JP5945995B2 - 位置決め装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ボールねじを用いた工作機械等の位置決め装置において、温度の変化による誤差をより適切に補正することができる位置決め装置に関する。
従来より、精度が要求される工作機械等の位置決め装置として、ボールねじを用いて可動体の位置決めを行なう位置決め装置が知られている。
従来の位置決め装置100は、図3に示すように、基台BSと、基台BSに固定された支持部材20、21と、支持部材20、21に回転可能に支持されるボールねじNXと、ボールねじNXを回転駆動する駆動モータMXと、ボールねじNXのねじ溝に係合されてボールねじNXの回転角度に応じてボールねじNXの長手方向の位置が変化する係合部41と、係合部41に連結された可動体XBと、を備えている。
なお、駆動モータMXに近い側にて支持部材20(第1支持手段に相当)に回転可能に支持されているボールねじNXの被支持部は、長手方向に移動不能に支持されており、駆動モータMXから遠い側にて支持部材21(第2支持手段に相当)に回転可能に支持されているボールねじNXの被支持部は、長手方向に移動可能に支持されている。
ボールねじNXのねじ溝は高精度に加工されており、目標位置に応じた回転角度にボールねじNXを回転させることで、回転角度とねじ溝のリードLに応じた位置に可動体XBを位置決めすることができる。
しかし、工作機械等では数μm〜数十μmの位置決め精度が要求され、稼働開始からの温度上昇や設置場所の環境温度の変化等によってボールねじNXが伸縮し、要求精度を満足できなくなる場合がある。
そこで、特許文献1に記載された従来技術では、図3に示すように、ボールねじNXの先端に非接触式の距離検出手段NXSを設け、当該距離検出手段NXSからボールねじNXの先端までの基準温度時の距離(X)の距離変化量(ΔB)を測定し、ボールねじNXの長さが、基準温度時の長さ(A)から(ΔB)だけ伸縮した、とみなして、位置決めの制御量を補正している。
特許文献1に記載された従来の位置決め装置100(図3参照)では、図3(A)に示すように、基準温度時におけるボールねじNXの長さAと、基準温度時における距離検出手段NXSからボールねじNXの先端までの距離Xと、を予め求めておく。そして、位置決め装置100を稼動させてボールねじNXの熱変位が発生した状態(図3(B)参照)において、距離検出手段NXSからボールねじNXの先端までの距離の変位量(この場合、−ΔB)を求め、このΔBだけボールねじNXが伸縮し、ボールねじNXの長さはA+ΔBである、とみなして、リードLがL*(1+ΔB/A)に変化している、とみなして制御量を補正している。
特開2001−138178号公報
特許文献1に記載された従来の位置決め装置100では、基台BSの伸縮は無視できるほど小さいとみなしており、ボールねじNXの伸縮が発生していても、基準位置STXから距離検出手段NXSまでの距離が不変であるとみなしている。
熱変位発生時において、ボールねじNXには、環境温度の変化、及び運動による係合部41との摩擦で発生する熱による伸縮が発生している。また熱変位発生時において、基台BSには、環境温度の変化等による伸縮が発生しており、ボールねじNXの伸縮に対して
無視できるほど小さいとは限らない。
基台BSが伸縮すると、基準位置STXから距離検出手段NXSまでの距離も伸縮することになるので、変化量ΔBがボールねじNXの変化量であるとは限らない。例えば、ボールねじNXの伸縮量と、基台BSの伸縮量(基準位置STXから距離検出手段NXSの先端までの基台BSの伸縮量)が同じであった場合、距離検出手段NXSによる変化量ΔBはゼロであるが、実際にはボールねじNXは伸縮しており、補正を必要としている。
従って、変化量ΔBをボールねじNXの伸縮量とみなす従来の方法では、基台BSの伸縮量に基づいた誤差を含んでいる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ボールねじの伸縮量をより適切に検出し、位置決め精度をより向上させることができる位置決め装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの位置決め装置である。
請求項1に記載の位置決め装置は、基台と、前記基台に対して往復移動可能に支持された可動体と、前記可動体に係合されて前記可動体を往復移動させるボールねじと、前記ボールねじの一端に回転動力を伝達して前記ボールねじを回転させる駆動モータと、前記駆動モータの側の前記ボールねじの一端の近傍を回転可能且つ軸方向移動不能に支持して前記基台に固定された第1支持手段と、前記駆動モータを制御する制御手段と、前記ボールねじの他端に対して前記ボールねじの軸方向に任意の距離だけ離れているとともに、前記基台に対して固定された位置に設けられて、前記ボールねじの他端までの距離を検出可能な距離検出手段と、前記基台の温度を検出可能な温度検出手段と、を備えたボールねじの熱変位補正装置である。
前記制御手段には、基準温度時における前記第1支持手段に設定された基準位置から前記距離検出手段までの前記基台の長さである基台基準長さと、前記基準温度時における前記基準位置から前記ボールねじの他端までの長さであるボールねじ基準長さと、が記憶されている。
そして前記制御手段は、前記基台基準長さと、前記基台基準長さと前記温度検出手段にて検出した検出温度とに基づいて演算にて求めた熱変位による前記基台基準長さの伸縮量と、前記ボールねじ基準長さと、前記距離検出手段にて検出した検出距離と、に基づいて、前記ボールねじの伸縮量を求め、求めた前記ボールねじの伸縮量と前記ボールねじ基準長さから、前記基準位置から前記ボールねじの他端までの実長さであるボールねじ実長さを求め、求めたボールねじ実長さと、前記ボールねじ基準長さと、に基づいて求めた前記ボールねじのリードまたはピッチの変化に対して、前記可動体を位置決めするボールねじを回転させる駆動モータの制御量を補正する。
そして、前記制御手段は、前記ボールねじの伸縮量を求める際、予め記憶している前記基台基準長さをK、演算にて求めた前記基台基準長さの伸縮量をΔK、前記距離検出手段にて検出した検出距離であって前記基準温度時の検出距離からの差分ではなく熱変位発生時における前記距離検出手段から前記ボールねじの他端までの距離である前記検出距離をΔX、予め記憶している前記ボールねじ基準長さをA、前記ボールねじの伸縮量をΔAとした場合、ΔA=K+ΔK−A−ΔXの演算式から前記ボールねじの伸縮量ΔAを求める。

また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの位置決め装置である。
請求項2に記載の位置決め装置は、請求項1に記載の位置決め装置であって、前記制御手段は、前記ボールねじのリードの変化に対して、前記可動体を位置決めするボールねじを回転させる駆動モータの制御量を補正する際、前記基準温度時における前記リードをL、前記リードの伸縮量をΔLとした場合、熱変位が発生している状態における前記リードであるL+ΔLを、L+ΔL=L*(A+ΔA)/Aの演算式から求める。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの位置決め装置である。
請求項3に記載の位置決め装置は、請求項1または2に記載の位置決め装置であって、前記制御手段は、前記ボールねじのピッチの変化に対して、前記可動体を位置決めするボールねじを回転させる駆動モータの制御量を補正する際、n番目のピッチのピッチ誤差をPn、ボールねじの伸縮量を重畳したピッチ誤差をPn’、前記ピッチ誤差Pnに相当する位置の座標をDnとした場合、Pn’=Pn+Dn*ΔA/Aの演算式からピッチ誤差Pn’を求める。
請求項1に記載の位置決め装置では、図2(B)に示すように、温度検出手段SXを用いて基台BSの温度を測定し、基台基準長さKの伸縮量ΔKを求める。更に、距離検出手段NXSを用いてボールねじNXの先端までの検出距離ΔXを求める。これらより、ボールねじ実長さ=K+ΔK−ΔXであると求めることができる。
そして、ボールねじ基準長さ(A)と、ボールねじ実長さ(K+ΔK−ΔX)とから、リードL(またはピッチ)の伸縮量ΔLを求め、このΔL分を補正した制御量にて駆動モータを制御する。
このため、基台BSの伸縮量を含めて、適切にボールねじNXの伸縮量を求めることができるので、位置決め精度をより向上させることができる。
また、本実施の形態に記載の位置決め装置によれば、複数の温度検出手段から求めた温度の平均温度を用いて基台BSの伸縮量を求めることで、基台BSの温度分布のバラツキを平均化することができるので、より適切に基台BSの伸縮量ΔKを求めることができる。
これにより、基台BSの伸縮量を含めて、適切にボールねじNXの伸縮量を求めることができるので、位置決め精度を更に向上させることができる。
また、本実施の形態に記載の位置決め装置によれば、軸方向に比較的長いボールねじであっても、より安定的にボールねじを支持することが可能であり、また、距離検出手段の取付けも容易である。
本発明の位置決め装置1を備えた工作機械10の例を説明する図である。 本発明の位置決め装置1の一実施の形態における構成の例を説明する図である。 従来の位置決め装置100の例を説明する図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の位置決め装置1を備えた工作機械10の一実施の形態における概略斜視図を示している。
なお、図中においてX軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸は鉛直上向きを示しており、Z軸は工具TがワークWに切り込む方向を示している。
●[工作機械の概略構成(図1)]
図1を用いて、本発明の位置決め装置1を備えた工作機械10の例について説明する。
工作機械10には、X軸ガイドGXに沿って基台BSに対してX軸方向に往復移動可能なコラムXBと、Y軸ガイドGYに沿ってコラムXBに対してY軸方向に往復移動可能な主軸保持部材YBと、主軸保持部材YBに対してZ軸方向に往復移動可能な主軸Mと、主軸Mの先端に取り付けられた工具Tとを備えている。また基台BSには、ワークWを保持するワーク台Dが設けられている。
また、工作機械10には、数値制御装置等の制御手段(図示省略)が備えられており、当該制御手段は、(X軸)駆動モータMXに制御信号を出力してボールねじNXを回転させ、ボールねじNXに係合されているナット(係合部に相当)をX軸方向に移動させ、当該ナットに連結されたコラムXBをX軸方向に移動させる(図2参照)。なお、コラムXBのX軸方向の位置を検出するために、(X軸)駆動モータMXにはエンコーダ等の(X軸)位置検出手段EXが設けられており、制御手段は(X軸)位置検出手段EXからの検出信号に基づいてコラムXBのX軸方向の位置決め制御を行なう。
同様に、制御手段は、(Y軸)駆動モータMYと(Y軸)位置検出手段EYを用いて主軸保持部材YBのY軸方向の位置決め制御を行い、(Z軸)駆動モータ(図示省略)と(Z軸)位置検出手段(図示省略)を用いて主軸MのZ軸方向の位置決め制御を行なう。
工作機械10は、コラムXBのX軸方向の位置決めを行う位置決め装置と、主軸保持部材YBのY軸方向の位置決めを行う位置決め装置と、主軸MのZ軸方向の位置決めを行う位置決め装置を備えている。
また工作機械10の基台BSには、基台BSの温度を測定するための温度検出手段SXが設けられている。温度検出手段SXは、X軸方向にコラムXBを移動させるためのボールねじNXを支持している支持部材が取り付けられている基台BSの温度を計測する。
同様に、コラムXBには、コラムXBの温度を測定するための温度検出手段SYが設けられており、温度検出手段SYは、Y軸方向に主軸保持部材YBを移動させるためのボールねじを支持している支持部材が取り付けられているコラムXBの温度を計測する。また、主軸保持部材YBには、主軸保持部材YBの温度を測定するための温度検出手段が設けられており、当該温度検出手段は、Z軸方向に主軸Mを移動させるためのボールねじを支持している支持部材が取り付けられている主軸保持部材YBの温度を計測する。
●[位置決め装置の構成(図2(A))]
次に図2(A)を用いて、コラムXBのX軸方向の位置を位置決めする位置決め装置1の構成の例について説明する。図2(A)は、基準温度時(例えば25℃時)の位置決め装置1の状態を示している。
位置決め装置1は、基台BSと、コラムXB(可動体に相当)と、ボールねじNXと、支持部材20(第1支持手段に相当)と、支持部材21(第2支持手段に相当)と、(X軸)駆動モータMXと、駆動モータMXを制御する制御手段(図示省略)と、距離検出手段NXSと、温度検出手段SXにて構成されている。
コラムXBは基台BSに対して往復移動可能に支持されており、ボールねじNXはコラムXBに連結されたナット41に係合されてコラムXBを往復移動させる。
コラムXBは、基台BSに対してボールねじNXの軸方向に往復移動可能に支持(図1の例ではX軸ガイドGXに支持)されており、ボールねじNXに係合するナット41を備え、ボールねじNXの回転に応じて軸方向に沿った位置に位置決めされる。
支持部材20、21は、単数であっても複数であってもよく、ボールねじNXを少なくとも1個所で回転可能に支持し、基台BSに固定されている。
支持部材20は、ボールねじNXの一端(または一端の近傍)を回転可能且つ軸方向移動不能に支持するため、支持部材20に対して位置が固定されたベアリング20Aを備えている。そして支持部材20には位置決めの基準位置STXが設定されている。この位置決め装置1では、基準位置STXからの距離で位置決めを行うものとする。
支持部材21は、ボールねじNXの他端(または他端の近傍)を回転可能且つ軸方向移動可能に支持するため、支持部材21に対して軸方向に往復移動可能なベアリング21Aを備えている。
(X軸)駆動モータMXは、ボールねじNXの一方の端部近傍に回転動力を伝達してボールねじNXを回転させる。図2に示す例では、(X軸)駆動モータMXは、ボールねじNXの一方の端部に連結部材30Cを介して接続されているが、接続方法は特に限定せず、ギア等を介して回転動力を伝達するように接続されていてもよい。
距離検出手段NXSは、ボールねじNXの他端(この場合、支持部材21の側の端部)に対して軸方向に任意の距離だけ離れた位置となるように、支持部材21に取り付けられている。
距離検出手段NXSは、例えば電磁誘導式やレーザ式のセンサであり、制御手段は、当該距離検出手段NXSの先端からボールねじNXの先端までのX軸方向(ボールねじNXの軸方向)の距離ΔX(検出距離に相当)を非接触で測定可能である。
温度検出手段SXは、基準位置STXから距離検出手段NXSまでの基台BSに設けられている。制御手段は、温度検出手段を用いて、基準位置STXから距離検出手段NXSまでの基台部分の温度(検出温度に相当)を測定可能である。
なお、温度検出手段SXは単数であっても複数であってもよく、複数の場合、例えば制御手段は、それぞれの温度検出手段SXからの検出信号に基づいて、それぞれの温度を求めて平均化し、基台BSの平均温度を求める。
そして制御手段には、基準温度時における、基準位置STXから距離検出手段NXSの先端までの基台BSの長さである基台基準長さKと、基準位置STXからボールねじNXの他端(支持部材21の側の端部)までの長さであるボールねじ基準長さAと、が記憶されている。
●[伸縮したボールねじNXを用いた位置決め制御における補正方法(図2(A)、(B))]
次に、図2(A)及び(B)を用いて、ボールねじNXの熱変位(伸縮)に対する位置決め制御の補正方法について説明する。図2(A)は基準温度時(例えば25℃時)の位置決め装置1の状態を示しており、図2(B)は熱変位が発生している位置決め装置1の状態を示している。
以下の手順にて、制御手段を用いて、熱変位が発生しているボールねじNXの実際の長さを求め、位置決め制御の補正量を求める。
[基準位置STXから距離検出手段NXSまでの距離(K+ΔK)を求める]
基準温度時では、基準位置STXから距離検出手段NXSまでの距離は、基台基準長さ(=K)であるが、熱変位が発生しているので、この部分の基台BSはΔKだけ伸縮している。
制御手段は、以下の演算式より伸縮量ΔKを求めることができる。なお、基準温度からの温度変化量[℃]は、温度検出手段SXからの検出信号から求めた温度に基づいて求めることができる。
ΔK=(基台BSの熱膨張係数[1/℃])*(基準温度からの温度変化量[℃])*(基台基準長さ[m]) (式1)
ここで、例えば基台BSが鉄である場合、熱膨張係数は、11.7*10-6[1/℃]である。
例えば、基台BSが鉄であり、基準温度(25℃)における基台基準長さK=0.5mであり、検出した温度が35℃(温度変化量=10℃)であった場合、伸縮量ΔKは、以下のようにして求めることができる。
ΔK=11.7*10-6[1/℃]*10[℃]*0.5[m]=5.85*10-6[m]
[距離検出手段NXSからボールねじNXの先端までの距離(ΔX)を求める]
制御手段は、距離検出手段NXSからの検出信号に基づいて、距離検出手段NXSからボールねじNXの先端までの距離ΔXを求める。
[熱変位が発生しているボールねじNXの長さを求める]
制御手段は、基台基準長さKと、(基台BSにおける基台基準長さKに対する)伸縮量ΔKと、距離検出手段NXSからボールねじNXの先端までの距離ΔXを用いて、基準位置STXからボールねじNXの他端までの長さであるボールねじ実長さ(A+ΔA)を、以下の式にて求めることができる。(なお、基台BSの温度は、主に環境温度によるものであるが、ボールねじNXの温度は、環境温度と運動によって発生した熱によるものであり、基台BSの温度とボールねじNXの温度は一致するとは限らない。)
A+ΔA=K+ΔK−ΔX (式2)
これらより、ボールねじNXの伸縮量ΔAは、既知の値であるボールねじ基準長さA、基台基準長さK、基台の伸縮量ΔK、検出距離ΔXを用いて、以下の式にて求めることができる。
ΔA=K+ΔK−A−ΔX (式3)
[リードLの伸縮量ΔLを求める]
ボールねじNXが、A−−>A+ΔAへと伸縮し、その伸縮がボールねじNXの全体で均等に伸縮した、と考える。
この場合、熱変位が発生している状態におけるリード(L+ΔL)は、以下の式にて求めることができる。なお、Lは基準温度時のリードを示しており、ΔLはリードの伸縮量を示している。
L+ΔL=L*(A+ΔA)/A=L*(1+ΔA/A) (式4)
[位置決め制御の補正量を求める]
例えば、基準温度時においてリードL=10mmである場合、可動体を10mm移動させるには、基準温度時ではボールねじを360度回転させればよい。
ここで、例えば基準温度時のボールねじ基準長さA=480mm、更に、上記で求めた伸縮量ΔAが0.1mmであった場合、ボールねじNXを360度回転させると、(式4)より、10*(1+0.1/480)=10+1/480[mm]となり、1/480[mm]分、遠い位置に位置決めされる。この誤差を補正するようにボールねじNXの回転角度を補正し、補正した制御量にて駆動モータMXを制御することで、より正確な位置決めを行うことができる。
以上、ボールねじの伸縮をリードLの変化と捕らえ、これを補正する方法の例を説明したが、同様にしてボールねじの伸縮をピッチの変化と捕らえ、これを補正することもできる。すなわち、ボールねじの各位置におけるピッチ誤差を予め測定し記憶しておき、このピッチ誤差で可動体の位置を補正する方法が知られているが、このピッチ誤差にボールねじの伸縮量を重畳して補正するものである。具体的には、n番目のピッチのピッチ誤差をPnとして、ボールねじの伸縮量を重畳したピッチ誤差Pn’は、以下の式にて求めることができる。なお、Dnはピッチ誤差Pnに相当する位置の座標(基準位置STXからPnに相当する位置までの距離)である。
Pn’=Pn+Dn*ΔA/A (式5)
なお、図1、図2に示す位置決め装置1では、各軸方向に対して温度検出手段を3個設けた例を示しているが、各軸に対して温度検出手段は1個でも良いし、複数個であってもよい。
例えば、基準位置から距離検出手段までの基台(ボールねじが保持されているベース部分)に対して位置に応じた温度変化がほとんどない場合は温度検出手段は1個でも良い。基準位置から距離検出手段までの基台(ボールねじが保持されているベース部分)に対して位置に応じた温度変化がある場合は、複数の温度検出手段を設けて、その平均温度から基台(ボールねじが保持されているベース部分)の伸縮量を求めることが、より好ましい。
以上、X軸方向の位置決め装置1を例として説明したが、Y軸方向、Z軸方向も同様であるので、Y軸方向(この場合、コラムXBが基台BSに相当し、主軸保持部材YBが可動体に相当)及Z軸方向(この場合、主軸保持部材YBが基台BSに相当し、主軸Mが可動体に相当)については説明を省略する。
以上の構成を有することで、本発明の位置決め装置1では、環境温度が10℃〜40℃の間で変化する室内においても、誤差5μm/400mmという、高い精度を確保できることを確認することができた。
また、本実施の形態にて説明した位置決め装置1は、特開2001−138178の構成に対して、温度検出手段を追加して制御手段の補正プログラムを変更することで対応可能である。このため、既存の位置決め装置を小改造するだけで比較的簡単に、温度変化に対してより高精度な位置決めが可能な位置決め装置へと改造することができる。
以上、本実施の形態の説明では、支持部材20(第1支持手段)、支持部材21(第2支持手段)を備えた位置決め装置1の例を説明したが、支持部材21は省略してもよい。
支持部材21を省略した場合、例えば基台BSに固定した板状部材に距離検出手段NXSを取付ければよい。
本発明の位置決め装置1は、本実施の形態で説明した外観、形状、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
1 位置決め装置
10 工作機械
20 支持部材(第1支持手段)
21 支持部材(第2支持手段)
20A、21A ベアリング
30C 連結部材
41 ナット(係合部)
BS 基台
EX、EY 位置検出手段
M 主軸(可動体)
MX、MY 駆動モータ
NX ボールねじ
NXS 距離検出手段
SX、SY 温度検出手段
STX 基準位置
T 工具
W ワーク
XB コラム(可動体)
YB 主軸保持部材(可動体)
A ボールねじ基準長さ
ΔA 伸縮量
K 基台基準長さ
ΔK 伸縮量
ΔX (検出)距離

Claims (3)

  1. 基台と、
    前記基台に対して往復移動可能に支持された可動体と、
    前記可動体に係合されて前記可動体を往復移動させるボールねじと、
    前記ボールねじの一端に回転動力を伝達して前記ボールねじを回転させる駆動モータと、
    前記駆動モータの側の前記ボールねじの一端の近傍を回転可能且つ軸方向移動不能に支持して前記基台に固定された第1支持手段と、
    前記駆動モータを制御する制御手段と、
    前記ボールねじの他端に対して前記ボールねじの軸方向に任意の距離だけ離れているとともに、前記基台に対して固定された位置に設けられて、前記ボールねじの他端までの距離を検出可能な距離検出手段と、
    前記基台の温度を検出可能な温度検出手段と、を備えた位置決め装置であって、
    前記制御手段には、
    基準温度時における前記第1支持手段に設定された基準位置から前記距離検出手段までの前記基台の長さである基台基準長さと、
    前記基準温度時における前記基準位置から前記ボールねじの他端までの長さであるボールねじ基準長さと、が記憶されており、
    前記制御手段は、
    前記基台基準長さと、
    前記基台基準長さと前記温度検出手段にて検出した検出温度とに基づいて演算にて求めた熱変位による前記基台基準長さの伸縮量と、
    前記ボールねじ基準長さと、
    前記距離検出手段にて検出した検出距離と、に基づいて、前記ボールねじの伸縮量を求め、求めた前記ボールねじの伸縮量と前記ボールねじ基準長さから、前記基準位置から前記ボールねじの他端までの実長さであるボールねじ実長さを求め、
    求めたボールねじ実長さと、前記ボールねじ基準長さと、に基づいて求めた前記ボールねじのリードまたはピッチの変化に対して、前記可動体を位置決めするボールねじを回転させる駆動モータの制御量を補正し、
    前記制御手段は、前記ボールねじの伸縮量を求める際、予め記憶している前記基台基準長さをK、演算にて求めた前記基台基準長さの伸縮量をΔK、前記距離検出手段にて検出した検出距離であって前記基準温度時の検出距離からの差分ではなく熱変位発生時における前記距離検出手段から前記ボールねじの他端までの距離である前記検出距離をΔX、予め記憶している前記ボールねじ基準長さをA、前記ボールねじの伸縮量をΔAとした場合、ΔA=K+ΔK−A−ΔXの演算式から前記ボールねじの伸縮量ΔAを求める、
    位置決め装置。
  2. 請求項1に記載の位置決め装置であって、
    前記制御手段は、前記ボールねじのリードの変化に対して、前記可動体を位置決めするボールねじを回転させる駆動モータの制御量を補正する際、前記基準温度時における前記リードをL、前記リードの伸縮量をΔLとした場合、熱変位が発生している状態における前記リードであるL+ΔLを、L+ΔL=L*(A+ΔA)/Aの演算式から求める、
    位置決め装置。
  3. 請求項1または2に記載の位置決め装置であって、
    前記制御手段は、前記ボールねじのピッチの変化に対して、前記可動体を位置決めするボールねじを回転させる駆動モータの制御量を補正する際、n番目のピッチのピッチ誤差をPn、ボールねじの伸縮量を重畳したピッチ誤差をPn’、前記ピッチ誤差Pnに相当する位置の座標をDnとした場合、Pn’=Pn+Dn*ΔA/Aの演算式からピッチ誤差Pn’を求める、
    位置決め装置。
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