JP5966790B2 - ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法に関するものである。
各種の半導体素子のうちでも、電気自動車や電気車両などを制御するために用いられる大電力制御用のパワー素子においては、発熱量が多いことから、これを搭載する基板として、例えばAlN(窒化アルミ)などからなるセラミックス基板(絶縁層)の一方の面及び他方の面に回路層及び金属層を形成したパワーモジュール用基板が、従来から広く用いられている。
また、金属層側に、半導体素子及びパワーモジュール用基板を冷却するヒートシンクを接合したヒートシンク付パワーモジュール用基板が提供されている。
このようなパワーモジュール用基板及びヒートシンク付パワーモジュール用基板は、その回路層上に、はんだ材を介してパワー素子としての半導体素子(電子部品)が搭載され、パワーモジュールとされる。
上述のヒートシンク付パワーモジュール用基板としては、例えば、特許文献1、2に開示されたものが提案されている。
特許文献1、2に記載されたヒートシンク付パワーモジュール用基板は、AlN(窒化アルミ)からなるセラミックス基板の両面にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属板(回路層及び金属層)が接合されたパワーモジュール用基板と、アルミニウムからなるヒートシンクとが、Al−Si系のろう材を用いたろう付けによって接合されている。
特開2010−093225号公報 特開2009−135392号公報
ここで、ヒートシンクとしては、例えばA6063合金、A6061合金等のMgを含有したアルミニウム合金によって構成されたものが用いられることがある。
Mgを含有したアルミニウム合金からなるヒートシンクとパワーモジュール用基板とを、Al−Si系ろう材を用いて接合した際には、例えば図5に示すように、ヒートシンクの表面に微小な突起物が形成されることがある。
このような微小な突起物が広範囲及び多量に観察された場合には、外観不良品と判断されてしまい、製品として用いられないおそれがあった。
また、この微小な突起物をEDX(エネルギー分散型X線分光法)によって分析を行った結果、Si及びMgの含有量が多く、Al−Si系のろう材に起因するものであると推測される。すなわち、Al−Si系のろう材が接合界面の外部に滲み出したことによってヒートシンクの表面に微小な突起物が発生していると考えられる。
さらに、ヒートシンクの表面に微小な突起物が発生した場合には、接合界面に存在するろう材が不足することなり、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合信頼性が低下するおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、Mgを含有したアルミニウム合金からなるヒートシンクとパワーモジュール用基板とを、Al−Si系ろう材を用いて接合した場合であっても、ヒートシンク表面に微小な突起物が生成することを抑制でき、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合信頼性を向上させることができるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
ここで、Mgは、Siと同様にアルミニウムの融点を降下させる作用効果を有する元素である。また、ヒートシンクにろう材を用いてパワーモジュール用基板の金属層を接合する際、Mgがヒートシンクの表面に濃縮する傾向があることが判った。このヒートシンク表面のMgの影響によって、接合界面に介在するAl−Si系ろう材の流動性が高まり、接合界面の外部にろう材が滲み出しやすくなり、Mg及びAl−Siろう材によりヒートシンク表面に微小な突起物が生成したと推測される。
本発明者らが、鋭意研究した結果、パワーモジュール用基板の金属層とMgを含有するアルミニウム合金からなるヒートシンクとをろう付けする前に、このヒートシンクに対して熱処理を実施することにより、MgのAl−Si系ろう材への影響を抑制できるとの知見を得た。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法は、絶縁基板の一方の面に回路層及び、前記絶縁基板の他方の面に金属層が配設されたパワーモジュール用基板と、前記パワーモジュール用基板に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、前記金属層は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成され、前記ヒートシンクは、0.2質量%以上4質量%以下のMgを含有するアルミニウム合金で構成されており、前記ヒートシンクに対して、熱処理を実施するヒートシンク熱処理工程と、前記ヒートシンク熱処理工程を実施した前記ヒートシンクと前記パワーモジュール用基板の金属層とをAl−Si系ろう材を介して接合する接合工程と、を備えており、前記ヒートシンク熱処理工程は、温度が450℃以上、かつ、前記ヒートシンクを構成するアルミニウム合金の固相線温度以下の条件で実施されることを特徴としている。
この構成のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法においては、0.2質量%以上4質量%以下のMgを含有するアルミニウム合金で構成されたヒートシンクに対して、熱処理を実施するヒートシンク熱処理工程を備えているので、接合工程を実施する時点において、ヒートシンク内部におけるMgの分散状態が変化することになる。
これにより、MgのAl−Si系ろう材への影響を抑制でき、ろう材が接合界面から滲み出すことを抑制することが可能となる。したがって、ヒートシンクとパワーモジュール用基板との接合に寄与するろう材を確保することができ、ヒートシンクとパワーモジュール用基板との接合信頼性を向上させることができる。また、ヒートシンク表面に微小な突起物が生成することを抑えることができ、外観不良の発生を抑制することができる。
なお、ヒートシンクが複数の部材で構成されている場合には、前記パワーモジュール用基板に接合される部材が0.2質量%以上4質量%以下のMgを含有するアルミニウム合金で構成されていればよく、少なくとも当該部材を上述のように熱処理すればよい。
ここで、前記ヒートシンク熱処理工程は時間が5min以上180min以下の条件で実施されることが好ましい。
この場合、ヒートシンクにおけるMgの分散状態を確実に変化させることができ、ろう材への影響を抑制することができる。また、ヒートシンクの一部が溶融してしまうことを確実に抑制することができる。
また、前記ヒートシンク熱処理工程は、圧力1×10−2Pa以下の真空雰囲気中で実施されることが好ましい。
この場合、ヒートシンク熱処理工程において、ヒートシンクの表面に厚い酸化被膜が形成されることを抑制できる。
本発明によれば、Mgを含有したアルミニウム合金からなるヒートシンクとパワーモジュール用基板とを、Al−Si系ろう材を用いて接合した場合であっても、ヒートシンクの表面に微小な突起物が生成することを抑制でき、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合信頼性を向上させることができるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によって製造されるヒートシンク付パワーモジュール用基板の概略説明図である。 本発明の実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を示すフロー図である。 本発明例のヒートシンク付パワーモジュール用基板の上面写真である。 図3に示すヒートシンク付パワーモジュール用基板のヒートシンク表面の分析結果を示す図である。 従来例のヒートシンク付パワーモジュール用基板の上面写真である。 図5に示すヒートシンク付パワーモジュール用基板のヒートシンク表面の分析結果を示す図である。
以下に、本発明の実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法について、添付した図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によって製造されたヒートシンク付パワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールを示す。
このパワーモジュール1は、ヒートシンク付パワーモジュール用基板40と、このヒートシンク付パワーモジュール用基板40の一方側(図1において上側)の面にはんだ層2を介して接合された半導体素子(電子部品)3と、を備えている。
ここで、はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材とされている。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板40は、パワーモジュール用基板10と、パワーモジュール用基板10を冷却するヒートシンク41と、を備えている。
パワーモジュール用基板10は、絶縁基板11と、この絶縁基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、絶縁基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13とを備えている。
絶縁基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、例えばAlN(窒化アルミ)、Si(窒化珪素)、Al(アルミナ)等の絶縁性の高いセラミックスで構成され、本実施形態では、AlN(窒化アルミ)で構成されている。また、絶縁基板11の厚さは、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.635mmに設定されている。
回路層12は、絶縁基板11の一方の面に銅又は銅合金からなる銅板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、回路層12を構成する銅板として、無酸素銅の圧延板が用いられている。この回路層12には、回路パターンが形成されており、その一方の面(図1において上面)が、半導体素子3が搭載される搭載面とされている。
金属層13は、絶縁基板11の他方の面にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、金属層13を構成するアルミニウム板として、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板が用いられている。
本実施形態におけるヒートシンク41は、パワーモジュール用基板10と接合される放熱板42と、この放熱板42に積層配置される冷却部材43と、を備えている。冷却部材43の内部には、冷却媒体が流通する流路44が形成されている。
ここで、放熱板42と冷却部材43とは、固定ネジ45によって連結される構造とされている。このため、放熱板42には、固定ネジ45をねじ込んでも容易に変形しないように剛性を確保する必要がある。そこで、本実施形態では、放熱板42を、耐力が100N/mm以上の金属材料で構成し、その厚さを2mm以上としている。
具体的には、パワーモジュール用基板10と接合される放熱板42は、0.2質量%以上4質量%以下のMgを含有するアルミニウム合金で構成されており、本実施形態では、放熱板42は、A6063合金(Al−0.7質量%Mg−0.4質量%Si)で構成されている。
次に、このヒートシンク付パワーモジュール用基板40の製造方法について、図2のフロー図を参照して説明する。
まず、回路層12となる銅板と、絶縁基板11とを接合し、回路層12を形成する(回路層形成工程S01)。絶縁基板11の一方の面に、活性ろう材を介して銅板を積層し、いわゆる活性金属ろう付け法によって、銅板と絶縁基板11とを接合する。本実施形態では、Ag−27.4質量%Cu−2.0質量%Tiからなる活性ろう材を用いて、10−3Paの真空中にて、積層方向に9.8×10Pa(1kgf/cm)以上343×10Pa(35kgf/cm)以下の範囲で加圧し、850℃で10分加熱することによって、絶縁基板11と銅板とを接合している。
次に、絶縁基板11の他方の面側に金属層13となるアルミニウム板を接合し、金属層13を形成する(金属層形成工程S02)。
絶縁基板11の他方の面側に、Al−Si系のろう材箔(本実施形態では、Al−7質量%Si)を介してアルミニウム板を積層し、10−3Paの真空中にて、積層方向に9.8×10Pa(1kgf/cm)以上343×10Pa(35kgf/cm)以下の範囲で加圧し、650℃で90分加熱することによって、アルミニウム板と絶縁基板11とを接合する。これにより、パワーモジュール用基板10が製出される。
そして、パワーモジュール用基板10と放熱板42を接合する前に、放熱板42に対して熱処理を実施する(ヒートシンク熱処理工程S03)。
このヒートシンク熱処理工程S03においては、放熱板42を、圧力1×10−2Pa以下の真空雰囲気中、温度:450℃以上620℃(A6063合金の固相線温度)以下、時間:5min以上180min以下の条件で、熱処理を行う。
次に、ヒートシンク熱処理工程S03を実施した放熱板42と、パワーモジュール用基板10と、を接合する(ヒートシンク接合工程S04)。
まず、パワーモジュール用基板10の金属層13と放熱板42との間にAl−Si系ろう材を介在させて、パワーモジュール用基板10と放熱板42とを積層する(積層工程S41)。ここで、本実施形態では、Siの含有量が5.5質量%以上11.0質量%以下、厚さが5μm以上100μm以下のろう材箔を用いた。
パワーモジュール用基板10と放熱板42とを積層方向に加圧(圧力1〜5kgf/cm)した状態で、非酸化雰囲気とした雰囲気炉内に装入して加熱する(加熱工程S42)。ここで、本実施形態では、圧力1×10−2Pa以下の真空雰囲気とした。また、加熱温度は590℃以上630℃以下とした。すると、金属層13と放熱板42との接合界面には、ろう材箔、金属層13の一部及び放熱板42の一部が溶融することによって、溶融金属領域が形成されることになる。
そして、雰囲気炉の炉内温度を下げることによって、金属層13と放熱板42との接合界面に形成された溶融金属領域を凝固させて、金属層13と放熱板42とを接合する(溶融金属凝固工程S43)。
このようにして、本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板40が製出される。
なお、本実施形態においては、ヒートシンク熱処理工程S03における温度及び保持条件と、ヒートシンク接合工程S04の加熱工程S42における温度及び保持条件と、を一致させることによって、一のヒートシンク付パワーモジュール用基板40においてヒートシンク41(放熱板42)とパワーモジュール用基板10とをろう付けする際に用いる雰囲気炉内に、他のヒートシンク付パワーモジュール用基板40において用いるヒートシンク41(放熱板42)を装入して熱処理している。
すなわち、一のヒートシンク付パワーモジュール用基板40におけるヒートシンク接合工程S04の加熱工程S42と、他のヒートシンク付パワーモジュール用基板40におけるヒートシンク熱処理工程S03とを同時に実施しているのである。
上述のような構成とされた本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によれば、ヒートシンク41のうちパワーモジュール用基板10に接合される放熱板42が0.2質量%以上4質量%以下のMgを含有するアルミニウム合金で構成されており、ヒートシンク接合工程S04の前に、上述の放熱板42に対して熱処理を実施するヒートシンク熱処理工程S03を備えているので、ヒートシンク接合工程S04においてAl−Si系ろう材を用いてヒートシンク41(放熱板42)とパワーモジュール用基板10とを接合する際には、ヒートシンク41(放熱板42)におけるMgの分散状態を変化させることができる。
これにより、ヒートシンク接合工程S04において、放熱板42のMgのAl−Si系ろう材箔への影響を抑制することができ、ろう材が接合界面から滲み出すことを抑制することが可能となる。
したがって、ヒートシンク41(放熱板42)とパワーモジュール用基板10との接合に寄与するろう材を確保することができ、ヒートシンク41(放熱板42)とパワーモジュール用基板10との接合信頼性を向上させることができる。また、ヒートシンク41表面に微小な突起物が生成することを抑えることができ、外観不良の発生を抑制することができる。
また、本実施形態においては、ヒートシンク熱処理工程S03を、圧力1×10−2 Pa以下の真空雰囲気中で実施する構成としているので、ヒートシンク熱処理工程S04において、ヒートシンク41(放熱板42)の表面に厚い酸化被膜が形成されることを抑制でき、表面処理等を行うことなく、ヒートシンク41(放熱板42)とパワーモジュール用基板10との接合を実施することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、ヒートシンク熱処理工程S03の条件を、温度:450℃以上620℃以下、時間:5min以上180min以下、に設定しているので、ヒートシンク41(放熱板42)におけるMgの分散状態を確実に変化させることができるとともに、ヒートシンク41(放熱板42)の一部が溶融することを防止することができる。
また、本実施形態においては、ヒートシンク熱処理工程S03における温度及び保持条件と、ヒートシンク接合工程S04における加熱工程S42の温度及び保持条件と、を一致させることによって、一のヒートシンク付パワーモジュール用基板40においてヒートシンク41(放熱板42)とパワーモジュール用基板10とをろう付けする際に用いる雰囲気炉内に、他のヒートシンク付パワーモジュール用基板40において用いるヒートシンク41(放熱板42)を装入して熱処理しているので、ヒートシンク41(放熱板42)の熱処理のために新たな設備を設ける必要がなく、ヒートシンク付パワーモジュール用基板40を効率よく製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、回路層を銅又は銅合金で構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成したものであってもよい。
また、本実施形態では、ヒートシンク(放熱板)を、A6063合金で構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、A3004合金、A5000系合金、A6000系合金等の0.2質量%以上4質量%以下のMgを含有するアルミニウム合金であればよい。
さらに、本発明の実施形態においては、ヒートシンクとして、放熱板と冷却部材とを備えたもので説明したが、これに限定されることはなく、例えば、冷却部材を直接パワーモジュール用基板に接合するものとしてもよい。さらに、ヒートシンクとしてフィンが形成された液冷、空冷放熱器、ヒートパイプなどを用いてもよい。
また、銅又は銅合金からなる回路層と絶縁基板とを、活性金属ろう付け法によって接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、DBC法等の他の方法で接合したものであってもよい。
さらに、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属層と絶縁基板とを、ろう付け法によって接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、拡散接合等の他の方法で接合したものであってもよい。
また、本実施形態では、金属層を構成するアルミニウム板を純度99.99%の純アルミニウムの圧延板として説明したが、これに限定されることはなく、純度99%のアルミニウム(2Nアルミニウム)であってもよい。
さらに、絶縁基板としてAlNからなるセラミックス板を用いたものとして説明したが、これに限定されることはなく、Al、Si等からなるセラミックス板を用いても良い。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
30mm×30mm×0.635mmのAINからなる絶縁基板と、この絶縁基板の一方の面に28mm×28mm×0.6mmの4Nアルミニウムの圧延板を接合して形成された回路層と、絶縁基板の他方の面に28mm×28mm×1.6mmの4Nアルミニウムの圧延板を接合して形成された金属層と、を有するパワーモジュール用基板を準備した。なお、回路層となるアルミニウム板と絶縁基板、及び、絶縁基板と金属層となるアルミニウム板との接合は、次の条件で実施した。回路層となるアルミニウム板と絶縁基板をAl−7質量%Siのろう材箔を介して積層し、前記絶縁基板と金属層となるアルミニウム板を前記ろう材箔を介して積層し、積層方向に3kgf/cmで加圧した状態で、圧力1×10−2Pa以下の真空雰囲気で、650℃、40minの条件で加熱することによって、セラミックス基板の両面に純アルミニウム圧延板が接合されたパワーモジュール用基板を製出した。
ヒートシンクとして、A6063合金からなる50mm×50mm×5mmのアルミニウム合金板を準備した。
本発明例では、ヒートシンクを、圧力1×10−2Pa以下の真空雰囲気で、600℃、30minの条件で、熱処理を実施した。
そして、このパワーモジュール用基板とヒートシンク(放熱板)とを、次の条件で接合した。パワーモジュール用基板とヒートシンクとを、Al−10質量%Siのろう材箔を介して積層し、積層方向に5kgf/cmで加圧した状態で、真空加熱炉内に装入し、600℃で30分加熱することによって、接合した。
得られたヒートシンク付パワーモジュール用基板について、ヒートシンク表面の観察、表面粗さの測定を行った。
ヒートシンク表面の観察は、光学顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察、EDX分析、を実施した。
表面粗さの測定は、株式会社ミツトヨ製小形表面粗さ測定機サーフテストSJ−210を用いて実施した。
また、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合率を評価した。具体的には、接合工程後において、パワーモジュール用基板の金属層とヒートシンクとの界面の接合率について超音波探傷装置を用いて評価し、以下の式から算出した。ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち金属層面積とした。超音波探傷像において非接合部は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を非接合部面積とした。
(接合率)={(初期接合面積)−(非接合部面積)}/(初期接合面積)×100
本発明例の観察結果を図3及び図4に示す。従来例の観察結果を図5及び図6に示す。なお、図4及び図6において、(a)はSEM像、(b)は視野内の分析結果である。
また、表面粗さ及び接合率の評価結果を表1に示す。なお、接合率の評価は、本発明例及び従来例として、それぞれ5個ずつの試験片の平均値とした。
ヒートシンクの熱処理を実施しなかった従来例においては、図5に示すように、ヒートシンクの表面全体に微小な突起物の生成が認められた。なお、ヒートシンクの表面粗さを測定した結果、算術平均高さRa(JIS B0601 2001)が17.5μm、最大高さRz(JIS B0601 2001)が71.2μmであった。
この突起物のAl、Mg、Siの濃度をEDX分析により求めた結果、図6に示すように、SiとMgを多く含有しており、ろう材が接合界面から滲みだしてヒートシンクの表面に微小な突起物が発生したと推測される。このため、接合に寄与するろう材が充分に確保されず、接合率も89.3%と低くなったと推測される。
一方、ヒートシンクの熱処理を実施した本発明例においては、図3に示すように、ヒートシンクの表面全体には微小な突起物が認められなかった。ヒートシンクのうちパワーモジュール用基板の周縁部を観察した結果、微小な突起物も認められなかった。なお、ヒートシンクの表面粗さを測定した結果、算術平均高さRa(JIS B0601 2001)が0.89m、最大高さRz(JIS B0601 2001)が5.73μmであった。
ヒートシンクのうちパワーモジュール用基板の周縁部のAl、Mg、Siの濃度をEDX分析により求めた結果、図4に示すように、SiとMgは多く検出されておらず、ろう材が接合界面から滲み出していないことが確認された。このため、接合に寄与するろう材が充分に確保されており、接合率も97.0%と高くなった。
以上のことから、本発明例によれば、ヒートシンクの表面に微小な突起物が生成することを抑制でき、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを確実に接合することができるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供することが可能であることが確認された。
1 パワーモジュール
10 パワーモジュール用基板
11 絶縁基板
12 回路層
13 金属層
40 ヒートシンク付パワーモジュール用基板
41 ヒートシンク
42 放熱板

Claims (3)

  1. 絶縁基板の一方の面に回路層及び、前記絶縁基板の他方の面に金属層が配設されたパワーモジュール用基板と、前記パワーモジュール用基板に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記金属層は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成され、
    前記ヒートシンクは、0.2質量%以上4質量%以下のMgを含有するアルミニウム合金で構成されており、
    前記ヒートシンクに対して、熱処理を実施するヒートシンク熱処理工程と、
    前記ヒートシンク熱処理工程を実施した前記ヒートシンクと前記パワーモジュール用基板の金属層とをAl−Si系ろう材を介して接合する接合工程と、
    を備えており、
    前記ヒートシンク熱処理工程は、温度が450℃以上、かつ、前記ヒートシンクを構成するアルミニウム合金の固相線温度以下の条件で実施されることを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
  2. 前記ヒートシンク熱処理工程は時間が5min以上180min以下の条件で実施されることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
  3. 前記ヒートシンク熱処理工程は、圧力1×10−2Pa以下の真空雰囲気中で実施されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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