JP5969631B2 - 眼鏡レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、第一の屈折力を有する第一屈折部、第一の屈折力よりも強い第二の屈折力を有する第二屈折部、及び第一屈折部から第二屈折部へ屈折力が累進的に変化する累進屈折部を有する眼鏡レンズに関する。
屈折力が累進的に変化する累進屈折部を有する眼鏡レンズが知られている。例えば遠近両用の累進屈折力レンズは、装用者が遠距離から近距離まで切れ目無く連続的に明視できるように主注視線上で度数が累進的に変化するデザインとなっている。この種の眼鏡レンズの多くは、左右眼の個々の処方度数や装用状態に応じて設計されているが、装用者が不同視の場合など、左右の遠用処方度数に差がある場合に好適な設計にはなっていなかった。なお、本明細書中、不同視は、その大小に拘わらず左右眼で度数差がある場合を指す。
例えば、不同視の装用者は、遠用度数が左右で異なる眼鏡を装用したときに側方に位置する指標を両眼視すると、左右のレンズのプリズム作用の差に起因する左右の視線方向のずれを無くすため、調節緊張や調節弛緩を伴わない不自然な輻湊や開散を強いられていた。また、この種の輻湊や開散は、視線が通過するレンズ上の位置を設計上想定される位置から変えてしまうため、両眼に対する収差等を劣化させ、良好な両眼視を阻害する要因となっていた。
そこで、米国特許第8,162,478号明細書(以下、「特許文献1」と記す。)に、遠用度数が左右で異なる一対の累進屈折力レンズにおいて、良好な両眼視を保証するものが提案されている。具体的には、特許文献1には、遠用度数が左右で異なる一対の累進屈折力レンズのレンズ成分を、遠用度数と加入度数とが左右で等しい一対の累進屈折力レンズ成分と、左右異なる度数の一対の単焦点レンズ成分とに分け、単焦点レンズ成分を有するレンズを装用して両眼視をする場合に、正面遠方から所定の方位角に向かって正面以外の遠方に視線を移すときの左右眼のレンズ上の視線移動距離の比率を算出し、累進屈折力レンズ成分を有するレンズの片眼用又は両眼用のレンズ成分の平均度数分布及び非点収差分布に対し、その比率に応じた補正を加えることにより、両眼視における左右の視線に対する平均度数及び非点収差の差において、左右の遠用度数差以外の収差の発生を抑制する、という技術が開示されている。
このように、特許文献1には、遠用度数が左右で異なる一対の累進屈折力レンズにおいて、左右夫々の視線に対する収差の差を低減することで、良好な両眼視を保証するものが提案されている。しかし、良好な両眼視をより一層高いレベルで保証したいという要望は恒常的に存在する。そこで、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、良好な両眼視をより一層高いレベルで保証するのに好適な眼鏡レンズを見出した。
本発明の一形態に係る眼鏡レンズは、第一の屈折力を有する第一屈折部、第一の屈折力よりも強い第二の屈折力を有する第二屈折部、及び第一屈折部から第二屈折部へ屈折力が累進的に変化する累進屈折部を有する、第一の屈折力が左右で異なる一対の眼鏡レンズであり、装用者が眼鏡レンズを通して物体を視たときに第一の屈折力が左右で異なることに依存して左右の視線方向がずれたときに、第一屈折部から第二屈折部にかけての主注視線上において装用者の左右夫々の眼に実質的に作用する加入効果の差が抑えられるように、左右の累進屈折部の長さ及び加入度の変化率が左右の視線方向のずれに応じて互いに異なる。
本発明の一形態に係る眼鏡レンズによれば、第一屈折部から第二屈折部にかけての主注視線上において装用者の左右の眼に実質的に作用する加入効果の差が抑えられるため、例えば左右夫々の眼に必要な調節力を同程度に保つことができ、この場合、両眼での良好な中間視及び近方視が達成される。また、本発明の一形態に係る眼鏡レンズでは、左右夫々の視線上の収差の差が低減されているので、左右眼夫々の網膜上に形成される像の質を同程度にすることができ、両眼視機能を阻害する要因の抑制が達成される。これにより、例えば遠方から近方に至るまでの各物体距離で良好な両眼視を保証することが可能となる。
また、例えば、一対の眼鏡レンズのうち第一の屈折力が弱い眼鏡レンズの方が累進屈折部の長さが短く且つ加入度の変化率が高い。
また、一対の眼鏡レンズのうち第一の屈折力が弱い方の眼鏡レンズは、例えば、主注視線上において所定の隠しマークに基づいて定義される設計中心から第二屈折部へ近付くほど加入度の変化率が高い。また、一対の眼鏡レンズのうち第一の屈折力が高い方の眼鏡レンズは、例えば、主注視線上において設計中心から第二屈折部へ近付くほど加入度の変化率が低い。
また、一対の眼鏡レンズが持つ左右の累進屈折部は、例えば幅も互いに異なる。
また、眼鏡レンズのアイテム群は、例えば、夫々の処方に適するアイテムの全てにおいて、左右の累進屈折部の長さ及び加入度の変化率が左右の視線方向のずれに応じて互いに異なる。
本発明の一形態に係る眼鏡レンズによれば、第一屈折部から第二屈折部にかけての主注視線上において装用者の左右の眼に実質的に作用する加入効果の差が抑えられると共に、左右夫々の視線上の収差の差が低減されるため、例えば遠方から近方に至るまでの各物体距離で良好な両眼視を保証することが可能となる。
本発明の実施形態の眼鏡レンズ製造システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の眼鏡レンズ設計用コンピュータによる眼鏡レンズの設計工程のフローチャートを示す図である。 主に図2の処理ステップS2を説明するための図であり、基準レンズに対応する仮想光学モデル例及び概略的なレンズレイアウトを示す。 主に図2の処理ステップS3及びS4を説明するための図であり、基準物体面及び基準側主光線通過位置について示す。 主に図2の処理ステップS5を説明するための図であり、参照球面上の基準加入度について示す。 主に図2の処理ステップS6及びS7を説明するための図であり、処方レンズに対応する仮想光学モデル例及び処方側主光線通過位置について示す。 主に図2の処理ステップS8を説明するための図であり、補正比率について示す。 主に図2の処理ステップS9を説明するための図であり、各レンズモデルの透過度数分布を示す。 主に図2の処理ステップS11を説明するための図であり、装用状態を考慮した非球面補正を行う前後の加入度の曲線を示す。 主に図2の処理ステップS12を説明するための図であり、実質加入度の合わせ込みについて示す。 各例における左右の実質加入度の差を示す図である。 左右の実質加入度の差により装用者の眼に負担がかかるという従来の問題を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る眼鏡レンズ製造システムについて説明する。
[眼鏡レンズ製造システム1]
図1は、本実施形態の眼鏡レンズ製造システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、眼鏡レンズ製造システム1は、顧客(装用者)に対する処方に応じた眼鏡レンズを発注する眼鏡店10と、眼鏡店10からの発注を受けて眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造工場20を有している。眼鏡レンズ製造工場20への発注は、インターネット等の所定のネットワークやFAX等によるデータ送信を通じて行われる。発注者には眼科医や一般消費者を含めてもよい。
[眼鏡店10]
眼鏡店10には、店頭コンピュータ100が設置されている。店頭コンピュータ100は、例えば一般的なPC(Personal Computer)であり、眼鏡レンズ製造工場20への眼鏡レンズの発注を行うためのソフトウェアがインストールされている。店頭コンピュータ100には、眼鏡店スタッフによるマウスやキーボード等の操作を通じてレンズデータ及びフレームデータが入力される。レンズデータには、例えば処方値(ベースカーブ、球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸方向、プリズム屈折力、プリズム基底方向、加入度数、瞳孔間距離(PD:Pupillary Distance)等)、眼鏡レンズの装用条件(角膜頂点間距離、前傾角、フレームあおり角)、眼鏡レンズの種類(単焦点球面、単焦点非球面、多焦点(二重焦点、累進)、コーティング(染色加工、ハードコート、反射防止膜、紫外線カット等))、顧客の要望に応じたレイアウトデータ等が含まれる。フレームデータには、顧客が選択したフレームの形状データが含まれる。フレームデータは、例えばバーコードタグで管理されており、バーコードリーダによるフレームに貼り付けられたバーコードタグの読み取りを通じて入手することができる。店頭コンピュータ100は、発注データ(レンズデータ及びフレームデータ)を例えばインターネット経由で眼鏡レンズ製造工場20に送信する。
[眼鏡レンズ製造工場20]
眼鏡レンズ製造工場20には、ホストコンピュータ200を中心としたLAN(Local Area Network)が構築されており、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202や眼鏡レンズ加工用コンピュータ204をはじめ多数の端末装置が接続されている。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204は一般的なPCであり、それぞれ、眼鏡レンズ設計用のプログラム、眼鏡レンズ加工用のプログラムがインストールされている。ホストコンピュータ200には、店頭コンピュータ100からインターネット経由で送信された発注データが入力される。ホストコンピュータ200は、入力された発注データを眼鏡レンズ設計用コンピュータ202に送信する。
眼鏡レンズ製造工場20では、発注データを受けた後、未加工のブロックピースに対し、装用者の処方が満たされるように、内面、外面の両面の設計及び加工が行われる。なお、眼鏡レンズ製造工場20では、生産性を向上させるため、全製作範囲の度数を複数のグループに区分し、各グループの度数範囲に適合した外面(凸面)カーブ形状(球面形状又は非球面形状)とレンズ径を有するセミフィニッシュトブランクが眼鏡レンズの注文に備えて予め用意されていてもよい。この場合、眼鏡レンズ製造工場20では、内面(凹面)加工(及び玉型加工)を行うだけで、装用者の処方に適した眼鏡レンズが製造される。
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、受注に応じた眼鏡レンズを設計するためのプログラムがインストールされており、発注データ(レンズデータ)に基づいてレンズ設計データを作成し、発注データ(フレームデータ)に基づいて玉型加工データを作成する。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202による眼鏡レンズの設計は、後に詳細に説明する。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、作成したレンズ設計データ及び玉型加工データを眼鏡レンズ加工用コンピュータ204に転送する。
オペレータは、ブロックピースをカーブジェネレータ等の加工機206にセットして、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204に対して加工開始の指示入力を行う。眼鏡レンズ加工用コンピュータ204は、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202から転送されたレンズ設計データ及び玉型加工データを読み込み、加工機206を駆動制御する。加工機206は、ブロックピースの内面及び外面をレンズ設計データに従って研削・研磨して、眼鏡レンズの内面形状及び外面形状を作製する。また、加工機206は、内面形状及び外面形状作製後のアンカットレンズの外周面を玉型形状に対応した周縁形状に加工する。
玉型加工後の眼鏡レンズには、発注データに従い、染色加工、ハードコート加工、反射防止膜、紫外線カット等の各種コーティングが施される。これにより、眼鏡レンズが完成して眼鏡店10に納品される。
[眼鏡レンズ設計用コンピュータ202による眼鏡レンズの具体的設計方法]
図2は、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202による眼鏡レンズの設計工程を示すフローチャートである。以下の説明では、不同視の装用者に処方すべき、遠用度数が左右で異なる一対の眼鏡レンズであり、累進屈折要素を内面若しくは外面に持つ片面累進型、又は累進屈折要素を外面と内面の両面に配分した両面累進型、又は縦方向の累進屈折要素を外面に配分し、横方向の累進屈折要素を内面に配分した両面複合累進型の、遠近両用の各種眼鏡レンズの設計を想定する。しかし、本設計工程は、所定の基準点における度数が左右で異なる一対の眼鏡レンズであり、片面累進型、両面累進型又は両面複合累進型の中近両用累進屈折力レンズや近々累進屈折力レンズなど、屈折力が累進的に変化する累進屈折部を有する他のアイテム群の眼鏡レンズにも適用することができる。
また、眼光学上、厳密には、眼軸と視線の向きは僅かに異なるが、その差異による影響は実質的に無視できる程度である。そのため、本明細書においては、説明の便宜上、眼軸と視線の向きは眼光学上も一致するものと擬制し、眼軸と視線の向きとの相違はレンズのプリズム作用によってのみ引き起こされる前提とする。
ここで、図12を用いて、遠用度数が左右で異なる一対の眼鏡レンズにて発生する問題点を説明する。図12では、不同視の装用者が次の処方度数の眼鏡レンズを通して近方物点を両眼視する状態を示す。
処方度数(右):S+2.00 ADD2.50
処方度数(左):S+4.00 ADD2.50
なお、図12では、便宜上、左右の眼鏡レンズを1枚の共通形状のレンズにて示すが、実際には、左右の眼鏡レンズは処方度数に応じて形状が異なる。
図12に示されるように、不同視の装用者が近方物点を両眼視するとき、処方度数差に応じた左右のプリズム作用の差に起因して、左右の視線方向にずれが生じる。具体的には、装用者は、レンズ上にレイアウトされた近用基準点N(近用部の度数が設定される、加入度数が2.50Dの点)以外の点を通じて近方物点を両眼視することになる。図12の例では、右眼は、近用基準点Nよりも上方の点P(加入度数が2.50Dを下回る点)を通じて近方物点に視線を向け、左眼は、近用基準点Nよりも下方の点P(加入度数が2.50D又は2.50Dを上回る点)を通じて近方物点に視線を向ける。このように、左右の視線方向がずれることにより、左右の眼に実質的に作用する加入効果が異なる。そのため、理論上、左右の眼に対して異なる調節力が要求される。しかし、生理的には、左右の眼に働く調節力は常に等しい(ヘリングの等量神経支配の法則(Hering's law of equal innervation))。従って、装用者は、左右の眼に実質的に作用する加入効果が異なるという、眼に負担のかかる状態で近方物点を視ることを余儀なくされる。本明細書では、説明の便宜上、眼に実質的に作用する加入効果を「実質加入度」とも表現する。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、左右の遠用処方度数が異なるほど、また、物体距離が近いほど左右の実質加入度の差が大きくなることを見出し、図12では、左右の実質加入度の差が大きくなる例として近方物点を視る状態を示した。すなわち、本発明者は、上記問題が近方だけでなく、近方よりも離れた距離(例えば遠方や中間距離等)においても発生することを見出している。本実施形態では、以下に説明する設計工程を実施することにより、上記問題を解消して良好な両眼視を各物体距離(例えば遠方から近方に至るまで)で保証することが可能な眼鏡レンズが設計される。以下、図2を用いて、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202による眼鏡レンズの設計工程を具体的に説明する。
[図2のS1(基準レンズの定義)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、ホストコンピュータ200を介して店頭コンピュータ100より受信した装用者の処方値に基づいて基準レンズを定義する。基準レンズは、生理的に左右眼の調節力が等しくなることに対応して、仮想的に定義される左右共通の眼鏡レンズであり、遠用度数が左右の遠用処方度数を平均した値に設定される。すなわち、基準レンズは累進屈折部を持つ眼鏡レンズであり、左右で共通の遠用度数及び加入度数を有するものである。以下、基準レンズの遠用度数を基準度数と定義する。例えば、
処方度数(右):S+2.00 ADD2.50
処方度数(左):S+4.00 ADD2.50
の場合、基準レンズは、
基準度数(右):S+3.00 ADD2.50
基準度数(左):S+3.00 ADD2.50
となる。なお、本実施形態では、右眼用レンズと左眼用レンズとが並行して設計される手順で説明するが、別の実施形態では、一方のレンズが設計され、その後、他方のレンズが設計される手順としてもよい。
[図2のS2(基準レンズに対応する仮想光学モデルの構築)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、装用者が眼鏡レンズ(基準レンズ:S+3.00 ADD2.50)を装用した状態を想定した、眼球及び眼鏡レンズからなる所定の仮想光学モデルを構築する。図3(a)は、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202によって構築される仮想光学モデル例を示す。なお、図3(a)に例示されるように、仮想光学モデルを示す各図においては、眼球モデルEを頭上から眺める角度で示す(すなわち、左右眼共に、図の内側が鼻側となり、図の外側が耳側となる。)。また、以降の説明において、右眼に対応する符号には下付き文字Rを付し、左眼に対応する符号には下付き文字Lを付す。また、左右両方の眼に対応する説明には、これらの下付き文字を付さない。
眼球の眼軸長は、遠視、近視で異なる。そこで、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、遠視、近視の度合いで眼軸長がどれだけ異なるかを予め記憶している。その中から、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、発注データに含まれる装用者の処方値(球面屈折力、乱視屈折力)に従って適切な眼球モデルEを選択し、図3(a)に示されるように、選択された眼球モデルEを仮想モデル空間に配置する。より詳細には、眼球モデルEと眼球モデルEは、眼球回旋中心OERと眼球回旋中心OELとが瞳孔間距離PDだけ離れた位置に配置される。
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、眼球モデルE、Eの夫々に対して所定の角膜頂点間距離CVD、CVDを空けた位置に、基準レンズに対応する基準レンズモデルLBR、LBLを配置する。角膜頂点間距離CVDは、基準レンズモデルLの後方頂点と眼球モデルEの角膜頂点との距離であり、例えば12.5mmである。なお、基準レンズモデルLの中心肉厚は、処方値や硝材の屈折率等に基づいて決定される。また、基準レンズモデルLは、眼鏡レンズの傾き(前傾角、フレームあおり角)を考慮して仮想モデル空間に配置されてもよい。また、説明の便宜上、基準レンズモデルLの外面頂点での接平面を接平面TPと定義し、眼球モデルEの正面視の視線と接平面TPとの交点を基準点PTPRと定義し、眼球モデルEの正面視の視線と接平面TPとの交点を基準点PTPLと定義する。これらの基準点PTPはレンズ設計中心にあり、設計中心は一対の隠しマーク(後述)の中間点である。
図3(b)に、本設計工程にて設計される眼鏡レンズのレイアウトを概略的に示す。図3(b)に示されるように、本実施形態による眼鏡レンズは、主注視線LL’上であって、レンズ設計中心の上方に遠用基準点F(遠用部の度数が設定される点)が配置され、レンズ設計中心の下方に近用基準点Nが配置される。主注視線LL’は、累進帯の途中から近用基準点Nに向かい、眼の輻輳を考慮して鼻側へインセットされている。近用基準点N及び遠用基準点Fの位置は、レンズ面に直接刻印される一対の隠しマークMを基に特定される。本実施形態による眼鏡レンズは、後述するように、累進帯の長さ及び幅が左右で異なるため、近用基準点N及び遠用基準点Fのレンズ面上の位置も左右で異なる。
[図2のS3(左右共通の基準物体面の定義)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、異なる物体距離上に配置される複数の物体面を含む基準物体面を、基準レンズモデルLに基づき、生理的に左右眼の調節力が等しくなることに対応して左右共通に定義する。図4(a)及び図4(b)は、仮想モデル空間に定義される左右共通の基準物体面を示す図である。基準物体面は、図4(b)に示されるように、各物体距離上に配置される物体面を滑らかにつなぐ連続的な単一の面であるが、図4(a)では、説明の便宜上、基準物体面のうち、眼鏡レンズの設計上使用される離散的な物体面のみ示す。眼鏡レンズの設計上使用される物体面には、図4(a)に例示されるように、近用度数に対応する物体距離(目的とする近方の作業距離(近業目的距離)であり、ここでは400mm)、累進帯内の主注視線LL’上のサンプル点での度数に対応する物体距離(500mm、・・・1000mm、・・・)、遠用度数(基準度数)に対応する物体距離(5000mmなど無限遠とみなせる距離)の夫々に配置される物体面が含まれる。なお、図4(a)においては、眼球回旋中心OERと眼球回旋中心OELとを結ぶ線分に対して各度数に対応する物体距離だけ離れた位置に物体面を定義したが、別の実施形態では、眼球回旋中心OERと眼球回旋中心OELとの中点を中心とした、各度数に対応する物体距離を半径とする眼前半球面の位置に物体面を定義してもよい。
従来の累進屈折部を有する眼鏡レンズの設計においては、一般に、左右で共通の度数分布が設定され、左右の処方度数が異なる場合には、設定された度数分布に対して夫々異なる処方度数に基づく補正がかけられて眼鏡レンズが設計されており、補正された結果として、装用者が最終的にどの距離を視るか(物体距離)が決まっていた。そのため、設計上想定する物体面は、左右の度数差に起因して左右で異なっていた。しかし、実際に人が物を見るときには、左右の視線が同一の物体を捉えて両眼視を実現している。このような、物体面が左右で異なる、すなわち遠方から近方にかけて加入屈折作用が左右で異なる眼鏡レンズを装用した場合であっても依然として、左右の眼には生理的に等しい調節力しか働かない。そのため、装用者は、両眼視した際に、左右レンズで想定した物体面の差、すなわち加入屈折作用の差に起因するボケを解消することはできない。一方、本実施形態では、上述したように、眼鏡レンズを設計する前に(又は眼鏡レンズの設計とは独立して)、左右共通の基準物体面が仮想的な基準レンズモデルLに基づいて定義される。すなわち、本実施形態では、左右の処方度数が異なる場合において、装用者がどの距離を視るかの指標を、生理的に左右の眼の調節力が等しくなることに対応して左右共通で予め定義した上で、以降のレンズ設計工程を実施する。そのため、左右で処方度数が異なる場合に、物体面が左右で異なるという、従来生じていた不都合が避けられる。
[図2のS4(基準レンズモデルL上の主光線通過位置の計算)]
図4(a)に示されるように、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、光線追跡等を用いた光学計算処理を行うことにより、物体面上の任意の点Pからの主光線(一点鎖線)が通過する、左右の各基準レンズモデルLBR、LBL上(ここではレンズ外面上)の位置(基準側主光線通過位置PLBR、PLBL)を計算する。ここで主光線は、基準物体面上の任意の点Pから眼球回旋中心Oに向かう光線として定義される。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、基準レンズモデルLの外面全域に基準側主光線通過位置PLBが配置されるように、各物体面の任意の各点Pに対応する基準側主光線通過位置PLBを計算する。以下、説明の便宜上、本処理ステップS4にて計算に用いた各物体面の任意の各点Pを、主光線始点Pと記す。また、本工程以降の工程では、便宜上、原則、各種レンズモデルの外面にのみ曲率分布(透過度数分布に対応する曲率分布)が存在するものとしてレンズ設計が行われるものとする。
[図2のS5(基準加入度ADDの計算)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、図5に示されるように、目標とする透過度数を評価するための評価面として参照球面SRを定義する。参照球面SRは、眼球モデルEの眼球回旋中心Oを中心とし、眼球回旋中心Oから基準レンズモデルLの後方頂点までの距離を半径とした球面である。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、基準レンズモデルLの近用基準点Nを通過する光線について、参照球面SR上の透過度数を計算する。ここで計算される透過度数は基準レンズモデルLにおける近用度数であり、近用度数から遠用度数を差し引いた度数が基準加入度ADDと定義される。参照球面SR上における近用度数と遠用度数との差が処方された加入度になることを想定して設計されたレンズにおいては、基準加入度ADDは左右共通の目標の度数(ADD2.50)となる。
[図2のS6(処方レンズに対応する仮想光学モデルの構築)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、図2の処理ステップS2(仮想光学モデルの構築)にて構築された仮想光学モデルを、装用者が眼鏡レンズ(処方レンズ(右):S+2.00 ADD2.50、処方レンズ(左):S+4.00 ADD2.50)を装用した状態を想定した、眼球及び眼鏡レンズからなる別の仮想光学モデルに変更する。図6は、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202による変更後の仮想光学モデル例を示す。図6に示されるように、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、眼球モデルE、Eの夫々に対して処方レンズ(右、左)に対応する処方レンズモデルLPR、LPLを配置する。処方レンズモデルLは、処方値に基づいて周知の設計方法により定義されるものであり、ここでの詳細な説明は省略する。なお、この段階の処方レンズモデルLでは、左右のプリズム作用の差に起因する左右の視線方向のずれが発生する。
より詳細には、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、処方レンズモデルLPRを、外面頂点が基準点PTPR上に位置しかつ外面頂点で接平面TPと接するように配置し、処方レンズモデルLPLを、外面頂点が基準点PTPL上に位置しかつ外面頂点で接平面TPと接するように配置する。なお、処方レンズモデルLの中心肉厚も、処方値や硝材の屈折率等に基づいて決定される。また、基準レンズモデルLが眼鏡レンズの傾き(前傾角、フレームあおり角)を考慮して仮想モデル空間に配置されている場合、処方レンズモデルLも同一の条件を考慮して配置される。
[図2のS7(処方レンズモデルL上の主光線通過位置の計算)]
図6に示されるように、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、光線追跡等を用いた光学計算処理を行うことにより、図2の処理ステップS4(基準レンズモデルL上の主光線通過位置の計算)で用いた各主光線始点P(すなわち、生理的に左右眼の調節力が等しくなることに対応して左右共通に定義された物体面上の任意の点P)からの主光線(実線)が通過する、左右の各処方レンズモデルLPR、LPL上(ここではレンズ外面上)の位置(処方側主光線通過位置PLPR、PLPL)を計算する。これにより、処方レンズモデルLの外面全域に処方側主光線通過位置PLPが配置される。
[図2のS8(補正比率Rの計算)]
図7(a)に示されるように、基準点PTPと基準側主光線通過位置PLBとの距離を基準側距離DLBと定義し、基準点PTPと処方側主光線通過位置PLPとの距離を処方側距離DLpと定義する。この場合、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、各主光線始点Pに対応する補正比率R(=ある主光線始点Pに対応する処方側距離DLp/これと同一の主光線始点Pに対応する基準側距離DLB)を計算する。図7(b)は、基準点PTPRと近用基準点Nとの間の主注視線LL’上の処方側距離DLpR(単位:mm)と、右眼側の補正比率R(=処方側距離DLpR/基準側距離DLBR)との関係を示す。また、図7(c)は、基準点PTPLと近用基準点Nとの間の主注視線LL’上の処方側距離DLpL(単位:mm)と、左眼側の補正比率R(=処方側距離DLpL/基準側距離DLBL)との関係を示す。
処方レンズモデルLPRは、処方度数(S+2.00)が基準度数(S+3.00)よりもマイナス側であるため、主注視線LL’上において、処方側主光線通過位置PLPRの方が基準側主光線通過位置PLBRよりも基準点PTPRに近くなる(図7(a)参照)。図7(b)の実線に示されるように、補正比率Rは、処方側距離DLPRが長くなるほど(処方側主光線通過位置PLPRが基準点PTPRから離れて近用基準点Nに近付くほど)、処方レンズモデルLPRと基準レンズモデルLBRとのプリズム作用の差に応じて小さくなる。
一方、処方レンズモデルLPLは、処方度数(S+4.00)が基準度数(S+3.00)よりもプラス側であるため、主注視線LL’上において、処方側主光線通過位置PLPLよりも基準側主光線通過位置PLBLの方が基準点PTPLに近くなる(図7(a)参照)。図7(c)の実線に示されるように、補正比率Rは、処方側距離DLPLが長くなるほど(処方側主光線通過位置PLPLが基準点PTPLから離れて近用基準点Nに近付くほど)、処方レンズモデルLPLと基準レンズモデルLBLとのプリズム作用の差に応じて大きくなる。
なお、参考として、図7(b)、図7(c)の夫々に、本実施形態の補正比率Rを特許文献1に適用した例を破線にて示す。特許文献1の場合、図7(b)、図7(c)に示されるように、補正比率R、補正比率Rが共に処方側主光線通過位置PLBR、PLPLに拘わらず一定となる。
[図2のS9(補正比率Rに基づく曲率分布の補正)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、基準レンズモデルLで想定される累進屈折作用をもたらす曲率分布(レンズ全体の曲率分布のうち累進屈折要素を付加する曲率分布のみを抽出したものであり、以下、「累進分布」と記す。)を、各主光線始点Pに対応する補正比率Rに基づいて拡大縮小操作することにより、処方レンズモデルLの曲率分布を補正する。具体的には、次式に示されるように、基準となる累進分布(基準レンズモデルLの累進分布)を対応する補正比率Rに応じて拡大又は縮小させることにより補正し、補正された基準レンズモデルLの累進分布を処方レンズモデルLの累進分布として適用する。
処方レンズの累進分布の曲率K(x,y)=基準レンズの累進分布の曲率K(x/Rx,y/Ry)
ここで、x,yは、処方側主光線通過位置PLPの座標を示し、Rx、Ryはx方向及びy方向の補正比率Rを示す。
例えば、処方レンズモデルLPRにおいて、累進帯における加入度の変化が一定であり、主注視線LL’上に配置された各処方側主光線通過位置PLPRにおける曲率を図7(b)に示される補正比率Rに基づいて補正する場合を考える。この場合、処方レンズモデルLPR上の位置PLPRにおける累進屈折作用に関連した曲率(遠用度数の分を排除した曲率であって、加入効果を付加する曲率成分)は、基準レンズモデルLBR上の位置PLBRにおける累進屈折作用に関連した曲率と一致するように操作される。別の表現によれば、基準側主光線通過位置PLBRにおける加入効果分の曲率が補正比率Rに応じた処方側主光線通過位置PLPRに再配置される。補正比率Rは各位置によって異なるため、補正後の累進帯における加入度の変化は、補正比率Rに応じて基準レンズモデルLBRの累進帯における加入変化と異なる形になる(例えば基準点PTPRから近用基準点Nに近付くほど加入度の変化率が高くなる。)。基準度数に対してマイナス側の処方度数を持つ処方レンズモデルLPRは、累進分布全体が補正比率Rに従い、基準レンズモデルLBRの累進分布に対して縮小した形になるので、累進帯長が短くなり、また、累進帯幅が狭くなる。
また、処方レンズモデルLPLにおいて、累進帯における加入度の変化が一定であり、主注視線LL’上に配置された各処方側主光線通過位置PLPLにおける曲率を図7(c)に示される補正比率Rに基づいて補正する場合を考える。この場合、処方レンズモデルLPL上の位置PLPLにおける累進屈折作用に関連した曲率(遠用度数の分を排除した曲率であって、加入効果を付加する曲率成分)は、基準レンズモデルLBL上の位置PLBLにおける累進屈折作用に関連した曲率と一致するように操作される。別の表現によれば、基準側主光線通過位置PLBLにおける加入効果分の曲率が補正比率Rに応じた処方側主光線通過位置PLPLに再配置される。補正比率Rは各位置によって異なるため、補正後の累進帯における加入度の変化は、補正比率Rに応じて基準レンズモデルLBLの累進帯における加入変化と異なる形になる(例えば基準点PTPLから近用基準点Nに近付くほど加入度の変化率が低くなる。)。基準度数に対してプラス側の処方度数を持つ処方レンズモデルLPLは、累進分布全体が補正比率Rに従い、基準レンズモデルLBLの累進分布に対して拡大した形になるので、累進帯長が長くなり、また、累進帯幅が広くなる。
図12を援用して、本実施形態における曲率分布補正の説明を補足する。図7(b)の補正比率Rに基づいて処方レンズモデルLPRの曲率分布(累進分布)が補正されると累進帯が短くなるため、加入度が実質的に2.50Dとなる点が右眼の視線通過点Pに近付く。また、図7(c)の補正比率Rに基づいて処方レンズモデルLPLの曲率分布(累進分布)が補正されると累進帯が長くなるため、加入度が実質的に2.50Dとなる点が左眼の視線通過点Pに近付く。すなわち、図12の例において、近方物点を視る装用者の左右の眼に実質的に作用する加入効果の差が軽減されるため、左右の実質加入度の差による装用者の眼に対する負担が軽減される。
また、中間距離など他の物体距離においても、近方を視るときほどでないにしろ、図12に示す問題(左右の実質加入度の差により装用者の眼に負担がかかる問題)が発生することは、先に述べた通りである。このため、本実施形態では、図7(b)及び図7(c)に示される補正比率Rから把握されるように、曲率分布(累進分布)の適切な拡大縮小操作を通じて、中間距離を視るときに生じていた左右の実質加入度の差を好適に軽減させている。
図8(a)は、基準レンズモデルLの参照球面SR上での透過度数分布を例示する。ここに示す透過度数分布は非点収差分布及び平均度数分布であり、曲率分布と等価に捉えることができる。また、図8(b)は、処方レンズモデルLPRの参照球面SR上での透過度数分布の例示し、図8(c)は、処方レンズモデルLPLの参照球面SR上での透過度数分布を例示する。
図8(b)に例示される処方レンズモデルLPRの透過度数分布(換言すると曲率分布)は、各処方側主光線通過位置PLPRにおいて補正比率Rに応じた縮小操作が施されている。すなわち、非点収差分布の等高線及び平均度数分布の等高線の形状が補正比率Rに応じて縮小され、原則的には、基準点PTPRから離れた処方側主光線通過位置PLPRほど等高線の形状が一層縮小されている。
また、図8(c)に例示される処方レンズモデルLPLの透過度数分布(換言すると曲率分布)は、各処方側主光線通過位置PLPLにおいて補正比率Rに応じた拡大操作が施されている。すなわち、非点収差分布の等高線及び平均度数分布の等高線の形状が補正比率Rに応じて拡大され、原則的には、基準点PTPLから離れた処方側主光線通過位置PLPLほど等高線の形状が一層拡大されている。
[図2のS10(各面への曲率分布の配分)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、図2の処理ステップS9(補正比率に基づく曲率分布の補正)にて補正された処方レンズモデルLの曲率分布を、眼鏡レンズの構造(内面非球面型、外面非球面型、両面累進型、両面複合型等)に応じて処方レンズモデルLの外面と内面に配分する。これにより、処方レンズモデルLの形状が暫定的に決まる。
[図2のS11(装用状態を考慮した非球面補正)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、図2の処理ステップS10(曲率分布の配分)にて暫定的に決められた処方レンズモデルLの形状に対し、装用条件(例えば角膜頂点間距離、前傾角、フレームあおり角等)に応じた非球面補正量を計算して付加する。
図9(a)、図9(b)は夫々、装用状態を考慮した非球面補正を行う前後の加入度(単位:D)と、累進帯内(主注視線LL’上)の位置(単位:mm)との関係を示す図である。図9(a)及び図9(b)中、実線は、本実施形態の眼鏡レンズの加入度を示し、破線は、従来例の眼鏡レンズの加入度を示す。ここで、従来例は、左右の遠用度数差や実質加入度の差に応じて透過度数分布を拡大又は縮小操作するという技術的思想を導入していないレンズを指す。そのため、従来例の眼鏡レンズは、図9(a)に示されるように、少なくとも非球面補正を行う前段階では、加入度の曲線が左右で一致している。一方、本実施形態の眼鏡レンズは、図9(a)に示されるように、非球面補正を行う前段階で、図2の処理ステップS9(補正比率に基づく曲率分布の補正)による曲率分布補正が実施された結果、加入度の曲線が左右で異なっている。
ところが、装用状態を考慮した非球面補正の実施後は、図9(b)に示されるように、従来の眼鏡レンズも加入度の曲線が左右で異なったものとなる。しかし、上平レンズ等の遠用度数がゼロのレンズでは、装用状態を考慮した非球面補正が実質不要である。また、遠用度数が弱いレンズでは、装用状態を考慮した非球面補正による形状の変化が軽微である。そのため、従来の眼鏡レンズでは、アイテム群のうち左右の遠用度数の合計度数が弱いアイテムについては、非球面補正の実施後であっても左右の加入度の曲線がほぼ同じに維持される。一方、本実施形態の眼鏡レンズでは、図2の処理ステップS9(補正比率に基づく曲率分布の補正)による曲率分布補正が実施されるため、左右の遠用度数の合計度数とは無関係に、アイテム群に含まれる全てのアイテム(夫々の処方に適するアイテムの全て)で加入度の曲線が左右で異なっている。
[図2のS12(基準加入度ADDへの合わせ込み)]
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、図2の処理ステップS11(装用状態を考慮した非球面補正)にて非球面補正量が付加された処方レンズモデルLの近用基準点Nを通過する光線について、参照球面SR上の透過度数(近用度数)を計算することにより、実計算上の実質加入度ADDを得る。具体的には、処方レンズモデルLPRについて、参照球面SR上の透過度数(近用度数)を計算し、計算された近用度数から遠用度数(S+2.00)を差し引くことにより、実質加入度ADDを得る。また、処方レンズモデルLPLについて、参照球面SR上の透過度数(近用度数)を計算し、計算された近用度数から遠用度数(S+4.00)を差し引くことにより、実質加入度ADDを得る。実質加入度ADD及びADDは、図2の処理ステップS9(補正比率に基づく曲率分布の補正)による曲率分布補正を実施した結果、目標とする加入度数(ADD2.50)に近似する値にまで補正されている。そのため、上述したように、装用者の左右の眼に実質的に作用する加入効果の差が既に軽減されており、左右の実質加入度の差による装用者の眼に対する負担が軽減可能な状態にある。本工程では、左右の実質加入度の差を更に軽減すべく、処方レンズモデルLの曲率分布を補正することにより、図10に示されるように、実質加入度ADD及びADDを基準加入度ADDへ合わせ込む(一致させる)。これにより、近方物点を視るときの実質加入度の差がほぼゼロとなる。
図11は、左右の実質加入度の差(単位:D)と、主注視線LL’沿いの(上下方向)物体側画角β(単位:°)との関係を示す図である。なお、主注視線LL’沿いの物体側画角βは、図4(b)に示されるように、正面視したときの水平軸を基準とする。図11中、実線は、本実施形態における左右の実質加入度の差を示し、破線は、特許文献1における左右の実質加入度の差を示し、点線は、従来例における左右の実質加入度の差を示す。図11における従来例も図9と同じく、左右の遠用度数差や実質加入度の差に応じて透過度数分布を拡大又は縮小操作するという技術的思想を導入していないレンズを指す。図11に示されるように、従来例では、例えば遠用基準点F側から近用基準点N側へ視線を移動させるに従い、左右の実質加入度の差が大きくなる。これに対し、特許文献1では、左右の実質加入度の差が累進帯の全域に亘って良好に抑えられている。また、本実施形態では、左右の実質加入度の差が累進帯の全域に亘ってほぼゼロとなっており、一層良好に抑えられていることが判る。すなわち、本設計工程により設計・製造された眼鏡レンズによれば、良好な両眼視を各物体距離で保証することが可能となる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施例や変形例又は自明な実施例や変形例を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。

Claims (5)

  1. 第一の屈折力を有する第一屈折部、該第一の屈折力よりも強い第二の屈折力を有する第二屈折部、及び該第一屈折部から該第二屈折部へ屈折力が累進的に変化する累進屈折部を有する、該第一の屈折力が左右で異なる一対の眼鏡レンズであって、
    装用者が前記眼鏡レンズを通して物体を視たときに前記第一の屈折力が左右で異なることに依存して左右の視線方向がずれたときに、該第一屈折部から前記第二屈折部にかけての主注視線上において装用者の左右夫々の眼に実質的に作用する加入効果の差が抑えられるように、左右の該累進屈折部の長さ及び加入度の変化率が該左右の視線方向のずれに応じて互いに異なること
    を特徴とする、眼鏡レンズ。
  2. 前記一対の眼鏡レンズのうち前記第一の屈折力が弱い眼鏡レンズの方が前記累進屈折部の長さが短く且つ加入度の変化率が高いこと
    を特徴とする、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 前記一対の眼鏡レンズのうち前記第一の屈折力が弱い方の眼鏡レンズは、
    前記主注視線上において所定の隠しマークに基づいて定義される設計中心から前記第二屈折部へ近付くほど加入度の変化率が高くなり、
    前記一対の眼鏡レンズのうち前記第一の屈折力が高い方の眼鏡レンズは、
    前記主注視線上において前記設計中心から前記第二屈折部へ近付くほど加入度の変化率が低くなること
    を特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記左右の累進屈折部は、幅も互いに異なること
    を特徴とする、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の眼鏡レンズ。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の眼鏡レンズのアイテム群をなす、夫々の処方に適するアイテムの全てにおいて、前記左右の累進屈折部の長さ及び加入度の変化率が前記左右の視線方向のずれに応じて互いに異なること
    を特徴とする、眼鏡レンズのアイテム群。
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