JP5952710B2 - ワイパ制御装置及びワイパ制御方法 - Google Patents

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本発明は、自動車等に搭載される車両用ワイパ装置の制御技術に関し、特に、下反転位置近傍における払拭挙動の安定化に関する。
従来より、自動車等のワイパ装置では、ガラス面上におけるワイパブレードの現在位置を検出し、この検出データに基づいて、ワイパブレードを上下反転位置間にて往復払拭動作させるシステムが広く用いられている。このようなワイパシステムにおける制御形態としては、反転位置からの経過時間などを用いてブレード位置を検出し、検出したブレード位置に基づいてワイパモータを制御する方式が知られている。そこでは、例えば、下反転位置からの経過時間とブレードの位置(角度)とが予め関係付けられており、経過時間に基づいてブレードの現在位置が検出される。そして、検出したブレード位置に基づいて目標速度を設定し、それに従ってモータをフィードバック制御することにより、所定の払拭周期にてワイパブレードを往復動させている。
特開2002−264776号公報 特開2010−173338号公報
一方、ワイパブレードの払拭面(ガラス面)には、濡れた状態(WET)の部分のみならず、乾いた状態(DRY)の部分が存在する場合がある。その場合、DRY状態の部分では、WET状態の部分よりもワイパブレード動作抵抗が大きくなり、ブレードに加わる負荷も大きくなる。このため、ワイパブレードがWET部分からDRY部分に移行すると、ブレードに加わる負荷が変動(増大)し、目標反転位置よりも手前でブレードが反転してしまうショートランが生じるおそれがある。すなわち、自動車等のワイパ装置では、払拭面の状態変化により、ワイパブレードの実際の動作角度が狭まってしまい、所定の払拭範囲を想定通りに払拭できないという事象が発生してしまうおそれがある。
本発明の目的は、車両用ワイパ装置において、負荷の変動に伴うワイパブレードのショートランを修正し、払拭面の状態に関わらずワイパブレードを安定した位置にて反転させることにある。
本発明のワイパ制御方法は、払拭面上に配置されたワイパブレードと、前記ワイパブレードを前記払拭面上にて往復動させるための電動モータとを備えてなるワイパ装置の制御方法であって、前記ワイパブレードの往路もしくは復路払拭動作中に、前記ワイパブレードの速度を反転位置に向かって低下させ始める減速開始位置を設定し、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において前記ワイパブレードの反転位置として想定されていた反転予定位置との差に基づいて、前記減速開始位置の設定を補正することを特徴とする。
前記ワイパ制御方法において、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置が、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置よりも所定量を超えて手前側だった場合、前記減速開始位置を前記反転位置側に補正するようにしても良い。また、前記減速開始位置の補正量Xを、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置との差をΔangとしたとき、減速開始位置補正量X=k×反転位置差分量Δang(k:減速位置補正係数)に設定しても良い。
一方、本発明のワイパ制御装置は、払拭面上に配置されたワイパブレードと、前記ワイパブレードを前記払拭面上にて往復動させるための電動モータとを備えてなるワイパ装置の制御装置であって、前記ワイパ装置には、前記ワイパブレードの往路もしくは復路払拭動作中に、前記ワイパブレードの速度を反転位置に向かって低下させ始める減速開始位置が設定され、前記ワイパブレードの現在位置を検出するブレード位置検出部と、前記ブレード位置検出部の検出データを用いて、前記ワイパブレードの反転位置を検出するブレード反転位置検出部と、前記ブレード反転位置検出部にて検出された前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において前記ワイパブレードの反転位置として想定されていた反転予定位置とを比較し、両者の差が所定範囲内に収まっているか否かを判定するブレード反転位置判定部と、前記ブレード反転位置判定部における判定結果に基づいて、前記減速開始位置を補正する減速開始位置補正部と、を有することを特徴とする。
前記ワイパ制御装置において、前記減速開始位置補正部は、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置が、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置よりも所定量を超えて手前側だった場合、前記減速開始位置を前記反転位置側に補正するようにしても良い。また、前記減速開始位置補正部における前記減速開始位置の補正量Xを、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置との差をΔangとしたとき、減速開始位置補正量X=k×反転位置差分量Δang(k:減速位置補正係数)に設定しても良い。
本発明のワイパ制御方法によれば、ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作においてワイパブレードの反転位置として想定されていた反転予定位置との差に基づいて、ワイパブレードの速度を反転位置に向かって低下させ始める減速開始位置の設定を補正するようにしたので、例えば、ワイパブレードがWET部分からDRY部分に移行することにより、ブレードに加わる負荷が変動し、目標反転位置よりも手前でブレードが反転してしまうショートランが生じても、ショートラン状態が継続することなく解消される。このため、ワイパブレードの払拭角度が狭まった状態となってしまうことを回避でき、ワイパ装置において、所定の払拭範囲を想定通りに払拭することが可能となる。
本発明のワイパ制御装置によれば、ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作においてワイパブレードの反転位置として想定されていた反転予定位置とを比較し、両者の差が所定範囲内に収まっているか否かを判定するブレード反転位置判定部と、このブレード反転位置判定部における判定結果に基づいて、ワイパブレードの速度を反転位置に向かって低下させ始める減速開始位置の設定を補正する減速開始位置補正部と、を設けたので、例えば、ワイパブレードがWET部分からDRY部分に移行することにより、ブレードに加わる負荷が変動し、目標反転位置よりも手前でブレードが反転してしまうショートランが生じても、ショートラン状態が継続することなく解消される。このため、ワイパブレードの払拭角度が狭まった状態となってしまうことを回避でき、ワイパ装置において、所定の払拭範囲を想定通りに払拭することが可能となる。
本発明の一実施形態である制御方法・制御装置によって駆動されるワイパシステムの全体構成を示す説明図である。 図1のワイパシステムにて使用される電動モータの構成を示す説明図である。 本発明によるワイパ制御装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明によるワイパ制御方法の処理手順を示すフローチャートである。 (a)は、当該ワイパシステムにおけるブレード位置の時間変化を示す説明図、(b)は、ブレード位置とブレード速度との関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態であるワイパ制御方法・制御装置によって駆動されるワイパシステムの全体構成を示す説明図である。図1のワイパ装置は、車体に揺動自在に設けられた運転席側のワイパアーム1aと助手席側のワイパアーム1bとを有している。各ワイパアーム1a,1bには、運転席側のワイパブレード2aと助手席側のワイパブレード2bが取り付けられている。ワイパブレード2a,2b(以下、ブレード2a,2bと略記する)はワイパアーム1a,1b内に内装された図示しないばね部材等によりフロントガラス3に弾圧的に接触している。車体には2つのワイパ軸(ピボット軸)4a,4bが設けられており、ワイパアーム1a,1bはその基端部でワイパ軸4a,4bにそれぞれ取り付けられている。なお、符号における「a,b」は、それぞれ運転席側と助手席側に関連する部材や部分等であることを示している。
ワイパアーム1a,1bを揺動運動させるため、当該システムにはPWM duty制御される2つ電動モータ6a,6b(以下、モータ6a,6bと略記する)が設けられている。モータ6a,6bは、モータ本体7と減速機構8とによって構成されており、ワイパ制御装置10a,10bによって駆動制御され正逆回転する。モータ6aを駆動制御するワイパ制御装置10aは、車両側のコントローラであるECU11と車載LAN12を介して接続されている。ECU11からワイパ制御装置10aに対しては、ワイパスイッチのON/OFFや、Lo,Hi,INT(間欠作動)などのスイッチ情報やエンジン起動情報などがLAN12を介して入力される。ワイパ制御装置10a,10b同士の間は通信線13にて接続されている。
図1のワイパシステムでは、ブレード2a,2bの位置情報に基づいてモータ6a,6bがフィードバック制御(PI制御)される。ここでは、ブレード2a,2bの位置に対応して、両ブレードの目標速度tgt spdが設定されており、予めマップ等の形でワイパ制御装置10a,10b内に格納されている。ワイパ制御装置10a,10bは、ブレード2a,2bの現在位置を検出すると共に、ワイパ軸4a,4bの回転速度からブレード2a,2bの移動速度を検出する。そして、現在のブレード2a,2bの速度と、当該位置におけるブレード2a,2bの目標速度tgt spdとを比較し、目標速度tgt spdと現在速度との差に応じて、適宜、モータ6a,6bを制御する。
このようなフィードバック制御を行うため、モータ6a,6bには、センサマグネット31と、ロータリーエンコーダIC32が設けられている。図2は、モータ6aの構成を示す説明図である。なお、モータ6bも同様の構成となっている。前述のように、モータ6aは、モータ本体7と減速機構8とによって構成されている。モータ本体7には、ロータ33が回転自在に配されている。ロータ33の回転軸34には、ウォーム35が形成されている。ウォーム35は、減速機構8に配されたウォームホイール36と噛合している。ウォームホイール36はワイパ軸4aに取り付けられており、ワイパ軸4aもしくはウォームホイール36にはさらにセンサマグネット31が取り付けられている。モータ6aの減速機構8側には、図示しない制御基板が設けられており、センサマグネット31は、この基板に取り付けられたロータリーエンコーダIC32と対向する形で配置されている。
ロータリーエンコーダIC32は、MRセンサとホールICセンサの両方の機能を持ったICとなっている。ワイパ制御装置10aは、センサマグネット31とロータリーエンコーダIC32によって、パルスと角度の両方を検知し、モータ6aを制御している。すなわち、センサマグネット31の回転に伴って発生するパルスにより、ワイパ軸4aの回転数を検出し、センサマグネット31の磁気変化に伴う出力電圧の変化により、ワイパ軸4aの回転角度を検出する。この場合、ワイパ軸4aの回転数を検出することにより、ワイパ軸4aの回転速度が算出され、ブレード2aの速度が検出される。また、ロータリーエンコーダIC32の出力電圧値とワイパ軸4aの回転角度との間には所定の関係があり、この電圧値に基づいてブレード2aの現在位置が検出される。
このような制御情報は、通信線13を介してワイパ制御装置10a,10bの間で交換され、双方のブレードの位置関係に基づいて、モータ6a,6bが同期制御される。すなわち、ワイパ制御装置10a,10bは、まず、自身の側のブレード位置に基づきモータ6a,6bを正逆転制御する。同時にワイパ制御装置10a,10bは、両ブレード2a,2bのブレード位置情報に基づいてモータ6a,6bを制御し、ブレード同士が干渉したり、角度差が拡大したりしないようにワイパシステムを制御する。これにより、ブレード2a,2bが下反転位置Aと上反転位置Bとの間、つまり図中一点鎖線で示す払拭範囲5を揺動運動し、フロントガラス3に付着した雨や雪などが払拭される。
一方、図1のワイパシステムにおいても、フロントガラス面(払拭面)上には、WETな部分とDRYな部分が存在する場合がある。その場合、ブレード2a,2bがWET部分からDRY部分に移行すると、負荷変動によって、ブレード2a,2bが上反転位置Bに至らない現象(ショートラン)が生じるおそれがある。そこで、当該ワイパシステムでは、負荷変動によるショートランが生じても、それをそのまま放置せず、ショートラン時の反転位置と、本来の反転予定位置との差に基づいて、次の払拭動作を制御し、反転位置を修正する。そしてこれにより、上反転位置Bあるいはその近傍(位置Bに対する所定の許容範囲内)にてブレード2a,2bを反転させ、安定した位置にてブレード2a,2bが反転するよう調整している。
図3は、本発明によるワイパ制御装置10の制御系の構成を示すブロック図である。なお、ワイパ制御装置10a,10bは同一構成となっているため、図3及び以下の記載では、ワイパ制御装置10aについてのみ説明する。図3に示すように、ワイパ制御装置10aには、CPU21と、データ送受信部22が設けられている。ワイパ制御装置10aは、LAN12を介してECU11と接続されている。ワイパ制御装置10aには、ECU11から、ワイパスイッチの設定状態(ON/OFFやLo,Hi,INT等の動作モード設定)、エンジン起動信号等の各種車両情報が入力される。ワイパ制御装置10a内にはさらに、制御プログラムや各種制御情報が格納されたROM23と、モータ回転数やブレード現在位置などの制御上のデータを格納しておくRAM24が設けられている。
CPU21は中央演算処理装置であり、ここでは、ECU11と接続されたCPU21がマスタ側となっており、図示しないワイパ制御装置10bのCPUがスレーブ側となっている。ワイパ制御装置10aのCPU21は、データ送受信部22と通信線13を介してワイパ制御装置10bのCPUと接続されている。両CPUは、通信線13を通じて位置情報や動作指示を互いにやり取りしている。マスタ側のCPU21は、ワイパスイッチの状態に従って、ワイパ制御装置10bから送られてきたブレード2bの位置情報や自ら(ブレード2a)の位置情報に基づいてモータ6aの動作を制御する。スレーブ側のCPUは、ワイパ制御装置10aからの指示に従って、ワイパ制御装置10aから送られてきたブレード2aの位置情報や自ら(ブレード2b)の位置情報に基づいてモータ6bの動作を制御する。
CPU21には、ロータリーエンコーダIC32からのセンサ信号に基づいて、ブレード2aの現在位置を検出するブレード位置検出部25と、ブレード2aの現在の移動速度を検出するブレード速度検出部26が設けられている。また、CPU21には、ブレード位置検出部25の検出データを用いてブレード2aの反転位置を検出するブレード反転位置検出部27が設けられている。CPU21にはさらに、ブレード反転位置検出部27における検出結果と、本来の反転予定位置(見込み反転位置:ROM23に格納)とを比較し、その差が所定範囲内に収まっているか否かを判定するブレード反転位置判定部28が設けられている。
加えて、CPU21には、ブレード反転位置判定部28における判定結果に基づいて、ブレードの減速開始位置(反転位置に向かってブレードの移動速度を減速させ始める位置)を適宜変更する減速開始位置補正部29が設けられている。CPU21にはまた、モータ6aに対し回転方向やDuty等を指示し、ブレード2aを上下反転位置間で適宜動作させる駆動制御指示部30が設けられており、駆動制御指示部30は、減速開始位置補正部29の指示に基づき、往路もしくは復路時における減速開始位置(復路中央ではなく、加速が終了し減速を開始する時点)を変更し、ブレードのショートラン(さらに、オーバーラン)を抑制する。
このような構成を備えた本発明によるワイパシステムでは、反転位置を安定させるべく次のような補正処理が行われる。図4は、本発明による反転位置補正処理の手順を示すフローチャートであり、図4の処理はワイパ制御装置10a,10bによって実行される。図4に示すように、ここではまずステップS1にて、ブレード反転位置検出部27によって、ブレード2aの前回(1払拭前)の反転位置(上反転)が検出される。次に、ステップS2にて、ステップS1にて検出されたブレード2aの前回の反転位置が、本来の反転予定位置に対して予め設定された所定の反転許容範囲内に収まっているか否かが判定される。この反転位置判定は、ブレード反転位置判定部28によって行われる。
ステップS2にて、ブレード2aの前回の反転位置が反転許容範囲内である場合には、ブレード反転位置に問題はない、と判断し、現在の制御形態を維持すべく、そのままルーチンを抜ける。これに対し、ブレード2aの前回の反転位置が反転許容範囲を超えている場合には、ステップS3に進み、減速開始位置を補正してルーチンを抜ける。この場合、減速開始位置の補正は減速開始位置補正部29にて実施され、その補正量は次のように設定される。
減速開始位置補正量X=k×反転位置差分量Δang 式(1)
Δang=反転予定位置tgt ang −前回反転位置pre ang
k:減速位置補正係数
図5(a)は、当該ワイパシステムにおけるモータ回転角度(ブレード位置)の時間変化を示す説明図、図5(b)は、モータ回転角度(ブレード位置)とブレード速度との関係を示す説明図である。ブレード2aは、減速開始位置sldに至ると、上反転位置に向かって速度が減速され、上反転位置Bにて速度が0となり、下反転位置Aに向かって作動する。ところが、前述のように、フロントガラス3上にDRY部分があると、負荷変動により、上反転位置Bに至る前に反転動作が行われ、図5(b)に破線にて示したような形でブレードが作動し、図5(a)のP部のような反転動作が行われてしまう。
そこで、本発明による制御では、P部のように反転位置が反転許容範囲Sを超えているとき(図4のS2にて「NO」の場合)は、例えば、反転位置差分量Δangの1/2を本来の減速開始位置sld0に加え(k=1/2)、減速開始位置を上反転位置側にシフトさせる(減速開始位置sld1)。これにより、図5(b)に一点鎖線にて示したような形でブレードが作動し、図5(a)のQ部のような反転動作が行われる。ところが、図5(a)の例では、先の補正を行ったにも関わらず、ブレードの反転位置は反転許容範囲S内には収まっていない。このため、次の払拭の際も、S2→S3と進み、前回と同様に減速開始位置の補正処理が行われる。すなわち、前回同様、Δangの1/2を減速開始位置sld1に加え、減速開始位置を上反転位置側にさらにシフトさせる(減速開始位置sld2)。すると、図5(b)に実線にて示したような形でブレードが作動し、図5(a)のR部のような反転動作が行われ、ブレード2aが反転許容範囲S内にて反転する。
ここで、k=1/2とし、減速開始位置sldの補正をΔang分だけ行わないのは、Δang分を一気に補正することにより、今度はブレードがオーバーラン(目標反転位置を超えてブレードが反転する)してしまうのを防止するためである。例えば、払拭動作においては、前回DRYだった部位が今回WETになっていることも考えられ、そのような場合、ブレードに加わる負荷が前回に比して急激に減少し、前回の状況に基づいて減速開始位置sldを補正すると、却って目標反転位置を超えてしまうおそれがある。このため、本発明による制御では、減速開始位置補正量Xの算出に当たり、Δangに減速位置補正係数kを乗じることにより、緩やかな補正処理を実行する。すなわち、減速位置補正係数kにより、負荷の急激な減少によってもオーバーランが生じない範囲に補正量Xを設定する。
このように、本発明によるワイパシステムでは、往路復路の減速開始位置sldが、前回の反転位置に応じて式(1)のように補正される。このため、図5(a)に示すように、ブレード反転位置が緩やかに目標反転位置に寄り付き、ショートラン状態が継続することなく解消される。従って、払拭角度が狭まった状態となってしまうことを回避でき、所定の払拭範囲を想定通りに払拭することが可能となる。また、減速位置補正係数kの設定により、払拭面の状況変化に柔軟に対応でき、ショートランのみならずオーバーランの発生も抑制され、WETガラス面からDRYガラス面まで安定した反転位置を実現することが可能となる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明による制御では、減速開始位置sldの補正により反転位置を調整し、モータ6a,6bに対して反転出力を行う位置は、目標払拭速度が変わらない限り変更しないが、ブレード2a,2bの角度位置に応じた目標払拭速度が、例えば、車速に応じて変更される場合などは、減速開始位置sldの補正と共に反転出力位置の変更を行っても良い。
また、前記実施例ではワイパモータである電動モータを2つ備え、運転席側と助手席側とのワイパアームおよびワイパブレードを略同一方向に払拭動作させるものを示したが、本発明はこれに限らず、2つの電動モータをフロントガラス3に対して左右対称に配置し、運転席側と助手席側とのワイパアームおよびワイパブレードを対向するよう払拭動作させる対向払拭型としても良い。さらに、電動モータを2つ備えるものを示したが、これに限らず、リンク機構を用いて1つの電動モータで運転席側と助手席側とのワイパアームおよびワイパブレードを払拭動作させるものでも良いし、1つの電動モータで1組のワイパアームおよびワイパブレードを払拭動作させるものでも良い。つまり、ワイパ装置であれば良い。
さらに、前記実施例ではロータリーエンコータICを用いた電動モータを示したが、本発明はこれに限らず、MRセンサやホールICセンサを用いたパルス検出タイプのセンサとしても良い。つまり、ワイパモータである電動モータに備えられるセンサは、電動モータの回転角度や回転速度を検出するセンサであれば良い。
1a,1b ワイパアーム
2a,2b ワイパブレード
3 フロントガラス
4a,4b ワイパ軸
5 払拭範囲
6a,6b 電動モータ
7 モータ本体
8 減速機構
10 ワイパ制御装置
10a,10b ワイパ制御装置
11 ECU
12 車載LAN
13 通信線
21 CPU
22 データ送受信部
23 ROM
24 RAM
25 ブレード位置検出部
26 ブレード速度検出部
27 ブレード反転位置検出部
28 減速開始位置補正部
28 ブレード反転位置判定部
29 減速開始位置補正部
30 駆動制御指示部
31 センサマグネット
32 ロータリーエンコーダIC
33 ロータ
34 回転軸
35 ウォーム
36 ウォームホイール
A 下反転位置
B 上反転位置
sld 減速開始位置
S 反転許容範囲
X 減速開始位置補正量
pre ang 前回反転位置
tgt ang 反転予定位置
Δang 反転位置差分量
k 減速位置補正係数

Claims (6)

  1. 払拭面上に配置されたワイパブレードと、前記ワイパブレードを前記払拭面上にて往復動させるための電動モータとを備えてなるワイパ装置の制御方法であって、
    前記ワイパブレードの往路もしくは復路払拭動作中に、前記ワイパブレードの速度を反転位置に向かって低下させ始める減速開始位置を設定し、
    前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において前記ワイパブレードの反転位置として想定されていた反転予定位置との差に基づいて、前記減速開始位置の設定を補正することを特徴とするワイパ制御方法。
  2. 請求項1記載のワイパ制御方法において、
    前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置が、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置よりも所定量を超えて手前側だった場合、前記減速開始位置を前記反転位置側に補正することを特徴とするワイパ制御方法。
  3. 請求項2記載のワイパ制御方法において、
    前記減速開始位置の補正量Xは、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置との差をΔangとしたとき、
    減速開始位置補正量X=k×反転位置差分量Δang(k:減速位置補正係数)
    として表されることを特徴とするワイパ制御方法。
  4. 払拭面上に配置されたワイパブレードと、前記ワイパブレードを前記払拭面上にて往復動させるための電動モータとを備えてなるワイパ装置の制御装置であって、
    前記ワイパ装置には、前記ワイパブレードの往路もしくは復路払拭動作中に、前記ワイパブレードの速度を反転位置に向かって低下させ始める減速開始位置が設定され、
    前記ワイパブレードの現在位置を検出するブレード位置検出部と、
    前記ブレード位置検出部の検出データを用いて、前記ワイパブレードの反転位置を検出するブレード反転位置検出部と、
    前記ブレード反転位置検出部にて検出された前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において前記ワイパブレードの反転位置として想定されていた反転予定位置とを比較し、両者の差が所定範囲内に収まっているか否かを判定するブレード反転位置判定部と、
    前記ブレード反転位置判定部における判定結果に基づいて、前記減速開始位置を補正する減速開始位置補正部と、を有することを特徴とするワイパ制御装置。
  5. 請求項4記載のワイパ制御装置において、
    前記減速開始位置補正部は、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置が、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置よりも所定量を超えて手前側だった場合、前記減速開始位置を前記反転位置側に補正することを特徴とするワイパ制御装置。
  6. 請求項5記載のワイパ制御装置において、
    前記減速開始位置補正部における前記減速開始位置の補正量Xは、前記ワイパブレードの前回の払拭動作における反転位置と、該前回の払拭動作において想定されていた前記反転予定位置との差をΔangとしたとき、
    減速開始位置補正量X=k×反転位置差分量Δang(k:減速位置補正係数)
    として表されることを特徴とするワイパ制御装置。
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