JP5953900B2 - 2液硬化型樹脂組成物、コーティング剤及び塗膜 - Google Patents

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Description

本発明は、傷の自己回復による耐傷性、基材密着性、指紋拭き取り性及び耐ブロッキング性に優れる硬化物が得られる2液硬化型樹脂組成物、該樹脂組成物を含有するコーティング剤、及び該コーティング剤からなる塗膜に関する。
携帯電話筐体、パソコン筐体、オーディオ機器等のプラスチック製品、タッチパネル、液晶画面等の電子材料部品、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機等の家電製品、家具等の木工製品、ゴルフクラブ、テニスラケット等のスポーツ用品、床、シンク、ドアノブ等の建築内装、自動車の内外装等々、表面の耐傷性が求められる製品は数多い。
これらの製品の表面に耐傷性を付与する方法として、UV硬化型塗料やEB硬化型塗料からなる高硬度な塗膜を表面に形成し耐傷性を持たせる技術が知られている。しかしながら、これらの塗料は官能基濃度の高いモノマーを多く使用するため、硬化収縮による歪みが生じ易く、基材密着性が十分なものではなく、塗膜に剥げやクラックが発生し易い問題があった。また、このような高硬度塗膜は硬く脆いことから、これをプラスチックフィルム上に形成して得られるハードコートフィルムは2次加工に劣るものであった。
製品表面に耐傷性を付与する他の方法として、柔軟性と靱性とに優れる塗膜を用いて傷を自己回復させる技術が知られている。具体的には、1分子あたり平均2.5〜3.5個の水酸基を有し、かつ数平均分子量が500〜1,500の範囲であるポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート及び錫系ウレタン化触媒を必須成分とする塗料組成物が知られている(特許文献1参照)。このような塗料用組成物からなる塗膜は、高硬度塗膜と比較して基材密着性や二次加工性に優れる特徴があり、また、自己回復による耐傷性も有するものであったが、しかしながら、表面が比較的柔らかいことから、指紋等の汚れが拭き取りにくく、また、該塗膜を有するコートフィルムを重ねて保管した場合にフィルム同士が張り付くブロッキング現象が生じ易いものであった。従って、耐傷性と併せて、指紋拭き取り性や耐ブロッキング性にも優れるコーティング剤が求められていた。
特開昭63−86762号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、その硬化塗膜が高い耐傷性や基材密着性を有し、指紋拭き取り性及び耐ブロッキング性にも優れる2液硬化型樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、イソシアネート基当量が100〜280g/eqの範囲であるポリイソシアネート化合物と、平均Tgが−55〜−5℃の範囲であり、1分子あたりの水酸基の平均官能基数が3.8〜20の範囲であり、かつ、数平均分子量(Mn)が1,000〜3,000の範囲であるポリエステルポリオールと、数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000の範囲であるポリオキシアルキレングリコールとを必須成分として含有する2液硬化型樹脂組成物を用いることにより、高い耐傷性や基材密着性を有し、指紋拭き取り性及び耐ブロッキング性にも優れる硬化塗膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、イソシアネート基当量が100〜280g/eqの範囲であるポリイソシアネート化合物(A)、ガラス転移温度(Tg)が−55〜−5℃の範囲であり、1分子あたりの水酸基の平均官能基数が3.8〜20であり、かつ、数平均分子量(Mn)が1,000〜3,000の範囲であるポリエステルポリオール(B)、及び数平均分子量(Mn)2,000〜15,000の範囲であるポリオキシアルキレングリコール(C)を必須の成分として含有することを特徴とする2液硬化型樹脂組成物に関する。
本発明は更に、前記2液硬化型樹脂組成物を含有するコーティング剤に関する。
本発明は更に、前記コーティング剤を硬化させて得られる塗膜に関する。
本発明によれば、従来のコーティング剤と比較して、高い耐傷性や基材密着性を有し、指紋拭き取り性及び耐ブロッキング性にも優れるコーティング剤、該コーティング材用として有用な2液硬化型樹脂物、及びその硬化塗膜を提供することができる。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物(A)は、イソシアネート基当量が100〜280g/eqの範囲にあるものである。イソシアネート基当量が100g/eq未満の場合には、硬く脆い塗膜となり外力が吸収できず耐傷性が低下する。イソシアネート基当量が280g/eqを超える場合には、硬化塗膜が柔らかくなりすぎ塗膜の十分な靭性が得られないことから、耐傷性が低下する。これらの中でも、塗膜の耐傷性がより一層向上する点で、イソシアネート基当量が150〜280g/eqの範囲であることがより好ましく、180〜260g/eqの範囲であることが更に好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(A)の1分子あたりのイソシアネート基の平均官能基数は、架橋密度が好適な状態となり、靭性と柔軟性とのバランスに優れることから耐傷性の高い塗膜となることから、2〜5の範囲であることが好ましく、3〜5の範囲であることがより好ましい。
また、前記ポリイソシアネート化合物(A)の数平均分子量(Mn)は、靭性と柔軟性とのバランスが良好となり、耐傷性に優れる塗膜となることから、500〜1,500の範囲が好ましく、700〜1,000の範囲であることがより好ましい。
尚、本発明において、前記ポリイソシアネート化合物(A)の数平均分子量(Mn)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
前記ポリイソシアネート化合物(A)は、各種のジイソシアネートモノマーや、分子内にウレタン結合部位を有するアダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)、分子内にイソシアヌレート環構造を有するヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)などが挙げられる。
前記ジイソシアネートモノマーは、具体的には、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
前記分子内にウレタン結合部位を有するアダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)は、例えば、ジイソシアネートモノマーと多価アルコールとを反応させて得られるものが挙げられる。アダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)の原料として用いるジイソシアネートモノマーは、例えば、前記した各種のジイソシアネートモノマーが挙げられ、それぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。中でも、靱性と柔軟性とのバランスに優れ、高い耐傷性を有する塗膜が得られることから、前記脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートが好ましく、脂肪族ジイソシアネートがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。
また、前記アダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)の原料として用いる多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2,3,3−テトラメチル−1,4−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール;
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3官能以上の肪族ポリオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のエーテルグリコール;
前記脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールと、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸との共縮合によって得られるポリエステルポリオール;
前記脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールと、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−δ−バレロラクトン等の種々のラクトンとの重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
前記脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル等の環状エーテル化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
これらの中でも、得られるアダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)のイソシアネート当量を100〜280g/eqに調整することが容易となることから、脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールが好ましく、1,3−ブタンジオール又はトリメチロールプロパンがより好ましい。
前記分子内に分子内にイソシアヌレート環構造を有するヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)は、例えば、モノアルコールやジオールの存在下、ジイソシアネートモノマーをヌレート化させて得られるものが挙げられる。ヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)の原料として用いるジイソシアネートモノマーは、例えば、前記した各種のジイソシアネートモノマーが挙げられ、それぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。中でも、靱性と柔軟性とに優れ、高い耐傷性を有する塗膜が得られることから、前記脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートが好ましく、脂肪族ジイソシアネートがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。
前記ヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)の原料として用いるモノアルコールは、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール、n−ノナデカノール、エイコサノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール等が挙げられる。
また、ヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)の原料として用いるジオールは、例えば、前記アダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)の原料として例示した各種のジオールが挙げられる。これらモノアルコールやジオールはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
これらモノアルコールやジオールの中でも、得られるヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)のイソシアネート基当量を、上記好ましい値に調整することが容易となることから、1,3−ブタンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(A)はそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。これらの中でも、柔軟性と靭性とのバランスが良く、耐傷性のより高い塗膜が得られることから、前記アダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)又はヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)が好ましく、ヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)がより好ましい。
本発明で用いる前記ポリエステルポリオール(B)は、ガラス転移温度(Tg)が−55〜−5℃の範囲であり、1分子あたりの水酸基の平均官能基数が3.8〜20であり、かつ、数平均分子量(Mn)が1,000〜3,000の範囲にあるものである。これら3つの条件が揃うことにより、靱性と柔軟性とのバランスに優れ、自己回復による耐傷性及び基材密着性の高い硬化塗膜を得ることができる。
前記ポリエステルポリオール(B)のガラス転移温度(Tg)は、−55℃〜−5℃の範囲である。ガラス転移温度(Tg)が−55℃未満の場合には、得られる塗膜が柔らかすぎるため、耐傷性が低下する。また、ガラス転移温度(Tg)が−5℃を超える場合には、得られる塗膜が硬すぎるため外力が吸収できず、耐傷性が低下する。中でも、靭性と柔軟性とのバランスに優れ、高い耐傷性を有する塗膜が得られる点で、−45℃〜−15℃の範囲であることがより好ましい。
前記ポリエステルポリオール(B)の1分子あたりの水酸基の平均官能基数は、3.8〜20の範囲にあるものである。水酸基の平均官能基数が3.8未満の場合には、硬化塗膜の架橋密度が低くなり靱性が低下するため、十分な耐傷性を発現することができない。また、水酸基の平均官能基数が20を超える場合には、硬化塗膜の架橋密度が高過ぎるため、硬く脆い塗膜となり外力が吸収できず、耐傷性が低下する。なかでも、耐傷性に優れ、更に、高い光沢を有す塗膜が得られることから、4〜15の範囲にあることがより好ましく、5〜10の範囲にあることが特に好ましい。
前記ポリエステルポリオール(B)の数平均分子量(Mn)は、1,000〜3,000の範囲である。数平均分子量(Mn)が1,000未満の場合は、塗膜が硬く脆いものとなり、十分な耐傷性が発現しない。また、数平均分子量(Mn)が3,000を超える場合は、塗膜が柔らかすぎて十分な耐傷性を発現しない。これらの中でも、塗膜の柔軟性と靭性とのバランスがよく、耐傷性に優れる点で、1,200〜2,500の範囲が好ましい。
尚、本発明において、前記ポリエステルポリオール(B)の数平均分子量(Mn)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
前記ポリエステルポリオール(B)の水酸基価は、硬化塗膜の架橋密度が好適な値となり、靭性と柔軟性とのバランスに優れ、高い耐傷性と基材密着性を有する塗膜が得られることから、110〜250mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
前記ポリエステルポリオール(B)は、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸とを共縮合させて得られるものが挙げられる。
前記ポリエステルポリオール(B)の原料となる多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の3官能以上の脂肪族ポリオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール;
前記脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;
前記脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールと、ε−カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
これら多価アルコールの中でも、得られるポリエステルポリオール(B)の各種性状値を上記した好ましい値に設計することが容易となることから、前記脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールが好ましく、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールがより好ましい。
前記ポリエステルポリオール(B)の合成で用いる多価カルボン酸は、たとえば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;
ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;
テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸;
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等の各種トリカルボン酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
これら多価カルボン酸の中でも、得られるポリエステルポリオール(B)の各種特性値を上記した好ましい値に設計することが容易である点で、脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸とを併用することが好ましく、脂肪族カルボン酸としてはアジピン酸及びセバシン酸が、芳香族カルボン酸としてはフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸イソフタル酸、およびトリメリット酸がより好ましい。
前記平均Tgが−55〜−5℃の範囲であり、1分子あたりの水酸基の平均官能基数が4〜20の範囲であるポリエステルポリオール(B)を製造する際の反応原料は、得られるポリエステルポリオール(B)のTg及び平均官能基数を所望の値に調整することが容易となることから、3官能以上の脂肪族ポリオールとジカルボン酸とを含む原料、又は脂肪族ジオールと3官能のポリカルボン酸とを含む原料であることが好ましい。また、ポリエステルポリオール(B)の反応原料において、3官能以上の脂肪族ポリオールや、3官能のポリカルボン酸等の3官能以上の成分は、反応原料の総質量の10〜40質量%となる範囲で用いることが好ましい。前記ポリエステルポリオール(B)は一種類を単独で用いてもよいし、異なる組成で合成した複数種を併用してもよい。
本発明では、2液硬化型樹脂組成物のポリオール成分として前記ポリエステルポリオーる(B)と併せて、数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000の範囲であるポリオキシアルキレングリコール(C)を用いることにより、耐傷性や基材密着性のみならず、耐指紋性や耐ブロッキング性にも優れる硬化塗膜が得られる。
前記ポリオキシアルキレングリコール(C)の数平均分子量(Mn)は2,000〜15,000の範囲である。2,000未満の場合には、耐ブロッキング性や指紋ふき取り性が低下し、また、15,000を超える場合には、塗膜の耐傷性が低下する。中でも、より高い耐指紋拭き取り性と耐ブロッキング性とを有し、耐傷性とのバランスにも優れる塗膜が得られることから、数平均分子量(Mn)が4,000〜13,000の範囲であるものがより好ましく、6,000〜12,000の範囲であるものが特に好ましい。
前記ポリオキシアルキレングリコール(C)は、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等、単一のオキシアルキレン基を繰り返し単位として有するものや、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等、複数種のオキシアルキレン基を繰り返し単位として有するもの等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中でも、より高い耐指紋性と耐ブロッキング性を有する塗膜が得られることから、ポリオキシプロピレングリコールや、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなど、ポリオキシプロプレン構造を有するものが好ましく、ポリオキシプロピレングリコールがより好ましい。
本発明の2液硬化型樹脂組成物が、前記ポリイソシアネート(A)、前記ポリエステルポリオール(B)及び前記ポリオキシアルキレングリコール(C)からなる場合、ポリオキシアルキレングリコール(C)の配合量は、耐傷性、基材密着性、指紋拭き取り性及び耐ブロッキング性のいずれにも優れる塗膜が得られることから、前記ポリイソシアネート(A)と、前記ポリエステルポリオール(B)との合計100質量部に対し、前記ポリオキシアルキレングリコール(C)が0.2〜5質量部の範囲となる割合であることが好ましく、0.5〜2の範囲であることがより好ましい。
本発明の2液硬化型樹脂組成物が、前記ポリイソシアネート(A)、前記ポリエステルポリオール(B)及び前記ポリオキシアルキレングリコール(C)からなる場合、これらの配合比率は、硬化性に優れる樹脂組成物となることから、前記ポリイソシアネート(A)が含有するイソシアネート基のモル数(NNCO)と、前記ポリエステルポリオール(B)が含有する水酸基と前記ポリオキシアルキレングリコール(C)が含有する水酸基とのモル数の和(NOH)との比[(NNCO)/(NOH)]が0.75〜1.5の範囲となるような割合であることが好ましい。
本発明の2液硬化型樹脂組成物は、前記ポリエステルポリオール(B)及び前記ポリオキシアルキレングリコール(C)以外のポリオール化合物を含有していても良い。具体的には、数平均分子量(Mn)が1,000未満又は3,000を超えるポリエステルポリオール、ガラス転移温度(Tg)が−5℃を超えるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これら他のポリオール化合物を用いる場合、本願発明が奏する耐傷性、基材密着性、耐指紋性及び耐ブロッキング性に優れる効果を阻害しない範囲、具体的には、前記ポリエステルポリオール(B)と前記ポリオキシアルキレングリコール(C)との和100質量部に対し、5〜30質量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明の2液硬化型樹脂組成物が、前記ポリイソシアネート(A)、前記ポリエステルポリオール(B)及び前記ポリオキシアルキレングリコール(C)と併せて、他のポリオール化合物を含有する場合、ポリオキシアルキレングリコール(C)の配合量は、耐傷性、基材密着性、指紋拭き取り性及び耐ブロッキング性のいずれにも優れる塗膜が得られることから、樹脂組成物の不揮発分の合計100質量部に対し、前記ポリオキシアルキレングリコール(C)が0.2〜5質量部の範囲となる割合であることが好ましく、0.5〜2の範囲であることがより好ましい。
また、硬化性に優れる樹脂組成物となることから、前記ポリイソシアネート(A)が含有するイソシアネート基のモル数(NNCO)と、樹脂組成物中の各ポリオール化合物が含有する水酸基のモル数の和(NOH)との比[(NNCO)/(NOH)]が0.75〜1.5の範囲となるような割合であることが好ましい。
本発明のコーティング樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を添加しても良い。硬化促進剤は、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、塩化第一錫、塩化第二錫、テトラ−n−ブチル錫、トリ−n−ブチル錫アセテート、n−ブチル錫トリクロライド、トリメチル錫ハイドロオキサイド、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクテン酸錫等のウレタン化触媒が挙げられる。
また、本発明のコーティング樹脂組成部には、本発明の効果を損なわない範囲で滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等を適宜添加してもよい。
以上説明した本発明のコ−ティング樹脂組成物からなる塗膜は、柔軟性と靭性とを兼備していることから、塗膜が外力を吸収するため傷がつき難く、また、傷がついても自己回復するため、耐傷性に優れる。更に、各種素材への密着性、被塗布物の二次加工性、耐指紋性にも優れる。そのため、本発明のコーティング樹脂組成物は、携帯電話筐体、パソコン筐体、オーディオ機器等のプラスチック製品、タッチパネル、液晶画面等の電子材料部品、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機等の家電製品、家具等の木工製品、ゴルフクラブ、テニスラケット等のスポーツ用品、床、シンク、ドアノブ等の建築内装、自動車の内外装等々、表面の耐傷性が求められるあらゆる用途に好適に用いることが出来る。また、本発明のコーティング樹脂組成物は、プラスチックフィルム/シート状に塗布し、耐傷性を有する積層フィルム/シートとして用いることも出来、この場合、積層フィルム/シートを重ねて保管しても、フィルム同士が張り付くブロッキング現象が生じ難い。
本発明のコーティング樹脂組成物を各種基材上に塗布した際の塗膜の厚さは、用途に応じて適宜調節が可能であるが、より高い耐傷性を発現する点で1μm〜100μmが好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。
以下に本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明する。
数平均分子量(Mn)の測定
本願実施例において、各化合物の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の条件により求めた。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
イソシアネート基含有率の測定
本願実施例において、イソシアネート基の含有率はJIS K7301に従って測定した。
イソシアネート化合物(A)の1分子あたりの平均官能基数の算出
本願実施例において、イソシアネート化合物(A)の1分子あたりの平均官能基数は、上記方法で測定したイソシアネート含有率と数平均分子量(Mn)の値から、以下の計算式を用いて算出した。
[1分子当たりの平均官能基数]=[数平均分子量(Mn)]×[イソシアネート含有率]/4,200
水酸基価の測定
本願実施例において、水酸基価はJIS K 1557に従って測定した。
ポリエステルポリオール(B)の1分子当たりの平均官能基数の算出
本願実施例において、ポリエステルポリオール(B)の一分子あたりの平均官能基数は、上記方法で測定した水酸基価と数平均分子量(Mn)の値から、以下の計算式を用いて算出した。
[1分子当たりの平均官能基数]=[数平均分子量(Mn)]×[水酸基価]/56,100
ガラス転移温度(Tg)の測定
本願実施例において、ポリエステルポリオール(B)のガラス転移温度(Tg)は、ポリエステルポリオール(B)の固形分100%の試験サンプルを用い、示差走査熱量計(メトラー社製「TOLEDO DSC822e」)を用いて測定した。
製造例1
ポリイソシアネート化合物(A−1)の製造
攪拌機、温度計、精留塔、窒素導入管を装備した、4つ口のフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート1,000質量部を仕込み、窒素気流下に攪拌を開始した。次いで、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール20質量部、並びに1,3−ブタンジオール6質量部を投入し、65℃に昇温した。同温度で1時間反応させ、次いでヌレート化触媒(東ソー株式会社製「TOYOCAT TRX」)0.1質量部を投入し、15分間反応させた後、屈折率を測定した。屈折率が1.4665となるまでヌレート化触媒を0.1質量部ずつ投入し、屈折率が1.4665となったことを確認後、反応停止剤としてリン酸をヌレート化触媒の総投入量の1/2となる0.3質量部投入し30分間攪拌した。内温を140℃に昇温し、同温度で未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを減圧留去した。ヘキサメチレンジイソシアネートの含有量がフラスコ内の反応物の総質量に対し0.5質量%未満となるまで同温度での減圧蒸留を継続し、HDI系ヌレート型ポリイソシアネート化合物(A−1)を得た。得られたポリイソシアネート化合物(A−1)のイソシアネート基含有率は21.3質量%、イソシアネート基当量は200g/eq、ガードナー粘度(25℃)はY−Z、数平均分子量(Mn)は720、1分子当たりの平均官能基数は3.7であった。
製造例2
ポリイソシアネート化合物(A−2)の製造
攪拌機、温度計、精留塔、窒素導入管を装備した、4つ口のフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート1,000質量部を仕込み、窒素気流下に攪拌を開始した。次いで、90℃まで昇温し、トリメチロールプロパン90質量部、並びに1,3−ブタンジオール16質量部を発熱に注意しながら1時間かけて分割投入した。さらに、同温度で2時間反応後、140℃に昇温し、同温度で未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを減圧留去した。ヘキサメチレンジイソシアネートの含有量がフラスコ内の反応物の総質量に対し0.5%未満となるまで同温度での減圧蒸留を継続した後、不揮発分の値が75質量%となるように酢酸エチルを添加し、HDI系アダクト型ポリイソシアネート化合物(A−2)の酢酸エチル溶液を得た。得られたポリイソシアネート化合物(A−2)のイソシアネート基含有率は16.7質量%、イソシアネート基当量は251g/eq、ガードナー粘度(25℃)はK−L、数平均分子量(Mn)は930、1分子あたりの平均官能基数は3.7であった。
製造例3
ポリエステルポリオール(B−1)の製造
攪拌機、温度計、精留塔、窒素導入管を装備した4つ口のフラスコに、エチレングリコール107質量部、並びにネオペンチルグリコール180質量部を仕込み、窒素気流下に140℃に昇温した後、系内が均一であることを確認し、テレフタル酸128質量部、セバシン酸234質量部、トリメリット酸101質量部からなる混合物を投入した。3時間を要して230℃まで昇温し、さらに同温度で酸価が5以下となるまで反応を継続した。ついで、140℃まで冷却後、酢酸ブチルを用いて不揮発分が75質量%となるまで希釈し、ポリエステルポリオール(B−1)の溶液を得た。得られたポリエステルポリオール(B−1)の数平均分子量(Mn)は2,200、水酸基価は160mgKOH/g、1分子当たりの平均官能基数は6.3、ガラス転移温度(Tg)は−20℃であった。
製造例4〜6
ポリエステルポリオール(B−2)〜(B−4)の製造
上記製造例の各原料に代えて表1に示した原料を使用する以外は、製造例3と同様にして重合を行い、ポリエステルポリオール(B−2)〜(B〜4)の溶液を得た。
比較製造例1
ポリエステルポリオール(B’−1)の製造
上記合成例3各原料に代えて表1に示した原料を使用する以外は、合成例3と同様にして重合を行い、酢酸ブチルで不揮発分が80質量%となるまで希釈し、ポリエステルポリオール(B’−1)の溶液を得た。
Figure 0005953900
本願実施例で用いたポリオキシアルキレングリコール(C)
ポリオキシアルキレングリコール(C−1):数平均分子量(Mn)10,000のポリオキシプロピレングリコール
ポリオキシアルキレングリコール(C−2):数平均分子量(Mn)7,000のポリオキシプロピレングリコール
ポリオキシアルキレングリコール(C−3):数平均分子量(Mn)3,000のポリオキシプロピレングリコール
ポリオキシアルキレングリコール(C−4):数平均分子量(Mn)2,000のポリオキシテトラメチレングリコール
ポリオキシアルキレングリコール(C−5):数平均分子量(Mn)3,000のポリオキシエチレングリコール
実施例1
2液硬化型樹脂組成物の調整
ポリイソシアネート(A−1)84質量部、ポリエステルポリオール(B−1)200質量部、及びポリオキシアルキレングリコール(C−1)1.2質量部、ジブチル錫アセテート0.02質量部、及び酢酸エチル30質量部を配合して、2液硬化型樹脂組成物(1)を得た。尚、ポリイソシアネート(A−1)が含有するイソシアネート基のモル数(NNCO)と、前記ポリエステルポリオール(B−1)が含有する水酸基と前記ポリオキシアルキレングリコール(C−1)が含有する水酸基とのモル数の和(NOH)との比[(NNCO)/(NOH)]は1である。
試験塗膜の作成
前記2液硬化型樹脂組成物(1)を、3milのアプリケータを用いて、ガラス板と、黒色アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂板(以下「ABS板」と略記する)の上に塗装した。15分間常温でセッティングした後、80℃で1時間乾燥し、さらに25℃、湿度50%RH条件下で1週間養生した。
評価
得られた2種の試験塗膜について、下記の各種評価試験を行った。結果を表2に示す。
1.鉛筆硬度試験
ガラス板上に塗装した試験塗膜をJIS K 5400に従い、荷重500gの鉛筆引っ掻き試験によって評価した。1つの硬度につき5回試験を行い、5回中1回でも塗膜の破壊が生じた硬度、又は70℃の温風で加熱しても鉛筆痕が戻らない硬度の一つ下位の硬度を塗膜の硬度とした。
2.鉛筆痕復元時間
上記鉛筆硬度試験で塗膜の硬度とした硬度の鉛筆痕が復元するまでの時間を測定し、次のように評価した。
O:鉛筆痕が付かない
A:鉛筆痕が付いてから30分未満で復元する。
B:鉛筆痕が付いてから30分以上24時間以内で復元する。
C:鉛筆痕が付いてから24時間以内では完全に復元せず、70℃の温風で加熱すると復元する。
3.付着性試験
ABS板上に作成した試験塗膜にカッターナイフで1mm×1mmの100個の碁盤目を作成し、ニチバン(株)製「セロテープ」を貼り付けた後、剥離を行った。このときに塗膜が剥離せずに密着している碁盤目の数を評価した。
4.光沢
ABS板上に作成した試験塗膜の60度鏡面反射率[%]なる光沢値をJIS−K5400に準拠し測定した。
5.耐摩耗性
ガラス板上に塗装した試験塗膜について、スチールウール(日本スチールウール株式会社製「ボンスター#0000」)0.5gで直径2.4センチメートルの円盤状の圧子を包んだものを用い、500g重の荷重をかけて10往復の磨耗試験を行った。磨耗試験前のガラス板上の試験塗膜のヘーズ値と、磨耗試験後の試験塗膜のヘーズ値とを、それぞれ自動ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製「HZ−2」)を用いて測定し、それらの値の差で耐摩耗性を評価した。値の差が小さいほど、耐磨耗性が良好であると判断した。
6.指紋拭き取り性試験
ガラス板上に塗装した試験塗膜に指紋を付着させ、指紋跡の上にティッシュペーパー置き、5.7平方センチメートルあたり1kgの荷重をかけて往復させ、付着した指紋跡が完全に見えなくなるまでの往復回数で定量評価した。この往復回数が少ないほど、指紋跡の拭取りやすさが良好である。
◎:3回以内でふき取れる。
○:4〜6回でふき取れる。
×:7回以上。
7.耐ブロッキング性試験
ガラス板上に塗装した試験塗膜について、指触にてベタつきの有無を評価した。判定は、前記試験塗膜の作成において、80℃で1時間乾燥した直後の塗膜と、さらに25℃、湿度50%RH条件下で1週間養生した後の塗膜との2条件で行った。
◎:80℃で1時間乾燥した直後でもベタつきが無い。
○:80℃で1時間乾燥した直後はベタつきがあるが、1週間の養生後にはベタつきがない。
×:80℃で1時間乾燥した直後も、1週間の養生後にもベタつきがある。
実施例2〜8
ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)との種類と配合比を表2に示したように変えた以外は、実施例1と同様にしてガラス板、およびABS板上に試験塗膜を作成し、上記各種評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1
ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)との種類と配合比を表2に示したように変えた以外は、実施例1と同様にしてガラス板、およびABS板上に試験塗膜を作成し、上記各種評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0005953900

Claims (10)

  1. イソシアネート基当量が100〜280g/eqの範囲であり、1分子あたりのイソシア ネート基の平均官能基数が3以上であるポリイソシアネート化合物(A)、ガラス転移温度(Tg)が−55〜−5℃の範囲であり、1分子あたりの水酸基の平均官能基数が3.8〜20であり、かつ、数平均分子量(Mn)が1,000〜3,000の範囲であるポリエステルポリオール(B)、及び数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000の範囲であるポリオキシアルキレングリコール(C)を必須の成分として含有することを特徴とする2液硬化型樹脂組成物。
  2. 前記ポリイソシアネート化合物(A)が、分子内にウレタン結合部位を有するアダクト型ポリイソシアネート化合物(a1)、又は、分子内にイソシアヌレート環構造を有するヌレート型ポリイソシアネート化合物(a2)である請求項1記載の2液硬化型樹脂組成物。
  3. 前記ポリイソシアネート化合物(A)の数平均分子量(Mn)が500〜1,500の範 囲である請求項1記載の2液硬化型樹脂組成物。
  4. 前記ポリイソシアネート化合物(A)の1分子あたりのイソシアネート基の平均官能基数 が3〜5である請求項1記載の2液硬化型樹脂組成物。
  5. 前記ポリエステルポリオール(B)が、水酸基価が110〜250mgKOH/gの範囲にあるものである請求項1記載の2液硬化型樹脂組成物。
  6. 前記ポリオキシアルキレングリコール(C)が、ポリオキシプロピレングリコールである請求項1記載の2液硬化型樹脂組成物。
  7. 前記ポリイソシアネート(A)と前記ポリエステルポリオール(B)との和100質量部に対し、前記ポリオキシアルキレングリコール(C)を0.2〜5質量部の範囲となる割合で含有する請求項1記載の2液硬化型樹脂組成物。
  8. 前記ポリイソシアネート(A)が含有するイソシアネート基のモル数(NNCO)と、前記ポリエステルポリオール(B)が含有する水酸基と前記ポリオキシアルキレングリコール(C)が含有する水酸基とのモル数の和(NOH)との比[(NNCO)/(NOH)]が0.75〜1.5の範囲である請求項1記載の2液硬化型樹脂組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1つに記載の2液硬化型樹脂組成物を含有するコーティング剤。
  10. 請求項記載のコーティング剤を硬化させて得られる塗膜。
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