JP5977651B2 - 電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池およびその製造方法に関し、特に、ラミネートシートを電池外装容器に使用する電池およびその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
本技術分野の背景技術として、例えば、特開2012−38584号公報(特許文献1)がある。この特許文献1には、電池素子を収容する外装材の他端の液収容部に電解液を溜め、その液収容部から電池素子に対して電解液を含浸させる電池およびその製造方法が記載されている。
特開2012−38584号公報
ところで、上述した特許文献1を含む従来の電池およびその製造方法に関して、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
例えば、携帯電子機器の発達に伴い、これらの携帯電子機器の電力供給源として、繰り返し充電が可能な小型二次電池が使用されている。中でも、エネルギー密度が高く、サイクルライフが長いとともに、自己放電性が低く、かつ、作動電圧が高いリチウムイオン電池が注目されている。リチウムイオン電池は、上述した利点を有するため、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯電子機器に多用されている。さらに、近年では、電気自動車用電池や電力貯蔵用電池として、高容量、高出力、かつ、高エネルギー密度を実現できる大型のリチウムイオン電池の研究開発が進められている。特に、自動車産業においては、環境問題に対応するため、動力源としてモータを使用する電気自動車や、動力源としてエンジン(内燃機関)とモータとの両方を使用するハイブリッド車の開発が進められている。このような電気自動車やハイブリッド車の電源としてもリチウムイオン電池が注目されている。
リチウムイオン電池は、例えば、正極活物質を塗着した正極板と、負極活物質を塗着した負極板と、正極板と負極板の接触を防止するセパレータとを積層した電極積層体(電極素子)を備えている。あるいは、正極活物質を塗着した正極板と、負極活物質を塗着した負極板と、正極板と負極板の接触を防止するセパレータとを捲回した電極捲回体(電極素子)を備えている。そして、リチウムイオン電池では、この電極積層体あるいは電極捲回体が電池外装容器に収納されるとともに、電池外装容器内に電解液が注入されている。
電池外装容器としては、金属製の円筒容器や角型容器が使われているが、軽量化と薄型化のために、金属シートと高分子樹脂シートとの積層体からなるラミネートシートも使われている。
一般に、電解液を注液および含浸する工程では、電池外装容器に電極積層体や電極捲回体の電極素子を収容し、上部から電解液を注入している。その際、含浸を促進するために電池外装容器の雰囲気を減圧あるいは加圧にすることも行われている。
しかし、上部から電解液を注入すると、下方から上がって抜け出そうとする空気を電解液が押さえ込んでしまって空気が残留したり、上部で気泡の弾けが起きて電解液の飛散が起こる。空気の残留がないように電極素子を効率良く脱気したり、電解液の飛散による液量減少や周囲の汚染を抑制して注液することが必要である。
そのため、上述した特許文献1では、電池外装容器の他端に液収容部を形成し、液収容部に一旦電解液を溜めているが、必要な電解液量分の容積が必要である。液収容部は最後に切断除去するが、電池が大型化して必要液量が増えるほど、切断除去される液収容部の大きさも増え、ラミネートシート部材の無駄が増える。
そこで、本発明は上述したような課題に鑑みてなされたものであり、その代表的な目的は、例えば、リチウムイオン電池に代表される電池の電池外装容器にラミネートシートを使う場合に、ラミネートシート部材の無駄を減らし、製造コストを抑制できる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的な電池の製造方法は、電極積層体または電極捲回体と、電解液と、電池外装容器としてのラミネートシートとを有する電池の製造方法であって、以下の特徴を有する。前記電池の製造方法は、前記電極積層体または電極捲回体を挟み込んだ前記ラミネートシートの周囲に前記電解液の通路を形成する工程と、前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を通して前記電解液を注入する工程と、前記電解液の注液完了後に前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を封鎖する工程と、を有することを特徴とするものである。
さらに、上述した電池の製造方法で製造された電池にも適用することを特徴とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、代表的な効果は、例えば、リチウムイオン電池に代表される電池の電池外装容器にラミネートシートを使う場合に、ラミネートシート部材の無駄を減らし、製造コストを抑制できる。
(a)〜(c)は本発明の実施の形態1である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。 (a)〜(c)は図1に引き続き、本発明の実施の形態1である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。 (a)(b)は図2に引き続き、本発明の実施の形態1である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。 本発明の実施の形態2である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。 本発明の実施の形態3である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。 (a)(b)は本発明の実施の形態3の変形例である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。 本発明の実施の形態4である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。 本発明の実施の形態4の変形例である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
[本発明の実施の形態の概要]
本発明の実施の形態では、様々な電池の中で、特にリチウムイオン電池の場合について説明する。
<リチウムイオン電池の基本>
リチウムは、酸化還元電位が−3.03V(vs.NHE)であり、地球上に存在する最も卑な金属である。電池の電圧は、正極と負極との電位差によって決まるので、リチウムを負極活物質に使用すると、最も高い起電力が得られる。また、リチウムの原子量は6.94であり、密度も0.534g/cmであってともに小さいことから、単位電気量あたりの重量が小さく、エネルギー密度も高くなる。したがって、リチウムを負極活物質に使用すると小型で軽量の電池を製造することができる。
このように、リチウムは電池の負極活物質として魅力的な物質であるが、充放電可能な二次電池に適用する場合に問題が生じる。すなわち、リチウムを負極に使用した電池で充放電を繰り返すと、リチウムの溶解による放電反応と、リチウムの析出による充電反応が起こる。この場合、繰り返し充電によって、リチウムの析出反応が生じるため、二次電池の性能劣化や安全性に問題が生じる。例えば、充電過程で生成されるリチウムは活性表面で電解液溶媒と反応し、その一部はSEI(Solid Electrolyte Interface)と呼ばれる皮膜の形成に消費される。このため、電池の内部抵抗が高くなり、放電効率も低下してくる。つまり、充放電のサイクルを繰り返すごとに電池容量が小さくなる。さらに、急速に充電すると、リチウムは針状・樹枝状の結晶形態(リチウムデンドライト)で析出し、二次電池での様々なトラブルを引き起こす元となる。例えば、リチウムデンドライトは、比表面積が大きく、副反応による電流効率の低下を加速するとともに、針状であるためにセパレータを突き破って正極と負極との間の内部短絡を引き起こすこともある。このような状態になると、自己放電が大きく電池として使用できなくなったり、内部短絡による発熱でガス噴出や発火に至る場合もある。以上のことから、リチウムを負極に使用した二次電池では、性能劣化や安全性に問題が生じることがわかる。
そこで、溶解と析出という従来の原理と相違する原理の新型二次電池が検討されている。具体的には、正極と負極の両方にリチウムイオンを挿入・放出する活物質を使用する二次電池が検討されている。この二次電池の充放電過程では、リチウムの溶解と析出という現象は起こらず、リチウムイオンが電極活物質の間で挿入・脱離されるだけである。このタイプの二次電池は、「ロッキング・チェア」型、あるいは、「シャトルコック」型と呼ばれており、充放電の繰り返しに対して、リチウムイオンが挿入・脱離されるだけであるので、安定であるという特徴がある。この種類の電池を本明細書ではリチウムイオン電池と呼ぶことにする。上述したように、リチウムイオン電池では、正極と負極の両方とも充放電においてその構造は変化せず、リチウムイオンが挿入・脱離されるだけであるので(ただし、活物質の結晶格子は、リチウムイオンの挿入・脱離に対して膨張収縮する)、格段に長寿命のサイクル特性を有するとともに、電極に金属リチウムを使用しないので、安全性も飛躍的に高まっているという特徴を有する。
ここで、リチウムイオンを挿入・脱離できる材料が電極の活物質に使用されるが、この活物質に要求される条件は以下に示すようなものである。すなわち、リチウムイオンという有限の大きさのイオンが挿入・脱離するので、リチウムイオンの納まるべきサイト(位置)と、リチウムイオンが拡散可能なチャンネル(経路)が活物質に必要とされる。さらに、活物質には、リチウムイオンの挿入(吸蔵)に伴い電子が材料中に導入される必要がある。
以上のような条件を満たす正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが代表的な正極活物質として挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体的に、正極活物質としては、リチウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め充分な量のリチウムを挿入したリチウム含有遷移金属酸化物であればよく、遷移金属として、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)などの単体、または、2種類以上の遷移金属を主成分とする材料であってもよい。また、スピネル結晶構造や層状結晶構造などの結晶構造についても、上述したサイトとチャンネルが確保されるものであれば特に限定されない。さらに、結晶中の遷移金属やリチウムの一部をFe、Co、Ni、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)などの元素で置換した材料や、結晶中にFe、Co、Ni、Cr、Al、Mgなどの元素をドープした材料を正極活物質として使用してもよい。
さらに、上述した条件を満たす負極活物質として、結晶質の炭素材料や非晶質の炭素材料を使用することができる。ただし、負極活物質はこれらの物質に限定されるものではなく、例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛剤、コークスなどの炭素材料などを使用してもよい。そして、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状など様々な粒子形状のものが適用可能である。
<リチウムイオン電池の模式的な構成>
以下に、上述したリチウムイオン電池の模式的な構成について説明する。リチウムイオン電池は、電池外装容器を有しており、この電池外装容器の内部に電解液が充填されている。この電解液が充填されている電池外装容器には、正極板と負極板が対向して設けられており、対向して設けられた正極板と負極板の間にセパレータが配置されている。
リチウムイオン電池は、例えば、正極板と、負極板と、正極板と負極板の接触を防止するセパレータとを積層した電極積層体(電極素子)を備えている。あるいは、正極板と、負極板と、正極板と負極板の接触を防止するセパレータとを捲回した電極捲回体(電極素子)を備えている。そして、リチウムイオン電池では、この電極積層体あるいは電極捲回体が電池外装容器に収納されるとともに、電池外装容器内に電解液が注入されている。
一般的な電池外装容器としては、アルミニウム製またはニッケルめっきした鉄製などの金属製の円筒容器や角型容器が使われているが、軽量化と薄型化のため、また加工性、成形性を容易にするために、金属層と高分子樹脂層との積層体を有するラミネートシートも使われている。
このラミネートシートには、金属層部分がアルミニウム、金属層の一方の面の高分子樹脂層がポリエチレンテレフタレートまたはナイロンなど、金属層の他方の面の高分子樹脂層がポリプロピレンまたはポリエチレンなどとなっているアルミラミネートシートがよく使われている。
これにより、軽量化、薄型化を達成するとともに、電池内部からの電解液の漏れや外部からの大気(水蒸気や酸素など)の侵入を防ぐ密閉性、柔軟性、加工性、成型性、電解液耐性、電気絶縁性、機械的強度などを確保している。
ラミネートシートをシールするためには、接着剤を用いる場合と熱溶着(熱圧着、熱融着)させる場合がある。
そして、正極板には正極活物質が塗着されており、負極板には負極活物質が塗着されている。例えば、正極活物質は、リチウムイオンを挿入・脱離可能なリチウム含有遷移金属酸化物から形成されている。この正極板と正極活物質により正極が構成されている。
一方、例えば、負極活物質は、リチウムイオンを挿入・脱離可能な炭素材料から形成されている。この負極板と負極活物質により負極が構成されている。
正極は、正極活物質と結着剤(バインダ)を含有する塗液を正極板(正極集電体)に塗布して乾燥させた後、加圧することにより形成されている。この正極の端部あるいは裏面にはリード線として機能する正極集電タブ(正極電極タブ)が形成されており、この正極集電タブを通して、電流の出し入れを行う。
正極を構成する正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどに代表される上述した材料を使用することができる。また、結着剤は、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを使用することができる。さらに、正極板には、例えば、アルミニウムなどの導電性金属からなる金属箔や網状金属などが使用され、正極集電タブもアルミニウムから形成されている。
負極は、負極活物質と結着剤(バインダ)を含有する塗液を負極板(負極集電体)に塗布して乾燥させた後、加圧することにより形成されている。この負極の端部あるいは裏面にはリード線として機能する負極集電タブ(負極電極タブ)が形成されており、この負極集電タブを通して、電流の出し入れを行う。
負極を構成する負極活物質は、例えば、炭素材料などに代表される上述した材料を使用することができる。また、結着剤は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを使用することができる。さらに、負極板には、例えば、銅などの導電性金属からなる金属箔や網状金属などが使用され、負極集電タブも銅あるいはニッケルから形成されている。
セパレータは、正極と負極との電気的な接触を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるスペーサとしての機能を有している。近年では、このセパレータとして、高強度で薄い微多孔質膜が使用されている。この微多孔質膜は、電池短絡による異常電流、急激な内圧や温度の上昇および発火を防ぐという機能も合わせ持っている。つまり、現在のセパレータは、正極と負極の電気的接触を防止し、かつ、リチウムイオンを通過させる機能の他に、短絡と過充電防止のための熱ヒューズとしての機能を有していることになる。この微多孔質膜の持つシャットダウン機能によって、リチウムイオン電池の安全性を保つことができる。例えば、リチウムイオン電池が何らかの原因で外部短絡を引き起こした場合、瞬時ではあるが大電流が流れ、ジュール熱により異常に温度が上昇する危険性がある。このとき、セパレータとして微多孔質膜を使用すれば、微多孔質膜は、膜材料の融点近傍で空孔(微多孔)が閉塞するため、正極と負極との間のリチウムイオンの透過を阻止することができる。言い換えれば、セパレータとして微多孔質膜を使用することにより、外部短絡時に電流を遮断し、リチウムイオン電池の内部の温度上昇をストップさせることができる。この微多孔質膜から構成されるセパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、あるいは、これらの材料の組み合わせから構成することができる。
電解液は、非水電解液が使用される。リチウムイオン電池は、活物質でのリチウムイオンの挿入・脱離を利用して充放電を行う電池であり、電解液中をリチウムイオンが移動する。リチウムは、強い還元剤であり、水と激しく反応して水素ガスを発生する。したがって、リチウムイオンが電解液中を移動するリチウムイオン電池では、従来の電池のように水溶液を電解液に使用することができない。このことから、リチウムイオン電池では、電解液として非水電解液が使用される。具体的に、非水電解液の電解質としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLiなどやこれらの混合物を使用することができる。また、有機溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどや、これらの混合液を使用することができる。
<充放電のメカニズム>
リチウムイオン電池は上記のように構成されており、以下に充放電のメカニズムについて説明する。まず、充電のメカニズムについて説明する。リチウムイオン電池を充電する際、正極と負極との間に充電器を接続する。この場合、リチウムイオン電池では、正極活物質内に挿入されているリチウムイオンが脱離し、電解液中に放出される。このとき、正極活物質からリチウムイオンが脱離することにより、正極から充電器へ電子が流れる。そして、電解液中に放出されたリチウムイオンは、電解液中を移動し、微多孔質膜からなるセパレータを通過して、負極に到達する。この負極に到達したリチウムイオンは、負極を構成する負極活物質内に挿入される。このとき、負極活物質にリチウムイオンが挿入することにより、負極に電子が流れ込む。このようにして、充電器を介して正極から負極に電子が移動することにより充電が完了する。
続いて、放電のメカニズムについて説明する。正極と負極との間に外部負荷を接続する。すると、負極活物質内に挿入されていたリチウムイオンが脱離して電解液中に放出される。このとき、負極から電子が放出される。そして、電解液中に放出されたリチウムイオンは、電解液中を移動し、微多孔質膜からなるセパレータを通過して、正極に到達する。この正極に到達したリチウムイオンは、正極を構成する正極活物質内に挿入される。このとき、正極活物質にリチウムイオンが挿入することにより、正極に電子が流れ込む。このようにして、負極から正極に電子が移動することにより放電が行われる。言い換えれば、正極から負極に電流が流れて負荷を駆動することができる。以上のようにして、リチウムイオン電池においては、リチウムイオンを正極活物質と負極活物質との間で挿入・脱離することにより、充放電することができる。
以上説明した本発明の実施の形態の概要に基づいた各実施の形態を、以下において図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図や正面図などであってもハッチングを付す場合がある。
[実施の形態1]
本実施の形態1では、電池外装容器であるラミネートシートの周囲に電解液の通路を形成する電池の製造方法とその電池の基本的な構成を説明する。
図1〜図3を用いて、本実施の形態1である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要について説明する。図1は、この電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。図2は、図1に引き続き、さらに、図3は、図2に引き続き、それぞれ、電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図である。図1〜図3は、電池を正面から見て、内部を透視した図面、いわゆる正面透視図である。
本実施の形態1である電池の製造プロセスは、電極積層体または電極捲回体を挟み込んだラミネートシートの周囲に電解液の通路を形成する工程(図1(b))と、ラミネートシートの周囲に形成した通路を通して電解液を注入する工程(図1(c))と、電解液の注液完了後にラミネートシートの周囲に形成した通路を封鎖する工程(図2(b)(c))と、を有する。さらに望ましくは、封鎖した通路の一部または全部を切断除去する工程(図3(a))を有する。
具体的には、以下において説明する、<工程1>図1(a)→<工程2>図1(b)→<工程3>図1(c)→<工程4>図2(a)→<工程5>図2(b)→<工程6>図2(c)→<工程7>図3(a)の順に電池の製造プロセスが実行される。
<工程1>図1(a)は、電極積層体または電極捲回体ELをラミネートシートLAMで挟み込んだ構造を示す。電池の製造プロセスでは、まず、図1(a)に示すように、例えば、長方形の2枚のラミネートシートLAMで電極積層体または電極捲回体ELを挟み込む。
電極積層体または電極捲回体EL、ラミネートシートLAMは、上述したような一般的な電池で広く使用しているものと同じである。ここでは、ラミネートシートLAMを使用した電池外装容器の上部開口部から電極タブTABを出している一例を示す。電極タブTABには、正極と負極の各電極タブがある。
<工程2>図1(b)は、ラミネートシートLAMの周囲のヒートシール部HTSに、電解液の通路PATHを形成した状態を示す。<工程1>の後に、図1(b)に示すように、ラミネートシートLAMの周囲のヒートシール部HTSに、ヒートシーラを用いてラミネートシートLAMを熱圧着して電解液の通路PATHを形成する。図1(b)では、電解液の通路PATHは、電池外装容器の上部にある開口部OPに対して、電池外装容器の左側、この左側から電池外装容器の下部を通して中央部から、電極積層体または電極捲回体ELに向かうように、略U字状(一方が短く角部を有するU字)の断面形状で形成されている。
電解液の通路PATHになる部分は熱圧着されずに隙間となっている。ラミネートシートLAMを使用した電池外装容器の上部には開口部OPがあり、この開口部OPから電極タブTABを出している。
ヒートシールの方法および装置は、ラミネートシートLAMを電池外装容器に用いる上述した一般的な場合と同じである。ヒートシールする場所を変えながらヒートシールを複数回に分けて通路PATHを形成してもよいし、ヒートシール装置の圧着部分の形状を工夫して、一回の圧着で通路PATHが形成できるようにしてもよい。
また、ラミネートシートLAMの熱圧着が不要な部分は熱圧着されないように、電解液の通路PATHにする部分にチューブやワイヤーを挟み込んでヒートシールし、熱圧着後にそれらチューブやワイヤーを引き抜いて通路を形成してもよい。
上述した特許文献1のように液収容部あるいは液溜めを作る場合、それらの容積は必要な電解液量と同じとする必要があるが、本実施の形態1における通路PATHは、電解液が通過できる範囲で細くて小さいもので済み、通路PATHの容積は必要な電解液量と同じ必要はなく、電解液量の数分の1以下でよい。
<工程3>図1(c)は、形成した通路PATHを用いて、電解液を注入している状態を模式的に示す。<工程2>の後に、図1(c)に示すように、形成した通路PATHを用いて、電解液を注入する。
この場合には、まず、電極積層体または電極捲回体ELとラミネートシートLAMを使用した電池外装容器を脱気するために、注液前に電池外装容器全体を減圧または真空にする。
また、ラミネートシートLAMの周囲に形成した通路PATHが潰れないようにチューブ等を挿入すれば、通路PATHからも脱気することができ、電池外装容器の開口部OPを上にしたときに、上部の開口部OPだけでなく、電池外装容器の下方からも脱気することができ、脱気の効率を上げることができる。
電解液は、電池外装容器の開口部OPを上にしたときに、電池外装容器の下方から電極積層体または電極捲回体ELに向かうように出す(図1(c)に矢印で図示)ことが望ましい。これにより、電極素子を効率よく脱気することができるとともに、電解液の飛散による液量減少を抑制することができる。
さらに、電解液の注液と液含浸を促進するために、注液中あるいは注液後に、電池外装容器全体を減圧または加圧をしてもよい。
また、電解液の注液と液含浸を促進するために、注液の前後あるいは注液中に、電極積層体または電極捲回体ELと電池外装容器を加熱または冷却してもよい。
<工程4>図2(a)は、電解液の注液完了後に、上部の開口部OPをヒートシールしてヒートシール部HTSで封鎖した状態を示す。<工程3>の後に、図2(a)に示すように、電解液の注液完了後に、上部の開口部OPをヒートシールしてヒートシール部HTSで封鎖する。
ヒートシールの方法および装置は、ラミネートシートLAMを電池外装容器に用いる上述した一般的な場合と同じである。
<工程5>図2(b)は、電池を図2上で時計回りに180度回転させた状態を示す。<工程4>の後に、電解液の通路PATHをヒートシールで封鎖する場合には、まず、図2(b)に示すように、電池を図2上で時計回りに180度回転させる。
すなわち、電解液の通路PATHをヒートシールで封鎖する場合、図2(a)の状態では通路PATHに電解液が入っているので、電池を図2上で時計回りに180度回転させて、通路PATHに電解液が入っていないようにする。
通路PATHの隙間に電解液が付着残留する場合は、チューブや細管などで吸引や吸収、吸着して除去する。さらに、電解液中の溶媒成分と同じ溶媒液を少量通して洗浄してもよい。また、通路PATHの端部から順に圧接していき、残留した液を押し出したり押し込んでもよい。
<工程6>図2(c)は、電解液の通路PATHをヒートシールしてヒートシール部HTSで封鎖した状態を示す。電解液の通路PATHをヒートシールしてヒートシール部HTSで封鎖した後は、図2(c)に示すような状態となる。
ヒートシールの方法および装置は、ラミネートシートLAMを電池外装容器に用いる上述した一般的な場合と同じである。
通路PATHを封鎖した後、ラミネートシートLAMの周囲の余白となる通路PATHの一部または全部を残しておいてもよいし、切断除去してもよい。例えば、封鎖した通路PATHの全部を切断除去する場合を図3に示す。
<工程7>図3(a)は、封鎖した通路PATHの全部を切断除去する場合の切断位置を示す。通路PATHの全部を切断除去する場合には、図3(a)に示す位置で切断すればよい。この場合に、最終的な構造では通路PATHが残らないが、例えば、電池外装容器の下方の注入口(図3(a)に示す楕円部分、詳細には図2(b)に対応する図3(b)に示す楕円部分)にヒートシールの重ね跡や液付着の痕跡があるはずなので、その表面観察(しわなど)や断面解析から、元々通路がない構造と区別することが可能である。
電解液の通路PATHは細く小さくてよいので、通路PATHを封鎖した後に残る部分または切断除去する部分は少なくて済み、ラミネートシートLAMの部材の無駄が少なく、製造コストの増加を抑制することができる。
上述した特許文献1のように電池外装容器の一端に液収容部あるいは液溜めを作る方法では、電池が大型化して必要な電解液量が増えると、それに比例して液収容部あるいは液溜めの容積を増やす必要があり、ラミネートシート部材の無駄も増えてしまう。
一方、本実施の形態1では、電池が大型化して必要な電解液量が増えても、電解液の通路PATHは細く小さいままで済むので、ラミネートシート部材の無駄になる分が必要電解液量に比例して増えることはない。
なお、本実施の形態1では、ラミネートシートLAMを長方形としたが、長方形に限定したものではなく、正方形や他の多角形でもよく、円形や楕円形、扇形などでもよい。電極の厚みを考慮し、四角錐台状やドーム状の膨らみを持たせたラミネートシートLAMを使用してもよい。
以上説明した本実施の形態1のように電池を製造することによって、脱気の効率を上げ、電解液の減少を抑制しながら、ラミネートシート部材の無駄を減らすことができる。この結果、電池の電池外装容器にラミネートシートLAMを使う場合に、ラミネートシート部材の無駄を減らし、製造コストを抑制することができる。詳細には、以下のような効果が得られる。
(1)ラミネートシートLAMの周囲に電解液の通路PATHを形成することで、この通路PATHを細く小さく形成することができる。この結果、通路PATHを封鎖した後に残る部分は少なくて済むので、ラミネートシートLAMの部材の無駄が少なく、製造コストの増加を抑制することができる。
(2)封鎖した通路PATHの一部または全部を切断除去することで、細く小さく形成できる通路PATHの切断除去する部分を少なくすることができる。この結果、ラミネートシートLAMの部材の無駄が少なく、製造コストの増加を抑制することができる。
(3)電池外装容器の開口部OPを上にしたときに、電池外装容器の下方から電解液を注入することで、空気の残留がなく効率良く電極積層体または電極捲回体ELを脱気することができるとともに、電解液の飛散による液量減少や周囲の汚染を抑制して注液することができる。
(4)電解液の通路PATHを形成する際には、電極積層体または電極捲回体ELと電池外装容器とを脱気する開口部OPも同じ工程で形成することができる。
(5)開口部OPを封鎖した後に、この封鎖した開口部OPを上にした状態から180度回転させた状態で通路PATHを封鎖することで、通路PATHに電解液が入っていないようにすることができる。
(6)電解液を注入する前に、通路PATHにチューブを挿入することで、この通路PATHからも電極積層体または電極捲回体ELと電池外装容器を脱気することができる。この結果、開口部OPだけでなく、電池外装容器の下方からも脱気することができ、脱気の効率を上げることができる。
(7)電池外装容器の開口部OPを上にしたときに、電解液を電池外装容器の下方から電極積層体または電極捲回体ELに向かうように注入することで、電極積層体または電極捲回体ELを効率よく脱気することができるとともに、電解液の飛散による液量減少を抑制することができる。
(8)電解液の注液中あるいは注液後に、電池外装容器全体を減圧または加圧することで、電解液の注液と電極積層体または電極捲回体ELへの液含浸を促進することができる。
(9)電解液の注液の前後あるいは注液中に、電極積層体または電極捲回体ELと電池外装容器を加熱または冷却することで、電解液の注液と電極積層体または電極捲回体ELへの液含浸を促進することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態2では、電池外装容器であるラミネートシートの周囲に電解液の通路を形成する電池の製造方法とその電池として、実施の形態1とは別の構成の例を説明する。
図4を用いて、本実施の形態2である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要について説明する。図4は、この電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図(正面透視図)である。図4は、実施の形態1の図1(b)(c)に対応する図である。
実施の形態1では、電池外装容器の上部の開口部OPが一端から他端まで広く開いており、また、電極タブTABが電池外装容器の上部の開口部OPから出ていたが、本実施の形態2では、図4に示すように、電池外装容器の上部の開口部OPが狭く、また、電極タブTABが上部の開口部OPではなく電池外装容器の横から出ている場合を示す。
電池外装容器の上部の開口部OPが狭いことと、電極タブTABが上部の開口部OPではなく横から出ていること以外、電極積層体または電極捲回体EL、電解液、ラミネートシートLAMを使用した電池外装容器や、電解液の通路PATHの形成方法や形成する位置、注液方法、通路PATHの封鎖方法などは実施の形態1と同じである。
開口部OPを狭くしておいたり、電極タブTABの部分を先に密着させておいた方が、電極タブTABと電池外装容器とのずれを防止したり、後のヒートシール処理によるヒートシール部HTSの形成が容易になる場合がある。
通路PATHを封鎖した後、ラミネートシートLAMの周囲の余白となる通路PATHの一部または全部を残しておいてもよいし、切断除去してもよい。
実施の形態1と同様に、電解液の通路PATHは細く小さくてよいので、通路PATHを封鎖した後に残る部分または切断除去する部分は少なくて済み、ラミネートシート部材の無駄が少なく、製造コストの増加を抑制することができる。
上述した特許文献1のように電池外装容器の一端に液収容部あるいは液溜めを作る方法では、電池が大型化して必要な電解液量が増えると、それに比例して液収容部あるいは液溜めの容積を増やす必要があり、ラミネートシート部材の無駄も増えてしまう。
一方、本実施の形態2では、電池が大型化して必要な電解液量が増えても、電解液の通路PATHは細く小さいままで済むので、ラミネートシート部材の無駄になる分が必要電解液量に比例して増えることはない。
以上説明した本実施の形態2のように電池を製造することによって、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、実施の形態1と異なる効果として、電池外装容器の上部の開口部OPが狭く、電極タブTABが電池外装容器の横から出ているので、電極タブTABと電池外装容器とのずれを防止したり、ヒートシール部HTSの形成を容易に行うことができる。
[実施の形態3]
本実施の形態3では、実施の形態1,2とは別の構成の例として、電解液の通路が電池外装容器の上部開口部に対して左右に複数あり、また、電池外装容器の下部にある電解液の出口が複数ある場合を示す。
図5および図6を用いて、本実施の形態3である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要について説明する。図5は、この電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図(正面透視図)である。図5は、実施の形態1の図1(b)(c)に対応する図である。
本実施の形態3では、図5に示すように、電解液の通路PATHが電池外装容器の上部の開口部OPに対して左右に複数(図5では左側に1本、右側に1本で、合計2本の例を図示)形成され、また、電池外装容器の下部にある電解液の出口が複数(図5では4箇所の例を図示)形成されている。
電解液の通路PATHの形成方法は、実施の形態1と同様である。ヒートシールの方法および装置は、ラミネートシートを電池外装容器に用いる一般的な場合と同じである。ヒートシールする場所を変えながらヒートシールを複数回に分けて通路PATHを形成してもよいし、ヒートシール装置の圧着部分の形状を工夫して、一回の圧着で通路PATHが形成できるようにしてもよい。
電解液の通路PATHが電池外装容器の上部の開口部OPに対して左右両方に複数あり、また、電池外装容器の下部にある電解液の出口が複数ある(図5に矢印で図示)ことにより、電解液の注入前の脱気の効率も上がる。
また、複数の通路PATHから電解液が注入できるので、電解液の注入時間が短縮でき、この電解液の注入時の圧力損失も減る。
通路PATHを封鎖した後、ラミネートシートLAMの周囲の余白となる通路PATHの一部または全部を残しておいてもよいし、切断除去してもよい。
通路PATHが複数になっても、実施の形態1と同様に、電解液の通路PATHは細く小さくてよいので、通路PATHを封鎖した後に残る部分または切断除去する部分は少なくて済み、ラミネートシート部材の無駄が少なく、製造コストの増加を抑制することができる。
上述した特許文献1のように電池外装容器の一端に液収容部あるいは液溜めを作る方法では、電池が大型化して必要な電解液量が増えると、それに比例して液収容部あるいは液溜めの容積を増やす必要があり、ラミネートシート部材の無駄も増えてしまう。
一方、本実施の形態3では、電池が大型化して必要な電解液量が増えても、電解液の通路PATHは細く小さいままで済むので、ラミネートシート部材の無駄になる分が必要電解液量に比例して増えることはない。
以上説明した本実施の形態3のように電池を製造することによって、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、実施の形態1と異なる効果として、電解液の通路PATHが電池外装容器の上部の開口部OPに対して左右に複数あり、電池外装容器の下部にある電解液の出口が複数あるので、電解液の注入前の脱気の効率が上がり、また、電解液の注入時間が短縮でき、この電解液の注入時の圧力損失も減らすことができる。
また、本実施の形態3では、電極タブTABを上部ではなく、下部に持ってくる変形例も可能である。図6は、この変形例である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図であり、(a)はこの電池を示す正面透視図、(b)は(a)のB−B’切断面を示す断面図である。図6(a)は、実施の形態1の図1(b)(c)に対応する図である。
図5に示したような電極タブTABが上部の場合は、電極積層体または電極捲回体ELが固定されていないため、うまく仮固定しないと下方へずり落ちてくる恐れがある。図6のように電極タブTABを下部にすると、電極積層体または電極捲回体ELが固定され、電極積層体または電極捲回体ELの下部とラミネートシートLAMの内壁との間に電解液が流通する隙間(詳細には図6(b)に図示する楕円部分)を確保あるいは調整できる。なお、図5に示したような電極タブTABが上部の場合でも、電極タブTABを上方から掴んだり、ラミネートシートLAMの上から電極積層体または電極捲回体ELを軽く押さえ込めば、ずり落ちは防止できる。
[実施の形態4]
本実施の形態4では、実施の形態1〜3とは別の構成の例として、電池外装容器の上部開口部に対して、電池外装容器の下方にある電解液の出口が、電池外装容器内の真下から上に向かうのではなく、電池外装容器の上部開口部に対して電池外装容器の左右の横方向かつ下方にある場合を示す。
図7および図8を用いて、本実施の形態4である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要について説明する。図7は、この電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図(正面透視図)である。図7は、実施の形態1の図1(b)(c)に対応する図である。また、電極タブが上部開口部ではなく、電池外装容器の下部から出ている場合を示す。
本実施の形態4では、図7に示すように、電解液の通路PATHが電池外装容器の上部の開口部OPに対して左右両方に複数(図7では左側に1本、右側に1本で、合計2本の例を図示)形成され、この通路PATHは電極積層体または電極捲回体ELの下部とラミネートシートLAMの内壁との間の隙間に繋がっている。電解液は、この隙間から電極積層体または電極捲回体ELに向かうように出される(図7に矢印で図示)。すなわち、電解液の出口は、電池外装容器の左右の横方向かつ下方にある構造となっている。
電解液の通路PATHの形成方法は、実施の形態1と同様である。ヒートシールの方法および装置は、ラミネートシートLAMを電池外装容器に用いる一般的な場合と同じである。ヒートシールする場所を変えながらヒートシールを複数回に分けて通路PATHを形成してもよいし、ヒートシール装置の圧着部分の形状を工夫して、一回の圧着で通路PATHが形成できるようにしてもよい。
ここでは図示していないが、電池外装容器の左右の横方向かつ下方にある電解液の出口が複数に分岐していてもよい。
また、図7では、電池外装容器の左右両方の横方向かつ下方に通路PATHがある場合を示したが、左右どちらか片方だけにあってもよい。さらに、電極タブTABが電池外装容器の下部から出るのではなく、電池外装容器の上部の開口部OPから出ていてもよい。
通路PATHを封鎖した後、ラミネートシートLAMの周囲の余白となる通路PATHの一部または全部を残しておいてもよいし、切断除去してもよい。
通路PATHが複数あっても、実施の形態1と同様に、電解液の通路PATHは細く小さくてよいので、通路PATHを封鎖した後に残る部分または切断除去する部分は少なくて済み、ラミネートシート部材の無駄が少なく、製造コストの増加を抑制することができる。
上述した特許文献1のように電池外装容器の一端に液収容部あるいは液溜めを作る方法では、電池が大型化して必要な電解液量が増えると、それに比例して液収容部あるいは液溜めの容積を増やす必要があり、ラミネートシート部材の無駄も増えてしまう。
一方、本実施の形態4では、電池が大型化して必要な電解液量が増えても、電解液の通路PATHは細く小さいままで済むので、ラミネートシート部材の無駄になる分が必要電解液量に比例して増えることはない。
図7のように、電解液の通路PATHが電池外装容器の上部の開口部OPに対して左右両方に複数あることにより、電解液の注入前の脱気の効率も上がる。
また、複数の通路PATHから電解液が注入できるので、電解液の注入時間が短縮でき、この電解液の注入時の圧力損失も減る。
さらに、電池外装容器の下側まで通路PATHを作らないため、通路PATHの長さが短くて済むことによって、電解液の注入時間が短縮でき、この電解液の注入時の圧力損失も減る。
また、電池外装容器の下側に通路PATHを作らない分、下側の余白部分を狭く少なくすることができるので、ラミネートシート部材の無駄を一層減らすことができる。
以上説明した本実施の形態4のように電池を製造することによって、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、実施の形態1と異なる効果として、電池外装容器の下方にある電解液の出口が、電池外装容器の上部の開口部OPに対して電池外装容器の左右の横方向かつ下方にあることで、電解液の注入前の脱気の効率が上がり、また、電解液の注入時間が短縮でき、この電解液の注入時の圧力損失も減らすことができる。この実施の形態1と異なる効果は、実施の形態3と比較しても、より一層顕著である。
また、本実施の形態4では、電極タブTABを下部ではなく、上部に持ってくる変形例も可能である。図8は、この変形例である電池の模式的な構造と製造プロセスの概要を示す図(正面透視図)である。図8は、実施の形態1の図1(b)(c)に対応する図である。
図8のような電極タブTABが上部の場合は、電極積層体または電極捲回体ELが固定されていないため、うまく仮固定しないと下方へずり落ちてくる恐れがある。図7に示したように電極タブTABを下部にすると、電極積層体または電極捲回体ELが固定され、電極積層体または電極捲回体ELの下部とラミネートシートLAMの内壁との間に電解液が流通する隙間を確保あるいは調整できる。
このように、電極タブTABが上部の場合は、電極タブTABを上方から掴んだり、ラミネートシートLAMの上から電極積層体または電極捲回体ELを軽く押さえ込めば、ずり落ちは防止できる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
前記実施の形態では、主にリチウムイオン電池を例に挙げて、本発明の技術的思想を説明したが、本発明の技術的思想は、リチウムイオン電池に限らず、様々な電池に応用することができる。
EL 電極積層体または電極捲回体
HTS ラミネートシートのヒートシール部
LAM ラミネートシート
OP ラミネートシートの開口部
PATH 通路
TAB 電極タブ

Claims (8)

  1. 電極積層体または電極捲回体と、電解液と、電池外装容器としてのラミネートシートとを有する電池の製造方法であって、
    前記電極積層体または電極捲回体を挟み込んだ前記ラミネートシートの周囲に前記電解液の通路を形成する工程と、
    前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を通して前記電解液を注入する工程と、
    前記電解液の注液完了後に前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を封鎖する工程と
    記封鎖した通路の一部または全部を切断除去する工程と、を有し、
    前記電解液を注入する工程は、前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を通して、前記電池外装容器の上部にある開口部を上にしたときに、前記電池外装容器の下方または横方向から前記電解液を注入することを特徴とする電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電池の製造方法において、
    前記電解液の通路を形成する工程は、前記電解液の通路と、前記電極積層体または電極捲回体と前記電池外装容器とを脱気する開口部とを形成することを特徴とする電池の製造方法。
  3. 請求項に記載の電池の製造方法において、
    前記通路を封鎖する工程は、前記開口部を封鎖した後に、前記封鎖した開口部を上にした状態から180度回転させた状態で前記通路を封鎖することを特徴とする電池の製造方法。
  4. 電極積層体または電極捲回体と、電解液と、電池外装容器としてのラミネートシートとを有する電池の製造方法であって、
    前記電極積層体または電極捲回体を挟み込んだ前記ラミネートシートの周囲に前記電解液の通路を形成する工程と、
    前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を通して前記電解液を注入する工程と、
    前記電解液の注液完了後に前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を封鎖する工程と、を有し、
    前記電解液の通路を形成する工程は、前記電解液の通路を、前記電池外装容器の上部にある開口部に対して左右に複数形成し、前記電池外装容器の下部にある前記電解液の出口を複数形成することを特徴とする電池の製造方法。
  5. 電極積層体または電極捲回体と、電解液と、電池外装容器としてのラミネートシートとを有する電池の製造方法であって、
    前記電極積層体または電極捲回体を挟み込んだ前記ラミネートシートの周囲に前記電解液の通路を形成する工程と、
    前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を通して前記電解液を注入する工程と、
    前記電解液の注液完了後に前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を封鎖する工程と、を有し、
    前記電解液を注入する工程は、前記電解液を注入する前に、前記通路にチューブを挿入し、前記通路を通して前記電極積層体または電極捲回体と前記電池外装容器を脱気し、
    さらに、前記電解液を注入する工程は、前記ラミネートシートの周囲に形成した前記通路を通して、前記電池外装容器の上部にある開口部を上にしたときに、前記電池外装容器の下方または横方向から前記電解液を注入することを特徴とする電池の製造方法。
  6. 請求項1に記載の電池の製造方法において、
    前記電解液を注入する工程は、前記電池外装容器の上部にある開口部を上にしたときに、前記電解液を前記電池外装容器の下方または横方向から前記電極積層体または電極捲回体に向かうように注入することを特徴とする電池の製造方法。
  7. 請求項1に記載の電池の製造方法において、
    前記電解液を注入する工程は、前記電解液の注液中あるいは注液後に、前記電池外装容器全体を減圧または加圧することを特徴とする電池の製造方法。
  8. 請求項1に記載の電池の製造方法において、
    前記電解液を注入する工程は、前記電解液の注液の前後あるいは注液中に、前記電極積層体または電極捲回体と前記電池外装容器を加熱または冷却することを特徴とする電池の製造方法。
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