本実施例に係るパチンコ遊技機1について図面に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、遊技機1は、支持枠2と、この支持枠2に鉛直軸心回りに回動可能に枢支された開閉扉3とを備えている。開閉扉3は、遊技盤保持枠4と、この遊技盤保持枠4を前方から覆う透明板保持枠5とで構成されている。透明板保持枠5の右辺部5dの下部にはキーシリンダ6が装備され、このキーシリンダ6に挿入するキーの操作を介して、遊技盤保持枠4と透明板保持枠5の両者を開位置に切換えたり、透明板保持枠5のみを開位置に切換えたりすることができる。
図1に示すように、透明板保持枠5の前面には、遊技球を発射する為の操作ハンドル7、払い出された賞球や貸球を溜める上皿8、複数の装飾ランプが内蔵された発光装飾部9a,9b、装飾部材10が固定されている。装飾部材10の後面側にはスピーカが組み込まれている。透明板保持枠5には遊技盤保持枠4に固定された遊技盤20の前面を覆う透明板11が固定されている。透明板11は透明なガラス板製であるが、透明な合成樹脂板でもよい。
遊技盤20の前面の遊技領域には、複数の障害釘や風車、遊技球が入球可能な種々の入賞口、演出用の役物等が設けられており、遊技盤20の中央部分に大きく形成された開口部20cの後方には演出用の画像表示装置22が設けられている(図12参照)。透明板保持枠5と遊技盤保持枠4が閉じられて遊技が可能な状態では、遊技盤20の前面側に所定の間隔を維持する状態で透明板11がほぼ平行に対面し、遊技盤20の前面が透明板11により覆われる。
遊技盤20に設けた種々の入賞口や役物等について説明する。
図1〜図3、図12に示すように、上皿8内に遊技球があるとき操作ハンドル8と連携動作する発射装置12から0.6秒間隔で発射された遊技球は、ガイドレール23a,23b間を上昇して遊技盤20の上部に達した後遊技盤20の前面の遊技領域内を落下する。このとき、遊技領域の複数の障害釘や風車により遊技球は不規則に方向変換される。
図12に示すように、上記遊技領域の種々の入賞口として、複数の普通入賞口24、遊技領域の下部に設けられた第1始動口25、第1始動口25(第1始動領域)の直下に設けられた第2始動口26(第2始動領域)、大入賞口27、ゲート等が設けられている。 第2始動口26は1対の可動片を有し、これら可動片が閉じた第1の態様とこれら可動片が開いた第2の態様とに可変制御される。上記の種々の入賞口は、通常のパチンコ遊技機のものと同様のものである。
大入賞口27は、通常は大入賞口開閉扉27aにより閉状態に維持され、特別遊技状態では、大入賞口開閉扉27aが開閉動作を複数回繰り返す。尚、遊技領域の最下部には何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を排出する為の排出口28が設けられている。
図12に示すように、遊技盤20の遊技領域のほぼ中央部分のやや後方には画像表示装置22(液晶表示器)が設けられており、この画像表示装置22の少なくとも上方と下方には演出用の可動役物装置(図示略)が設けられ、遊技盤20の上部と下部には演出用の複数のLED(盤ランプ)が設けられている。透明板保持枠5の前面において操作ハンドル7の左斜め上方の演出操作部13には、遊技者が操作可能な演出ボタン13aと5つの操作スイッチ13b,13cが設けられ、その演出ボタン13aの操作は、画像表示装置22に演出ボタン13aの操作を促すメッンセージが表示された場合のみ有効である。
図12に示すように、遊技領域の左下側には、複数のLEDからなる遊技表示盤14(第1特別図柄表示器、第2特別図柄表示器、普通図柄表示器、第1保留表示器、第2保留表示器、普通図柄保留表示器、高確率状態表示器、時短状態表示器等を含む)が設けられている。遊技盤20の背面側には、図15の制御系のブロック図に示すように、種々の入賞口等への入賞を検出する検出スイッチ類などが設けられている。
図1、図2に示すように、支持枠2は、上板2aと下板2bと左側板2cと右側板2dを有する矩形状のアルミニウム製の枠体であるが、合成樹脂製の枠体も採用可能である。尚、上板2aはアルミニウム製部材の溝部に補強木材を装着してある。これらの板部材2a〜2dは、略長方形状の内側空間を形成するように連結金具2e〜2g等により連結されている。
これら連結金具2e〜2gのうち、上板2aと左側板2cを連結する連結金具2eにはヒンジ金具15が形成され、下板2bの上端に固定された連結金具にはヒンジ金具15が形成され、上下1対のヒンジ金具15が遊技機1の前面側に突出して上下に対面するように一体形成されている。これら1対のヒンジ金具15には開閉扉3が鉛直軸心回りに回動可能に枢支され、開閉扉3は支持枠2に開閉可能に支持されている。
図5、図10に示すように、遊技盤保持枠4は、上辺部4aと下辺部4bと左辺部4cと右辺部4dとを有する合成樹脂製の枠体であり、この遊技盤保持枠4には上記の4辺部で囲繞される略矩形状の内側開口16であって、遊技盤ユニット20Aを挿入装着する為の内側開口16が形成されている。上辺部4aには遊技盤20の上端部の背面を受け止めて前後方向に位置決めする受け面17が形成されている。
上記の下辺部4bには遊技盤20よりも下方へ延びる機器取付け部29が一体形成され、この機器取付け部29には下部機器ユニット30が固定されている。下部機器ユニット30には遊技盤20の下端部の背面を受け止めて前後方向に位置決めする受け面18と遊技盤20の下端を受け止めて上下方向に位置決めする受け面19が形成されている。
下部機器ユニット30の前面側には発射装置12が装備され、下部機器ユニット30の後面側には、電源制御基板を収納したケース、払い出し制御基板を収納したケース、払い出し機構の一部が設けられている。上記の左辺部4cは、側板4eと、この側板4eの後端から右方へ所定幅延びる後面板4fとを有する。側板4eの外面側凹部には補強用の金属部材が固定されている。上記の後面板4fの背面側には払い出し機構31の主要部が装着されている。上辺部4aには、球タンク32や球通路が設けられている(図2参照)。
遊技盤保持枠4の左辺部4cの上端(上辺部4aの左端部)と下端(下辺部4dの左端部)には前方へ突出する1対のヒンジ板33が固定的に設けられ、この1対のヒンジ板33が1対のヒンジ金具15に鉛直の1対のヒンジピン15aを介して回動自在に連結されている。透明板保持枠5の左辺部5aの上端部と下端部には剛性のある枢支部(図示略)が一体形成され、これら1対の枢支部が1対のヒンジピン15aに回動可能に連結されている。
図2に示すように、透明板保持枠5は、遊技盤保持枠4と同様に、上辺部5aと下辺部5bと左辺部5cと右辺部5dとを有する略長方形状の内側空間を形成する枠体からなり、透明板保持枠5は合成樹脂製のものであるが、その背面には金属製の補強枠(図示略)が固定されている。開閉扉3が閉位置のとき、遊技盤保持枠4の上辺部4aの一部は支持枠2の上板2aに内嵌状態になり、遊技盤保持枠4の上辺部4aの大部分と左辺部4cと右辺部4dには透明板保持枠5が外嵌した状態になる。透明板保持枠5の上下長は支持枠2の上下長よりも短く形成されており、支持枠2の下板2bが遊技機1の正面に露出しており、その下板2bの前面に装飾部材34が固定されている。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について簡単に説明する。
図15に示すように、制御装置40は、遊技制御基板41、払出制御基板42、演出制御基板43、画像制御基板44、ランプ制御基板45を備え、これら制御基板41〜45は夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えており、演出制御基板43はRTC(リアルタイムクロック)を備えている。
遊技制御基板41のコンピュータは、第1,第2始動口SW41a,41b、ゲートSW41d、大入賞口SW41e、通常領域SW41i、特定領域SW41j、複数の一般入賞口SW41kからの信号と、払出制御基板42からの制御情報を受けて、第2始動口SOL41c、大入賞口SOL41f、図柄表示器41m〜41o、図柄保留ランプ41p〜41r、右打ちランプ41sを制御し、払出制御基板42、演出制御基板43に制御情報(コマンド)を出力する。
払出制御基板42のコンピュータは、遊技制御基板41からの制御情報、払出球検出SW42b、球有り検出SW42c、満タン検出SW42dからの信号を受けて、払出モータ42aを制御し、遊技制御基板41に制御情報を出力する。演出制御基板43のコンピュータは、遊技制御基板41、画像制御基板44、ランプ制御基板45からの制御情報、演出操作装置13(SW13a,13b,13c)からの信号を受けて、画像制御基板44、ランプ制御基板45に制御情報を出力する。画像制御基板44のコンピュータは、画像表示装置22(液晶表示器)及びスピーカ44aを制御する。
次に、遊技盤取付け構造50について説明する。
この遊技盤取付け構造50は、遊技盤保持枠4に遊技盤20を着脱可能に取り付ける構造であり、この遊技盤20の取り付け時に、遊技盤20は遊技盤ユニット20Aに組み込んだ形態で取り付けられる。遊技盤取付け構造50は、遊技盤保持枠4と、1対の係合部材51と、1対の板バネ部材52と、1対のトグルクランプ53とを備えている。
図6〜図13に示すように、遊技盤ユニット20Aは、遊技盤20と、この遊技盤20の後面に固定される合成樹脂製の液晶ベース20B(4辺の周壁21aと枠状の後面壁21bを有する)と、この液晶ベース20Bの後面壁21bに後方から固定され且つ画像表示装置22と画像制御基板44を収納した液晶ユニット22Aと、液晶ユニット22Aの後面に固定された基板ケース40a等を備えている。
液晶ユニット22Aに収納された画像表示装置22は、液晶ベース20Bの後面壁21bの矩形の開口21cに画面を露出させる状態にして後面壁21bに固定され、その画面を遊技盤20の中央開口20cを通して見ることができる。基板ケース40a内には、遊技制御基板41と演出制御基板43とランプ制御基板45とを夫々収納した複数のケースが収納されている。
図10、図11に示すように、遊技盤保持枠4の左辺部4cの上部と下部には、右方へ突出する所定の上下幅のある1対の係合部材51であって遊技盤20の左端部を保持可能な係合部材51が夫々一体的に形成されている。係合部材51は左辺部4cの側板4eを増厚した側壁部51aと、この側壁部51aの前端から左方へ延びる係合壁部51bとで平面視L形に形成されている。係合壁部51bと後面板4fとの間に遊技盤20の厚さより僅かに大きな受容隙間51gであって遊技盤20の左端部を受容可能な受容隙間51gが形成されている。
係合壁部51の後面には遊技盤20の左端部の前面を受け止めて位置決めする受け面51cが形成され、係合壁部51bの右半部分の後面には右方程前方へ移行するように傾斜した傾斜面51dが形成されている。この傾斜面51dは、図24に示すように遊技盤20の左端部を受容隙間51gに斜め方向から導入可能にするものである。
側壁部51aの上下両側には、遊技盤20の左端面を受け止めて遊技盤20の左右方向位置を位置決めする為の当接片51hが一体形成され、これら当接片51hの右端には遊技盤20の左端面を受け止める鉛直な受け面51fが形成されている。
図10、図11に示すように、上側の係合部材51のやや上方部位には板バネ部材52が固定されている。この板バネ部材52は、左右方向に細長の矩形状で横長姿勢に配設されている。板バネ部材52は、左端部分の平板状の固定部52aと、この固定部52aから右方へ延びる平面視にて円弧形の弾性部52bと、この弾性部52bの右端から右方へ連なる平板状の当接部52cとを有し、固定部52aが左辺部4cの後面板4fの左端部にビスで固定されている。遊技盤20を遊技盤保持枠4に装着しない状態において、当接部52cは左辺部4cの後面板4fに形成された受止部52dの前端面に接近対向している。下側の係合部材51のやや上方部位にも、上記と同様に板バネ部材52が設けられている。
遊技盤20の左端部を受容隙間51aに導入して遊技盤20を遊技盤保持枠4に装着して固定した状態においては、当接部52cを受止部52dの前端面に当接させ、円弧形の弾性部52bにより遊技盤20を前方へ押圧することで受け面51cを介して遊技盤20の前後方向に位置決めし、遊技盤20と係合部材51と左辺部4cとの間にガタつきが生じないように構成してある。
次に、トグルクランプ53について説明する。
図16〜図23に示すように、遊技盤保持枠4の上辺部4aの右端寄り部位と下辺部4bの右端寄り部位に、上下1対のトグルクランプ53が夫々設けられ、遊技盤20の上端部と下端部を遊技盤保持枠4に固定保持するように構成してある。図示のトグルクランプ53は、遊技盤保持枠4の上辺部4aに固定される方のトグルクランプ53を示すもので、このトグルクランプ53を例として説明する。尚、遊技盤保持枠4の下辺部4bに固定される方のトグルクランプ53自体は、図示のトグルクランプ53と上下に対称のものであるので、そのトグルクランプ53についての詳しい説明は省略する。
トグルクランプ53は、ベース部材54と、このベース部材54に第1枢支ピン58で連結されたクランプ部材55と、このクランプ部材55に第2枢支ピン59で連結された操作部材56と、この操作部材56に設けた第3枢支ピン60とベース部材54に設けた第4枢支ピン61とを連結するリンク部材57(つまり、操作部材56とベース部材54を連結するリンク部材57)とを備えている。ベース部材54とクランプ部材55と操作部材56は、夫々、鋼板を打ち抜いて折り曲げ加工したものである。
ベース部材54は、矩形状の基板部54aと、この基板部54aの左右両端から前方へ90°折曲された左右1対の側板部54bとを備え、コ字状に形成されている。基板部54aには複数のビス穴54cが形成され、このベース部材54aは、複数のビスで遊技盤保持枠4の上辺部4aに固定されている。上記の側板部54bは、下腕部62と上腕部63とを有する。クランプ部材55は、基板部55aと、この基板部55aの左右両端からベース部材54と反対方向へ90°折曲された左右1対の側板部55bとを備えている。クランプ部材55は遊技盤20の端部を導入する導入部64を有する一体部材に構成され、側面視略コ字状に構成されている。
クランプ部材55の左右の側板部55bには図20における導入部64の後端側に位置する左右1対の操作用突起部65が形成されている。この操作用突起部65は後述するように、遊技盤20を取り付ける際に遊技盤20で押動操作されるものであり、この操作用突起部65の先端部の導入部64側の面は丸みを付けて部分円筒面に形成されている。クランプ部材55の左右の側板部55bには図20において導入部64の前側に位置し且つ遊技盤20を押圧するクランプ部66が形成されている。このクランプ部66は、左右の側板部55bの一部を相接近側へ折曲することで剛性のある角筒状に形成されている。この角筒状のクランプ部66の先端から突出する操作部66aであって、アンクランプ状態のクランプ部材55を手で操作する為の操作部66aも形成されている。
ベース部材54の左右の側板部54bの1対の下腕部62をクランプ部材55の左右の側板部55bの外面に当接させた状態で、クランプ部材55が1対の下腕部62に左右方向向きの第1枢支ピン58で回動自在に連結されている。
操作部材56は、基板部56aと、この基板部56aの左右両端から90°折曲されて図20において後方へ延びてから下方へ「く」字状に延びる左右の側板部56bとで一体部材に形成されている。基板部56aの上端部から突出する操作部56cも形成されている。操作部材56は、その1対の側板部56bの先端部をクランプ部材55の左右の側板部55bの外面に当接させた状態で左右方向向きの第2枢支ピン59でクランプ部材55に回動自在に連結されている。
操作部材56の左右の側板部56bの途中部には左右方向向きの第3枢支ピン60が装着され、ベース部材54の上腕部63には左右方向向きの第4枢支ピン61が装着され、第3枢支ピン60と第4枢支ピン61とを連結する1つのリンク部材57が設けられ、このリンク部材57は一端部が第3枢支ピン60に回動可能に連結され且つ他端が第4枢支ピン61に回動可能に連結されたスプリング部材57Aで構成されている(図21〜図23参照)。
図21、図22に示すように、スプリング部材57Aの一端部には第3枢支ピン60に約2回転程度巻き付いた第1環状部57aが形成され、この第1環状部57aの上面側から第4枢支ピン61の下面まで延びる第1直線部57bと、第1環状部57aの下面側から第4枢支ピン61の上面にまで延びる第2直線部57cと、第1直線部57bの他端部に一体的に形成され第4枢支ピン61に約2,3回転巻き付けた第2環状部57dと、第2直線部57cの他端部に一体的に形成され第4枢支ピン61に約2,3回転巻き付けた第3環状部57eとが形成されている。
第1,第2直線部57b,57cは第3,第4枢支ピン60,61と平行方向から側面視で視て交差状に形成され、スプリング部材57Aは側面視で視て「8」の字的な形状に形成されている(図22参照)。尚、第1,第2直線部57b,57cの側面視における交差角は約30〜50°(好ましくは、約40°)である。第2,第3環状部57d,57eは第4枢支ピン61の軸方向に互いに離隔しており、第1,第2直線部57b,57cは平面視にて第1環状部57aを頂点とするV形に形成されている(図23参照)。
スプリング部材57Aの第1,第2直線部57b,57cが交差状で且つ平面視にてV形になっているため、スプリング部材57Aは第3,第4枢支ピン60,61を結ぶ方向に弾性的に圧縮変形可能であり、図20に示すように、第3枢支ピン60が第2,第4枢支ピン59,61を結ぶ直線Bよりも第1枢支ピン58側(又はベース部材54側)に位置するロック状態(クランプ状態)のとき、スプリング部材57Aは前記直線Bの方向に僅かに圧縮弾性変形した状態になっている。このように、クランプ部材57Aは、クランプ部66を遊技盤押圧方向へ弾性付勢する「弾性部材」に相当するものである。尚、図20に示す一点鎖線Cは、遊技盤保持枠4の上辺部4aに形成した受け面17であって遊技盤20の上端部を受け止める受け面17の位置を示すものである。
図16、図17はアンクランプ状態(アンクランプ位置)のトグルクランプ53を示すもので、このアンクランプ状態のとき、クランプ部材55が最大限上方へ回動し、導入部64の前方が最大限開放された状態になる。トグルクランプ53がアンクランプ状態のとき、第2枢支ピン59が第1,第3枢支ピン58,60を結ぶ直線Dよりもベース部材54側に位置しているため、このアンクランプ状態は安定した状態である。
それ故、遊技盤ユニット20Aの組み付け前の遊技盤保持枠4の搬送中に振動が作用してもアンクランプ状態を維持することができる。尚、アンクランプ状態からクランプ状態へ切換える際には、操作部材56を上方へ回動操作することによりスプリング部材57Aの弾性変形と、枢支ピン58〜60の周辺の遊び隙間等を介して切換えが可能である。
尚、図25に示すように、操作用突起部65を後方へ押動することによっても切換え可能である。
図18は、操作部材56の操作部56cを押圧操作しないクランプ直前状態のトグルクランプ53を示し、この状態では、第3枢支ピン60が前記直線Bよりも第1枢支ピン58と反対側に位置している。この状態から、操作部材56の操作部56cを手で後方へ押圧操作すると、スプリング部材57Aの前記のような圧縮弾性変形を介して、第3枢支ピン60が図19、図20に示すように、前記直線Bよりも第1枢支ピン58側に移動して安定したクランプ状態になる。
クランプ状態にした時のクランプ部材55の位置(つまり、クランプ部66の位置)は、遊技盤20の厚さのばらつき(約±0.5mm程度)に応じて変動するため一定位置になるとは限らない。しかし、厚手の合板製の遊技盤20の厚さにばらつきがあっても、スプリング部材57Aの直線B方向への弾性変形を介して上記のばらつきを吸収可能になっている。尚、遊技盤20の正規の厚さは例えば19.0mmである。
即ち、クランプ時にクランプ部66の前後方向位置に僅かの変動があっても、操作部56cを押圧操作すると、図20に示すように、スプリング部材57Aの圧縮弾性変形を介して第3枢支ピン60を前記直線Bよりも第1枢支ピン58側に移動させて安定したクランプ状態にすることができる。このとき、スプリング部材57Aの圧縮弾性変形の弾性力によりクランプ状態保持機能が得られる。尚、スプリング部材57Aの直線B方向のバネ定数は非常に大きいため、スプリング部材57Aをリンク部材として機能させることが可能である。
このトグルクランプ53においては、クランプ部材55を一体形成した1部材にすることで部材数を低減し、軽量化と製作費の低減を図ることができた。また、リンク部材57を鋼板を打ち抜いて製作する2つのリンク部材ではなく、特有の構造の1つのスプリング部材57Aであって1対のリンク部材として機能するスプリング部材57Aで構成し、従来のトグルクランプではリンク部材とは別にクランプ状態保持用に設けていた捩じりバネや板バネのような弾性部材を省略したので、部材数を低減し、軽量化と製作費の低減を図ることができた。しかも、図17に示すように、アンクランプ状態のとき、第2枢支ピン59が直線Dよりもベース部材54側に位置しているため、アンクランプ状態を安定的に維持することができる。
次に、上記の遊技盤取付け構造50を用いて遊技盤20を含む遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠2に取り付ける手順について、図24〜図27に基づいて説明する。
遊技盤保持枠4を組立用治具(図示略)に装着して閉じた状態にし且つ上下1対のトグルクランプ53を図25に示すようなアンクランプ状態(図17と同様のアンクランプ状態)に保持した状態において、図24に示すように、遊技盤20を遊技盤保持枠4の前方から斜め姿勢(左端側よりも右端側を手前側に位置させた)にした遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠4に近づけ、遊技盤ユニット20Aの後部約半分を遊技盤保持枠4の開口16に挿入し、遊技盤20の左端部を上下1対の係合部材51に係合させ、遊技盤20の左端部20sを中心にして遊技盤ユニット20Aを後方(平面視にて反時計回り方向)へ回動させる。
すると、図25に示すように、遊技盤20の上端部が上側のトグルクランプ53の導入部64に接近すると共に遊技盤20の下端部が下側のトグルクランプ53の導入部64に接近し、遊技盤20の上端部と下端部で上下のトグルクランプ53の操作用突起部65を後方へ夫々押動する。また、これと並行して、遊技盤20の左端面を上下1対の係合部材51の所の当接片51hの受け面51fに当接させることで、左右方向に位置決めする。
その結果、図26に示すように、上下のトグルクランプ53のクランプ部材55の姿勢がクランプ状態に近い姿勢に回動する。次に、上下のトグルクランプ53の操作部材56の操作部56cを後方へ押動すると、遊技盤20は図27に示すようにクランプ状態(ロック状態)になる。このとき、遊技盤20の上端部の一部は受け面17で受け止められて前後方向に位置決めされ、遊技盤20の下端部の一部は受け面18で受け止められて前後方向に位置決めされ、遊技盤20の下端は受け面19で受け止められて上下方向に位置決めされる(図10参照)。
上記の遊技盤取り付け構造50を想到するに至った経緯について説明する。
遊技盤は通常木製の厚手の合板製であるが、遊技盤の厚さには±0.5mm程度のばらつきが発生する。しかし、特開平9−322971号公報のクランプを含めて従来のクランプでは、上記遊技盤の厚さのばらつきを吸収する機能が不備であったため、組み立て後の遊技盤が保持枠体に対してがたつく場合があり、遊技盤の組み付け性の低下要因となっていた。
前記遊技盤を固定するクランプとして上下1対のトグルクランプを採用する場合もあるが、遊技盤遊技盤ユニットの組み付け時に、アンクランプ状態のクランプのクランプ部材の姿勢を所期の姿勢に保持できなかったため、遊技盤ユニットの組み付け作業に多大の労力を要していた。
次に、本実施例のトグルクランプ53及び遊技盤取付け構造50の作用、効果について説明する。トグルクランプ53におけるクランプ部材55のクランプ部66を遊技盤押圧側へ付勢する弾性部材57Aを介して遊技盤20の厚さのばらつきを吸収可能に構成したため、遊技盤20の厚さにばらつきがあってもトグルクランプ53により遊技盤保持枠4への遊技盤20の固定状態を確保できる。
クランプ部材55が一体部材で構成され、リンク部材57は、一端が第3枢支ピン60に連結され、他端が第4枢支ピン61に連結され且つ弾性部材として機能する1つのスプリング部材57Aで構成されたため、ドグルクランプ53の部材数を大幅に低減し、軽量化を図り、製作費の低減を図ることができる。
リンク部材57としてのスプリング部材57Aの1対の直線部57b,57cは側面視で視て交差状に形成されているため、1対の直線部57b,57cを圧縮する方向(図20の直線B方向)へ弾性変形可能になる。このスプリング部材57Aの圧縮弾性変形によりクランプ状態保持機能を得ることができる。
遊技盤20の組み付けに際して、トグルクランプ53を図17に示すようなアンクランプ状態に安定的に保持できるうえ、遊技盤20の組み付け時、遊技盤20の端部をアンクランプ状態のトグルクランプ53の導入部64に導入し、遊技盤20で操作用突起部65を後方へ押すことでクランプ部材55をクランプ位置の近傍位置に切換えることができるため、遊技盤20の組み付けを容易に能率的に行うことが可能になる。
次に、遊技盤ユニット20A側の複数の制御基板を含む種々の電気機器を、遊技盤保持枠4側の複数の制御基板を含む種々の電気機器に電気的に接続する複数のコネクタ70A,90A,70B,90Cとコネクタ取付構造について説明する。
図10、図28〜図31に示すように、遊技盤保持枠4の下辺部4bに固定された下部機器ユニット30の右端側の上端近傍部には、コネクタ取り付け部30aが設けられ、このコネクタ取り付け部30aの右半部には同構造の2つの第1枠側コネクタ70Aが設けられ、コネクタ取り付け部30aの左半部には同構造の2つの第2枠側コネクタ90Aが設けられている。第1枠側コネクタ70Aは上下方向に細長い形状を有する雌側コネクタであり、第2枠側コネクタ90Aは左右方向に細長い形状を有する雌側コネクタである。
図8に示すように、遊技盤ユニット20Aの右端側の下端近傍部の後面側のコネクタ取り付け部30bには、上記の2つの第1枠側コネクタ70Aに接続される2つの第1盤側コネクタ70Bと、上記の2つの第2枠側コネクタ90Aに接続される2つの第2盤側コネクタ90Cが設けられている。第1,第2盤側コネクタ70B,90Cは雄側コネクタである。第1,第2枠側コネクタ70A,90Aは、図36に示すようなリード線70aを介して遊技盤保持枠4側の種々の電気機器に接続され、第1,第2盤側コネクタ70B,90Cは遊技盤ユニット20Aの種々の電気機器に接続されている。
上記の第1,第2盤側コネクタ70B,90Cは、図24に示すように遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠4に前方から回動させつつ装着する装着動作に連動して第1,第2枠側コネクタ70A,90Bに接続されるものである。
図28〜図31に示すように、コネクタ取り付け部30aは右方ほど後方へ移行する傾斜状に形成されており、コネクタ取り付け部30aの前面(つまり、コネクタ取付壁80a,80b)と遊技盤20の盤面(又は盤面と平行な面)とのなす平面視における角度αは約10°である。第1,第2枠側コネクタ70A,90Aのピン穴の方向はコネクタ取り付け部30aの前面(コネクタ取付壁80a,80b)と直交状に形成されている。
図33に示すように、遊技盤ユニット0Aのコネクタ取り付け部30bは右方ほど後方へ移行する傾斜状に形成されており、コネクタ取り付け部30bの後面(つまり、コネクタ取付壁80c)と遊技盤20の盤面(又は盤面と平行な面)とのなす平面視における角度βは約10°であり、角度βは角度αと等しい角度に設定されている。尚、第1,第2盤側コネクタ70B,90Cの端子ピンの方向はコネクタ取り付け部30bの後面(コネクタ取付壁80c)と直交状に形成されている。
上記のように、第1,第2枠側コネクタ70A,90Aと第1,第2盤側コネクタ70B,90Cの接続方向を遊技盤20の盤面と直交する方向に対して約10°傾斜させた理由について説明する。図33に示すように、遊技盤ユニット20Aにおいて、コネクタ取り付け部30bは遊技盤20から後方へ離隔し且つ遊技盤20の左端部20sから右方へ離隔した部位に設けられている関係上、図24に示すように、遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠4に取り付ける際に、遊技盤20の左端部20sを遊技盤保持枠4の左辺部4cの係合部材51に係合保持した状態で、遊技盤20の左端部20sを中心として遊技盤20を円弧ラインRの方向へ回動させる(つまり、平面視にて反時計回り方向へ回動させる)。
このとき、第1,第2枠側コネクタ70A,90Aと第1,第2盤側コネクタ70B,90Cが接続される時の接続方向(端子ピンやピン穴の方向)は、コネクタ取り付け部30a,30bの所の円弧ラインRと平行方向になるので、上記の接続方向を遊技盤20の盤面と直交する方向に対して約10°傾斜させてある。ここで、上記の傾斜角(約10°)は一例であり、遊技盤20に対するコネクタ取り付け部30bの前後方向の離隔距離とコネクタ取り付け部30bの遊技盤20の左端部20sからの離間半径に応じて前記傾斜角(盤面に直交する方向に対する傾斜角)を適切に設定するものとする。
次に、第1枠側コネクタ70Aと第1盤側コネクタ70Bについて説明する。
図28〜図32、図35、図36に示すように、第1枠側コネクタ70Aのコネクタ本体71は、所定の前後長を有し、コネクタ本体71の前面には、第1盤側コネクタ70Bの複数の端子ピンを挿入して電気的に接続する為の複数(例えば12)のピン穴71aが
コネクタ取り付け部30aのコネクタ取付壁80aと直交する方向向きに形成されている。コネクタ本体71には、その上端部と下端部から上方と下方へ夫々突出するビス穴形成部73が一体形成されている。
コネクタ取り付け部30aの右半部のコネクタ取付壁80aには、コネクタ本体71を挿通させる開口81と、上下1対のビス穴82が形成されている。第1枠側コネクタ70Aのコネクタ本体71は開口81に遊嵌状に挿通し、上下のビス穴形成部73がコネクタ取付壁80aの前面に接近対向するように配設されている。第1枠側コネクタ70Aは、コネクタ取付壁80aに第1可動取付け機構72を介してコネクタ取付壁80aと平行方向における上下方向と左右方向に可動に取り付けられている。
この第1可動取付け機構72は、上下のビス穴形成部73に夫々形成された前後方向向きの円形のビス穴73aと、これらビス穴73aの直径よりも小径の1対の取付けビス74であってビス穴73aに挿通されてビス穴82に螺合にて固定された1対の取付けビス74とを備えている。取付けビス74の頭部は、ビス穴73aの前端周囲の環状面73bとの間に微小隙間を空けて対面している。それ故、第1枠側コネクタ70Aは前後方向へは移動することなく、1対の取付けビス74に対する1対のビス穴73aの移動を許容することで、コネクタ取り付け部30aのコネクタ取付壁80aと平行な面内において上下方向と左右方向に可動に取り付けられている。
図34に示すように、第1盤側コネクタ70Bはコネクタ取り付け部30bから後方へ突出するようにコネクタ取り付け部30bに固定的に設けられている。第1盤側コネクタ70Bは、複数の端子ピン83とケース部材84とを有し、ケース部材84の上下両端部のフランジ部84aが取り付けビスでコネクタ取り付け部30bに固定されている。
第1枠側コネクタ70Aと第1盤側コネクタ70Bを接続する際に、これら両者を整列させるように案内する次のような案内機構75が設けられている。第1枠側コネクタ70Aのコネクタ本体71の上端部と下端部には、ピン穴71aの前端よりも前方へ突出する突出部76,77が形成され、上側の突出部76の上半部には前方下りに傾斜した傾斜面76aが形成され、この上側の突出部76の左右両端には前方へいく程相接近するように傾斜した1対の傾斜面76bが形成されている。
下側の突出部77の下半部には前方上がり傾斜状の傾斜面77aが形成され、この下側の突出部77aの左右両端には前方へいく程相接近するように傾斜した1対の傾斜面77bが形成されている。尚、ピン穴形成領域の左右両端部にも、1対の傾斜面71bが形成されている。第1盤側コネクタ70Bのケース部材84の筒状ケース84bの後端縁は、内側程前側へ移行するような傾斜面84cに形成されている。
第1枠側コネクタ70Aに第1盤側コネクタ70Bを接続する際に、傾斜面76a,76b,77a,77b,84cの案内作用で、第1盤側コネクタ70Bのケース部材84を第1枠側コネクタ70Aのコネクタ本体71に整列させ、複数の端子ピン83を複数のピン穴71aに整列させ、筒状ケース84bをコネクタ本体71に外嵌させつつ、複数の端子ピン83を複数のピン穴71aに挿入して円滑に接続することができる。
つまり、前記案内機構75は、コネクタ本体71と、傾斜面76a,76b,77a,77b,84cと、ケース部材84等で構成されている。但し、ケース部材84に形成した傾斜面84cは必須のものではなく省略可能である。
コネクタ本体71の右端部には前後向きの1つの段付き凸部78が形成され、コネクタ本体71の左端部には前後向きの2つの段付き凸部78が形成され、これら段付き凸部78には、第1盤側コネクタ70Bのケース部材84の筒状ケース84bの後端を係止する段部78aが形成されている。以上のように、第1枠側コネクタ70Aをコネクタ取付壁80aと平行方向における上下方向と左右方向に可動に取り付け、上記のような案内機構75を設けたため、遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠4に前方から装着する装着動作に連動して第1枠側コネクタ70Aに第1盤側コネクタ70Bを円滑に接続することができる。
次に、第2枠側コネクタ90Aとコネクタ保持体90Bと第2盤側コネクタ90Cについて説明する。図28〜図31、図37〜図40に示すように、第2枠側コネクタ90Aは、遊技盤保持枠4側のコネクタ取り付け部30aに付設されたコネクタ保持体90Bに着脱可能に装着されている。コネクタ保持体90Bに設けた1対の係止爪92を介して第2枠側コネクタ90Aをコネクタ保持体90Bに抜け止め可能に係止する係止機構91が設けられ、第2枠側コネクタ90Aをコネクタ保持体90Bに上下方向と左右方向に可動に取付ける第2可動取付け機構93も設けられ、遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠4に前方から装着する装着動作に連動して第2枠側コネクタ90Aに接続されるように第2盤側コネクタ90Cが遊技盤ユニット20Aに設けられている。
コネクタ保持体90Bと第2枠側コネクタ90Aは、コネクタ取り付け部30aの左半部のコネクタ取付壁80bに取り付けられている。コネクタ取付壁80bには、コネクタ保持体90Bを装着するための装着穴94が形成されている。
コネクタ保持体90Bは、本体前部95と本体後部96とを備え且つ第2枠側コネクタ90Aが装着される装着穴97を有する直方体状の成形品である。本体前部95の左右両端部には第1,第2係合部95a,95bが形成され、第1,第2係合部95a,95bには凹部95cが形成されている。
本体前部95と本体後部96の境界部には、左右方向に延びる上下1対の帯状弾性部98がその両側のスリット98aを介して形成され、この帯状弾性部98には外面側へ突出する凸部98bが形成され、この凸部98bの左端は上方又は下方ほど右方へ移行するように傾斜している。第1係合部95aと本体後部96の間には上下1対の第1係合溝99aが形成され、第2係合部95bと本体後部96の間には上下1対の第2係合溝99bが形成されている。装着穴97の左右両端側には1対の係止爪92が形成され、係止爪92は左右方向へ弾性変形可能な爪本体92aと、この爪本体92aの後端に形成され且つ本体後部96の後端壁面96aに係止可能な係止部92bとを有する。
コネクタ保持体90Bをコネクタ取付壁80bに取り付ける際には、コネクタ保持体90Bの本体後部96を装着穴94に挿入し、1対の帯状弾性部98の凸部98bを装着穴94の周縁端面に当接させて帯状弾性部98を弾性変形させた状態にしてから、コネクタ保持体90Bを左方へ小距離スライドさせると、コネクタ取付壁80bのうちの壁部94aが第1係合溝99aに係合し、壁部94bが第2係合溝99bに係合し、上下の凸部98aが装着穴94の上下の凹部94cに係合するため、コネクタ保持体90Bが前後方向と左右方向に位置決めされて移動しないように位置規制される。
第2枠側コネクタ90Aは、前端側から順に、前端フランジ部100と、この前端フランジ部100から後方へ連なり且つ複数のピン穴101aを形成したピン穴形成部101と、このピン穴形成部101の後端に連なる基部102と、後端フランジ部103とを有する。後端フランジ部103には複数の端子ピン103aが後方へ突出するように設けられている。後端フランジ部103は1対の係止爪92の弾性変形を介してコネクタ保持体90Bの装着穴97を通過可能に形成され、ピン穴形成部101と基部102は装着穴97よりも細く形成されている。前端フランジ部100には、後方ほど断面が小さくなる角錐台状のガイド穴100aが形成されている。
第2枠側コネクタ90Aをコネクタ保持体90Bに装着した状態では、前端フランジ部100が第1,第2係合部95a,95bの前面に当接し、前端フランジ部100の後面側の1対の凸部100bが1対の凹部95cに遊嵌して当接し、ピン穴形成部101と基部102とが装着穴97内に上下方向と左右方向に可動に装着され、後端フランジ部103が装着穴97の後端外へ突出した状態になると共に1対の係止爪92で抜け止めされた状態になる。但し、ピン穴形成部101と基部102とが装着穴97内に上下方向と左右方向に可動に装着されると共に係止爪92が左右方向に弾性変形可能であるため、第2枠側コネクタ90Aはコネクタ保持体90Bに対して上下方向と左右方向に小距離可動になっている。これは、第2盤側コネクタ90Cと確実に接続可能にするためである。
ここで、1対の係止爪92と後端フランジ103と後端壁96aとで係止機構91が構成されている。また、コネクタ保持枠体90Bの装着穴97に収容されるピン穴形成部101と基部102の上下幅を装着穴97の上下幅よりも小さく形成し、ピン穴形成部101と基部102の左右幅を装着穴97の左右幅よりも小さく形成すると共に1対の係止爪92の弾性変形を介してピン穴形成部101と基部102を左右方向へ移動可能にした構成が第2可動取付け機構93に相当する。
次に、第2盤側コネクタ90Cについて説明する。
図33、図34に示すように、遊技盤ユニット20Aには、1対の枠側コネクタ90Aに接続可能な1対の第2盤側コネクタ90Cが装備され、この第2盤側コネクタ90Cは、コネクタ取り付け部30bのコネクタ取付壁80cから後方へ突出するように取り付けられている。第2盤側コネクタ90Cは、複数の端子ピン104とケース部材105とを有し、ケース部材105の前端側のフランジ部105aがコネクタ取付壁80cに固定されている。第2盤側コネクタ90Cはコネクタ取付壁80cに直交状に取り付けられ、複数の端子ピン105がコネクタ取付壁80cと直交方向に向けられている。また、ケース部材105の筒部105aの先端には案内用の傾斜面が形成されている。
次に、以上説明したコネクタ70A,90A,70B,90Cとコネクタ取付構造を想到するに至った経緯について説明する。
特開2006−280584号公報に記載の複数の枠側コネクタは、上下左右に僅かに移動可能に設けられているため、遊技盤ユニットを組み付ける際に、一部の盤側コネクタと一部の枠側コネクタとが衝突して円滑に接続できないことがあるため、遊技盤ユニットの組み付けと複数組のコネクタの接続に労力を要する場合があった。
しかも、枠側コネクタと盤側コネクタとの接続方向を遊技盤の盤面と直交方向に向くようにそれらコネクタを取り付けるのが普通であるが、その場合、前記の接続方向が遊技盤ユニット組み付け時の複数組のコネクタの移動方向と一致するとは限らず、複数組のコネクタを円滑に接続できない場合があった
次に、前記コネクタ70A,90A,70B,90Cとコネクタ取付構造の作用、効果について説明する。第1可動取付機構72と案内機構75を設けたため、遊技盤ユニット20Aの装着動作に連動して第1盤側コネクタ70Bを第1枠側コネクタ70Aに確実に円滑に接続することができる。
また、コネクタ保持体90Bに装着した第2枠側コネクタ90Aを、係止機構91の係止作用で抜け止めできると共に第2可動取付機構93を介して第2枠側コネクタ90Aを上下方向と左右方向に可動に取り付けることができ、遊技盤ユニット20Aの装着動作に連動して第2枠側コネクタ90Aに第2盤側コネクタ90Cを確実に円滑に接続することができる。
枠側コネクタ70A,90Aに対する盤側コネクタ70B,90Cの接続方向を遊技盤20の盤面と直交する方向に対して傾斜させたため、盤側コネクタ70B,90Cを遊技盤20から後方に離隔した位置に配設した場合にも、遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠4に装着する装着動作に連動して盤側コネクタ70B,90Cを枠側コネクタ70A,90Aに確実に接続することができる。
遊技盤ユニット20Aを遊技盤保持枠4に装着する際に、遊技盤20の左端部を中心として平面視にて反時計回り方向へ遊技盤20を回動させるため、この回動動作と、遊技盤20に対する盤側コネクタ70B,90Cの前後方向位置と、遊技盤20の左端部から盤側コネクタ70B,90Cまでの回動半径を考慮してコネクタ接続時の接続方向を設定することで、枠側コネクタ70A,90Aと盤側コネクタ70B,90Cとを確実に円滑に接続可能にすることができる。