本発明に係る撮像装置の一実施例としての撮像装置であるデジタルカメラ10の概略的な構成を、図1から図15を用いて説明する。以下の説明では、デジタルカメラ10を基準として、後述する筐体11に設けられたレンズ鏡胴13の撮影光学系12の光軸(図1(b)の矢印OA参照)方向をZ軸方向(被写体側が正側(前側))とし、実施例1では前後方向ともいう。また、撮影光学系12の光軸(撮影光軸OA(Z軸方向))に垂直な方向をX軸方向(図1を正面視して右側が正側)とし、実施例1では左右方向ともいう。さらに、X軸方向およびZ軸方向に直交する方向をY軸方向(図1を正面視して上側が正側)とし、実施例1では上下方向(高さ方向)ともいう。
まず、本発明に係る電子機器の一例としてのデジタルカメラ10を、図1から図3を用いて説明する。本実施例のデジタルカメラ10は、撮像素子(後述する撮像素子22)を撮影光軸方向に垂直な面内で移動させて手ぶれを補正する手ぶれ補正機能(後述する手ぶれ補正機構40)を有している。デジタルカメラ10は、図1に示すように、全体に直方体形状を呈する筐体11を有し、その筐体11の前面(図1(a)を正面視して手前側(Z軸方向正側)の面)側に撮影光学系12(図1(b)参照)を有するレンズ鏡胴13が設けられている。この撮影光学系12は、最も被写体側に配置される対物レンズ12a(図1(b)参照)や、固定レンズ(図示せず)、ズームレンズ12b(図7参照)、シャッタユニット12c(図16等参照)および絞りユニット(図示せず)等の複数の光学部材を備える。撮影光学系12としての各光学部材は、レンズ鏡胴13により撮影光学系12の光軸方向(図1(b)の矢印OA参照)に移動可能に保持される。この明細書では、撮影光学系12における光学的な軸線、すなわち撮影状態とされた光学素子群の中心軸位置となる回転対称軸を、撮影光軸OAとする。
そのレンズ鏡胴13は、撮影光学系12の光軸(撮影光軸OA)に沿って、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(撮影待機状態(図1(b)参照))との間で進退移動(繰り出しおよび繰り入れ)可能とされている。レンズ鏡胴13では、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(図1(b)参照)とで移行することにより、撮影光学系12(図1(b)参照)の各光学部材(図示せず)を所定のごとく移動させる。
筐体11では、上面(図1を正面視して上側の面)に、操作部としての電源ボタン14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16が設けられている。電源ボタン14は、デジタルカメラ10を起動するための操作(起動操作)と、デジタルカメラ10を停止するための操作(停止操作)と、をするものである。シャッターボタン15は、被写体の撮影動作を実行するために、上下方向の下方へと押し下げる操作をするものである。モード切替ダイアル16は、各種のシーンモード、静止画モード、動画モード等を設定するものである。
また、筐体11では、図3に示すように、背面(図3を正面視して手前側(Z軸方向負側)の面)にその他の操作スイッチ17や、表示部18(その表示面18a)が設けられている。この操作スイッチ17は、各メニュー等の設定のための方向指示用スイッチや各種スイッチである。また、表示部18は、撮像された画像データや記録媒体に記録された画像データに基づき画像を表示する。
このデジタルカメラ10は、図2に示すように、制御部21と、撮像素子22と、レンズ鏡胴駆動ユニット23と、位置検出機構24と、ぶれ検出機構25と、手ぶれ補正機構40と、を有する。制御部21は、操作部としての電源ボタン14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16および操作スイッチ17に為された操作に基づく駆動処理や、撮像素子22からの信号に基づく画像データの生成処理や、表示部18、レンズ鏡胴駆動ユニット23および手ぶれ補正機構40の駆動等の制御を、記憶部21aに格納されたプログラムにより統括的に行う。制御部21は、撮影光学系12を経て撮像素子22で画像を取得し、その画像を筐体11の背面に設けられた表示部18に適宜表示させる。制御部21には、位置検出機構24やぶれ検出機構25から検出信号が入力される。また、制御部21は、図示を略す挿入箇所に装填された記録媒体19への情報(画像データ等)の格納および情報の抽出を行うことが可能とされている。
撮像素子22は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子で構成されている。この撮像素子22は、後述する手ぶれ補正機構40を介して、撮影光学系12の像面側であって撮影光軸OA上でレンズ鏡胴13に設けられている(図16参照)。撮像素子22は、撮影光学系12を通して受光面22a(図8参照)上に結像された被写体像を電気信号(画像データ)に変換して出力する。その出力された電気信号(画像データ)は、制御部21へと伝送される。
レンズ鏡胴駆動ユニット23は、レンズ鏡胴13を収納位置(図1(a)参照)と繰出位置(図1(b)参照)とで移行すべく、撮影光学系12の各光学部材を各々支持する光学部材保持枠(図示せず)を移動させる。
位置検出機構24は、後述する鏡胴ベース33に対する作動ステージ41(図5等参照)の位置を検出するものであり、本実施例では、ホール素子で構成されて、作動ステージ41に設けられている(図9の符号45および符号47参照)。
ぶれ検出機構25は、デジタルカメラ10自体(その筐体11)に生じたぶれすなわち空間での移動を検出するぶれ検出機構であり、本実施例では、図示は略すが、ジャイロセンサで構成されて筐体11に設けられている。なお、このぶれ検出機構25は、加速度センサを用いて構成することもできる。この位置検出機構24およびぶれ検出機構25は、検出信号を制御部21へと出力する。
デジタルカメラ10では、シャッターボタン15に1段階の押下操作が為されると、制御部21がレンズ鏡胴駆動ユニット23を制御してピント調節の動作を実行する。また、デジタルカメラ10では、シャッターボタン15に2段階の押下操作が為されると、制御部21が撮影光学系12を通して撮像素子22の受光面22a(図8参照)で受光した被写体像の画像データを生成し、その画像データを適宜記録媒体19へと格納する。さらに、デジタルカメラ10では、制御部21の制御下で、生成した画像データに基づく画像や記録媒体19から抽出した画像データに基づく画像を表示部18に適宜表示させることができる。
(レンズ鏡胴13の構成)
デジタルカメラ10では、図4(a)に示すように、筐体11が後側カバー部材11aと前側カバー部材11bとがZ軸方向(撮影光軸OA方向)で組み付けられて構成されており、その後側カバー部材11aと前側カバー部材11bとに挟まれてレンズ鏡胴13が設けられている。そのレンズ鏡胴13は、図5から図7に示すように、固定枠31と可動鏡筒32(図1および図16等参照)と鏡胴ベース33と、を備える。その固定枠31は、後述するように手ぶれ補正機構40が設けられる鏡胴ベース33のZ軸方向正側(被写体側)に一体的に形成されており、内方に円筒形状の固定筒部31aを有する。この固定筒部31aは、鏡胴ベース33の前面側(Z軸方向正側)に固定されている。その鏡胴ベース33には、撮像素子22を撮影光軸OAに直交する面内で移動させて手ぶれを補正する手ぶれ補正機構40が設けられている。この手ぶれ補正機構40の構成については後述する。固定筒部31aの内周面には、図示は略すが、軸方向(Z軸方向)に沿う直進溝や、軸方向に対して傾斜するカム溝が形成されている。
その固定筒部31aの内方に可動鏡筒32(図1および図16等参照)が設けられる。その可動鏡筒32は、撮影光学系12の複数の光学部材を撮影光軸OA方向に移動させるべく、固定筒部31aに対して撮影光軸OA方向に移動可能とされている。可動鏡筒32は、図示は略すが、固定筒部31a内において、撮影光軸OAを回転中心として回転しつつ当該撮影光軸OA方向へと移動する回転筒や、回転することなく撮影光軸OA方向へと移動するライナーや、撮影光学系12の各光学部材を各々保持する光学部材保持枠等を有する。この可動鏡筒32では、図示は略すが、その回転筒およびライナーに設けられたキー部やカムフォロワが、固定筒部31aの直進溝およびカム溝に干渉可能に挿通されることにより、上述した固定筒部31aに対する移動が可能とされている。
可動鏡筒32では、図示は略すが、回転筒の外周面にギア溝が設けられており、そのギア溝にレンズ鏡胴駆動ユニット23(図2参照)を構成するモータの出力軸に設けられたギアが噛み合わされている。その回転筒やライナーの内周面には、図示は略すが、内方に設けられる各光学部材収容枠(光学部材保持枠や回転筒やライナー等)のキー突起部やヘリコイド等が干渉可能に挿入される直進溝やヘリコイド等が設けられている。このような構成により、可動鏡筒32では、ギア溝に噛み合わされたレンズ鏡胴駆動ユニット23のギアを介してモータ(図示せず)の駆動力が適宜ギア伝達されると、固定筒部31a内において回転筒(図示せず)が撮影光軸回りに回転して、回転筒やライナーや光学部材保持枠が固定筒部31aに対して撮影光軸OA方向へと適宜移動する。
これにより、レンズ鏡胴13では、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(撮影待機状態(図1(b)参照))とで移行(進退移動(繰り出しおよび繰り入れ))し、撮影光学系12(図1(b)参照)の各光学部材(図示せず)を所定のごとく撮影光軸OA方向に移動させる。このため、固定筒部31aは、図示を略す回転筒やライナーや光学部材保持枠等とともに、撮影光学系12(図1(b)参照)の各光学部材(図示せず)を収容する光学部材収容枠として機能する。また、レンズ鏡胴駆動ユニット23は、図示を略すモータで可動鏡筒32(その回転筒)を適宜回転させることにより、光学部材収容枠を適宜駆動する収容枠駆動手段として機能する。
また、レンズ鏡胴13では、図示は略すが、所定の収納位置(図1(a)参照)とされると、レンズ鏡胴駆動ユニット23により、ズームレンズ12b(図7参照)が撮影光軸OA(撮影光路)上に配置されるとともに所定のごとく合焦動作される。
このレンズ鏡胴13の鏡胴ベース33は、全体にX−Y平面に平行な板状を呈し、固定枠31すなわち固定筒部31aに移動可能に保持された可動鏡筒32(撮影光学系12)のZ軸方向負側に設けられている(図16参照)。鏡胴ベース33では、撮影光軸OAを含む位置関係でその撮影光軸OA方向(Z軸方向)に貫通する窓穴33aが設けられている。この窓穴33aに手ぶれ補正機構40により移動可能とされて撮像素子22が設けられる(図16等参照)。
(手ぶれ補正機構40の構成)
手ぶれ補正機構40は、撮像素子22が設けられた作動ステージ41を、鏡胴ベース33に対して撮影光軸OA方向(Z軸方向)に垂直な面(X−Y平面)内で移動させて手ぶれを補正する。その作動ステージ41は、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けられ、図8および図9に示すように、可動枠部42と回転規制部43とを有する。その可動枠部42は、全体にX−Y平面に平行な平板状を呈し、Z軸方向正側(被写体側)の表面(図8を正面視した手前側)に撮像素子22が設けられて(保持して)いる。この手ぶれ補正機構40では、作動ステージ41の可動枠部42に設けられた撮像素子22の裏面にフレキシブル基板22b(図9参照)が取り付けられる。このフレキシブル基板22bは、撮像素子22および手ぶれ補正機構40と制御部21(図2参照)とを電気的に接続する。
また、可動枠部42には、撮像素子22から見て、Y軸方向正側に垂直駆動コイル44と垂直位置検出センサ45(図9参照)とが設けられているとともに、X軸方向正側に水平駆動コイル46と水平位置検出センサ47(図9参照)とが設けられている。垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46は、明確な図示は略すが、電線が巻かれて構成されたコイル部材であり、後述するように作動ステージ41(可動枠部42)を鏡胴ベース33に対してX−Y平面に平行に移動させる駆動力を生成する。垂直位置検出センサ45は、鏡胴ベース33に設けられたマグネット(図示せず)との協働により、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41のY軸方向での位置を検出するものであり、本実施例では、ホール素子で構成されている。また、水平位置検出センサ47は、鏡胴ベース33に設けられたマグネット(図示せず)との協働により、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41のX軸方向での位置を検出するものであり、本実施例では、ホール素子で構成されている。この垂直位置検出センサ45および水平位置検出センサ47は、鏡胴ベース33に設けられたマグネット(図示せず)と協働して、上述した位置検出機構24(図2参照)を構成する。このため、撮影光軸OA(Z軸方向)を水平方向としかつY軸方向を鉛直方向とした状態をデジタルカメラ10(筐体11)の基本姿勢として、その基本姿勢において、垂直位置検出センサ45がマグネット(図示せず)との協働により垂直方向での作動ステージ41すなわち撮像素子22の位置を検出し、水平位置検出センサ47がマグネット(図示せず)との協働により水平方向での作動ステージ41すなわち撮像素子22の位置を検出する。
さらに、可動枠部42には、3つのボール受部48が設けられている。各ボール受部48は、可動枠部42の表面がZ軸方向負側へ向けて凹まされて形成されており、Z軸方向正側が矩形状に開放されている。この各ボール受部48は、後述するように、可動支持球62の可動枠部42に対する移動範囲を制限する箇所となる。各ボール受部48には、底面(ボール受部48の内方におけるZ軸方向負側の面)に磁性体材料からなるボール受板49が設けられている(図10等参照)。各ボール受板49は、撮影光軸OA方向(Z軸方向)で見た位置が互いに等しくされている。以下の説明では、3つのボール受部48および3つのボール受板49を個別に述べる際には、ボール受部48a(ボール受板49a)、ボール受部48b(ボール受板49b)およびボール受部48c(ボール受板49c)とする。
この可動枠部42は、図8に示すように、規制軸51を介して回転規制部43に取り付けられている。その規制軸51は、X軸方向と平行に伸びる棒状を呈し、回転規制部43に固定されている。可動枠部42は、その規制軸51をX軸方向に移動自在に支持している。このため、可動枠部42は、規制軸51を介することにより、回転規制部43に対してX軸方向に移動可能とされている。この回転規制部43には、2つの軸受スリット52が設けられている。2つの軸受スリット52は、Y軸方向に延びつつ回転規制部43の表面(Z軸方向正側の面)がZ軸方向負側へ向けて凹まされて形成されており、鏡胴ベース33の後述する規制ピン53(図7参照)をZ軸方向に移動可能に受け入れることが可能とされている。
この作動ステージ41が設けられる鏡胴ベース33には、図7に示すように、規制ピン53と垂直駆動磁石54と水平駆動磁石55とが設けられている。その規制ピン53は、鏡胴ベース33から窓穴33aの内方へ向けてY軸方向と平行に突出する棒状を呈し、窓穴33aのY軸方向正側の縁部とY軸方向負側の縁部とに設けられている。この両規制ピン53は、作動ステージ41の回転規制部43に設けられた2つの軸受スリット52(図8参照)と対応する位置関係とされている。
垂直駆動磁石54は、Y軸方向に分極して着磁された永久磁石であり、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた垂直駆動コイル44(図8および図9等参照)とZ軸方向で対向する位置関係とされている。水平駆動磁石55は、X軸方向に分極して着磁された永久磁石であり、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた水平駆動コイル46(図8および図9等参照)とZ軸方向で対向する位置関係とされている。この垂直駆動磁石54および水平駆動磁石55には、図示は略すが、Z軸方向正側(鏡胴ベース33側)に磁性体材料からなる板状部材(ヨーク)が一体的に設けられている。その垂直駆動磁石54のZ軸方向側に垂直側ヨーク56が取り付けられるとともに、水平駆動磁石55のZ軸方向側に水平側ヨーク57が取り付けられる(図5および図6参照)。
その垂直側ヨーク56は、垂直駆動磁石54と異極同士がZ軸方向で対向する永久磁石(図示せず)と一体に形成された磁性体材料からなる板状部材である。この垂直側ヨーク56は、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた垂直駆動コイル44を介在させて、垂直駆動磁石54とZ軸方向で対向する位置関係とされている(図6、図7および図9参照)。垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)は、作動ステージ41の垂直駆動コイル44と垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)と協働して、いわゆるボイスコイルモータを構成している。
水平側ヨーク57は、水平駆動磁石55と異極同士がZ軸方向で対向する永久磁石(図示せず)と一体に形成された磁性体材料からなる板状部材である。この水平側ヨーク57は、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた水平駆動コイル46を介在させて、水平駆動磁石55とZ軸方向で対向する位置関係とされている(図6、図7および図9参照)。水平側ヨーク57(そこと一体に形成された永久磁石)は、作動ステージ41の水平駆動コイル46と水平駆動磁石55(そこと一体に形成された板状部材)と協働して、いわゆるボイスコイルモータを構成している。
このため、垂直駆動コイル44では、適宜電流が流れることにより、Z軸方向で対向された垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)および垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)に対して、Y軸方向への力(以下、垂直駆動力ともいう)が作用する。また、水平駆動コイル46では、適宜電流が流れることにより、Z軸方向で対向された水平側ヨーク57(そこと一体に形成された永久磁石)および水平駆動磁石55(そこと一体に形成された板状部材)に対して、X軸方向への力(以下、水平駆動力ともいう)が作用する。これにより、手ぶれ補正機構40では、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46へと適宜電流を流すことにより、作動ステージ41(その可動枠部42)に、鏡胴ベース33に対してX−Y平面に沿って移動させる垂直駆動力および水平駆動力を適宜作用させることができる。
また、鏡胴ベース33には、3箇所に設置凹所58が設けられている。各設置凹所58は、鏡胴ベース33の裏面(Z軸方向負側の面)がZ軸方向正側へ向けて凹まされて形成されており、Z軸方向負側が矩形状に開放されているとともに、鏡胴ベース33の窓穴33aの内方へ向けて開放されている。この各設置凹所58は、後述するように、可動枠部42の各ボール受部48を受け入れるとともに、可動支持球62の鏡胴ベース33に対する移動範囲を制限する箇所となる。このため、各設置凹所58は、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた3つのボール受部48のうちの対応するものと、Z軸方向で対向する位置関係とされている(図10参照)。なお、以下の説明では、3つの設置凹所58を個別に述べる際には、設置凹所58a、設置凹所58bおよび設置凹所58cとする。すなわち、設置凹所58aは、ボール受部48aとZ軸方向で対向し、設置凹所58bは、ボール受部48bとZ軸方向で対向し、設置凹所58cは、ボール受部48cとZ軸方向で対向する位置関係とされている。
各設置凹所58には、ボール支持板59およびボール支持マグネット61が設けられている。各ボール支持板59は、Z軸方向から見て矩形状の平板部材であり、各設置凹所58の底面(設置凹所58の内方におけるZ軸方向正側の面)に配されている。各ボール支持板59は、各設置凹所58の底面に連続する同一平面を形成しており(図10および図15(b)参照)、撮影光軸OA方向(Z軸方向)で見た位置が互いに等しくされている。各ボール支持マグネット61は、永久磁石で形成されており、各ボール支持板59の裏側すなわち各ボール支持板59のZ軸方向正側において、各設置凹所58の底面に埋め込まれるように固定されて設けられている(図10および図15(b)参照)。このボール支持板59およびボール支持マグネット61も、設置凹所58と同様に、以下の説明では、個別に述べる際には、ボール支持板59a(ボール支持マグネット61a)、ボール支持板59b(ボール支持マグネット61b)およびボール支持板59c(ボール支持マグネット61c)とする。
この各設置凹所58の内方でボール支持板59の上に可動支持球62が設けられている。各可動支持球62は、磁性体材料からなる球体であり、互いに等しい大きさ寸法とされている。この各可動支持球62は、作動ステージ41(その可動枠部42)の各ボール受部48の内方の大きさ寸法、および各設置凹所58(各ボール支持板59)の大きさ寸法よりも小さな直径寸法(大きさ寸法)とされている(図7、図10および図15(b)参照)。各可動支持球62は、それぞれが対応するボール支持板59上(Z軸方向負側)に配される。すると、各可動支持球62は、ボール支持板59を介してボール支持マグネット61とZ軸方向で対向するので(図10および図15(b)参照)、ボール支持板59すなわち鏡胴ベース33(その裏面)に磁力で吸着されて支持される。このとき、各可動支持球62では、ボール支持マグネット61による吸着であるとともに、平板状のボール支持板59の上に配されていることから、吸着による支持された状態を維持したままボール支持板59上を転がりつつ移動することが可能とされている。なお、以下の説明では、可動支持球62を個別に述べる際には、可動支持球62a、可動支持球62bおよび可動支持球62cとする。
このような構成の鏡胴ベース33に作動ステージ41が設けられて、手ぶれ補正機構40が構成されている。すなわち、鏡胴ベース33の各規制ピン53を作動ステージ41の回転規制部43の各軸受スリット52に挿入するとともに、鏡胴ベース33の設置凹所58aに作動ステージ41(可動枠部42)のボール受部48aを配し、鏡胴ベース33の設置凹所58bに作動ステージ41(可動枠部42)のボール受部48bを配し、鏡胴ベース33の設置凹所58cに作動ステージ41(可動枠部42)のボール受部48cを配する位置関係として、鏡胴ベース33の裏面側から作動ステージ41を宛がう(図5および図6参照)。これにより、図10および図15(b)に示すように、鏡胴ベース33の各設置凹所58のボール支持板59上に設けられた可動支持球62が、作動ステージ41の可動枠部42の各ボール受部48とZ軸方向(撮影光軸OA方向)で接することとなる。すると、作動ステージ41の可動枠部42の各ボール受部48内には、磁性体材料からなるボール受板49が設けられていることから、そのボール受板49が可動支持球62およびボール支持板59を介してボール支持マグネット61とZ軸方向で対向することにより、可動枠部42すなわち作動ステージ41が各ボール支持板59すなわち鏡胴ベース33(その裏面)に磁力で吸着されて支持される。
このとき、各ボール受板49は、平板状であるとともにボール支持マグネット61の磁力で吸着されていることから、磁力により作動ステージ41が鏡胴ベース33に支持された状態を維持したまま可動支持球62が相対的に転がりつつ移動することを可能としている。また、上述したように、各ボール受板49が互いに等しい大きさ寸法であるとともに、各ボール受板49が作動ステージ41(可動枠部42)においてZ軸方向で互いに等しい位置とされ、かつ各ボール支持板59が鏡胴ベース33(その裏面)においてZ軸方向で互いに等しい位置とされている。このため、作動ステージ41は、鏡胴ベース33との間に設けられた3つの可動支持球62により、鏡胴ベース33に対して撮影光軸OA方向(Z軸方向)に垂直な面(X−Y平面)に沿って円滑で安定して移動可能に支持されているとともに、撮影光軸OA方向(Z軸方向)での鏡胴ベース33に対する位置が適切に規定されている。この作動ステージ41のX−Y平面に沿う鏡胴ベース33に対する移動範囲は、各可動支持球62が配されたボール支持板59および各ボール受部48により制限される。
このとき、可動枠部42は、規制軸51を介することにより回転規制部43に対してX軸方向に移動可能とされているとともに、その回転規制部43が各軸受スリット52で鏡胴ベース33の各規制ピン53をY軸方向に移動可能に受け入れていることから、作動ステージ41のX−Y平面に沿う移動の際に鏡胴ベース33に対してZ軸方向を中心として回転することが防止されている。これにより、作動ステージ41に保持された撮像素子22は、鏡胴ベース33すなわちレンズ鏡胴13の撮影光学系12(その撮影光軸OA)に対して、所定の範囲内でX−Y平面に沿って移動可能とされている。
また、この状態では、上述したように、鏡胴ベース33に設けられた垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)と垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)との間に、作動ステージ41の可動枠部42に設けられた垂直駆動コイル44が存在されるとともに、鏡胴ベース33に設けられた水平側ヨーク57(そこと一体に形成された永久磁石)と水平駆動磁石55(そこと一体に形成された板状部材)との間に、作動ステージ41の可動枠部42に設けられた水平駆動コイル46が存在される(図6、図7および図9参照)。このため、鏡胴ベース33すなわちレンズ鏡胴13の撮影光学系12(その撮影光軸OA)に対して、所定の範囲内でX−Y平面に沿って移動可能とされた作動ステージ41(可動枠部42)に、垂直駆動力および水平駆動力を適宜作用させることができるので、手ぶれ補正機構40では、作動ステージ41すなわちそこに保持された撮像素子22をX−Y平面に沿って移動させることができる。
この手ぶれ補正機構40(制御部21)では、作動ステージ41(可動枠部42)の移動可能な範囲におけるX−Y平面内での原点位置が設定されている。この原点位置は、本実施例では、上記した移動可能範囲における中心位置と一致されているとともに、撮影光軸OA上に位置されている。原点位置は、制御部21に設けられた記憶部21a(図2参照)に格納され、その制御部21により適宜取得可能とされている。また、手ぶれ補正機構40では、制御部21(図2参照)の制御下で、ぶれ検出機構25(図2参照)からのぶれ検出情報に基づいて、移動目標位置を設定するとともに、原点位置から移動目標位置への移動方向および移動量を算出し、その移動方向へと移動量だけ作動ステージ41を移動させるべく、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御する。
この制御により、水平駆動力および垂直駆動力を適宜作用させて、作動ステージ41すなわち撮像素子22を撮影光軸OA(鏡胴ベース33)に対してX−Y平面上で所定の位置へと移動させることができる。このとき、制御部21(図2参照)は、作動ステージ41を設定した移動目標位置へと適切に移動させるべく、位置検出機構24(図2参照)(垂直位置検出センサ45および水平位置検出センサ47(図9参照))からの位置検出情報に基づいてサーボ制御を行う。このため、デジタルカメラ10すなわち手ぶれ補正機構40では、制御部21が垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御することにより、手ぶれを打ち消すようにX−Y平面上で移動させて手ぶれによる被写体の像の移動に撮像素子22を追従移動させて手ぶれ補正を行うことができる。また、デジタルカメラ10すなわち手ぶれ補正機構40では、記憶部21a(図2参照)に格納された原点位置のデータに基づいて、制御部21が垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御することにより、作動ステージ41すなわち撮像素子22を撮影光軸OA上に設定された原点位置へと移動させることができるとともに、その原点位置に在ることを維持することができる。
次に、本願発明のデジタルカメラ10の特徴部分について説明する。本実施例のデジタルカメラ10では、図4(b)に示すように、筐体11の後側カバー部材11aに取付板70が設けられている。この取付板70は、図11に示すように、全体に平板状を呈し、弾性変形可能な材料で形成されている。取付板70は、平板状を呈する取付本体部71に、保持壁部72と取付片部73と第1板ばね部74と第2板ばね部75と第3板ばね部76とが設けられて構成されている。その保持壁部72は、取付本体部71の縁部から突出する箇所がZ軸方向負側へと折り曲げられて形成され、折り曲げられた縁部の伸びる方向とZ軸方向とを含む平面に沿う平板状を呈する。保持壁部72は、本実施例では、取付本体部71において、Y軸方向で見た両縁部と、X軸方向正側の縁部と、に設けられている。
取付片部73は、取付本体部71の縁部から突出する箇所がZ軸方向正側へと折り曲げられて形成され、折り曲げられた縁部の伸びる方向とZ軸方向とを含む平面に沿う平板状を呈する。この取付片部73には、取付孔73aが設けられている。取付片部73は、取付孔73aを利用することで、筐体11の後側カバー部材11aに取付板70を取り付けることを可能とする。
第1板ばね部74は、取付本体部71において、X軸方向負側であってY軸方向負側の内方位置(取付本体部71の中心を基準とするX−Y平面における第3象限)に設けられている。この第1板ばね部74は、取付本体部71が部分的にU字形状に切り欠かれ、その切り欠かれていない線状箇所を基点としてZ軸方向正側へと折り曲げられて形成され、取付本体部71すなわちX−Y平面に対して傾斜する面に沿う平板状を呈する。このため、第1板ばね部74は、取付本体部71からの突出端部分74aがX−Y平面に平行な直線状を呈し、その突出端部分74aの伸びる方向の両端部に一対の隅箇所74a1、74a2(図14等参照)が設けられている。この第1板ばね部74は、後述するように取付板70およびレンズ鏡胴13が筐体11に取り付けられた状態(図4(a)参照)において、鏡胴ベース33の後述する被押当部81(図5等参照)とZ軸方向正側から接することを可能とすべく、突出端部分74aにおける押さえ力量F1(図13参照)、突出端部分74aの大きさ寸法、および取付本体部71(X−Y平面)に対する曲げ角度(傾斜角度)すなわちZ軸方向で見た突出端部分74aの位置が設定されている。これについては、後に説明する。
第2板ばね部75は、取付本体部71のY軸方向正側の縁部におけるX軸方向負側に設けられている。この第2板ばね部75は、取付本体部71の縁部が部分的にL字形状に切り欠かれ、その切り欠かれていない線状箇所を基点としてZ軸方向正側へと折り曲げられて形成され、取付本体部71すなわちX−Y平面に対して傾斜する面に沿う平板状を呈する。第2板ばね部75は、後述するように取付板70およびレンズ鏡胴13が筐体11に取り付けられた状態(図4(a)参照)において、鏡胴ベース33とZ軸方向正側から接することを可能とすべく、大きさ寸法および取付本体部71(X−Y平面)に対する曲げ角度(傾斜角度)が設定されている。
第3板ばね部76は、取付本体部71のX軸方向正側の縁部におけるY軸方向正側に設けられている。この第3板ばね部76は、取付本体部71の縁部が部分的にL字形状に切り欠かれ、その切り欠かれていない線状箇所を基点としてZ軸方向正側へと折り曲げられて形成され、取付本体部71すなわちX−Y平面に対して傾斜する面に沿う平板状を呈する。第3板ばね部76は、後述するように取付板70が筐体11に取り付けられた状態(図4(a)参照)において、鏡胴ベース33とZ軸方向正側から接することを可能とすべく、大きさ寸法および取付本体部71(X−Y平面)に対する曲げ角度(傾斜角度)が設定されている。
このため、第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76(各板ばね部)は、取付本体部71からZ軸方向正側へと突出されている。また、各板ばね部(第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76)は、弾性変形可能な材料で形成された取付板70が部分的に折り曲げられて、取付本体部71(X−Y平面)に対して傾斜する面に沿う平板状とされたものであることから、取付本体部71からの突出端部(第1板ばね部74で言えば突出端部分74a(図14等参照))にZ軸方向への力が加わるとその力の方向に撓み変形するとともに、その力が解除されると元の位置(初期位置)へと復帰する所謂板ばねとして機能する。すなわち、各板ばね部(第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76)は、Z軸方向正側へと変位させる動作に抗する弾性力を発揮することが可能な板ばねとされている。
また、本実施例のデジタルカメラ10では、図5から図7に示すように、レンズ鏡胴13の鏡胴ベース33に被押当部81が設けられている。この被押当部81は、本実施例では、鏡胴ベース33に設けられたZ軸方向に貫通する窓穴33aの内周縁部であって、設置凹所58aが設けられた箇所に設けられている(図7参照)。被押当部81は、Z軸方向で見て、矩形状を呈する設置凹所58aの隣り合う2辺の周縁部が、それぞれ部分的にZ軸方向負側に盛り上げられて形成されている(図14参照)。すなわち、被押当部81は、設置凹所58aに対して、X軸方向正側に被押当部81aが設けられるとともに、Y軸方向負側に被押当部81bが設けられて構成されている。この被押当部81aは、後述するように取付板70およびレンズ鏡胴13が適切に筐体11に設けられた状態において、第1板ばね部74の突出端部分74aの隅箇所74a1とZ軸方向で対向する位置関係とされている。また、被押当部81bは、後述するように取付板70およびレンズ鏡胴13が適切に筐体11に設けられた状態において、第1板ばね部74の突出端部分74aの隅箇所74a2とZ軸方向で対向する位置関係とされている。このため、第1板ばね部74は、後述するように取付板70およびレンズ鏡胴13が適切に筐体11に設けられた状態において、設置凹所58a(そのボール支持板59aおよびボール支持マグネット61a)に支持される可動支持球62a(図7等参照)とZ軸方向(撮影光軸OA方向)で並列する位置関係とされている(図15等参照)。この被押当部81aと被押当部81bとは、鏡胴ベース33において、撮影光軸OA方向(Z軸方向)で見た位置が互いに等しくされている。
次に、この取付板70の取り付けについて説明する。先ず、図11に示すように、取付板70のZ軸方向負側の面に、表示面18a(図3参照)とは反対側の面を取付本体部71に宛がって表示部18を配する。この表示部18は、全体に薄い直方体形状を呈し、そのY軸方向の両側面とX軸方向正側の側面とを、保持壁部72に接触させることにより、取付板70に対する位置関係が決められる。表示部18は、図示は略すが、ねじ部材を用いることや接着等により、取付板70に対して位置決めされた状態で固定される。
この表示部18が取り付けられた取付板70は、図4(b)に示すように、表示面18aを筐体11の後側カバー部材11aに設けられた開口部(図示せず)から露出させる位置関係(図3参照)とされて、その後側カバー部材11aに取り付けられる。この取付板70は、図示は略すが取付片部73の取付孔73aに通されたねじ部材により、後側カバー部材11aに固定される。
その後、筐体11の前側カバー部材11bに上述したように構成されたレンズ鏡胴13(図5等参照)を配し、その前側カバー部材11bに取付板70(表示部18)が固定された後側カバー部材11aを組み付ける(図4(a)参照)。そのレンズ鏡胴13は、図4(a)に示すように、固定枠31の固定筒部31aに設けられた可動鏡筒32が、前側カバー部材11bに設けられたレンズ開口部(明確には図示せず)に通されつつ、Z軸方向(撮影光軸OA)回りでの回転姿勢を適切なものとされて、前側カバー部材11bの裏側(Z軸方向負側)に配される。その前側カバー部材11bに対して、取付板70(表示部18)が固定された後側カバー部材11aを、その取付板70をレンズ鏡胴13の鏡胴ベース33に宛がいつつZ軸方向で組み付ける。その前側カバー部材11bと後側カバー部材11aとは、図示は略すがねじ部材を用いることや接着等により組み付けられて、取付板70およびレンズ鏡胴13を収容する筐体11が形成される。
このように筐体11が形成されると、取付板70では、取付本体部71からZ軸方向正側へと突出された各板ばね部(第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76)の突出端部が、Z軸方向でレンズ鏡胴13の鏡胴ベース33に押し当てられる(図12等参照)。この筐体11内における取付板70とレンズ鏡胴13の鏡胴ベース33との位置関係を、図12から図15に示す。この図12から図15では、理解容易のために、取付板70およびレンズ鏡胴13(鏡胴ベース33)の他の部材を省略して示している。取付板70の第2板ばね部75は、図12および図13に示すように、鏡胴ベース33のY軸方向正側の縁部に押し当てられ、当該縁部(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと押している(図13の符号F2参照)。また、取付板70の第3板ばね部76は、鏡胴ベース33のX軸方向正側の縁部に押し当てられ、当該縁部(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと押している(図13の符号F3参照)。
そして、取付板70の第1板ばね部74は、鏡胴ベース33の被押当部81に押し当てられ、その被押当部81を(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと押している(図13の符号F1参照)。このとき、図14等に示すように、第1板ばね部74と被押当部81との位置関係により、第1板ばね部74の突出端部分74aの隅箇所74a1が、設置凹所58aに対してX軸方向正側に存在する被押当部81aに押し当てられるとともに、第1板ばね部74の突出端部分74aの隅箇所74a2が、設置凹所58aに対してY軸方向負側に存在する被押当部81bに押し当てられる。ここで、被押当部81aと被押当部81bとがZ軸方向(撮影光軸OA方向)で見た位置が等しくされていることから、第1板ばね部74の突出端部分74aは、鏡胴ベース33(レンズ鏡胴13)に対するZ軸方向での位置が決定される。また、第1板ばね部74の突出端部分74aは、鏡胴ベース33の設置凹所58aに設けられたボール支持板59a上を掛け渡すように、当該設置凹所58aのZ軸方向正側に存在される(図14および図15参照)。その設置凹所58aには、上述したように、作動ステージ41(可動枠部42)のボール受部48aが配されることから、第1板ばね部74の突出端部分74aは、作動ステージ41(可動枠部42)のボール受部48aのZ軸方向正側で、設置凹所58a上で被押当部81aと被押当部81bとをX−Y平面に沿って掛け渡している。
このため、取付板70は、筐体11内において、自らが固定された後側カバー部材11aに対して、各板ばね部(第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76)で鏡胴ベース33すなわちレンズ鏡胴13をZ軸方向正側へと押すこととなる。これにより、取付板70は、レンズ鏡胴13を前側カバー部材11bに押し当てることができ、そのレンズ鏡胴13の筐体11内でのZ軸方向での位置を規定することができる。このことから、取付板70の各板ばね部(第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76)は、次式(1)を満たすものとされている。ここで、レンズ鏡胴13の重量をMとする。また、第1板ばね部74がレンズ鏡胴13(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと押す力を押さえ力量F1(図13参照)とする。同様に、第2板ばね部75がレンズ鏡胴13(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと押す力を押さえ力量F2とし、第3板ばね部76がレンズ鏡胴13(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと押す力を押さえ力量F3とする(図13参照)。
F1+F2+F3>M ・・・・・・・・・(1)
これにより、取付板70の各板ばね部(第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76)は、筐体11内において、レンズ鏡胴13(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと前側カバー部材11bに押し当てることができる。このため、レンズ鏡胴13は、取付板70の各板ばね部(第1板ばね部74、第2板ばね部75および第3板ばね部76)から押されることで、筐体11内でのZ軸方向での位置が適切に規定されて、筐体11に固定される。このため、鏡胴ベース33(レンズ鏡胴13)は、撮影光軸OAに対する位置が固定されて筐体11に設けられた固定部材として機能する。また、その鏡胴ベース33に対してX−Y平面に沿って移動自在とされて撮像素子22が設けられた作動ステージ41(可動枠部42)は、可動部材として機能する。さらに、可動枠部42に設けられた垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46は、可動部材に設けられた可動側駆動機構部として機能し、鏡胴ベース33に設けられた垂直駆動磁石54、水平駆動磁石55、垂直側ヨーク56および水平側ヨーク57は、可動側駆動機構部に対して撮影光軸OA方向で見た両側に存在すべく対を為して固定部材に設けられた固定側駆動機構部として機能する。
次に、第1板ばね部74および被押当部81の設定について説明する。手ぶれ補正機構40(レンズ鏡胴13)では、図16に示すように、作動ステージ41(可動枠部42)が鏡胴ベース33(その裏面)に磁力で吸着されて支持されている。そして、手ぶれ補正機構40(レンズ鏡胴13)では、鏡胴ベース33の各ボール支持板59上に設けられた可動支持球62が当該ボール支持板59上を転がりつつ移動するとともに、可動枠部42の各ボール受部48内に配された各可動支持球62がボール受板49上を転がりつつ移動することにより、作動ステージ41(可動枠部42)が鏡胴ベース33に対してX−Y平面と平行に移動する。このように、手ぶれ補正機構40(レンズ鏡胴13)では、通常の状態において、作動ステージ41(可動枠部42)が鏡胴ベース33に磁力で吸着されて支持されており、可動枠部42の各ボール受部48のボール受板49と各可動支持球62とが常に接している。
しかしながら、例えば、デジタルカメラ10を落下させてしまったり、不測の事態が生じることにより、可動鏡筒32が所定の繰出位置(撮影待機状態(図1(b)参照))から所定の収納位置(図1(a)参照)へと移動される際にシャッタユニット12cに接続されたフレキシブル基板12dが作動ステージ41(可動枠部42)を押してしまったりすることで、作動ステージ41に鏡胴ベース33から引き離す方向への大きな力が作用したものとする(図17参照)。すると、作動ステージ41(可動枠部42)は、図17に示すように、鏡胴ベース33に各ボール支持マグネット61の磁力で吸着されて支持されているものであることから、鏡胴ベース33から離れてしまうことが生じうる。ここで、各ボール支持マグネット61において、その磁力により元の状態(磁力の吸着による支持状態)へと復帰することが可能な最大の間隔を限界距離hlとする。これは、図18に一例として示すように、各ボール支持マグネット61の吸引力は、作動ステージ41(可動枠部42)と鏡胴ベース33との間隔d(鏡胴ベース33からの作動ステージ41の浮き量)が大きくなるにつれて減少してくことによる。
ここで、本実施例の手ぶれ補正機構40(レンズ鏡胴13)では、鏡胴ベース33に設けられた垂直側ヨーク56が、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた垂直駆動コイル44を介在させて、鏡胴ベース33に設けられた垂直駆動磁石54とZ軸方向で対向する位置関係とされて、ボイスコイルモータを構成している。このため、垂直側ヨーク56と垂直駆動コイル44とは、Z軸方向で極めて近接する位置関係とされている。この垂直側ヨーク56および垂直駆動コイル44は、X−Y平面に平行な方向で見て、鏡胴ベース33の設置凹所58b(可動枠部42のボール受部48bのボール受板49bおよびそこに接している可動支持球62b)と近接されている(図6および図7参照)。このため、ボール受板49b(可動枠部42)と可動支持球62bとは、Z軸方向で互いに離れる方向に移動すると、垂直側ヨーク56と垂直駆動コイル44とがZ軸方向で干渉することにより、限界距離hlを超えて離れることが防止されている。
同様に、鏡胴ベース33に設けられた水平側ヨーク57が、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた水平駆動コイル46を介在させて、鏡胴ベース33に設けられた水平駆動磁石55とZ軸方向で対向する位置関係とされて、ボイスコイルモータを構成している。このため、水平側ヨーク57と水平駆動コイル46とは、Z軸方向で極めて近接する位置関係とされている。この水平側ヨーク57および水平駆動コイル46は、X−Y平面に平行な方向で見て、鏡胴ベース33の設置凹所58c(可動枠部42のボール受部48cのボール受板49cおよびそこに接している可動支持球62c)と近接されている(図6および図7参照)。このため、ボール受板49c(可動枠部42)と可動支持球62cとは、Z軸方向で互いに離れる方向に移動すると、水平側ヨーク57と水平駆動コイル46とがZ軸方向で干渉することにより、限界距離hlを超えて離れることが防止されている。
ところが、本実施例の手ぶれ補正機構40(レンズ鏡胴13)では、鏡胴ベース33の設置凹所58aの近傍には、上記したような部材(垂直側ヨーク56や水平側ヨーク57)が設けられてはいないことから、そこに設けられた可動枠部42のボール受部48aのボール受板49aとそこに接している可動支持球62aとは、上記したような大きな力が作用すると、限界距離hlを超えて離れてしまう虞がある。
このため、本実施例の手ぶれ補正機構40(レンズ鏡胴13)では、取付板70の第1板ばね部74(その突出端部分74a)をZ軸方向で鏡胴ベース33の被押当部81に押し当てる構成としている。このような構成であることから、第1板ばね部74の突出端部分74aは、鏡胴ベース33の設置凹所58aに配された作動ステージ41(可動枠部42)のボール受部48a上を跨ぐ当該設置凹所58aのZ軸方向正側を掛け渡して存在する(図14および図15参照)。このため、第1板ばね部74の突出端部分74aは、設置凹所58a内に配された可動枠部42(作動ステージ41)のボール受部48aとZ軸方向で間隔を置きつつ、そのボール受部48aとZ軸方向で対向されている。この突出端部分74a(そのZ軸方向正側の端部)とボール受部48a(そのZ軸方向負側の端部)とのZ軸方向で見た隙間を間隔h(図15(b)および図16参照)とすると、ボール受部48a(可動枠部42(作動ステージ41))は、Z軸方向に間隔hを超えて移動しようとすると、第1板ばね部74の突出端部分74aに当たることとなる。
このことから、本実施例の手ぶれ補正機構40(レンズ鏡胴13)では、第1板ばね部74および被押当部81を以下のように設定することで、可動枠部42のボール受部48aのボール受板49aと可動支持球62aとが限界距離hlを超えて離れることを防止する。
先ず、取付板70の第1板ばね部74で、作動ステージ41のZ軸方向への移動を防止するものであることから、第1板ばね部74の押さえ力量F1は、次式(2)を満たすものとする。ここで、作動ステージ41の重量をmとする。
F1>m ・・・・・・・・・・・・・・(2)
これにより、取付板70の第1板ばね部74は、突出端部分74aに当たったボール受部48a(可動枠部42(作動ステージ41))のZ軸方向負側への移動を防止することができるので、作動ステージ41が間隔hを超えてZ軸方向負側へと移動することを防止することができる。このことを満たした上で間隔hを設定する。次に、その間隔hの設定方法について述べる。
先ず、ボール受板49aと可動支持球62aとが間隔hを置いた状態(間隔d=h)(図16参照)において、ボール支持マグネット61aの磁力により双方を接近させるべくボール受板49aと可動支持球62aとの間に作用する引き付け合う力を吸引力fhとする(図18参照)。また、X−Y平面に平行な面で見て、作動ステージ41において、図19に示すように、可動支持球62bが設けられている位置(ボール受部48b)を点Bとし、可動支持球62cが設けられている位置(ボール受部48c)を点Cとして、その点Bおよび点Cを結ぶ線を線分BCとする。さらに、X−Y平面に平行な面で見て、作動ステージ41において、可動支持球62aが設けられている位置(ボール受部48a)を点Aとし、作動ステージ41の重心位置を点Gとして、線分BCから点Aまでの距離(点Aを通り線分BCに至る垂線の長さ寸法)を間隔Laとし、線分BCから点Gまでの距離(点Gを通り線分BCに至る垂線の長さ寸法)を間隔Lgとする。
ここで、ボール受板49bと可動支持球62bとが接している(点Bに相当する)とともに、ボール受板49cと可動支持球62cとが接している(点Cに相当する)ものとすると、作動ステージ41には、その重量mにより、線分BCを中心とする重量m×間隔Lgの回転力が作用することとなる。また、ボール受板49aと可動支持球62aとが間隔hを置いた状態であっても、作動ステージ41には、ボール支持マグネット61aにより、線分BCを中心とする吸引力fh×間隔Laの回転力を作用させることができる。このことから、次式(3)を満たすものとする。
fh×La>m×Lg ・・・・・・・・・(3)
この式(3)を満たすものとすると、ボール受板49aと可動支持球62aとが間隔hを置いた状態となっても、ボール支持マグネット61aの磁力により、ボール受板49aと可動支持球62aとを再び吸着させることが可能となる。このため、吸引力fhを次式(4)を満たすものとする。
fh>m×Lg/La ・・・・・・・・・(4)
ここで、吸引力fhは、ボール受板49aと可動支持球62aとが間隔hを置いた状態においてボール支持マグネット61aの磁力により双方を接近させるべくボール受板49aと可動支持球62aとの間に作用する引き付け合う力であり、ボール受板49aと可動支持球62aとの間隔hは突出端部分74aとボール受部48aとのZ軸方向での間隔であることから、式(4)を満たすべくボール支持マグネット61aの磁力と、突出端部分74aとボール受部48aとの間隔hと、を設定することにより、その間隔hが限界距離hlよりも小さく設定されることとなる(間隔h<限界距離hl)ので、ボール受板49aと可動支持球62aとが限界距離hlを超えて離れることを防止することができる。
その突出端部分74aとボール受部48aとの間隔hは、鏡胴ベース33の構成、すなわち第1板ばね部74の突出端部分74aが押し当てられる鏡胴ベース33の被押当部81のZ軸方向での位置と、そのボール受部48aが設けられた可動枠部42すなわち作動ステージ41の鏡胴ベース33によるZ軸方向での支持位置と、により決定される。このため、鏡胴ベース33における作動ステージ41(可動枠部42)の位置を考慮しつつ被押当部81のZ軸方向での位置を上記した条件を満たすべく設定することにより、上記したような大きな力が作動ステージ41(可動枠部42)に作用した場合であっても、ボール受板49a(作動ステージ41)と可動支持球62a(鏡胴ベース33(レンズ鏡胴13))とが限界距離hlを超えて離れることを防止することができ、ボール受板49aと可動支持球62aとが接した状態へと戻すことができる。なお、作動ステージ41の重心位置は、作動ステージ41の構成や撮像素子22の取付位置等により変化するが、そのことも考慮して被押当部81のZ軸方向での位置を設定すればよい。このことから、第1板ばね部74は、可動部材としての作動ステージ41が、固定部材としての鏡胴ベース33(レンズ鏡胴13)に支持された可動支持球62aに対して所定の間隔(限界距離hl)を超えて離れようとすると(所定の間隔(限界距離hl)を超える前に)、その作動ステージ41(その可動枠部42のボール受部48a)と接触することで当該作動ステージ41の移動を制限すべく、Z軸方向正側(可動部材)へ向けて突出する突出腕部として機能する。
このため、本願発明に係るデジタルカメラ10(撮像装置)では、可動部材としての作動ステージ41(その可動枠部42のボール受板49a)が、固定部材としての鏡胴ベース33に支持された可動支持球62aから離間する方向へと移動すると、表示部18を筐体11に取り付けるための取付板70の第1板ばね部74を鏡胴ベース33に当てることで作動ステージ41(その可動枠部42のボール受板49a)の移動を制限することができる。このように、表示部18を筐体11に取り付けるための取付板70に、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を制限する第1板ばね部74を設けるものであることから、当該作動ステージ41の移動の制限のためだけに新たな部材を設ける必要がないので、レイアウト上の制限が生じることを防止することができるとともに、撮影光軸OA方向での大きさ寸法の増大を防止することができる。
また、デジタルカメラ10では、取付板70において取付本体部71から作動ステージ41へ向けてZ軸方向正側へと突出させた第1板ばね部74を、その作動ステージ41(その可動枠部42のボール受板49a)とZ軸方向で対向させるものであることから、取付板70における表示部18を筐体11に取り付ける機能を損なうことなく、作動ステージ41の鏡胴ベース33からの移動を制限することができる。
さらに、デジタルカメラ10では、第1板ばね部74が、取付板70の取付本体部71が部分的にU字形状に切り欠かれ、その切り欠かれていない線状箇所を基点としてZ軸方向正側へと折り曲げられて形成されていることから、取付板70における表示部18を筐体11に取り付ける機能を損なうことなく、簡易に形成することができる。
デジタルカメラ10では、Z軸方向で見て、第1板ばね部74の作動ステージ41に当たる位置が可動支持球62aと重なる位置関係とされていることから、可動支持球62aと、そこに接する作動ステージ41の可動枠部42のボール受板49aと、が限界距離hlを超えて離れることをより確実に防止することができる。
デジタルカメラ10では、Z軸方向で見て、第1板ばね部74の作動ステージ41に当たる位置が可動支持球62aと重なる位置関係とされていることから、可動支持球62aと、そこに接する作動ステージ41の可動枠部42のボール受板49aと、が最も離れた状態における間隔をより正確に規定することができるので、ボール受板49aと可動支持球62aとの間に吸引力を作用させるボール支持マグネット61aにおける磁力をより効率よく抑制することができる。
デジタルカメラ10では、鏡胴ベース33に設けられた被押当部81に第1板ばね部74(その突出端部分74a)を押し当てることで、作動ステージ41(その可動枠部42のボール受板49a)に対するZ軸方向での位置を規定するものであることから、容易にかつより適切に作動ステージ41が鏡胴ベース33から限界距離hlを超えて離れることを防止することができる。これは、取付板70が部分的に折り曲げて形成する第1板ばね部74の(その突出端部分74a)のZ軸方向での位置を正確に設定することに比較して、鏡胴ベース33の形状により被押当部81のZ軸方向での位置を設定することの方が容易でかつより適切に行えることによる。
デジタルカメラ10では、第1板ばね部74を、取付板70が部分的に折り曲げられて取付本体部71(X−Y平面)に対して傾斜する面に沿う平板状とされて板ばねとして機能させるとともに、鏡胴ベース33の被押当部81に押し当てるものであることから、板ばねとしての機能により第1板ばね部74における押さえ力量F1を設定することができ、かつ被押当部81のZ軸方向での位置により第1板ばね部74の突出端部分74aのZ軸方向での位置すなわち鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動可能な量(間隔h)を設定することができる。このため、簡単な構成としつつより適切に作動ステージ41が鏡胴ベース33から限界距離hlを超えて離れることを防止することができる。
デジタルカメラ10では、第1板ばね部74(その突出端部分74a)が押し当てられる被押当部81が、鏡胴ベース33において可動支持球62aが設けられる設置凹所58a(そのボール支持板59a)上を掛け渡す位置関係の直線上に設けられた被押当部81aと被押当部81bとにより構成されていることから、押し当てられた第1板ばね部74(その突出端部分74a)を、作動ステージ41の可動枠部42のボール受板49aのZ軸方向負側(撮影光軸OA方向で見た被写体側とは反対側)に存在させることを容易なものとすることができる。
デジタルカメラ10では、第1板ばね部74(その突出端部分74a)が押し当てられる被押当部81の被押当部81aと被押当部81bとが、鏡胴ベース33において、撮影光軸OA方向(Z軸方向)で見た位置が互いに等しくされていることから、押し当てられた第1板ばね部74(その突出端部分74a)のZ軸方向での位置を容易にかつ適切に設定することができ、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動可能な量(間隔h)を容易にかつ適切に設定することができる。
デジタルカメラ10では、取付板70の各板ばね部が、筐体11内においてレンズ鏡胴13(鏡胴ベース33)をZ軸方向正側へと前側カバー部材11bに押し当てることにより、筐体11内でのレンズ鏡胴13のZ軸方向での位置を適切に規定することから、取付板70に表示部18を筐体11に取り付ける機能と、筐体11内でのレンズ鏡胴13のZ軸方向での位置決め機能と、鏡胴ベース33から作動ステージ41が限界距離hlを超えて離れることを防止する機能と、を兼ね備えさせることができる。
デジタルカメラ10では、取付板70で、表示部18を筐体11に取り付け、筐体11内でのレンズ鏡胴13のZ軸方向での位置を規定し、かつ鏡胴ベース33から作動ステージ41が限界距離hlを超えて離れることを防止することができるので、その3つの機能のうちの1つのためだけの部材を別々に設ける必要がないので、レイアウト上の制限が生じることをより効果的に防止することができるとともに、撮影光軸OA方向での大きさ寸法の増大をより効果的に防止することができる。
デジタルカメラ10では、垂直側ヨーク56と垂直駆動コイル44とでボール受板49b(可動枠部42)と可動支持球62bとが限界距離hlを超えて離れることを防止するとともに、水平側ヨーク57と水平駆動コイル46とでボール受板49c(可動枠部42)と可動支持球62cとが限界距離hlを超えて離れることを防止していることから、取付板70の第1板ばね部74との協働により、作動ステージ41が鏡胴ベース33から脱落することを確実に防止することができる。
デジタルカメラ10では、取付板70が部分的に折り曲げられて取付本体部71(X−Y平面)に対して傾斜する面に沿う平板状とされて板ばねとして形成された各板ばね部により、表示部18を筐体11に取り付け、筐体11内でのレンズ鏡胴13のZ軸方向での位置を規定し、かつ鏡胴ベース33から作動ステージ41が限界距離hlを超えて離れることを防止するものであることから、不測の事態が生じることにより大きな力がレンズ鏡胴13や表示部18に作用した場合であっても、その力を各板ばね部の弾性変形により吸収することができるとともに、元の状態に復帰することができる。
したがって、本発明に係るデジタルカメラ10(撮像装置)では、レイアウト上の制約や撮影光軸方向OAでの大きさ寸法の増大を抑制しつつ、可動部材(作動ステージ41)の固定部材(鏡胴ベース33(レンズ鏡胴13))からの脱落を防止することができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ10について説明したが、少なくとも1つ以上の光学部材により構成される撮影光学系と、該撮影光学系により形成される被写体像を取得する撮像素子と、撮影光軸に直交する方向で見て撮影光軸に対する位置が固定されて筐体に設けられた固定部材と、該固定部材に磁力で吸着されて移動可能に支持された磁性体材料からなる複数の可動支持球と、前記撮像素子が設けられ、前記各可動支持球を介して磁力により前記固定部材に支持されて該固定部材に対して撮影光軸に垂直な面に沿って移動可能な可動部材と、電流が磁界から受ける力を利用して前記固定部材に対して前記可動部材を相対的に移動させる駆動力を生成する駆動機構と、前記撮像素子で取得した被写体像の表示が可能な表示部と、該表示部を前記筐体に取り付ける取付板と、を備え、該取付板には、前記可動部材へ向けて突出する突出腕部が設けられている撮像装置であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、突出腕部としての第1板ばね部74が、ボール受板49aと可動支持球62aとが所定の間隔(限界距離hl)を超えることを防止すべく、突出端部分74aを可動枠部42(作動ステージ41)のボール受部48aに接触させる構成とされていてが、他のボール受板49および可動支持球62(ボール受板49bおよび可動支持球62b、もしくはボール受板49cおよび可動支持球62c)に対応して設けられていてもよく、複数(すべても含む)のボール受板49および可動支持球62に対応して設けられていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、突出腕部としての第1板ばね部74が、取付板70の部分的に折り曲げられて取付本体部71(X−Y平面)に対して傾斜する面に沿う平板状とされて形成されていたが、固定部材(鏡胴ベース33)に対する可動部材(作動ステージ41)の移動を制限すべく当該可動部材へ向けて突出する、すなわち固定部材としての鏡胴ベース33(レンズ鏡胴13)に支持された可動支持球62aに対して所定の間隔(限界距離hl)を超えて離れようとすると(所定の間隔(限界距離hl)を超える前に)、その作動ステージ41(その可動枠部42のボール受部48a)と接触することで当該作動ステージ41の移動を制限すべくZ軸方向正側(可動部材)へ向けて突出するものであれば、取付板70が部分的に凸形状とされて形成されていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、第1板ばね部74の突出端部分74aを鏡胴ベース33の被押当部81に押し当てる構成とされていたが、固定部材(鏡胴ベース33)に対する可動部材(作動ステージ41)の移動を制限すべく当該可動部材と接触するものであれば、被押当部81すなわち固定部材(鏡胴ベース33)に押し当てる構成でなくてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、第1板ばね部74(その突出端部分74a)が、固定部材(鏡胴ベース33)におけるZ軸方向で見て可動支持球62aと重なる位置(そこに設けられた被押当部81)で、可動部材(作動ステージ41)を接触可能な構成とされていたが、固定部材(鏡胴ベース33)に対する可動部材(作動ステージ41)の移動を制限すべく当該可動部材と接触するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、取付板70に、突出腕部としての第1板ばね部74の他に、第2板ばね部75および第3板ばね部76が設けられていたが、取付板(70)は、表示部18を筐体11に取り付けるものであって、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を制限する突出腕部(第1板ばね部74)が設けられているものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、取付板70に、突出腕部としての第1板ばね部74の他に、第2板ばね部75および第3板ばね部76が設けられていたが、その他の板ばね部は、筐体11内での固定部材(レンズ鏡胴13)の撮影光軸OA方向での位置を規定すべく当該固定部材を撮影光軸OA方向に押し当てるものであれば、数および形状が異なる構成とされていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、デジタルカメラ10について説明しているが、固定部材に対して移動される撮像素子が設けられた可動部材が磁力により可動支持球を介して固定部材に支持されているものであり、かつ表示部が設けられるものであれば、いわゆるPDA(personal data assistant)や携帯電話機等の携帯型情報端末装置としての電子機器や画像入力装置としての電子機器であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。これは、上述した電子機器では、カメラ機能を組み込んだものが近年登場しており、そのような電子機器も外観は若干異にするもののデジタルカメラ10と実質的に全く同様の機能・構成を含んでいるものが多いことによる。
以上、本発明の撮影装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。