JP5961263B2 - 古い送信機側チャネル状態情報に基づくスケジューリング及びmu−mimo送信のための方法及び装置 - Google Patents

古い送信機側チャネル状態情報に基づくスケジューリング及びmu−mimo送信のための方法及び装置 Download PDF

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Description

[0002]本発明の実施形態は、マルチユーザ多入力多出力(MIMO)無線送信システムの分野に関し、より詳細には、完全に古くなった送信機側チャネル状態情報(CSIT)を利用する新しい部類のマルチユーザMIMO(MU−MIMO)技法に関する。
[優先権]
[0001]本特許出願は、2011年8月3日に出願された、「A Method and Apparatus for Efficient Scheduling and MU−MIMO Transmission based on Outdated Channel State Information at the Transmitter」と題された対応する仮特許出願第61/514,838号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願を参照により援用する。
[0003]無線送信における多くの最近の進歩は、送信及び受信のために複数のアンテナを使用することに基礎を置いてきた。基本的に、複数のアンテナは、無線システムによって送信のために利用され得る自由度(DoF)の数、すなわち、システム内の受信者に同時に送信され得るスカラデータストリーム(scalar data stream)の数の増加をもたらすことができる。ここで、DoFは、スペクトル効率(スループット)の向上及び/又は追加のダイバーシティ(堅牢性)をもたらすために使用され得る。さらに言えば、N個の受信アンテナを用いる単一のユーザにサービスを提供するN個の送信アンテナを有するシングルユーザMIMO(SU−MIMO)システムは、ダウンリンクの送信のために最大でmin(N,N)のDoFを利用することができる可能性がある。これらのDoFは、特定の条件の下で、min(N,N)に比例して大きくなる係数倍にスループットを向上させるために使用される可能性がある。MIMOのそのような恩恵とDoFの増加とが、新しい及び将来のシステムでMIMOを使用することへの多くの関心の大半の背景にある。
[0004]そのようなDoFを利用することは、多くの場合、システムに対するある程度のコストを必要とする。1つのそのようなコストは、送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネルの状態の知識である。多くの場合、そのようなチャネル状態情報(CSI)が、送信機(そのようなCSIはCSITと呼ばれる)及び/又は受信機(そのようなCSIはCSIRと呼ばれる)のどちらかで利用可能である必要がある。利用可能なDoFは、送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネルが十分に「豊富である」ことにも依存する。
[0005]例えば、ビットインターリーブ符号化変調(BICM:Bit Interleaved Coded Modulation)及びD−BLASTなどのSU−MIMOのCSIRに基づくシステムは、好適なチャネル条件の下でmin(N,N)の最大の可能なDoFを実現することができる。そのような条件の下では、したがって、それらのシステムが、スペクトル効率の対応する線形の向上をもたらすために使用され得る。そのような設計は、当業者によく知られている。
[0006]同様に、基地局(BS)のN個の送信アンテナと、K人の単一アンテナのユーザ(N=1)とを有するマルチユーザMIMO(MU−MIMO)システムは、最大でmin(N,K)のDoFをもたらし得る。SU−MIMOの場合と同様に、MU−MIMOは、min(N,K)に比例してスループットを改善するために使用され得る。
[0007]しかし、SU−MIMOとは異なり、多くのMU−MIMO技術(実際、使用され、規格のために研究される有力なMU−MIMO技術のすべてとは言えないまでもほとんど)は、CSITの知識を必要とする。CSITに基づくMU−MIMOは、CSIRに基づくSU−MIMOとは異なり、送信がまさに行われ得る前に、CSIを推定し、CSIを送信機にフィードバックするためのさらなるオーバーヘッドを必要とする(Caireら、「Multiuser MIMO achievable rates with downlink training and channel state」、IEEE Transactions on Information Theory、2010年6月、2845〜2866ページ参照)。
[0008]そのようなオーバーヘッドにも関わらず、MU−MIMOは、可搬型若しくはモバイルデバイスに多くの受信アンテナ、無線周波数(RF)チェーンを追加するか、又は可搬型若しくはモバイルデバイスに対する処理(例えば、復号)の複雑さを増大させる必要なくDoFを大きくすることができるという、SU−MIMOに勝る恩恵があるので、実際的な関心を集めている。
[0009]CSIのオーバーヘッドの問題は、そのような通常のMIMOを評価する際に見過ごされてはならない根本的な問題である。そのようなCSIに関連するオーバーヘッドは、実際、通常のCSIに依存するMIMOによって得られる可能性がある正味のスペクトル効率の向上を制限する可能性がある根本的な「次元数(dimensionality)ボトルネック」を示す可能性がある。
[0010]特に、N(又はN、又はK)を増やすことによるDoFの増大(例えば、線形の増大)を利用し続けたい場合、送信を定式化し、受信機において復号するために必要とされるCSIを得る際の増加したシステムのオーバーヘッドをいかにしてサポートするかも考える必要がある。そのようなオーバーヘッドは、CSIの推定をサポートするパイロットのための無線媒体の使用の増加と、そのようなCSIの推定値に関する受信エンティティと送信エンティティとの間のフィードバックの増加とを含む可能性がある。
[0011]例として、単一のTXアンテナと単一のRXアンテナとの間のCSI(この種のCSIは、規格の世界では一部により直接CSI(direct CSI)と呼ばれる場合が多い)を定義するそれぞれの複素スカラ値のために、無線チャネルのリソースの決まった割合Fcsiが、パイロット及び/又はフィードバックに割かれるものと仮定する。必要とされるCSIの次元はN、N、及び/又はKのような量に比例するので、合計のCSIのシステムに関連するオーバーヘッドが(例えば、N×Fcsiだけ)増大することは容易に理解し得る。例えば、それぞれが送信アンテナに関するN個のCSIスカラの項を有するK人の単一アンテナのユーザに関して、KNT個のそのようなスカラが存在する。CSIの次元の増加をサポートすることは、より多くの無線チャネルのリソースを要する可能性があり、データ送信のために残されるリソースの量を減らす。このオーバーヘッドの増加は、スペクトル効率の向上がCSIのオーバーヘッドの増加を埋め合わせない場合、スループットの継続的な増大を制限する可能性がある。
[0012]値Fcsiは、時間的及び/又は周波数的なチャネルのコヒーレンス(coherence)を考慮して、システムによって定義されるか、又は必然的に定義されるかのどちらかであることが多い。チャネルの状態が時間的及び/又は周波数的により急激に変化するとき、CSIを推定し、追跡するために、より多くのリソースが使用される必要がある可能性がある。
[0013]例として、周波数分割複信(FDD)に基づく3GPPロングタームエボリューション(LTE)の設計では、12×14個のOFDMシンボルのリソースブロック内の8個のシンボルが、N個のアンテナのそれぞれに関するダウンリンクのパイロットをサポートするために使用される。単純にそのようなパイロットに関するシステムのオーバーヘッドを考慮し、フィードバックなどのその他のCSIに関連するオーバーヘッドを無視すると、Fcsiは、8/168=4.76%にもなる可能性がある。それは、N=8である場合、パイロットの構造が追加のアンテナに比例して大きくなると仮定すると、合計のCSIのオーバーヘッドが、38%にもなり、シンボルの62%を残りのシグナリングのオーバーヘッド及びデータ送信をサポートするために残す可能性があることを意味する。明らかに、そのようなシステムは、Nの無制限の増加をサポートしない。
[0014]したがって、符号化されたデータの情報を表すシンボルがより効率的に使用され、MIMOによるDoFの増加によって堅牢性及び/又はスペクトル効率が向上するが、正味のスペクトル効率の向上は、CSIのオーバーヘッドを考慮に入れる必要がある。したがって、正味のスペクトル効率の上昇は、シンボルのうちの(1−N×Fcsi)以下の一部だけがデータのために使用され得るので、実際は、個々のデータシンボルのスペクトル効率の上昇に満たない。
[0015]最近、「ブラインド干渉アラインメント」(BIA:Blind Interference Alignment)技術と呼ばれる新しい部類の技術が、通常のMU−MIMOシステムのCSIのオーバーヘッドの多くを必要とせずにDoFを増大させる能力を示した(Wangら、「Aiming Perfectly in the Dark−Blind Interference Alignment through Staggered Antenna Switching」、http://arvix.org/abs/1002.2720参照)。BSのN個の送信アンテナと、K人の単一アクティブアンテナのユーザとを有するマルチユーザMIMO(MU−MIMO)システムが、CSITなしにKNT/(K+NT−1)のDoFを実現することが可能である。したがって、Kが大きくなるにつれて、システムは、CSIに依存する上限min(NT,K)のDoFに近づき得る。これは、ここ数十年のこれまでの考え方及び推測の多くの先を行くものであり、現在のシステムが直面している「次元数ボトルネック」を軽減する可能性をもたらすので、特筆すべき結果である。
[0016]そのようなシステムが機能するためには、送信BSとサービスを受けているK人のユーザとの間に見られるチャネルが(ブラインド干渉アラインメント方式に関連する)所定の方法でまとまって変化していなければならないという要件がある。このまとまった変化は、各モバイル端末において多くの(物理的な)アンテナ要素及び単一のRFチェーンを使用することによって実現される可能性があり、ユーザの単一アクティブ受信アンテナ、すなわち、ユーザの単一のRFチェーンを駆動するアンテナが、時間の経過とともに変更され得る。言い換えると、単一アクティブ受信アンテナは、例えば、所定の方法でN個のモードの間を切り替えることができるマルチモードアンテナである。モードは、単一のユーザに関する独立した(例えば、一次独立の)CSIベクトルを生成する。さらに、送信は、所与のモードのCSIが、システムに未知であるが、実質的に一定であり、モード毎に異なると見なされる好適なコヒーレンス時間間隔に限られなければならない。BIA技術は、K人のユーザに送信されるべきK個の情報搬送ストリーム(1つのストリームが1人のユーザのための意図される情報を搬送する)に対して、好適なアンテナモードの切り替えと、合成されたデータ送信ベクトルとを生成することによって機能する。
[0017]近年、古いCSITを利用して、受信機のそれぞれにおいて「干渉アラインメント」(IA)によるDoFの増加を可能にする新しい部類のMU−MIMO技術が登場している。これらの方式の魅力的な点は、必要とされるCSITが完全に古くなっていることを許されることである。特に、これらの方式は、過去のチャネルの知識のみを利用することによってDoFの増大を可能にし、送信機における現在のチャネルの状態の知識にまったく依存しない(つまり、送信が行われようとしているユーザのチャネルの、送信機における知識をまったく必要としない)。これは、効果がデータ送信時のCSITの正確さに深く依存する通常のMU−MIMOシステムと極めて対照的である。すなわち、通常のMU−MIMOの効果は、MU−MIMOのデータ送信が行われることになるチャネルを送信機が事前にどれだけ正確に知っているかに深く依存する。BSのN個の送信アンテナと、L人の単一アンテナのユーザとを有するマルチユーザMIMO(MU−MIMO)システムが、古いCSITを用いてK/(1+1/2+1/3+...+1/K)のDoFを実現することが可能であり、ここで、K=min(NT,L)である。Kが大きくなるにつれて、システムのDoFはK/(γ+log(K))として増大し、ここで、γはオイラー−マスケローニ定数であり、0.57から0.58までの間の数である。
[0018]古い送信機側CSIに基づくMU−MIMO方式は、いくつかの固有の課題と、それらのMU−MIMO方式が使用される場面の制限とを有する。第1の固有の問題は、それらのMU−MIMO方式が効果的に動作するために高い信号対雑音比(SNR)を必要とすることが多いことである。例えば、元のIA方式は、最大で20dBのSNRを必要とする可能性がある。これは、結果として生じる干渉アラインメントされたストリームにおいて雑音の増幅を生じる干渉アラインメントプロセスの性質による。この結果として、元のIA技術は、セルラ環境内の多くのユーザへの適用に限界がある。例えば、通常のセルラのセルの端のユーザは、それらのK人のユーザにサービスを提供していない干渉セルから来る干渉が原因で、およそ0dB以下の信号対干渉雑音比(SINR)にさらされることが多い。セルの端のユーザだけでない多くのユーザは、およそ20dB以上のSINRを持たない。しかし、これらの方式は、完全に古くなったCSIを利用することができるので、収集されたCSITに基づくユーザのスケジューリングに関する要件がより緩い。
Caireら、「Multiuser MIMO achievable rates with downlink training and channel state」、IEEE Transactions on Information Theory、2010年6月、2845〜2866ページ Wangら、「Aiming Perfectly in the Dark−Blind Interference Alignment through Staggered Antenna Switching」、http://arvix.org/abs/1002.2720
[0019]古いチャネル状態情報に基づくスケジューリング及びMU−MIMO送信のための方法及び装置が、本明細書において開示される。一実施形態においては、マルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムが、マルチアンテナ送信機及びL個のユーザ端末を有し、方法が、L個のユーザ端末の一部又はすべてへの送信からのユーザのチャネルの知識及び効用関数(utility function)に基づいて、古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用して2周目の送信のためのユーザパケットのペアをスケジューリングして1つのMATセッションを形成するステップであり、ユーザパケットのペアが、第1のユーザ端末に宛てた第1のパケット及び第2のユーザ端末に宛てた第2のパケットを含む、ステップと、複数の1周目の送信のうちの2回の送信からの傍受された観測値を組み合わせるステップであり、傍受された観測値が、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末からの1周目の傍受されたチャネルのフィードバックを示す情報を含む、ステップと、ユーザパケットのペアの組み合わされた観測値を2周目の送信の一部として送信するステップとを含む。
[0020]別の実施形態においては、方法が、r次の(degree−r)メッセージが送信されることになるr周目の送信スロットをスケジューリングするステップであり、r次のメッセージが、r人のユーザに同時に役立つように、r人のユーザの組を対象とするr個の傍受された(r−1)周目のメッセージの一次結合であり、r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれが、r人のユーザの組の中の異なるユーザによって傍受され、残りのr−1人のユーザを対象とするメッセージを構成し、さらに、スケジューリングするステップが、r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれを、効用関数に基づいて、前記(r−1)周目のメッセージのそれぞれの最良の傍受された観測値のうちの1つであるように独立に選択するサブステップをさらに含む、ステップと、複数のアンテナを使用して、スケジューラによって生成されたメッセージの組からのメッセージを送信するステップとを含む。
[0021]本発明は、以下に与えられる詳細な説明と、本発明のさまざまな実施形態の添付の図面とからより深く理解される。しかし、それらの詳細な説明及び添付の図面は、本発明を特定の実施形態に限定すると解釈されるべきでなく、むしろ、説明及び理解のみを目的とするものである。
古いCSIに基づくMU−MIMO送信のための2ユーザのMAT方式を示す図である。 図1の2ユーザのMAT方式に関する1周目の送信を示す図である。 図1の2ユーザのMAT方式の2周目の送信を可能にするための1周目のCSIのフィードバックを示す図である。 図1の2ユーザのMAT方式に関する2周目の送信を示す図である。 古いCSIに基づくMU−MIMO送信のための、K=3ユーザで2周のMAT方式を示す図である。 古いCSIに基づくMU−MIMO送信のための、K=3ユーザで3周のMAT方式を示す図である。 (2≦K≦Nである、あり得るN個のうちの)K個の送信アンテナを使用する古いCSIに基づく2周のIA/MU−MIMO送信によるスケジューリングを示す図である。 ペアの形成及び2周目の送信を待つ、ユーザmのN個のパケットの1周目の送信からのCSITを含むユーザmのバッファを示す図である。 MATセッションに基づくスケジューラの動作を示す図である。 古いCSI(1周目からのCSIT)に基づくパケット中心の(packet−centric)MU−MIMOによる2周目のスケジューラの動作を示す図である。 m<nであるユーザm及びnに関する2周目のペア形成キュー(pairing queue)の見本の事例を示す図である。 ユーザ1の所与のパケット、この場合はパケット6に関わる、K=3ユーザ及びR=2周の場合のMATセッションとパケット中心のスケジューリングとの間の比較を示す図である。 2周のパケット中心のスケジューリング方式のスケジューリングの恩恵をSNRに応じて示す図である。 (3≦K≦Nである、あり得るN個のうちの)K個の送信アンテナを使用する古いCSIに基づく3周のIA/MU−MIMO送信によるスケジューリングを示す図である。 古いCSI(2周目からのCSIT)に基づくパケット中心のPHY MU−MIMOによる3周目のスケジューラの動作を示す図である。 m<n<qであるユーザm、n、及びqに関する3周目のペア形成キューの見本の事例を示す図である。 ユーザ1の所与のパケット、この場合はパケット6に関わる例に基づく、K=3及びR=2の場合のMATセッションのスケジューリングとパケット中心のスケジューリングとの間の定性的比較を示す図である。 マルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで使用するための装置の一実施形態のブロック図である。 マルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで情報を送信するための装置の別の実施形態のブロック図である。
[0022]近年、古い送信機側CSIを利用する新しい部類のMU−MIMO技術が、明らかとなってきた。それらのMU−MIMO技術は、MAT方式(Maddah−Aliら、「Completely stale transmitter channel state information is still very useful」、Allerton Conference on Communication,Control and Computing、2010年9月参照)と呼ばれ、各受信機において「干渉アラインメント」(IA)を可能にする、古いCSITに基づく送信メカニズムを利用する。したがって、それらのMU−MIMO技術は、通常のMIMOシステムに特有のCSITの使用に対する厳格な適時性の制限を必要とすることなくDoFを増大させる可能性を示した。
[0023]本発明の実施形態は、古いCSITに基づくMU−MIMO送信をスケジューリングするためのメカニズムを含む。本発明の実施形態の1つの部類は、MAT送信セッションのためにユーザのグループをスケジューリングするための技術を含む。そのようなシステムの最も単純な形態の例においては、マルチアンテナ送信機が、同じ送信リソース上でまとめて符号化されたデータストリームを送信することによって複数の単一アンテナのユーザに同時にサービスを提供する。これらのMU−MIMO方式において、ユーザ端末の受信機のそれぞれにおいて本明細書で干渉アラインメント(IA)と呼ばれていることを可能にすることによって複数のユーザへの同時送信をサポートするために、送信機において古いCSITが使用される。しかし、本明細書において説明されるように、これらのスケジューリング方式は、3人以上のユーザとのMATセッションを含むとき、スケジューリングの恩恵に限界がある。
[0024]本発明の実施形態は、(MAT)セッション中心(session−centric)ではなく、むしろパケット中心である実施形態の別の部類も含む。これらのパケット中心の方式は、MAT方式と同じIAの原理を利用し、関連するMAT方式と同じDoFを有する。しかし、これらの方式は、パケット中心であるので、これらの方式のMATセッションに基づく同等の方式とは対照的に、スケジューリングについて遙かに高い柔軟性を提供し、3人以上のユーザに役立つスケジューリングの恩恵を容易に提供し得る。
[0025]したがって、本発明の実施形態は、古いCSITを利用する送信をスケジューリングするためのメカニズムを含む。これらのメカニズムは、ユーザの恩恵、セルのスループットの恩恵、及びセルの端のスループットの恩恵をもたらすことができる。それらのメカニズムは、おおむね、遅延耐性トラフィック(delay tolerant traffic)に適している。遅延及び追加のフィードバックリソースを代償として、それらのメカニズムは、大きな性能上の恩恵をもたらすことができる。
[0026]以下の説明において、本発明をより完全に説明するために、多くの詳細が示される。しかし、本発明がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは当業者に明らかであろう。その他の場合、本発明を曖昧にすることを避けるために、よく知られている構造及びデバイスは、詳細にではなくブロック図の形態で示される。
[0027]以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作のアルゴリズム及び記号的表現によって示される。これらのアルゴリズムの記述及び表現は、データ処理技術に精通している者によって、その者の成果の内容を当該技術分野に精通しているその他の者に最も効果的に伝えるために使用される手段である。アルゴリズムは、本明細書において及び一般に、所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップであると考えられる。ステップとは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。必ずではないが通常は、これらの量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、及びその他の操作を行われ得る電気的又は磁気的信号の形態をとる。これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、数などと呼ぶことが、主に慣例であるという理由で便利な場合があることが分かっている。
[0028]しかし、これらの及び同様の用語のすべては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に付される便宜的なラベルであるに過ぎないことに留意されたい。別途具体的に示されない限り、以下の検討から明らかなように、説明の全体を通じて、「処理する」、又は「計算する」、又は「算定する」、又は「決定する」、又は「表示する」などの用語を利用する検討は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(電子的)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ、又はレジスタ、又はその他のそのような情報記憶、送信、若しくは表示デバイス内で同様に物理量として表されるその他のデータに変換するコンピュータシステム、又は同様の電子的コンピューティングデバイスの動作及びプロセスに言及することが理解される。
[0029]本発明は、本明細書の操作を実行する実行するための装置にも関する。この装置は、必要とされる目的のために特別に構成される可能性があり、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に有効化又は再構成される多目的コンピュータを含む可能性がある。そのようなコンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、光ディスク、CD−ROM、及び光磁気ディスクを含む任意の種類のディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気式若しくは光学式カード、又は電子的命令を記憶するのに好適であり、それぞれがコンピュータのシステムバスに結合される任意の種類の媒体などであるがこれらに限定されないコンピュータ可読ストレージ媒体に記憶され得る。
[0030]本明細書において示されるアルゴリズム及び表示は、任意の特定のコンピュータ又はその他の装置と本質的に無関係である。さまざまな汎用システムが本明細書の教示にしたがってプログラムと共に使用される可能性があり、又は必要とされる方法のステップを実行するためにより特化した装置を構築することが便利であることが判明する可能性がある。さまざまなこれらのシステムのための必要とされる構造は、以下の説明から明らかになるであろう。さらに、本発明は、任意の特定のプログラミング言語に関連して説明されない。本明細書において説明される本発明の教示を実装するためにさまざまなプログラミング言語が使用され得ることが、理解されるであろう。
[0031]機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読媒体は、読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイスなどを含む。
概要
[0032]本発明の実施形態は、古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)に基づくMU−MIMO送信をスケジューリングするための方法を含む。通常のMU−MIMOとは異なり、一実施形態において考察される方式は、過去のCSITを利用する送信を含み、それらの送信は、チャネルがCSITに十分に近い時間−周波数リソース要素において行われるように制限されない。結果として、これらの方式は、スケジューリングの非常に高い柔軟性を提供する。これらの新しいMU−MIMO方式は、調整された多周回(multi−round)送信によってDoFの増加を達成するので、あり得るスケジューリングの選択肢及び制約が、通常のMU−MIMO方式のスケジューリングの選択肢及び制約とは大きく異なる。CSITは通常のシングルユーザMIMO(SU MIMO)及びマルチユーザMIMO(MU MIMO)を含むその他の通常の送信方式と同様にして取得され得るが、CSITがそのCSITが集められる時点のチャネルの実際の状態を表す必要がないという事実が、そのCSITが集められる方法の遙かに高い柔軟性をもたらす。本明細書において説明されるように、それにより、高性能なスケジューリングプロトコルを実現することができる。
[0033]実施形態におけるスケジューリング方式は、最近のMU−MIMO方式及びその方式の原理を利用する。このMU−MIMO方式は、Maddah−Aliら、「Completely stale transmitter channel state information is still very useful」、Allerton Conference on Communication,Control and Computing、2010年9月(以降、「MAT論文」)に示されており、本明細書においては、これ以降、MAT方式と呼ばれる。MAT方式は、複数のユーザのグループに同時にサービスを提供するための多周回送信セッションを確立する。それぞれのMATセッションは、因果関係を持って発生すると想定されるいくつかの送信の周回(round)(これ以降、Rと表記される)を有し、つまり、セッションの1周目の送信が最初に起こり、2周目の送信が同じセッションに関する1周目の送信の後に行われ、以下同様である。k>1の場合のk周目の送信において、この方式は、(同じセッションに関する)過去の送信の周回のみからのCSITを利用してMU−MIMO送信を実行する。過去の周回からのこのCSITは、各受信機において干渉アラインメント(IA)として知られていることを可能にすることによって複数のユーザに同時にサービスを提供することを可能にする。
[0034]本発明の実施形態は、MAT方式でのスケジューラの動作オプションを含み、つまり、実施形態は、MAT方式のセッションをスケジューリングするための方法を含む。しかし、さらに重要なことに、実施形態は、MAT方式を可能にする干渉アラインメントの原理を利用するが、もはやMAT方式は実施しない(MATセッション中心ではなく)新しいパケット中心のスケジューリングアルゴリズムを利用することによって柔軟で高性能な動作をもたらす。本明細書において説明されるように、これらの新しいパケット中心の方式は、スケジューリングに基づく性能の増大を可能にするための優れた(元のセッション中心の見方よりも優れた)手段を提供する。
[0035]本明細書において提案されるスケジューリングメカニズムを説明するために、以下で説明されるのは、元のMAT方式である。以降、MATセッションをスケジューリングすることを考慮する本発明の実施形態が、説明される。最後に、古いCSIに基づくパケット中心のスケジューリングを含む本発明の実施形態が、開示される。
元のMAT方式
[0036]元のMAT方式においては、情報を搬送する信号が、古い送信機側CSIに基づいて、K個の送信アンテナを有する単一の送信機からK個の単一アンテナ受信機に同時に伝達される。概して、受信機の数がLであり、送信アンテナの数がNである場合、Kは、LとNとのうちの小さい方である。この方式及びこの方式に関連するスケジューリングメカニズム(以下でされに検討される)は、それぞれがNR個のアンテナを用いるK人のユーザ及びKNR個のアンテナを有する送信機も当然対象に含む。
[0037]2≦R≦Kを満たすある整数Rに対して、1組のR回の周回が、MAT方式によって使用される。r>1であるr周目のすべての送信に関して、送信機は、過去の送信の周回からの利用可能なCSI、すなわち、1、2、...、r−1周目に行われたすべての送信に関する送信機とK人のユーザのそれぞれとの間のチャネルからの利用可能なCSIを有すると仮定される。MAT方式で示されるように、K人の単一アンテナのユーザ、K送信アンテナの端末、及び古いCSIによって実現され得る最高のDoF(次式では「Maximum DoFs」と表記)は、次式によって与えられる。
Figure 0005961263
[0038]DoFMAT(K,R)が、古いCSITを用いてK送信アンテナの送信機からK人の単一アンテナのユーザにサービスを提供するR周のMAT方式によって与えられるDoFを表すものとすると、次式が当てはまる。
Figure 0005961263
[0039]したがって、R=K周が、最高の可能なDoFを実現するためにMAT方式によって必要とされる。しかし、R>1のどんな値も、1より高いDoFをもたらし、それによって、古いCSIによるMU−MIMOのDoFの恩恵をもたらす。以下は、2周の方式から始まる2、3の代表的なMAT方式の例である。
2ユーザのMAT方式
[0040]図1は、古いCSIに基づくMU−MIMO送信のためのK=2ユーザの場合に対応するMAT方式を示す[MAT論文参照]。送信機(Tx)は、図2に示されるように、(少なくとも)K=2個の送信アンテナ201を有すると仮定される。図1を参照すると、第mのユーザに関する1周目のメッセージxは、2×1ベクトルであり、なんらかの時間t=tに送信される。任意の所与の時間tにおいて、ユーザmの(スカラの)観測値は、熱雑音と、TXによって時間tに送信された信号によって生じた信号の項z(t)とを足した値によって与えられる。1×2ベクトルh(t)は、時間tにおける2つの送信アンテナとユーザmの受信アンテナとの間のチャネル係数を表す。2周目のメッセージx1,2=h(t)x+h(t)xは、スカラであることに留意されたい。ステアリングベクトル(steering vector)vは、受信機に知られている決まった任意の2×1ベクトルである。この方式は、2つの1周目の送信スロットと1つの2周目のスロットとを使用して、3つのスロットで2つの2次元メッセージ(x及びx)を送り、その結果、DoF=2×2/(2+1)=4/3スカラシンボル/スロットとなる。つまり、この方式は、m=1,2のユーザmに、3つの送信スロット(3回のチャネルの使用)で2×1ベクトルxを送る。最初の2回の送信は、ある任意の時間t及びtに行われ、1周目の送信である。これらは、図2に示されている。特に、図2に示されるように、時間tにおいて、送信機は、その送信器の2つのアンテナ201を介して(ユーザmに関する2つのスカラ符号化された(scalar coded)シンボルに対応する)xの2つのスカラ成分を送信する。ここで重要なことは、両方の受信機(Rx1、Rx2)が、この送信からの測定値を収集しており、その測定値を将来使用するために記憶することである。つまり、受信機(Rx)1は、復号したいベクトルに関連する時間tの測定値を収集するが、(ユーザ2を対象とする)時間tの送信も傍受し、結果として得られる測定値を後で使用するために記憶する。受信機(Rx)2も、しかるべく動作する。
[0041]時間tにおけるユーザmと送信機との間のチャネルは、h(t)と表記される。(異なるものとして挙げられているが、まったく同じである可能性もある)時間t及びtにおける所与のユーザと送信機との間のチャネルは、1周目の送信の間は送信機において未知であることに留意されたい。しかし、それらのチャネルは、所与のユーザには知られており、後で送信機(及びその他の受信機)にフィードバックされる。特に、図面に明示的に示されていないが、スロットtの間、送信機は、両方のユーザがそれらのユーザのそれぞれのチャネルを推定することを可能にする(ダウンリンクの)パイロットをやはり送信する。
[0042]傍受されたチャネルは、図3に示されるように、その後のある時間にTxにフィードバックされる。図3が示すように、ユーザ1によってフィードバックされるチャネルはユーザ2も利用できるようにされる(その逆も同様)ことに留意されたい。図3は、これが1人のユーザから別のユーザに直接行われることを提案しているが、代替的な実施形態においては、CSIの転送は、送信機を通じて実現される可能性もある。CSIのフィードバックは、図1の2ユーザのMAT方式の2周目の送信を可能にする。
[0043]第3の送信(すなわち、2周目の送信)は、図4に示されるように、ある任意の、しかし後の、つまり、t>tかつt>tである時間tに行われる。その時間までに、送信機は、図1に示される信号x1,2を形成するための必要とされるチャネルを利用できるようにする。この信号は、2つの傍受された測定値の合計であり、したがって、スカラである。この信号が受信機m(m=1,2)において利用可能であるとすれば、この信号は、受信機が(ローカルに記憶された)その受信機自体の傍受された測定値を引き、他方のユーザの傍受された測定値のコピーを得ることを可能にするであろう。その測定値は、その受信機自体の信号の測定値であり、受信機がその受信機自体の2次元メッセージを復号することを可能にする。TXは、この信号x1,2を、例えば、そのTXのアンテナのうちの1つを介して送信する(その場合、ベクトルvは、単一の非ゼロの成分を有する)。そして、各受信機は、その測定値を使用して干渉、すなわち、その受信機が既に傍受した測定値を取り除き、その受信機自身の信号に関する測定値(他方のユーザによって傍受された測定値)を得る。結果として、DoF=4/3(すなわち、K=2で可能な最大のDoF)に関して、4つの異なるスカラシンボルが3つのスロットで(各ユーザに2つずつ)送られる。
Kユーザで2周のMAT方式
[0044]MAT論文に記載されたK=3で2周のMAT方式が、図5に示され、3人の単一アンテナのユーザ及び(少なくとも)3つのアンテナを有する送信機を含む。2周のMAT方式は、各ユーザに、6つのスロットで3×1ベクトルシンボルを送り、その結果、3回の1周目の送信を使用して、DoF=3×3/6=1.5スカラシンボル/スロットとなる。k周目は、ある時間tに起こり、k番目のユーザベクトルの送信を含む。すべての受信機は、1周目の送信(1回の送信は各受信機のためのものであり、一方、残りの送信は傍受される送信に対応する)を収集し、記憶する。
[0045]図5を参照すると、古いCSIに基づくMU−MIMO送信のための、K=3ユーザで2周のMAT方式[1]が、示されている。第mのユーザに関する1周目のメッセージxは、3×1ベクトルである一方、2周目のメッセージxm,nは、スカラである。1×3ベクトルh(t)は、時間tにおける2つの送信アンテナとユーザmの受信アンテナとの間のチャネル係数を表し、スカラz(t)は、TXによって時間tに送信された信号によって生じた受信機mにおける受信信号を表す。ステアリングベクトルvは、受信機に知られている決まった任意の3×1ベクトルである。この方式は、3つの1周目のスロットと3つの2周目のスロットとを用いて、6つのスロットで3つの3次元メッセージ(x、x、及びx)を送り、その結果、DoF=3×3/(3+3)=1.5スカラシンボル/スロットとなる。
[0046]そのとき、すべての1周目の送信に関連するチャネルは、フィードバックによって送信機が利用できるようにされる。図5に示されるように、1周目のすべてのCSITが送信機で利用可能になると、送信機は、3回の2周目の送信に進む。図5に示されるように、3周目の送信のそれぞれは、2人のユーザm及びnに関連し、互いのメッセージの傍受された1周目の測定値の合計である。2周目の後、各ユーザは、(その他のユーザによって傍受された)そのユーザ自身のメッセージを含む(3つのうち)2つの2周目の測定値を取得し、各測定値からそのユーザ自身の傍受されたメッセージを取り除き、次に、それらを、復号のために、1周目のそのユーザ自身のメッセージのそのユーザ自身の測定値と組み合わせる。復号は、ユーザ、例えば1において、ユーザ1がそのユーザ1の3次元メッセージの3つの独立した測定値、すなわち、(時間tにおける1周目の測定によって)そのユーザ1自身のアンテナから得られる測定値と、ユーザ2及び3のアンテナから得られるさらに2つの測定値(これらは、時間tにおいて傍受され、時間t及びtの2周目の送信によってユーザ1が利用できるようにされる)とを有するので可能である。同様の論証は、復号がユーザ2及び3においても可能であることを示す。
[0047]MAT論文の方式の、K=3で2周のMATは、任意のKの2周のMAT方式に容易に一般化され得る。K人の単一アンテナのユーザ及びKアンテナの送信機を仮定すると、そのMAT方式は、K回の1周目の送信(K個のK次元ユーザメッセージのそれぞれにつき1回の送信)及びK(K−1)/2回の2周目の送信を使用することによってK人のユーザのそれぞれに1つのK次元メッセージを送ることができる。結果として得られるDoFは、式2によって与えられるように、2K/(K+1)である。
3ユーザで3周のMAT方式
[0048]MAT論文に記載された古いCSIに基づくMU−MIMO送信のための3ユーザで3周のMAT方式が、図6に示されており、6回の1周目の送信(ユーザの信号毎に2回の送信)と、3回の2周目の送信と、2回の3周目の送信とを用いることによって3人のユーザのそれぞれに6次元メッセージを送る。ユーザのための6×1の情報メッセージを含む6つのスカラシンボルの2つの線形独立な組み合わせを送るために、2回の1周目の送信がユーザ毎に使用される。
[0049]図6を参照すると、第mのユーザのメッセージxは、6×1ベクトルである。1周目においては、xの2つの線形独立な変換結果が、2つのスロットで送信される。これらは、2つの3×6行列V(1)、V(2)によって記述される。2周目のメッセージxm,nは、2×1ベクトルであり、それぞれ、3×2行列Vによって記述される線形変換によって単一のスロットで送信される。単一の3周目のメッセージx1,2,3は、3×3行列V(1)及びV(2)によって記述される2つの線形独立な組み合わせによって2つのスロットで送信される3×1ベクトルである。行列V(1)、V(2)、V、V(1)、及びV(2)は、受信機に知られている。この方式は、6つの1周目のスロットと、3つの2周目のスロットと、2つの3周目のスロットとを用いて、6つのスロットで3つの6次元メッセージ(x、x、及びx)を送り、その結果、DoF=6×3/(6+3+2)=18/11スカラシンボル/スロットとなる。
[0050]1つのそのような例は、V(1)=[I 03×3]及びV(2)=[03×3 I]を使用することに対応し、ここで、03×3は、すべての成分がゼロである3×3行列であり、Iは、3×3単位行列である。それは、初めの3つの成分を第1の送信スロットにおいて3つの送信アンテナを介して送信し、最後の3つのシンボル成分を第2の送信スロットで送信する結果となる。任意の所与のユーザにおいて、別のユーザのベクトルシンボルの2回の1周目の送信で発生する傍受された信号のそれぞれのペアは、2次元ベクトルに入れられ、後で使用するために記憶される。
[0051]1周目のチャネルがフィードバックされ、送信機で利用できるようになると、2周目の送信が行われ得る。まず、図6に示されるように、送信機が、各受信機の2次元の傍受されたメッセージ(受信機毎に2つのそのようなベクトルメッセージ)をローカルで再生成する。3ユーザで2周の場合と同様に、それぞれのユーザのペア(m,n)について、送信機は、まず、xm,n、すなわち、ユーザmのメッセージのユーザnによる傍受とユーザnのメッセージのユーザmによる傍受との(2×1ベクトルの)合計を形成する。次に、送信機は、所定の3×2行列Vによって記述される、xm,n毎に1回の送信(合計3回)を行う。一例として、Vの最後の行はすべてゼロの行であり(送信機の第3のアンテナ要素からは信号が送信されない)、一方、Vの上2行を構成する係数は、階数(rank)2の2×2行列を構成する非ゼロの成分である。
[0052]2周目のチャネルがフィードバックされると、3周目の送信が行われ得る。そのとき、受信機1つにつき1つの傍受されたメッセージに基づいて、送信機において単一の3次元メッセージが形成される。各受信機に関して、傍受されたメッセージは、その他の2つの受信機に同時に役立つ信号の2周目の受信に対応する。
[0053]3周目において、送信機は、V(1)及びV(2)によって記述されるこれらの3次元シンボルの2つの異なる(好適に選択された)組み合わせを送信する。1つの例において、V(k)の最後の2行は、ゼロに設定される。V(k)の最も上の行をv(k)と呼ぶことにすると、v(1)及びv(2)が同一直線上になく(not co−linear)、v(1)及びv(2)のすべての成分がゼロでなければ十分である。3周目の2回の送信は、3つの受信機すべてに同時に役立ち、各受信機が不要な傍受された成分を取り除き、1周目及び2周目の測定値と一緒に、それらの受信機自体の6次元メッセージを復号することを可能にする。この方式は、DoF=18/11(K=3の場合に、古いCSIを用いて可能な最大値)をもたらす。
[0054]以下で示される実施形態は、L人の単一アンテナのユーザの組に対して動作し、KユーザのMU−MIMO MATセッションをスケジューリングするスケジューラを含む。どの場合も、送信機が、N≧KであるN個の利用可能な送信アンテナ要素を有すると仮定される。それぞれNR個の受信アンテナ(NR>1)を有するL人のユーザの組に対して動作し、KユーザのMU−MIMO MATセッションをスケジューリングするスケジューラを含む実施形態は、以下で説明される関連するKユーザのMU−MIMO MATセッションの実施形態の単純な拡張によって得られる可能性がある。これらのマルチアンテナの実施形態は、送信機がN≧NRKであるN個の利用可能な送信アンテナ要素を有することを必要とする。以下でさらに説明されるパケット中心の実施形態の同様のマルチアンテナの拡張も、構築され得る。最後に、追加の選択肢が、単純な拡張としてスケジューラに含まれる可能性がある。1つのそのような拡張は、(例えば、いくつかの相対的な電力の割り当ての選択肢を考慮することによって)ペアを形成する際にそれぞれの傍受されたメッセージに異なる送信電力を与える能力を与えられるスケジューラを用いる実施形態を含む。例えば、2つの傍受されたメッセージz及びzを含む2周目の送信において、スケジューラは、例えば、スケジューラで使用される何らかのシステムの性能の測定基準に基づいて、許されるペアのリストからスケジューラによって選択されるλ+λの形式の重み付けされた合計を送信することを選択する可能性があり、ここで、ペア(λ、λ)は正の数の組み合わせを含む。
時間的に互い違いのMAT方式のセッションを可能にすることによる、古いCSIに基づくスケジューリング及びMU−MIMOを含む実施形態
[0055]一実施形態において、ユーザ及びそれらのユーザのパケットが、MAT論文のKユーザでR周のMAT方式に関連するセッションのためにペアにされる。最初の検討は、K=2、R=2の場合のこの方式の具体例を説明することに焦点を置く。3以上のK又はRに対するこの手法の限界が、説明される。
2ユーザで2周のMAT方式のセッションのスケジューリング
[0056]本節の実施形態は、異なるユーザにつき1つずつ、2つの異なるパケットがペアにされ、図1に示されたMATセッションのような単一の2ユーザで2周のMATセッションのためにスケジューリングされるスケジューリングプロトコルを含む。特に、スケジューラは、L人のユーザの入力パケットキューに対して動作していると仮定し、x(i)が、第mのユーザを対象とする第iのパケットを表すものとする。すべての実施形態において、スケジューラは、このパケットを、いずれかのユーザn≠m(すなわち、異なるユーザ)に関する第nのユーザの第jのパケット及びインデックスjを有するパケットとペアにする。そして、送信プロトコルが、図7にしたがって各周で記述され、(2≦K≦Nである、あり得るN個のうちの)K個の送信アンテナを使用する古いCSIに基づくIA/MU−MIMO送信に関連する。2回の1周目の送信は、それぞれ、x(i)及びx(j)を別々に送信するために時間t=t(i)及びt=t(j)にあり、1回の2周目の送信は、ある時間t=tm,n(i,j)において実行され、この2周目の送信は、2周目の送信を可能にするために必要とされる1周目の傍受されたチャネルが送信機で利用可能になることを可能にするために時間的に十分に後で行われる。単一のメッセージ(又はパケット)は、概して単一のベクトルであると見なされるが、そのメッセージ(又はパケット)は、それぞれが同じチャネル及び送信メカニズムを経るパケットの集合の表現であることに留意されたい。その意味で、それぞれの送信時間は、チャネルが実質的に一定のままである時間及び周波数の送信スロットの集合に対応する。
[0057]図7を参照すると、第mのユーザに関する1周目の第iのメッセージx(i)は、K×1ベクトルであり、一方、2周目のメッセージxm,n(i,j)は、スカラである。1×Kベクトルh(t)は、時間tにおけるK個のアクティブなTXアンテナとユーザmのRXアンテナとの間のチャネル係数を表す。スカラz(t)は、時間tに送信された信号によるユーザmにおける受信信号を表す。ベクトルvは、受信機に知られている決まった任意のK×1ベクトルである。ユーザパケット毎に1つの1周目のスロットと、同じパケットを含むK−1個の2周目のスロットとを用いるスケジューリング方式は、1+(K−1)/2スロットで1つのK次元メッセージを送り、DoF=2K/(K+1)スカラシンボル/スロットをもたらす。n≧1であるK−1+n個の2周目のスロットがパケット毎に使用され、DoF=2K/(K+1+n)をもたらす可能性もあることに留意されたい。
[0058]ここで、ユーザパケットのペア及びこれらのパケットの2周の送信時間を選択することによるさまざまなスケジューラの動作を明示する見本の実施形態が、示される。簡単にするために、すべての実施形態において、1周目に傍受されたチャネルが一部のユーザに関して送信機において利用可能であるとき、それらの傍受されたチャネルは、すべてのその他のユーザからも利用可能であると仮定される、つまり、すべてのユーザは、それらのユーザのすべての傍受されたチャネルとそれらのユーザを対象とするパケットに関するチャネルとをフィードバックすると仮定される。しかし、これは必須ではない。しかし、本発明の実施形態は、ユーザパケット毎の傍受者のチャネルのサブセットのみがスケジューリングのために利用可能である場合に容易に一般化される。
[0059]まず、適切なユーザパケットのペアの形成の恩恵、すなわち、MATセッションのためにユーザmの第iのパケットをユーザnの第jのパケットとペアにすることの恩恵は、ユーザm及びnが経る1周目のチャネル、すなわち、時間t(i)及びt(j)におけるユーザm及びnのチャネルによって決まることに留意されたい。特に、我々は、以下のことに気付いた。
1.ユーザmの第iのパケットに対する2セッションのMAT方式によって提供されるユーザmに対する容量又は実質的な最大のレートは、以下のことに強く依存する。
a.チャネルのペア{時間t=t(i)におけるh(t)、h(t)}。ペアの形成がh(t(i))を決定するとき、パケットiによるユーザmに対する実質的な実現されるレートは、第nのユーザの(観測された)チャネルが第mのユーザのチャネルとユーザmに対する実現される容量の点で「どれだけうまく」ペアになるかによって決定付けられる。
b.ユーザmにおける関連する2周目のチャネル、すなわち、時間t=tm,n(i,j)におけるh(t)。
2.ユーザnの第jのパケットに対する2セッションのMAT方式によって提供されるユーザnに対する容量又は実質的な最大のレートは、以下のことに強く依存する。
a.チャネルのペア{時間t=t(j)におけるh(t)、h(t)}。ペアの形成がh(t(j))を決定するとき、パケットjによるユーザnに対する実質的な実現されるレートは、第mのユーザの(観測された)チャネルが第nのユーザのチャネルとユーザnに対する実現される容量の点で「どれだけうまく」ペアになるかによって決定付けられる。
b.ユーザnにおける関連する2周目のチャネル、すなわち、時間t=tm,n(i,j)におけるh(t)。
[0060]一実施形態において、r周目の送信は、前の周の送信のユーザのチャネルの知識のみに基づいてスケジューリングされる。2周のプロトコルの場合、これは、スケジューラが、上記1b及び2bの効果を、それらがセッションが終わった後にのみ利用可能である2周目のチャネルの知識に依存するので利用しないことを意味する。もちろん、示されるスケジューラは、2周目についてのある部分的な又は完全なCSI情報を利用するように修正される可能性もある。
[0061]スケジューリングの恩恵は、上記の1a及び2aの点で両方のユーザに同時に恩恵を与えるようにユーザをペアにするスケジューラの能力によってもたらされる。特に、スケジューラは、関連する1周目のチャネルのペアの形成が(1a及び2aの点で)両方のユーザに関して高い予測されるチャネル容量をもたらすようにして、2周目の送信のためのユーザパケットのペアの形成を可能にするためにすべての1周目のパケット送信ですべての利用可能なユーザのチャネルを使用する可能性がある。
[0062]これらのペアの形成における1つの制約要因は、ユーザmの第iのパケットをユーザnの第jのパケットとペアにすることが、両方のパケットにとって同時に都合が良くなくてはならないことである。したがって、(m,i)が与えられると、スケジューラは、ユーザmの第iのパケットを提供するセッションでユーザmに最良の予測される容量をもたらすペアの形成(n,j)を見つけることができる。しかし、これがユーザnの第jのパケットのための良いペアの形成であるという保証はなにもない。同時に高いペアの形成の性能を有するスケジューラを可能にするのは、次の知見、すなわち、ユーザmの第iのパケットに関してユーザmにとって重要なのは、第nのユーザがチャネルを傍受することだけであり、ユーザnのパケットのインデックスjではないという知見である。これがどのように利用され得るのかを見るために、次のこと、すなわち、ユーザmの第iのパケットに関して、ユーザnの傍受されたチャネルがTXで利用可能である(ユーザmの第iのパケットの1周目の送信中の)すべての傍受されたユーザのチャネルの中で最良であると仮定することを考える。スケジューラが、ユーザmの傍受されたチャネルが期せずしてユーザnの第jのパケットに関する良好な傍受されたチャネルであった1つのパケットのインデックスjを発見することができるように(例えば、2周目の送信のためにキュー内で待っている)ユーザnに関する十分な利用可能な1周目のパケット送信を有していた場合、(m,i)と(n,j)とをペアにすることが、両方のユーザに同時に高い性能をもたらし、ひいては、良好な全体的性能をもたらす。
[0063]そのようなペアの形成の恩恵を利用することを可能にするためには、スケジューラが、ペアの形成のために利用可能な、ユーザ毎に複数のパケットを有することを必要とする。特に、本明細書において示されるすべての実施形態において、TXは、ユーザ毎の追加のキュー、すなわち、2周目の入力キューを保有する。これは、まだ提供されていないユーザパケットを含むユーザのための入力キューに加えて設けられる。
[0064]ユーザmのための2周目の入力キューは、2周目の送信で提供されるのを待っているユーザmのパケット毎に1つのエントリを含む。ユーザmの第iのパケットに対応するエントリは、パケットを含む都合の良いMAT方式のセッションを設定するために使用され得るパケットの1周目の送信からの情報を含む。一実施形態において、エントリは、ユーザmに関する第iのパケットの1周目の送信中のすべてのその他のユーザ(又はそのサブセット)の傍受されたチャネルを含む。エントリは、それぞれの傍受されたチャネルの推定の品質、パケットを破棄するまでの2周目の送信に関する最大の許容される遅延などを含む、スケジューリングに関連するその他の情報を含み得る。(初めは空である)2周目バッファを満たすために、ユーザに関して十分に多い数であるN個のパケットが1周目の送信によって送信される初期化段階が、各ユーザに関して含まれる(概して、Nは、ユーザのインデックスに応じて決まる可能性もある)。その他のユーザからの送信中に、傍受されたチャネルに関するフィードバックが収集され、ユーザバッファが十分に多い数のエントリを含むと、ユーザは、スケジューリングを検討され得る。結果として、ユーザmが2周目のスケジューリングを検討されるときはいつでも、TXが、図8に示されるように800mの形態の2周目入力バッファを利用できるようにする。バッファ800は、801、802、...、80Nとして示されるN個の列を含む(ここで、Nの値は、ユーザのインデックスmに応じて決まる可能性もある)。任意の所与のスケジューリングの場面で、第k列80kは、ユーザmのあるパケットについての情報をあるインデックスiとともに含む。特に、第k列80kは、ユーザのサブセットに関する、ユーザmのパケットiが送信されたときの送信機のアンテナとユーザの受信アンテナとの間のチャネルの状態を含む。一実施形態において、サブセットは、スケジューリングで考慮されるユーザのまるまるすべてと等しい可能性がある。一実施形態において、サブセットは、要素がインデックスm及びインデックスkに依存する要求の厳しいサブセットであり、確定的な方法、又はその他のメカニズムによって選択される。
[0065]2ユーザで2周のMATセッションをスケジューリングすることは、図7の形式の送信を可能にするために、ユーザm、ユーザnのペアと、(ユーザmに関する)パケットi、(ユーザnに関する)パケットjのペアとを選択することに対応する。ペアの形成の性能は、1周目と2周目との両方の間のユーザのチャネルに依存することに留意されたい。しかし、1周目の送信は個々のパケットのみを含むので、ペアの形成は、1周目が完了し、1周目のチャネルが送信機で利用可能になった後、決定され得る(及び決定されるべきである)。結果として、MATセッションは、1周目の送信からの、送信機で利用可能なCSITに基づいて2周目の送信のためのユーザパケットのペアを選択することによってスケジューリングされ得る。
[0066]MATセッションに基づくスケジューラの全体的な動作が、図9に示されている。それぞれのスケジューリングの瞬間に、スケジューラは、ユーザの入力バッファリスト、8001、8002、...、800Lを入力として受け取り、MAT MU−MIMOセッションのために選択されたインデックスのユーザパケットのペアの組をスケジューラの出力として生成する(940)。スケジューラは、2周目の送信を待つ(図9において980として示される)メッセージの組も生成する。例えば、第mのユーザの第iのパケット及び第nのユーザの第jのパケットがMATセッションに参加するパケットとして選択されたと仮定すると、モジュール900は、(1つ又は複数の)出力(のうちの1つ)980としてメッセージxm,n(i,j)を生成する。そのようにするために、モジュール950が、初めに、(送信機のローカルで)関連する傍受されたメッセージz(t(j))及びz(t(i))を生成する。特に、時間t(j)における第mの傍受者のチャネルh(t(j))及び関連するメッセージx(j)が、ユーザnの第jのパケットについての情報を含むユーザnのバッファリスト800nの列から取得され、サブメッセージz(t(j))、すなわち、1周目のユーザnの第jのパケットの送信中に(傍受している)受信機mで得られた(雑音のない)観測値をローカルで構築する(及び960において出力する)ために950によって使用される。同様に、モジュール950は、サブメッセージz(t(i))を計算し、出力する。次に、z(t(j))及びz(t(i))が、出力980においてxm,n(i,j)を生成するためにモジュール970によって組み合わされる。
[0067]一実施形態において、2周目の送信のために割かれた任意の時期に、スケジューラは、それぞれのユーザパケットのペア{(m,i),(n,j)}に関して、各ユーザ(m及びn)に関する予想される容量の増加を考慮し、その予想される容量の増加を使用して(例えば、加重和レート計算関数に基づいて)そのスケジューラの増加する効用の恩恵を判定する。一実施形態において、予想される容量の増加は、例えば、ユーザmに関して、時間t(i)におけるユーザm及びnの1周目のチャネルが利用可能であることを利用することによって計算される。両方のチャネルが、ユーザmの2周目の入力キューに記憶されている。すべてのユーザパケットのペアに関して網羅的にこれにしたがった後、スケジューラは、最も大きな効用の増加をもたらす送信のためのユーザパケットのペアを選択する。一実施形態において、スケジューラによって考慮されるユーザの組Lは、似た信号対雑音比(SNR)の比較的近くにいるユーザに制限される。この場合、(遅延耐性トラフィックのための)MATセッションの選択のために使用される効用の測定基準は、通常、増分和レート(incremental sum−rate)、すなわち、ペアの形成が行われたと仮定したときのペアの各ユーザに関するレートの予想される増加の合計として設定される。SNRレベルが同等でないユーザが含まれるとき、効用の測定基準は、概して、ユーザレートの増分の加重和、すなわち、ユーザに依存する重み因子でそれぞれが適切に大きさを調整された各ユーザのレートの増分の合計である。これらのユーザに固有の重みは、当技術分野でよく知られている方法でスケジューリングスロット毎に変わり、何らかのシステム全体の効用の測定基準と、ユーザを含む過去のスケジューリングイベントに基づくユーザに依存するパラメータ(例えば、累積のユーザのレート)と、その他のユーザ/パケットのパラメータ(例えば、QoS、許容可能な遅延など)とによって決まる。
[0068]一実施形態において、2周目のユーザ入力キューは、一定のサイズを有する。特に、ユーザmがスケジューリングセッションに入るとき、当該ユーザに関するN=N個の2次元パケットが、1周目の送信で送信され、チャネルが、スケジューリングを検討されるユーザのすべてから(又は当該ユーザの近くのユーザのサブセットから)収集される。一実施形態において、それは、ユーザmに関する2周目の入力キューを、それぞれのエントリが所与のパケットをペアにするためのいくつかの傍受者の選択肢を含むN個のエントリで埋めることを可能にする。初期化の後、スケジューラは、1度に1つのMATセッション(すなわち、3スロットの送信)をスケジューリングする。特に、それぞれのユーザのペアm及びnに関して、スケジューラは、1周目の送信によって既に提供されたパケット(m,i)及び(n,j)に対応するすべての利用可能な{(m,i)(n,j)}の組み合わせを考慮する。各組み合わせに関して、スケジューラは、各ユーザに関するレートの追加的な増加を考慮する。一実施形態においては、2周目入力キューから、N(N)個の利用可能なパケットの中で、ユーザn(m)の関連する傍受されたチャネルがユーザm(n)に関する最大の予想される容量の増加をもたらすパケットとして、ユーザm(n)に関するパケットi=i*(j=j*)が選択される。一実施形態において、スケジューリングのためにユーザのペア(m,n)を選択するために、スケジューラは、以下を含む3スロットの送信によりもたらされる効用関数の増加する恩恵を考慮する。
1.ユーザmのi=i(n)パケット及びユーザnのj=j(m)パケットを含むある時間t(2)における2周目の送信スロット、並びに
2.それぞれが2人のユーザのそれぞれに関する新しいパケット、すなわち、ユーザmに関するパケットi’及びユーザnに関するパケットj’を含む時間t(1a)、t(1b)における2回の1周目の送信スロット。
[0069]一実施形態において、最も大きな予想される効用の増加をもたらす(m,n)のユーザの組み合わせが、スロットt(1a)、t(1b)、及びt(2)での送信のためにスケジューラによって選択される。効果的に、スケジューリングの結果は、t(i’)=t(1a)、t(j’)=t(1b)、及びtm,n(i*,j*)=t(2)を設定する。同時に、2人のサービスを提供されるユーザm及びnの2周目の入力キューが、更新される。一実施形態において、i*パケットのための1周目のチャネル情報を含んでいたユーザmの2周目の入力キューのエントリが、空にされ、今や、パケットi’の送信中の傍受されたユーザのチャネルのために予約され、このエントリは、ユーザのチャネルがフィードバックメカニズムを通じて利用可能になるとき、これらのユーザのチャネルで満たされる。
[0070]一実施形態において、スケジューラは、1周目及び2周目のサブスケジューリング機能で構成される。送信リソース(時間/周波数スロット)は、2対1の比率で1周目用と2周目用との2つのサブスケジューラの間に分けられる。2周目のスケジューラは、M≧1に対して、1度にM個の2周目のセッションをスケジューリングする。ユーザパケットのM個のペアは、上述のように、例えば、加重和レート測定基準によって捕捉される増加する効用の恩恵に基づいて2周目のユーザ入力キューを用いて選択される。1周目用のサブスケジューラは、1度にM’個の1周目のセッションにサービスを提供している可能性がある。一実施形態において、M’は2Mに設定され、1周目のサブスケジューラは、2周目のサブスケジューラと同期しており、ユーザmに関して、同じサイクルで2周目のサブスケジューラによってサービスを提供されたのと同じ数の1周目のパケットにサービスを提供する。一実施形態においては、M’個のスロットが、1周目のパケットをユーザに送信するためにユーザの間でラウンドロビン式に使用される。一実施形態においては、ラウンドロビン方式でユーザ毎に送信されるパケット数が、ユーザのインデックスに応じて決まる。SNRレベルが似ているユーザ(又は概してリソースで同じ活動部分(activity fraction)を与えられるユーザ)を含む一実施形態において、M’は、スケジューリングによってサービスを提供されるユーザの数Lの倍数であり、M’/L個のパケットが、ユーザ毎に送信される。当業者は、これらの実施形態の多くの明らかな変更を構想することができる。
KユーザでR周のMAT方式のセッションのスケジューリング
[0071]K又はRが3以上であるMATセッションを含む実施形態も、K=2、R=2の方式を拡張することによって実現可能である。しかし、上で説明されたように、そのような場合にスケジューリングで期待され得る性能の恩恵は、通常、限られる。例えば、図5のK=3ユーザでR=2周のMAT方式を考える。ユーザkに関するパケットが、(3つの)チャネルの都合の良い組み合わせを通じて3人のユーザの3つのアンテナによって見られるように、効果的に、図9に示されたスケジューラが、(図8に示された形態の利用可能な2周目のユーザ入力バッファに基づいて)そのスケジューラの出力940において、異なるユーザにつき1パケットずつ3つの異なるパケットを選択する。1つの重要な点は、これが、セッションに関与する3つのユーザパケットのすべてに関して同時に起こらなければならないことである。K=2の場合と同じ類いのスケジューリングの恩恵を得るためには、遙かに多くのユーザ/パケットの組み合わせがバッファリングされる必要があることを理解するのは容易である。実際、必要とされるバッファリングされるパケットのサイズは、Kとともに極めて急速に大きくなる必要がある。(図9に示された形式の)MATセッションスケジューリングのスケジューリングの恩恵は、複数の送信の周回によってよりいっそう制限される。例えば、図9のスケジューラによって、図6に示された形式の3ユーザで3周のMATセッションをスケジューリングすることを考える。これらのセッションにおいては、3人のユーザのそれぞれに関するパケット(例えば、6次元の符号化されたシンボルのシーケンス)が、セッションのためにペアにされる必要がある。ペアの形成の決定は、2周目の送信がスケジューリングされる必要があるまで遅らされる可能性がある。その時点で、図9に示された形態のスケジューラモジュール900は、3ユーザのセッションを決定し、送信のための2周目のメッセージを生成する。2周目のパケットが送信され、必要とされる3周目のメッセージ(例えば、図6参照)を形成することを可能にするために必要とされるCSITが収集されると、3周目の送信が実行される。2周目の送信の恩恵の点で、この方式は、3ユーザで2周の方式と同じ性能の限界に直面する。しかし、3周目の送信によるスケジューリングの恩恵がまったく期待できない(ユーザパケットのペアが2周目の送信の前に既に設定されており、したがって、2周目のチャネルの知識が3周目のペアの形成の恩恵のために利用できない)ので、スケジューリングによる恩恵は、これらの3周目の送信があることによってさらに薄められる。
古いCSIに基づくパケット中心のIA及びユーザのペアの形成を可能にすることによるスケジューリング及びMU−MIMOを含む実施形態
[0072]一部の実施形態において、柔軟なスケジューリングを可能にし、スケジューラの複雑さとリソースとの両方に関して遙かに小さなオーバーヘッドで性能の恩恵をもたらすことができるIAに基づくMU−MIMOを含む無線通信が、古いCSIに基づいて行われる。これらの実施形態は、古いCSIを用いたMU−MIMOのパケット中心の手法を利用する。結果として得られる方式は、概して、(K=2及びR=2周の場合を除いて)MATセッションをスケジューリングしない。しかし、この方式は、MAT方式と同じ原理を使用する。この方式は、関連するMAT方式と同じDoFの恩恵をもたらすが、関連するMAT方式よりも高いスケジューリングの柔軟性を提供する。
古いCSIに基づくKユーザで2周のパケット中心のMU−MIMOセッションのスケジューリング
[0073]古いCSIに基づくこのパケット中心のMU−MIMO方式が、3ユーザで2周の方式に注目することによって説明され得る。この場合のMAT方式(図5参照)は、3つのユーザパケット(3人の異なるユーザ、ユーザ毎に1つの3次元シンボル)をペアにすることに留意されたい。それは、3回の1周目の送信と、3回の3周目の送信を含む。これは、各ユーザが、実質的に、それぞれの意図されるシンボルの3つの様相(look)を有することを可能にする。例えば、図5のユーザ1を考える。ユーザ1は、以下の、ユーザ1の意図されるパケットの3つの観測値を有する。
1.ユーザ1自身のチャネルを通じた観測値。これは、時間t=tにおける観測値に基づく。
2.ユーザ2の傍受されたチャネルを通じた観測値。これは、時間t=t及びt=tにおける観測値に基づき、特に、時間t=tにおける測定値は、ユーザ2のパケットのユーザ1自身の傍受と、ユーザ1自身のパケットの(所望の)ユーザ2の傍受との一次結合をユーザ1に与える。そのとき、ユーザ1は、時間t=tにおける測定値を使用して、t=tにおけるユーザ1の測定値のユーザ2のパケットのユーザ1自身の傍受を打ち消し、ユーザ1のパケットに関するユーザ2の傍受された観測値を得る。
3.ユーザ3の傍受されたチャネルを通じた観測値。これは、時間t=t及びt=tにおける観測値に基づき、特に、時間t=tにおける測定値は、ユーザ3のパケットのユーザ1自身の傍受と、ユーザ1自身のパケットの(所望の)ユーザ3の傍受との一次結合をユーザ1に与える。そのとき、ユーザ1は、時間t=tにおける測定値を使用して、t=tにおけるユーザ1の測定値のユーザ3のパケットのユーザ1自身の傍受を打ち消し、ユーザ1のパケットに関するユーザ3の傍受された観測値を得る。
[0074]時間tにおける測定値は、ユーザ2において得られたユーザ1に関するパケットの測定値をユーザ1に伝えることを容易に可能にする。この測定値は、同時に、ユーザ2に役立つ。特に、時間tにおける測定値は、ユーザ2に、ユーザ1において得られたユーザ2自身のパケットの測定値を伝えることも可能にする。同様に、時間tにおける測定値は、ユーザ3(1)において得られたユーザ1(3)のパケットの測定値をユーザ1(3)に伝えることを可能にする。
[0075]まとめると、各ユーザパケットは、1周目の送信で1回(そのままで)送信され、2周目の送信で2回、各回、(所望の)別の受信機における傍受された測定値と、(ローカルで打ち消され得る)その別の受信機を対象とする、ユーザ1における傍受された測定値との合計の形式で送信される。
[0076]パケット中心の3ユーザで2周の方式を動機付けるために、m=1であるユーザmに関する任意だが固定のパケットiを考える。ユーザ1は、以下の条件が揃っている限り、パケットの3つの独立した様相を得る。
1.ユーザのパケットが、1周目の送信によって1回送信される。
2.ユーザのパケットが、2周目の送信によって2回送信される。
3.k=1,2に対して第kの2周目の送信が、別のユーザnによるパケットの傍受と、ユーザnを対象とするあるパケットのユーザ1の傍受とを含む。
4.ユーザnとnとが、異なる。
[0077]ユーザ1の観点から見て重要なのは、単に、時間tm(i)中に、すなわち、パケットiが送信されたときのユーザ1自身の意図されたチャネルに関連する傍受されたチャネルの品質である。本明細書において説明されるパケット中心の実施形態は、次の事実、すなわち、重要なのは、このパケットをペアにするためのユーザn及びnを選択することであり、パケットがペアにされるユーザn及びnのパケットを選択することではないことを利用する。したがって、パケット中心の実施形態においては、パケットiの1周目の送信の際の傍受されたチャネルに関するフィードバック情報に基づいて、スケジューラが、ペアを形成するためのユーザn及びnを選択する。スケジューラは、各ユーザの1周目のパケットに関してこのプロセスにしたがい、各パケットがペアにされるユーザを決定する。L人のユーザを考える場合、合計でL(L−1)/2個の可能な異なるユーザのペアが存在することに留意されたい。
[0078]一実施形態において、スケジューラは、2周目の送信のためのL(L−1)/2個のペア形成キューを使用する。これらのキューのそれぞれは、2人のユーザの間のペアにされた送信を容易にする。キュー(m,n)が、m<nであるユーザm及びnのための2周目のペア形成キューを表すものとする((m,n)のキュー及び(n,m)のキューのうちの一方だけが必要とされるので、m<nであるキューだけが使用される)。そのようなキューが、図11に図式的に示されている。図11を参照すると、2周目のペア形成キューは、(ユーザnのチャネルを通じて傍受された)ユーザmを対象とするパケットから入力を得る1つのサブキューと、(ユーザmのチャネルを通じて傍受された)ユーザnを対象とするパケットから入力を得る第2のサブキューとの2つのサブキューからなる。したがって、ペア形成キューは、ユーザ毎に1つずつ、2つのサブキュー(1110m,n及び1120m,n)からなる。図11の最も上の(最も下の)サブキューは、ユーザm(n)を対象とする1周目のメッセージの、ユーザn(m)における傍受されたメッセージを入力に取る。(ユーザ1に関して示された)図10に図示された方法で、ユーザm及びnを対象とするパケットに関する傍受されたサブメッセージをそれぞれスケジューリングするスケジューリングモジュール1000及び1000によって入力メッセージが選択される。選択を実行するために、モジュール1000(1000)は、これらのユーザm(ユーザn)のパケットの1周目の送信時の送信機とユーザn及びm(並びに好ましくはその他のユーザ)との間のチャネルに関するCSIを使用する。サブキュー1110m,nと1120m,nとの両方が待っている要素を有するとき、結合器モジュール1130m,nは、各キューから1度に1つエントリを取得し、それらのエントリを組み合わせて、2周目の送信のためのメッセージを形成する。したがって、一実施形態においては、キューの結合器モジュールが、2つのサブキューのそれぞれから1つずつ、2つのパケットを取得し、それらのパケットを組み合わせ、それによって、その過程で、2周目の送信のためのペアにされたパケットを生成する。結果として得られた2周目のペアにされたパケットは、(m,n)のペアにされたキュー(paired queue)の出力キュー(モジュール1140m,n)に置かれ、送信できる状態になる。
[0079]一実施形態においては、ユーザmに関する第iのパケットのためのスケジューラが、(ユーザmの第iのパケットの送信中の)傍受されたチャネルがユーザmにおいてパケットiの(予想される容量の点で)最も良い3つの独立した様相もたらすユーザn及びnを決定する。そして、ユーザmが、k=1,2に対して、第iのパケットを、ユーザnの関連する傍受されたチャネルとともに(m,n)のキューに入れる。一実施形態においては、n及びnを選択するために追加の基準が使用される。そのような基準は、ペアを形成するための異なるユーザの選択の頻度を偏らせる可能性があり、所与の効用の最適化、ユーザのQoS、又はレートの要件のために、一部のユーザが、それらのユーザのサービスの活動部分がより大きい可能性があるのでその他のユーザよりも多くのペアを構築するために必要とされる可能性があるという事実を考慮する可能性がある。
[0080]ユーザ1のパケットに対する2周目のスケジューラの全体的な動作が、図10に示されており、スケジューリングモジュール1000によって実行される(ユーザ毎に1つずつ、L個のそのようなモジュール1000、1000、...、1000が存在する)。モジュール1000は、ユーザ1を対象とするパケットに関する傍受者をスケジューリングし、あるq>1に対して図11に示された11001,qの形態のモジュールへの入力である関連する傍受されたメッセージを再構築し、出力する。より詳細には、インデックスがiのユーザ1の単一のパケットに対応する8001の列を入力として与えられる(これは、ユーザ1のパケットiが既に1周目の送信を経ており、チャネルフィードバックが送信機において8001の列のうちの1つに集められたと仮定している)と、スケジューラモジュール1010が、ペアの形成のために傍受されたチャネルの(サイズ「d」の)サブセットを選択する。サイズdは、(このK=3ユーザの場合の最大のDoFを可能にするために)2に等しいか、又は(DoFを犠牲にしてダイバーシティを与えるために)3以上である可能性がある。dの値は、ユーザ及びパケットのインデックスによって変わり得る。次に、モジュール1050が、(図9のモジュール950と同様の方法で)ユーザ1の第iのパケットのd個の傍受されたメッセージをそのモジュールの出力として生成する。図10のモジュール1050の出力10601,n(k)は、ユーザ1の第iのパケットの1周目の送信中に傍受者n(k)が得た観測値を表す。その出力は、図11に示された2周目のペア形成キュー(1,n(k))への入力である。
[0081]図11は、m<nであるユーザm及びnのための2周目のペア形成キューの実施形態を示す。ユーザのペア毎に1つずつ、L(L−1)/2個のそのようなキューが存在する。図11のキューは、1)モジュール1110m,n(バッファリング動作)への入力であるユーザmを対象とする1周目のメッセージの受信機nにおける傍受されたメッセージに対応する、モジュール1000によって生成された出力1060m,n、2)モジュール1120m,n(バッファリング動作)への入力であるユーザnを対象とする1周目のメッセージの受信機mにおける傍受されたメッセージに対応する、モジュール1000によって生成された出力1060n,mを入力に取る。バッファリングされる項目のそれぞれは、バッファの最後に置かれる可能性があり(先入れ先出し動作)、又はその他の基準が、項目をバッファの先頭に近づくように移動させるために使用される可能性がある。モジュール1130m,nは、2つのサブキューのそれぞれから(最大で)1つずつのサブメッセージを組み合わせて、ペアにされたメッセージの出力キュー1140m,nに結果を出力し、組み合わされたメッセージ(のうちの一方若しくは好ましくは両方)を破棄する(又は両方とも破棄しない)。1つのサブキューだけが要素を有するとき、一実施形態において、モジュール1130m,nは、いかなる組み合わせも実行しないことに留意されたい。別の実施形態においては、例えば、遅延耐性(delay−tolerance)の制約などのその他のユーザパケットの情報が、モジュールに与えられ、これらの情報が、組み合わせを遅らせるか否か、又はメッセージを「ヌル」サブメッセージと組み合わせる(つまり、単にサブメッセージを出力キューに中継する)か否かを決定するために使用される。ペアにされたメッセージは、2周目の送信の機会を待つモジュール1140m,n内のキューに保持される。任意のスケジューリングサイクルで、スケジューラは、遅延又はQoSインジケータなどを含むさまざまな基準に基づいて(L(L−1)/2)個のペア形成キューのうちの1つの出力キューからのペアにされたパケットの1つを送信することを選択することができる。
[0082]2周目のペア形成キューにペアにされたパケットが存在しない場合、一実施形態において、スケジューラは、1周目の送信に移る。一実施形態において、スケジューラは、ペアにされたキューのうちの1つ、例えば、ペアにされたキュー(m,n)内のあるユーザmのパケットiをゼロパケットとペアにし、それによって、ユーザmに関する第iのパケットとユーザnに関する「ヌル」パケットとのペアにされたパケットを構築することを開始し、そのペアにされたパケットを送信する。各ユーザがその他のユーザのサブセットとのペアの形成のみを検討される、(L(L−1)/2)個のペア形成キューのサブセットのみを含み得るこれらの実施形態の多くの変更と、ユーザの間で同等でない活動部分(及びQoS)を生じるように1周目及び2周目の送信を偏らせる方式を含み得るこれらの実施形態の多くの変更とが存在する。パケットを傍受者とペアにし、ペアを形成するためにそれを関連するキューに記憶するという抽象的概念は、スケジューリングの極めて高い柔軟性をもたらす。
[0083]遅延耐性のより低い実装を有する一実施形態においては、ペアの形成のために3人以上の傍受者が選択される。例えば、4人の傍受者が選択される可能性があり、したがって、パケットが4つのキューに入れられる可能性がある。一実施形態においては、第1のパケットがペアにされ、提供されると、残りのパケットのうちの1つ若しくは2つが、残りの2周目のペアにされたキューから消去される可能性があり、又は残りのパケットのいずれも、残りの2周目のペアにされたキューから消去されない可能性がある。第2の傍受されたバージョンがペアにされると、残りのバージョンは消去される可能性がある。
[0084]古いCSIに基づく3ユーザで2周のパケット中心のMU−MIMO/スケジューリング方式は、K>3(及びR=2周)の場合に容易に拡張され得る。この場合、ユーザmの第iのパケットは、例えば、ユーザmにおいて第iのパケットの最も良いK個の独立した様相をもたらすK−1人の傍受者n1、n2、...、nK−1とペアにされるK次元のシンボル(シーケンス)である(それによって、第iのパケットは、K−1個のペアにされたキュー:k=1,2,...,K−1に対して(m,n)への入力をもたらす)。1回の1周目の送信及び関連するK−1回のペアにされた2周目の送信の後、K次元のシンボルが、1+(K−1)/2個のスロット(K−1を2で割ることは、これらのスロットが1度に2人のユーザのために同時に使用されることを表す)でユーザmに送られ、DoF=2K/(K+1)、すなわち、Kユーザで2周のMAT方式と同じDoFをもたらす。しかし、このパケット中心の方式は、互いの傍受されたチャネルがK人すべてのユーザにとって同時に都合が良いようにK人のユーザをスケジューリングすることを各セッションに要求するMATセッションの制約を受けないので、スケジューリングの点でより柔軟である。このパケット中心の方式は、図10の包括的なパケットスケジューリング動作によってやはり説明される。
[0085]MATセッション方式に対するパケット中心の方式の柔軟性が、K=3ユーザ及びR=2周の場合のMATセッションに基づくスケジューラ及びパケット中心に基づくスケジューラからの見本のスケジューラ出力を示すことによって図12に示されている。両方の例において、ユーザ1の第6のパケットが、ユーザ2の第13のパケット及びユーザ3の第27のパケットとペアにされている。図12を参照すると、MATセッションのスケジューリング方式(上の表)においては、このパケットは、スケジューラによって、3ユーザで2周のMAT方式に関して、ユーザ2のパケット13及びユーザ3のパケット27とペアにされる。「ユーザmに関するパケットj」という見出しの列は、メッセージx(j)(を含むあるメッセージの組み合わせ)を運ぶ送信されたすべてのメッセージを示す。ユーザ1のパケット6についての情報を運ぶ2周目のメッセージは、ユーザ2の第13のパケット及びユーザ3の第27のパケットに関する情報を含むパケットの記載を含む表のすべてのその他の(2周目の)エントリを完全に決定することに留意されたい。下の表は、ユーザ1のパケット6がユーザ2の13及びユーザ3のパケット27とペアにされた、関連するパケット中心のスケジューラの典型的な出力を示す。MATに基づく手法とは異なり、ユーザ2のパケット13及びユーザ3に関するパケット27は、パケット中心の方式においてはペアにする必要がないことに留意されたい。結果として、パケット中心のスケジューラは、これらのパケットに関してその他の2周目のペアを選ぶ可能性がある(例えば、ユーザ2のパケット13は、インデックスが例えば4である他のあるユーザのパケット9とペアにされている)。
[0086]図13は、そのようなパケット中心の2周のスケジューリングによってもたらされるスケジューリングの恩恵を、SNRによって決まる予想される総計のユーザのレートの形式で示す。特に、スケジューリングに関連する図中の曲線によって与えられる決まったSNR値におけるレートは、それぞれが与えられたSNR値を有するL=20人のユーザを仮定してスケジューラによってもたらされる総計のレートに対応する。つまり、スケジューラに基づく曲線(破線)では、パケット中心のスケジューラが、全員が同じSNRを有するL=20人のユーザの間で送信をスケジューリングする。
古いCSIに基づくKユーザでR周のパケット中心のMU−MIMOセッションのスケジューリング
[0087]R=2周であるKユーザのパケット中心の方式は、R>2周の方式を含むように容易に拡張され得る。本明細書において説明されるのは、K=3、R=3の場合の実施形態である。より多いK及びRへの拡張は、(説明するには若干長々しいが)単純である。まず、(ユーザパケット毎に2回ずつ)6回の1周目の送信、3回の2周目の送信、及び2回の3周目の送信を含むプロトコルによって3人のユーザに6次元のシンボルを送信するMAT論文の図6のK=3、R=3のMAT方式を思い出されたい。パケット中心の見方からすると、それぞれのユーザの6次元パケットは、以下に含まれる。
1.2回の1周目の送信
2.2回の2周目の送信
3.2回の3周目の送信
この方式は、結局、DoF=18/11(つまり、3ユーザで3周のMAT方式と同じ)で、(2+2/2+2/3)個のスロットでユーザに6個のスカラシンボルを送ることになる。1周目及び2周目の送信は、上述のように進行する。3周目の説明は、いくつかの違いを除けば2周目の説明と同じ道筋をたどる。第1に、ユーザmの第iのパケット、すなわち、x(i)の役割が、ユーザmの第iのパケット及びユーザnの第jのパケットを含む(m,n)の2周目のペアにされたキューの出力からのペアにされたパケットに対応する「2次の(degree−two)」メッセージxm,n(i,j)によって担われる。3周目のペア形成キューは、ユーザの3つ組み(m,n,q)に関するパケットの3つ組みを形成し、出力する。それらのパケットの3つ組みは、図14に示されるように、3つの「2次の」メッセージ(つまり、同時に2人のユーザに役立つメッセージ)xm,n(i,j)、xm,q(i’,l)、及びxn,q(j’,l’)に基づいて3人ユーザ(m,n,q)すべてに同時に役立つ送信を可能にする。図14を参照して、(3≦K≦Nである、あり得るN個のうちの)K個の送信アンテナを使用する古いCSIに基づく3周のIA/MU−MIMO送信によるスケジューリングが示される。第mのユーザに関する1周目の第iのメッセージx(i)は、K(K−1)×1ベクトルであり、一方、2周目のメッセージxm,nは、(K−1)×1ベクトルである。1×Kベクトルh(t)は、時間tにおけるK個の(アクティブ)送信アンテナとユーザmの受信アンテナとの間のチャネル係数を表す。パケット中心のスケジューリング方式は、ユーザパケット毎に、K−1個の1周目のスロットと、K−1個の2周目のスロットと、(K−1)(K−2)個の3周目のスロットとを使用する。したがって、パケット中心のスケジューリング方式は、1+(K−1)/2+(K−1)(K−2)/3個のスロットで1つの(K−1)K次元メッセージを送り、DoF=6K(2K+5)スカラシンボル/スロット、すなわち、MAT論文の元のMAT方式の3周でKユーザの拡張と同じDoFをもたらす。
[0088] 図15は、古いCSI(2周目からのCSIT)に基づくパケット中心のPHY MU−MIMOによる3周目のスケジューラの動作を示す。図15を参照すると、モジュール15001,2が、ユーザ1及び2に同時に役立つメッセージ、すなわち、m=1及びn=2である、図11に示された(m,n)のペア形成キューモジュール1100m,nの出力であるxm,n(i,j)の形式のメッセージに関する傍受者をスケジューリングする。スケジューラは、パケットをスケジューリングすることを検討される傍受者の間のCSITが(図8の1周目のメッセージに関して示されたバッファリストの単純な拡張であるバッファリストで)利用可能であることを必要とする。そのとき、モジュール15101,2が、図10のモジュール1010がメッセージx1(i)に関する傍受者を選択する方法と同様の方法でメッセージx1,2(i,j)に関する傍受者を選択する。モジュール15501,2は、図10のモジュール1050がx(i)を含む関連する傍受されたサブメッセージを生成し、出力するのと同様の方法で、x1,2(i,j)を含む関連する傍受されたサブメッセージを生成し、出力する。
[0089]3周目の送信を可能にするために、モジュール1500m,nの出力は、ユーザの3つ組みに関連する3周目のペア形成キューに振り向けられる。図16は、m<n<qであるユーザm、n、及びqに関する3周目のペア形成キューの見本の事例を示す。図16を参照すると、ペア形成キューは、傍受する側のユーザ毎に1つずつ、3つのサブキューからなる。図16の上/中/下のサブキューは、(m,n)/(n,q)/(m,q)の2周目のペア形成キューからの2周目のメッセージの、ユーザq/m/nにおける傍受されたメッセージを入力に取る。入力されたメッセージは、関連する2周目のパケットの1周目の送信時のユーザn及びm及びq(及び場合によってはその他のユーザ)のチャネルに関するCSIを用いて、1組の傍受する側のスケジューラ1500m,n、1500m,q、及び1500n,qによって選択される。3つすべてのサブキュー(1610m,n,q、1620m,n,q、1630m,n,q)が待っている要素を有するとき、結合器モジュール1640m,n,qは、各キューから1度に1つエントリを取得し、それらのエントリを組み合わせて、3周目の送信のためのメッセージを形成する。そして、これらのメッセージは、出力キュー(モジュール1650m,n,q)に入れられ、送信のためにスケジューリングされるのを待つ。
[0090]モジュール1650m,n,qは、図16に示されるように、傍受者mのために1つ、傍受者nのために1つ、及び傍受者qのために1つ、それぞれが1つの入力を有する3つのサブキューを有する。これらのキューへの入力を生成する包括的な3周目のパケット中心のスケジューラの動作が、ユーザ1のパケット及びユーザ2のパケットを含む包括的なメッセージに関して図15に示されている。上述のように、ユーザ1及び2に同時に役立つ2周目のメッセージの傍受されたサブメッセージをスケジューリングする図15に示されたモジュール15001,2の動作は、ユーザ1に役立つ1周目のメッセージの傍受されたサブメッセージをスケジューリングする図10に示されたモジュール1000の動作と同じ方針にしたがう。任意の所与の時間に、モジュール15001,2は、ユーザ1及び2に同時に役立つメッセージに関するバッファ入力リストに対して動作し、1及び2とは異なるある傍受者sに関して、15601,2,sの形式の3周目のサブメッセージを生成する。概して、(あるp<rである)モジュール1500p,rは、(p<rである)ユーザpとユーザrとの両方に役立つ2周目のメッセージのあるユーザsの傍受された観測値に対応する、(p及びrとは異なる)あるsに対するサブメッセージ出力1560p,r,sを生成する。そして、出力1560p,r,sは、図16に示された、あるm、n、qに対するモジュール1600m、n、qのサブキューのうちの1つへの出力になる。特に、以下の場合は区別される。
1.s>rであり、1560p,r,sが、図16のモジュールの一番上のサブキューへの入力1560m、n、qであり、m=p、n=r、及びq=sである。
2.s<pであり、1560p,r,sが、図16のモジュールの真ん中のサブキューへの入力1560n、q、mであり、m=s、n=p、及びq=rである。
3.p<s<rであり、1560p,r,sが、図16のモジュールの一番下のサブキューへの入力1560m、q、nであり、m=p、n=s、及びq=rである。
[0091]結合器1640m、n、qは、その結合器1640m、n、qの3つの入力キューのそれぞれから最大で1つずつのサブメッセージを取得し、それらのサブメッセージを組み合わせて、3人のユーザm、n、及びqのすべてに同時に役立つ(3周目の送信のための)3周目のメッセージを生成する。これは、結合器1130m、nが、その結合器1130m、nの2つの入力キューのそれぞれから最大で1つずつのサブメッセージを取得して、ユーザmとユーザnとの両方に同時に役立つ2周目のメッセージを生成することの基礎となる方法と同様の方法で行われる。一実施形態において、結合器1640m、n、qは、その結合器1640m、n、qの3つの入力キューのそれぞれから丁度1つずつのサブメッセージを取得して、3周目のメッセージを生成する。
[0092]モジュールの出力キュー1650m、n、qで送信を待っている3周目のメッセージは、xm,n,q(i,i’,j,j’,l,l’)の形式のメッセージを含む、つまり、ユーザmにおいてパケットi及びi’を復号し、ユーザnにおいてパケットj及びj’を復号し、ユーザqにおいてパケットl及びl’を復号するための情報を含むことに留意されたい。3周のMATセッションに基づく方式とは異なり、このパケット中心のMU−MIMO方式は、以下を必要としない。
・i及びi’が同じであること、
・j及びj’が同じであること、並びに
・l及びl’が同じであること。
[0093]これは、K=3ユーザ及びR=3周の場合のMATセッションに基づくスケジューラ及びパケット中心に基づくスケジューラからの見本のスケジューラ出力を示す図17にはっきりと示されている。図17を参照すると、K=3及びR=3の場合のMATセッションのスケジューリングとパケット中心のスケジューリングとの間の定性的比較が、ユーザ1の所与のパケット、この場合はパケット6に関わる例に基づいている。MATセッションのスケジューリング方式(上の表)においては、このパケットは、スケジューラによって、3人のユーザで3周のMAT方式に関して、ユーザ2のパケット13及びユーザ3のパケット27とペアにされる。下の表は、ユーザ1のパケット6が2周目にユーザ2の13及びユーザ3のパケット27とやはりペアにされた、関連するパケット中心のスケジューラの出力の典型的な例を示す。MATに基づく手法とは異なり、ユーザ1のパケット6は、3周目の2送信のサイクルの2つのグループで考慮されることに留意されたい。これらの2周の送信のそれぞれにおいて、ユーザ1は、x(6)を復号するための有用な式と、ユーザ1に役立つあるその他のシンボル(それぞれx(10)及びx(3))を復号するためのもう1つの式とを得る。したがって、2つの見本のスケジューリングの出力の比較は、パケット中心の方式によってスケジューラにもたらされる柔軟性をたちまち明らかにし、MATセッションに基づく方式とは際だって対照的である。
[0094]一実施形態において、3周目の送信のための3者間の2次のメッセージのペア形成は、2周目の傍受されたチャネルに基づいて決定され得る(これは、MATに基づく方式では不可能である)。つまり、任意のxp,r(i,j)メッセージに関して、ペアの形成の際の残りのインデックス「s」は、モジュール1510p,rによって、例えば、すべての傍受者のうち(予想される容量の点で)最も高い傍受されたチャネルの品質を有するインデックスとして選択される。そして、対応する測定値z(tp,r(i,j))が、(m,n,q)のペア形成キューの対応するサブキューに置かれ、ここで、(m,n,q)は、インデックスが昇順になるように並べ替えられた3つ組み(p,r,s)である。1600m,n,qの形態のモジュールの3つすべてのサブキュー1610m,n,q、1620m,n,q、1630m,n,qが測定値を持つと、3周目のメッセージが、モジュール1640m,n,qによって形成される。次に、3周目のメッセージが、キューに(モジュール1650m,n,qに)入れられ、3周目の送信を待つ(図16参照)。
[0095]3周でK>3ユーザに関する実施形態は、K=3ユーザの実施形態の単純な拡張であり、図14に示されている。それらの実施形態は、K個の送信アンテナを使用し、それぞれがユーザmに関するK(K−1)個のスカラ(符号化)シンボルからなるK(K−1)×1ベクトルであるメッセージx(i)を形成することを含む。このベクトルは、それぞれがK次元の、k=1,2,...,K−1に対するK−1個のベクトルx(i,k)を連結したものと見なされ得る。図14の1周目の一実施形態において、x(i)を送信するために使用されるK−1回の送信は、要するに、k回目の送信でx(i,k)を送信するということになる。一実施形態において、メッセージに関するすべての1周目の送信は、同じチャネルで完遂される、つまり、(チャネルが一定である時間−周波数スロットのブロックを表す)t(i,k)は、すべてのk(並びに決まったユーザのインデックスm及びユーザパケットi)に対して同じである。一実施形態において、x(i)の傍受された測定値に基づく2次のメッセージを含むK−1回の2周目の送信は、異なるチャネルで行われる、つまり、(K−1個の異なるペアのうちの任意の2つに関する送信ブロックを表す)tm,n(i,j)≠tm,n’(i,j’)である。
(実施形態の例)
[0096]図18は、L個の単一アンテナのユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで使用するための装置を示す。図18を参照すると、装置は、トランシーバ1802に結合された複数のアンテナ1801を備える。トランシーバ1802は、古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用してMATセッションを形成するための、アンテナ1801に結合された送信機1814を有する。
[0097]トランシーバ1802は、第1のユーザ端末に宛てた第1のパケット及び第2のユーザ端末に宛てた第2のパケットを記憶するためのメモリ1810と、L個のユーザ端末の一部又はすべてへの送信からのユーザのチャネルの知識及び効用関数に基づいて、古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用して2周目の送信のためのユーザパケットのペアをスケジューリングして1つのMATセッションを形成するための、メモリ1810に結合されたスケジューラ1811とをさらに含む。ユーザパケットのペアは、第1のパケット及び第2のパケットを含む。トランシーバ1802は、複数の1周目の送信のうちの2回の送信からの傍受された観測値を組み合わせるための、スケジューラ1811に結合された処理論理1813も含み、傍受された観測値は、第1の及び第2のユーザ端末からの1周目の傍受されたチャネルのフィードバックを示す情報を含む。送信機1814は、ユーザパケットのペアの組み合わされた観測値を2周目の送信の一部として送信する。
[0098]一実施形態において、メモリ1810は、送信するためのパケットと、前の送信から得られた観測値とを記憶するための上述のバッファ及びメモリを含むことに留意されたい。メモリ1810は、トランシーバ1802の外部にある可能性がある。
[0099]一実施形態において、スケジューラ1811は、第1のユーザ端末に宛てた第3のパケット及び第2のユーザ端末に宛てた第4のパケットに関する2回の新たな1周目の送信が付随する、第1のパケットと第2のパケットとの間の2周目の送信をスケジューリングする。
[00100]一実施形態において、効用関数は、予測される合計のレート(predicted sum rate)に基づく。
[00101]図19は、古いチャネル状態情報(CSI)を使用して、多周回のマルチユーザMIMOセッションの一部として、L個のユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで情報を送信するための装置を示し、セッションは、異なるスロットで異なるチャネルを使用する複数回の1周目の送信と、少なくとも1回の2周目の送信とを有する。図19を参照すると、装置は、r次のメッセージが送信されることになるr周目の送信スロットをスケジューリングするためのスケジューラ1901を備え、r次のメッセージは、r人のユーザに同時に役立つように、r人のユーザの組を対象とするr個の傍受された(r−1)周目のメッセージの一次結合であり、r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれは、r人のユーザの組の中の異なるユーザによって傍受され、残りのr−1人のユーザを対象とするメッセージを構成する。スケジューラ1901は、r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれを、効用関数に基づいて、前記(r−1)周目のメッセージのそれぞれの最良の傍受された観測値のうちの1つであるように独立に選択する。
[00102]一実施形態において、スケジューラ1901は、最も大きな効用をもたらすことに基づいて、メッセージの組から1つの傍受者のメッセージを選択する。一実施形態において、効用関数は、メッセージの組から選択された1つのメッセージに関連するユーザ端末のグループに関する予想される容量の増加に基づく。一実施形態において、効用の増加は、増分和レート、又はユーザレートの増分の加重和に関連する効用の測定基準に基づく。
[00103]一実施形態において、スケジューラ1901は、r−1個のユーザ端末の組を対象とするパケットの(r−1)周目の送信に関する傍受者をスケジューリングする際に、(r−1)個のユーザ端末の組の一部ではない少なくとも2つのユーザ端末を傍受者としてまとめて選択し、それぞれの選択された傍受者の観測値が、r人のユーザの組を対象とするr次のメッセージを形成する際に、その他の選択された傍受者の観測値とは独立に使用され、その組が、(r−1)人のユーザの元の組と傍受者との和集合を含む。一実施形態において、スケジューラ1901は、それぞれの傍受されたチャネルの推定の品質と、パケットを破棄するまでのr周目の送信に関する最大の許容される遅延とのうちの1つ又は複数に基づいて選択を行う。
[00104]一実施形態において、スケジューラ1901は、送信するためのパケットと、前の送信から得られた観測値とを記憶するための上述のバッファ及びメモリに結合されるか、又はそれらのバッファ及びメモリを含む。
[00105]装置は、複数のアンテナ1903を使用して、スケジューラ1901によって生成されたメッセージの組からのメッセージを送信するための、スケジューラ1901に結合された送信機1902も含む。
[00106]一実施形態において、装置は、スケジューラ1901に結合された複数のユーザバッファ1904をさらに備え、複数のユーザバッファ1904のそれぞれは、r個のユーザ端末の異なるグループに関するパケットを、r次のメッセージを生成するための情報とともに記憶する。一実施形態において、ユーザバッファ1904のそれぞれのバッファは、r個のユーザ端末の組の(r−1)個のユーザ端末のサブセットに関する1回又は複数回の送信の1つ又は複数の観測値を含み、各観測値は、r個のユーザ端末の組の中のその他のユーザ端末によって傍受されたチャネルに対応する。
[00107]本発明の多くの変更及び修正が、以上の説明を読んだ後、当業者に間違いなく明らかになるが、例として示され、説明されたいかなる特定の実施形態も、限定と見なされるようにまったく意図されていないことを理解されたい。したがって、さまざまな実施形態の詳細への言及は、それ自体は本発明に必須と考えられる特徴のみを記載する請求項の範囲を限定するように意図されていない。

Claims (16)

  1. マルチアンテナ送信機及びL個のユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムにおいて情報を送信するための方法であって、
    L個のユーザ端末の一部又はすべてへの送信からのユーザのチャネルの知識及び効用関数に基づいて、古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用して2周目の送信のための3つのユーザパケットのをスケジューリングして1つの送信セッションを形成するステップであって、ユーザパケットの前記が、前記L個のユーザ端末のうちの第1のユーザ端末に宛てた第1のパケット、前記L個のユーザ端末のうちの第2のユーザ端末に宛てた第2のパケット及び前記L個のユーザ端末のうちの第3のユーザ端末に宛てた第3のパケットを含む、当該形成するステップと、
    複数の1周目の送信のうちの回の送信からの傍受された観測値を組み合わせるステップであって、前記傍受された観測値が、前記第1のユーザ端末前記第2のユーザ端末及び前記第3のユーザ端末からフィードバックされた1周目の傍受されたチャネルを示す情報を含む、当該組み合わせるステップと、
    ユーザパケットの前記の組み合わされた観測値を前記2周目の送信の一部として送信するステップと、
    を含み、
    前記2周目の送信の第1のメッセージ及び第2のメッセージが前記第1のパケット及び前記第2のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第3のメッセージ及び第4のメッセージが前記第1のパケット及び前記第3のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第5のメッセージが、前記第2のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第4のユーザ端末に宛てた第4のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第6のメッセージが、前記第3のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第5のユーザ端末に宛てた第5のパケットを含む、
    方法。
  2. 前記効用関数が、予測される合計のレート又は加重和レートに基づいている、請求項1に記載の方法。
  3. L個の単一アンテナのユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで使用するための装置であって、
    複数のアンテナと、
    前記アンテナに結合された送信機を含み、古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用して1つ以上の送信セッションを形成するためのトランシーバと、
    を備え、
    前記送信機が、
    前記L個のユーザ端末のうちの第1のユーザ端末に宛てた第1のパケット、前記L個のユーザ端末のうちの第2のユーザ端末に宛てた第2のパケット及び前記L個のユーザ端末のうちの第3のユーザ端末に宛てた第3のパケットを記憶するためのメモリと、
    L個のユーザ端末の一部又はすべてへの送信からのユーザのチャネルの知識及び効用関数に基づいて、古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用して2周目の送信のための3つのユーザパケットのをスケジューリングして第1の送信セッションを形成するための、前記メモリに結合されたスケジューラであって、ユーザパケットの前記が、前記第1のパケット前記第2のパケット及び前記第3のパケットを含む、当該スケジューラと、
    複数の1周目の送信のうちの回の送信からの傍受された観測値を組み合わせるための、前記スケジューラに結合された処理論理回路であって、前記傍受された観測値が、前記第1のユーザ端末前記第2のユーザ端末及び前記第3のユーザ端末からフィードバックされた1周目の傍受されたチャネルを示す情報を含み、前記送信機が、ユーザパケットの前記の組み合わされた観測値を前記2周目の送信の一部として送信するように動作可能である、当該処理論理回路と、
    を有し、
    前記2周目の送信の第1のメッセージ及び第2のメッセージが前記第1のパケット及び前記第2のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第3のメッセージ及び第4のメッセージが前記第1のパケット及び前記第3のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第5のメッセージが、前記第2のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第4のユーザ端末に宛てた第4のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第6のメッセージが、前記第3のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第5のユーザ端末に宛てた第5のパケットを含む、
    装置。
  4. さらに、前記効用関数が、予測される合計のレートに基づいている、請求項に記載の装置。
  5. 古いチャネル状態情報(CSI)を使用して、多周回のマルチユーザMIMOセッションの一部として、L個のユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで情報を送信するための装置であって、前記セッションが、異なるスロットで異なるチャネルを使用する複数回の1周目の送信と、少なくとも1回の2周目の送信とを有する、当該装置であって、
    r次のメッセージが送信されることになるr周目の送信スロットをスケジューリングするためのスケジューラであって、前記r次のメッセージが、r人のユーザに同時に役立つように、r人のユーザの組を対象とするr個の傍受された(r−1)周目のメッセージの一次結合であり、前記r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれが、r人のユーザの前記組の中の異なるユーザによって傍受され、残りのr−1人のユーザを対象とするメッセージを構成し、さらに、スケジューラが、前記r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれを、効用関数に基づいて独立に選択する、当該スケジューラと、
    複数のアンテナを使用して、前記スケジューラによって生成されたメッセージの組からのメッセージを送信するための、前記スケジューラに結合された送信機と、
    を備え
    前記2周目の送信の第1のメッセージ及び第2のメッセージが前記L個のユーザ端末のうちの第1のユーザ端末に宛てた第1のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第2のユーザ端末に宛てた第2のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第3のメッセージ及び第4のメッセージが前記第1のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第3のユーザ端末に宛てた第3のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第5のメッセージが、前記第2のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第4のユーザ端末に宛てた第4のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第6のメッセージが、前記第3のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第5のユーザ端末に宛てた第5のパケットを含む、
    装置。
  6. 前記スケジューラに結合された複数のユーザバッファ、をさらに備え、
    前記複数のユーザバッファのそれぞれが、r個のユーザ端末の異なるグループに関する複数のパケットを、r次のメッセージを生成するための情報とともに記憶する、請求項に記載の装置。
  7. 各バッファが、r個のユーザ端末の組の(r−1)個のユーザ端末のサブセットに関する1回又は複数回の送信の1つ又は複数の観測値を含み、
    各観測値が、r個のユーザ端末の前記組の中のその他のユーザ端末によって傍受されたチャネルに対応する、請求項に記載の装置。
  8. 前記効用関数が、メッセージの前記組から選択された1つのメッセージに関連するユーザ端末のグループに関する予想される容量の増加に基づいている、請求項に記載の装置。
  9. 前記スケジューラが、最も大きな効用をもたらすことに基づいて、メッセージの前記組から傍受者のメッセージを選択する、請求項に記載の装置。
  10. 効用の増加が、増分和レート、又はユーザレートの増分の加重和に関連する効用の測定基準に基づいている、請求項に記載の装置。
  11. 古いチャネル状態情報(CSI)を使用して、多周回のマルチユーザMIMOセッションの一部として、L個のユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで情報を送信するための装置であって、前記セッションが、異なるスロットで異なるチャネルを使用する複数回の1周目の送信と、少なくとも1回の2周目の送信とを有する、当該装置であって、
    r次のメッセージが送信されることになるr周目の送信スロットをスケジューリングするためのスケジューラであって、前記r次のメッセージが、r人のユーザに同時に役立つように、r人のユーザの組を対象とするr個の傍受された(r−1)周目のメッセージの一次結合であり、前記r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれが、r人のユーザの前記組の中の異なるユーザによって傍受され、残りのr−1人のユーザを対象とするメッセージを構成し、さらに、スケジューラが、前記r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれを、効用関数に基づいて独立に選択する、当該スケジューラと、
    複数のアンテナを使用して、前記スケジューラによって生成されたメッセージの組からのメッセージを送信するための、前記スケジューラに結合された送信機と、
    を備え、
    前記スケジューラが、r−1個のユーザ端末の組を対象とするパケットの(r−1)周目の送信に関する傍受者端末をスケジューリングする際に、(r−1)個のユーザ端末の前記組の一部ではない少なくとも2つのユーザ端末を傍受者端末としてまとめて選択し、それぞれの選択された傍受者の観測値が、r人のユーザの前記組を対象とするr次のメッセージを形成する際に、その他の選択された傍受者の観測値とは独立に使用され、前記組が、(r−1)人のユーザの元の組と前記傍受者端末との和集合を含み、
    前記スケジューラが、それぞれの傍受されたチャネルの推定の品質と、前記パケットを破棄するまでのr周目の送信に関する最大の許容される遅延とのうちの1つ又は複数に基づいて選択を行う、装置。
  12. 古いチャネル状態情報(CSI)を使用して、多周回のマルチユーザMIMOセッションの一部として、L個のユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムで情報を送信するための方法であって、前記セッションが、異なるスロットで異なるチャネルを使用する複数回の1周目の送信と、少なくとも1回の2周目の送信とを有する、当該方法であって、
    r次のメッセージが送信されることになるr周目の送信スロットをスケジューリングするステップであって、前記r次のメッセージが、r人のユーザに同時に役立つように、r人のユーザの組を対象とするr個の傍受された(r−1)周目のメッセージの一次結合であり、前記r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれが、r人のユーザの前記組の中の異なるユーザによって傍受され、残りのr−1人のユーザを対象とするメッセージを構成し、さらに、当該スケジューリングするステップが、前記r個の傍受された(r−1)周目のメッセージのそれぞれを、効用関数に基づいて独立に選択するサブステップをさらに含む、当該スケジューリングするステップと、
    複数のアンテナを使用して、前記スケジューリングするステップによって生成されたメッセージの組からのメッセージを送信するステップと、
    を含み、
    前記2周目の送信の第1のメッセージ及び第2のメッセージが前記L個のユーザ端末のうちの第1のユーザ端末に宛てた第1のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第2のユーザ端末に宛てた第2のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第3のメッセージ及び第4のメッセージが前記第1のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第3のユーザ端末に宛てた第3のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第5のメッセージが、前記第2のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第4のユーザ端末に宛てた第4のパケットを含み、
    前記2周目の送信の第6のメッセージが、前記第3のパケット、及び、前記L個のユーザ端末のうちの第5のユーザ端末に宛てた第5のパケットを含む、
    方法。
  13. 前記スケジューリングするステップでは、最も大きな効用をもたらすことに基づいて、メッセージの前記組から第1の傍受者のメッセージを選択する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記効用関数が、増分和レート、又はユーザレートの増分の加重和に関連する効用の測定基準に基づいている、請求項13に記載の方法。
  15. マルチアンテナ送信機及び複数のユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムにおいて情報を送信するための方法であって、
    古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用して多周回MU−MIMOセッションを実行するステップであって、前記MU−MIMOセッションが、異なるスロットで異なるチャネルを使用する複数回の1周目の送信、及び少なくとも1回の2周目の送信を有する、当該実行するステップ、を備え、
    当該実行するステップが、
    ユーザ端末を含む複数のユーザ端末に関するチャネルに関連する情報を受信するサブステップ、
    前記1周目の送信のCSITに基づいて前記ユーザ端末に関する傍受者端末を選択することを含む、前記ユーザ端末に送信されるべきパケットに関する1人又は複数の傍受者端末をスケジューリングするサブステップ、
    前記ユーザ端末のパケットに関する傍受者のサブメッセージを形成するサブステップであって、前記傍受者のサブメッセージは、前記複数のユーザ端末で得られた雑音の無い観測値を含む、当該形成するサブステップ、
    前記ユーザ端末及び第2のユーザ端末に関する、2周目のペア形成キューのサブキューに、前記傍受者のサブメッセージを入力するサブステップ、
    サブメッセージを2周目のメッセージへと組み合わせるサブステップ、並びに
    1つ又は複数の2周目のメッセージを送信するサブステップ、
    を含む、方法。
  16. マルチアンテナ送信機及び複数のユーザ端末を有するマルチユーザ(MU)−MIMO無線通信システムにおいて情報を送信するための方法であって、
    古い送信機側チャネル状態情報(CSIT)を使用して多周回MU−MIMOセッションを実行するステップであって、前記MU−MIMOセッションが、異なるスロットで異なるチャネルを使用する複数回の1周目の送信、及び少なくとも1回の2周目の送信を有する、当該実行するステップ、を備え、
    当該実行するステップが、
    第1のユーザ端末を含む複数のユーザ端末に関するチャネルに関連する情報を受信するサブステップ、
    前記1周目の送信のCSITに基づいて前記第1のユーザ端末に関する傍受者を選択することを含む、前記第1のユーザ端末に送信されるべきパケットに関する1人又は複数の傍受者端末をスケジューリングするサブステップ、
    前記第1のユーザ端末のパケットに関する傍受者のサブメッセージを形成するサブステップ、
    前記第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末に関する、2周目のペア形成キューのサブキューに、前記傍受者のサブメッセージを入力するサブステップ、
    サブメッセージを2周目のメッセージへと組み合わせるサブステップ、並びに
    1つ又は複数の2周目のメッセージを送信するサブステップ、
    を含み、
    傍受者を選択することが、前記1つのユーザ端末に関する前記1周目の送信中のその他のユーザ端末の少なくともサブセットに関する傍受されたチャネルに関連する情報に基づいており、
    前記情報が、それぞれの傍受されたチャネルの推定の品質と、前記パケットを破棄するまでの2周目の送信に関する最大の許容される遅延とのうちの1つ又は複数をさらに含む
    法。
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