以下、本発明に係る燃料電池モジュールの一実施形態及び各種変形例について、図面を参照して詳細に説明する。
「実施形態」
まず、本発明に係る燃料電池モジュールの一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
本実施形態の燃料電池モジュールMは、図1に示すように、容器中心軸Avを中心として容器中心軸Avに平行な容器軸方向Dvに延びる円筒形状の圧力容器10と、この圧力容器10内に配置されている複数のカートリッジ201と、複数のカートリッジ201に接続されている複数の各種配管300と、各種配管300中を流れるガス相互間で熱交換させる各種熱交換器400と、を備えている。
配管300としては、燃料ガス供給源1からの燃料ガスF1を圧力容器10内の各カートリッジ201に導く燃料ガス供給配管310と、各カートリッジ201を通過した燃料ガスである排燃料ガスF2を圧力容器10外に導く燃料ガス排出配管320と、酸化剤ガス供給源2からの酸化剤ガスO1を圧力容器10内の各カートリッジ201に導く酸化剤ガス供給配管330と、各カートリッジ201を通過した酸化剤ガスである排酸化剤ガスO2を圧力容器10外に導く酸化剤ガス排出配管340とがある。
燃料ガスF1としては、例えば、水素、一酸化炭素、メタン等の炭化水素系ガス、石炭等の炭素質原料のガス化により得られたガス、又は、これらの2以上の成分を含むガス等が利用される。また、酸化剤ガスO1としては、例えば、酸素を15〜30vol%含むガス等が利用される。代表的な酸化剤ガスO1としては、空気であるが、燃焼排気ガスと空気との混合ガスや、酸素と空気との混合ガスを利用してもよい。
圧力容器10は、例えば、内部の圧力が0.1MPa〜約5MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用される。このため、この圧力容器10は、耐圧性を考慮して、円筒形状の胴部11と、胴部11の容器軸方向Dvにおける両端部に形成されている半球状の鏡部12とを有している。この圧力容器10は、全体として円筒形状を成し、その容器中心軸Avが上下方向に延びるよう設置されている。また、この圧力容器10は、耐圧性と共に、酸化剤ガスO1中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性も要求されるため、例えば、SUS304などのステンレス系材で形成されている。
カートリッジ201は、複数のセルスタックの束で構成されている。図2に示すように、セル集合体であるセルスタック101は、円筒形状(又は管形状)の基体管103と、基体管103の外周面に形成されている複数の燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されているインターコネクタ107とを有する。燃料電池セル105は、燃料極112と固体電解質111と空気極113とが積層して形成されている。セルスタック101は、さらに、基体管103の外周面に形成されている複数の燃料電池セル105のうちで、基体管103の軸方向において最も端に形成されている燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されているリード膜115を有する。
本実施形態では、この円筒形状(又は管形状)のセルスタック101の内周側に燃料ガスF1が通り、外周側に酸化剤ガスO1が通る。
基体管103は、例えば、CaO安定化ZrO2(CSZ)、Y2O3安定化ZrO2(YSZ)、MgAl2O4等のいずれかで形成されている多孔質体である。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持する役目を担っている。さらに、この基体管103は、内周側に供給された燃料ガスF1を基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料電池セル105に拡散させる役目も担っている。
燃料極112は、例えば、Ni/YSZ等、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で形成されている。この場合、燃料極112は、燃料極112の成分であるNiが燃料ガスF1に対して触媒として作用する。この触媒としての作用は、基体管103を介して供給された燃料ガスF1中に、例えば、メタン(CH4)と水蒸気とが含まれている場合、これら相互を反応させ、水素(H2)と一酸化炭素(CO)に改質する作用である。
空気極113は、例えば、LaSrMnO3系酸化物、又はLaCoO3系酸化物で形成されている。この空気極113は、固体電解質111との界面付近において、供給される酸化剤ガスO1中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成する。
固体電解質111は、例えば、主としてYSZで形成されている。このYSZは、ガスを通しにくい気密性と、高温下での高い酸素イオン導電性とを有している。この固体電解質111は、空気極113で生成された酸素イオン(O2−)を燃料極112に移動させる。
前述の燃料極112と固体電解質111との界面付近では、改質により得られた水素(H2)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111から供給された酸素イオン(O2−)とが反応し、水(H2O)及び二酸化炭素(CO2)が生成される。この燃料電池セル105では、この反応過程で酸素イオンから電子が放出されて、発電が行われる。
インターコネクタ107は、例えば、SrTiO3系などのM1−xLxTiO3(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物で形成されている。このインターコネクタ107は、燃料ガスF1と酸化剤ガスO1とが混合しないように緻密な膜で、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した電気導電性を有する。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極112とを電気的に接続する。つまり、このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105同士を電気的に直列接続する。
リード膜115は、電子伝導性を有すること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、例えば、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で形成されている。このリード膜115は、インターコネクタ107により電気的に直列接続されている複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出する役目を担っている。
カートリッジ201は、図3及び図4に示すように、複数のセルスタック101と、複数のセルスタック101の束の一方の端部を覆う第一カートリッジヘッダ220aと、複数のセルスタック101の束の他方の端部を覆う第二カートリッジヘッダ220bと、を有している。複数のセルスタック101は、互いに平行で且つその長手方向における互いの位置が揃って、全体として円柱形状を成している。また、第一カートリッジヘッダ220a及び第二カートリッジヘッダ220bは、円柱形状を成している複数のセルスタック101の束の外径よりわずかに大きな外径の円筒形状を成している。このため、カートリッジ201は、全体として、セルスタック101の長手方向に長い円柱形状を成している。従って、カートリッジ201の長手方向は、セルスタック101の長手方向の同じ方向である。
第一カートリッジヘッダ220a及び第二カートリッジヘッダ220bは、いずれも、複数のセルスタック101の束の端部が開口228から内部に入り込む円筒形状のケーシング229a,229bと、ケーシング229a,229bの開口228を塞ぐ断熱仕切板227a,227bと、ケーシング229a,229bの内部空間をセルスタック101の長手方向で2つの空間に仕切る管板225a,225bと、を有している。管板225a,225b等は、インコネル(ニッケル基合金に対するスペシャルメタルズ社の登録商標)等の高温耐久性のある金属材料で形成されている。管板225a,225b及び断熱仕切板227a,227bには、複数のセルスタック101の端部のそれぞれが挿通可能な貫通孔が形成されている。管板225a,225bは、その貫通孔に挿通されたセルスタック101の端部をシール部材又は接着剤237を介して支持する。このため、この管板225a,225bには貫通孔が形成されているものの、この管板225a,225bを基準にしてケーシング229a,229b内の一方の空間に対する他方の空間の気密性が確保されている。断熱仕切板227a,227bの貫通孔の内径は、ここに挿通されるセルスタック101の外径よりも大きく形成されている。つまり、断熱仕切板227a,227bの貫通孔の内周面と、この貫通孔に挿通されたセルスタック101の外周面との間には隙間235a,235bが存在する。
第一カートリッジヘッダ220aのケーシング229aと管板225aとで形成されている空間は、燃料ガスF1が供給される燃料ガス供給室217を形成している。このケーシング229aには、燃料ガス供給配管310(314a,314b)からの燃料ガスF1を燃料ガス供給室217に導くための燃料ガス供給孔231aが形成されている。この燃料ガス供給室217内には、複数のセルスタック101における基体管103の端部が位置し、ここで開放している。燃料ガス供給配管310から燃料ガス供給室217に導かれた燃料ガスF1は、複数のセルスタック101の基体管103の内部に流れ込む。この際、燃料ガスF1は、燃料ガス供給室217により、複数のセルスタック101の各基体管103に対してほぼ均等流量に配分される。このため、複数のセルスタック101における各発電量の均一化を図ることができる。
第二カートリッジヘッダ220bのケーシング229bと管板225bとで形成されている空間は、セルスタック101の基体管103内を通過した燃料ガスである排燃料ガスF2が流れ込む燃料ガス排出室219を形成している。このケーシング229bには、燃料ガス排出室219に流れ込んだ排燃料ガスF2を燃料ガス排出配管320(324a,324b)に導くための燃料ガス排出孔231bが形成されている。この燃料ガス排出室219内には、複数のセルスタック101における基体管103の端部が位置し、ここで開放している。複数のセルスタック101の各基体管103内を通過した排燃料ガスF2は、前述したように、燃料ガス排出室219に流入した後、燃料ガス排出配管320を通って、圧力容器10外へ排出される。
第二カートリッジヘッダ220bのケーシング229bと断熱仕切板227bと管板225bとで形成されている空間は、酸化剤ガス供給室216を形成している。このケーシング229bには、酸化剤ガス供給配管330(334a,334b)からの酸化剤ガスO1を酸化剤ガス供給室216に導くための酸化剤ガス供給孔233bが形成されている。この酸化剤ガス供給室216内に導かれた酸化剤ガスO1は、断熱仕切板227bの貫通孔の内周面と、この貫通孔に挿通されているセルスタック101の外周面との間の隙間235bから、第一カートリッジヘッダ220aと第二カートリッジヘッダ220bとの間の発電室215へと流出する。
第一カートリッジヘッダ220aと第二カートリッジヘッダ220bとの間の発電室215には、複数のセルスタック101の燃料電池セル105が配置されている。このため、この発電室215では、燃料ガスF1と酸化剤ガスO1とが電気化学的反応して、発電が行われる。なお、この発電室215で、セルスタック101の長手方向における中央部付近の温度は、燃料電池モジュールM201の定常運転時に、およそ700℃〜1100℃の高温雰囲気になる。また、この発電室215は、第一カートリッジヘッダ220aと第二カートリッジヘッダ220bとの間であって、外周側が断熱材15で囲まれた空間である。この断熱材15は、例えば、アルミナシリカ系の材料で形成されている。
第一カートリッジヘッダ220aのケーシング229aと断熱仕切板227aと管板225aとで形成されている空間は、発電室215を通った酸化剤ガスである排酸化剤ガスO2が流入する酸化剤ガス排出室218を形成している。このケーシング229aには、酸化剤ガス排出室218に流れ込んだ排酸化剤ガスO2を酸化剤ガス排出配管340(344a,344b)に導くための酸化剤ガス排出孔233aが形成されている。発電室215中の酸化剤ガスO1は、断熱仕切板227aの貫通孔の内周面と、この貫通孔に挿通されているセルスタック101の外周面との間の隙間235aから、排酸化剤ガスO2として酸化剤ガス排出室218内に流入した後、酸化剤ガス排出配管340を通って、圧力容器10外へ排出される。
発電室215の高温化に伴って、各カートリッジヘッダ220a,220bの管板225a,225bが高温化する。第一カートリッジヘッダ220a及び第二カートリッジヘッダ220bの断熱仕切板227a,227bは、この管板225a,225bが高温化による強度低下や酸化剤ガスO1中に含まれている酸化剤による腐食を抑える。さらに、この断熱仕切板227a,227bは、管板225a,225bの熱変形も抑える。
前述したように、発電室215中の酸化剤ガスO1と、この発電室215に配置されている複数のセルスタック101の内側を通る燃料ガスF1とは、セルスタック101における複数の燃料電池セル105で電気化学反応する。この結果、複数の燃料電池セル105で発電が行われる。
複数の燃料電池セル105での発電で得られた直流電流は、複数の燃料電池セル105相互間に設けられているインターコネクタ107を経て、セルスタック101の端部側へ流れ、このセルスタック101のリード膜115に流れ込む。そして、この直流電流は、リード膜115から、集電板(不図示)を介して、カートリッジ201の集電棒(不図示)に流れ、カートリッジ201外部へ取り出される。複数の集電棒は、互いに直列及び/又は並列接続されている。集電棒のうち、最も下流側の集電棒は、例えば、図示されていないインバータに接続されている。カートリッジ201外部に取り出された直流電流は、直列及び/又は並列接続されている複数の集電棒を経て、例えば、インバータに流れ、ここで交流電流に変換されて、電力負荷へと供給される。
セルスタック101の内周側を流れる燃料ガスF1とセルスタック101の外周側を流れる酸化剤ガスO1とは、このセルスタック101を介して熱交換する。この結果、燃料ガスF1は、酸化剤ガスO1により加熱され、酸化剤ガスO1は、逆に燃料ガスF1により冷却される。本実施形態では、これら燃料ガスF1と酸化剤ガスO1とがセルスタック101の内周側と外周側とを対向して流れる。このため、燃料ガスF1と酸化剤ガスO1との熱交換率が高まり、燃料ガスF1による酸化剤ガスO1の冷却効率、及び酸化剤ガスO1による燃料ガスF1の加熱効率が高まる。よって、本実施形態において、酸化剤ガスO1は、第一カートリッジヘッダ220aを形成する管板225a等が座屈変形等しない温度に冷却されてから、この第一カートリッジヘッダ220aの酸化剤ガス排出室218に流れ込む。また、本実施形態において、燃料ガスF1は、発電室215内のセルスタック101内で、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温される。
なお、本実施形態では、燃料ガスF1と酸化剤ガスO1とがセルスタック101の内周側と外周側とを対向して流れる、つまり燃料ガスF1と酸化剤ガスO1とが逆向きに流れるが、必ずしもこの必要はなく、例えば、燃料ガスF1と酸化剤ガスO1とがセルスタック101の内周側と外周側で同じ向きに流れてもよいし、酸化剤ガスO1が燃料ガスF1の流れに対して直交する方向に流れてもよい。
円柱形状の複数のカートリッジ201は、図1に示すように、いずれも、カートリッジ201の長手方向Dcが圧力容器10の容器軸方向Dvと同じ方向になるよう、言い換えると、カートリッジ中心軸Acと容器中心軸Avとが平行になるよう、圧力容器10内に配置されている。従って、本実施形態では、カートリッジ201の長手方向Dcは、圧力容器10の容器軸方向Dvと同様、上下方向である。本実施形態では、長手方向Dcの位置が互いに揃っている所定数のカートリッジ201により、カートリッジ群200が構成されている。本実施形態の燃料電池モジュールMは、このカートリッジ群200を2つ備えている。2つのカートリッジ群200は、圧力容器10内で容器軸方向Dv(上下方向)に並んでいる。
1つのカートリッジ群200を構成するカートリッジ201の数量は、図6に示すように、本実施形態の場合、6個である。6個のカートリッジ201は、容器中心軸Avを中心として周方向に並んで配置されている。このため、周方向に並んでいる6個のカートリッジ201の容器中心軸Av側には、カートリッジ201が配置されていない空間が存在することになる。この空間は、図1及び図5に示すように、容器中心軸Avを含み、容器軸方向Dvに長く、圧力容器10内の上端から下端まで延びる柱状の配管集中空間Sを成す。
2つのカートリッジ群200のうち、図5に示すように、上側に配置されている第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201、及び下側に配置されている第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201は、いずれも、第一カートリッジヘッダ220aを上側に向け、第二カートリッジヘッダ220bを下側に向けて配置されている。第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201は、圧力容器10の胴部11の内面に固定されているサーポート(不図示)により支持されている。また、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201も、圧力容器10の胴部11の内面に固定されているサーポート(不図示)により支持されている。
燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340は、いずれも、第一カートリッジ群200a及び第二カートリッジ群200bの共有配管311,321,331,341と、各共有配管311,321,331,341から分岐した第一カートリッジ群200a用の配管と、第二カートリッジ群200b用の配管とを有している。燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管311,321,331,341は、いずれも、圧力容器10の上部鏡部12から配管集中空間Sを通って下方に延びている。よって、燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340中の共有配管は、いずれも、カートリッジ201の長手方向Dcに延びる長手方向延在部を成す。
燃料ガス供給配管310中の共有配管311は、図5及び図6に示すように、圧力容器10の上部鏡部12から下方へ第一カートリッジ群200aの上端近くまで延びている。燃料ガス供給配管310中の第一カートリッジ群200a用の配管は、第一カートリッジ群本配管312aと第一カートリッジ群ヘッダ配管313aと分岐管314aとを有している。第一カートリッジ群本配管312aは、共有配管311の下端部から容器軸方向Dvとは垂直な容器径方向Drに延びている。第一カートリッジ群ヘッダ配管313aは、第一カートリッジ群本配管312aの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管314aは、第一カートリッジ群ヘッダ配管313aから分岐して、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の各第一カートリッジヘッダ220aに接続されている。各分岐管314bは、第一カートリッジヘッダ220a内の燃料ガス供給室217(図3)と連通している。
燃料ガス供給配管310中の第二カートリッジ群200b用の配管は、図5に示すように、第二カートリッジ群本配管312bと第二カートリッジ群ヘッダ配管313bと分岐管314bとを有している。第二カートリッジ群本配管312bは、共有配管311の下端部から下方に延びた後に容器径方向Drに延びている。この第二カートリッジ群本配管312b中で下方の延びる部分は、配管集中空間S内でカートリッジ201の長手方向Dcに延びる長手方向延在部を成す。第二カートリッジ群ヘッダ配管313bは、第二カートリッジ群本配管312bの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管314bは、第二カートリッジ群ヘッダ配管313bから分岐して、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の各第一カートリッジヘッダ220aに接続されている。各分岐管314aは、第一カートリッジヘッダ220a内の燃料ガス供給室217(図3)と連通している。
燃料ガス排出配管320中の共有配管321は、圧力容器10の上部鏡部12から第一カートリッジ群と第二カートリッジ群との間の位置まで延びている。燃料ガス排出配管320中の第一カートリッジ群200a用の配管は、第一カートリッジ群本配管322aと第一カートリッジ群ヘッダ配管323aと分岐管324aとを有している。第一カートリッジ群本配管322aは、共有配管321の下端部から容器径方向Drに延びている。第一カートリッジ群ヘッダ配管323aは、第一カートリッジ群本配管322aの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管324aは、第一カートリッジ群ヘッダ配管323aから分岐して、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の各第二カートリッジヘッダ220bに接続されている。この分岐管324aは、第二カートリッジヘッダ220b内の燃料ガス排出室219(図3)と連通している。
燃料ガス排出配管320中の第二カートリッジ群200b用の配管は、第二カートリッジ群本配管322bと第二カートリッジ群ヘッダ配管323bと分岐管324bとを有している。第二カートリッジ群本配管322bは、共有配管321の下端部から下方に延びた後に容器径方向Drに延びている。この第二カートリッジ群本配管322bで下方の延びる部分は、配管集中空間S内でカートリッジ201の長手方向Dcに延びる長手方向延在部を成す。第二カートリッジ群ヘッダ配管323bは、第二カートリッジ群本配管322bの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管324bは、第二カートリッジ群ヘッダ配管323bから分岐して、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の各第二カートリッジヘッダ220bに接続されている。この分岐管324bは、第二カートリッジヘッダ220b内の燃料ガス排出室219(図3)と連通している。
酸化剤ガス供給配管330中の共有配管331は、圧力容器10の上部鏡部12から第一カートリッジ群と第二カートリッジ群との間の位置まで延びている。酸化剤ガス供給配管330中の第一カートリッジ群200a用の配管は、第一カートリッジ群本配管332aと第一カートリッジ群ヘッダ配管333aと分岐管334aと、を有している。第一カートリッジ群本配管332aは、共有配管331の下端部から容器径方向Drに延びている。第一カートリッジ群ヘッダ配管333aは、第一カートリッジ群本配管332aの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管334aは、第一カートリッジ群ヘッダ配管333aから第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の各第二カートリッジヘッダ220bに接続されている。この分岐管334aは、第二カートリッジヘッダ220b内の酸化剤ガス供給室216(図3)と連通している。
酸化剤ガス供給配管330中の第二カートリッジ群200b用の配管は、第二カートリッジ群本配管332bと第二カートリッジ群ヘッダ配管333bと分岐管334bとを有している。第二カートリッジ群本配管332bは、共有配管331の下端部から下方に延びた後に容器径方向Drに延びている。第二カートリッジ群本配管332b中で下方の延びる部分は、配管集中空間S内でカートリッジ201の長手方向Dcに延びる長手方向延在部を成す。第二カートリッジ群ヘッダ配管333bは、第二カートリッジ群本配管332bの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管334bは、第二カートリッジ群ヘッダ配管333bから第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の各第二カートリッジヘッダ220bに接続されている。この分岐管334bは、第二カートリッジヘッダ220b内の酸化剤ガス供給室216(図3)と連通している。
酸化剤ガス排出配管340中の共有配管341は、図5及び図6に示すように、圧力容器10の上部鏡部12から第一カートリッジ群200aの上端近くまで延びている。酸化剤ガス排出配管340中の第一カートリッジ群200a用の配管は、第一カートリッジ群本配管342aと第一カートリッジ群ヘッダ配管343aと分岐管344aとを有している。第一カートリッジ群本配管342aは、共有配管341の下端部から容器径方向Drに延びている。第一カートリッジ群ヘッダ配管343aは、第一カートリッジ群本配管342aの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管344aは、第一カートリッジ群ヘッダ配管343aから分岐して、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の各第一カートリッジヘッダ220aに接続されている。この分岐管344aは、第一カートリッジヘッダ220a内の酸化剤ガス排出室218(図3)と連通している。
酸化剤ガス排出配管340中の第二カートリッジ群200b用の配管は、図5に示すように、第二カートリッジ群本配管342bと第二カートリッジ群ヘッダ配管343bと分岐管344bとを有している。第二カートリッジ群本配管342bは、共有配管341の下端部から下方に延びた後に容器径方向Drに延びている。この第二カートリッジ群本配管342b中で下方の延びる部分は、配管集中空間S内でカートリッジ201の長手方向Dcに延びる長手方向延在部を成す。第二カートリッジ群ヘッダ配管343bは、第二カートリッジ群本配管342bの容器径方向Drの端部に接続され、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成している。分岐管344bは、第二カートリッジ群ヘッダ配管343bから分岐して、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の各第一カートリッジヘッダ220aに接続されている。この分岐管344bは、第一カートリッジヘッダ220a内の酸化剤ガス排出室218(図3)と連通している。
燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340で、配管集中空間S中に存在する長手方向延在部360は、図5に示すように、連結部材であるブラケット370で相互に接続されている。ブラケット370としては、容器軸方向Dbにおいて、第一カートリッジ群200aの第一カートリッジヘッダ220aの位置で、各配管の長手方向延在部361相互を連結する第一ブラケット371と、第一カートリッジ群200aの第二カートリッジヘッダ220bの位置で、各配管の長手方向延在部362相互を連結する第二ブラケット372と、第二カートリッジ群200bの第一カートリッジヘッダ220aの位置で、各配管の長手方向延在部363相互を連結する第三ブラケット373と、第二カートリッジ群200bの第二カートリッジヘッダ220bの位置で、各配管の長手方向延在部364相互を連結する第四ブラケット374とがある。
第一ブラケット371及び第二ブラケット372は、いずれも、長手方向延在部である、燃料ガス供給配管310中の第二カートリッジ群本配管312bと、燃料ガス排出配管320中の共有配管321と、酸化剤ガス供給配管330中の共有配管331と、酸化剤ガス排出配管340中の第二カートリッジ群本配管342bとを相互に連結する。第一ブラケット371は、第一カートリッジ群200aの第一カートリッジヘッダ220aに固定されている。また、第二ブラケット372は、第一カートリッジ群200aの第二カートリッジヘッダ220bに固定されている。
第三ブラケット373及び第四ブラケット374は、いずれも、長手方向延在部である、燃料ガス排出配管320中の第二カートリッジ群本配管322bと、酸化剤ガス供給配管330中の第二カートリッジ群本配管332bとを相互に連結する。第三ブラケット373は、第二カートリッジ群200bの第一カートリッジヘッダ220aに固定されている。また、第四ブラケット374は、第二カートリッジ群200bの第二カートリッジヘッダ220bに固定されている。なお、各ブラケット371〜374は、圧力容器10の胴部11の内面に固定されていてもよい。
熱交換器400としては、図1に示すように、燃料ガスF1と排燃料ガスF2とを熱交換させる燃料ガス予熱器401と、酸化剤ガスO1と排酸化剤ガスO2とを熱交換させる酸化剤ガス予熱器402とがある。燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402は、いずれも、圧力容器10内に配置されている。燃料ガス予熱器401は、燃料ガス供給配管310中の共有配管311内を流れる燃料ガスF1と燃料ガス排出配管320中の共有配管321内を流れる排燃料ガスF2とを熱交換させて、燃料ガスF1を加熱する。また、酸化剤ガス予熱器402は、酸化剤ガス供給配管330中の共有配管331内を流れる酸化剤ガスO1と酸化剤ガス排出配管340中の共有配管341内を流れる排酸化剤ガスガスO2とを熱交換させて、酸化剤ガスO1を加熱する。
燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402は、いずれも、二重管式熱交換器である。但し、燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402は、多管式熱交換器であってもよい。
燃料ガス供給源1からの燃料ガスF1は、燃料ガス予熱器401を通ることで、高温の排燃料ガスF2により加熱されてから、各カートリッジ201に流入する。また、酸化剤ガス供給源2からの酸化剤ガスO1は、酸化剤ガス予熱器402を通ることで、高温の排酸化剤ガスO2により加熱されてから、各カートリッジ201に流入する。
次に、以上で説明した燃料電池モジュールMの製造手順について、図7を用いて説明する。
まず、以上で説明した複数のカートリッジ201、各種配管300、断熱材15、圧力容器10をそれぞれ製造する。
次に、図7(a)に示すように、各種配管300のうちで、カートリッジ201の長手方向Dcに延びる長手方向延在部360を集めて束とし、各種配管300の長手方向延在部360相互をブラケット370で連結し、各種配管300の長手方向延在部360の束をユニット化する。そして、ユニット化した各種配管300の長手方向延在部360の束を所定位置Pに配置する。以上で配管配置工程が終了する。なお、この配管配置工程では、各種配管300の全ての部分を配置する必要はなく、例えば、各種配管300の長手方向延在部360のみを配置し、他の部分を後述の配管接続工程で配置及び接続してもよし、各種配管300の各種分岐管を除く部分を配置し、各種分岐管を後述の配管接続工程で配置及び接続してもよい。
次に、図7(b)に示すように、所定位置Pに配置された各種配管300の長手方向延在部360の束の周りに複数のカートリッジ201を配置する(カートリッジ配置工程)。カートリッジ配置工程が終了すると、各種配管300と複数のカートリッジ201とを接続すると共に、ブラケット370の端をカートリッジ201に固定する(配管接続工程)。
次に、図7(c)に示すように、長手方向延在部360の束を基準として、長手方向延在部360の束の周りに配置されている複数のカートリッジ201の外側に断熱材15を配置する(断熱材配置工程)。
次に、所定位置に配置された各種配管300、この回りに配置された複数のカートリッジ201、及びさらにその外側に配置された断熱材15をまとめて、圧力容器10内に収める(容器内収納工程)。この際、圧力容器10は、胴部11と2つの鏡部12(図1)とは接続されておらず、各種配管300、複数のカートリッジ201及び断熱材15が胴部11内に収めてから、この胴部の両端に鏡部12を接続する。
なお、各種熱交換器400は、各種配管300を製造した段階で、この各種配管300に接続してもよいし、配管接続工程、容器内収納工程等で各種配管300に接続してもよい。また、ここでは、各種配管300、複数のカートリッジ201、及び断熱材15をまとめて、圧力容器10内に収めるが、例えば、これらを個別に圧力容器10内に収めつつ、これらを圧力容器10内の特定の位置に配置するようにしてもよい。また、以上の配管配置工程、カートリッジ配置工程、配管接続工程を終了した段階で、各種配管300、複数のカートリッジ201を圧力容器10内に収め、その後、断熱材15を圧力容器10内に収めつつ、断熱材配置工程を実行してもよい。すなわち、配管配置工程、カートリッジ配置工程、配管接続工程をこの順序に実行するのであれば、他の工程は基本的にいかなるタイミングで実行してもよい。
以上のように、本実施形態では、周方向に並んで配置されている複数のカートリッジ201で構成されるカートリッジ群200の内周側に、各種配管300の長手方向延在部360の束を配置しているため、カートリッジ群200の外周側に、各種配管300の長手方向延在部360を周方向に配置するよりも、圧力容器10内の空間中で無駄な空間が少なくなり、圧力容器10内の空間を有効利用できる。このため、本実施形態では、燃料電池モジュールMの小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、各種配管300の長手方向延在部360の束をまとめて配置施工できる上に、各長手方向延在部360を共通のブラケット370で支持することもできる。さらに、圧力容器10の特定の箇所からの圧力容器10内の各種配管300の取り回しが単純化する。従って、圧力容器10内に配置する各種配管300の施工性を向上させることができる。しかも、各種配管300の長手方向延在部360の束をそのまま圧力容器10外に延長させることで、圧力容器10外部の各種配管の施工性も向上させることができる。
特に、本実施形態では、各種配管300の長手方向延在部360相互をブラケット370で連結し、各種配管300の長手方向延在部360の束をユニット化してから、長手方向延在部360の束を配置している。このため、本実施形態では、長手方向延在部360の束を配置する際の施工性を向上させることができる上に、各種配管300の長手方向延在部360が相互に移動しないので、その後のカートリッジ配置工程の施工性も向上させることができる。さらに、本実施形態では、各種配管300の長手方向延在部360相互を連結するブラケット370の端は、カートリッジ201に固定されるので、各種配管300とカートリッジ201とが一体化している状態で、容器内収納工程を実行でき、この容器内収納工程の施工性も向上させることができる。
また、本実施形態では、燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402を圧力容器10内に配置している。このため、燃料ガス予熱器401を圧力容器10外に配置する場合と比べて、燃料ガスF1をより高温の排酸化剤ガスO2と熱交換させることができると共に、酸化剤ガスO1をより高温の排燃料ガスF2と熱交換させることができる。したがって、本実施形態では、燃料ガスF1及び酸化剤ガスO1を効率的に予熱することができるため、燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402の小型化を図ることができる。しかも、燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402を圧力容器10内の断熱材で覆うことができるため、これらを圧力容器10外に配置し、これらを別途断熱材で覆うよりも、使用断熱材の量を少なくすることができると共に断熱材の施工コストを抑えることができる。さらに、本実施形態では、燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402を圧力容器10内に配置しているので、燃料ガス予熱器401及び酸化剤ガス予熱器402を含む全体設備の小型化を図ることもできる。
「第一変形例」
次に、本発明に係る燃料電池モジュールの一実施形態の第一変形例について、図8を参照して説明する。
本変形例の燃料電池モジュールM1は、酸化剤ガス供給配管330及び酸化剤ガス排出配管340と圧力容器10との接続位置が上記実施形態と異なっていることを除いて、上記実施形態の燃料電池モジュールMと基本的に同一である。
上記実施形態の燃料電池モジュールMでは、燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管311,321,331,341が、いずれも、圧力容器10の上部鏡部12から配管集中空間Sを通って下方に延びている。また、本変形例の燃料電池モジュールM1でも、燃料ガス供給配管310及び燃料ガス排出配管320の共有配管311,321は、上記実施形態と同様、圧力容器10の上部鏡部12から配管集中空間Sを通って下方に延びている。しかしながら、本変形例の燃料電池モジュールM1では、酸化剤ガス供給配管330及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管331,341が、圧力容器10の下部鏡部12から配管集中空間Sを通って上方に延びている。このため、本変形例では、酸化剤ガス供給配管330中の共有配管331内を流れる酸化剤ガスO1と酸化剤ガス排出配管340中の共有配管341内を流れる排酸化剤ガスO2とを熱交換させる酸化剤ガス予熱器402は、圧力容器10内で下側に配置されている第二カートリッジ群200bよりも下方に配置されている。
本変形例においても、燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の長手方向延在部360は、圧力容器10内の配管集中空間S内に配置され、この配管集中空間Sの周りに複数のカートリッジ201が配置されている。よって、本変形例でも、上記実施形態と基本的に同様の効果を得ることができる。
「第二変形例」
次に、本発明に係る燃料電池モジュールの一実施形態の第二変形例について、図9を参照して説明する。
本変形例の燃料電池モジュールM2は、燃料ガス排出配管320及び酸化剤ガス供給配管330と圧力容器10との接続位置が上記実施形態と異なっていること、及び各種熱交換器における熱交換対象が異なっていることを除いて、上記実施形態の燃料電池モジュールMと基本的に同一である。
本変形例の燃料電池モジュールM2では、燃料ガス供給配管310及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管311,341は、上記実施形態と同様、圧力容器10の上部鏡部12から配管集中空間Sを通って下方に延びている。しかしながら、本変形例の燃料電池モジュールM2では、燃料ガス排出配管320及び酸化剤ガス供給配管330の共有配管321,331が、圧力容器10の下部鏡部12から配管集中空間Sを通って上方に延びている。このため、本変形例では、燃料ガス供給配管310及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管311,341が圧力容器10内の上部で容器径方向Drで相互に隣接し、燃料ガス排出配管320及び酸化剤ガス供給配管330の共有配管321,331が圧力容器10内の下部で容器径方向Drで相互に隣接している。
本変形例の熱交換器における燃料ガス予熱器403は、圧力容器10内で上側に配置されている第一カートリッジ群200aの上方に配置されている。この燃料ガス予熱器403は、上記実施形態の燃料ガス予熱器401と異なり、圧力容器10内の上部で相互に隣接している燃料ガス供給配管310の共有配管311内を流れる燃料ガスF1と、酸化剤ガス排出配管340の共有配管341内を流れる排酸化剤ガスO2とを熱交換させる。また、本変形例の熱交換器における酸化剤ガス予熱器404は、圧力容器10内で下側に配置されている第二カートリッジ群200bの下方に配置されている。この酸化剤ガス予熱器404も、上記実施形態の酸化剤ガス予熱器402と異なり、圧力容器10内の下部で相互に隣接している燃料ガス排出配管320の共有配管321内を流れる排燃料ガスF2と、酸化剤ガス供給配管330の共有配管331内を流れる酸化剤ガスO1とを熱交換させる。
本変形例においても、燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の長手方向延在部360は圧力容器10内の配管集中空間S内に配置され、この配管集中空間Sの周りに複数のカートリッジ201が配置されている。よって、本変形例でも、上記実施形態と基本的に同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態における燃料ガス予熱器401を本変形例の燃料ガス予熱器403と同様、燃料ガス供給配管310の共有配管311内を流れる燃料ガスF1と、酸化剤ガス排出配管340の共有配管341内を流れる排酸化剤ガスO2とを熱交換させるものであってもよい。また、上記実施形態における酸化剤ガス予熱器402も本変形例の酸化剤ガス予熱器404と同様、燃料ガス排出配管320の共有配管321内を流れる排燃料ガスF2と、酸化剤ガス供給配管330の共有配管331内を流れる酸化剤ガスO1とを熱交換させるものであってもよい。
「第三変形例」
次に、本発明に係る燃料電池モジュールの一実施形態の第三変形例について、図10を参照して説明する。
本変形例の燃料電池モジュールM3は、上記実施形態と同様、圧力容器10内で上下に配置されている第一カートリッジ群200aと第二カートリッジ群200bとを備えている。但し、本変形例では、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201と、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201とは、容器軸方向Dv(上下方向)における向きが逆向きである。
具体的に、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201は、各カートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aを下側に向け、第二カートリッジヘッダ220bを上側に向けて配置されている。また、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201は、各カートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aを上側に向け、第二カートリッジヘッダ220bを下側に向けて配置されている。よって、本変形例では、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aと、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aとが、上下方向で対向している。
また、本変形例では、以上で説明したように、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201と、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201とが、容器軸方向Dvにおける向きが逆向きであるため、圧力容器10内の各種配管の取り回しや各種熱交換器の配置も、上記実施形態と異なっている。
具体的に、本変形例では、燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管311,321,331,341が、いずれも、圧力容器10の上下方向の中間部から容器径方向Drに延びている。このため、本変形例では、これらの共有配管311,321,331,341は、長手方向延在部を成さない。燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管311,321,331,341は、いずれも、配管集中空間S内で、第一カートリッジ群用の配管と第二カートリッジ群用の配管とに分岐している。本変形例では、第一カートリッジ群用の配管の部分であって配管集中空間S内でカートリッジ201の長手方向Dcに延びている部分と、第二カートリッジ群用の配管の部分であって配管集中空間S内でカートリッジ201の長手方向Dcに延びている部分とが、長手方向延在部360を成す。
本変形例では、燃料ガス供給配管310の共有配管311の一部が、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成し、第一カートリッジ群用と第二カートリッジ群用を兼ねるヘッダ配管(不図示)を成している。第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aに燃料ガスF1を供給する分岐管、及び、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aに燃料ガスF1を供給する分岐管は、このヘッダ配管から分岐している。また、本変形例では、酸化剤ガス排出配管340の共有配管341の一部が、配管集中空間S内で容器中心軸Avを中心として環状を成し、第一カートリッジ群用と第二カートリッジ群用を兼ねるヘッダ配管(不図示)を成している。第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aからの排酸化剤ガスO2が流れる分岐管、及び、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aからの排酸化剤ガスO2が流れる分岐管は、このヘッダ配管から分岐している。
本変形例においても、燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の長手方向延在部360は,圧力容器10内の配管集中空間S内に配置され、この配管集中空間Sの周りに複数のカートリッジ201が配置されている。よって、本変形例でも、上記実施形態と基本的に同様の効果を得ることができる。
また、本変形例では、燃料ガス供給配管310における第一カートリッジ群用のヘッダ配管と第二カートリッジ群用のヘッダ配管とが共有化され、酸化剤ガス排出配管340における第一カートリッジ群用のヘッダ配管と第二カートリッジ群用のヘッダ配管とが共有化されているので、燃料ガス供給配管310の配管全長及び酸化剤ガス排出配管340の配管全長を短くすることができ、各種配管の施工コストを抑えることができる。
なお、本変形例では、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aを下側に向け、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の第一カートリッジヘッダ220aを上側に向けている。しかしながら、以上とは、逆に、第一カートリッジ群200aを構成する複数のカートリッジ201の第二カートリッジヘッダ220bを下側に向け、第二カートリッジ群200bを構成する複数のカートリッジ201の第二カートリッジヘッダ220bを上側に向けてもよい。この場合、燃料ガス排出配管320における第一カートリッジ群用のヘッダ配管と第二カートリッジ群用のヘッダ配管とを供給化することが可能になり、酸化剤ガス供給配管330における第一カートリッジ群用のヘッダ配管と第二カートリッジ群用のヘッダ配管とを共有化することが可能になる。
また、本変形例では、燃料ガス供給配管310、燃料ガス排出配管320、酸化剤ガス供給配管330、及び酸化剤ガス排出配管340の共有配管311,321,331,341を、圧力容器10の上下方向の中間部から容器径方向Drに延ばしている。しかしながら、上記実施形態や以上の各変形例と同様、これらの共有配管311,321,331,341を、圧力容器10の上部から配管集中空間S内を下方に延ばしても、圧力容器10の下部から配管集中空間S内を上方に延ばしてもよい。この場合、これらの共有配管311,321,331,341は、長手方向延在部を成すことになる。
「第四変形例」
次に、本発明に係る燃料電池モジュールの一実施形態の第四変形例について、図11を参照して説明する。
上記実施形態及び以上の各変形例の燃料電池モジュールは、いずれも、圧力容器10内に、容器軸方向Dv(上下方向)に並ぶ二つのカートリッジ群200a,200bを有するものである。一方、本変形例の燃料電池モジュールM4は、圧力容器10内に、容器軸方向Dv(上下方向)に並ぶ四つのカートリッジ群200a,200b,200c,200dを有するものである。すなわち、本発明において、圧力容器10内のカートリッジ群の数は、二つに限定されるものではなく、一つでも、三つ以上でもよい。
なお、本変形例においても、上記実施形態及び以上の各変形例と同様、各種配管の長手方向延在部の束が配管収集空間S内に配置されている。
「第五変形例」
次に、本発明に係る燃料電池モジュールの一実施形態の第五変形例について、図12を参照して説明する。
上記実施形態及び以上の各変形例の燃料電池モジュールのカートリッジ201は、いずれも、円柱形状である。一方、本変形例の燃料電池モジュールM5のカートリッジ201xは、六角柱形状である。すなわち、本発明において、カートリッジの形状は、円柱形状に限定されるものではなく、六角柱形状や四角柱形状等の各柱形状であってもよい。
なお、本変形例においても、上記実施形態及び以上の各変形例と同様、各種配管300の長手方向延在部360の束が配管収集空間S内に配置され、この配管集中空間Sの周りに複数のカートリッジ201xが配置されている。
「その他の変形例」
上記実施形態及び以上の各変形例は、容器軸方向Dvが上下方向であるが、この容器軸方向Dvは他の方向、例えば、水平方向であってもよい。但し、圧力容器10内の全てのセルスタック101の長手方向が容器軸方向Dvと同じにする場合、セルスタック101の長手方向も水平方向になるため、セルスタック101は重力の影響により、その長手方向に対して垂直な方向に撓み易くなる。よって、セルスタック101の長手方向の寸法が比較的長い場合には、その長手方向に対して垂直な方向の撓みを抑えるために、容器軸方向Dvは上下方向であることが好ましい。