JP5954046B2 - 炭化珪素基板の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、炭化珪素基板の製造方法に関し、より特定的には転位の発生を抑制可能な炭化珪素基板の製造方法に関する。
近年、半導体装置の製造用に炭化珪素基板が用いられ始めている。炭化珪素は珪素に比べて大きなバンドギャップを有する。そのため、炭化珪素基板を用いた半導体装置は、耐圧が高く、オン抵抗が低く、また高温環境下での特性の劣化が小さいといった利点を有する。
炭化珪素単結晶は、たとえば昇華再結晶法により製造することが可能である。たとえば特開2011−162414号公報(特許文献1)には、ヘリウムを含有する雰囲気ガス中において炭化珪素単結晶を成長させる方法が記載されている。ヘリウムはアルゴンよりもイオン化エネルギーが高いため、アルゴンよりも電離しづらい。そのため、抵抗型加熱ヒータを用いた場合において放電の発生を効果的に抑制することができる。
特開2011−162414号公報
しかしながら、ヘリウムを雰囲気ガスとして用いて炭化珪素結晶の成長を行う場合、放電の発生は抑制されるが、転位の少ない炭化珪素単結晶を得ることが困難であった。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、結晶成長中における放電の発生を抑制し、かつ転位の少ない炭化珪素結晶を得ることができる炭化珪素基板の製造方法を提供することである。
本発明者らは、炭化珪素単結晶をヘリウムを雰囲気ガスとして用いて昇華再結晶法によって製造する場合に転位が発生する原因について鋭意研究の結果、以下の知見を得て本発明に想到した。上述のように、ヘリウムはアルゴンよりも電離しづらため、抵抗型加熱ヒータを用いた場合において放電の発生を効果的に抑制することができる。放電は高温でかつ圧力が小さい場合に起こりやすいため、圧力を下げて炭化珪素結晶を成長させる場合に雰囲気ガスをヘリウムとすることは非常に有効である。
一方、炭化珪素原料および種基板を昇温する段階において雰囲気ガスとしてヘリウムを用いると、昇温段階においても微量の炭化珪素原料が昇華する。これは、ヘリウムガスの原子半径が小さいために、ヘリウムガスが昇華してきた炭化珪素原料ガスと衝突する確率が他のガスを用いた場合と比較して低く、炭化珪素原料ガスの拡散長が大きくなるためであると考えられる。また、ヘリウムガスの原子量が小さいため、昇華した炭化珪素原料ガスを十分に炭化珪素原料側へ押し戻すことができない。そのため、雰囲気ガスとしてヘリウムを用いると炭化珪素原料が原料側から種結晶側へ拡散しやすくなる。そして、昇温段階で昇華した炭化珪素原料ガスが種基板に付着することが、結晶成長の初期段階における転位の原因となっていた。
そこで、本発明に係る炭化珪素基板の製造方法は以下の工程を有している。炭化珪素原料および種基板が配置された成長容器が準備される。成長容器の温度が抵抗加熱ヒータで炭化珪素結晶の成長温度範囲の温度まで上昇される。成長容器の温度を成長温度範囲内に維持しつつ、種基板上に炭化珪素結晶が成長する。成長容器の温度を上昇させる工程における成長容器内の圧力は、炭化珪素結晶を成長させる工程における成長容器内の圧力よりも高い。成長容器の温度を上昇させる工程において成長容器内にはヘリウムよりも原子番号の大きい元素からなるガスを含む。成長容器の温度を上昇させる工程における成長容器内のヘリウムの濃度は、炭化珪素結晶を成長させる工程における成長容器内のヘリウムの濃度よりも低い。
なお、炭化珪素結晶の成長温度とは、昇華法により種基板上に炭化珪素結晶が成長する温度のことであり、たとえば2000℃程度以下2400℃程度以下の温度のことである。また、成長容器の温度を上昇させる工程においては、成長容器内にヘリウムが存在していなくても構わない。
本発明に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、炭化珪素結晶を成長させる工程における成長容器内のヘリウムの濃度は、成長容器の温度を上昇させる工程における成長容器内のヘリウムの濃度よりも高い。それゆえ、炭化珪素結晶を成長させる工程において放電の発生を効果的に抑制することができる。
また本発明に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、成長容器の温度を上昇させる工程において成長容器内にヘリウムよりも原子番号の大きい元素からなるガスを含む。これにより、成長容器の温度を上昇させる工程において炭化珪素原料の昇華を抑制することができる。結果として、転位の少ない炭化珪素結晶を得ることができる。
上記に係る炭化珪素基板の製造方法において好ましくは、ヘリウムよりも原子番号の大きい元素は、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、およびラドンのいずれかである。これにより、成長容器内において炭化珪素原料の昇華を効果的に抑制することができる。
上記に係る炭化珪素基板の製造方法において好ましくは、成長容器の温度を上昇させる工程後であって炭化珪素結晶を成長させる工程前に、成長容器内にヘリウムを導入する工程を有する。これにより、成長容器内のヘリウム濃度が高くなるので、効果的に放電を抑制することができる。
上記に係る炭化珪素基板の製造方法において好ましくは、成長容器の温度を上昇させる工程後であって炭化珪素結晶を成長させる工程前に、成長容器内の圧力を低減させる工程を有する。これにより、炭化珪素原料が昇華して、炭化珪素結晶の成長が実質的に開始される。
上記に係る炭化珪素基板の製造方法において好ましくは、炭化珪素結晶を成長させる工程において成長容器内には窒素ガスを含む。これにより、炭化珪素基板にドーパントとして窒素が導入される。
本発明によれば、結晶成長中における放電の発生を抑制し、かつ転位の少ない炭化珪素結晶を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造装置を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法のフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法の成長容器温度維持工程におけるフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法における温度と時間との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法における圧力と時間との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法における気体濃度と時間との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造装置の成長容器の構成を概略的に示す断面模式図である。 図1の線分IIX−IIXに沿った概略端面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。また角度の記載には、全方位角を360度とする系を用いている。
図1を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素基板を製造するための装置の構成について説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造装置100は、成長容器10と、断熱材4と、加熱部5と、反応容器123とを主に有している。成長容器10は、たとえば純化処理されたグラファイトから成る坩堝であり、図7に示すように、種基板保持部3と原料収容部7とを有している。種基板保持部3は単結晶炭化珪素からなる種基板1を保持するためのものである。原料収容部7は多結晶炭化珪素からなる炭化珪素原料8を配置するためのものである。種基板保持部3は原料収容部7に嵌めることができるように、先端が折れ曲がっている。種基板保持部3と原料収容部7とは、接続部10cで接続されている。
断熱材4は、たとえばカーボンフエルトから成り、成長容器10を外部から断熱するためのものである。断熱材4は、たとえば成長容器10および加熱部5を取り囲むように形成されている。断熱材4の周りには反応容器123が設けられている。反応容器123の両端部には、反応容器123内へ雰囲気ガスを流すためのガス導入口123aと、反応容器123の外部へ雰囲気ガスを排出するためのガス排出口123bとが形成されている。反応容器123の上部および下部には、成長容器10の種基板保持部3の温度を測定するための放射温度計127bと、原料収容部7の温度を測定するための放射温度計127aとが設けられている。
加熱部5は抵抗加熱ヒータ125と電極126とを有している。抵抗加熱ヒータ125はたとえばグラファイト製である。抵抗加熱ヒータ125は、図1および図8に示すように、成長容器10の外周を囲うように配置されていている。抵抗加熱ヒータ125は成長容器10を炭化珪素の昇華温度まで昇温可能に構成されている。電極126は抵抗加熱ヒータ125に電流を供給可能に構成されている。電極126はたとえば銅からなる。
図1〜図6を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法について説明する。
まず、成長容器準備工程(S10:図2)が実施される。具体的には、図1を参照して、種基板1および炭化珪素原料8が配置された成長容器10が準備される。種基板1は、種基板保持部3により保持され、種基板1の主面1Aが炭化珪素原料8に対向するように配置される。種基板1は単結晶炭化珪素からなる。種基板1のポリタイプはたとえば4Hである。種基板1の直径は好ましくは4インチ(100mm)以上であり、たとえば6インチである。種基板1の主面1Aはたとえば4°程度オフした(0001)面である。種基板1の主面1Aにおける転位密度はたとえば10000個cm-2程度である。好ましくは、種基板1の主面1AはCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨が施されている。なお、炭化珪素原料8は、原料収容部7に収容されており、たとえば多結晶炭化珪素パウダーである。
次に、成長容器昇温工程(S20:図2)が実施される。具体的には、図4を参照して、種基板1および炭化珪素原料8が配置された成長容器10が、たとえばグラファイト製の抵抗加熱ヒータ125により炭化珪素結晶の成長温度範囲の温度(たとえば2200℃)まで加熱される。炭化珪素結晶の成長温度とはたとえば2000℃以上2400℃以下である。図5を参照して、当該成長容器10が室温から炭化珪素結晶の成長温度まで昇温している間(時間T0〜時間T1)における、成長容器10内の雰囲気ガスの圧力はたとえば80kPa程度に維持される。
成長容器昇温工程(S20:図2)において、成長容器10内にはヘリウムよりも原子番号の大きい元素からなるアルゴンガスおよび窒素ガスを含んでいる。好ましくは、ヘリウムよりも原子番号の大きい元素は希ガスであり、具体的には、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、およびラドンなどである。この工程(S20)では、成長容器10内にたとえば0.3slmの流量でアルゴンガスが流される。たとえば0.1slmの流量で窒素ガスが流される。
次に、成長容器温度維持工程(S30:図2)が実施される。具体的には、成長容器10の温度が炭化珪素結晶の成長温度範囲内に維持される。ここで、成長容器温度維持工程(S30:図2)は、ヘリウムガス導入工程(S31:図3)と、成長容器減圧工程(S32:図3)と、炭化珪素結晶成長工程(S33:図3)を含む。
まず、ヘリウムガス導入工程(S31:図3)が実施される。この工程(S31)では、成長容器10の温度がたとえば2200℃程度の温度を維持した状態で、時間T1において成長容器10内にヘリウムガスが導入される。たとえば時間T1において成長容器10内に0.3slmの流量でヘリウムガスが流される。同時にアルゴンの供給を停止する。なお、窒素ガスの流量は0.1slmのまま維持される。
図6を参照して、成長容器10内の雰囲気ガスの種類および濃度について説明する。図6において、実線はヘリウムガス21の濃度を示し、破線は窒素ガス23の濃度を示し、一点鎖線はアルゴンガス22の濃度を示している。たとえば時間T1におけるアルゴンガス22の濃度は75%であるが、時間T2におけるアルゴンガス22の濃度はほぼ0%となる。また時間T1におけるヘリウムガス21の濃度は0%であるが、時間T2におけるヘリウムガス21の濃度は75%となる。なお、時間T1から時間T2における成長容器10内の雰囲気ガス全体の圧力は80kPa程度に保持される。
次に、成長容器減圧工程(S32:図3)が実施される。この工程(S32)では、図5を参照して、成長容器10内の圧力が、時間T2から時間T3にかけて、たとえば80kPa程度から成長圧力(たとえば1.7kPa)にまで減圧される。これにより、成長容器10内の炭化珪素原料8が昇華して種基板1の主面1A上に再結晶することにより、種基板1の主面1A上に炭化珪素単結晶が実質的に成長し始める。なお、成長圧力とは、炭化珪素単結晶が実質的に成長し始める圧力のことである。
成長圧力は0.5kPa以上5kPa以下が好ましい。なお、成長容器減圧工程において、成長容器10の温度は2200℃程度に維持される。また、成長容器を減圧する時間(時間T2から時間T3まで)は、1時間以上24時間以内であることが好ましい。
次に、炭化珪素結晶成長工程(S33:図3)が実施される。具体的には、成長容器10内の雰囲気ガスの濃度を低減し、実質的に炭化珪素単結晶の成長が開始された後、成長容器10の温度が炭化珪素の成長温度の範囲内に維持される。また、成長容器10の圧力も成長圧力のまま維持される。これにより、種基板1の主面1A上の法線方向に沿って炭化珪素単結晶が成長する。なお、図5に示すように、成長容器昇温工程(S20:図2)における雰囲気ガスの圧力は、炭化珪素結晶成長工程(S33:図3)における雰囲気ガスの圧力よりも高い。
また図6に示すように、成長容器昇温工程(時間T0〜時間T1)における成長容器10内の雰囲気ガスは、たとえば75%程度がアルゴンガスであり25%程度が窒素ガスである。一方、炭化珪素結晶成長工程(時間T3から時間T4)における成長容器10内の雰囲気ガスは、たとえば75%程度がヘリウムガスであり25%程度が窒素ガスである。つまり、成長容器昇温工程(S20:図2)における成長容器10内のヘリウムの濃度は、炭化珪素結晶成長工程(S33:図3)における成長容器10内のヘリウムの濃度よりも低い。好ましくは、成長容器昇温工程(S20)においては成長容器10にヘリウムガスが含まれず、炭化珪素結晶成長工程(S33)においてはアルゴンガスが含まれない。
次に、種基板1の主面1A上に成長した炭化珪素単結晶が成長容器10から取り出される。その後、炭化珪素単結晶をたとえばワイヤーソーによってスライスすることにより、炭化珪素基板が得られる。
次に、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、炭化珪素結晶を成長させる工程(S33)における成長容器10内のヘリウムの濃度は、成長容器の温度を上昇させる工程(S20)における成長容器10内のヘリウムの濃度よりも高い。それゆえ、炭化珪素結晶を成長させる工程(S33)において放電の発生を効果的に抑制することができる。
また本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、成長容器の温度を上昇させる工程(S20)において成長容器10内にヘリウムよりも原子番号の大きい元素からなるガスを含む。これにより、成長容器の温度を上昇させる工程(S20)において炭化珪素原料8の昇華を抑制することができる。結果として、転位の少ない炭化珪素単結晶を得ることができる。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、ヘリウムよりも原子番号の大きい元素は、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、およびラドンのいずれかである。これにより、成長容器10内において炭化珪素原料8の昇華を効果的に抑制することができる。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、成長容器10の温度を上昇させる工程(S20)後であって炭化珪素結晶を成長させる工程(S33)前に、成長容器10内にヘリウムを導入する工程(S31)を有する。これにより、成長容器10内のヘリウム濃度が高くなるので、効果的に放電を抑制することができる。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、成長容器10の温度を上昇させる工程(S20)後であって炭化珪素結晶を成長させる工程(S33)前に、成長容器10内の圧力を低減させる工程(S32)を有する。これにより、炭化珪素原料8が昇華して、炭化珪素単結晶の成長が実質的に開始される。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、炭化珪素結晶を成長させる工程(S33)において成長容器10内には窒素ガスを含む。これにより、炭化珪素基板にドーパントとして窒素が導入される。
本実施例では、以下に説明する3種類の雰囲気ガス中において成長容器を昇温し、種基板1上に成長する炭化珪素単結晶の転位密度を調査した。まず、炭化珪素原料8および種基板1が配置された成長容器10を準備した。種基板1の主面1Aの転位密度を1×104cm-2とした。昇温時の成長容器10の雰囲気ガスを以下の通りとした。比較例1の雰囲気ガスを窒素25%ヘリウム75%とした。本発明例1の雰囲気ガスを窒素100%とした。本発明例2の雰囲気ガスを窒素25%アルゴン75%とした。比較例1、本発明例1および本発明例2における雰囲気ガス内において成長容器10を2種類の成長温度(2000℃および2200℃)まで昇温した。その後、種基板1を成長容器10から取り出し、種基板1の主面1A上に成長した4H炭化珪素単結晶の転位密度をKOH(水酸化カリウム)エッチングを用いて評価した。
Figure 0005954046
表1を参照して、4H炭化珪素単結晶の転位密度の結果について説明する。まず、成長温度が2000℃の場合、本発明例1および本発明例2では種基板1の主面1A上に炭化珪素単結晶が成長しなかった。比較例1の条件では炭化珪素単結晶が成長し、当該炭化珪素単結晶の転位密度は5×104cm-2〜1×105cm-2程度であった。成長温度が2200℃の場合、本発明例1および本発明例2の条件における炭化珪素単結晶の転位密度は共に2×103cm-2〜6×103cm-2程度であった。比較例1の条件における炭化珪素単結晶の転位密度は1×105cm-2超であった。
以上の結果より、炭化珪素原料8が配置された成長容器10を加熱する際、成長容器10の雰囲気ガスとして窒素やアルゴンなどのヘリウムよりも原子番号の大きい元素からなるガスを使う場合、炭化珪素原料8の昇華を抑制することができることが確認された。また、成長容器10の雰囲気ガスとして窒素やアルゴンなどのヘリウムよりも原子番号の高い元素からなるガスを使う場合は、雰囲気ガスとしてヘリウムを使う場合よりも、種基板1の主面1A上に成長する炭化珪素単結晶の転位密度を低減可能であることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 種基板、1A 主面、3 種基板保持部、4 断熱材、5 加熱部、7 原料収容部、8 炭化珪素原料、10 成長容器、21 ヘリウムガス、22 アルゴンガス、23 窒素ガス、123 反応容器、123a ガス導入口、123b ガス排出口、125 抵抗加熱ヒータ、126 電極、127a,127b 放射温度計。

Claims (4)

  1. 炭化珪素原料および種基板が配置された成長容器を準備する工程と、
    前記成長容器の温度を抵抗加熱ヒータで炭化珪素結晶の成長温度範囲の温度まで上昇させる工程と、
    前記成長容器の温度を前記成長温度範囲内に維持しつつ、前記種基板上に前記炭化珪素結晶を成長させる工程とを備え、
    前記成長容器の温度を上昇させる工程における前記成長容器内の圧力は、前記炭化珪素結晶を成長させる工程における前記成長容器内の圧力よりも高く、
    前記成長容器の温度を上昇させる工程において前記成長容器内にはヘリウムよりも原子番号の大きい元素からなるガスを含み、
    前記成長容器の温度を上昇させる工程における前記成長容器内のヘリウムの濃度は、前記炭化珪素結晶を成長させる工程における前記成長容器内のヘリウムの濃度よりも低い、炭化珪素基板の製造方法。
  2. 前記ヘリウムよりも原子番号の大きい元素は、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、およびラドンのいずれかである、請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  3. 前記成長容器の温度を上昇させる工程後であって前記炭化珪素結晶を成長させる工程前に、前記成長容器内にヘリウムを導入する工程および前記成長容器内の圧力を低減させる工程を備え、
    前記成長容器内にヘリウムを導入する工程は、前記成長容器内の圧力を低減させる工程の前に行われる、請求項1または2に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  4. 前記炭化珪素結晶を成長させる工程において前記成長容器内には窒素ガスを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
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