JP5970276B2 - 炭素系機能性複合材料の製造方法 - Google Patents

炭素系機能性複合材料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5970276B2
JP5970276B2 JP2012160644A JP2012160644A JP5970276B2 JP 5970276 B2 JP5970276 B2 JP 5970276B2 JP 2012160644 A JP2012160644 A JP 2012160644A JP 2012160644 A JP2012160644 A JP 2012160644A JP 5970276 B2 JP5970276 B2 JP 5970276B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
thermoplastic resin
resin
composite material
functional composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012160644A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014019075A (ja
Inventor
卓三 今泉
卓三 今泉
直美 後藤
直美 後藤
尚紀 芝
尚紀 芝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Futamura Chemical Co Ltd
Original Assignee
Futamura Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Futamura Chemical Co Ltd filed Critical Futamura Chemical Co Ltd
Priority to JP2012160644A priority Critical patent/JP5970276B2/ja
Publication of JP2014019075A publication Critical patent/JP2014019075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5970276B2 publication Critical patent/JP5970276B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は炭素系機能性複合材料製造方法に関し、特に、樹脂の基材中に炭素系材料を適切に混入して樹脂材料に新たな機能を付与した炭素系機能性複合材料製造方法に関する。
熱可塑性樹脂は成形や加工が容易であり、種類も豊富なことから広汎に利用されている。このような樹脂の利便性をさらに発展させるべく、樹脂内に当該樹脂と異なる新たな成分を添加して、樹脂単体では得ることができなかった機能を発揮させた樹脂機能材料が提案されている。
樹脂複合材料を形成するに際し、例えば導電性機能の付与の場合、黒鉛等の炭素材料の添加が代表的である。樹脂自体は電気伝導性がないため、導電性のため炭素材料等の添加成分の配合を増やす必要がある。つまり、成形後の樹脂に拡散する添加成分の濃度を高めていた。このことから、機能発現のためには過剰に添加する必要がある。しかし、樹脂自体に占める添加成分の体積割合を多くするに伴い、相対的に構造強度を維持するための樹脂の割合が減少して樹脂複合材料自体が脆弱化する。このような性能面と強度面の矛盾が問題となっていた。
そこで、機能性材料の添加と樹脂複合材料の脆弱化の問題に対処するべく、以下をはじめとする技術が提案されている。例えば、2種以上のポリマーを混合し、ここに導電性を付与するフィラーを添加した導電性プラスチック(特許文献1参照)、バインダ能力の異なる2種類の樹脂を混合した後に導電性カーボン系フィラーを添加した導電性樹脂組成物の製造方法(特許文献2参照)が提案されている。
また、炭素質粉末を樹脂被覆層で被覆し、これを樹脂強化相により固めた燃料電池セパレータ成形複合材(特許文献3参照)、熱可塑性樹脂とエラストマーを有し分散相と連続相を含む樹脂バインダと導電性物質を含む導電性樹脂組成物(特許文献4参照)が提案されている。さらに、互いの粘度の異なる2種類の熱可塑性樹脂とカーボンナノチューブを含有し、両樹脂が連続層を形成した導電性樹脂組成物(特許文献5参照)、熱可塑性樹脂とエラストマーを混練後、炭素質材料を添加してさらに混練した導電性樹脂組成物の調製方法(特許文献6参照)が提案されている。
これらの文献を含めこれまでに開示の樹脂機能材料については強度の点において一定の改善は見られた。しかし、添加成分を混合する必要上、樹脂自体の使用量に影響することは不可避であり、さらなる改善の余地があった。
特開平1−263156号公報 特開平10−87874号公報 特開2003−257446号公報 特開2005−187811号公報 特開2010−24261号公報 特開2011−195618号公報
発明者は、これまでの加工方法を見直すとともに、熱可塑性樹脂の特性に着目してさらに鋭意検討を重ねてきた。その結果、従来品よりも機能性付与のための添加成分の配合量を抑制しつつも、出来上がった樹脂機能材料の強度確保も実現した炭素系機能性複合材料を得るに至った。
本発明は、上記状況に鑑み提案されたものであり、機能性付与のための添加成分の配合量を従来品よりも抑えながらも同程度の機能を発揮させ、しかも材料の脆弱化を回避した炭素系機能性複合材料製造方法を提供する。
請求項の発明は、第1熱可塑性樹脂と前記第1熱可塑性樹脂よりも溶融温度が高い第2熱可塑性樹脂と炭素系材料を含んでなる機能性樹脂材料の製造方法であって、前記第1熱可塑性樹脂の溶融温度以上でかつ前記第2熱可塑性樹脂の溶融温度以下の第1成形温度で、前記第1熱可塑性樹脂と前記第2熱可塑性樹脂と前記炭素系材料とを加熱混練して、前記第1熱可塑性樹脂が溶融した状態の第1成形体を得る第1工程と、前記第2熱可塑性樹脂の溶融温度以上の第2成形温度で、前記第1成形物を混練することなく加熱加圧して、前記第1成形体内で前記第2熱可塑性樹脂が互いに溶着された状態の第2成形体を得る第2工程とを有することを特徴とする炭素系機能性複合材料の製造方法に係る。
請求項の発明は、前記第2熱可塑性樹脂が粒状物である請求項に記載の炭素系機能性複合材料の製造方法に係る。
請求項の発明は、前記炭素系材料の前記機能性樹脂材料に占める体積割合が10体積%以上である請求項1または2に記載の炭素系機能性複合材料の製造方法に係る。
請求項の発明は、前記炭素系材料が、炭素繊維、黒鉛、カーボンビーズ、またはカーボンナノチューブから選択される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の炭素系機能性複合材料の製造方法に係る。
請求項の発明に係る炭素系機能性複合材料の製造方法によると、第1熱可塑性樹脂と前記第1熱可塑性樹脂よりも溶融温度が高い第2熱可塑性樹脂と炭素系材料を含んでなる機能性樹脂材料の製造方法であって、前記第1熱可塑性樹脂の溶融温度以上でかつ前記第2熱可塑性樹脂の溶融温度以下の第1成形温度で、前記第1熱可塑性樹脂と前記第2熱可塑性樹脂と前記炭素系材料とを加熱混練して、前記第1熱可塑性樹脂が溶融した状態の第1成形体を得る第1工程と、前記第2熱可塑性樹脂の溶融温度以上の第2成形温度で、前記第1成形物を混練することなく加熱加圧して、前記第1成形体内で前記第2熱可塑性樹脂が互いに溶着された状態の第2成形体を得る第2工程とを有するため、機能性付与のための添加成分となる炭素系材料の配合量を従来品よりも抑えながらも同程度の機能を発揮させることができる。加えて、炭素系材料の添加に伴う複合材料自体の脆弱化も回避することができる。
請求項の発明に係る炭素系機能性複合材料の製造方法によると、請求項の発明において、前記第2熱可塑性樹脂が粒状物であるため、第1成形温度下による混練においても粒状物は比較的形状を維持しやすく、基材部の流動性に合わせて移動可能となる。また、第1成形温度下で第2熱可塑性樹脂は粒状物として存在するため、炭素系材料を第1熱可塑性樹脂の側に偏在させることができる。
請求項の発明に係る炭素系機能性複合材料の製造方法によると、請求項1または2の発明において、前記炭素系材料の前記機能性樹脂材料に占める体積割合が10体積%以上であるため、複合材料に炭素系材料に由来する機能性付与が可能となる。
請求項の発明に係る炭素系機能性複合材料の製造方法によると、請求項1ないし3のいずれか1項の発明において、前記炭素系材料が、炭素繊維、黒鉛、カーボンビーズ、またはカーボンナノチューブから選択されるため、強度、電気伝導性、熱伝導性等の機能を樹脂に付与することができる。
本発明の炭素系機能性複合材料の断面模式図である。 本発明の炭素系機能性複合材料の製造方法を説明する概略工程図である。 第2熱可塑性樹脂が強度部材を形成する際の模式図である。 本発明の他形態の炭素系機能性複合材料の断面模式図である。
本発明の炭素系機能性複合材料とは、溶融温度の異なる2種類の熱可塑性樹脂と炭素系材料を含んでなる機能性樹脂材料である。樹脂内に炭素系材料を混入することにより、例えば、導電率(電気導電率)の向上、電磁波の遮蔽、熱伝導率向上等の樹脂のみの組成では発揮できない機能も発揮できる。
炭素系機能性複合材料を形成する原料において、低溶融温度側の樹脂は第1熱可塑性樹脂であり、第1熱可塑性樹脂よりも溶融温度の高い高溶融温度側の樹脂は第2熱可塑性樹脂である。互いの熱可塑性樹脂の性質を区別するに際して溶融温度を用いる理由は、後述する製造方法との関連から各種の樹脂において加熱により流動性が生じる温度を規定する必要があるためである。従って、示差熱分析(DTA)等を通じて融点が把握可能な樹脂における溶融温度とは融点を意味し、複数種類の混合樹脂や組成が複雑な樹脂等で明確な融点の把握が困難な場合には溶融温度は当該樹脂の軟化点を意味する。
図1の断面模式図を用い炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料10)の構造から説明する低溶融温度側となる第1熱可塑性樹脂11の溶融により当該機能性樹脂材料10の基材部15が形成される。高溶融温度側の第2熱可塑性樹脂12は粒状物17として第1熱可塑性樹脂11の基材部15内に存在しているとともに、当該第2熱可塑性樹脂12同士は互いに溶着している。第2熱可塑性樹脂12同士の溶着により粒状物17が連鎖状(数珠繋ぎ状)となる。この結果、第1熱可塑性樹脂11の基材部15の中に第2熱可塑性樹脂12に由来する強度部材16が形成される。
そして、炭素系材料13は第1熱可塑性樹脂11の基材部15の中に配置される。機能性樹脂材料10において、樹脂への機能性付与を担う炭素系材料13は、必ずしも厳密ではないものの、第1熱可塑性樹脂11の基材部15に偏在する。また、第2熱可塑性樹脂12は主に基材部15の強度確保目的となる。基材部15内に発達した強度部材16はランダムかつ複雑な繋がりを有している。後述するとおり、機能性樹脂材料10にあっては、第1熱可塑性樹脂11の基材部15のみにより形成した状態よりも第2熱可塑性樹脂12の強度部材16を備えたことにより変形等に対する強度は向上する。
図1の炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料10)を得るための製造方法について、原材料とともに図2の概略工程図を用いさらに説明する。まず、必須原材料として、第1熱可塑性樹脂11、第2熱可塑性樹脂12、及び炭素系材料13が用意される(図2(a))。
第1熱可塑性樹脂11及び第2熱可塑性樹脂12については、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン等の1種または2種以上のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体等が挙げられる。さらに前記したこれら重合体の混合物等のポリオレフィン系樹脂、石油樹脂及びテルペン樹脂等の炭化水素系樹脂も挙げられる。さらには、ポリエステル樹脂(PET樹脂等)、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂等)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、あるいは、各種のエラストマー(エチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等)、フッ素樹脂等も含めることができる。
第1熱可塑性樹脂11及び第2熱可塑性樹脂12は、互いの融点が異なっていれば特段限定されないため、同種類同士(例えばポリエチレン同士)から選択しても、異種(ポリエチレンとポリプロピレン)から選択することができる。樹脂の選択は、両熱可塑性樹脂間の配合割合、炭素系機能性複合材料の目的、用途、耐久性、使用条件、炭素系材料の配合量、形状等を勘案して適切に選択される。ただし、第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂の相溶性が良好すぎる場合、基材部15内において溶融混合が進み、第2熱可塑性樹脂12に由来する強度部材16が生じにくくなる。そのため、樹脂選択に際し、互いの相溶性を近似させすぎないことが必要である。後記の実施例では、溶融温度とともに分子量の異なるポリエチレン樹脂を用いた。
低溶融温度側となる第1熱可塑性樹脂11は後述する第1成形温度で溶融されるため、形状等に制約はない。これに対し、高溶融温度側となる第2熱可塑性樹脂12は基材部15内に数珠繋ぎ状に存在する必要から、請求項の発明に規定するように、個々の形態は粒状物である。第2熱可塑性樹脂12の粒状物17の大きさは、最終的に出来上がる炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料)の大きさ、形状、厚さにより選択される。そのため、第2熱可塑性樹脂12には、概ね5μmないし150μmの粒径の樹脂粒状物が用いられる。第2熱可塑性樹脂12は製品段階からの粒状物を用いるほか、事後的に粉砕、分級して調製することもできる。なお、粒状物17の形状は球状、楕円状、柱状、その他不定形状等の適宜である。
炭素系材料13は、導電率(電気導電率)の向上、電磁波の遮蔽、あるいは熱伝導率向上等の機能を樹脂に付与するための原材料である。このことからわかるように導電体である。炭素系材料は、請求項の発明に規定するように、炭素繊維、黒鉛、またはカーボンナノチューブ等から選択される。さらに、炭素系材料として公知の活性炭やC60、C70、C76等の各種フラーレンも含められる。炭素繊維は高い強度を有することから、第2熱可塑性樹脂12を除いた基材部15に機械強度を付与することが可能と考えられる。黒鉛(グラファイト)は結晶状の炭素からなり電気伝導性や耐熱性等に優れる。カーボンビーズは耐熱性及び樹脂との混練性に優れる。カーボンナノチューブは電流密度耐性、熱伝導特性、機械強度等に優れる。いずれを選択し、また組み合わせるのかは、用途、目的による。
第1熱可塑性樹脂11、第2熱可塑性樹脂12、及び炭素系材料13の配合に際し、その配合は、体積割合により算出、規定される。重量割合の場合、炭素系材料の種類、密度の関係から樹脂と比較できなくなるためである。また、基材部15に占める強度部材16(第2熱可塑性樹脂)や炭素系材料13の存在形態を把握する上で便利なためである。第1熱可塑性樹脂11と第2熱可塑性樹脂12との樹脂同士の配合では、双方の配合割合には特段の制約はない。後記の実施例の場合、両樹脂は体積割合では概ね同量割合から1.5倍量の体積倍の範囲内である。
炭素系材料13の配合は、請求項の発明に規定するように、機能性樹脂材料10の全体積において10体積%以上である。より具体的には、後記の実施例の見かけ体積割合が10体積%以上である。上限は炭素系材料の種類によるものの、概ね50体積%以下である。10体積%未満の場合、炭素系材料が少なすぎるため、機能性付与が見込まれない。また、50体積%を超える場合、炭素系材料が多くなりすぎるため、炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料)自体の強度維持が難しくなる。
炭素系機能性複合材料には、前述の必須原材料に加え、アンチブロッキング剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤が含有されることもある。
前述のとおり、原料の選択並びに体積割合に応じた配合量の計量の後、第1熱可塑性樹脂11、第2熱可塑性樹脂12、及び炭素系材料13は、第1熱可塑性樹脂11の溶融温度以上であり、かつ、第2熱可塑性樹脂12の溶融温度以下に設定された第1成形温度において加熱溶融可能な公知のブレンダーやニーダー等により、加熱を伴いながら混練される。そして、混練物は次の工程に備えて適宜の型等に移し替えられる。
こうして、第1熱可塑性樹脂11のみが溶融し、第2熱可塑性樹脂は混練当初の粒状物17の形態のまま第1熱可塑性樹脂11の基材部15内に存在する。そして、炭素系材料13は溶融した第1熱可塑性樹脂11の基材部15内に存在する第1成形体21を得ることができる(図2(b)参照)。第2熱可塑性樹脂12を粒状物17としているため、第1成形温度下による混練によっても粒状物は比較的形状を維持しやすく、基材部15の流動性に合わせて移動可能である。
第1成形体21では、炭素系材料13は第1熱可塑性樹脂11の溶融により形成された基材部15の内部に散在する。すなわち、溶融を伴わない第2熱可塑性樹脂12の粒状物17を除いた部位(基材部15)に偏在することになる。この時点の基材部15における粒状物17は、いわゆる海島状等と称される分散状態として存在している。ここまでの図2(a)から(b)までの間の処理は「第1工程」である。
第1成形温度は、第1熱可塑性樹脂11と第2熱可塑性樹脂12の溶融温度の差や装置性能、作業効率、樹脂の流動性等から設定される。第1工程から得る第1成形体21は、次の工程での取り扱いを考慮して便宜上の形状を保持していればよく、この段階で必ずしも所定の形状に成形する必要はない。
次に、第1成形体21は、第2熱可塑性樹脂の溶融温度以上の第2成形温度に加熱される。当該加熱と同時に第1成形体21は再度混練されることなく加圧される。このときの加圧はバッチプレス装置等を使用してのプレス板を押し当てる方法や、カレンダーロール、スリーブベルトまたはダブルベルトプレス間への誘導、所定の金型を用いたプレス成型、あるいは、高圧力による第1成形体の射出等による加圧が用いられる。
従って、第1成形体21は、第2成形温度を伴って第2熱可塑性樹脂12の粒状物17を含めて流動化する。この時点で加圧されるため、接近している第2熱可塑性樹脂12の粒状物17同士は溶融により流動化し、互いに接触、融合し合う。こうして、第1成形体21の中において第2熱可塑性樹脂12が互いに溶着された状態の第2成形体22を得ることができる(図2(c)参照)。ここまでの図2(b)から(c)までの間の処理は「第2工程」である。
炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料)は、第2工程を経ることにより最終的に出来上がる大きさ、形状、厚さ等が規定される。例えば、フィルム、シート、または板状とするほか、柱状(円筒、角材)、ブロック状、さらには、線状、繊維状、あるいは金型面に応じ転写した所定形状に成形される。
当該第2工程における第2熱可塑性樹脂12の粒状物17の形状変化について、さらに図3の拡大模式図を用いて説明する。図3は熱可塑性樹脂の関係を説明する便宜上、第1熱可塑性樹脂11の基材部15と第2熱可塑性樹脂12の粒状物17のみを表記した。第1工程を終えた時点では、各々の原料は混合されるものの第2熱可塑性樹脂12の粒状物17はほぼ混練当初の形状を維持している(図3(a))。第1成形温度では第2熱可塑性樹脂12は溶融して軟化しないためである。
続く第2工程では、第1成形体21自体は混練を伴わないままの第2成形温度の加熱であるため、第1熱可塑性樹脂11の溶融とともに第2熱可塑性樹脂12の溶融も可能となり、第2熱可塑性樹脂12の粒状物17の軟化に伴い流動性が高まる。ただし、混練されないため、第1成形体21の粒状物17や炭素系材料13は現状の配置を維持し、粒状物17としての形態を維持している。
図3(b)の模式図に示すとおり、第2工程では第1成形体21に対して加圧が行われることから、軟化した基材部15内で第2熱可塑性樹脂12の粒状物17は圧迫変形を通じて基材部15内を多少移動することができる。そして、粒状物17同士の間で接触した場合に粒状物17間での溶着が可能となる。第1熱可塑性樹脂11と第2熱可塑性樹脂12の溶融温度の差から明らかであるように性質の相違から両樹脂の溶融による樹脂同士の混合は回避されると考えられる。
図2及び図3の図示から把握されるように、第2熱可塑性樹脂12の粒状物17同士が溶着することにより強度部材16が炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料10)の中に形成される。粒状物17に由来する強度部材16は、粒状物同士の複雑な繋がりであるため、機能性樹脂材料10の中に3次元の網目構造物となる。
特に、図2に示すとおり、炭素系材料13は主に基材部15内に散在する。炭素系材料13は粒状物17から生じた強度部材16の内部に部分的に食い込むことはあっても、炭素系材料13の全体が強度部材16の内部に埋入することは少ない。第2熱可塑性樹脂12により形成される強度部材16に着目した場合、樹脂以外の原材料である炭素系材料13の影響を受けて単位体積当たりの強度部材16の樹脂分の割合が低下することは回避される。
このことからわかるように、機能性樹脂材料10としての機能を発揮させる炭素系材料13は、全体構造を維持する基材部15に留められる。これに加えて、強度部材16はほぼ樹脂のまま第2熱可塑性樹脂12により形成され、機能性樹脂材料10の内部全体に炭素系材料13の間を縫うようにして広がる。炭素系材料13を事実上含まない強度部材16が基材部15に加わることから、基材部15の脆弱化を回避するとともに当該樹脂に起因する弾力性や剛性が機能性樹脂材料10に備わる。
加えて、炭素系材料13のほぼ全量は基材部15に偏在していることから、基材部15に着目すると、炭素系材料13の体積割合は非常に高まる。例えば、機能性樹脂材料10の全体において、炭素系材料13が20体積%、第1熱可塑性樹脂11(基材部15)が40体積%、第2熱可塑性樹脂12(粒状物17)が40体積%の体積組成割合を仮定する。機能性樹脂材料10の全体で見れば炭素系材料13は20体積%の存在割合に過ぎない。しかし、炭素系材料が存在可能な部位に着目すると、第2熱可塑性樹脂12(粒状物17)の体積分を除いた体積である60体積%(=炭素系材料の20体積%+第1熱可塑性樹脂の40体積%)となる。炭素系材料13はその中で20体積%を占めるため、相対割合は33.3体積%にまで上昇する。
ここからわかるように、見かけの上で炭素系材料の配合量を低濃度(低存在割合)としても、実際に存在し得る部位においては高濃度(高存在割合)となる。それゆえ、機能性樹脂材料の基材部における炭素系材料の濃度上昇に伴い、より同材料由来の機能発現が大きくなる。従って、炭素系材料の機能を樹脂に付与するに際し、炭素系材料の配合量を抑えたとしても、従来品と同等ないしそれ以上の機能発現が可能と考える。
図4の断面模式図は他の炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料10A)を示す。図示の機能性樹脂材料10Aは炭素系材料を2種類とする。1種類目の炭素系材料13に加えて2種類目の炭素系材料14も配合される。例えば、炭素系材料13は黒鉛や炭素繊維等の比較的大きな形態の材料である。これに対し炭素系材料14はカーボンナノチューブ(CNT)等の炭素分子化合物である。複数の炭素系材料を混合することにより、炭素系材料の機能を増強、補完することができる。カーボンナノチューブの場合、電流密度耐性、熱伝導特性、機械強度等をさらに高めることができる。むろん、添加する炭素系材料の種類は限られることなく、適宜の組み合わせが可能である。例えば、粒径の異なる黒鉛同士、断面直径の異なる炭素繊維同士としてもよい。図4と図1の共通符号は同一物を示すため、説明を省略する。
〔使用原料〕
炭素系機能性複合材料の作成に際し、以下の原料を使用した。
〈第1熱可塑性樹脂〉
ポリエチレン樹脂(直鎖低密度ポリエチレン){宇部丸善ポリエチレン株式会社製,製品名:ユメリット0540F,融点87℃},表中「LLPE」と略記する。
ポリプロピレン樹脂{日本ポリプロ株式会社製,製品名:ノバテックFW4B,融点138℃},表中「PP」と略記する。
〈第2熱可塑性樹脂〉
ポリエチレン樹脂(超高分子量ポリエチレン){三井化学株式会社製,製品名:ミペロンXM220,融点134℃,粒径30μm},表中「HPE1」と略記する。
ポリエチレン樹脂(超高分子量ポリエチレン){三井化学株式会社製,製品名:ハイゼックスミリオン,融点134℃,粒径100μm},表中「HPE2」と略記する。
ポリアミド樹脂(ナイロン12){ダイセル・エボニック株式会社製,製品名:ベストジント2157,融点176℃,粒径55μm},表中「NY」と略記する。
〈炭素系材料〉
炭素繊維(ピッチ系炭素繊維){三菱化学株式会社製,製品名:ダイアリードK223HE,繊維長6mm,繊維断面径11μm},表中「CF」と略記する。
球状黒鉛{日本カーボン株式会社製,製品名:ニカビーズP10B−ZG,粒径10μm},表中「SG」と略記する。
カーボンビーズ{日本カーボン株式会社製,製品名:ニカビーズICB0520,粒径5μm},表中「CB」と略記する。
カーボンナノチューブ{昭和電工株式会社製,製品名:VGCF−XA,繊維断面径11nm},表中「CNT」と略記する。
〔炭素系機能性複合材料の作成〕
後記の表1ないし3に開示の試作例1ないし15の体積割合(vol%)(体積%と同義)による配合比に従い、対応する全ての原料(第1熱可塑性樹脂、第2熱可塑性樹脂、及び炭素系材料)を計量した。試作例に応じて次述の処理1ないし3の第1工程と、選択的に処理4ないし6の第2工程を組み合わせて炭素系機能性複合材料を作成した。第1工程の処理1ないし3は加熱と混練を伴う。しかし第2工程の処理4ないし6は加熱加圧のみで混練していない。
〔炭素系材料の体積存在割合〕
第1熱可塑性樹脂の体積割合(Vr1)、第2熱可塑性樹脂の体積割合(Vr2)、及び炭素系材料の体積割合(Vc)、いずれも単位はvol%とした。見かけ体積割合(Rvf)(%)は下記の(i)式として示すことができる。実質体積割合(Rvr)(%)は下記の(ii)式として示すことができる。
Figure 0005970276
Figure 0005970276
〈第1工程〉
(処理1) 試作例7,8,11ないし15について、当該3種類の原料を二軸混練押出機に投入し、第1熱可塑性樹脂の融点以上であり第2熱可塑性樹脂の融点以下の第1成形温度(表参照)で加熱しながら混練し、混練物をTダイよりシート状に押し出した。当該Tダイからのシート状押出物が第1成形体である。シート状押出物の厚さは200〜300μmであった。処理1について各表中《1》と記載する。以下の処理2以降も同様である。
(処理2) 試作例1ないし5,9,10について、当該3種類の原料を二軸混練押出機に投入し、第1熱可塑性樹脂の融点以上であり第2熱可塑性樹脂の融点以下の第1成形温度(表参照)で加熱しながら混練し、当該混練物をTダイより押し出した。続けて、線圧を2t/cmに設定し、第1成形温度に加熱したロールプレス機にTダイからの押出物を通して圧延した。当該圧延によりフィルム状の第1成形体を得た。フィルム状第1成形体の厚さは200μmであった。
(処理3) 試作例6について、当該3種類の原料を二軸混練押出機に投入し、第1熱可塑性樹脂の融点以上であり第2熱可塑性樹脂の融点以下の第1成形温度(表参照)で加熱しながら混練して顆粒状の混練物とした。当該混練物が第1成形体である。この混練物の第1成形体の粒径は0.5〜3mmであった。
〈第2工程〉
(処理4) 試作例7,13,15について、第1工程により得た第1成形体を1辺10cm四方の正方形状に裁断して鏡面加工のステンレス板内に挟み込んだ。加熱プレス機にステンレス板ごと装着し、試作例に対応する第2成形温度に設定し所定の圧力下で加熱加圧してプレス成形した。成形を終えた後、ステンレス板から第2成形体(炭素系機能性複合材料)を取り出した。
(処理5) 試作例1,2,9,10,11について、第1工程により得た第1成形体の表裏両面を適宜のPET樹脂フィルムにより挟み込んだ。試作例に対応する第2成形温度に設定したステンレス製のシームレスベルト(スリーブベルトもしくはスチールベルトとも言う)を備えた圧延装置に導入し、所定の圧力下で加熱加圧して連続的にプレス成形した。成形を終えた後、PET樹脂フィルムから第2成形体(炭素系機能性複合材料)を取り出した。
(処理6) 試作例6について、第1工程により得た顆粒状の混練物(第1成形体)の表裏両面を適宜のPET樹脂フィルムにより挟み込んだ。試作例に対応する第2成形温度に設定したステンレス製のシームレスベルトを備えた圧延装置に導入し、所定の圧力下で加熱加圧して連続的にプレス成形した。成形を終えた後、PET樹脂フィルムから第2成形体(炭素系機能性複合材料)を取り出した。
〔物性の測定〕
〈導電率〉
JIS K 7194(1994)「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に準拠し、株式会社三菱化学アナリテック製,抵抗率計(ロレスタGP MCP−T610型),同社製ESPプローブを使用して導電率(S/cm)を測定した。
〈引張特性〉
JIS K 7127(1999)「プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」に準拠し、株式会社オリエンテック製,4本掛引張試験装置RTA−T−4Mを使用し、各試作例の炭素系機能性複合材料の引張破壊強さ(MPa)を計測した。
〈電磁波シールド性能の測定〉
一般社団法人KEC関西電子工業振興センターが提唱する「KEC法」に準拠し、株式会社アドバンテスト製,スペクトラムアナライザR3132、アンリツ株式会社製,測定評価治具MA8602Bを使用して測定した。測定に当たり、周波数1GHzの電磁波を照射した際の減衰効果(dB)により評価した。
〈熱伝導率の算出〉
Netzsch社製,キセノンフラッシュアナライザー LFA447 NanoFlashを使用し、フラッシュ法により熱拡散率(mm2/S)及び比熱容量(J・g-1・K-1)を測定した。METTLER−TOLEDO社製,電子天秤XS64を使用しアルキメデス法により密度(g/mm2)を測定した。各測定値に基づき、「熱伝導率=熱拡散率×比熱容量×密度」により熱伝導率(W・m-1・K-1)を算出した。
表1ないし3は各試作例の配合、工程、結果のまとめである。上欄から順に、原料となる第1熱可塑性樹脂、第2熱可塑性樹脂、及び炭素系材料の各成分の体積割合(vol%)、炭素系機能性複合材料全体に占める炭素系材料の体積割合(vol%){見かけ体積割合}、第2熱可塑性樹脂を除いた実質的に炭素系材料が存在し得る部位における体積割合(vol%){実質体積割合}、第1工程における処理、第1成形温度(℃)及び状態、第2工程における処理、第2成形温度(℃)及び状態、最終的に出来上がる第2成形体(炭素系機能性複合材料)の厚さ(μm)、導電率(S/cm)、及び引張破壊強さ(MPa)である。表中の第1工程の状態において「○」とは混練、成形が可能な試作例であり、「−」とは樹脂同士が混じり合わない所望の分散状態の混練ができなかった例である。その他の欄の「−」とは省略を意味する。
Figure 0005970276
Figure 0005970276
Figure 0005970276
電磁波シールド性能の測定において、試作例1の減衰効果は−27dB、試作例11の減衰効果は−30dBであった。
熱伝導率の測定において、試作例1の熱伝導率は1.23W・m-1・K-1、試作例13の熱伝導率は0.81W・m-1・K-1であった。
〔結果・考察〕
試作例1ないし4の対比は、配合する原料、体積割合を共通として、作成条件の差異が与える影響の検証である。試作例1は本発明に規定する工程を踏まえて作成した炭素系機能性複合材料である。試作例2は第2工程の加熱温度を第2熱可塑性樹脂の溶融温度よりも低い加熱温度で成形した。同試作例2は第2工程時に第2熱可塑性樹脂同士の流動化に伴う接触、融合が生じなかったことから、試作例1よりも強度(引張破壊強さ)が下がったと想定する。試作例3は第2工程の省略例であり、さらに強度(引張破壊強さ)が低下した。試作例4は第1工程において第1及び第2熱可塑性樹脂の溶融温度(この場合は融点)よりも高い温度での作成例であり、両熱可塑性樹脂の所望の分離状態が崩壊した。よって、以降の測定を取り止めた。
試作例5は第2熱可塑性樹脂を省略してその体積割合分を第1熱可塑性樹脂とした例であり、いわゆる従来の製造方法による例である。試作例5では炭素系材料が第1熱可塑性樹脂全体に分散することから、炭素系機能性複合材料に含有される炭素系材料の見かけ体積割合は他の試作例と同様であっても実質体積割合は減少する。そのため、炭素系材料が分散されすぎて導電率も低下した。また、第2熱可塑性樹脂が存在しないため、同樹脂に由来する構造強化機能も得ることができずに、強度(引張破壊強さ)も低下した。
試作例6は樹脂成分の体積割合を増やすとともに厚さを増した例である。試作例6も試作例1と同様に好適な炭素系機能性複合材料を得ることができた。試作例7,8は第2熱可塑性樹脂をより粒径の大きな種類に変更した例である。試作例8は第2工程において第2成形温度で加熱加圧をしていないため、第2熱可塑性樹脂の接触、融合が生じず、試作例7よりも強度が低下した。また、導電率の差も生じた。
試作例9,10は各成分の体積配合割合を変更した例である。試作例10のとおり、第2工程を含めるとしてもその第2成形温度を第1成形温度よりも低くすると第2熱可塑性樹脂の接触、融合が生じず、試作例9よりも強度が低下した。前述の結果と合わせて第2成形温度は重要であることを立証した。
試作例11ないし14は炭素系材料を変更した例である。この中で、試作例12,14のように、第2工程の加熱加圧を省略してしまうと第2熱可塑性樹脂の接触、融合が生じず、試作例11,13よりも強度も導電率も低下した。従って、使用材料いかんに関わらず、第2工程の適切な温度による加熱加圧は必須であることを証明した。
試作例15はポリプロピレンとポリアミドのように異なる樹脂種として作成した例である。この場合も第1工程及び第2工程を含みそれぞれが本発明に規定の加熱温度を満たして作成した。そこで、差異はあるものの導電率と強度を併せ持つことを確認した。
試作例1と11の電磁波シールド性能の結果、成分や配合量を変更しても炭素系材料を包含することから電磁波シールド効果を発揮した。試作例1と13の熱伝導率測定の結果についても樹脂と炭素の複合材料であることから熱伝導性の向上を確認した。なお、試作例13は樹脂の体積割合が多いことが影響している。
一連の結果から、炭素系機能性複合材料の作成に際し、第1工程においては第1熱可塑性樹脂の溶融温度以上かつ第2熱可塑性樹脂の溶融温度以下の第1成形温度により加熱混練する必要がある。同時に、第2工程においては第2熱可塑性樹脂の溶融温度以上の第2成形温度により加熱加圧する必要がある。すなわち、試作例1,6,7,9,11,13,15の例より工程ごとに温度処理条件を制御することが必須である。
第1工程の第1加熱温度では第2熱可塑性樹脂は溶融することなく、当初の粒状のまま炭素系材料を混ざらず、炭素系材料を第1熱可塑性樹脂の側に偏在させることができる。その上で、第2工程の第2加熱温度においてはじめて第2熱可塑性樹脂は溶融により軟化して流動性が高まる。このときの加圧変形により近接する第2熱可塑性樹脂溶着同士は溶着する。当該第2工程では混練がないことから現状位置は保存され、前記の溶着が可能であるといえる。
熱可塑性樹脂の使用種類について溶融温度を適切に選択する限り拡張できることを明らかにした。同じく、炭素系材料も炭素繊維、黒鉛、カーボンビーズまたはカーボンナノチューブのいずれも使用可能であることを明らかにした。使用する熱可塑性樹脂や炭素系材料は使用条件等を勘案し所望の強度や導電率の均衡により選択することができる。
炭素系材料の炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料)に占める体積割合(見かけ体積割合)については、試作例13の27体積%でも好適な結果を示した。そこで、炭素系機能性複合材料自体の強度を重視して設計すると10体積%前後まで炭素系材料を低減可能であると考える。
本発明の炭素系機能性複合材料は、内部に含む炭素系材料に起因した機能を樹脂材料に付与することによって、樹脂材料のみでは得ることできない用途にも適用することができる。また、非金属であることから軽量化も可能であり、代替材料としても有望である。
10,10A 炭素系機能性複合材料(機能性樹脂材料)
11 第1熱可塑性樹脂
12 第2熱可塑性樹脂
13,14 炭素系材料
15 基材部
16 強度部材
17 粒状物
21 第1成形体
22 第2成形体

Claims (4)

  1. 第1熱可塑性樹脂と前記第1熱可塑性樹脂よりも溶融温度が高い第2熱可塑性樹脂と炭素系材料を含んでなる機能性樹脂材料の製造方法であって、
    前記第1熱可塑性樹脂の溶融温度以上でかつ前記第2熱可塑性樹脂の溶融温度以下の第1成形温度で、前記第1熱可塑性樹脂と前記第2熱可塑性樹脂と前記炭素系材料とを加熱混練して、前記第1熱可塑性樹脂が溶融した状態の第1成形体を得る第1工程と、
    前記第2熱可塑性樹脂の溶融温度以上の第2成形温度で、前記第1成形物を混練することなく加熱加圧して、前記第1成形体内で前記第2熱可塑性樹脂が互いに溶着された状態の第2成形体を得る第2工程とを有する
    ことを特徴とする炭素系機能性複合材料の製造方法。
  2. 前記第2熱可塑性樹脂が粒状物である請求項に記載の炭素系機能性複合材料の製造方法。
  3. 前記炭素系材料の前記機能性樹脂材料に占める体積割合が10体積%以上である請求項1または2に記載の炭素系機能性複合材料の製造方法。
  4. 前記炭素系材料が、炭素繊維、黒鉛、カーボンビーズまたはカーボンナノチューブから選択される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の炭素系機能性複合材料の製造方法。
JP2012160644A 2012-07-19 2012-07-19 炭素系機能性複合材料の製造方法 Active JP5970276B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012160644A JP5970276B2 (ja) 2012-07-19 2012-07-19 炭素系機能性複合材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012160644A JP5970276B2 (ja) 2012-07-19 2012-07-19 炭素系機能性複合材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014019075A JP2014019075A (ja) 2014-02-03
JP5970276B2 true JP5970276B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=50194517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012160644A Active JP5970276B2 (ja) 2012-07-19 2012-07-19 炭素系機能性複合材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5970276B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6511985B2 (ja) * 2015-06-23 2019-05-15 東洋インキScホールディングス株式会社 樹脂組成物
JP6031625B1 (ja) * 2016-03-11 2016-11-24 クオドラントポリペンコジャパン株式会社 樹脂組成物及び成形体
JP2018021117A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 片野染革株式会社 導電性樹脂組成物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1190421B1 (en) * 1999-05-07 2009-03-04 Sabic Innovative Plastics IP B.V. Conductive compositions with compositionally controlled bulk resistivity
JP4560965B2 (ja) * 2001-01-29 2010-10-13 東レ株式会社 補強用多軸ステッチ布帛
JP2003238822A (ja) * 2001-12-12 2003-08-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 導電性樹脂組成物、積層体および積層体の製造方法
JP2003261687A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Toray Ind Inc 水回り部材
JP5153993B2 (ja) * 2004-03-24 2013-02-27 三菱樹脂株式会社 導電性熱可塑性樹脂フィルム
JP4224500B2 (ja) * 2005-07-29 2009-02-12 日信工業株式会社 炭素繊維複合材料及びその製造方法
JP2008156604A (ja) * 2006-11-30 2008-07-10 Toray Ind Inc 衝撃吸収部材用熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JP5402032B2 (ja) * 2009-02-03 2014-01-29 東レ株式会社 樹脂組成物
JP5581740B2 (ja) * 2010-03-05 2014-09-03 株式会社リコー シームレスベルト及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014019075A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5582586B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体
KR101553189B1 (ko) 폴리프로필렌계 수지 발포 입자 및 폴리프로필렌계 수지 발포 입자 성형체
Al-Saleh et al. An innovative method to reduce percolation threshold of carbon black filled immiscible polymer blends
KR101309738B1 (ko) 고분자/필러의 전기전도성 복합체 및 이의 제조방법
CN104136367B (zh) 碳纳米材料粒料和由碳纳米材料粉末制备粒料的方法
US20080261051A1 (en) Electrically Conductive Ptfe Tape
CN102585349B (zh) 一种抗静电材料、制备方法及其应用
WO2013111862A1 (ja) 導電性樹脂用マスターバッチの製造方法およびマスターバッチ
US9576706B2 (en) Method for preparing carbon nano material/polymer composites
JP6527010B2 (ja) 熱伝導性樹脂成形体およびその製造方法
JP5970276B2 (ja) 炭素系機能性複合材料の製造方法
TW201734109A (zh) 導電性樹脂組合物及其成型產品
CN101488373B (zh) 导电复合材料的制备方法
JP2015036383A (ja) 連続成形可能な熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性樹脂成形物の連続成形方法
Cheng et al. Enhancement of electromagnetic interference shielding performance and wear resistance of the UHMWPE/PP blend by constructing a segregated hybrid conductive carbon black–polymer network
JP2011208123A (ja) 導電性樹脂組成物、及びその成形体
JP2019094486A (ja) 導電性樹脂組成物およびその製造方法
WO2013157621A1 (ja) 導電性樹脂用マスターバッチ及び導電性樹脂
WO2013099550A1 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、その製法及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体
EP3620488A1 (en) Electrically conductive resin composition and preparation method thereof
AU2015101952A4 (en) Flexible composite material and method of producing same
US20160090522A1 (en) Flexible heat-dissipating composite sheet including filler and low-viscosity polymerizable thermoplastic resin and cost effective mass producible method for preparing the same
JP2023047486A (ja) 導電性樹脂組成物、シート、及び導電性樹脂組成物の製造方法
JP3757608B2 (ja) 高耐熱熱可塑性エラストマー組成物
JP6815748B2 (ja) 導電性樹脂複合体製造方法および導電性樹脂複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5970276

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250