JP5976054B2 - 巻線機 - Google Patents

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Description

この発明は、多極電機子(主としてモータコア)の各極にコイル形成用の線材を巻き付けるための巻線機に関する。
従来、多極電機子(例えばモータコア)の極にコイル形成用の線材を巻きつけるために巻線機が広く使用されている。その際、モータ等、電機子の限られた大きさで、性能をより良くするためには、多極電機子となるワークの限られた巻線スペースにいかに多くの巻線ができるかということが巻線機に要求される。つまり、極に対し隣り合う線材同士を隙間なく整列して巻く、いわゆる整列巻の実現が求められる。
それには、例えば線材が繰り出されるノズルを昇降するモータと、ワークの割出回転をするモータとを別々に駆動すれば、ノズルとワークの相対的な移動によって極への巻線を短時間でかつ隙間なく巻き付けることが可能となる。すなわち、モータで駆動される昇降部材(昇降体)に取り付けられたノズルが上下運動し、別のモータで駆動されるワーク駆動軸(モータ軸やスピンドル軸)に取り付けられたワークが割出回転運動することにより、線材が極に巻き付けられる。本明細書では、整列巻を実現するためのこのような巻線方法(巻線機)をノズル・ワーク駆動式と呼ぶこととする。
このノズル・ワーク駆動式の巻線機によれば、
・リング状の外周を形成するヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有するインナーコアタイプ(すなわちアウターステータタイプ)のワーク;
・リング状の内周を形成するヨーク部から半径方向外側に突出する複数の極を有するアウターコアタイプ(すなわちインナーステータタイプ)のワーク;
のいずれに対しても整列巻が可能となる。
ところで、特許文献1,2に記載の巻線機は、1個のモータで1個の昇降部材を駆動し2個のノズルを昇降移動させる一方、2個のモータで対応する各々のワークを割出回転させることによって、同時に2個のアウターコアタイプのワークに巻線を行う。そして、これらのノズル・ワーク駆動式巻線機において多極電機子の生産能率の向上を期す場合には、1モータ(1昇降部材)で駆動するノズル数(ヘッド数とも呼び、連で表すこともある)を3連以上に増設する。
また近年では、例えば高性能高出力のEV(電気自動車)用大容量モータ等の需要拡大により、さらに高速(例えばノズル昇降用モータ及びワーク割出回転用モータの回転数が各々1000rpm以上)で高精度(隙間なく詰めて巻く)に巻線する必要性が高まっている。あるいは、太い線材(例えば線径1mm以上)を大型のワーク(例えば外径100mm以上)に巻線する場合もある。
このように、ノズルヘッド数の多連化に加えて、ワークの大径化、線材の太線化等によって装置が大型化すると、巻線時の高速での往復運動に耐えられるように昇降部材等の堅牢化(強度向上)を図る必要があり、さらなる大型化・重量化を招来する。その結果、昇降部材の往復運動に伴う衝撃荷重が増大して精度低下(巻線隙間)や振動・騒音を生じたり、昇降用モータ(昇降部材の駆動源)に加わる駆動負荷が増大してモータの仕様変更や交換を余儀なくされるおそれがある。
特開2002−057056号公報(図1,図2) 特許第5530243号公報(図14)
本発明の課題は、昇降体の往復運動に伴う衝撃荷重や昇降体駆動源に加わる駆動負荷を分散して支持することにより、大型化・重量化を抑制し、振動・騒音を軽減することのできる巻線機を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の巻線機は、
リング状のヨーク部から半径方向外側に突出する複数の極を有するワークが周方向に往復回転運動し、コイル形成用の線材を保持するノズルがワークの極の間のスロットを厚み方向に往復上下運動することにより、ワークの極に対して前記ノズルが相対的な周回移動を行うとともに、前記線材を極に1周巻き付ける毎に前記ノズルが所定ピッチ(例えば線径)でワークの半径方向に相対的に送られることによって前記線材を各極にらせん状に巻き付ける巻線機であって、
ワークの外側で鉛直方向に設定された昇降基準線に沿って往復上下運動することにより、直接又は他部材を介して間接的に保持する前記ノズルをワークの外側で昇降移動させるための昇降体と、
その昇降体を搭載するノズルテーブルと、
鉛直方向に配置されたワーク駆動軸(例えばモータ軸)の上端部に固定されるとともにワークを固定状態に保持し、ワークの割出回転を行うワークホルダと、
そのワークホルダを搭載するワークテーブルと、を備え、
前記ノズル及び前記ワークホルダの組が前記昇降基準線と直交する配列方向に沿って複数組配置され、複数のワークに対する巻線が一斉に実行されるとともに、
前記ノズルテーブルには複数(例えば偶数)の前記昇降体が前記配列方向に沿って搭載され、各昇降体は1又は複数(例えば1個又は2個)の前記ノズルを有し、対応する昇降体駆動源により駆動されて対応する前記昇降基準線に沿って上下運動する一方、前記ワークテーブルには複数(例えば偶数)のワークが前記配列方向に沿って搭載され、各ワークは対応するワーク駆動源により回転駆動され、
複数の前記昇降体を個別に上下運動させるための前記昇降基準線が前記配列方向に沿って配置され、
複数の前記昇降体は、複数(例えば2群)の昇降体群に振り分けられ、かつ巻線状態において前記昇降体群毎に所定の巻線位相差を有しつつ、対応する前記昇降体駆動源により個別に昇降駆動されることを特徴とする。
上記巻線機によれば、複数(例えば偶数)の昇降体は対応する昇降体駆動源により駆動され、対応する昇降基準線に沿って上下運動するとともに、ワークの配列方向に沿って配置される。このように、昇降体は個別駆動により大型化・重量化が抑制され、昇降体の往復運動に伴う衝撃荷重や昇降体駆動源に加わる駆動負荷が分散して支持される。しかも、複数に振り分けられた昇降体(群)に巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体の往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降体駆動源に加わる駆動負荷の集中を避けることができる。
なお、2つの昇降体(群)の場合、巻線位相差は通常180°(逆位相)に設定されるが、他の位相差に設定してもよい。また、多くの場合昇降体駆動源やワーク駆動源にはサーボモータ、ステッピングモータ等のモータが使用される。
一例として、ノズルテーブル又はワークテーブルは単一の送り駆動源により送り駆動され、単一の送り基準線に沿って往復水平移動する。
このように、複数の昇降体(群)に巻線位相差を設ける場合であっても、単一の送り駆動源により送り駆動がなされるので、送り機構を簡素に構成できる。なお、多くの場合送り駆動源にはサーボモータ、ステッピングモータ等のモータが使用される。
具体的には、巻線状態において、送り駆動源は各昇降体群間に形成された巻線位相差の最大値の中間位相でノズルテーブル又はワークテーブルの送りを行うことができる。なお、2つの昇降体(群)の巻線位相差が180°に設定されているとき、例えば送りの位相差を±30°〜±150°の範囲(望ましくは中央値の±90°を含む所定範囲)に設定することができる。
他の例として、ノズルテーブル又はワークテーブルは昇降体群の振り分け数(例えば2群)に対応して複数(例えば2つ)に分割して配置され、分割された各々のテーブルは対応する送り駆動源により送り駆動され、対応する送り基準線に沿って往復水平移動する。
このように、複数の昇降体(群)に対応した複数のテーブルを個別に送り駆動するので、送りに乱れ(隙間や重なり)のない高精度な巻線を行える。
具体的には、巻線状態において、各々の送り駆動源は各昇降体群間に形成された巻線位相差に応じて対応するテーブルの送りを行うことができる。例えば、2つの昇降体(群)の巻線位相差が180°に設定されているとき、送りの位相差も180°に設定すればよい。
本発明の巻線機によって巻線されるアウターコアタイプのワークを示す説明図。 巻線の基本原理を示す説明図。 本発明に係る巻線機の第1実施例を示す平面図。 図3の巻線機の正面図。 図3の巻線機の右側面図。 巻線機におけるノズル及びワークの作動説明図。 図6に続く作動説明図。 図7に続く作動説明図。 図8に続く作動説明図。 図9に続く作動説明図。 図10に続く作動説明図。 本発明に係る巻線機の第2実施例を示す平面図。 図12の巻線機の正面図。 図12の巻線機の右側面図。 本発明に係る巻線機の第3実施例を示す平面図。 図15の巻線機の正面図。 図15の巻線機の右側面図。 本発明に係る巻線機の第4実施例を示す平面図。 図18の巻線機の正面図。 図18の巻線機の右側面図。 本発明に係る巻線機の第5実施例を示す平面図。 図21の巻線機の正面図。 本発明に係る巻線機の第6実施例を示す平面図。 図23の巻線機の正面図。 本発明に係る巻線機の第7実施例を示す平面図。 第1実施例の巻線機の作動の概略を表わすタイミングチャート。 第2実施例の巻線機の作動の概略を表わすタイミングチャート。
図1に示すように、本発明の巻線機によって巻線されるアウターコアタイプ(すなわちインナーステータタイプ)のワーク1は、リング状のヨーク部YからスロットS(隣接する極P間に形成された、厚み方向に貫通する隙間)を隔てて半径方向外側に突出する複数の極Pを有する。複数の極Pは、例えばu,v,w3相×各相当たり3極=計9極が周方向に等間隔で配置されるが、図1ではそのうちの一部のみが記載されている(後述する図2の極Pについても同様である)。
図2は巻線の基本原理を示す説明図である。中心軸線O1の周りにワーク1が周方向に往復回転運動し、コイル形成用の線材Wを保持するノズル10がワーク1の極Pの間のスロットSを厚み方向に往復上下運動することにより、ワーク1の極Pに対してノズル10が相対的な周回移動を行う。そして、線材Wを極Pに1周巻き付ける毎にノズル10を所定ピッチ(例えば線材Wの径)でワーク1の半径方向に送ることによって線材Wを極Pにらせん状に巻き付ける。極Pに対するノズル10の相対的な周回移動を行いつつ半径方向への送りを反復することによって、極Pに線材Wが複数層にわたって巻き付けられる。さらに、同じ相(例えばu相)の他の極Pに移って順次巻線が行われ、u,v,wの相毎に各極Pへ巻線して、製品である多極電機子(例えばモータコア)が得られる。
(第1実施例)
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。図3は本発明に係る巻線機の第1実施例を示す平面図、図4はその正面図、図5はその右側面図であり、水平に配置された固定テーブル4の左右方向x(配列方向)に沿って複数(この実施例では2個)のワーク1L,1Rが配列されている。また、固定テーブル4上で左右方向xと直交する方向に前後方向y、固定テーブル4と直交する方向に上下方向z(鉛直方向)が設定されている。なお、この実施例で左右両側に配置されたものには、例えばワーク1L,1Rのように符号の末尾にL,Rを付して区別する。
第1実施例に示す巻線機100は、往復上下運動する昇降体20L,20Rと、昇降体20L,20Rがノズル10L,10Rを各々保持する際に連結部材として機能する回動ブラケット30L,30R(ノズルブラケット)と、ノズル10L,10Rの送りを行う送り移動テーブル40(ノズルテーブル)と、送り方向と直交する方向へ水平移動する前後移動テーブル50(クロス移動テーブル)と、前後移動テーブル50を搭載する水平状のベースフレーム6と、ワーク1L,1Rを各々保持するワークホルダ3L,3Rと、ワークホルダ3L,3Rを搭載する水平状の固定テーブル4(ワークテーブル)と、を備える。
具体的には、昇降体20L,20Rは、各々のワーク1L,1Rの外側で鉛直方向zに設定された昇降基準線VLL,VLRに沿って昇降する。回動ブラケット30L,30Rは、一方側が昇降体20L,20Rに対して前後方向yの回動軸線O2L,O2Rの周りに回動可能に取り付けられる。また、回動ブラケット30L,30Rは、他方側にノズル10L,10Rを保持し、昇降体20L,20Rの上下運動に伴いノズル10L,10Rをワーク1L,1Rの外側で昇降移動させる。ワークホルダ3L,3Rは、鉛直方向zに配置されたモータ軸2L,2R(ワーク駆動軸)の上端部に固定されるとともにワーク1L,1Rを固定状態に保持し、中心軸線O1L,O1Rの周りにワーク1L,1Rの割出回転を行う。
送り移動テーブル40は、昇降体20L,20Rと回動ブラケット30L,30Rとを搭載し、左右方向x(すなわちワーク配列方向)へのノズル10L,10Rの送りを行う。前後移動テーブル50は、送り移動テーブル40を搭載し、送り方向と直交する方向(すなわち前後方向y)へ水平移動する。
第1実施例に示す巻線機100の構造について、図3〜図5を参照してさらに詳細に説明する。2個のワーク1L,1Rの割出回転用モータ5L,5R(ワーク駆動源)が固定テーブル4の配列方向xに沿って配列され、各モータ5L,5Rは固定テーブル4の下面側にそれぞれ固定配置される。割出回転用モータ5L,5Rに直結され、固定テーブル4に回転可能に支持されたモータ軸2L,2Rが固定テーブル4から上方に突出し、その上端部にはワークホルダ3L,3Rが固定されている。ワーク1L,1Rがワークホルダ3L,3Rに載置され固定状態に保持されて、モータ軸2L,2Rと共通の中心軸線O1L,O1Rの周りに割出回転を行う。
固定テーブル4の後方にはベースフレーム6が水平状に固定配置され、ベースフレーム6の上方には前後移動テーブル50が載置されている。この前後移動テーブル50は、ベースフレーム6に載置固定された前後移動用モータ51(クロス駆動源)と、そのモータ51に連結されたカップリング52(クロス駆動機構)及びボールねじ53(クロス駆動機構)とによって、前後方向yへ往復水平移動可能である。また、ベースフレーム6と前後移動テーブル50との間には、直線状レール及び直線状キャリッジを含む一対の直線ガイド95が前後方向yに沿って設けられている。
前後移動テーブル50の上方には送り移動テーブル40が載置されている。この送り移動テーブル40は、前後移動テーブル50に載置固定された送り用モータ41(送り駆動源)と、そのモータ41に連結されたカップリング42(送り駆動機構)及びボールねじ43(送り駆動機構)とによって、左右方向xの送り基準線FLに沿って送り移動(往復水平移動)可能である。また、前後移動テーブル50と送り移動テーブル40との間には、直線状レール及び直線状キャリッジを含む一対の直線ガイド94が左右方向xに沿って設けられている。
送り移動テーブル40には2棟の四角筒状の縦フレーム24L,24Rが立設され、各々の縦フレーム24L,24Rの内部には上下一対のタイミングプーリ22(昇降体駆動機構)にタイミングベルト23(昇降体駆動機構)が掛け渡されている。縦フレーム24L,24Rの後面下部に固定された昇降用モータ21L,21R(昇降体駆動源)が下側のタイミングプーリ22を正逆回転駆動し、タイミングベルト23に固定された昇降体20L,20Rは鉛直方向zの昇降基準線VLL,VLRに沿って昇降移動可能である。また、縦フレーム24L,24Rと昇降体20L,20Rとの間には、直線状レール及び直線状キャリッジを含む一対の直線ガイド92が上下方向zに沿って設けられている。
昇降体20L,20Rの前面側には回動用エアシリンダ31L,31R(回動駆動源)が上下方向zに沿って配置され、その伸縮によって回動ブラケット30L,30Rが前後方向yの回動軸線O2L,O2Rの周りに回動して姿勢変換可能である。そして、回動ブラケット30L,30Rの姿勢変換時には、巻線工程前においては、絡げ、線端カット及び捨て線等の線処理が実行され、巻線工程途中や巻線工程後においては、渡り線形成、絡げ、クランプ、線端カット等の線処理が実行される。回動ブラケット30L,30Rの姿勢変換構造や線処理工程の具体的な内容については、例えば特許第4208530号公報,特許第4628052号公報,特開2003−164124号公報と同様であるため説明を省略する。
図3〜図5に示すように、第1実施例の巻線機100では、ノズル10L,10R(回動ブラケット30L,30R)及びワークホルダ3L,3Rの組が配列方向xに沿って2組配置され、2個のワーク1L,1Rに対して2個のノズル10L,10Rによる巻線が一斉に実行される。
巻線機100の送り移動テーブル40には2個の昇降体20L,20Rが配列方向xに沿って搭載され、各昇降体20L,20Rは1個の回動ブラケット30L,30Rを有し、対応する昇降用モータ21L,21Rにより駆動されて対応する昇降基準線VLL,VLRに沿って上下運動する。一方、固定テーブル4には2個のワーク1L,1Rが配列方向xに沿って搭載され、各ワーク1L,1Rは対応する割出回転用モータ5L,5Rにより回転駆動される。2個の昇降体20L,20Rを個別に上下運動させるための昇降基準線VLL,VLRが、配列方向xに沿って一列状に配置されている。
上記巻線状態において各々の昇降体20L,20R(すなわちノズル10L,10R)は、対応する昇降用モータ21L,21Rにより180°の巻線位相差(逆位相)を有して個別に昇降駆動される。また、既述の通り、送り移動テーブル40は単一の送り用モータ41により送り駆動され、単一の送り基準線FLに沿って往復水平移動する。そこで、巻線状態において送り用モータ41は、2個の昇降体20L,20R(すなわちノズル10L,10R)に形成された巻線位相差(180°)の中央値(位相差±90°)を含む所定の範囲(例えば±45°)で送り移動テーブル40の送りを行う。
巻線機100の巻線工程におけるノズル及びワークの作動について、図26のタイミングチャートにより概略を説明する。図26において、横軸は時間t、縦軸は各モータの回転数n(±は回転方向)で表わされる。ただし、時間軸の目盛は等間隔でなくてもよく、回転数の増加側と減少側とでグラフの傾斜が異なっていてもよい。また、巻線時において図26のノズル10L,10Rは、ワーク1L,1Rの極PL,PRの周りでLa→Lb→…→Lh→La,Ra→Rb→…→Rh→Raの順に相対的な循環移動を繰り返すので、各ノズル位置符号の末尾に何巻目の通過であるかを示す数字を付して区別する(例えばLa1は1巻目のLa位置、Ra2は2巻目のRa位置を表わす)。なお、ノズル及びワークの作動を模式的に説明する図6〜図11も適宜参照する。
(1)左側ワーク1Lの1巻目の前半周(図26のLa1→Le1)
左側昇降用モータ21L(図3参照)及び左側割出回転用モータ5L(図5参照)の駆動回転により、左側ノズル10Lは、左側ワーク1Lの極PLの上方に位置する最上端ノズル位置La1から、極PLの一側面に沿って下降(Lb1→Lc1→Ld1)して、極PLの下方に位置する最下端ノズル位置Le1へ相対移動し、極PLの周囲右側を半周する(図6〜図8参照)。この間右側昇降用モータ21R(図3参照)及び右側割出回転用モータ5R(図5参照)は停止しているので、右側ノズル10Rは右側ワーク1Rの極PRの上方位置Ra1に待機したままである(図6〜図8参照)。
具体的には、このとき左側昇降用モータ21Lはいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転)して左側昇降体20L(図4参照)を下方駆動する。左側昇降用モータ21Lの回転数nは、最上端ノズル位置La1でn=0から急加速して途中のLc1で最大値(例えばn=+1000rpm)になり、その後急減速して最下端ノズル位置Le1で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Lは、La1で左側ワーク1Lを瞬間的に最大値(例えばn=+1000rpm)でいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転すなわち平面視左回転)した後急減速して、途中のLb1→Lc1→Ld1間では一時停止(n=0)する。Ld1では直ちに逆方向へ回転(この実施例では負回転すなわち平面視右回転)して急加速し、Le1では最大値(例えばn=−1000rpm)に達する。
(2)左側ワーク1Lの1巻目の後半周(図26のLe1→La2)と右側ワーク1Rの1巻目の前半周(同じくRa1→Re1)
左側昇降用モータ21L及び左側割出回転用モータ5Lの駆動回転により、左側ノズル10Lは、左側ワーク1Lの極PLの下方に位置する最下端ノズル位置Le1から、極PLの他側面に沿って上昇(Lf1→Lg1→Lh1)して、極PLの上方に位置する最上端ノズル位置La2へ相対移動し、極PLの周囲左側を半周する(図8〜図10参照)。また、右側昇降用モータ21R及び右側割出回転用モータ5Rの駆動回転により、右側ノズル10Rは、右側ワーク1Rの極PRの上方に位置する最上端ノズル位置Ra1から、極PRの一側面に沿って下降(Rb1→Rc1→Rd1)して、極PRの下方に位置する最下端ノズル位置Re1へ相対移動し、極PRの周囲右側を半周する(図8〜図10参照)。
このように、右側ノズル10Rは左側ノズル10Lから180°位相遅れ(逆位相)で巻線を開始することになる。なお、左側の巻線が180°(半周)先行したLe1=Ra1のタイミングで全体を一旦停止(待機状態)した後、両ワーク1L,1Rに対する巻線を同時スタートしてもよい。
具体的には、このとき左側昇降用モータ21Lは逆方向へ回転(この実施例では負回転)して左側昇降体20Lを上方駆動する。左側昇降用モータ21Lの回転数nは、最下端ノズル位置Le1でn=0から急加速して途中のLg1で最大値(例えばn=−1000rpm)になり、その後急減速して最上端ノズル位置La2で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Lは、Le1で左側ワーク1Lを負回転(平面視右回転)の最大値(例えばn=−1000rpm)から急減速して、途中のLf1→Lg1→Lh1間では一時停止(n=0)する。Lh1では直ちに一方向へ回転(正回転すなわち平面視左回転)して急加速し、La2では最大値(例えばn=+1000rpm)に達する。
また、このとき右側昇降用モータ21Rはいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転)して右側昇降体20R(図4参照)を下方駆動する。右側昇降用モータ21Rの回転数nは、最上端ノズル位置Ra1でn=0から急加速して途中のRc1で最大値(例えばn=+1000rpm)になり、その後急減速して最下端ノズル位置Re1で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Rは、Ra1で右側ワーク1Rを瞬間的に最大値(例えばn=+1000rpm)でいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転すなわち平面視左回転)した後急減速して、途中のRb1→Rc1→Rd1間では一時停止(n=0)する。Rd1では直ちに逆方向へ回転(この実施例では負回転すなわち平面視右回転)して急加速し、Re1では最大値(例えばn=−1000rpm)に達する。
(3)左側ワーク1Lの2巻目の前半周(図26のLa2→Le2)と右側ワーク1Rの1巻目の後半周(同じくRe1→Ra2)
左側昇降用モータ21L及び左側割出回転用モータ5Lの駆動回転により、左側ノズル10Lは、左側ワーク1Lの極PLの上方に位置する最上端ノズル位置La2から、極PLの一側面に沿って下降(Lb2→Lc2→Ld2)して、極PLの下方に位置する最下端ノズル位置Le2へ相対移動し、極PLの周囲右側を半周する(図10〜図11参照)。また、右側昇降用モータ21R及び右側割出回転用モータ5Rの駆動回転により、右側ノズル10Rは、右側ワーク1Rの極PRの下方に位置する最下端ノズル位置Re1から、極PRの他側面に沿って上昇(Rf1→Rg1→Rh1)して、極PRの上方に位置する最上端ノズル位置Ra2へ相対移動することにより、右側ワーク1Rの極PRの周囲左側を半周する(図10〜図11参照)。
具体的には、このとき左側昇降用モータ21Lは再び一方向へ回転(正回転)して左側昇降体20Lを下方駆動する。左側昇降用モータ21Lの回転数nは、最上端ノズル位置La2でn=0から急加速して途中のLc2で最大値(例えばn=1000rpm)になり、その後急減速して最下端ノズル位置Le2で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Lは、La2で左側ワーク1Lを正回転(平面視左回転)の最大値(例えばn=+1000rpm)から急減速して、途中のLb2→Lc2→Ld2間では一時停止(n=0)する。Ld2では直ちに逆方向へ回転(負回転すなわち平面視右回転)して急加速し、Le2では最大値(例えばn=−1000rpm)に達する。
また、このとき右側昇降用モータ21Rは逆方向へ回転(負回転)して右側昇降体20Rを上方駆動する。右側昇降用モータ21Rの回転数nは、最下端ノズル位置Re1でn=0から急加速して途中のRg1で最大値(例えばn=−1000rpm)になり、その後急減速して最上端ノズル位置Ra2で再びn=0になる。一方、右側割出回転用モータ5Rは、Re1で右側ワーク1Rを負回転(平面視右回転)の最大値(例えばn=−1000rpm)から急減速して、途中のRf1→Rg1→Rh1間では一時停止(n=0)する。Rh1では直ちに一方向へ回転(正回転すなわち平面視左回転)して急加速し、Ra2では最大値(例えばn=+1000rpm)に達する。
そして、左側ノズル10LがLb2→Lc2→Ld2に位置する間、すなわち右側ノズル10RがRf1→Rg1→Rh1に位置する間に、送り用モータ41により送り移動テーブル40が送り駆動され、両ノズル10L,10Rは同時に両ワーク1L,1Rの半径方向へ線材WL,WRの線径分水平移動する(図3参照)。これによって、両ノズル10L,10Rには巻線の位相差(180°)の中間位相での送りが設定される。すなわち、左側ノズル10Lは1周から1/4周分進み位相(+90°)となるLc2を挟んでLb2〜Ld2の範囲で線径分の送りが行われ、右側ノズル10Rは1周から1/4周分遅れ位相(−90°)となるRg1を挟んでRf1〜Rh1の範囲で線径分の送りが行われることになる。つまり、この実施例での送りの位相差は、巻線の位相差(180°)の中央値(±90°)を含む所定の範囲(例えば±45°)に設定されている。
このように、両昇降体20L,20R(両ノズル10L,10R)に180°(逆位相)の巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体20L,20Rの往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降用モータ21L,21Rに加わる駆動負荷の集中を避けることができる。しかも、単一の送り用モータ41により送り駆動がなされるので、カップリング42、ボールねじ43等の送り駆動機構を簡素に構成できる。なお、巻線の位相差は180°以外に設定することができ、送りの位相差(±90°±45°)や送りのピッチ(線径)も変更できる。
ところで、送りは1周の巻線が行われる毎(巻線周期毎)に送りピッチ分(例えば線径相当分)の半径方向移動が行われれば事足りる。したがって、図26の一点鎖線に示すように、送り用モータ41’が巻線開始直後(又は一定時間経過後)から連続駆動することにより、巻線作動中のノズル10L,10R(図6〜図11参照)を含む送り移動テーブル40を所定の向き(例えば半径方向外側)にゆっくりと連続移動させてもよい。この実施例では、ノズル10L,10Rの移動量が、上記した左側ノズル10LのLc2位置(=右側ノズル10RのRg1位置)付近で送りピッチに達するように継続的に送りを行えばよい。この場合、送り用モータ41’がいずれか一方向へ連続回転(この実施例では正回転)して半径方向外側に向けて複数回の送りを行った後、送り用モータ41’が逆方向へ連続回転(この実施例では負回転)して半径方向内側に向けて複数回の送りを行うことによって2層目の巻線が実行される。
以上で説明したように、第1実施例の巻線機100は2個の昇降体20L,20Rを備え、これらの昇降体20L,20Rは各々が昇降体群を構成している。すなわち、この実施例における昇降体群の(振り分け)数は2である。
(第2実施例)
図12は本発明に係る巻線機の第2実施例を示す平面図、図13はその正面図、図14はその右側面図であり、水平に配置された固定テーブル4の左右方向x(配列方向)に沿って複数(この実施例では2個)のワーク1L,1Rが配列されている。なお、第1実施例と同様に、この実施例で左右両側に配置されたものには、例えばワーク1L,1Rのように符号の末尾にL,Rを付して区別する。
第2実施例に示す巻線機200は、往復上下運動する昇降体20L,20Rと、昇降体20L,20Rがノズル10L,10Rを各々保持する際に連結部材として機能する回動ブラケット30L,30R(ノズルブラケット)と、ノズル10L,10Rの送りを個別に行う送り移動テーブル40L,40R(ノズルテーブル)と、送り方向と直交する方向へ水平移動する前後移動テーブル50(クロス移動テーブル)と、前後移動テーブル50を搭載する水平状のベースフレーム6と、ワーク1L,1Rを各々保持するワークホルダ3L,3Rと、ワークホルダ3L,3Rを搭載する水平状の固定テーブル4(ワークテーブル)と、を備える。
このように、この実施例では2つに分割した送り移動テーブル40L,40Rが設けられている。左側の送り移動テーブル40Lは昇降体20Lと回動ブラケット30Lとを搭載し、左右方向x(ワーク配列方向)へのノズル10Lの送りを行う一方、右側の送り移動テーブル40Rは昇降体20Rと回動ブラケット30Rとを搭載し、左右方向xへのノズル10Rの送りを行う。前後移動テーブル50は、送り移動テーブル40L,40Rを搭載し、送り方向と直交する方向(前後方向y)へ水平移動する。また、送り移動テーブル40L,40Rには四角筒状の縦フレーム24L,24Rがそれぞれ立設されている。
各送り移動テーブル40L,40Rは、前後移動テーブル50に載置固定された送り用モータ41L,41R(送り駆動源)と、そのモータ41L,41Rに連結されたカップリング42(送り駆動機構)及びボールねじ43(送り駆動機構)とによって、左右方向xの送り基準線FLL,FLRに沿って送り移動(往復水平移動)可能である。また、前後移動テーブル50と送り移動テーブル40L,40Rとの間には、直線状レール及び直線状キャリッジを含む一対の直線ガイド94が左右方向xに沿って設けられている。
図12〜図14に示すように、第2実施例の巻線機200でも、ノズル10L,10R(回動ブラケット30L,30R)及びワークホルダ3L,3Rの組が配列方向xに沿って2組配置され、2個のワーク1L,1Rに対して2個のノズル10L,10Rによる巻線が一斉に実行される。
上記巻線状態において各々の昇降体20L,20R(すなわちノズル10L,10R)は、対応する昇降用モータ21L,21R(昇降体駆動源)により180°の巻線位相差(逆位相)を有して個別に昇降駆動される。また、既述の通り、送り移動テーブル40L,40Rは対応する送り用モータ41L,41Rにより送り駆動され、対応する送り基準線FLL,FLRに沿って往復水平移動する。そこで、巻線状態において送り用モータ41L,41Rは、2個の昇降体20L,20R(すなわちノズル10L,10R)に形成された180°の巻線位相差に応じて対応する送り移動テーブル40L,40Rの送りを行う。
ここで、巻線機200の巻線工程におけるノズル及びワークの作動について、図27のタイミングチャートにより概略を説明する。図27は第1実施例で用いた図26と同様に表わされている。なお、第1実施例で用いた図6〜図11も適宜参照する。
(1)左側ワーク1Lの1巻目の前半周(図27のLa1→Le1)
左側昇降用モータ21L(図12参照)及び左側割出回転用モータ5L(図14参照)の駆動回転により、左側ノズル10Lは、左側ワーク1Lの極PLの上方に位置する最上端ノズル位置La1から、極PLの一側面に沿って下降(Lb1→Lc1→Ld1)して、極PLの下方に位置する最下端ノズル位置Le1へ相対移動し、極PLの周囲右側を半周する(図6〜図8参照)。この間右側昇降用モータ21R(図12参照)及び右側割出回転用モータ5R(図14参照)は停止しているので、右側ノズル10Rは右側ワーク1Rの極PRの上方位置Ra1に待機したままである(図6〜図8参照)。
具体的には、このとき左側昇降用モータ21Lはいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転)して左側昇降体20L(図13参照)を下方駆動する。左側昇降用モータ21Lの回転数nは、最上端ノズル位置La1でn=0から急加速して途中のLc1で最大値(例えばn=+1000rpm)になり、その後急減速して最下端ノズル位置Le1で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Lは、La1で左側ワーク1Lを瞬間的に最大値(例えばn=+1000rpm)でいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転すなわち平面視左回転)した後急減速して、途中のLb1→Lc1→Ld1間では一時停止(n=0)する。Ld1では直ちに逆方向へ回転(この実施例では負回転すなわち平面視右回転)して急加速し、Le1では最大値(例えばn=−1000rpm)に達する。
(2)左側ワーク1Lの1巻目の後半周(図27のLe1→La2)と右側ワーク1Rの1巻目の前半周(同じくRa1→Re1)
左側昇降用モータ21L及び左側割出回転用モータ5Lの駆動回転により、左側ノズル10Lは、左側ワーク1Lの極PLの下方に位置する最下端ノズル位置Le1から、極PLの他側面に沿って上昇(Lf1→Lg1→Lh1)して、極PLの上方に位置する最上端ノズル位置La2へ相対移動し、極PLの周囲左側を半周する(図8〜図10参照)。また、右側昇降用モータ21R及び右側割出回転用モータ5Rの駆動回転により、右側ノズル10Rは、右側ワーク1Rの極PRの上方に位置する最上端ノズル位置Ra1から、極PRの一側面に沿って下降(Rb1→Rc1→Rd1)して、極PRの下方に位置する最下端ノズル位置Re1へ相対移動し、極PRの周囲右側を半周する(図8〜図10参照)。
このように、右側ノズル10Rは左側ノズル10Lから180°位相遅れ(逆位相)で巻線を開始することになる。なお、左側の巻線が180°(半周)先行したLe1=Ra1のタイミングで全体を一旦停止(待機状態)した後、両ワーク1L,1Rに対する巻線を同時スタートしてもよい。
具体的には、このとき左側昇降用モータ21Lは逆方向へ回転(この実施例では負回転)して左側昇降体20Lを上方駆動する。左側昇降用モータ21Lの回転数nは、最下端ノズル位置Le1でn=0から急加速して途中のLg1で最大値(例えばn=−1000rpm)になり、その後急減速して最上端ノズル位置La2で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Lは、Le1で左側ワーク1Lを負回転(平面視右回転)の最大値(例えばn=−1000rpm)から急減速して、途中のLf1→Lg1→Lh1間では一時停止(n=0)する。Lh1では直ちに一方向へ回転(正回転すなわち平面視左回転)して急加速し、La2では最大値(例えばn=+1000rpm)に達する。
また、このとき右側昇降用モータ21Rはいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転)して右側昇降体20R(図13参照)を下方駆動する。右側昇降用モータ21Rの回転数nは、最上端ノズル位置Ra1でn=0から急加速して途中のRc1で最大値(例えばn=+1000rpm)になり、その後急減速して最下端ノズル位置Re1で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Rは、Ra1で右側ワーク1Rを瞬間的に最大値(例えばn=+1000rpm)でいずれか一方向へ回転(この実施例では正回転すなわち平面視左回転)した後急減速して、途中のRb1→Rc1→Rd1間では一時停止(n=0)する。Rd1では直ちに逆方向へ回転(この実施例では負回転すなわち平面視右回転)して急加速し、Re1では最大値(例えばn=−1000rpm)に達する。
上記の通り、左側ノズル10Lが左側ワーク1Lの極PLを相対的に周回移動し、極PLに対する1巻目の巻線が終了する。そして、左側ノズル10LがLh1→La2→Lb2に位置する間(すなわち右側ノズル10RがRd1→Re1→Rf1に位置する間)に、左側送り用モータ41Lにより左側送り移動テーブル40Lが送り駆動され、左側ノズル10Lは左側ワーク1Lの半径方向へ線材WLの線径分水平移動する(図12参照)。ただし、右側ノズル10Rの送りはここでは行われない。
(3)左側ワーク1Lの2巻目の前半周(図27のLa2→Le2)と右側ワーク1Rの1巻目の後半周(同じくRe1→Ra2)
左側昇降用モータ21L及び左側割出回転用モータ5Lの駆動回転により、左側ノズル10Lは、左側ワーク1Lの極PLの上方に位置する最上端ノズル位置La2から、極PLの一側面に沿って下降(Lb2→Lc2→Ld2)して、極PLの下方に位置する最下端ノズル位置Le2へ相対移動し、極PLの周囲右側を半周する(図10〜図11参照)。また、右側昇降用モータ21R及び右側割出回転用モータ5Rの駆動回転により、右側ノズル10Rは、右側ワーク1Rの極PRの下方に位置する最下端ノズル位置Re1から、極PRの他側面に沿って上昇(Rf1→Rg1→Rh1)して、極PRの上方に位置する最上端ノズル位置Ra2へ相対移動することにより、右側ワーク1Rの極PRの周囲左側を半周する(図10〜図11参照)。
具体的には、このとき左側昇降用モータ21Lは再び一方向へ回転(正回転)して左側昇降体20Lを下方駆動する。左側昇降用モータ21Lの回転数nは、最上端ノズル位置La2でn=0から急加速して途中のLc2で最大値(例えばn=1000rpm)になり、その後急減速して最下端ノズル位置Le2で再びn=0になる。一方、左側割出回転用モータ5Lは、La2で左側ワーク1Lを正回転(平面視左回転)の最大値(例えばn=+1000rpm)から急減速して、途中のLb2→Lc2→Ld2間では一時停止(n=0)する。Ld2では直ちに逆方向へ回転(負回転すなわち平面視右回転)して急加速し、Le2では最大値(例えばn=−1000rpm)に達する。
また、このとき右側昇降用モータ21Rは逆方向へ回転(負回転)して右側昇降体20Rを上方駆動する。右側昇降用モータ21Rの回転数nは、最下端ノズル位置Re1でn=0から急加速して途中のRg1で最大値(例えばn=−1000rpm)になり、その後急減速して最上端ノズル位置Ra2で再びn=0になる。一方、右側割出回転用モータ5Rは、Re1で右側ワーク1Rを負回転(平面視右回転)の最大値(例えばn=−1000rpm)から急減速して、途中のRf1→Rg1→Rh1間では一時停止(n=0)する。Rh1では直ちに一方向へ回転(正回転すなわち平面視左回転)して急加速し、Ra2では最大値(例えばn=+1000rpm)に達する。
上記の通り、右側ノズル10Rが右側ワーク1Rの極PRを相対的に周回移動し、極PRに対する1巻目の巻線が終了する。そして、右側ノズル10RがRh1→Ra2→Rb2に位置する間(すなわち左側ノズル10LがLd2→Le2→Lf2に位置する間)に、右側送り用モータ41Rにより右側送り移動テーブル40Rが送り駆動され、右側ノズル10Rは右側ワーク1Rの半径方向へ線材WRの線径分水平移動する(図12参照)。ただし、左側ノズル10Lの送りはここでは行われない。このように、両ノズル10L,10Rには巻線の位相差と等しい送りの位相差(180°)が設定される。すなわち、右側ノズル10Rは左側ノズル10Lから180°位相遅れ(逆位相)で送りが行われることになる。
このように、両昇降体20L,20R(両ノズル10L,10R)に180°(逆位相)の巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体20L,20Rの往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降用モータ21L,21Rに加わる駆動負荷の集中を避けることができる。しかも、2つの昇降体20L,20Rに対応した2つの送り移動テーブル40L,40Rを個別に送り駆動するので、送りに乱れ(隙間や重なり)のない高精度な巻線を行える。
ところで、送りは1周の巻線が行われる毎(巻線周期毎)に送りピッチ分(例えば線径相当分)の半径方向移動が行われれば事足りる。したがって、図27の一点鎖線に示すように、送り用モータ41L’,41R’が巻線開始直後(又は一定時間経過後)から連続駆動することにより、巻線作動中のノズル10L,10R(図6〜図11参照)を含む送り移動テーブル40L,40Rを所定の向き(例えば半径方向外側)にゆっくりと連続移動させてもよい。この実施例では、ノズル10L(10R)の移動量が、上記した左側ノズル10LのLa2位置(右側ノズル10RのRa2位置)付近で送りピッチに達するように継続的に送りを行えばよい。この場合、送り用モータ41L’,41R’がいずれか一方向へ連続回転(この実施例では正回転)して半径方向外側に向けて複数回の送りを行った後、送り用モータ41L’,41R’が逆方向へ連続回転(この実施例では負回転)して半径方向内側に向けて複数回の送りを行うことによって2層目の巻線が実行される。
以上で説明したように、第2実施例の巻線機200は2個の昇降体20L,20Rを備え、これらの昇降体20L,20Rは各々が昇降体群を構成している。すなわち、この実施例における昇降体群の(振り分け)数は2である。
(第3実施例)
図15は本発明に係る巻線機の第3実施例を示す平面図、図16はその正面図、図17はその右側面図であり、水平に配置された固定テーブル4の左右方向x(配列方向)に沿って複数(この実施例では4個)のワーク1A,1B,1C,1Dが配列されている。なお、この実施例で左右両側に配置されたものには、例えば昇降体20L,20Rのように符号の末尾にL,Rを付す一方、左から右へ並設されたものには、例えばワーク1A,1B,1C,1Dのように符号の末尾にA,B,C,Dを付して区別する。
第3実施例に示す巻線機300は、往復上下運動する昇降体20L,20Rと、昇降体20L,20Rがノズル10A,10B,10C,10Dを各々保持する際に連結部材として機能する固定ブラケット130A,130B,130C,130D(ノズルブラケット)と、ノズル10A,10B,10C,10Dの送りを行う送り移動テーブル40(ノズルテーブル)と、送り方向と直交する方向へ水平移動する左右移動テーブル150(クロス移動テーブル)と、左右移動テーブル150を搭載する水平状のベースフレーム6と、ワーク1A,1B,1C,1Dを各々保持するワークホルダ3A,3B,3C,3Dと、ワークホルダ3A,3B,3C,3Dを搭載する水平状の固定テーブル4(ワークテーブル)と、を備える。
具体的には、左側昇降体20Lは左側2個の固定ブラケット130A,130Bを有し、右側昇降体20Rは右側2個の固定ブラケット130C,130Dを有する。昇降体20L,20Rは、各々のワーク1A,1B,1C,1Dの外側で鉛直方向zに設定された昇降基準線VLL,VLRに沿って昇降する。固定ブラケット130A,130B,130C,130Dは、一方側が昇降体20L,20Rに固定される。また、固定ブラケット130A,130B,130C,130Dは、他方側にノズル10A,10B,10C,10Dを保持し、昇降体20L,20Rの上下運動に伴いノズル10A,10B,10C,10Dをワーク1A,1B,1C,1Dの外側で昇降移動させる。
送り移動テーブル40は、昇降体20L,20Rと固定ブラケット130A,130B,130C,130Dとを搭載し、前後方向y(ワーク配列方向と直交する方向)へのノズル10A,10B,10C,10Dの送りを行う。左右移動テーブル150は、送り移動テーブル40を搭載し、送り方向と直交する方向(左右方向x)へ水平移動する。
図15〜図17に示すように、第3実施例の巻線機300では、ノズル10A,10B,10C,10D(固定ブラケット130A,130B,130C,130D)及びワークホルダ3A,3B,3C,3Dの組が配列方向xに沿って4組配置され、4個のワーク1A,1B,1C,1Dに対して4個のノズル10A,10B,10C,10Dによる巻線が一斉に実行される。
巻線機300の送り移動テーブル40には2個の昇降体20L,20Rが配列方向xに沿って搭載され、左側昇降体20Lは左側2個の固定ブラケット130A,130Bを有し、右側昇降体20Rは右側2個の固定ブラケット130C,130Dを有する。各昇降体20L,20Rは対応する昇降用モータ21L,21R(昇降体駆動源)により駆動されて、対応する昇降基準線VLL,VLRに沿って上下運動する。
上記巻線状態において、左側2個のノズル10A,10Bを有する左側昇降体20Lと、右側2個のノズル10C,10Dを有する右側昇降体20Rとは、対応する昇降用モータ21L,21Rにより180°の巻線位相差(逆位相)を有して個別に昇降駆動される。また、既述の通り、送り移動テーブル40は単一の送り用モータ41(送り駆動源)により送り駆動され、単一の送り基準線FLに沿って往復水平移動する。そこで、巻線状態において送り用モータ41は、2個の昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)に形成された巻線位相差(180°)の中央値(位相差±90°)を含む所定の範囲(例えば±45°)で送り移動テーブル40の送りを行う。
このように、巻線機300の巻線工程におけるノズル及びワークの作動は第1実施例と同様である。すなわち、第1実施例の図26において、左側のワーク1Lと左側のノズル10Lとの作動態様は、第3実施例における左側2個のワーク1A,1Bと左側2個のノズル10A,10Bとの作動態様に該当し、同じく右側のワーク1Rと右側のノズル10Rとの作動態様は、右側2個のワーク1C,1Dと右側2個のノズル10C,10Dとの作動態様に該当する。
したがって、この実施例においても両昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)に180°(逆位相)の巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体20L,20Rの往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降用モータ21L,21Rに加わる駆動負荷の集中を避けることができる。しかも、単一の送り用モータ41により送り駆動がなされるので、カップリング42、ボールねじ43等の送り駆動機構を簡素に構成できる。
以上で説明したように、第3実施例の巻線機300は2個の昇降体20L,20Rを備え、これらの昇降体20L,20Rは各々が昇降体群を構成している。すなわち、この実施例における昇降体群の(振り分け)数は2である。
(第4実施例)
図18は本発明に係る巻線機の第4実施例を示す平面図、図19はその正面図、図20はその右側面図であり、水平に配置された固定テーブル4の左右方向x(配列方向)に沿って複数(この実施例では4個)のワーク1A,1B,1C,1Dが配列されている。なお、この実施例で左右両側に配置されたものには、例えば昇降体20L,20Rのように符号の末尾にL,Rを付す一方、左から右へ並設されたものには、例えばワーク1A,1B,1C,1Dのように符号の末尾にA,B,C,Dを付して区別する。
第4実施例に示す巻線機400は、往復上下運動する昇降体20L,20Rと、昇降体20L,20Rがノズル10A,10B,10C,10Dを各々保持する際に連結部材として機能する固定ブラケット130A,130B,130C,130D(ノズルブラケット)と、ノズル10A,10B及びノズル10C,10Dの送りを個別に行う送り移動テーブル40L,40R(ノズルテーブル)と、送り方向と直交する方向へ水平移動する左右移動テーブル150(クロス移動テーブル)と、左右移動テーブル150を搭載する水平状のベースフレーム6と、ワーク1A,1B,1C,1Dを各々保持するワークホルダ3A,3B,3C,3Dと、ワークホルダ3A,3B,3C,3Dを搭載する水平状の固定テーブル4(ワークテーブル)と、を備える。
このように、この実施例では第3実施例に示す送り移動テーブルに代わり、第2実施例のように2つに分割した送り移動テーブル40L,40Rが設けられている。左側の送り移動テーブル40Lは左側昇降体20Lと左側2個の固定ブラケット130A,130Bとを搭載し、前後方向y(ワーク配列方向と直交する方向)への左側2個のノズル10A,10Bの送りを行う。一方、右側の送り移動テーブル40Rは右側昇降体20Rと右側2個の固定ブラケット130C,130Dとを搭載し、前後方向yへの右側2個のノズル10C,10Dの送りを行う。
図18〜図20に示すように、第4実施例の巻線機400でも、ノズル10A,10B,10C,10D(固定ブラケット130A,130B,130C,130D)及びワークホルダ3A,3B,3C,3Dの組が配列方向xに沿って4組配置され、4個のワーク1A,1B,1C,1Dに対して4個のノズル10A,10B,10C,10Dによる巻線が一斉に実行される。
上記巻線状態において各々の昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)は、対応する昇降用モータ21L,21R(昇降体駆動源)により180°の巻線位相差(逆位相)を有して個別に昇降駆動され、対応する昇降基準線VLL,VLRに沿って上下運動する。また、既述の通り、送り移動テーブル40L,40Rは対応する送り用モータ41L,41R(送り駆動源)により送り駆動され、対応する送り基準線FLL,FLRに沿って往復水平移動する。そこで、巻線状態において送り用モータ41L,41Rは、2個の昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)に形成された180°の巻線位相差に応じて対応する送り移動テーブル40L,40Rの送りを行う。なお、図18,図19から明らかなように、この実施例では左右方向xにおける昇降基準線VLL,VLRと送り基準線FLL,FLRとの配設位置が一致させてある。
このように、巻線機400の巻線工程におけるノズル及びワークの作動は第2実施例と同様である。すなわち、第2実施例の図27において、左側のワーク1Lと左側のノズル10Lとの作動態様は、第4実施例における左側2個のワーク1A,1Bと左側2個のノズル10A,10Bとの作動態様に該当し、同じく右側のワーク1Rと右側のノズル10Rとの作動態様は、右側2個のワーク1C,1Dと右側2個のノズル10C,10Dとの作動態様に該当する。
したがって、この実施例においても両昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)に180°(逆位相)の巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体20L,20Rの往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降用モータ21L,21Rに加わる駆動負荷の集中を避けることができる。しかも、2つの昇降体20L,20Rに対応した2つの送り移動テーブル40L,40Rを個別に送り駆動するので、送りに乱れ(隙間や重なり)のない高精度な巻線を行える。
以上で説明したように、第4実施例の巻線機400は2個の昇降体20L,20Rを備え、これらの昇降体20L,20Rは各々が昇降体群を構成している。すなわち、この実施例における昇降体群の(振り分け)数は2である。
(第5実施例)
図21は本発明に係る巻線機の第5実施例を示す平面図、図22はその正面図であり、水平に配置された固定テーブル4の左右方向x(配列方向)に沿って複数(この実施例では8個)のワーク1A,1B,…,1Hが配列されている。なお、第5実施例の右側面図は図17(第3実施例)と同様に表されるので省略する。また、この実施例で左右両側に配置されたものには、例えば昇降体20L,20Rのように符号の末尾にL,Rを付す一方、左から右へ並設されたものには、例えばワーク1A,1B,…,1Hのように符号の末尾にA,B,…,Hを付して区別する。
第5実施例に示す巻線機500は、往復上下運動する昇降体20L,20Rと、昇降体20L,20Rがノズル10A,10B,…,10Hを各々保持する際に連結部材として機能する固定ブラケット130A,130B,…,130H(ノズルブラケット)と、ノズル10A,10B,…,10Hの送りを行う送り移動テーブル40(ノズルテーブル)と、送り方向と直交する方向へ水平移動する左右移動テーブル150(クロス移動テーブル)と、左右移動テーブル150を搭載する水平状のベースフレーム6と、ワーク1A,1B,…,1Hを各々保持するワークホルダ3A,3B,…,3Hと、ワークホルダを搭載する水平状の固定テーブル4(ワークテーブル)と、を備える。
具体的には、左側昇降体20Lは左側4個の固定ブラケット130A,130B,130C,130Dを有し、右側昇降体20Rは右側4個の固定ブラケット130E,130F,130G,130Hを有する。昇降体20L,20Rは、各々のワーク1A,1B,…,1Hの外側で鉛直方向zに設定された昇降基準線VLL,VLRに沿って昇降する。固定ブラケット130A,130B,…,130Hは、一方側が昇降体20L,20Rに固定される。また、固定ブラケット130A,130B,…,130Hは、他方側にノズル10A,10B,…,10Hを保持し、昇降体20L,20Rの上下運動に伴いノズル10A,10B,…,10Hをワーク1A,1B,…,1Hの外側で昇降移動させる。
送り移動テーブル40は、昇降体20L,20Rと固定ブラケット130A,130B,…,130Hとを搭載し、左右移動テーブル150に載置固定された送り用モータ41(送り駆動源)によって、前後方向y(ワーク配列方向と直交する方向)へのノズル10A,10B,…,10Hの送りを行う。左右移動テーブル150は、送り移動テーブル40を搭載し、ベースフレーム6に載置固定された左右移動用モータ151(クロス駆動源)によって、送り方向と直交する方向(左右方向x)へ水平移動する。
図21,図22に示すように、第5実施例の巻線機500では、ノズル10A,10B,…,10H(固定ブラケット130A,130B,…,130H)及びワークホルダ3A,3B,…,3Hの組が配列方向xに沿って8組配置され、8個のワーク1A,1B,…,1Hに対して8個のノズル10A,10B,…,10Hによる巻線が一斉に実行される。
巻線機500の送り移動テーブル40には2個の昇降体20L,20Rが配列方向xに沿って搭載され、左側昇降体20Lは左側4個の固定ブラケット130A,130B,130C,130Dを有し、右側昇降体20Rは右側4個の固定ブラケット130E,130F,130G,130Hを有する。各昇降体20L,20Rは対応する昇降用モータ21L,21R(昇降体駆動源)により駆動されて、対応する昇降基準線VLL,VLRに沿って上下運動する。
上記巻線状態において、左側4個のノズル10A,10B,10C,10Dを有する左側昇降体20Lと、右側4個のノズル10E,10F,10G,10Hを有する右側昇降体20Rとは、対応する昇降用モータ21L,21Rにより180°の巻線位相差(逆位相)を有して個別に昇降駆動される。また、既述の通り、送り移動テーブル40は単一の送り用モータ41により送り駆動され、単一の送り基準線FLに沿って往復水平移動する。そこで、巻線状態において送り用モータ41は、2個の昇降体20L,20R(ノズル10A,10B,10C,10Dとノズル10E,10F,10G,10H)に形成された巻線位相差(180°)の中央値(位相差±90°)を含む所定の範囲(例えば±45°)で送り移動テーブル40の送りを行う。
このように、巻線機500の巻線工程におけるノズル及びワークの作動は第1実施例と同様である。すなわち、第1実施例の図26において、左側のワーク1Lと左側のノズル10Lとの作動態様は、第5実施例における左側4個のワーク1A,1B,1C,1Dと左側4個のノズル10A,10B,10C,10Dとの作動態様に該当し、同じく右側のワーク1Rと右側のノズル10Rとの作動態様は、右側4個のワーク1E,1F,1G,1Hと右側4個のノズル10E,10F,10G,10Hとの作動態様に該当する。
したがって、この実施例においても両昇降体20L,20R(ノズル10A,10B,10C,10Dとノズル10E,10F,10G,10H)に180°(逆位相)の巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体20L,20Rの往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降用モータ21L,21Rに加わる駆動負荷の集中を避けることができる。しかも、単一の送り用モータ41により送り駆動がなされるので、カップリング42、ボールねじ43等の送り駆動機構を簡素に構成できる。
以上で説明したように、第5実施例の巻線機500は2個の昇降体20L,20Rを備え、これらの昇降体20L,20Rは各々が昇降体群を構成している。すなわち、この実施例における昇降体群の(振り分け)数は2である。
(第6実施例)
図23は本発明に係る巻線機の第6実施例を示す平面図、図24はその正面図であり、水平に配置された固定テーブル4の左右方向x(配列方向)に沿って複数(この実施例では8個)のワーク1A,1B,…,1Hが配列されている。なお、第6実施例の右側面図は図20(第4実施例)と同様に表されるので省略する。また、この実施例で左右両側に配置されたものには、例えば昇降体20L,20Rのように符号の末尾にL,Rを付す一方、左から右へ並設されたものには、例えばワーク1A,1B,…,1Hのように符号の末尾にA,B,…,Hを付して区別する。
第6実施例に示す巻線機600は、往復上下運動する昇降体20L,20Rと、昇降体20L,20Rがノズル10A,10B,…,10Hを各々保持する際に連結部材として機能する固定ブラケット130A,130B,…,130H(ノズルブラケット)と、ノズル10A,10B,10C,10D及びノズル10E,10F,10G,10Hの送りを個別に行う送り移動テーブル40L,40R(ノズルテーブル)と、送り方向と直交する方向へ水平移動する左右移動テーブル150(クロス移動テーブル)と、左右移動テーブル150を搭載する水平状のベースフレーム6と、ワーク1A,1B,…,1Hを各々保持するワークホルダ3A,3B,…,3Hと、ワークホルダ3A,3B,…,3Hを搭載する水平状の固定テーブル4(ワークテーブル)と、を備える。
このように、この実施例では第5実施例に示す送り移動テーブルに代わり、第4実施例のように2つに分割した送り移動テーブル40L,40Rが設けられている。左側の送り移動テーブル40Lは左側昇降体20Lと左側4個の固定ブラケット130A,130B,130C,130Dとを搭載し、前後方向y(ワーク配列方向と直交する方向)への左側4個のノズル10A,10B,10C,10Dの送りを行う。一方、右側の送り移動テーブル40Rは右側昇降体20Rと右側4個の固定ブラケット130E,130F,130G,130Hとを搭載し、前後方向yへの右側4個のノズル10E,10F,10G,10Hの送りを行う。
図23,図24に示すように、第6実施例の巻線機600でも、ノズル10A,10B,…,10H(固定ブラケット130A,130B,…,130H)及びワークホルダ3A,3B,…,3Hの組が配列方向xに沿って8組配置され、8個のワーク1A,1B,…,1Hに対して8個のノズル10A,10B,…,10Hによる巻線が一斉に実行される。
上記巻線状態において各々の昇降体20L,20R(ノズル10A,10B,10C,10Dとノズル10E,10F,10G,10H)は、対応する昇降用モータ21L,21R(昇降体駆動源)により180°の巻線位相差(逆位相)を有して個別に昇降駆動され、対応する昇降基準線VLL,VLRに沿って上下運動する。また、既述の通り、送り移動テーブル40L,40Rは対応する送り用モータ41L,41R(送り駆動源)により送り駆動され、対応する送り基準線FLL,FLRに沿って往復水平移動する。そこで、巻線状態において送り用モータ41L,41Rは、2個の昇降体20L,20R(ノズル10A,10B,10C,10Dとノズル10E,10F,10G,10H)に形成された180°の巻線位相差に応じて対応する送り移動テーブル40L,40Rの送りを行う。なお、図23,図24から明らかなように、この実施例では左右方向xにおける昇降基準線VLL,VLRと送り基準線FLL,FLRとの配設位置が一致させてある。
このように、巻線機600の巻線工程におけるノズル及びワークの作動は第2実施例と同様である。すなわち、第2実施例の図27において、左側のワーク1Lと左側のノズル10Lとの作動態様は、第6実施例における左側4個のワーク1A,1B,1C,1Dと左側4個のノズル10A,10B,10C,10Dとの作動態様に該当し、同じく右側のワーク1Rと右側のノズル10Rとの作動態様は、右側4個のワーク1E,1F,1G,1Hと右側4個のノズル10E,10F,10G,10Hとの作動態様に該当する。
したがって、この実施例においても両昇降体20L,20R(ノズル10A,10B,10C,10Dとノズル10E,10F,10G,10H)に180°(逆位相)の巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体20L,20Rの往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降用モータ21L,21Rに加わる駆動負荷の集中を避けることができる。しかも、2つの昇降体20L,20Rに対応した2つの送り移動テーブル40L,40Rを個別に送り駆動するので、送りに乱れ(隙間や重なり)のない高精度な巻線を行える。
以上で説明したように、第6実施例の巻線機600は2個の昇降体20L,20Rを備え、これらの昇降体20L,20Rは各々が昇降体群を構成している。すなわち、この実施例における昇降体群の(振り分け)数は2である。
(第7実施例)
図25は本発明に係る巻線機の第7実施例を示す平面図であり、水平に配置された送り移動テーブル204の左右方向x(配列方向)に沿って複数(この実施例では4個)のワーク1A,1B,1C,1Dが配列されている。また、送り移動テーブル204上で左右方向xと直交する方向を前後方向yに設定すると、送り移動テーブル204と直交する方向(すなわち紙面に直交する方向)が上下方向(鉛直方向)になる。なお、この実施例で左右両側に配置されたものには、例えば昇降体20L,20Rのように符号の末尾にL,Rを付す一方、左から右へ並設されたものには、例えばワーク1A,1B,1C,1Dのように符号の末尾にA,B,C,Dを付して区別する。
第7実施例に示す巻線機700は、ワーク1A,1B,1C,1Dを各々保持するワークホルダ3A,3B,3C,3Dと、ワーク1A,1B,1C,1Dの送りを行う送り移動テーブル204(ワークテーブル)と、往復上下運動する昇降体20L,20Rと、昇降体20L,20Rがノズル10A,10B,10C,10Dを各々保持する際に連結部材として機能する固定ブラケット130A,130B,130C,130D(ノズルブラケット)と、送り方向と直交する方向へ水平移動する左右移動テーブル250(クロス移動テーブル;ノズルテーブル)と、送り移動テーブル204及び左右移動テーブル250を搭載する水平状のベースフレーム6と、を備える。
このように、この実施例ではワークホルダ3A,3B,3C,3D(ワーク1A,1B,1C,1D)を搭載するワークテーブルが送り移動テーブル204として機能する。具体的には、送り移動テーブル204は、ワークホルダ3A,3B,3C,3Dを搭載し、ベースフレーム6に載置固定された送り用モータ205(送り駆動源)で駆動されて、前後方向y(すなわちワーク配列方向と直交する方向)へのワーク1A,1B,1C,1Dの送りを行う。左右移動テーブル250は、昇降体20L,20R及び固定ブラケット130A,130B,130C,130Dを搭載し、ベースフレーム6に載置固定された左右移動用モータ251(クロス駆動源)で駆動されて、送り方向と直交する方向(すなわち左右方向x)へ水平移動する。
図25に示すように、第7実施例の巻線機700では、ノズル10A,10B,10C,10D(固定ブラケット130A,130B,130C,130D)及びワークホルダ3A,3B,3C,3Dの組が配列方向xに沿って4組配置され、4個のワーク1A,1B,1C,1Dに対して4個のノズル10A,10B,10C,10Dによる巻線が一斉に実行される。
巻線機700の左右移動テーブル250には2個の昇降体20L,20Rが配列方向xに沿って搭載され、左側昇降体20Lは左側2個の固定ブラケット130A,130Bを有し、右側昇降体20Rは右側2個の固定ブラケット130C,130Dを有する。各昇降体20L,20Rは対応する昇降用モータ21L,21R(昇降体駆動源)により駆動されて、対応する昇降基準線VLL,VLR(図16参照)に沿って上下運動する。昇降基準線VLL,VLRは配列方向xに沿って一列状に配置されている。
上記巻線状態において各々の昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)は、対応する昇降用モータ21L,21Rにより180°の巻線位相差(逆位相)を有して個別に昇降駆動される。また、既述の通り、送り移動テーブル204は単一の送り用モータ205により送り駆動され、単一の送り基準線FLに沿って往復水平移動する。そこで、巻線状態において送り用モータ205は、2個の昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)に形成された巻線位相差(180°)の中央値(位相差±90°)を含む所定の範囲(例えば±45°)で送り移動テーブル204の送りを行う。
このように、巻線機700の巻線工程におけるノズル及びワークの作動は第1実施例と同様である。すなわち、第1実施例の図26において、左側のワーク1Lと左側のノズル10Lとの作動態様は、第7実施例における左側のワーク1A,1Bと左側のノズル10A,10Bとの作動態様に該当し、同じく右側のワーク1Rと右側のノズル10Rとの作動態様は、右側のワーク1C,1Dと右側のノズル10C,10Dとの作動態様に該当する。ただし、第7実施例では、送り用モータ205により送り移動テーブル204の送りが行われる。
したがって、この実施例においても両昇降体20L,20R(ノズル10A,10Bとノズル10C,10D)に180°(逆位相)の巻線位相差を設ける(すなわち巻線タイミングをずらす)ことにより、昇降体20L,20Rの往復運動に伴う衝撃荷重によって生じる振動・騒音を相殺ないし抑制することができ、また昇降用モータ21L,21Rに加わる駆動負荷の集中を避けることができる。しかも、単一の送り用モータ205により送り駆動がなされるので、カップリング42、ボールねじ43等の送り駆動機構を簡素に構成できる。なお、送り移動テーブル204を2分割し、対応する送り用モータによって個別に送り駆動してもよい。
以上で説明したように、第7実施例の巻線機700は2個の昇降体20L,20Rを備え、これらの昇降体20L,20Rは各々が昇降体群を構成している。すなわち、この実施例における昇降体群の(振り分け)数は2である。
ところで、第1〜第7実施例の巻線機について、独立した発明として次のように把握することができる。すなわち、
リング状のヨーク部から半径方向内側に突出する複数の極を有するワークが周方向に往復回転運動し、コイル形成用の線材を保持するノズルがワークの極の間のスロットを厚み方向に往復上下運動することにより、ワークの極に対して前記ノズルが相対的な周回移動を行うとともに、前記線材を極に1周巻き付ける毎に前記ノズルが所定ピッチ(例えば線径)でワークの半径方向に相対的に送られることによって前記線材を各極にらせん状に巻き付ける巻線機であって、
ワークの外側で鉛直方向に設定された昇降基準線に沿って往復上下運動することにより、直接又は他部材を介して間接的に保持する前記ノズルをワークの外側で昇降移動させるための昇降体と、
その昇降体を搭載するノズルテーブルと、
鉛直方向に配置されたワーク駆動軸(例えばモータ軸)の上端部に固定されるとともにワークを固定状態に保持し、ワークの割出回転を行うワークホルダと、
そのワークホルダを搭載するワークテーブルと、を備え、
前記ノズル及び前記ワークホルダの組が前記昇降基準線と直交する配列方向に沿って複数組配置され、複数のワークに対する巻線が一斉に実行されるとともに、
前記ノズルテーブルには偶数の前記昇降体が前記配列方向に沿って搭載され、各昇降体は1又は複数(例えば1個又は2個)の前記ノズルを有し、対応する昇降体駆動源により駆動されて対応する前記昇降基準線に沿って上下運動する一方、前記ワークテーブルには複数(例えば偶数)のワークが前記配列方向に沿って搭載され、各ワークは対応するワーク駆動源により回転駆動され、
偶数の前記昇降体を個別に上下運動させるための前記昇降基準線が前記配列方向に沿って配置され、
偶数の前記昇降体は、互いに同数からなる2つの昇降体群に振り分けられ、かつ巻線状態において前記昇降体群毎に所定の巻線位相差を有しつつ、対応する前記昇降体駆動源により個別に昇降駆動されることを特徴とする巻線機である。
一例として、上記ノズルテーブル又はワークテーブルは単一の送り駆動源により送り駆動され、単一の送り基準線に沿って往復水平移動する。
具体的には、上記巻線状態において、送り駆動源は2つの昇降体群間に形成された巻線位相差の中間位相でノズルテーブル又はワークテーブルの送りを行う。
他の例として、上記ノズルテーブル又はワークテーブルは2つの昇降体群に対応して2つに分割して配置され、分割された各々のテーブルは互いに同数の昇降体又はワークを搭載し、対応する送り駆動源により送り駆動され、対応する送り基準線に沿って往復水平移動する。
具体的には、上記巻線状態において、各々の送り駆動源は2つの昇降体群間に形成された巻線位相差に応じて対応するテーブルの送りを行う。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、当業者が有する知識に基づく改良を適宜付加することができることは言うまでもない。例えば、ノズルのヘッド数が2連又は4連の巻線機についてのみ説明したが、その他のヘッド数(奇数の場合を含む)の巻線機においても本発明は適用される。また、昇降基準線(昇降体)が2本又は4本であり、送り基準線(ボールねじ43)が1本又は2本である場合についてのみ説明したが、昇降基準線や送り基準線の本数はこれらに限定されるわけではない。さらに、昇降体群の数が2である実施例についてのみ説明したが、その他の振り分け数(奇数の場合を含む)であってもよい。
各実施例では、昇降体駆動機構としてタイミングプーリ22及びタイミングベルト23、送り駆動機構としてカップリング42及びボールねじ43、クロス駆動機構としてカップリング52及びボールねじ53をそれぞれ用いているが、プーリ軸やねじ軸の向きは任意に設定できる。また、これらの駆動機構は相互にあるいは他の伝動機構と取り替えて使用することができる。例えば、プーリ22とベルト23で昇降体20を上下運動させるために昇降用モータ21を可逆回転しているが、往復スライダクランク機構の採用によりモータを一方向回転させてもよい。さらに、回動ブラケット30を姿勢変換するための駆動源として、エアシリンダ31に代えてモータ、ロータリソレノイド等を採用してもよい。
なお、第2実施例〜第7実施例において、第1実施例(図3〜図11)と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略している。また、以上で説明した各実施例は、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。例えば、第7実施例において、第2・4・6実施例のように送り移動テーブルを2分割し、対応する送り用モータにより、対応する送り基準線に沿って個別に送り駆動してもよい。
1 ワーク
2 モータ軸(ワーク駆動軸)
3 ワークホルダ
4 固定テーブル(ワークテーブル)
5 割出回転用モータ(ワーク駆動源)
6 ベースフレーム
10 ノズル
20 昇降体
21 昇降用モータ(昇降体駆動源)
30 回動ブラケット(ノズルブラケット;連結部材)
31 回動用エアシリンダ(回動駆動源)
40 送り移動テーブル(ノズルテーブル)
41 送り用モータ(送り駆動源)
50 前後移動テーブル(クロス移動テーブル)
51 前後移動用モータ(クロス駆動源)
100,200 巻線機
130 固定ブラケット(ノズルブラケット;連結部材)
150 左右移動テーブル(クロス移動テーブル)
151 左右移動用モータ(クロス駆動源)
204 送り移動テーブル(ワークテーブル)
205 送り用モータ(送り駆動源)
250 左右移動テーブル(クロス移動テーブル;ノズルテーブル)
251 左右移動用モータ(クロス駆動源)
300,400,500,600,700 巻線機
FL 送り基準線
VL 昇降基準線
O1 中心軸線
O2 回動軸線
P 極
S スロット
Y ヨーク部
W 線材
x 左右方向(配列方向)
y 前後方向
z 上下方向(鉛直方向)

Claims (5)

  1. リング状のヨーク部から半径方向外側に突出する複数の極を有するワークが周方向に往復回転運動し、コイル形成用の線材を保持するノズルがワークの極の間のスロットを厚み方向に往復上下運動することにより、ワークの極に対して前記ノズルが相対的な周回移動を行うとともに、前記線材を極に1周巻き付ける毎に前記ノズルが所定ピッチでワークの半径方向に相対的に送られることによって前記線材を各極にらせん状に巻き付ける巻線機であって、
    ワークの外側で鉛直方向に設定された昇降基準線に沿って往復上下運動することにより、直接又は他部材を介して間接的に保持する前記ノズルをワークの外側で昇降移動させるための昇降体と、
    その昇降体を搭載するノズルテーブルと、
    鉛直方向に配置されたワーク駆動軸の上端部に固定されるとともにワークを固定状態に保持し、ワークの割出回転を行うワークホルダと、
    そのワークホルダを搭載するワークテーブルと、を備え、
    前記ノズル及び前記ワークホルダの組が前記昇降基準線と直交する配列方向に沿って複数組配置され、複数のワークに対する巻線が一斉に実行されるとともに、
    前記ノズルテーブルには複数の前記昇降体が前記配列方向に沿って搭載され、各昇降体は1又は複数の前記ノズルを有し、対応する昇降体駆動源により駆動されて対応する前記昇降基準線に沿って上下運動する一方、前記ワークテーブルには複数のワークが前記配列方向に沿って搭載され、各ワークは対応するワーク駆動源により回転駆動され、
    複数の前記昇降体を個別に上下運動させるための前記昇降基準線が前記配列方向に沿って配置され、
    複数の前記昇降体は、複数の昇降体群に振り分けられ、かつ巻線状態において前記昇降体群毎に所定の巻線位相差を有しつつ、対応する前記昇降体駆動源により個別に昇降駆動されることを特徴とする巻線機。
  2. 前記ノズルテーブル又は前記ワークテーブルは単一の送り駆動源により送り駆動され、単一の送り基準線に沿って往復水平移動する請求項1に記載の巻線機。
  3. 前記巻線状態において、前記送り駆動源は各昇降体群間に形成された巻線位相差の最大値の中間位相で前記ノズルテーブル又は前記ワークテーブルの送りを行う請求項2に記載の巻線機。
  4. 前記ノズルテーブル又は前記ワークテーブルは前記昇降体群の振り分け数に対応して複数に分割して配置され、分割された各々のテーブルは対応する送り駆動源により送り駆動され、対応する送り基準線に沿って往復水平移動する請求項1に記載の巻線機。
  5. 前記巻線状態において、各々の前記送り駆動源は各昇降体群間に形成された巻線位相差に応じて対応するテーブルの送りを行う請求項4に記載の巻線機。
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