JP5961071B2 - 乳化組成物 - Google Patents
乳化組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5961071B2 JP5961071B2 JP2012176229A JP2012176229A JP5961071B2 JP 5961071 B2 JP5961071 B2 JP 5961071B2 JP 2012176229 A JP2012176229 A JP 2012176229A JP 2012176229 A JP2012176229 A JP 2012176229A JP 5961071 B2 JP5961071 B2 JP 5961071B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- mass
- content
- emulsion composition
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
このように、α−ゲルは水分を保持することができるため、化粧料などへの適用が検討されている。
(A)グリセリンモノ脂肪酸エステル、
(B)炭素数10〜24の高級アルコール、
(C)セラミド類、
(D)アニオン界面活性剤、
(E)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー及び(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーから選ばれる1種又は2種以上の架橋型ポリシロキサン、
(F)水
を含有し、成分(A)、(B)、(C)及び酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(E)の含有量との質量割合((A)+(B)+(C)+(D))/(E)が、1〜125である乳化組成物を提供するものである。
本発明における「きしみ感」とは、皮膚の上に手指をスライドさせて乳化組成物を塗布していくと、皮膜で覆われたようになるが、すべりにくく、手指の動きが停止させられるような感触をいい、「きしみ感が抑制されている」とは、組成物を同様に皮膚に塗布していくと、組成物によって皮膚を覆う保護機能を有しつつも、適度なすべりとなめらかさがあり、閉塞感が感じられないことをいう。
これらのうち、炭素数18〜22の直鎖脂肪酸を由来とするグリセリンモノ脂肪酸エステルが好ましく、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステルが好ましい。
これらのうち、炭素数14〜22の高級アルコールが好ましく、さらにセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。
II)擬似型セラミド類が好ましい。具体的には、(I)の天然由来のセラミド類は次の
一般式(1)で表されるセラミド類が好ましく、(II)擬似型セラミド類は次の一般式(2)で表わされるセラミド類が好ましい。一般式(1)又は(2)の構造によって、成分(A)、成分(B)、成分(D)とともに混合されていることによって、層状ラメラの構造を形成することができる。
(I)一般式(1)で表わされる天然由来のセラミド類又は同構造の合成物及びその誘導体(以下、天然型セラミドという)。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。これらのうち、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
これらのうち、炭素数12〜24の脂肪酸を由来とする脂肪酸塩、炭素数14〜22の脂肪酸を由来とする脂肪酸アミドスルホン酸塩、炭素数14〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、炭素数12〜22の脂肪酸を由来とするN−アシルグルタミン酸塩が好ましく、塩としてはナトリウム塩、アルギニン塩が好ましい。さらに、炭素数18〜22の脂肪酸を由来とするアミドルスホン酸塩、炭素数18〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、炭素数18〜22の脂肪酸を由来とするN−アシルグルタミン酸塩が好ましく、更に、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
なお、成分(D)は、酸型化合物と塩基とによって中和された化合物であって、成分(D)の含有量は、酸型化合物としての含有量、又は酸に換算した含有量とする。
架橋型ポリシロキサンは、三次元の結合を含むシリコーンであって、例えば、架橋型メチルポリシロキサンは、メチルポリシロキサンが三次元架橋された架橋構造を有する重合物であり、常法に従って製造することができる。例えば、架橋型メチルポリシロキサンは、ジメチルジメトキシシランやジメチルジクロロシランなどを重合させてシリコーン鎖を構築する際に、ジメチルメトキシビニルシランやクロロジメチルビニルシランなどを共存させて共重合を行い、しかる後にビニル基同志を重合させて架橋構造を構築させて製造されるものが挙げられる。また、ジメトキシジメチルシロキサンを重合させてメチルポリシロキサンを製造するときに、架橋剤として少量のメチルトリメトキシシロキサンを加えることにより、三次元架橋構造を導入することができる。
また、架橋型ポリシロキサンは、油性媒体に分散されているものを使用することが好ましく、油性媒体としてはシクロペンタシロキサン、ジメチコン、スクワラン、ミネラルオイル、イソドデカン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等の25℃で液状の油性媒体(炭化水素油、極性油)が挙げられる。
成分(E)は、1種以上を用いることができ、ぬるつきを抑制しつつすべり感を向上させ、きしみ感を抑制する点から、本発明の乳化組成物中に0.0025〜4質量%含有することが好ましく、0.01〜3質量%含有することがより好ましく、0.03〜2質量%含有することがさらに好ましい。成分(E)の含有量は、ぬるつきを抑制する点から4質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、きしみ感を抑制する点から0.0025質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましい。
さらに、成分(B)及び(C)の含有量の質量割合((B)/(C))は、セラミドの結晶化を防止して安定性を向上し、きしみ感を抑制する点から、0.2〜5であるのが好ましく、0.25〜4であることがより好ましく、0.3〜4であることがさらに好ましい。上記質量割合を上記範囲とすることにより、成分(A)〜(D)による層状ラメラと少量の球状ラメラと、成分(E)を含む別個の油滴が共存しつつ、ラメラ構造が保持されてセラミドの結晶化を防止し、皮膚に塗布した際の保湿性がありながら、きしみ感が抑制された乳化組成物を得ることができる。
また、酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(E)の含有量の質量割合((D)/(E))は、セラミドの結晶化を防止して安定性を向上し、きしみ感を抑制する点から、0.1〜15であることが好ましく、0.2〜12であるのがより好ましく、0.4〜10であることがさらに好ましい。
また、その他の水性基剤、例えばエタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコールなどを含有することもできる。なお、成分(F)水の含有量は、2回にわけて配合する場合の最初の水(F1)と、2回目に配合する水(F2)と、各成分に含まれている水(F3)の含有量の合計である。
ここで、IOBは、有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域 Vol.11,No.10(1957)719−725)に基づき求められる無機性値及び有機性値の比(Inorganic Organic Balance)を表わすもので、次式により求められる。
これらの油剤は、全組成中に含有しないか、20質量%以下含有されるのが好ましい。
(1)成分(A)、(B)及び(C)を含む第1油相を80〜90℃で加熱混合し、攪拌する工程、次に80〜90℃に加熱した成分(D)の酸型化合物と塩基、及び成分(F)の一部(F1)を含む第1水相を添加する工程、次に80〜90℃に加熱した他の油性成分を混合した第2油相を添加し攪拌する工程、攪拌下25℃まで冷却する工程の後、さらに残りの成分(F)である(F2)と他の水溶性成分(第2水相)を添加しながら混合する工程を備える。成分(E)は、第1油相に混合しても、第2油相に混合してもよい。
上記の製造方法(1)〜(3)における冷却は25℃に限らず、40℃以下の室温であればよく、30℃以下が好ましく、15℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
上記の製造方法のうち、生産性と経時安定性から、製造方法(1)又は(2)が好ましく、製造方法(1)がより好ましい。なお、製造方法(1)又は(2)における第1水相における成分(F)のうちの(F1)は、製造後の乳化組成物全量の10〜50質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることがより好ましく、成分(F)のうちの(F1)の量は成分(D)の酸型化合物が塩基によって中和され、溶解状態になる量であればよい。
さらに、成分(A)〜(D)によって層状ラメラが形成されており、小角X線回折(Bragg角0.3〜5°)により、Bragg角が1:2:3:4の比においてピークを確認することができる。本発明の乳化組成物は、遠心分離機で濃縮したものを小角X線回折により測定する。以上のように、本発明の乳化組成物は、連続相が水相であって、成分(A)〜(D)により形成される層状ラメラと球状ラメラ、及び成分(E)架橋型ポリシロキサンを含む油滴の3つの油滴を含み、このような構造は、光学顕微鏡、広角X線回折、小角X線回折により確認することができる。
さらに、本発明の乳化組成物は、皮膚に塗布して用いることができ、皮膚塗布剤製造のために用いることができる。
〔1〕次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)グリセリンモノ脂肪酸エステル、
(B)炭素数10〜24の高級アルコール、
(C)セラミド類、
(D)アニオン界面活性剤、
(E)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー及び(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーから選ばれる1種又は2種以上の架橋型ポリシロキサン、
(F)水を含有し、成分(A)、(B)、(C)及び酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(E)の含有量の質量割合((A)+(B)+(C)+(D))/(E)が、1〜125である乳化組成物。
〔3〕酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(E)の含有量の質量割合(D)/(E)が、0.1〜15であり、好ましくは0.2〜12であり、さらに好ましくは0.4〜10である前記〔1〕又は〔2〕記載の乳化組成物。
〔5〕更に、前記(B)、(C)、(E)以外の油剤を含有する前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔6〕成分(A)、(B)、(C)及び酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(E)の含有量との質量割合((A)+(B)+(C)+(D))/(E)が、1.5〜100であり、好ましくは3〜70であり、さらに好ましくは3.5〜70である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔8〕成分(A)の含有量が、0.001〜10質量%であり、好ましくは0.05〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔9〕成分(B)の含有量が、0.001〜10質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜2.5量%である前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔11〕成分(D)の酸に換算した含有量が、0.01〜3質量%であり、好ましくは0.05〜2質量%であり、より好ましくは0.1〜1.5質量%である前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔12〕成分(E)の含有量が、0.0025〜4質量%であり、好ましくは0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.03〜2質量%である前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔14〕成分(A)の含有量が、0.05〜3質量%であり、成分(B)の含有量が0.1〜3質量%であり、成分(C)の含有量が0.1〜5質量%であり、成分(D)の酸に換算した含有量が0.05〜2質量%であり、成分(E)の含有量が0.0025〜4質量%である前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔16〕成分(G)の含有量が、0.001〜20質量%であり、好ましくは0.2〜20質量%であり、より好ましくは2〜20質量%であり、また好ましくは0.2〜15質量%であり、より好ましくは2〜10質量%である前記〔4〕〜〔15〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔18〕成分(B)が、炭素数14〜22の高級アルコールであって、好ましくはセタノール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上である〔1〕〜〔17〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔19〕成分(C)が、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7及びこれらのN−アルキル体から選ばれる天然型セラミド、並びに一般式(2)
で表される擬似型セラミドから選ばれるセラミド類である〔1〕〜〔18〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔21〕成分(G)が、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、分子量が100〜1万のポリプロピレングリコール、分子量が100〜1万のポリエチレングリコール及びオキシエチレンの平均付加モル数が4〜20のポリオキシエチレンジグリセリルエーテルから選ばれる多価アルコールである〔4〕〜〔20〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔23〕水中油型乳化組成物である〔1〕〜〔22〕のいずれかに記載の乳化組成物。
〔24〕皮膚に塗布して用いるための〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の乳化組成物の使用。
〔25〕皮膚塗布剤製造のための〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の乳化組成物の使用。
〔27〕成分(A)、(B)及(C)に成分(D)の酸型化合物を含む第1油相を加熱混合する工程、次に加熱した塩基と成分(F)の一部(F1)を含有する第1水相を添加し混合する工程、次に加熱した他の油性成分を混合した第2油相を添加し攪拌する工程、冷却する工程の後、さらに残りの成分(F)である(F2)と他の水溶性成分を含む第2水相を添加しながら混合する工程を備える〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
〔28〕成分(A)、(B)及(C)に成分(D)の酸型化合物の一部を含む第1油相を加熱混合する工程、次に加熱した成分(D)の残りの酸型化合物と塩基と成分(F)の一部(F1)を含む第1水相を添加し混合する工程、次に加熱した他の油性成分を含む第2油相を添加し混合する工程、冷却する工程の後、さらに残りの成分(F)である(F2)と他の水溶性成分を含む第2水相を添加しながら混合する工程を備える〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
表1に示す組成の水中油型乳化組成物を製造し、安定性及び使用感(きしみ感のなさ、しっとり感、べたつき感のなさ)を評価した。結果を表1に併せて示す。
なお、実施例4は参考例であって、本発明の範囲に含まれるものではない。
第1油相の成分(成分(A)〜(C)を含む混合成分)を80〜90℃で加熱混合し、これにプロペラ攪拌下(300rpm)、80〜90℃に加熱した第1水相(成分(D)と成分(F)のうち製造後の乳化組成物の45質量%の(F1)を含む水溶液)、次いで80〜90℃に加熱した第2油相(成分(E)及びその他の油性成分)を添加した。ホモジナイザー(7000rpm)により攪拌後、プロペラ攪拌下(300rpm)25℃まで冷却し、第2水相(第1水相の残りの成分(F)である(F2)とその他の水溶性成分)を添加した。これによって、水中油型乳化組成物を得た。
(1)安定性:
実施例及び比較例の乳化組成物について保存加速試験を行った。保存加速試験はサイクル試験であって、1日のうちに保存温度を15℃〜60℃に変化させ(15℃〜60℃のサイクル/1日)、これを7日間行う。保存加速試験後の実施例及び比較例の乳化組成物について、偏光下、光学顕微鏡観察により、結晶の有無を確認した。結晶の有無は以下の基準で評価した。
AA:結晶が観察されない。
A :わずかに結晶が観察される。
B :小さな結晶が観察される。
C :針状結晶が観察される。
専門パネラーが、各乳化組成物0.5〜0.6gを顔面に手指をスライドさせながら塗布し、以下の4段階の基準で評価した。評価結果は専門パネラー3名の評価の合計値で示す。
「きしみ感のなさ」:塗布時から塗布直後までの評価。
4:きしみ感が感じられない。
3:きしみ感がほとんど感じられない。
2:きしみ感をやや感じる。
1:きしむ。
「しっとり感」:塗布直後から3分の間で評価。
4:良好である。
3:やや良好である。
2:あまり良好でない。
1:良好でない。
「ぬるつき感のなさ」:塗布直後から3分の間で評価。
4:ぬるつき感がない。
3:殆どぬるつき感がない。
2:ややぬるつき感がある。
1:ぬるつき感がある。
実施例1〜4と同様にして、表2に示す組成の水中油型乳化組成物を製造し、安定性及び使用感(きしみ感のなさ、しっとり感、ぬるつき感のなさ)を評価した。結果を表2に併せて示す。
なお、実施例で得られた組成物はいずれも、光学顕微鏡により、セラミド類の結晶は観察されないか、又は殆ど観察されず安定であり、広角X線回折によりα−ゲルであることが確認された。また、α−ゲルと架橋型ポリシロキサンによる油滴とが観察され、層状ラメラが形成されていると判断される。
実施例1〜4と同様にして、表3に示す組成の水中油型乳化組成物を製造し、安定性及び使用感(きしみ感のなさ、しっとり感、ぬるつき感のなさ)を評価した。結果を表3に併せて示す。
なお、実施例で得られた組成物はいずれも、光学顕微鏡により、セラミド類の結晶は殆ど観察されず安定であり、広角X線回折によりα−ゲルであることが確認された。また、α−ゲルと架橋型ポリシロキサンによる油滴とが観察され、層状ラメラが形成されていると判断される。
実施例7の乳化組成物について、光学顕微鏡により通常光で観察した写真(図1(b))と、偏光をかけて観察した写真(図1(a))とを示す。
図1(b)に示すように、相対的に大きな油滴が観察され、これは成分(E)の架橋型ポリシロキサンを含有する油滴である。連続相は水相であり、相対的に小さな油滴は、球状ラメラ構造をとり、図1(a)のように偏光をかけた写真では白く見える。白く見える小さな油滴が球状ラメラである場合、拡大写真は図1(a1)のように確認できる。また、広角X線回折(Bragg角21〜23°)によりαゲルの構造を確認することができる。層状ラメラが形成されている場合には、小角X線回折(Bragg角0.3〜5°)により、Bragg角が1:2:3:4の比においてピークがみられる。本発明の乳化組成物は、遠心分離機で濃縮したものを小角X線回折によって測定する。以上より、本発明の組成物は、連続相が水相であって、(E)架橋型ポリシロキサンを含む油滴と、球状ラメラ及び層状ラメラを含むα−ゲルによって、安定性及び使用感を良好とすることができる。
実施例1〜4と同様にして、表4に示す組成の水中油型乳化組成物を製造し、安定性及び使用感(きしみ感のなさ、しっとり感、ぬるつき感のなさ)を評価した。また、保湿の持続感を評価した。結果を表4に併せて示す。なお、実施例7は、前記表2に記載のものと同様のものである。
専門パネラー3名が、各乳化組成物0.5〜0.6gを顔面に塗布した1時間後の「しっとり感」について、以下の基準により評価した。結果は、3名の評価の合計で示す。
4:しっとりしている。
3:ややしっとりしている。
2:あまりしっとりしない。
1:しっとりしていない。
実施例1〜4と同様にして、表5に示す組成の水中油型乳化組成物を製造した。得られた組成物はいずれも、広角X線回折によりα−ゲルであることが確認された。また、α−ゲルと架橋型ポリシロキサンによる油滴とが観察された。また、きしみ感が抑制され、しっとり感が良好で、ぬるつき感も感じられなかった。
実施例1〜4と同様にして、表6に示す組成の水中油型乳化組成物を製造した。得られた組成物はいずれも、広角X線回折によりα−ゲルであることが確認された。また、α−ゲルと架橋型ポリシロキサンによる油滴が存在する。そして、きしみ感が抑制され、しっとり感が良好で、ぬるつき感も感じられない。
Claims (8)
- 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)グリセリンモノ脂肪酸エステル、
(B)炭素数10〜24の高級アルコール、
(C)セラミド類、
(D)アニオン界面活性剤、
(E)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー及び(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーから選ばれる1種又は2種以上の架橋型ポリシロキサン 0.01〜3質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)、(B)、(C)及び酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(E)の含有量との質量割合が、((A)+(B)+(C)+(D))/(E)=1〜125である乳化組成物。 - 酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(E)の含有量の質量割合(D)/(E)が、0.1〜15である請求項1記載の乳化組成物。
- 更に、(G)IOBが1.5〜3.5の多価アルコールを含有する請求項1又は2記載の乳化組成物。
- 成分(A)、(B)、(C)及び酸に換算した成分(D)の含有量と、成分(G)の含有量との質量割合((A)+(B)+(C)+(D))/(G)が、0.1〜20である請求項3記載の乳化組成物。
- 成分(G)の含有量が、0.001〜20質量%である請求項3又は4記載の乳化組成物。
- 更に、成分(B)、(C)、(E)以外の油剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の乳化組成物。
- 成分(B)及び(C)の含有量の質量割合(B)/(C)が、0.2〜5である請求項1〜6のいずれか1項記載の乳化組成物。
- 水中油型乳化組成物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の乳化組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012176229A JP5961071B2 (ja) | 2011-08-09 | 2012-08-08 | 乳化組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011174389 | 2011-08-09 | ||
JP2011174389 | 2011-08-09 | ||
JP2012176229A JP5961071B2 (ja) | 2011-08-09 | 2012-08-08 | 乳化組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013053145A JP2013053145A (ja) | 2013-03-21 |
JP5961071B2 true JP5961071B2 (ja) | 2016-08-02 |
Family
ID=47759064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012176229A Active JP5961071B2 (ja) | 2011-08-09 | 2012-08-08 | 乳化組成物 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5961071B2 (ja) |
CN (1) | CN102949303B (ja) |
TW (1) | TWI543772B (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5690980B1 (ja) * | 2013-10-07 | 2015-03-25 | 花王株式会社 | 化粧料組成物 |
JP2016088866A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 株式会社コスモステクニカルセンター | αゲル構造体を形成してなる汚染物質浸透防止剤及びこれを含有する汚染物質浸透防止用化粧料又は汚染物質浸透防止用皮膚外用剤 |
JP2016088872A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 株式会社コスモステクニカルセンター | αゲル構造体を形成してなるきめ改善剤及びこれを含有するきめ改善用化粧料又はきめ改善用皮膚外用剤 |
JP2016088930A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 日光ケミカルズ株式会社 | αゲル構造体を形成してなる小じわ改善剤およびこれを含有する小じわ改善用化粧料または小じわ改善用皮膚外用剤 |
JP6624814B2 (ja) * | 2015-05-29 | 2019-12-25 | 花王株式会社 | 皮膚化粧料 |
JP2019214559A (ja) * | 2018-06-12 | 2019-12-19 | 花王株式会社 | W/o型乳化組成物 |
JP7186520B2 (ja) * | 2018-06-12 | 2022-12-09 | 花王株式会社 | W/o型乳化組成物 |
US11896688B2 (en) | 2018-06-12 | 2024-02-13 | Kao Corporation | W/O emulsion composition |
EP3808330A4 (en) * | 2018-06-12 | 2022-03-09 | Kao Corporation | W/O EMULSION COMPOSITION |
JP2020200283A (ja) * | 2019-06-11 | 2020-12-17 | 花王株式会社 | シート状化粧料 |
CN116804153B (zh) * | 2023-08-24 | 2023-11-21 | 上海柯珑清洁技术有限公司 | 一种丙烯酰胺类表面活性剂组合物及其制备方法 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000063234A (ja) * | 1998-08-19 | 2000-02-29 | Kose Corp | 水中油型化粧料 |
US6524598B2 (en) * | 2000-07-10 | 2003-02-25 | The Procter & Gamble Company | Cosmetic compositions |
JP3854522B2 (ja) * | 2002-03-25 | 2006-12-06 | 株式会社コーセー | メーキャップ化粧料 |
DE60316650T2 (de) * | 2002-10-29 | 2008-07-24 | L'oreal | Zusammensetzung in Form einer Öl-in-Wasser Emulsion und deren kosmetische Verwendungen |
JP4040527B2 (ja) * | 2003-05-09 | 2008-01-30 | 高砂香料工業株式会社 | 脂質組成物およびそれを含有する皮膚外用剤 |
JP2006219424A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Kao Corp | 皮膚化粧料 |
JP4926420B2 (ja) * | 2005-07-21 | 2012-05-09 | 花王株式会社 | 乳化組成物 |
JP2008044901A (ja) * | 2006-08-18 | 2008-02-28 | Kose Corp | 水中油型メイクアップ化粧料 |
JP5214872B2 (ja) * | 2006-11-13 | 2013-06-19 | 株式会社コーセー | ベシクル組成物及びそれを配合した皮膚外用剤 |
KR101515646B1 (ko) * | 2006-12-14 | 2015-04-27 | 포라 가세이 고교 가부시키가이샤 | 세라마이드를 포함하는 유중수 유화제 형태의 피부 외용제 |
EP2452668B1 (en) * | 2009-07-06 | 2018-10-03 | Kao Corporation | Emulsified composition |
-
2012
- 2012-08-08 JP JP2012176229A patent/JP5961071B2/ja active Active
- 2012-08-09 CN CN201210281749.9A patent/CN102949303B/zh active Active
- 2012-08-09 TW TW101128819A patent/TWI543772B/zh active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TWI543772B (zh) | 2016-08-01 |
JP2013053145A (ja) | 2013-03-21 |
CN102949303B (zh) | 2016-05-25 |
CN102949303A (zh) | 2013-03-06 |
TW201311281A (zh) | 2013-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5961071B2 (ja) | 乳化組成物 | |
JP5326028B2 (ja) | 乳化組成物 | |
JP4926420B2 (ja) | 乳化組成物 | |
JP5941732B2 (ja) | 乳化組成物 | |
WO2011004589A1 (ja) | 乳化組成物 | |
EP2857000B1 (en) | Emulsion cosmetic composition | |
JP6721969B2 (ja) | O/w/o型皮膚外用剤 | |
JPH11506126A (ja) | スキンケア組成物 | |
JP5690516B2 (ja) | 乳化組成物 | |
WO2014087955A1 (ja) | 乳化化粧料 | |
JP6423701B2 (ja) | 化粧料 | |
BR112018071438B1 (pt) | Composição de limpeza pessoal antimicrobiana e usos da composição de limpeza pessoal antimicrobiana | |
JP6747763B2 (ja) | 乳化化粧料 | |
JP5690517B2 (ja) | 乳化組成物 | |
EP3632407A1 (en) | Water-in-oil emulsion composition | |
US20220249336A1 (en) | Water-in-oil emulsion composition | |
JP7324278B2 (ja) | セラミド類とオレイン酸イソブチルを含有する組成物 | |
JP6076716B2 (ja) | 乳化化粧料 | |
JP5690980B1 (ja) | 化粧料組成物 | |
JP2019214527A (ja) | W/o型乳化組成物 | |
KR102406009B1 (ko) | 지질 복합층으로 코팅된 복합 분체 및 이를 포함하는 화장료 조성물 | |
JP2019214559A (ja) | W/o型乳化組成物 | |
JP2021187804A (ja) | 水中油乳化組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150617 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160329 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160621 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160624 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5961071 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |