電気的に絶縁する樹脂製の絶縁部材35とを有し、レゾルバコイル34は絶縁部材35を介してティース33aに巻回されている。絶縁部材35の一部はステータコア33より径方向外側に延出させて形成した延出部35aを有しており、ここにターミナルピン36aと一体のターミナル36がインサート成形されている。
レゾルバコイル34は、1つの励磁コイルと2つの出力コイルの独立した3つのコイルで構成されている。レゾルバコイル34の引出線34aは、絶縁部材35にインサート成形されたターミナル36のターミナルピン36aに接続されている。ターミナル36から先は、励磁コイルを励磁する回路や角度検出回路を備えた制御装置部22に接続されている。
レゾルバコイル34の励磁コイルに高周波電流を通電することで生じる起磁力次数をA、主にレゾルバロータ31の外径形状によるパーミアンスの次数(軸倍角)をBとしたとき、レゾルバステータ32とレゾルバロータ31との間の空隙に生じる磁束密度分布の次数|A±B|のいずれかの整数を主とする次数で2つの出力コイルを互いに90度位相をずらして、それぞれティース33aに巻回している。回転軸10の回転に伴ってレゾルバロータ31が回転すると、次数|A±B|の磁束密度分布が回転するので、レゾルバコイル34に誘起される電圧が電気角一周期で変化し、2つの出力コイルの電圧の位相差からロータ回転角を検出する。実際は、起磁力次数AやパーミアンスBに高調波次数が重畳することや、ティースは有限であるため小数点以下の巻数を整数に丸めること、出力電圧の調整のために数ターンの巻数調整を行うことなどで、出力コイルは次数|A±B|以外の高調波次数が重畳した巻数となる。
図8では、レゾルバ30を回転軸10の軸端部に配置した例を示しており、回転軸10上には、軸端部のレゾルバロータ31からスリップリング17,軸受11,ロータコア13という順に配置されている。従来の回転電機では、回転軸10を囲むように配置されているコイルは、界磁コイル14のみであり、ブラシ18からスリップリング17を介して界磁コイル14に界磁電流を通電してロータコア13を磁化している。
界磁コイル14に界磁電流を通電することによって生じる磁束のうち、そのほとんどは図8の経路aに示すような経路を辿るが、一部は強磁性体である回転軸10を通る経路bのような経路でレゾルバ30に漏洩する。レゾルバ30では、図9のように、経路bの漏洩磁束は、回転軸10から半径方向の等方的に流れ、ギャップを介して、レゾルバのステータコア33へと流れる。
上記のように、漏洩磁束がレゾルバ30に流れることにより、出力波形にノイズ成分が重畳してしまい回転角度検出精度が低下するという問題点があった。そこで、特許文献1に示した従来技術では、永久磁石と磁気センサが組み合わされた回転角度検出装置の磁気センサの背面に近接して略径方向に、回転軸を通じて流れる漏れ界磁磁束をバイパスさせる高透磁性の磁気バイパス部材を設けていた。しかしながら、磁気バイパス部材を設ける手間が掛かると共にこの磁気バイパス部材だけでは漏洩磁束を十分にバイパスさせるには不十分であるという問題点があった。
本願発明は、このノイズ成分を効果的に低減させるようにしたものであり、以下、図1、図2に基づいて本願発明の実施の形態1を説明する。
図1は、実施の形態1の回転角度検出器を組み込んだ車両用回転電機の構成を示す側面断面図である。図2は、図1の回転角度検出器であるレゾルバを、軸方向に見た正面図である。先に説明した図8と同等部は同一符号で示し、説明は省略する。また、図1では、パワー回路部や制御回路が搭載される制御装置部は、図示を省略している。
図1に示すように、回転軸10には、左の軸端部から軸受11,スリップリング17,レゾルバ30,ロータコア13の順に配置されている。
このとき、スリップリング17は、ロータコア13内に配置された界磁コイル14に電力を供給するための部品であるため、スリップリング17と界磁コイル14のコイル端末との間には通電するための導体37が配設される。図1では1本のみが見えているが、少なくとも2本の導体が配置される。これにより、ブラシ18,スリップリング17,導体37,界磁コイル14と流れる電流経路が形成されている。
図1に示すように、レゾルバ30をスリップリング17とロータコア13との間の回転軸10に配置した本願発明の場合、導体37は、レゾルバロータ31の内周側に、回転軸10の軸方向に沿って配置されることになる。
図2は、図1のレゾルバ30を軸方向に見た正面図を示し、回転軸部は軸心に垂直な断面を示している。図9と同等部分は同一符号を付して説明は省略する。
図2において、レゾルバロータ31の内周側には、回転軸10と導体37が配置されている。導体37は、レゾルバロータ31の取付孔31aと回転軸10の外周部との間に形成された隙間を貫通させることになるので、図のように回転軸10に形成した溝10aに収容して軸方向に平行に2本を個別に配置している。溝10aは周方向に均等に形成されている。図2の右側の導体37は、紙面の奥に向かって、左側は紙面の手前に向かって電流が流れる状態を示している。このような配置とした場合、回転電機の界磁コイル14に通電すると導体37にも電流が流れ、その際にアンペールの法則に基づいて導体37を周回する磁場が発生する。そのため、経路cのようにレゾルバロータ31から漏洩してステータコア33に抜ける1次の磁束や、経路dようにレゾルバロータ31内に流れる2次の磁束が生じる。
なお、導体本数は、一つの溝の中で同一方向に電流が流れる導体を1本と数える。
図3は、図8の従来の車両用回転電機の場合と、図1のような本願の車両用回転電機の場合の、ギャップの磁束密度分布の半径方向成分を次数分析した結果を示す図である。(a)は図8の場合を示し、(b)は図1の場合を示している。レゾルバの仕様は、スロット数12、軸倍角8、励磁コイルの起磁力次数6、出力コイルの次数は2であり、レゾルバステータとレゾルバロータは偏心していない。0次成分を100%とした場合の、0次から3次までの次数成分の割合を%で示している。
また、図4は、図2のレゾルバにおいて、磁束の経路とレゾルバステータとレゾルバロータの磁束密度分布を説明する説明図である。網掛けの濃い部分ほど磁束密度が高い状態を示す。
図3(a)では、回転軸10からほぼ等方的に流れ出す経路bの漏洩磁束により0次成分が大きいが、出力コイルの基本次数は1次以上であるので、0次成分の漏れ磁束は出力コイルには電圧が誘起されない。しかし、レゾルバステータ32とレゾルバロータ31が偏心する場合などは1次成分以上の次数が新たに生じるので、それが出力コイルの基本次数と一致すると、角度検出精度が悪化してしまう。通常は寸法精度を向上させて偏心を押さえ込むことで、角度検出精度の悪化を低減している。
しかし、本実施の形態の(b)の場合では、同じレゾルバで偏心がなくても、1次や2次成分が大きくなっていることが分かる。1次は経路cに流れる磁束によるものである。また、2次は、回転軸10からレゾルバ30を径方向に漏洩する経路b(図1参照)と経路cの漏洩磁束が相まって、レゾルバロータ31で磁束密度が1.5T以上の磁気飽和の状態となると、レゾルバロータ31から2次の磁束が漏れ、経路eのようにステータコア33まで経由して流れ、出力コイルに鎖交することになる。すなわち、レゾルバロータ31が磁気飽和していない場合は1次の漏洩磁束が大きく、レゾルバロータ31が磁気飽和すると1次に加えて2次の漏洩磁束が大きくなる。
例えば、スロット数10、軸倍角4、励磁コイルの起磁力次数5のレゾルバの場合、A=5かつB=4であるので出力コイルの次数は|A−B|=1となる。この場合、励磁コイルに高周波電流を通電して回転角度に応じて電気角90度ごとを一周期とする4次の電圧が信号成分である。経路dで漏洩する漏洩磁束で生じるギャップの磁束密度分布の1次成分がノイズ電圧として誘起される。このノイズ電圧は電気角90度を一周期とする信号電圧に係らず重畳するので、電気角90度を一周期とする角度検出に誤差が生じて、角度検出精度が低下してしまうという問題がある。
また例えば、スロット数12、軸倍角8、励磁コイルの起磁力次数6のレゾルバの場合、A=6かつB=8であるので出力コイルの次数は|A−B|=2となる。この場合、励磁コイルに高周波電流を通電して回転角度に応じて電気角45度ごとを一周期とする8次の電圧が信号成分である。経路eで漏洩する漏洩磁束で生じるギャップの磁束密度分布の2次成分がノイズ電圧として誘起される。このノイズ電圧は電気角45度を一周期とする信号成分に係らず重畳するので、電気角45度を一周期とする角度検出に誤差が生じて、角度検出精度が低下してしまうという問題がある。
車両用電動機の界磁コイルには必要なトルクに応じた電流を通電するので、車両の運転条件により電流の大きさが変わり、レゾルバロータ31が磁気飽和する場合と磁気飽和しない場合が両方ある。
したがって、漏洩磁束によってギャップで生じる磁束密度の半径成分の次数を避ける基本次数を有する出力コイルを設ければ、漏洩磁束が出力コイルに電圧を誘起することを防止できる。
そこで、本実施の形態では、レゾルバ30の配置を軸端ではなくスリップリング17より内側において回転軸10に配置することで小型化を図りながら、出力コイルの基本次数を1次あるいは2次を避ける次数でティースに巻回することで、特許文献1のような磁気バイパスを備えることなく、出力コイルの調整だけでノイズ成分を低減することができるようにしたものである。
すなわち、レゾルバコイル34の出力コイルの巻線次数の基本次数を、導体37の数の約数のいずれとも異なるようにするものである。本実施の形態では、導体37は2本なので、2の約数である2と1以外となるように、つまり、出力コイルの巻線次数の基本次数は1次あるいは2次以外とすればよいことになる。
望ましくは、1次と2次の次数をともに避ける次数とすれば、より効果的であることは言うまでもない。
このように、本願構成では、磁気バイパスを備えない構造であり、従来と比べて、鉄などの比重の大きい部材を磁路が途切れないように挟みこむことがなくなるので、レゾルバステータが偏心しないように位置調整しやすくなり、また、部品点数が削減できることなど組立が簡易とすることができるほか、軽量化、軸長短縮などの小型化が可能となる。
特に、車両用回転電機では、車両の燃費向上のためアイドリングストップでのエンジン再始動などにレゾルバを搭載した回転電機を使用するので、回転電機の軽量化、小型化は車両の燃費向上に大きく貢献する。また、車両では乗り心地も重視されるので、車両用回転電機の角度検出精度の低下を防ぐことで、乗り心地を悪化させる回転電機の回転ムラやトルク変動の影響を低減できる。更に、ターミナル36から先に接続されている励磁コイルを励磁する回路や角度検出回路を備えた制御装置に、漏洩磁束によるノイズ電圧を除去するためのハイパスフィルタ性能を緩和でき、もしくはフィルタなしとすることがきるので、コスト低減が可能となる。
以上のように、実施の形態1の回転角度検出器によれば、出力コイルと励磁コイルからなるレゾルバコイルを有するレゾルバステータと、レゾルバステータの内周面とギャップを介して対向する凹凸状の外周面を有し中心部に形成された取付孔に回転電機の回転軸が挿入固着されて回転軸と一体に回転可能なレゾルバロータとを備え、レゾルバロータの取付孔と回転軸の外周部との間に形成された隙間を貫通して、回転軸の軸端部側に設けられたスリップリングから回転電機のロータの界磁コイルに往復の電流を供給するための少なくと一対の導体が配置されており、出力コイルの巻線次数の基本次数は、導体の本数の約数以外の次数になるように構成したので、回転電機の内部で発生し、回転軸からレゾルバロータ,ギャップ,レゾルバステータへと漏洩する漏洩磁束が出力コイルに電圧を誘起することを防止できるので、角度検出に利用する信号電圧に重畳するノイズを低減し、角度検出精度を改善することができる。
また、導体の数は2本であり、基本次数は1次,2次のいずれとも異なるようにしたので、構造が最も簡単な2本の導体を備えた回転電機に適用して角度検出精度を向上させることができる。
実施の形態2.
図5及び図6は、実施の形態2による回転角度検出器のレゾルバロータの正面断面図である。レゾルバの全体構成は、実施の形態1の図2と同等なので、図示及び説明は省略し、相違点を中心に説明する。
実施の形態1では、スリップリング17と界磁コイル14のコイル端末とを繋ぐ導体37は2本の場合であったが、本実施の形態では、4本の導体37を備える回転軸の場合である。
電流密度が大きい場合には導体断面積を大きくする必要があるが、回転軸10の溝10aの切り欠き部が深くなりすぎると、強度を保つために回転軸10の径をさらに太くする必要があることや、切り欠き部が広くなりすぎると回転軸10にレゾルバロータ31を固定する面積が小さくなるためレゾルバロータ31の固定強度が不足してしまう等の問題が生じるので、導体37を細分化して4箇所に均等に配置したものである。
回転軸10の溝10aが4箇所の場合、スリップリング17に流れる電流の向きにより、漏洩磁束の分布が異なる。
図5では、周方向に電流の向きが1個おきに異なるように配置した場合であり、矢印で示した経路で磁束が流れ、ギャップの空隙磁束密度分布の半径方向成分は2次あるいは、4箇所の導体37まわりでレゾルバロータ31が磁気飽和することで生じる4次の成分が大きくなる。2次あるいは4次の少なくともいずれか一方の次数を含まない出力コイルの次数を選択することで、角度検出精度の低下を防ぐことができる。
図6は、図5と同じく4本の導体37を備える回転軸10の場合であるが、周方向に電流の向きが2個おきに異なるように配置した場合であり、矢印で示した経路で磁束が流れ、ギャップの空隙磁束密度分布の半径方向成分は1次、あるいは、2箇所を一組として導体37まわりでレゾルバロータが磁気飽和することで生じる2次の成分が大きくなる。1次あるいは2次の少なくともいずれか一方の次数を含まない出力コイルの次数を選択することで、角度検出精度の低下を防ぐことができる。
これらから、導体本数が4本の場合は、4の約数である4,2,1以外とすれば、漏洩磁束の影響を低減できることが分かる。
2本の導体あるいは4本の導体を備える回転軸以外では、6以上の偶数の導体数を備える回転軸がある。この場合も、導体の合計数の約数のいずれの次数も含まない出力コイルの次数を選択すれば、角度検出精度の低下を防ぐことができることは、実施の形態1から容易に導くことができる。
これまでの実施の形態1及び2の説明では、回転軸10の溝10aに導体37を備える構造であった、回転軸10とレゾルバロータ31は磁性体であるならば、レゾルバロータ31側にも切り欠き溝を設け、導体37が一部回転軸10の外周より飛び出している場合でも、上記と同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、導体37が完全にレゾルバロータ31の内部に収まる場合でも、回転軸10とレゾルバロータ37が磁性体であるならば、上記と同様の効果が得られる。
また、導体37まわりにある回転軸10とレゾルバロータ34の間に図7のような圧入するための突起31bを設けておけば、隙間が空いている場合でも、レゾルバロータ31とレゾルバステータ32とのギャップの最小距離より隙間が小さければ漏洩磁束の磁気抵抗は大きくとも2倍程度なので、回転軸10とレゾルバロータ31とを強固に固定でき、上記と同様の効果を得ることができる。
以上のように、実施の形態2の回転角度検出器によれば、導体の数は4本であり、基本次数は1次,2次,4次のいずれとも異なるようにしたので、適用する回転電機の電流密度が大きい場合に、導体を4本導体に分けることで回転軸の機械強度の低下を抑制しながら、4本導体を有する回転電機に搭載される角度検出精度を向上できる。
また、実施の形態1及び実施の形態2の車両用回転電機によれば、実施の形態1及び実施の形態2のいずれかの回転角度検出器を装着した車両用回転電機としたので、特許文献1のような従来技術と比較して、磁気バイパス部材を必要とせず、偏心を小さくするための組立位置調整がしやすくなり、組立コストの低減や、軽量化、小型化が可能となる。
特に車両用回転電機では、車両の燃費向上のためアイドリングストップでのエンジン再始動などにレゾルバを搭載した回転電機を使用するので、回転電機の軽量化、小型化は車両の燃費向上に大きく貢献する。
また、車両では乗り心地も重視されるので、車両用回転電機の角度検出精度の低下を防ぐことで、乗り心地を悪化させる回転電機の回転ムラやトルク変動の影響を低減できる。
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変更、省略したりすることが可能である。
1 車両用回転電機、2 ハウジング、3 ステータ、4 ロータ、5,6 ブラケット、7 ねじ、8 ステータコア、9 ステータコイル、10 回転軸、10a 溝、11,12 軸受、13 ロータコア、13a,13b コア部材、14 界磁コイル、15,16 冷却ファン、17 スリップリング、18 ブラシ、19 プーリ、20 ナット、21 パワー回路部、22 制御装置部、30 レゾルバ、31 レゾルバロータ、31a 取付孔、31b 突起部、32 レゾルバステータ、33 ステータコア、33a ティース、34 レゾルバコイル、34a 引出線、35 絶縁部材、35a 延出部、36 ターミナル、36a ターミナルピン、37 導体。

Claims (4)

  1. 出力コイルと励磁コイルからなるレゾルバコイルを有するレゾルバステータと、前記レゾルバステータの内周面とギャップを介して対向する凹凸状の外周面を有し中心部に形成された取付孔に回転電機の回転軸が挿入固着されて前記回転軸と一体に回転可能なレゾルバロータとを備え、
    前記レゾルバロータの前記取付孔と前記回転軸の外周部との間に形成された隙間を貫通して、前記回転軸の軸端部側に設けられたスリップリングから前記回転電機のロータの界磁コイルに往復の電流を供給するための少なくと一対の導体が配置されており、
    前記出力コイルの巻線次数の基本次数は、前記導体の本数の約数以外の次数になるように構成されていることを特徴とする回転角度検出器。
  2. 請求項1記載の回転角度検出器において、
    前記導体の本数は2本であり、前記基本次数は1次,2次のいずれとも異なることを特徴とする回転角度検出器。
  3. 請求項1記載の回転角度検出器において、
    前記導体の本数は4本であり、前記基本次数は1次,2次,4次のいずれとも異なることを特徴とする回転角度検出器。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転角度検出器が装着されていることを特徴とする車両用回転電機。
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