JP5958317B2 - 過電流検出装置及びそれを備える半導体駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、IGBT等のスイッチング素子に流れる過電流を検出する過電流検出装置及びそれを備える半導体駆動装置に関する。
例えば特許文献1には、IGBTのターンオン又はターンオフ時において、センス電流が一時的に跳ね上がることによって過電流が誤って検出されることを防止する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術では、過電流検出回路に入力されるセンス電流を迂回させて過電流検出回路への入力を阻止することによって、過電流の誤検出防止が図られている。
特開平5−276761号公報
しかしながら、上述の従来技術は、過電流検出回路に入力される電流を迂回させる時間が予め決められているため、例えば温度等の外部環境によっては、迂回させる時間が長すぎたり短すぎたりすることがある。そのため、過電流検出回路に入力される電流を適切な期間に制御できないおそれがある。
本発明は、スイッチング素子のターンオン又はターンオフが確定するまでの過渡期間にだけ、過電流検出部に入力される電流を制御できる、過電流検出装置及びそれを備える半導体駆動装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
スイッチング素子のセンス端子に接続される過電流検出部を備え、
前記過電流検出部に入力される入力電流に応じて変化する入力電圧が閾値電圧よりも大きいとき、前記スイッチング素子に流れる過電流を検出する、過電流検出装置であって、
前記スイッチング素子のゲート電流を検出するゲート電流検出部と、
前記入力電圧が前記閾値電圧を超えないように、前記ゲート電流が前記ゲート電流検出部によって検出されている期間、前記入力電流を制御する制御部とを備え
前記制御部は、前記ゲート電流の大きさに応じて前記入力電流の大きさを制御することにより、前記入力電圧の低下量を調整する、ことを特徴とする、過電流検出装置及びそれを備える半導体駆動装置を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明は、
スイッチング素子のセンス端子に接続される過電流検出部を備え、
前記センス端子から供給されて前記過電流検出部に入力される入力電流に応じて変化する入力電圧が、前記過電流検出部に入力される閾値補正電流に応じて変化する閾値電圧よりも大きいとき、前記スイッチング素子に流れる過電流を検出する、過電流検出装置であって、
前記スイッチング素子のゲート電流を検出するゲート電流検出部と、
前記入力電圧が前記閾値電圧を超えないように、前記ゲート電流が前記ゲート電流検出部によって検出されている期間、前記閾値補正電流を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ゲート電流の大きさに応じて前記閾値補正電流の大きさを制御することにより、前記閾値電圧の上昇量を調整する、ことを特徴とする、過電流検出装置及びそれを備える半導体駆動装置を提供するものである。
本発明によれば、スイッチング素子のターンオン又はターンオフが確定するまでの過渡期間にだけ、過電流検出部に入力される電流を制御できる。
一実施形態に係る半導体駆動装置の回路図 スイッチング素子のターンオン時の波形の一例 半導体駆動装置の具体例 半導体駆動装置の具体例 半導体駆動装置の具体例 半導体駆動装置の具体例 半導体駆動装置の具体例
<半導体駆動装置1の構成>
図1は、一実施形態に係る半導体駆動装置1の構成を示した回路図である。半導体駆動装置1は、集積回路によって構成されてもよいし、ディスクリート部品によって構成されてもよい。
半導体駆動装置1は、スイッチング素子10と、駆動回路30と、過電流検出装置60とを備え、スイッチング素子10を駆動及び過電流から保護する半導体回路である。スイッチング素子10は、過電流検出装置60及び/又は駆動回路30と共通の基板上の半導体素子でもよいし、過電流検出装置60及び/又は駆動回路30とは別の基板上の半導体素子でもよい。
スイッチング素子10は、電流センス機能付きの絶縁ゲート型電圧制御半導体素子であって、オンオフ動作するものである。その具体例として、IGBT,MOSFETなどのパワートランジスタ素子が挙げられる。図1には、スイッチング素子10の一例であるIGBTが図示されている。以下、説明の便宜上、スイッチング素子10がIGBTであるとして、説明する。MOSFETの場合であれば、「コレクタ」を「ドレイン」に、「エミッタ」を「ソース」に置き換えて読むとよい。
スイッチング素子10のゲート端子Gは、例えば、そのゲート端子Gに直列接続されたゲート抵抗Rgを介して、駆動回路30に接続される制御端子である。スイッチング素子10のコレクタ端子Cは、例えば、不図示の他の半導体スイッチング素子や負荷を介して、又は直接、第1の電源電位部(例えば、電源の正極等の高電位電源部)に接続される第1の主端子である。スイッチング素子10のエミッタ端子Eは、例えば、不図示の他の半導体スイッチング素子や負荷に、又は第2の電源電位部(例えば、グランド(GND)に接続される電源の負極等の低電位電源部)に接続される第2の主端子である。スイッチング素子10のセンスエミッタ端子ESは、例えば、電流検出用のセンス抵抗Rs1を介して、エミッタ端子Eと同じ低電位電源部に接続されるセンス端子である。センス抵抗Rs1は、エミッタ端子Eとセンスエミッタ端子ESとの間に挿入されている。
スイッチング素子10は、メイン素子11及びセンス素子12を含んで構成されている。メイン素子11及びセンス素子12は、IGBTで構成されたスイッチング素子である。メイン素子11及びセンス素子12のそれぞれのゲート電極は、スイッチング素子10のゲート端子Gに共通接続される制御電極である。メイン素子11及びセンス素子12のそれぞれのコレクタ電極は、スイッチング素子10のコレクタ端子Cに共通接続される第1の主電極である。メイン素子11のエミッタ電極は、スイッチング素子10のエミッタ端子Eに接続される第2の主電極である。センス素子12のエミッタ電極は、スイッチング素子10のセンスエミッタ端子ESに接続されるセンス電極である。
スイッチング素子10のコレクタ端子Cとエミッタ端子Eとの間には、ダイオードD1が構成されている。ダイオードD1は、スイッチング素子10に並列に追加接続されたダイオードでもよいし、メイン素子11のコレクタ電極とエミッタ電極との間に形成される寄生素子であるボディダイオードでもよい。逆導通IGBTのダイオード部をダイオードD1として用いることも可能である。
スイッチング素子10は、電極間に寄生容量を有している。メイン素子11とセンス素子12のそれぞれには、ゲート電極とエミッタ電極との間に寄生する入力容量と、ゲート電極とコレクタ電極との間に寄生する帰還容量と、コレクタ電極とエミッタ電極との間に寄生する出力容量とが、存在する。また、ダイオードD1にも、アノードとカソードとの間に寄生するダイオード容量Cdiが存在する。
図1には、メイン素子11及びセンス素子12の寄生容量の一部が図示されている。メイン素子11のコレクタ電極とエミッタ電極との間に寄生する出力容量Cm_oesと、センス素子12のコレクタ電極とエミッタ電極との間に寄生する出力容量Cs_oesとが図示されている。また、スイッチング素子10のゲート端子Gとコレクタ端子Cとの間に寄生する帰還容量Cresが図示されている。スイッチング素子10の帰還容量Cresは、メイン素子11のゲート電極とコレクタ電極との間に寄生する帰還容量と、センス素子12のゲート電極とコレクタ電極との間に寄生する帰還容量との和である。
駆動回路30は、外部から供給される駆動信号に従って、ゲート抵抗Rgを介して、スイッチング素子10のゲート端子Gのゲート電圧Vgを、スイッチング素子10をオン又はオフさせる電圧に制御する駆動部である。ゲート電圧Vgは、ゲート端子Gを介して、メイン素子11及びセンス素子12のそれぞれのゲート電極に印加される。メイン素子11及びセンス素子12は、ゲート電極に印加されるゲート電圧Vgの値に応じて、オン又はオフする。また、駆動回路30は、過電流検出装置60によって過電流が検出されたとき(例えば、過電流が検出されたことを表す停止信号(異常信号)が過電流検出装置60から出力されたとき)、ゲート電圧Vgを、スイッチング素子10をオフさせる電圧に制御する。
駆動回路30の具体例として、CPU等を備えるマイクロコンピュータが挙げられる。なお、駆動回路30は、マイクロコンピュータから供給される信号に従って、ゲート電圧Vgを制御する回路でもよい。
過電流検出装置60は、過電流検出回路20と、ゲート電流モニタ回路40と、センス電流調整回路50とを備えた回路である。
過電流検出回路20は、スイッチング素子10のセンスエミッタ端子ESに接続される過電流検出部として、センス抵抗Rs1を有している。過電流検出回路20は、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irに基づいて、スイッチング素子10に流れる過電流を検出する。
過電流検出回路20は、例えば、センス素子12により得られるセンス電圧Vsと、閾値電圧発生ノード23の閾値電圧Vth2とを比較して、メイン素子11のコレクタ電極とエミッタ電極との間に流れる過電流を検出する。過電流検出回路20は、過電流検出部としてのセンス抵抗Rs1と、過電流判定回路21とを備えている。
センス抵抗Rs1の一方の端部は、センスエミッタ端子ESに接続され、センス抵抗Rs1の他方の端部は、グランド等の第2の電源電位部に接続される。センス電圧Vsは、センス素子12のセンスエミッタ端子ESから供給されたセンス電流Isがセンス抵抗Rs1に入力電流Irとして流れることにより、センス抵抗Rs1の両端に発生する電位差である。
過電流判定回路21は、センスエミッタ端子ESに接続されるセンス側入力部と、閾値電圧発生ノード23に接続される閾値側入力部とを備え、過電流がメイン素子11のコレクタ電極とエミッタ電極との間に流れたことを判定する過電流判定部である。過電流判定回路21は、例えば、基準電圧源25と、コンパレータ22とを備えている。
基準電圧源25は、閾値電圧発生ノード23に接続され、一定の基準電圧Vth1を生成して出力する回路である。基準電圧源25は、例えば、基準電圧Vth1を生成する抵抗分圧回路を有するものでもよいし、二次電池を有するものでもよいし、電圧レギュレータ回路を有するものでもよい。
コンパレータ22は、センスエミッタ端子ESに発生するセンス電圧Vsと閾値電圧発生ノード23に発生する閾値電圧Vth2(図1の場合、Vth2=Vth1)とを比較する回路である。コンパレータ22は、センスエミッタ端子ESに接続されるセンス側入力部として、非反転入力端子を備え、閾値電圧発生ノード23に接続される閾値側入力部として、反転入力端子とを備える比較回路である。
過電流判定回路21は、センス電圧Vsが閾値電圧Vth2よりも小さいとき、メイン素子11に過電流が流れていないと判定し、過電流が検出されてないことを表す正常信号を出力する。一方、過電流判定回路21は、センス電圧Vsが閾値電圧Vth2よりも大きいとき、メイン素子11に過電流が流れていると判定し、過電流が検出されたことを表す過電流検出信号(停止信号)を出力する。
コンパレータ22は、例えば、センス電圧Vsが閾値電圧Vth2よりも小さいとき、ローレベルの正常信号を出力し、センス電圧Vsが閾値電圧Vth2よりも大きいとき、ハイレベルの過電流検出信号(停止信号)を出力する。
駆動回路30は、過電流検出信号(停止信号)が過電流判定回路21から出力されたとき、ゲート電圧Vgを、メイン素子11及びセンス素子12をオフさせる電圧に強制的に制御する。これにより、スイッチング素子10を過電流から保護できる。
ゲート電流モニタ回路40は、スイッチング素子10のゲート端子Gに流れるゲート電流Igを検出するゲート電流検出部である。ゲート電流モニタ回路40は、例えば、ゲート抵抗Rg及びゲート端子Gを介してメイン素子11及びセンス素子12のゲート電極に向けて供給される充電電流をゲート電流Igとしてモニタし、ゲート電流Igが流れているか否かを検出する。ゲート電流モニタ回路40は、例えば、零よりも大きな所定の電流値以上のゲート電流Igが流れていることが検出されている期間、ゲート電流検出信号を出力する。また、ゲート電流モニタ回路40は、ゲート電流Igが流れていないことが検出されている期間(ゲート電流Igが流れていることが検出されていない期間)、ゲート電流検出信号の出力を停止する。
センス電流調整回路50は、過電流が過電流検出回路20によって検出されないように、ゲート電流Igがゲート電流モニタ回路40によって検出されている期間、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irを制御する制御部である。
このように、過電流検出装置60は、ゲート電流Igが流れていることをモニタして、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irを制御するため、入力電流Irを制御する期間を、ゲート電流Igが検出されている期間に限ることができる。ゲート電流Igが検出されている期間は、スイッチング素子10のターンオン又はターンオフが確定するまでの過渡期間に含まれる。そのため、過電流検出装置60は、過電流が過電流検出回路20によって検出されないように、スイッチング素子10のターンオン又はターンオフが確定するまでの過渡期間にだけ、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irを制御できる。したがって、センス電流Isがそのような過渡期間に一時的に変動しても、過電流が過電流検出部20によって誤って検出されることを確実に防止できる。
センス電流調整回路50は、例えば、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irを、過電流が過電流検出回路20によって検出されない大きさに制御する。これにより、過電流検出装置60は、過電流が過電流検出回路20によって検出されないように、スイッチング素子10のターンオン又はターンオフが確定するまでの過渡期間にだけ、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irの大きさを制御できる。入力電流Irの大きさを制御することにより、センス電圧Vsの大きさを調整できる。
センス電流調整回路50は、例えば、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irの大きさを調整する調整電流を、ゲート電流Igがゲート電流モニタ回路40によって検出されている検出期間に生成する。図1の場合、センス電流調整回路50は、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irの大きさを調整する調整電流として、調整電流Is'を生成する。
スイッチング素子10がターンオンする際、スイッチング素子10のメイン素子11及びセンス素子12のゲート電極に電荷が充電される。このとき、ゲート電流Igが流れるため、ゲート電流モニタ回路40は、ゲート電流Igをモニタできる。センス電流調整回路50は、例えば、過電流が過電流検出回路20によって検出されないように、ゲート電流モニタ回路40によって検出されたゲート電流Igの大きさに応じて決められた大きさの調整電流Is'をセンスエミッタ端子ESから引き抜く。センス電流調整回路50は、ゲート電流Igが検出されている期間に限り、センスエミッタ端子ESから調整電流Is'を引き抜く。Is≒Ir+Is'なので、センスエミッタ端子ESから調整電流Is'の引き抜き量を大きくすることによって、入力電流Irの大きさを小さくし、センス電圧Vsの電圧値を小さくできる。
そして、スイッチング素子10のターンオン又はターンオフが確定し、ゲート電圧Vgやコレクタ電圧Vcの安定期(時間的な電圧変化がない状態)では、ゲート電流Igはゲート電流モニタ回路40によって検出されない。そのため、センス電流調整回路50は、ゲート電流Igがゲート電流モニタ回路40によって検出されていない期間に、調整電流Is'による入力電流Irの調整を停止させることができる。これにより、ターンオン又はターンオフが確定した安定期では、調整電流Is'によって補正されてない通常の入力電流Ir又はセンス電圧Vsに基づいて、過電流の検出モニタを実施できる。
したがって、例えば図2に示されるように、ターンオン時にセンス電流Isが一時的に跳ね上がると(期間t2−t6参照)、調整電流Is'による調整が無ければ、センス電流Isに比例する大きさのセンス電圧Vsが一時的に跳ね上がる(期間t2−t6の波形a参照)。これにより、センス電圧Vsが閾値電圧Vth2を超えた場合、過電流の誤検出が発生してしまう。
これに対し、例えば、センスエミッタ端子ESから補正電流Is'を引き抜く調整が行われることによって、センス電圧Vsは、センス電流Isから補正電流Is'を引いた差に比例した大きさまで、一時的に低下する(期間t2−t6の波形b参照)。この差が、入力電流Irに相当する。これにより、ターンオン時にセンス電流Isが一時的に跳ね上がっても、センス電圧Vsが閾値電圧Vth2を超えないため、過電流が誤って検出されることを防止できる。また、ターンオンの過渡期間のみにセンス電圧Vsが低下し、ターンオン又はターンオフの過渡期間後の安定期には、センス電圧Vsは低下しないため、安定期での過電流の検出遅れを防止できる。
<補正電流Is'の大きさ>
図2は、スイッチング素子10が駆動回路30によってターンオンする過程の波形である。スイッチング素子10のターンオン時のミラー期間(ゲート電圧Vgが一時的にフラットになる状態)では、ゲート電流Igは、ゲート端子Gからコレクタ端子Cに流れ、コレクタ電流Icの増加電流分になる。また、スイッチング素子10のターンオン時にコレクタ電圧Vcが低下する。これにより、スイッチング素子10の出力容量Cresやスイッチング素子10に並列接続されたダイオードD1のダイオード容量Cdiの放電も起こるため、その放電電流がコレクタ電流Icの増加電流分となる。
したがって、ターンオン時のコレクタ電流Icは負荷電流ILよりも多い。センス電圧Vsにも、これらの寄生容量による増加電流分の上昇がある。
そこで、過電流検出装置60は、図2に示されるように、スイッチング素子10のターンオン時に、センス電圧Vsを一時的に低下させることによって、過電流の誤検出を防止する。このセンス電圧Vsの低下量は、調整電流Is'の大きさを調整することによって、決めることができる。
ここで、
Im_oes:メイン素子11の出力容量Cm_oesに流れる出力容量電流
Is_oes:センス素子12の出力容量Cs_oesに流れる出力容量電流
Idi:ダイオードD1のダイオード容量Cdiに流れるダイオード容量電流
Ig:ゲート電流
n:センス比(過渡期間のセンス比は、安定期間に比べ小さい)
とする。センス比nは、メイン素子11とセンス素子12のサイズ比に相当する。
例えば、Is' = ( Im_oes + Is_oes + Idi + Ig) / nに調整すると、調整電流Is'の大きさを、センス電流Isの一時的な上昇量とほぼ等しくすることができる。調整電流Is'の大きさをこのように調整することによって、センス電流Isが一時的に跳ね上がっても、過電流が誤って検出されることを防止できる。
また、例えば、Is' > ( Im_oes + Is_oes + Idi + Ig ) / nに調整すると、調整電流Is'の大きさを、センス電流Isの一時的な上昇量よりも大きくすることができる。調整電流Is'の大きさをこのように調整することによって、センス電流Isが一時的に跳ね上がっても、過電流が誤って検出されることを防止できる。特に、この場合、調整電流Is'の大きさとセンス電流Isの大きさとの差を更に大きくできるため、過電流が誤って検出されることを更に効果的に防止できる。
つまり、調整電流Is'が、出力容量Cm_oesに流れる電流の大きさと、出力容量Cs_oesに流れる電流の大きさと、ダイオード容量Cdiに流れる電流Idiの大きさと、ゲート電流Igの大きさの和をnで割って得られた大きさ以上であるとよい。これにより、センス電流Isが一時的に跳ね上がっても、過電流が検出されることを効果的に防止できる。
また、例えば、調整電流Is'の大きさが、センス電圧Vsを閾値電圧Vth2よりも低くする値であれば、Is' < ( Im_oes + Is_oes + Idi + Ig ) / nに調整してもよい。調整電流Is'の大きさをこのように調整することによっても、センス電流Isが一時的に跳ね上がっても、過電流が誤って検出されることを防止できる。
なお、数式の表記の便宜上、調整電流Is'の大きさをIs'とし、出力容量電流Im_oesの大きさをIm_oesとし、出力容量電流Is_oesの大きさをIs_oesとし、ダイオード容量電流Idiの大きさをIdiとし、ゲート電流Igの大きさをIgとする。
このように、ターンオン時に、センス電圧Vsが調整電流Is'によって一時的に低下するため、センス電圧Vsの一時的な跳ね上がりによる誤検出を防止できる。
<ターンオン時の一動作例>
次に、図1及び図2を参照して、ターンオン時の一動作例について説明する。
スイッチング素子10には、メイン素子11及びセンス素子12ともに、帰還容量及び出力容量が存在する。また、ダイオードD1にも容量が存在する。これらの容量により、ターンオン時の過渡期において、センス電圧Vsが一時的に増加する。よって、本動作例では、センス電流Isが一時的に増加する分と同等又はそれ以上の電流をセンスエミッタ端子ESから引き抜くことで、ターンオン時にセンス電圧Vsの跳ね上がりを抑制し、過電流の誤検出の防止を図る。
(1)駆動回路30がハイレベル信号を出力し、スイッチング素子10のメイン素子11及びセンス素子12のそれぞれのゲート電極の充電が開始する。これにより、スイッチング素子10のゲート電圧Vgが上昇する(図2の期間t1−t2)。また、このゲート電極の充電を開始した時のゲート電流Igは、ゲート端子Gからコレクタ端子Cに帰還容量Cresを介して流れる。ゲート電流Igは、「 Ig = dVgc/dt × Cres 」と表すことができる。この時のdVgc/dtは、主にゲート電圧Vgが上昇することに起因する。
(2)ゲート電圧Vgがスイッチング素子10のゲート閾値電圧を超えると、スイッチング素子10がオンする(メイン素子11及びセンス素子12がオンする)。これにより、負荷電流IL及びコレクタ電流Icが流れ始め、コレクタ電圧Vcが低下を始める。
(3)このとき、スイッチング素子10のコレクタ端子Cに流れる負荷電流ILは、スイッチング素子10の対向アーム(スイッチング素子)のコレクタ‐エミッタ間のダイオードのリカバリー電流によって一時的に上昇する(図2の期間t2−t3)。期間t2−t3のときのIsは、
Is = ( IL(リカバリー電流含む) + Ig(一定) ) / n
と表すことができる。
(4)コレクタ電圧Vcが十分低下し、スイッチング素子10の帰還容量Cres(メイン素子11の帰還容量Cm_res+センス素子12の帰還容量Cs_res)の充電が終わるまで、ゲート電圧Vgは一定である(図2の期間t2−t5(ミラー期間))。
(5)ミラー期間中は、ゲート端子Gからコレクタ端子Cに帰還容量Cresを介して電流が流れる。ゲート電流Igは、
Ig = dVgc/dt × Cres
と表すことができる。この時のdVgc/dtは、主にコレクタ電圧Vcが低下することに起因する。
(6)ミラー期間中の前半期間t3−t4は、コレクタ電圧Vcが大きく低下する。このとき、メイン素子11の出力容量Cm_oesとセンス素子12の出力容量Cs_oesとダイオードD1のダイオード容量Cdiに蓄積された電荷が放電されるため、出力容量Cm_oesと出力容量Cs_oesとダイオード容量Cdiには、
Im_oes = dVce/dt × Cm_oes
Is_oes = dVcs/dt× Cs_oes
Idi = dVce/dt × Cdi
によって表される放電電流が流れる。期間t3−t4のときのIsは、
Is = ( IL + Ig(一定) + Im_oes(一定) + Is_oes(一定) + Idi(一定) ) / n
と表すことができる。
(7)また、ミラー期間中の後半期間t4−t5は、コレクタ電圧Vcが十分低下していて、電圧変化は小さい。このとき、出力容量Cm_oesと出力容量Cs_oesとダイオード容量Cdiには、電荷がほとんど蓄積されてなく、放電電流は少ない。期間t4−t5のときのIsは、
Is = ( IL + Ig(一定) + Im_oes(減少中) + Is_oes(減少中) + Idi(減少中) ) / n
と表すことができる。
(8)このように、ミラー期間中のコレクタ電流Icには、負荷電流ILの他に、出力容量電流Im_oes、出力容量電流Is_oes、ダイオード容量電流Idi、ゲート電流Igが含まれている。したがって、スイッチング素子10に流れる全コレクタ電流Icは、
Ic = ( IL + Ig + Im_oes + Is_oes + Idi )
となる。メイン素子11に対するセンス素子12のセンス電流比をnとすれば、センス電流Isは、
Is = ( IL + Ig + Im_oes + Is_oes + Idi ) / n
となる。よって、ミラー期間中のセンス電流Isの増加分ΔIsは、
ΔIs = ( Ig + Im_oes + Is_oes + Idi ) / n
となる。つまり、このΔIsをセンスエミッタ端子ESから引き抜くことによって、センス電圧Vsの一時的な上昇を抑えることができる。また、ゲート電流Igはミラー期間中に常時流れる。Im_oes、Is_oes、Idiは、ミラー期間の前半に多く流れる。ミラー期間の後半はコレクタ電圧Vcが小さいため、出力容量Coes及びダイオード容量Cdiの影響は小さいが、コレクタ電圧Vcが小さいと、帰還容量Cresは大きくなる。帰還容量Cresが増加する分、ミラー期間は延びる。
(9)ゲート電流モニタ回路40により、ゲート電流Igの大きさが検出できる。
(10)センス電流調整回路50は、センスエミッタ端子ESから調整電流Is'を引き抜く。この調整電流Is'は、例えば、ゲート電流Is'に比例させる。また、ΔIsと同等以上とする。この調整に使う比例定数をmとすると、Is' = m × Igと定義できる。よって、このmの値を、
m × Ig ≧ ΔIs = ( Ig + Im_oes + Is_oes + Idi ) / n
を満たすように決定することによって、入力電流Irの抑制が可能である。これにより、過電流の誤検出を防止できる。なお、センス比nは、過渡的に変化するため、過渡期間内の時間応じてmを適合(調整)することにより、過電流の誤検出防止効果が一層高まる。
(11)ミラー期間が終わると、出力容量Coesとダイオード容量Cdiの放電が終わる(期間t5−t6参照)。期間t5−t6のときのIsは、
Is = ( IL + Ig(減少中) ) / n
と表すことができる。そして、ゲート電流が最終的に無くなると、Is'=0となる(期間t6以降の安定期)。期間t6以降の安定期のIsは、
Is = IL / n
と表すことができる。
図3は、図1の半導体駆動装置1の第1の具体例である半導体駆動装置100の回路図である。半導体駆動装置100は、駆動回路31と、過電流検出回路20と、ゲート電流モニタ回路41と、センス電流調整回路50とを備えている。
駆動回路31は、スイッチング素子10を駆動する駆動部である。駆動回路31は、ゲート電圧Vgの電圧フィードバックによって、ゲート電流Igを流す期間を制御する。駆動回路31は、ゲート電流Igを流す期間を制御する制御信号を出力する出力端子を有するオペアンプ32と、オペアンプ32の出力端子にゲートが接続されるPチャネル型の出力MOSトランジスタM1とを有している。出力MOSトランジスタM1は、ソースが電源の正極等の電源電位部に接続され、ドレインが、オペアンプ32の非反転入力端子に接続されるとともにゲート抵抗Rgを介してゲート端子Gに接続される。
過電流検出回路20は、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irに応じて変化する入力電圧であるセンス電圧Vsと、閾値電圧Vth2とを比較して、過電流を検出する過電流判定回路21を有している。
ゲート電流モニタ回路41は、ゲート電流Igを流す期間を制御する制御信号に基づいて、スイッチング素子10のゲート電流Igを検出するゲート電流検出部である。ゲート電流モニタ回路41は、ゲート及びソースが出力MOSトランジスタM1に共通接続されるPチャネル型のMOSトランジスタM2を有している。出力MOSトランジスタM2のゲートは、オペアンプ32の出力端子に接続されている。
センス電流調整回路50は、過電流が過電流検出回路20によって検出されないように、ゲート電流Igがゲート電流モニタ回路41によって検出されている期間、センス抵抗Rs1に入力される入力電流Irを制御する制御部である。センス電流調整回路50は、調整電流Irの調整により入力電流Irの大きさを制御することによって、センス電圧Vsの大きさを調整する。
センス電流調整回路50は、センス電流引き抜き調整回路51及びセンス電流引き抜き回路52を有している。センス電流引き抜き調整回路51は、ゲート電流モニタ回路41のMOSトランジスタM2のドレインにドレインが接続されるMOSトランジスタM3を有している。センス電流引き抜き回路52は、MOSトランジスタM3にカレントミラー接続されるMOSトランジスタM4を有している。MOSトランジスタM4のドレインは、センスエミッタ端子ESに接続される。
次に、半導体駆動装置100の動作について説明する。
駆動回路31は、オペアンプ32の反転入力端子に入力されるハイレベルの駆動信号に基づいて、出力MOSトランジスタM1をオンする。出力MOSトランジスタM1がオンすると、ゲート電圧Vgが上昇し、スイッチング素子10がオンする。このとき、センス電流Isの上昇に伴って、センス電圧Vsが上昇しようとする。
一方、MOSトランジスタM2も、出力MOSトランジスタM1のオンと同時にオンする。MOSトランジスタM2にモニタ電流I(M2)が流れる期間、MOSトランジスタM3,M4もオンする。MOSトランジスタM4がオンしている期間に限り、センスエミッタ端子ESから調整電流Is'を吸い込む。MOSトランジスタM3,M4によって構成されるカレントミラーのカレンとミラー比が、上記の比例定数mに相当する。これにより、ターンオンの過渡期間に、センス電圧Vsが閾値電圧Vth2を超えないように、センス電圧Vsの安定化を図ることができる。
そして、ミラー期間が終わると、ゲート電圧Vgが再び上昇を開始する。出力MOSトランジスタM1のドレイン電圧(スイッチング素子10のゲート電圧Vg)が安定すると、ゲート電流Igは流れなくなる。そうなると、スイッチング素子10のオン状態はオペアンプ32のイマジナリーショートにより維持されつつ、オペアンプ32の出力端子がハイレベルになるので、出力MOSトランジスタM1及びMOSトランジスタM2はオフする。MOSトランジスタM2のオフにより、MOSトランジスタM3,M4もオフする。
このように、ターンオンの過渡期間のみにMOSトランジスタM4が機能し、ターンオン時のセンス電圧Vsの安定化が可能となる。
図4は、図1の半導体駆動装置1の第2の具体例である半導体駆動装置200の回路図である。半導体駆動装置200は、図3の半導体駆動装置100のIGBTをNチャネル型のMOSFETに置換したものである。スイッチング素子70は、メイン素子71及びセンス素子72を含んで構成されている。メイン素子71は、出力容量Cm_oes及び帰還容量Cm_rssを有し、センス素子72は、出力容量Cs_oes及び帰還容量Cs_rssを有している。半導体駆動装置200の動作説明については、半導体駆動装置100と同様のため省略する。
図5は、図1の半導体駆動装置1の第3の具体例である半導体駆動装置300の回路図である。半導体駆動装置300は、図3の半導体駆動装置100に対して、モニタ電流調整回路53を追加したものである。モニタ電流調整回路53は、ゲート電流モニタ回路41のMOSトランジスタM2に流れるモニタ電流を調整する回路である。
半導体駆動装置300のミラー期間までの動作説明は、半導体駆動装置100と同様のため省略する。
ミラー期間が終わると、ゲート電圧Vgが再び上昇を開始する。出力MOSトランジスタM1のドレイン電圧(スイッチング素子10のゲート電圧Vg)が安定すると、ゲート電流Igはほとんど無くなる。しかし、このとき、ゲート駆動回路31のオペアンプ32は、ゲート電圧Vgの定電圧制御の安定化のため、出力MOSトランジスタM1に、ある程度の電流が流れるようにオン制御する。したがって、ゲート電流モニタ回路41のMOSトランジスタM2もオンし、モニタ電流I(M2)が流れ続ける。
ミラー期間後のスイッチング素子10のオン安定期に、MOSトランジスタM2のモニタ電流I(M2)によりMOSトランジスタM3,M4がオンしないように、モニタ電流調整回路53は、MOSトランジスタM2に流れるモニタ電流I(M2)を引き込む。モニタ電流調整回路53は、このような引き込み回路として、例えば、電流源54を有している。
なお、ターンオンの過渡期間では、モニタ電流調整回路53が引き込む電流よりもMOSトランジスタM2が流す電流のほうが大きいため、MOSトランジスタM3,M4はオン可能である。これにより、ミラー期間終了後の安定期に、MOSトランジスタM3,M4をオフさせることができる。
このように、ターンオンの過渡期間のみにMOSトランジスタM4が機能し、ターンオン時のセンス電圧Vsの安定化が可能となる。
図6は、図1の半導体駆動装置1の第4の具体例である半導体駆動装置400の回路図である。半導体駆動装置400は、図3の半導体駆動装置100の駆動回路31及びゲート電流モニタ回路41を、駆動回路33及びゲート電流モニタ回路42に置換したものである。
駆動回路33は、ハイレベルの駆動信号に基づいて、出力MOSトランジスタM1をオンし、ローレベルの駆動信号に基づいて、出力MOSトランジスタM1をオフするオンオフ回路である。ゲート電流モニタ回路42は、出力MOSトランジスタM1のドレインが接続されるカレントミラーを構成するMOSトランジスタM2-1,M2-2を有している。
出力MOSトランジスタM1がオンすると、出力MOSトランジスタM1のドレイン電圧(MOSトランジスタM2-1,M2-2のソース電圧)が上昇し、MOSトランジスタM2-1,M2-2がオンする。MOSトランジスタM2-1がオンすると、ゲート電圧Vgが上昇し、スイッチング素子10がオンする。このとき、センス電流Isの上昇に伴って、センス電圧Vsが上昇しようとする。一方、MOSトランジスタM2-2も、MOSトランジスタM2-1のオンと同時にオンする。MOSトランジスタM2-2にモニタ電流I(M2)が流れる期間、MOSトランジスタM3,M4もオンする。これ以降の動作説明は、上述の動作説明と同様のため、省略する。
図7は、一実施形態に係る半導体駆動装置500の回路図である。上述の実施形態と同様の構成についての説明は省略する。半導体駆動装置500は、スイッチング素子10と、駆動回路31と、過電流検出装置61とを有している。過電流検出装置61は、過電流検出回路26と、ゲート電流モニタ回路41とを有する回路である。
過電流検出回路26は、スイッチング素子10のセンスエミッタ端子ESに接続される過電流検出部である。過電流検出回路26は、過電流検出回路26に入力される入力電流であるセンス電流Isに基づいて、スイッチング素子10に流れる過電流を検出する。
過電流検出回路26は、センス電圧Vsと閾値電圧Vth2とを比較して、過電流を検出する過電流判定回路27を有している。センス電圧Vsは、センスエミッタ端子ESから供給されて過電流検出回路20に入力されるセンス電流Isに応じて変化する電圧である。この場合、センス電流Isは、センス抵抗Rs1に流れる入力電流Irとほぼ等しい。閾値電圧Vth2は、過電流検出回路26に入力される閾値補正電流Itに応じて変化する電圧である。
ゲート電流モニタ回路41は、ゲート電流Igを流す期間を制御する制御信号に基づいて、スイッチング素子10のゲート電流Igを検出するゲート電流検出部である。さらに、ゲート電流モニタ回路41は、過電流が過電流検出回路26によって検出されないように、ゲート電流Igがゲート電流モニタ回路41によって検出されている期間、過電流検出回路26に入力される入力電流である閾値補正電流Itを制御する制御部である。ゲート電流モニタ回路41は、過電流判定回路27に入力される閾値補正電流Itの大きさを制御することによって、閾値電圧Vth2の大きさを調整する。MOSトランジスタM2のドレインは、閾値電圧発生ノード23に接続されている。
次に、半導体駆動装置500の動作について説明する。
駆動回路31は、オペアンプ32の反転入力端子に入力されるハイレベルの駆動信号に基づいて、出力MOSトランジスタM1をオンする。出力MOSトランジスタM1がオンすると、ゲート電圧Vgが上昇し、スイッチング素子10がオンする。このとき、センス電流Isの上昇に伴って、センス電圧Vsが上昇しようとする。
一方、MOSトランジスタM2も、出力MOSトランジスタM1のオンと同時にオンする。出力MOSトランジスタM1とMOSトランジスタM2のサイズ比をp:1とすると、MOSトランジスタM2のセンス電流I(M2)は、Ig/pとなる。MOSトランジスタM2にセンス電流I(M2)が流れるため、抵抗Rs2にも電流が流れる。センス電流I(M2)が、閾値補正電流Itに相当する( I(M2) = It = Ig/p )。
これにより、閾値電圧発生ノード23に発生する閾値電圧Vth2を、基準電圧源25の基準電圧「Vth1」から「Vth1+Rs2×Ig/p」に上昇させることができる。一方、ターンオンが確定するまでの過渡期間に流れるセンス電流Isには、「(Is_oes+Ig)/n」の電流増加分が含まれている。なお、Is_oesは、センス素子12の出力容量Cs_oesに流れる出力容量電流、Igはゲート電流である。
したがって、例えば、閾値補正電流Itによる電圧増加分「Rs2×Ig/p」がセンス電流Isに含まれ過渡期間の電圧増加分「Rs1×(Is_oes+Ig)/n」以上となるように、「Rs2」及び「p」を調整するとよい。これによって、ゲート電流モニタ回路41は、閾値補正電流Itを過電流が検出されない大きさに、ターンオンが確定するまでの過渡期間に制御でき、その過渡期間で、過電流が誤って検出されることを確実に防止できる。
そして、ミラー期間が終わると、ゲート電圧Vgが再び上昇を開始する。出力MOSトランジスタM1のドレイン電圧(スイッチング素子10のゲート電圧Vg)が安定すると、ゲート電流Igは流れなくなる。そうなると、スイッチング素子10のオンはオペアンプ32のイマジナリーショートにより維持されつつ、オペアンプ32の出力端子がハイレベルになるので、出力MOSトランジスタM1及びMOSトランジスタM2はオフする。MOSトランジスタM2のオフにより、過電流検出用の閾値電圧Vth2の値はVth1に戻る(Vth2=Vth1)。
このように、ターンオンの過渡期間のみにMOSトランジスタM4が機能し、ターンオン時のセンス電圧Vsの安定化が可能となる。
以上、過電流検出装置及びそれを備える半導体駆動装置を実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、ゲート電流Igの検出は、ゲート抵抗Rgの両端の電圧を測定することによって行われてもよい。また、スイッチング素子10は、センス素子12のような電流センスを有するPチャネル型のMOSFETでもよい。
1,100,200,300,400,500 半導体駆動装置
10,70 スイッチング素子
11,71 メイン素子
12,72 センス素子
20,26 過電流検出回路
21,27 過電流判定回路
22 コンパレータ
23 閾値電圧発生ノード
25 基準電圧源
30,31,33 駆動回路(駆動部の一例)
40,41,42 ゲート電流モニタ回路(ゲート電流検出部の一例)
50 センス電流調整回路(制御部の一例)
60, 61 過電流検出装置

Claims (3)

  1. スイッチング素子のセンス端子に接続される過電流検出部を備え、
    前記過電流検出部に入力される入力電流に応じて変化する入力電圧が閾値電圧よりも大きいとき、前記スイッチング素子に流れる過電流を検出する、過電流検出装置であって、
    前記スイッチング素子のゲート電流を検出するゲート電流検出部と、
    前記入力電圧が前記閾値電圧を超えないように、前記ゲート電流が前記ゲート電流検出部によって検出されている期間、前記入力電流を制御する制御部とを備え
    前記制御部は、前記ゲート電流の大きさに応じて前記入力電流の大きさを制御することにより、前記入力電圧の低下量を調整する、ことを特徴とする、過電流検出装置。
  2. スイッチング素子のセンス端子に接続される過電流検出部を備え、
    前記センス端子から供給されて前記過電流検出部に入力される入力電流に応じて変化する入力電圧が、前記過電流検出部に入力される閾値補正電流に応じて変化する閾値電圧よりも大きいとき、前記スイッチング素子に流れる過電流を検出する、過電流検出装置であって、
    前記スイッチング素子のゲート電流を検出するゲート電流検出部と、
    前記入力電圧が前記閾値電圧を超えないように、前記ゲート電流が前記ゲート電流検出部によって検出されている期間、前記閾値補正電流を制御する制御部とを備え
    前記制御部は、前記ゲート電流の大きさに応じて前記閾値補正電流の大きさを制御することにより、前記閾値電圧の上昇量を調整する、ことを特徴とする、過電流検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の過電流検出装置と、
    前記スイッチング素子を駆動する駆動部とを備える、半導体駆動装置。
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