JP5982143B2 - 既設構造物の補強構造及び補強方法 - Google Patents

既設構造物の補強構造及び補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、既設構造物の補強構造及び補強方法に関し、特に、既設の橋梁の上部構造(床版、床組等)の補強に有効な既設構造物の補強構造及び補強方法に関する。
老朽化した既設の橋梁の上部構造(床版、床組等)を補強する工法には、床版の下面に鋼板を接着する鋼板接着工法、床版の下面に炭素繊維を接着する炭素繊維接着工法、床版の下面又は上面を鉄筋コンクリートで増厚するRC増厚工法等があり、上面増厚工法以外の何れかの工法を用いることにより、車両等の通行を許容した状態で橋梁の上部構造を補強することができる。
鋼板接着工法の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の工法は、コンクリート床版の下面をスキンプレート(鋼板)により被覆するとともに、コンクリート床版とスキンプレートとの間に合成樹脂系の充填材を注入することにより、老朽化したコンクリート床版を補強するように構成したものである。
特開平3−25105号公報
ところで、上記の床版下面の補強の各工法は、何れも接着剤(合成樹脂系の接着剤、モルタル等)を使用しているため、鋼板、炭素繊維、増厚部分の剥がれの問題が生じる。特に、特許文献1に記載の技術は、コンクリート床版の下面にスキンプレートが点接触しているため、スキンプレートの剥がれを防止すべく、コンクリート床版とスキンプレートとの間に合成樹脂系の充填材を注入しているが、コンクリート床版からの活荷重を繰り返し受けることによって次第に剥がれが生じてくる。このため、メンテナンスフリーの状態で長期間、初期の性能を維持することが難しい。また、上記の各工法では、上部構造の各部材(床版、床組等)を各々補強する必要があるため、補強工事に多大な労力、時間、及び費用がかかる。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、既設の橋梁の上部構造の補強に適用した場合には、メンテナンスフリーの状態で初期の性能を長期的に維持することができて、既設の橋梁の上部構造の長寿命化を図ることができるとともに、上部構造の補強工事に要する手間、時間、及び費用を大幅に削減できるようにすることを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、床版と、床版を支持する複数の柱とを備えた既設の橋梁である既設構造物の補強構造であって、前記床版と前記柱との間に、前記床版からの荷重を面で受けて、該荷重を直接的又は間接的に前記柱に伝達させる荷重伝達手段を備え、前記荷重伝達手段は、前記床版からの荷重を面で受ける複数のアーチ部材と、該アーチ部材を支持するとともに、該アーチ部材が受けた荷重を前記柱に伝達させる受部材とを備え、前記受部材は、前記アーチ部材を上昇させるための開口部が形成されるように、隣接する柱間に架設された下層梁に一体に設けられ、前記複数のアーチ部材は、前記受部材上に固定された第1のアーチ部材と、前記開口部上に位置する第2のアーチ部材を含み、前記第2のアーチ部材は、前記受部材との間に水平方向に挿通された鋼棒により固定されていることを特徴とする。
本発明の既設構造物の補強構造によれば、既設の橋梁の床版からの荷重を荷重伝達手段によって面で受けて柱に伝達させることにより、老朽化した床版を補強することができる。また、床版からの荷重を荷重伝達手段によって面で受けているため、老朽化した床版が疲労破壊(押し抜きせん断)を起こしても面的に支持することができるので、床版が抜け落ちるようなことはなく、床版を通行する車両等の安全を確保することができる。
また、本発明において、前記アーチ部材と前記床版との間にグラウトを充填したこととしてもよい。
本発明の既設構造物の補強構造によれば、床版からの荷重をグラウトを介して間接的にアーチ部材によって面で受けて、受部材を介して柱に伝達させることができる。
また、本発明において、前記アーチ部材は、上面が平面に形成される平板状の上弦材と、上弦材の下方に間隔をおいて設けられるアーチ板状の下弦材と、前記上弦材と前記下弦材との中央部間を連結する内補剛材と、前記上弦材と前記下弦材の両端部間を連結する外補剛材とを備え、前記上弦材の上面で前記床版からの荷重を受け、前記外補剛材の下端が前記受部材によって支持されていることとしてもよい。
本発明の既設構造物の補強構造によれば、床版からの荷重をアーチ部材の上弦材の上面で受け、外補剛材を介して受部材に伝達させ、受部材から柱に伝達させることができる。
また、本発明の既設構造物の補強方法は、床版と、床版を支持する複数の柱と、隣接する柱間に架設された梁とを備えた既設の構造物の補強方法であって、前記床版からの荷重を面で受けるアーチ部材と、該アーチ部材を支持するとともに、該アーチ部材が受けた荷重を前記柱に伝達させる受部材とを用い、前記梁の上部に前記受部材を設け、この際に、前記アーチ部材を上昇させるための開口部を少なくとも1箇所に設けておき、最初又は次の前記アーチ部材を前記受部材の下方に進入させて、前記受部材の下方の位置において、最初又は次の前記アーチ部材を前記受部材よりも高い位置まで上昇させるとともに、前記受部材の上方に移動させて下降させることにより前記受部材の上部に載置させて、最初又は次の前記アーチ部材を前記受部材に固定する工程と、最後の前記アーチ部材を前記受部材の下方に進入させて、前記受部材の下方の位置において、前記開口部にて最後の前記アーチ部材を上昇させて、最後の前記アーチ部材と前記受部材との間に水平方向から鋼棒を挿通させて固定する工程とを備えていることを特徴とする。
以上、説明したように、本発明の既設構造物の補強構造及び補強方法によれば、既設の橋梁の上部構造の補強に適用した場合には、メンテナンスフリーの状態で初期の性能を長期的に維持することができ、既設の橋梁の上部構造の長寿命化を図ることができる。また、上部構造の補強工事に要する手間、時間、及び費用を大幅に削減することができる。
本発明による既設構造物の補強構造の一実施の形態を示した断面図であって、補強構造を適用した橋梁の横断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1のC−C線断面図である。 外アーチ部材の正面図である。 図5の平面図である。 図5の右側面図である。 内アーチ部材の正面図である。 図8の平面図である。 図8の右側面図である。 補強構造の構築方法の手順を示した説明図であって、アーチ部材を橋梁の側方に配置した状態を示した説明図である。 アーチ部材を床版の補強部分の下方に配置した状態、及びアーチ部材を上昇させてアーチ部材の上面を床版の下面側に接触させた状態を示した説明図である。 アーチ部材の上面を床版の下面に接触させた状態で、アーチ部材を移動させて床版の下面と受部材の受部の上面との間に配置した状態を示した説明図である。 図12のA−A線断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図10には、本発明による既設構造物の補強構造の一実施の形態が示されている。本実施の形態の既設構造物の補強構造は、河川や海等を跨いだ状態に設置されている既設の橋梁の上部構造(床版、床組等)の補強に適用したものであって、車両等の通行を許容した状態で施工できるように構成したものである。
既設の橋梁30は、図1〜図4に示すように、例えば、車両等を支持する床版32、床版32を支持する床組35(上層縦梁36、上層横梁37)等からなる上部構造31と、下層縦梁39、下層横梁40等からなる下部構造38と、車両等、上部構造31、及び下部構造38からの荷重を地盤42に伝達させる柱41とから構成され、上部構造31の床版32の下面33側に本実施の形態の既設構造物の補強構造1が構築される。
なお、本実施の形態においては、海や河川等の水上を跨いだ状態に設置されている既設の道路橋梁を対象としているが、これに限定する陸上の橋梁にも適用してもよい。また、橋梁に限らず、既設の各種の構造物に適用してもよい。
本実施の形態の既設構造物の補強構造1は、車両等、上部構造31、及び下部構造38からの荷重を面で受けて、間接的又は直接的に柱41に伝達させる荷重伝達手段1aを備え、荷重伝達手段1aを、上部構造31の床版32の下面33側の上層縦梁36及び上層横梁37によって囲まれた格子状の補強部分34の各々に対応するように設けている。
荷重伝達手段1aは、各補強部分34に対応するように設けられる複数のアーチ部材2と、各補強部分34に対応する下部構造38の下層横梁40の部分にそれぞれ設けられるとともに、各補強部分34に設けられた複数のアーチ部材2を支持する受部材20とから構成されている。
アーチ部材2及び受部材20は、例えば、コンクリート製、鋼製、炭素繊維製等とすることができる。アーチ部材2及び受部材20をコンクリート製とする場合には、場所打ちコンクリートでもプレキャストコンクリートでもよい。なお、本実施の形態においては、アーチ部材2及び受部材20をプレキャストコンクリートとしている。
アーチ部材2としては、各補強部分34の両側(橋梁30の幅方向の両側)にそれぞれ設けられる一対の外アーチ部材3、3と、両外アーチ部材3、3間に設けられる一つの内アーチ部材10とを用いている。
外アーチ部材3は、図5〜図7に示すように、上面4aが平面に形成された長方形板状の上弦材4と、上弦材4の下方に間隔をおいて設けられる上方に湾曲したアーチ板状の下弦材5と、上弦材4と下弦材5の中央部間を連結する板状の内補剛材6と、上弦材4と下弦材5の両端部間を連結する板状の外補剛材7、7とから構成され、外アーチ部材3の上弦材4の上面4aで床版32からの荷重を受けるようになっている。
各外補剛材7の下端部には、外アーチ部材3を後述する受部材20の受部22の上部に載置させるための脚部8が一体に設けられている。脚部8は、外面8aが上弦材4の長さ方向の端面4bよりも外方に位置する鉛直方向を向く平面に形成され、下面8bが上弦材4の上面4aと平行をなす平面に形成され、上面8cが所定の角度の傾斜面に形成され、上下面8c、8c間を貫通する第1挿通孔9が2箇所に設けられている。
外アーチ部材3は、その両外補剛材7、7の脚部8、8を、各補強部分34に対応する下層横梁40の上部に設けた受部材20の上部に載置させ、各脚部8の第1挿通孔9と受部材20の第3挿通孔23との間に鉛直鋼棒25aを挿通させてグラウトで固着させることにより、各補強部分34に対応する下層横梁40、40間に架設される。
なお、外アーチ部材3の上弦材4の上面4aと各補強部分34との間に隙間が形成される場合には、その隙間内に無収縮モルタル等のグラウト27を充填して、上弦材4の上面4aを各補強部分34にグラウト27を介して間接的に面接触させる。隙間がない場合には、グラウト27の充填は不要となり、上下材4の上面4aが各補強部分34に直接的に面接触することになる。
内アーチ部材10は、外アーチ部材3と略同一の構成を有するものであって、図8〜図10に示すように、上面11aが平面に形成された長方形板状の上弦材11と、上弦材11の下方に間隔をおいて設けられる上方に湾曲したアーチ板状の下弦材12と、上弦材11と下弦材12の中央部間を連結する板状の内補剛材13と、上弦材11と下弦材12の両端部間を連結する板状の外補剛材14、14とから構成され、上弦材11の上面11aで床版32からの荷重を受けるようになっている。
各外補剛材14の下端部には、内アーチ部材10を外アーチ部材3を支持する受部材20に連結するための脚部15が一体に設けられている。脚部15は、外面15aが上弦材11の端面11bよりも外方に位置する鉛直方向を向く平面に形成され、下面15bが上弦材11の上面11aと平行をなす平面に形成され、上面15cが所定の角度の傾斜面に形成され、上下面15c、15b間が外アーチ部材3の脚部8よりも厚く形成され、この厚く形成された部分に、脚部15を内アーチ部材10の幅方向に貫通する第2挿通孔16が1箇所に設けられている。
内アーチ部材10は、一対の外アーチ部材3、3間に位置し、内アーチ部材10の各脚部15の第2挿通孔16と各外アーチ部材3の脚部8を支持する受部材20の受部22の第4挿通孔24との間に水平鋼棒25bを挿通させてグラウトで固着させることにより、各補強部分34に対応する下層横梁40、40間に架設される。
なお、内アーチ部材10の上弦材11の上面11aと各補強部分34との間に隙間が形成される場合には、外アーチ部材3と同様に、その隙間内に無収縮モルタル等のグラウト27を充填して、上弦材11の上面11aを各補強部分34にグラウト27を介して間接的に面接触させる。隙間がない場合には、グラウト27の充填は不要となり、上下材11の上面11aが各補強部分34に直接的に面接触することになる。
受部材20は、図1〜図4に示すように、各補強部分34に対応する下層横梁40の上部に一体に設けられる角柱状の柱状部21と、柱状部21の上部に一体に設けられるとともに、長さ方向の両端が柱状部21よりも外方に突出する長方形板状の受部22とから構成され、受部22の上部に外アーチ部材3の脚部8が載置されるようになっている。
図3及び図4に示すように、受部22には、上下面間を貫通する第3挿通孔23が2箇所に設けられるとともに、側面間を貫通する第4挿通孔24が1箇所に設けられており、各第3挿通孔23が外アーチ部材3の脚部8の各第1挿通孔9に対応し、第4挿通孔24が内アーチ部材10の脚部15の第2挿通孔16に対応するようになっている。
そして、受部22の上部に外アーチ部材3の脚部8を第1挿通孔9が第3挿通孔23に一致するように載置させ、第1挿通孔9と第3挿通孔23との間に鉛直鋼棒25aを挿通させて、第1挿通孔9及び第3挿通孔23内にグラウトを充填して固着させることにより、受部22の上部に外アーチ部材3の脚部8を固定することができ、外アーチ部材3を各補強部分34に対応する下部構造38の下層横梁40、40間に架設することができる。
一対の外アーチ部材3、3を下部構造38の下層横梁40、40間に架設した後に、両外アーチ部材40、40間に内アーチ部材10を第2挿通孔16が第4挿通孔24に一致するように設置し、第2挿通孔16と第4挿通孔24との間に水平鋼棒25bを挿通させて、第2挿通孔16及び第4挿通孔24内にグラウトを充填して固着させることにより、内アーチ部材10の脚部15を受部材21に固定することができ、内アーチ部材10を各補強部分34に対応する下部構造38の下層梁40、40間に架設することができる。
なお、第1挿通孔9、第2挿通孔16、第3挿通孔23、及び第4挿通孔24内に充填するグラウトとしては、セメント系(モルタル等)、合成樹脂系等を使用することができる。
次に、図11〜図14を参照しながら、本実施の形態の補強構造1の施工方法について説明する。
まず、図11に示すように、既設の橋梁30の床版32の補強部分34に対応する下層縦梁39を適宜の手段によって取り除くことにより、橋梁30の長さ方向に隣接する柱41、41間の側方を開口させる。
なお、下層横梁40には、予め、上部に受部材20を一体に設けておく。
次に、図11、図12、及び図14に示すように、台船45のリフター46の上部に外アーチ部材3を載置し、台船45を隣接する柱41、41間の開口を利用して補強部分34の下方に進入させ、外アーチ部材3を補強部分34の下方(受部材20、20間の隙間の下方)に配置する。
次に、リフター46を操作して外アーチ部材3を上昇させ、受部材20、20間の隙間を通じて、外アーチ部材3の上弦材4の上面4aを図1に示す補強部分34の下面33に接触させる。そして、図13に示すように、台船45を操作して、外アーチ部材3を橋梁30の幅方向(図中矢印方向)に移動させることにより、外アーチ部材3を受部材20の受部22と補強部分34との間に挿入する。そして、リフター46を操作して外アーチ部材3を下降させることにより、外アーチ部材3の両脚部8、8を受部材20の受部22の上部に載置させる。
次に、外アーチ部材3の両脚部8、8の位置を微調整して、各脚部8の第1挿通孔9を各受部材20の受部22の第3挿通孔23に合わせ、第1挿通孔9と第3挿通孔23との間に鉛直鋼棒25aを挿通させ、第1挿通孔9及び第3挿通孔23内にグラウトを充填して固着させることにより、各脚部8を各受部材20の受部22に固定する(図1〜図4参照)。
そして、もう一つの外アーチ部材3に対して同様の作業を行うことにより、補強部分34の両側(橋梁30の幅方向の両側)に対応するように、一対の外アーチ部材3、3を下部構造38の下層横梁40、40間に架設する。そして、一対の外アーチ部材3、3の架設後に、各外アーチ部材3の上弦材4の上面4aと補強部分34の下面33との間に隙間が形成されている場合には、その隙間内に無収縮モルタル等のグラウト27を充填する(図1〜図4参照)。
次に、台船45のリフター46の上部に内アーチ部材10を載置し、台船45を隣接する柱41、41間の開口を利用して補強部分34の下方に進入させ、内アーチ部材10を補強部分34の下方(受部材20、20間の隙間の下方)に配置する(図11、図12、図14参照)。
次に、リフター46を操作して内アーチ部材10を上昇させ、受部材20、20間の隙間を通じて、内アーチ部材10の上弦材11の上面11aを補強部分34の下面33に接触させる。そして、この状態で、リフター46を操作して内アーチ部材10を下降させて、内アーチ部材10の上下方向の位置を微調整することにより、内アーチ部材10の各脚部15の第2挿通孔16を各受部材20の受部22の第4挿通孔24の位置に合わせる。そして、各脚部15の第2挿通孔16と各受部材20の受部22の第4挿通孔24との間に 水平鋼棒25bを挿通させ、各第2挿通孔16及び各第4挿通孔24内にグラウトを充填して固着させることにより、各脚部15を各受部材20の受部22に固定する(図1〜図4、図11、図12、図14参照)。
なお、内アーチ部材10の上弦材11の上面11aと補強部分34の下面33との間に隙間が形成されている場合には、その隙間内に無収縮モルタル等のグラウト27を充填する。
そして、上記のような一対の外アーチ部材3、3を架設する作業、及び内アーチ部材10を架設する作業を床版32の各補強部分34に対して繰り返し行うことにより、床版32の下面33側の全体を補強する補強構造1を構築することができる。
上記のように構成した本実施の形態の補強構造1及び補強方法にあっては、橋梁30の上部構造31の床版32の各補強部分34の下面33に、下部構造38の下層横梁40、40間に架設した外アーチ部材3及び内アーチ部材10の上弦材4、11の上面4a、11aを直接的に又はグラウト27を介して間接的に接触させて、床版32からの荷重を面で受けて柱41に伝達させるように構成したので、つまり、下方から床版32を面で支持することとしたので、床版32からの活荷重を繰り返し受けても、鋼板接着工法、炭素繊維接着工法、増厚工法等のように接着剤の剥がれの問題が生じるようなことはなく、メンテナンスフリーの状態で長期に亘って初期の性能を維持することができる。
また、床版32が疲労破壊(押し抜きせん断)を起こした場合であっても、外アーチ部材3の上弦材4の上面4a及び内アーチ部材10の上弦材11の上面11aが床版32の下面33に直接的に又はグラウト27を介して間接的に接触して、床版32を面的に支持しているので、床版32が抜け落ちるようなことはなく、床版32の上部の車両等の安全を確保することができる。
また、床版32を外アーチ部材3及び内アーチ部材10によって支持することにより、床版32に作用する断面力、及び床版32を支持する上層縦梁36及び上層横梁37の断面力を軽減させることができるので、橋梁30の上部構造31の全体の長寿命化を図ることができる。
また、床版32が鋼板接着工法、炭素繊維接着工法、増厚工法等で補強されている場合であっても、既存の鋼板、炭素繊維等をそのままの状態にして、外アーチ部材3及び内アーチ部材10を下部構造38の下層横梁40、40間に架設し、外アーチ部材3及び内アーチ部材10の上弦材4、11と床版32との間に無収縮モルタル等のグラウト27を充填することにより、既存の鋼板、炭素繊維等を取り除くことなく、床版32を補強することができる。また、既存の鋼板等をグラウト27で被覆することができるので、既存の鋼板等が空気と接触して錆びるようなこともない。
また、床版32の下面33側に補強構造1を構築する場合、下部構造38の下層縦梁39を取り除いて、柱41、41間の開口を通じて補強部分34の下方に台船45を使ってアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を配置し、リフター45の操作によってアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を上昇させて、下部構造38の下層横梁40の上部に設けた受部材20の上部に載置させ、アーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を受部材20に鉛直鋼棒25a水平鋼棒25b及びグラウトによって固定すればよいので、補強構造1の構築に要する手間、時間、及び費用を大幅に削減することができる。また、車両の通行を許容した状態で施工できる。
また、アーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)は、長さ方向が橋梁30の長さを方向を向くように、床版32の下面33側の各補強部分34に設けられているので、アーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)の上弦材4、11、下弦材5、12、内補剛材6、13、外補剛材7、14、及びそれらによって囲まれた開口部分の形状を橋梁30の側方に露出させることができ、これらの形状によって橋梁30の上部構造31の美観を高めることができる。
なお、上記の説明においては、アーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)の長さ方向が橋梁30の長さ方向を向くように、床版32の下面33側にアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を設けたが、アーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)の長さ方向が橋梁3の幅方向を向くように、床版32の下面33側にアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を設けてもよい。その場合には、下部構造38の下層縦梁39、39間にアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を架設すればよい。
また、上記の説明においては、床版32の各補強部分34を3つのアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)によって補強したが、1つ、2つ、又は4つ以上のアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)によって補強するように構成してもよい。
また、上記の説明においては、プレキャストコンクリート製のアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を床版32の下面33側に設けたが、現場打ちのコンクリートによって床版32の下面33側にアーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)を設けてもよい。また、アーチ部材2(外アーチ部材3、内アーチ部材10)は、コンクリート製に限らず、鋼製、炭素繊維製等としてもよい。
また、上記の説明においては、荷重伝達手段1aとして、アーチ部材2と受部材20との組合せを用いたが、これに限定することなく、床版32からの荷重を面で受けて柱41に伝達させることができる機能を有するもの、例えば、ラーメン構造、トラス構造等であってもよい。
1 補強構造
1a 荷重伝達手段
2 アーチ部材
3 外アーチ部材
4 上弦材
4a 上面
4b 端面
5 下弦材
6 内補剛材
7 外補剛材
8 脚部
8a 外面
8b 下面
8c 上面
9 第1挿通孔
10 内アーチ部材
11 上弦材
11a 上面
11b 端面
12 下弦材
13 内補剛材
14 外補剛材
15 脚部
15a 外面
15b 下面
15c 上面
16 第2挿通孔
20 受部材
21 柱状部
22 受部
23 第3挿通孔
24 第4挿通孔
25a 鉛直鋼棒
25b 水平鋼棒
27 グラウト
30 橋梁
31 上部構造
32 床版
33 下面
34 補強部分
35 床組
36 上層縦梁
37 上層横梁
38 下部構造
39 下層縦梁
40 下層横梁
41 柱
42 地盤
45 台船
46 リフター

Claims (4)

  1. 床版と、床版を支持する複数の柱とを備えた既設の橋梁である既設構造物の補強構造であって、
    前記床版と前記柱との間に、前記床版からの荷重を面で受けて、該荷重を直接的又は間接的に前記柱に伝達させる荷重伝達手段を備え
    前記荷重伝達手段は、前記床版からの荷重を面で受ける複数のアーチ部材と、該アーチ部材を支持するとともに、該アーチ部材が受けた荷重を前記柱に伝達させる受部材とを備え、
    前記受部材は、前記アーチ部材を上昇させるための開口部が形成されるように、隣接する柱間に架設された下層梁に一体に設けられ、
    前記複数のアーチ部材は、前記受部材上に固定された第1のアーチ部材と、前記開口部の上に位置する第2のアーチ部材を含み、前記第2のアーチ部材は、前記受部材との間に水平方向に挿通された鋼棒により固定されていることを特徴とする既設構造物の補強構造。
  2. 前記アーチ部材と前記床版との間にグラウトを充填したことを特徴とする請求項に記載の既設構造物の補強構造。
  3. 前記アーチ部材は、上面が平面に形成される平板状の上弦材と、上弦材の下方に間隔をおいて設けられるアーチ板状の下弦材と、前記上弦材と前記下弦材との中央部間を連結する内補剛材と、前記上弦材と前記下弦材の両端部間を連結する外補剛材とを備え、
    前記上弦材の上面で前記床版からの荷重を受け、前記外補剛材の下端が前記受部材によって支持されていることを特徴とする請求項又はに記載の既設構造物の補強構造。
  4. 床版と、床版を支持する複数の柱と、隣接する柱間に架設された梁とを備えた既設の構造物の補強方法であって、
    前記床版からの荷重を面で受けるアーチ部材と、該アーチ部材を支持するとともに、該アーチ部材が受けた荷重を前記柱に伝達させる受部材とを用い、
    前記梁の上部に前記受部材を設け、この際に、前記アーチ部材を上昇させるための開口部を少なくとも1箇所に設けておき、
    最初又は次の前記アーチ部材を前記受部材の下方に進入させて、前記受部材の下方の位置において、最初又は次の前記アーチ部材を前記受部材よりも高い位置まで上昇させるとともに、前記受部材の上方に移動させて下降させることにより前記受部材の上部に載置させて、最初又は次の前記アーチ部材を前記受部材に固定する工程と、
    最後の前記アーチ部材を前記受部材の下方に進入させて、前記受部材の下方の位置において、前記開口部にて最後の前記アーチ部材を上昇させて、最後の前記アーチ部材と前記受部材との間に水平方向から鋼棒を挿通させて固定する工程とを備えていることを特徴とする既設の構造物の補強方法。
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