JP5974278B2 - 超電導回転機 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶用,自動車用,各種産業機械用などの動力源に適用する超電導回転機に関する。
近年になり、液体窒素温度近傍(77K)で超電導に転移する高温酸化物超電導体(イットリウム系(Y系),ビスマス系(Bi系)の出現,開発に伴い、回転機の分野でも小型,軽量化、高効率化を目指した超電導回転機に関するさまざまな研究,開発が国内外で進められている。
なお、回転機への超電導体の適用については、回転機の回転子を超電導化して固定子は常電導とするものや、回転子,固定子を共に超電導化するものなどが考えられるが、
交流回転機では電機子コイルに交流を流すために電機子コイルに採用する超電導体には交流損失が発生する問題があり、かつそのコイル形状も複雑であることから、現在では回転子に超電導体を適用する超電導回転機の開発が主流になっており、既に公表されている研究,開発の事例として次記のような先行技術文献が知られている。
特許文献1に示される超電導同期回転機では、超電導線で構成した界磁コイルを回転子の円筒形遮蔽体(クライオスタット構造)に収容し、液体窒素などの冷媒で界磁コイルを臨界温度以下に冷却させるようにし、この界磁コイルに外部から直流を給電して強い界磁磁界を発生させるようにすることで、回転機の小型,軽量化を図るようにしている。
ところで、この超電導同期回転機は、回転子に配した超電導界磁コイルの支持構造が複雑となるほか、超電導の臨界温度以下に冷却された超電導界磁コイルに直流の界磁電流を外部(常温)から給電するための電流リード、およびスリップリング/ブラシが必要であり、さらに同期電動機では起動時に界磁コイルにスリップリング/ブラシを介して始動抵抗を外部接続し、二次抵抗始動法などにより回転機を誘導電動機として始動する起動手段も必要である。
また、特許文献2には誘導回転機と同じ構造で同期運転が可能な超電導回転機(電動機)が開示されている。この超電導回転機は、回転子を高温超電導体と常電導材のトルクシールドとの積層体で構成しており、常温での起動時には固定子に配した電機子コイル(1次巻線)の通電により生成した交番磁界(回転磁界)の印加を受けて回転子のトルクシールドに誘起する誘導電流と前記交番磁界との相互作用による誘導トルクで回転機を誘導モードで始動し、起動開始から回転子が所定回転速度に達したところで超電導体を臨界温度以下の超電導状態に冷却して前記交番磁界を超電導体に磁束捕捉させて同期回転させるようにしている。
この超電導回転機によれば、回転子に外部から電力を供給すること無しに運転することが可能で、先記特許文献1の超電導同期回転機と比べて構造が簡略化できるものの、一方では回転機の起動時における誘導モードから同期運転に移行させるには、超電導体の臨界温度を判定して超電導体を臨界温度以下に冷却させる必要があり、その温度昇降のプロセスには比較的長い時間を要して回転機の運転応答性が低下する問題がある。このために、電気自動車のように起動と停止を頻繁に繰り返す用途に適用する回転機では、トルクシールドに大きなジュール熱(銅損)が発生して超電導体を臨界温度以下に保持することが困難と考えられるほか、銅損が増して回転機の効率が低下する要因となる。
一方、前記特許文献2の問題を改善するようにした超電導回転機が特許文献3で提案されている。この超電導回転機は、かご形誘導回転機のロータコアに常電導線材で作られたロータバー,およびその両端にエンドリングを接続した常電導かご形巻線と、超電導線材で作られたロータバーにエンドリングを接続した超電導かご形巻線とを組み合わせてロータコアの周面に形成したスロットに収容した構成になる。
この超電導回転機によれば、常電導状態では常電導かご形巻線に流れる誘導電流と固定子側に配した電機子コイルの通電により生成した回転磁界との相互作用による誘導トルクの主導で起動,回転し、超電導状態では超電導かご形巻線が固定子の電機子コイルから印加される回転磁界の磁束を捕捉して同期運転させるようにして、回転機を超電導の臨界温度に依存しない運転が行えるようにしている。
特開2003−158867号公報 特表平8−505515号公報 再公表特許2009/116219号公報
ところで、先記した特許文献2の問題点を改善するようにした特許文献3の超電導回転機においても、実用化には次記のような課題がある。
すなわち、特許文献3の超電導回転機では、その回転子コアに常電導かご形巻線と超電導かご形巻線を併設したかご形回転子で構成したことから、超電導かご形巻線の臨界温度以上の常温で回転機を起動する際には、特許文献2の超電導回転機におけるトルクシールドと同様に常電導かご形巻線に誘導電流が流れて大きなジュール熱,銅損が発生する。
また、超電導かご形巻線についても、そのロータバーの両端とエンドリングとを電気的に接続する必要があって巻線構造が複雑化するし、さらにロータバーとエンドリングとの電気的接続には半田付けによる接続法が一般的であってその接合強度に問題が生じることが多く、耐遠心荷重,長期間使用に対して高い信頼性を確保することが困難であると考えられる。そのほか、前記の常電導,超電導のかご形巻線は重量の重い回転子コアのスロットに収容した構成になるため、超電導回転機の軽量,小型化が困難である。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は回転子に組み込んだ超電導体に外部から電力を供給する必要が無く、かつ回転子には特許文献2におけるトルクシールド,特許文献3における常電導かご形巻線などのジュール発熱を伴う常電導金属体、および重量物である回転子コアを併設する必要無しに、超電導体の超電導特性を巧みに利用して小型,軽量化に加えて高効率の回転機能が発揮できるように構成した従来にない新規な超電導回転機を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明の超電導回転機は、固定子側に設けた電機子コイルと、回転子と、前記回転子の中央に収容された平板状の超電導体と、を備え、前記電機子コイルからの磁界前記平板状の超電導体に印加されることによって超電導体に誘起される遮蔽電流と前記磁界との相互作用によって生じる電磁力に基づいて、前記回転子回転するように構成されるものとする(請求項1)
また、本発明の超電導回転機は、固定子側に設けた電機子コイルと、回転子と、前記回転子の中央に収容された積層体と、を備え、前記積層体は、少なくとも1枚の平板状の超電導体を有し、前記電機子コイルからの磁界が前記平板状の超電導体に印加されることによって誘起される遮蔽電流と前記磁界とによって生じる電磁力に基づいて、前記回転子が回転するように構成されたものとする(請求項2)。
具体的には次記のような態様で構成することができる。
(1)前記積層体は、複数枚の平板状の超電導体の間に電気絶縁材が介在されている(請求項3)
(2)前記積層体は、複数枚の平板状の超電導体の間に磁性材が介在されている(請求項4)
(3)前記平板状の超電導体は、外形輪郭が矩形状である(請求項5)
(4)前記平板状の超電導体は、超電導材料と安定化材としての常電導材料との複合体からなる(請求項6)
(5)前記平板状の超電導体は複数個に分割され、分割された超電導体の分割ラインと直角方向の端部相互間が電気的に接続されている(請求項7)
(6)前記回転子の軸に設けた回転角度位置検出器と、前記検出器により検出した回転子の回転角度に基づいて前記電機子コイルの発生磁界の角度制御を行う制御装置と、を更に備える(請求項8)
上記したこの発明によれば、次記の効果を奏することができる。
(1)まず、回転子に平板状の超電導体を用い、この超電導体を超電導状態に冷却した状態で固定子の電機子コイルに通電して生成した適度な磁界強さ(臨界磁界未満)の交番磁界(回転磁界)を印加すると、平板状の超電導体には遮蔽電流が誘起してループ状に流れ、この遮蔽電流と前記交番磁界との相互作用により平板状の超電導体に電磁力(ローレンツ力)が発生し、この電磁力が回転子の軸中心に対して回転力(偶力)となって電機子磁界に同期して回転子が回転する。
ここで、前記平板状の超電導体として外形輪郭が矩形状の薄膜超電導体を用いることで、電機子コイルから印加する磁界が小さくても大きな遮蔽電流を誘起させることができる。
(2)また、本発明の回転子には先記した特許文献2,特許文献3におけるトルクシールド,常電導かご形巻線などの常電導金属体を備えてないので、起動時に大きなジュール熱,銅損が発生することがなく、また平板状の超電導体を収容した回転子をコアレスの空心回転子で構成することができるので、特許文献3のかご形回転子構造と比べて回転機の小型,軽量化が図れる。
(3)さらに、前記の平板状超電導体を、複数の薄膜超電導体をその主面と垂直方向に重ねて一体化した積層体で構成した上で、この積層体を回転子の軸中心と対称位置に配置することにより、電機子磁界との相互作用に発生する回転力を増強することができるほか、積層体の実効的な機械的強度を高めて回転機の遠心荷重による薄膜超電導体の変形,破損を防ぐ効果も期待できる。
(4)また、前項(3)において、各枚の薄膜超電導体の相互間に磁性材を配置することで、回転子に印加される空隙磁界を超電導体に集中させて、大きな回転力を効率よく発生することが可能となる。
(5)そのほか、現在の製造技術では幅広な大面積の薄膜超電導体を製作することが困難であるが、かかる点、平板状の超電導体を複数個に分割して並置し、かつ分割された超電導体の分割ラインと直角方向の端部を電気的に相互接続した構成を採用することにより、比較的小面積の薄膜超電導体を複数枚組み合わせて高出力の回転機を構成することが可能となる。
(6)さらに、回転子の軸端部に回転角度位置検出機構を設け、その位置検出信号を基に電機子側から回転子の超電導体に印加する交番磁界の磁界強さ,位相,周波数などを調整することで、超電導回転機を適正,かつ安定よく運転制御することができる。
本発明の実施例1による超電導回転機の模式構成図であって、(a),(b)はそれぞれ回転子の軸と直角方向,および軸方向に沿った断面図である。 図1(a)における電機子コイルの通電により生成して回転子の超電導体に印加する交番磁界を表す模式図である。 平板状の超電導体に図2の磁界を印加した状態で誘起される遮蔽電流、および遮蔽電流と磁界との相互作用によるローレンツ力を表す模式説明図である。 図1に示した超電導回転機の回転動作原理を表す模式説明図である。 本発明の実施例2に係わる超電導回転機の模式断面図である。 図5における回転子の動作原理を表す模式説明図である。 本発明の実施例3に係わる超電導回転子の模式断面図である。 図7の変形実施例を表す超電導回転子の模式断面図である。 本発明の実施例4に係わる超電導回転子の模式構成図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視X−X断面図である。 本発明の実施例5に係わる超電導回転子の模式構成図であって、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視X−X断面図である。 本発明の実施例6に係わる超電導回転子の制御システム図である。
以下、本発明による超電導回転機の実施の形態を図1〜図11に示す実施例に基づいて説明する。
まず、本発明の超電導回転機の基本構造,および動作原理を図1〜図4に基づいて説明する。各図において、1は固定子、2は固定子1の内周に配した電機子コイル、3は回転子、4は回転子3に搭載した平板状の超電導体である。
ここで、電機子コイル2は、通常の3相誘導回転機と同様に固定子1の内周側に沿って6個のコイルを並置配列した上で、隣り合うコイル同士の間に電気的位相を120°ずらして三相交流電力を供給し、後記のように回転子3の超電導体4に印加する交番磁界(回転磁界)を生成する。
一方、回転子3はクライオスタット構造になる中空回転部3aと回転軸3b(回転機の出力軸)からなり、回転軸3bが軸受(不図示)を介して固定子のブラケットに軸支されている。そして、前記中空回転部3aの内部中央には回転子の軸中心Oに合わせて1枚の平板状の超電導体4が収容配置されており、この超電導体4は非磁性の支持部材(不図示)を介して中空回転部3aに結合支持されるようにしている。
また、前記平板状の超電導体4は、例えばイットリウム系(Y系)などの高温酸化物超電導材で作られ、その外形輪郭が矩形状(ないしは矩形と類似な小判形状)になる幅広な薄膜超電導体であり、ここで超電導体4の幅をD、軸方向の長さをLとする。なお、よく知られているようにこの薄膜超電導体は、例えば銀,ハステロイなどの基板(常電導金属)を安定材としてその上に中間層を介して超電導薄膜を成膜した複合体になる。
次に、図1に示した超電導回転機の動作原理を説明する。まず、平板状の超電導体4を収容した回転子3の中空回転部3aに液体窒素などの冷媒を導入して超電導体4を臨界温度以下の超電導状態に冷却した上で、固定子1に配した電機子コイル2に三相交流を通電すると、図2で示すように回転子3(不図示)を配置する空間には図示矢印で表す交番磁界B(回転磁界)が発生し、この電機子磁界Bが回転子3に配した平板状の超電導体4(図1参照)に印加される。
そして、この電機子磁界Bの印加により、平板状の超電導体4には図3で表すように遮蔽電流Isが誘起し、矩形状の超電導体4の周域に沿ってループ状に流れる。これにより、遮蔽電流Isと電機子磁界Bとの相互作用によって平板状の超電導体4には図示のような電磁力(ローレンツ力)F(F=Is×B×L)が発生する。この場合に、磁界Bが図示のように超電導体4の主面に対して垂直方向に印加されている状態では、回転子の軸中心Oに対して超電導体4の左側領域に発生する電磁力Fと右側領域に発生する電磁力Fの方向は互いに向きが反対で電磁力F同士が相殺し合うので、超電導体4は回転しない。
これに対して、図4で表すように電機子磁界Bの向きに対して平板状の超電導体4がある角度傾斜していると、前記電磁力Fが偶力となって超電導体4が回転軸中心Oの回りに回転する。なお、図2で述べた電機子磁界Bは回転磁界でその磁界の向きが周期的に変化するので、超電導体4を支持した回転子3は連続的に回転することになる。
上記した構造,動作原理の説明から明らかなように、本発明の超電導回転機は回転子3の中空回転部3aの中央に平板状の超電導体4を設置しただけの簡易な構造であり、特許文献3に開示されているかご形巻線のように回転子コアのスロットに収めたロータバーの両端をエンドリングに電気的に接続する必要もなく、また回転子3には特許文献2におけるトルクシールド,特許文献3における常電導かご形巻線などのジュール発熱が大なき常電導金属体、および重量物の回転子コアも必要ない。
これにより、回転機の小型,軽量化が図れるとともに、超電導体を超電導状態に保冷する冷却装置の冷却負荷も大幅に軽減できる。また、回転機の運転開始当初からの超電導体を常時超電導状態に冷却維持しておくことで、特許文献2,特許文献3の超電導回転機のように起動から定常運転に移行する過程で行う超電導臨界温度の判定,制御も必要なく運転できる。
なお、先記した回転機の動作原理から、図示の実施例では平板状の超電導体4として、幅広で厚さが薄い薄膜超電導体を用いているがこれに限定されるものではなく、例えばバルク材の超電導体を採用することも可能である。また、平板状の超電導体には、必要に応じてその板面に回転軸方向に沿ったスリットを形成することも可能である。
また、回転子3に配置した超電導体4の冷却についても、図示実施例の冷却方式に限定されるものではなく、例えば固定子1の電機子コイル2を含めて超電導回転機全体を円筒状の外囲容器で囲み、この外囲容器の外周面に布設した冷媒の通流配管に外部から極低温冷媒を流して伝熱、対流により超電導回転機全体を冷却するようにしてもよい。さらに、極低温冷媒として、液体窒素のほかにHe,Neの気体又は液体も使用できる。
次に、先記実施例1を改良して超電導回転機の出力トルクを増強するようにした本発明の実施例2の回転機構成,およびその回転動作を図5,図6で説明する。
すなわち、この実施例では超電導体4を、複数(N枚)の矩形状薄膜超電導体4-1,4-2,・・・4-Nをその主面と垂直な方向に重ね合わせて積層一体化した構成とし、この積層形の超電導体4を図示のように回転軸中心Oに合わせて回転子3の中央に収容している。なお、図示していないが前記薄膜超電導体4-1,4-2,・・・4-Nは電気絶縁材を介して導体相互間を電気的に絶縁し、各枚の薄膜超電導体に流れる遮蔽電流Isの干渉を避けるようしている。
そして、先記の実施例1と同様に、積層形の超電導体4を臨界温度以下の超電導状態に冷却した状態で、固定子1の電機子コイル2で生成した電機子磁界(回転磁界)Bを回転子3の超電導体4に印加すると、図6で表すように超電導体4には各枚の薄膜超電導体4-1,4-2,・・・4-Nに誘起した遮蔽電流Isと電機子磁界Bとの相互作用により、超電導体4にはローレンツ力F'(F'=F×N(但しN:薄膜超電導体の積層数))が発生する。ここで、電機子磁界Bの印加方向と超電導体4とのなす角度をθとすれば、超電導体4は回転トルクT(T=F'×cosθ×r (但し、rは回転軸中心Oから導体両端までの回転半径)を受けて回転軸中心Oの回りで回転する。これにより、平板状の超電導体4を一枚で構成した先記実施例1と比べて超電導回転機の出力トルクを大幅に増強できる。そのほか、この積層形の超電導体4の実効的な機械的強度(剛性)を高めて回転機の遠心荷重による薄膜超電導体の変形,破損を防ぐ効果も期待できる。
次に、前記実施例2の積層形回転子をさらに改良した本発明の実施例3を図7,図8に示す。
すなわち、この実施例においては、複数の薄膜超電導体4-1,4-2,・・・4-Nをその主面と垂直な方向に重ね合わせた積層体になる超電導体4について、その薄膜超電導体の外形輪郭に合わせて形成した矩形状の磁性材5を各枚の薄膜超電導体4-1,4-2,・・・4-Nと交互に重ね合わせて積層するようにしている。この構成により、固定子の電機子コイル(不図示)で生成した交番磁界を回転子3に収容した複数の薄膜超電導体4-1,4-2,・・・4-Nへ集中的に印加させて遮蔽電流Isを効果的に発生させることができる。
なお、図7は隣接する薄膜超電導体の間に磁性材5を介挿して積層し、図8は図7と逆に磁性材5の間に薄膜超電導体を介挿しており、いずれの構成でも同等な効果を発揮させることができる。
次に、比較的小面積の超電導体を組み合わせて大面積な超電導体を構成できるようにした本発明の実施例4を図9(a),(b)に示す。
すなわち、現在の製造技術で大面積の薄膜超電導体を製造するには、その製造設備を大型化する必要があることから製品コストが高価格になるのは明白である。さらに問題となる点は、大面積の薄膜超電導体における超電導特性を均一化する技術が非常に難しいことである。薄膜超電導体の製造には幾つかの製造方法が実用化されているが、配向性をもった安定材の基板上に超電導層を成膜する際の成膜条件によって超電導特性が大きく変わるため、大面積で品質の高い薄膜超電導体を製造することは非常に困難であるのが現状である。
かかる問題に対して、図9の実施例では回転子3に収容した平板状の超電導体4を矩形状になる左右二枚の分割超電導体4a-1と4a-2に分割し、かつ各分割超電導体4a-1,4a-2を回転子2の軸中心Oと軸対称位置に並置した上で、その分割ラインと直角方向の両端部を、接続導体4bを介して電気的に相互接続している。
上記構成の超電導体4に先記の実施例1と同様に電機子コイル2で生成した回転磁界を印加すると、分割超電導体4a-1,4a-2に誘起した遮蔽電流が接続導体4bを経由してループ状に流れ、この遮蔽電流と電機子磁界との相互作用により超電導体4に発生した回転力で回転子3が回転軸中心Oの回りに回転する。なお、超電導体4の分割数は二枚に限定されるものではなくそれ以上に分割してもよい。また、分割超電導体4a-1,4a-2の両端に跨がって接続した接続導体4bは、超電導材でも常電導材でもよい。
この構成によれば、幅広,大面積の超電導体を用いなくても、比較的小面積の超電導体を組み合わせて高出力の回転機を構成することが可能となる。
次に、前記した実施例4の応用実施例を図10に示す。すなわち、図9の実施例では分割超電導体を回転子の軸中心Oに対し左右に分けて並置配列しているのに対して、この実施例では複数に分けた矩形状の分割超電導体4a-1,4a-2,4a-3を、図示のように回転子3の回転軸方向に沿って並置配列した上で、各分割超電導体4a-1,4a-2,4a-3の相互間をその左右両端部に配した接続導体4bを介して相互接続するようにしている。
この実施例でも、先記実施例4と同様に比較的小面積の超電導体を組み合わせて高出力の回転機を構成することができる。なお、図示実施例では超電導体4を三枚の分割超電導体4a-1,4a-2,4a-3に分けているが、分割数はこれに限定されるものではない。
次に、本発明の超電導回転機の運転システムを図11で説明する。すなわち、先記実施例で説明した超電導回転機の構成,動作原理から判るように、固定子1の電機子コイル2で生成した磁界(回転磁界)Bを回転子3に収容配置した平板状の超電導体4に印加した状態で、超電導体4に流れる遮蔽電流Isと電機子磁界Bとの相互作用により発生する回転力で回転子3を回転させるには、超電導体4と電機子磁界との間に或る角度θ(図4,図6参照)を保持する必要があり、また回転子3に負荷をかけた運転状態では負荷の大きさによって適正な角度θも変わる。
そこで、図11に示す運転システムでは、回転子3の駆動軸3bに対し、運転側と反対側の軸端に対向して回転子角度位置検出器6を配置した上で、この検出器6の検知信号を電機子コイル電力制御装置7に出力し、電機子コイル電力供給装置(インバータ)8を介して電機子コイル2に供給する電力を制御するようにしている。
これにより、超電導回転機の起動,運転時に回転子3に配置した平板状超電導体4の回転角度を検知し、この検知信号を基に電機子コイル2の通電により生成する回転磁界の強さ,位相,周波数,回転方向などを制御して回転機を安定よく運転することが可能になる。なお、この制御法を活用することにより、超電導回転機を電動機以外に制動機(ブレーキ)として使用することも可能である。
1 固定子
2 電機子コイル
3 回転子
3a 中空回転部
3b 回転軸
4 平板状の超電導体
4a-1〜4a-3 分割超電導体
4b 接続導体
5 磁性材
6 回転子角度位置検出器
7 電機子コイル電力制御装置
8 電機子コイル電力供給装置

Claims (8)

  1. 固定子側に設けた電機子コイルと、
    回転子と、
    前記回転子の中央に収容された平板状の超電導体と、を備え、
    前記電機子コイルからの磁界前記平板状の超電導体に印加されることによって誘起される遮蔽電流と前記磁界とによって生じる電磁力に基づいて、前記回転子回転するように構成されたことを特徴とする超電導回転機。
  2. 固定子側に設けた電機子コイルと、
    回転子と、
    前記回転子の中央に収容された積層体と、を備え、
    前記積層体は、少なくとも1枚の平板状の超電導体を有し、
    前記電機子コイルからの磁界が前記平板状の超電導体に印加されることによって誘起される遮蔽電流と前記磁界とによって生じる電磁力に基づいて、前記回転子が回転するように構成されたことを特徴とする超電導回転機。
  3. 前記積層体は、複数枚の平板状の超電導体の間に電気絶縁材が介在されていることを特徴とする請求項2に記載の超電導回転機。
  4. 前記積層体は、複数枚の平板状の超電導体の間に磁性材が介在されていることを特徴とする請求項2に記載の超電導回転機。
  5. 前記平板状の超電導体は、外形輪郭が矩形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の超電導回転機。
  6. 前記平板状の超電導体は、超電導材料と安定化材としての常電導材料との複合体からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の超電導回転機。
  7. 前記平板状の超電導体は複数個に分割され、分割された超電導体の分割ラインと直角方向の端部相互間電気的に接続されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか項に記載の超電導回転機。
  8. 記回転子の軸に設けた回転角度位置検出器と、
    前記検出器により検出した回転子の回転角度に基づいて前記電機子コイルの発生磁界の角度制御を行う制御装置と
    更に備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか項に記載の超電導回転機。
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