JP5944622B2 - 遺伝子導入剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、遺伝子導入剤として、カチオン性ポリマーとアデノウイルスとを併用した新規遺伝子導入剤組成物に関する。
近年、ヒト疾患の分子遺伝学的要因が明らかになるにつれ、遺伝子治療研究がますます重要視されている。遺伝子治療法は標的とする部位でのDNAの発現を目的としており、いかにDNAを標的部位に到達させるか、いかにDNAを標的部位に効率的に導入し、当該部位で機能的に発現させるかということが重要となる。
遺伝子導入技術には大きく分けてウイルスベクターと非ウイルスベクターとの2つが存在する。
ウイルスベクターによる遺伝子導入は、アデノウイルス、アデノ付随ウイルス、センダイウイルス、レトロウイルスなどを改変(野生型ウイルスを無毒化し、目的の核酸を挿入して作成)し、細胞へ作用させることで外来遺伝子を細胞へ導入する技術であり、当業者の間で広く行われている。
非ウイルスベクターは高分子ポリマーやカチオン性脂質と核酸で形成させた複合体を細胞へ取り込ませる食作用を利用したものが多く、他にはエレクトロポレーションや金コロイド銃など機械的に細胞膜を突き破って核酸を挿入する技術もある。
非ウイルスベクターに関して、本発明者らは、ベンゼン環から放射状にポリマー鎖が伸延するスター型ポリマーによる遺伝子導入技術を開発し、多くの提案を行ってきた(例えば、特許文献1,2)。該スター型ポリマーベクターはベンゼン環に結合する直鎖状ポリマー鎖の本数に依存して遺伝子導入活性が向上し、最大で6本のポリマー鎖を有するスター型ポリマーが最も遺伝子導入活性の高いものとなる。
また、同じモノマーの重合物であっても、該スター型ポリマーには、例えば、高CA比(ベクターの陽電荷数とDNAの陰電荷数の比)でも細胞毒性を発現することなく遺伝子導入が可能である;スター型ポリマーに核酸を複合化させてなる核酸複合体の粒子径が大きくても(即ち、通常、粒子径が小さいほど細胞膜の透過に有利とされているが、スター型ポリマーは200μm〜300μm、直鎖状ポリマーでは100μmほどであり、粒子径の面ではスター型ポリマーは不利であると考えられるが)、細胞膜透過性が高い;などといった、直鎖状ポリマーにはない特長を有する。
しかし、ウイルスベクターと比較して、高分子ベクターやカチオン性脂質のベクター等の非ウイルスベクターは、遺伝子導入活性が低いという欠点があった。
特に、造血幹細胞、筋芽細胞、骨芽細胞、ES細胞、iPS細胞などの幹細胞や神経細胞、心筋細胞など食作用の少ない細胞へはほとんど導入ができなかった。
このため、従来、生体(動物)での使用例もウイルスベクターによる研究が主流で、高分子ベクターによる生体内使用は報告がほとんどなされていないのが実状である。これは、株化細胞(試験管での実験用に、容易に培養が可能で継代による細胞の性質の変化がないように処理された細胞)には高分子ベクターも適用が可能であるものの、Priamry細胞(動物の臓器などから採取された直後の細胞)にはほとんど遺伝子導入ができないことによる。
これに対して、ウイルスベクターは、その強い感染力を利用して核酸を種々の細胞へ導入できる利点がある一方で、次のような欠点がある。
(1) 新種のウイルスを作成してしまう危険性(例えば、(1)一般にウイルスベクターの作成の前に組換え遺伝子を作成するが、この組換え遺伝子の作成の際に目的遺伝子に突然変異が入ってしまうことやE1領域の消化が十分でなく自己増殖能が残ってしまうなどの危険性や、(2)ウイルスベクターの継代中、ウイルス遺伝子の複製過程でパッケージング細胞のDNAとの相同組換えによってE1領域を取得し、自己増殖能を獲得したウイルスが産生してしまう可能性など)や研究者自身が感染する危険性がある。
(2) −70℃以下の温度で保存しても経時性に力価(タイター)が低下してしまうので、高力価とするために使用前に力価の確認試験や再調製や精製の工程が必要であり、感染力の強いウイルスベクターの調製には多大な時間や労力コストを必要とする。
(3) ウイルス自体にサイズがあるので、物理的に内部へ挿入できる核酸のサイズに限界があり、大きなDNAなどは挿入できない。
(4) ウイルスベクターは細胞膜表面の受容体(例えばCAR(コサッキー・アデノウイルス・レセプター))を介して侵入するため、受容体を持っていない細胞へは使用できない。
(5) 組換え遺伝子実験として承認申請などが必要なケースが多く、企画から実験を行うまでに多大な時間や専用の施設が必要になる。
WO2004/092388号公報 特開2007−70579号公報
本発明は上述のような非ウイルスベクター及びウイルスベクターの欠点を解決し、両者の利点を兼備する、遺伝子導入活性に著しく優れた遺伝子導入剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非ウイルスベクターであるカチオン性ポリマーベクターとウイルスベクターとしてアデノウイルスを併用することにより、ウイルスベクターの欠点を解消ないしは軽減した上で、遺伝子導入活性が飛躍的に向上し、カチオン性ポリマーベクター及びアデノウイルスベクターのそれぞれ単独では達成し得ない高い遺伝子導入活性を示すと共に、カチオン性ポリマーベクターのみでは遺伝子導入が不可能又は困難であった幹細胞やプライマリーセル(生体組織から分離した直後の細胞)にも遺伝子導入が可能な、優れた遺伝子導入剤組成物を実現することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] カチオン性ビニル系モノマーを主体とするポリマー鎖(以下、「カチオン性ポリマー鎖」と称す。)を4本以上有するスター型カチオン性ポリマー、核酸、及び、アデノウイルスを培地中で宿主細胞とともに培養し、培養物を超音波処理及び遠心分離して得られる画分である未精製のアデノウイルスを含むことを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
] []において、前記カチオン性ポリマーは、ベンゼン環を核とし、この核に分岐鎖としての前記カチオン性ポリマー鎖が結合したものであることを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
[1]または[2]において、前記未精製のアデノウイルスは、失活した個体を含むことを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
] [1]ないし[]のいずれかにおいて、前記カチオン性ポリマー1gあたりに換算して、アデノウイルス10×1012TCID50以下を混合してなることを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
] [1]ないし[]のいずれかにおいて、前記カチオン性ポリマーと核酸とを複合化させてなる核酸複合体に更に未精製のアデノウイルスの少なくとも一部を混合してなることを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
[6] カチオン性ビニル系モノマーを主体とするポリマー鎖(以下、「カチオン性ポリマー鎖」と称す。)を4本以上有するスター型カチオン性ポリマーと未精製のアデノウイルスの少なくとも一部とを併用することを特徴とするインビトロでの遺伝子導入方法。
本発明によれば、カチオン性ポリマーと共にアデノウイルスを併用することにより、ウイルスベクターであるアデノウイルスの前述の欠点を解消ないしは軽減した上で、遺伝子導入活性を飛躍的に高め、カチオン性ポリマーベクター及びアデノウイルスベクターのそれぞれ単独では達成し得ない高い遺伝子導入活性を得ると共に、カチオン性ポリマーベクターのみでは遺伝子導入が不可能又は困難であった幹細胞やプライマリーセル(生体組織から分離した直後の細胞)にも遺伝子を導入することが可能となる。
本発明のカチオン性ポリマーとアデノウイルスを併用することにより奏される上記効果の作用機構の詳細は明らかではないが、以下の(1)〜(5)が考えられ、これらが相乗的に作用して、高い遺伝子導入活性が得られるものと推測される。
(1) アデノウイルスは細胞膜表面に存在するレセプター(受容体)を介して細胞内へ侵入する(一部の例えばセイダイウイルスは膜融合性に侵入する)。この侵入ルートはエンドサイトーシスと呼ばれる細胞の食作用とは異なり(ピノサイトーシス(飲作用)と呼ばれる)、細胞にとって有用成分として取り込まれている可能性が高く、細胞内で速やかに小胞体から脱出して細胞質内へ拡散している可能性がある。一方、異物として食作用(エンドサイトーシス)で取り込まれた非ウイルスベクターによる核酸複合体は、小胞体中で分解するものが多く、運搬効率が悪いとされている。
本発明では、アデノウイルスが(残骸であっても)カチオン性ポリマーと核酸との複合体のエンドソーム脱出を助けている。
(2) カチオン性ポリマーベクターの核酸複合体の表面にアデノウイルス(残骸であっても)が吸着し、該核酸複合体が受容体を介して細胞へ侵入できるようになっている、及び/又は、アデノウイルス単体が受容体を介して細胞内へ侵入する際に、カチオン性ポリマーベクターの核酸複合体が便乗して細胞内へ取り込まれている。
(3) エンドソームからの脱出にアデノウイルスが機能している。
(4) アデノウイルス由来のタンパク中にカチオン性ポリマーベクターが運搬した核酸の転写を促進する成分が存在する。
(5) アデノウイルスへの感染によって細胞増殖が促進され、カチオン性ポリマーベクターが核内へ進入できる唯一のタイミングである二核細胞期にある細胞数が増えている。
本発明においては、アデノウイルスを、通常のウイルスベクターで遺伝子導入する時のような活量で使用する必要はなく、当業者に周知のアデノウイルスによる遺伝子導入実験プロトコールで推奨されている力価10
TCID50/mL(TCID50は統計学的50%細胞変性終末点)以上である必要はなく、10TCID50/mL程度の極く低活量で十分にアデノウイルス併用による上記効果を得ることができる。即ち、実質的にアデノウイルスが機能しないような低濃度での使用で遺伝子導入活性の向上効果が得られ、また、減菌ないし失活させたアデノウイルス(残骸)やアデノウイルスの分解断片でも効果を得ることができると考えられ、このように、極少量のアデノウイルスや減菌ないしは失活したアデノウイルス、アデノウイルスの分解断片でも有効であることから、ウイルスベクターの欠点である要事再調製、力価確認、精製などの労力が必要であるという問題や、感染の危険性の問題は、解消ないしは軽減される。また、導入目的の遺伝子はカチオン性ポリマーベクターの核酸複合体に搭載することから、導入しようとする核酸のサイズに制約を受けることはない。
このようなことから、本発明によれば、非ウイルスベクターであるカチオン性ポリマーベクターと、ウイルスベクターであるアデノウイルスを併用することにより、ウイルスベクターの欠点を解消ないしは軽減した上で、カチオン性ポリマーベクター及びアデノウイルスベクターのそれぞれ単独では達成し得ない高い遺伝子導入活性を示すと共に、多種多様な細胞に高い遺伝子導入効率で遺伝子導入が可能な、優れた遺伝子導入剤組成物が提供される。
本発明において、カチオン性ポリマーは、カチオン性ビニル系モノマーを主体とするポリマー鎖を有するものであり、特に、このようなカチオン性ポリマーは、前記カチオン性ポリマー鎖を4本以上有するスター型カチオン性ポリマー、とりわけ、ベンゼン環を核とし、この核に分岐鎖としてのカチオン性ポリマー鎖が結合したものが好ましい。
アデノウイルス/6分岐スター型カチオン性ポリマー核酸複合体のFSHfbへの遺伝子導入活性を示すグラフである。 アデノウイルス/6分岐スター型カチオン性ポリマー核酸複合体のHela細胞への遺伝子導入活性を示すグラフである。 アデノウイルス単体、アデノウイルス/直鎖型カチオン性ポリマー核酸複合体、及びアデノウイルス/6分岐スター型カチオン性ポリマー核酸複合体のFSHfbへの遺伝子導入活性を示すグラフである。 精製アデノウイルス又は未精製アデノウイルスを用いたアデノウイルス/6分岐スター型カチオン性ポリマー核酸複合体のFSHfbへの遺伝子導入活性を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[遺伝子導入剤組成物]
本発明の遺伝子導入剤組成物は、カチオン性ポリマー、核酸、及びアデノウイルスの少なくとも一部を含むことを特徴とし、通常、核酸とカチオン性ポリマーとの複合体に対してアデノウイルスが吸着したものの水分散液として提供される。
<カチオン性ポリマー>
本発明で用いるカチオン性ポリマーは、カチオン性ビニル系モノマーを主体とするポリマー鎖(以下、「カチオン性ポリマー鎖」と称す。)を有するものであり、ここで「カチオン性ビニル系モノマーを主体とする」とは、カチオン性ポリマー鎖を構成するビニル系モノマー由来の構成単位の50モル%以上、特に80〜100モル%がカチオン性ビニル系モノマー由来の構成単位であることをさす。
カチオン性ビニル系モノマーとしては、特に制限はないが、カチオン性ポリマーの合成のし易さの面から、3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、4−N,N-ジメチルアミノスチレン、及び4−アミノスチレン或いはこれらの誘導体が好ましく用いられる。これらのカチオン性ビニル系モノマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係るカチオン性ポリマー鎖には、カチオン性ビニル系モノマー以外のビニル系モノマー由来の構成単位が含まれていてもよく、カチオン性ビニル系モノマー以外のビニル系モノマーとしては、アクリル酸誘導体、スチレン誘導体等のビニル系モノマーが好適であり、具体的には、N,N−ジメチルアクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、N−イソプロピルアクリルアミドなどのビニル系モノマーが挙げられる。これらのその他のビニル系モノマーも1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、これらのその他のビニル系モノマーは、カチオン性ポリマー鎖を構成するビニル系モノマー由来の構成単位の50モル%以上、特に80〜100モル%がカチオン性ビニル系モノマー由来の構成単位となるように用いる必要がある。
これらのその他のビニル系モノマーを用いる場合、カチオン性ポリマー鎖はブロックコポリマー鎖であっても、ランダムコポリマー鎖であってもよい。
本発明で用いるカチオン性ポリマーは、直鎖状のカチオン性ポリマー鎖を1本のみ有する直鎖型カチオン性ポリマーであってもよいが、遺伝子導入活性に優れることから、カチオン性ポリマー鎖を複数本、好ましくは4本以上有するものが好ましく、特に、ベンゼン環を核とし、この核に分岐鎖としての前記カチオン性ポリマー鎖が結合したスター型カチオン性ポリマーが好ましい。
このようなスター型カチオン性ポリマーの製造方法には特に制限はないが、少なくとも、N,N−ジ置換ジチオカルバミルメチル基を同一分子内に3個以上有する化合物からなるイニファターと、カチオン性ビニル系モノマーとを含む溶液に対し、光照射を行って製造する方法が好ましい。
ここで、イニファターとは、光照射によりラジカルを発生させる重合開始剤、連鎖移動剤としての機能と共に、成長末端と結合して成長を停止する機能、さらに光照射が停止すると重合を停止させる重合開始・重合停止剤として機能する分子のことである。
前記イニファターとなるN,N−ジ置換ジチオカルバミルメチル基を同一分子内に3個以上有する芳香族化合物としては、ベンゼン環に該N,N−ジ置換ジチオカルバミルメチル基、好ましくはN,N−ジアルキルジチオカルバミルメチル基が3個以上分岐鎖として結合しているものが好適であり、具体的には次が例示される。即ち、3分岐鎖化合物としては、1,3,5−トリ(ブロモメチル)ベンゼンとN,N−ジアルキルジチオカルバミン酸ナトリウム(ナトリウムN,N−ジアルキルジチオカルバメート)とをエタノール中で付加反応させて得られる1,3,5−トリ(N,N−ジアルキルジチオカルバミルメチル)ベンゼンであり、4分岐鎖化合物としては、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンとN,N−ジアルキルジチオカルバミン酸ナトリウム(ナトリウムN,N−ジアルキルジチオカルバメート)とをエタノール中で付加反応させて得られる1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジアルキルジチオカルバミルメチル)ベンゼンであり、6分岐鎖化合物としては、ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼンとN,N−ジアルキルジチオカルバミン酸ナトリウム(ナトリウムN,N−ジアルキルジチオカルバメート)とをエタノール中で付加反応させて得られるヘキサキス(N,N−ジアルキルジチオカルバミルメチル)ベンゼンが挙げられる。なお、ここで、N,N−ジアルキルジチオカルバミルメチル基に含まれるジアルキル部分のアルキル基としては、エチル基等の炭素数2〜18個のアルキル基が好ましいが、アルキル基に限らず、フェニル基など芳香族系の炭化水素基であっても構わない。即ち、N,N−ジアルキルジチオカルバミルメチル基に限らず、N,N−ジアリールジチオカルバミルメチル基等を含む、脂肪族炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基で置換されたN,N−ジ置換ジチオカルバミルメチル基であれば目的を達成することができる。
上記のイニファターは、アルコール等の極性溶媒に対しては殆ど不溶であるが、非極性溶媒には易溶である。この非極性溶媒としては炭化水素、ハロゲン化アルキル又はハロゲン化アルキレンが好適であり、特に、ベンゼン、トルエン、クロロホルム又は塩化メチレン特にトルエンが好適である。
イニファターとカチオン性ビニル系モノマーとを反応させるには、イニファター、及びカチオン性ビニル系モノマーを含んでなる原料溶液を調製し、これに光照射することによって、イニファターに対し、カチオン性ビニル系モノマーの重合鎖が結合した反応生成物を生成させる。
このカチオン性ビニル系モノマーの該原料溶液中の濃度は0.5M以上、例えば0.5〜2.5Mが好適である。イニファターの濃度は0.1〜100mM程度が好適である。
光の照射条件は、波長250〜400nm、照射時間1〜150分、照射強度100〜10,000μW/cm程度が好適である。
この光照射により、反応液中にイニファターに対しカチオン性ビニル系モノマーの重合鎖よりなる分岐鎖が結合した分岐型カチオン性ポリマーが生成するので、必要に応じ精製して用いる。
その他のビニル系モノマーを用いる場合は、上記の原料溶液中にカチオン性ビニル系モノマーと共に他のビニル系モノマーを存在させておくことによりランダムコポリマーのカチオン性ポリマー鎖を形成することができる。また、カチオン性ビニル系モノマーの光重合と、他のビニル系モノマーの光重合との2段階重合を行うことにより、ブロックコポリマーのカチオン性ポリマー鎖を形成することができる。
得られるカチオン性ポリマーの分子量を高めるために、後掲の実施例1のように、カチオン性ビニル系モノマーのみを用いて2段階以上の光重合を行って、高分子量のカチオン性ポリマーを製造することもできる。
このようにして得られる、ベンゼン環を核とし、この核に分岐鎖としてのカチオン性ポリマー鎖が結合したスター型カチオン性ポリマーの、カチオン性ポリマー鎖1本当たりの分子量としては、1,500〜150,000程度、特に3,000〜100,000程度が好ましい。また、スター型カチオン性ポリマーの分子量は、カチオン性ポリマー鎖の鎖数にもよるが、10,000〜10,000,000程度、特に100,000〜600,000程度が好ましい。この分子量は、光照射の時間を制御することにより調整することができる。即ち、照射時間を長くすることにより、重合反応を進行させて分子量の大きいスター型カチオン性ポリマーを得ることができる。上述の如く、この光の照射を2段以上の複数段に分けて行うことにより合計の照射時間を長くして分子量の大きいスター型カチオン性ポリマーとすることもできる。
スター型カチオン性ポリマーの分子量は大きいほど遺伝子導入活性が高くなるため好ましいが、過度に分子量の大きいものは細胞毒性を惹起する可能性もあるので遺伝子導入を行う目的に応じて適宜選択すれば良い。即ち、アデノウイルスを用いないカチオン性ポリマーのみの遺伝子導入剤では、過度に分子量が大きいと、生体内において異物として認識されるおそれがあるが、本発明の遺伝子導入剤組成物では、アデノウイルスを含むことにより、このような問題はないものの、代謝分解や***性の観点から、上記した分子量範囲が好ましいと考えられる。
なお、本明細書において、分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリエチレングリコール換算の数平均分子量をさす。
光重合により得られたカチオン性ポリマーから、高分子量のものを選択して用いるために、サイズ排除カラムなどを用いて分子量分画を行うこともできる。
本発明の遺伝子導入剤組成物において、カチオン性ポリマーの含有量(濃度)は0.01μg/μL〜0.5μg/μL程度であることが好ましい。カチオン性ポリマーの濃度が低過ぎると、
(1) カチオン性ポリマーと核酸とのイオン結合が不十分で核酸複合体が形成されない、及び/又は、核酸複合体中の核酸の凝集が不十分で酵素反応から保護できない。
(2) 核酸複合体表面のζ電位(ゼーター電位)が低く、細胞膜への吸着性が低くなってしまったり核酸複合体へのアデノウイルスの吸着が起こらなくなったりしてしまう。
などの不具合が考えられ、好ましくない。逆にカチオン性ポリマーの濃度が高過ぎると細胞毒性を惹起する可能性があるので好ましくはない。
<アデノウイルス>
本発明においては、遺伝子導入剤組成物中にカチオン性ポリマーと共にアデノウイルスを含むことを特徴とする。
アデノウイルスは、失活していない状態であってもよく、減菌した個体、失活させた個体(残骸)であってもよく、また、これらの一部であってもよい。失活していないアデノウイルスの場合、核酸を複合化したもの(遺伝子を導入したもの)であってもよく、核酸を複合化していないものであってもよい。ただし、ウイルスの組換え遺伝子ゲノムはE1領域を含まず自己増殖性のないものが好ましい。
核酸を複合化した遺伝子導入アデノウイルスの場合、その核酸は、本発明の遺伝子導入剤組成物が導入目的とする核酸と同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。即ち、本発明の目的は、カチオン性ポリマーによる核酸複合体中の遺伝子を導入することであり、アデノウイルス中の遺伝子に関しては特に制限はない。また、本発明の遺伝子導入剤組成物で使用するアデノウイルスの力価は、通常のアデノウイルスベクターによる遺伝子導入で使用されている力価よりも低いため、アデノウイルスに導入された遺伝子が細胞に導入されることは殆どないと考えられる。
本発明の遺伝子導入剤組成物では、遺伝子導入剤としてカチオン性ポリマーとアデノウイルスとを併用するため、ウイルスベクターとしてアデノウイルスを用いる場合に比べて、アデノウイルスの使用量はごく少量で足り、また、失活して残骸となったアデノウイルスの一部であっても有効であることから、従来のウイルスベクター由来の危険性を解消ないし大幅に軽減することができる。
本発明の遺伝子導入剤組成物中のアデノウイルスの含有量は、少ないとアデノウイルスを用いたことによる本発明の効果を十分に得ることができないが、多過ぎるとアデノウイルス由来の細胞毒性が発現されてしまうことにより、かえって遺伝子導入活性が低下する。
このため、本発明の遺伝子導入剤組成物のアデノウイルスの含有量は、カチオン性ポリマー1gあたりに換算して、アデノウイルス10×1012TCID50以下、特に10×1010TCID50以下、例えば1×10TCID50〜1×1010TCID50とすることが好ましい。
即ち、アデノウイルスのタイター(力価)は、(1)プラーク形成法、(2)TCID50法、(3)DNA法、など当業者に周知の方法で測定され、「TCID50/mL(ケルバー式による統計学的50%細胞変性終末点)」又は「PFU(Plaqu Formin Unit)」という単位で表現される。本発明では、このような単位で表されるタイターのアデノウイルス含有液の必要量を、カチオン性ポリマーと核酸の複合体を含む液に添加混合して遺伝子導入剤組成物を調製する。従って、カチオン性ポリマー1gあたりに換算したアデノウイルスの使用量は下記式で算出される。
アデノウイルス使用量(TCID50)=A×M/K
A:用いたアデノウイルス含有液のタイター(TCID50/mL)
K:カチオン性ポリマー/核酸複合体を含む液中のカチオン性ポリマー量(g)
M:カチオン性ポリマー/核酸複合体を含む液に混合したアデノウイルス含有液量(mL)
本発明では、上記式で算出されるアデノウイルス使用量が上記上限値以下となるように用いることが好ましい。
なお、失活させたアデノウイルス(残骸)を用いる場合、タイターが測定されないため、上記のTCID50単位で表されるアデノウイルス使用量の下限はほぼゼロとなる。
<核酸>
核酸は、細胞に導入されることによりその細胞内で機能を発現することができるような形態で用いる。例えばDNAの場合、導入された細胞内で当該DNAが転写され、それにコードされるポリペプチドの産生を経て機能発現されるように当該DNAが配置されたプラスミドとして用いる。好ましくは、プロモーター領域、開始コドン、所望の機能を有する蛋白質をコードするDNA、終止コドンおよびターミネーター領域が連続的に配列されている。
所望により2種以上の核酸をひとつのプラスミドに含めることも可能である。
この核酸としては、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)のようなポリヌクレオチド特にDNAが好適であるが、リボ核タンパク質であってもよい。
本発明で用いる核酸の好ましい例としては、次のようなものが挙げられる。
単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子(HSV1−TK遺伝子)、p53癌抑制遺伝子及びBRCA1癌抑制遺伝子やサイトカイン遺伝子としてTNF−α遺伝子、IL−2遺伝子、IL−4遺伝子、HLA−B7/IL−2遺伝子、HLA−B7/B2M遺伝子、IL−7遺伝子、GM−CSF遺伝子、IFN−γ遺伝子及びIL−12遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにgp−100、MART−1及びMAGE−1などの癌抗原ペプチド遺伝子が癌治療に利用できる。
また、VEGF遺伝子、HGF遺伝子及びFGF遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにc−mycアンチセンス、c−mybアンチセンス、cdc2キナーゼアンチセンス、PCNAアンチセンス,E2Fデコイやp21(sdi−1)遺伝子が血管治療に利用できる。かかる一連の遺伝子は当業者には良く知られたものである。
また、アンチセンスによるリプレッシングの他に、21〜23塩基の二本鎖RNAを使用したRNA干渉によるmRNA破壊などに利用することも可能である。
<遺伝子導入剤組成物の調製方法>
本発明の遺伝子導入剤組成物を製造するには、まず、カチオン性ポリマーと核酸とを複合化させて核酸複合体とし、ここへアデノウイルスを添加して混合することが好ましい。
カチオン性ポリマーと核酸とを複合させるには、カチオン性ポリマーの濃度0.1〜1000μg/mL程度の溶液に対し、核酸を添加し混合すればよい。核酸に対してカチオン性ポリマーを過剰量添加し、核酸に対してカチオン性ポリマーを飽和状態にしてカチオン性ポリマーと核酸とを複合化することが好ましい。
なお、カチオン性ポリマーと核酸との複合体の粒子径は50〜400nm程度が好適である。この粒子径は、例えばレーザを用いた動的光散乱法によって測定される。粒子径がこれよりも小さいと、核酸複合体内部の核酸にまで酵素の作用が及ぶおそれ、あるいは腎臓にて濾過排出されるおそれがある。また、これよりも大きいと、細胞に導入されにくくなるおそれがある。
このようにして核酸複合体を形成させた後、アデノウイルス含有液を添加して混合することにより本発明の遺伝子導入剤組成物を調製する。添加されたアデノウイルスは、核酸複合体に吸着するものと考えられる。アデノウイルスが吸着した核酸複合体は、水等の液中で安定な分散状態を維持する。
[遺伝子導入方法]
遺伝子導入剤としてカチオン性ポリマーとアデノウイルスを用いる本発明の遺伝子導入方法では、上述のようにして調製された遺伝子導入剤組成物と細胞とを血清存在下で接触させることにより細胞に遺伝子を導入する。核酸複合体と細胞とを血清存在下で接触させることにより、細胞に負担をかけることなく核酸を細胞に移行させることができる。
本発明において、核酸を導入する対象として望ましい「細胞」としては、当該核酸の機能発現が求められるものであり、このような細胞としては、例えば使用する核酸(すなわちその機能)に応じて種々選択され、例えば心筋細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、骨格筋細胞、血管内皮細胞、骨髄細胞、骨細胞、血球幹細胞、血球細胞等が挙げられる。また、単球、樹状細胞、マクロファージ、組織球、クッパー細胞、破骨細胞、滑膜A細胞、小膠細胞、ランゲルハンス細胞、類上皮細胞、多核巨細胞等、消化管上皮細胞・尿細管上皮細胞などである。
本発明の遺伝子導入剤組成物は培養試験に用いるほか、任意の方法で生体に投与することができる。
生体への投与方法としては静脈内又は動脈内への注入が特に好ましいが、筋肉内、脂肪組織内、皮下、皮内、リンパ管内、リンパ節内、体腔(心膜腔、胸腔、腹腔、脳脊髄腔等)内、骨髄内への投与の他に病変組織内に直接投与することも可能である。
この遺伝子導入剤組成物を有効成分とする医薬は、更に必要に応じて製剤上許容し得る担体(浸透圧調整剤,安定化剤、保存剤、可溶化剤、pH調整剤、増粘剤等)と混合することが可能である。これら担体は公知のものが使用できる。
また、この遺伝子導入剤組成物を有効成分とする医薬は、含まれる核酸の種類が異なる2種以上の核酸を含有する遺伝子導入剤組成物を含むものも包含される。このような複数の治療目的を併せ持つ医薬は、多様化する遺伝子治療の分野で特に有用である。
投与量としては、動物、特にヒトに投与される用量は目的の核酸、投与方法および治療される特定部位等、種々の要因によって変化する。しかしながら、その投与量は治療的応答をもたらすに十分であるべきである。
この遺伝子導入剤組成物は、好ましくは遺伝子治療に適用される。適用可能な疾患としては、当該遺伝子導入剤組成物に含有水される核酸の種類によって異なるが、末梢動脈疾患、冠動脈疾患、動脈拡張術後再狭窄等の病変を生じる循環器領域での疾患に加え、癌(悪性黒色腫、脳腫瘍、転移性悪性腫瘍、乳癌等)、感染症(HIV等)、単一遺伝病(嚢胞性線維症、慢性肉芽腫、α1−アンチトリプシン欠損症、Gaucher病等)等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下において、カチオン性ポリマーの製造及び評価には、以下に記載する装置類を用いた。
<光源>
朝日分光社製300WキセノンランプMAX−301(アルカリガラスセルを使用することでフィルター機能を得、波長330〜400nmの混合光を照射することに相当する)
<照射強度計>
ウシオ電機社製積算光度計UIT−150に受光センサーUVD−405を装着して使用
<GPC>
移動相:DMF+30mM LiBr (関東化学社製)
装置:島津製作所社製LC−10Avp
カラム:Shodex社製Asahipack GF−710HQとAsahipack GF−510HQを連結
検量線:Shodex社製PEG標準品TSKシリーズ
<NMR>
Varian社製Gemini−300
<反応容器>
アルカリガラス製3mm厚直方体ガラスセル
<凍結乾燥設備>
EYELA社製FUD−2200とULVAC社製真空ポンプGCD−136X
<分子量分画>
装置:島津製作所社製LC−10Avp
カラム:Shodex社製GPCK−2005+GPC K−2004
移動相:クロロホルム+30mM トリエチルアミン
合成用の試薬は、Aldrich社製又は関東化学社製の特級試薬を再結晶又は減圧蒸留で精製して使用した。
アデノウイルスは、市販の組換えアデノウイルス作製キットを使用した。完全長DNA(LacZをコード)を挿入してプラスミドを作成し、293細胞へプラスミドを導入して作製し(以下「Adウイルス」又は「Adv」と記す。)。
また、導入用の核酸には市販のホタルルシフェラーゼをコードするプラスミドDNAを使用した。
[実施例1]
{6分岐スター型カチオン性ポリマーの合成}
(1) 6分岐イニファターの合成
イニファターとしての1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンを次のようにして合成した。
1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼン5.0gとN,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム30.0gをエタノール300mL中へ加え、遮光下、室温で4日間攪拌した。沈殿物を濾過回収し、3Lのメタノールへ投入して10分間攪拌して濾過した。この操作を計4回繰り返した。沈殿物をクロロホルム200mLへ溶解し、100mLのメタノールを加えて50℃に加温し、冷蔵庫内で12時間保管して再結晶させ、結晶を濾別後に大量のメタノールで洗浄した。結晶を室温で減圧乾燥して、白色の1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンの針状結晶を得た(収率90%)。
H−NMR(in chloroform−d):δ1.26−1.31ppm(m,36H,−CH−CH),δ3.71−3.73ppm(q,12H,−N−CH−),δ3.99−4.01ppm(q,12H,−N−CH−),δ4.57ppm(s,12H,Ar−CH
Figure 0005944622
(2) 6分岐スター型カチオン性ポリマーの合成
2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートをモノマーとして用い、上記1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンよりなる6分岐スター型カチオン性ポリマーの合成を以下の2段重合で行った。
暗室で1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンを20mLのクロロホルムへ溶解し、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートを混合して全量をクロロホルムで50mLとした。終濃度は1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンが5mM(光解裂官能基として)、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが1.0Mとした。これを反応容器へ移し、高純度窒素ガスを10分間パージ(流量:2L/分)した。反応容器を密栓して激しく攪拌しながら光照射した。照射強度は2.5mW/cmに調整した。60分照射後に溶液をエバポレーターで濃縮後、n−ヘキサン/エーテル=50/50(V/V)で再沈殿した(1段目重合)。
ここへ2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート7.9gを加えて溶解し、クロロホルムで全量を50mLとし、上記と同じ操作を行った(2段目重合)。
上記再沈殿を6回繰り返し、室温で1時間真空乾燥後、ベンゼンへ溶解して48時間凍結乾燥して精製した。
GPC:Mn=25,000(Mw/Mn=1.40)
H−NMR(in chloroform−d):δ0.8−1.2ppm(br,3H,−CH,m/r=1/2),δ1.6−2.0ppm(br,2H,−CH−CH−),δ2.2−2.4ppm(br,6H,N−CH),δ2.5−2.7ppm(br,2H,CH−N),δ4.0−4.2ppm(br,2H,O−CH)。
Figure 0005944622
(3) 6分岐スター型カチオン性ポリマーの分子量分画処理
上記(2)で合成した、Mn=25,000の6分岐スター型カチオン性ポリマーをサイズ排除カラムにて分画した。
分画後は、上記と同様の手法で精製し、凍結乾燥して、Mn=150,000(Mw/Mn=1.1)の超高分子量単分散分画を得た。
{遺伝子導入実験}
細胞には株化細胞であるヒト子宮頚部ガン由来のHela細胞とヤギ胎児由来の心筋線維芽細胞の初代細胞(以下「FSHfb」と記す。)を使用した。
細胞は細胞数を4万個/mLに調整して24Well培養皿へ播種し、培養24時間後に遺伝子導入を行った。
上記(3)で得た6分岐スター型カチオン性ポリマー(Mn=150,000)中の単位重量あたりの陽電荷数は、該6分岐スター型カチオン性ポリマーを構成するモノマー単位(2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)の分子量156から計算して求めた。一方、DNA中の単位重量あたりの陰電荷数は配列MAPによる塩基対数と核酸塩基の平均的分子量660とから計算した。
この6分岐スター型カチオン性ポリマーを生理食塩水へ溶解して濃度を0.26μg/μLへ調整した。DNAはTE緩衝溶液中へ溶解して濃度を0.33μg/μLに調整した。6分岐スター型カチオン性ポリマー溶液60μLとDNA溶液90μLを混合して30分間インキュベートした。混合比は電荷数の関係が陽電荷数が陰電荷数の10倍となるように(CA比=10)調整したことになる。
この150μL溶液(6分岐スター型カチオン性ポリマー含有量は約16μg)に、1/20濃度に希釈したAdウイルス溶液(6×10
TCID50/mL)を0μL(添加せず),10μL,20μL,40μL,60μL又は80μL混合してからOPTI−MEM培養液100μLへ加えて混合し、30分間インキュベートしてからそれぞれ培養細胞へ加えた(いずれのWellにも0.5μgのDNAが投与されるように添加量を調整した)。
各Adウイルス溶液添加量におけるカチオン性ポリマー1gあたりに換算したAdウイルス添加量は以下の通りである。
添加量0μL=0 TCID50
添加量10μL=3.8×10 TCID50
添加量20μL=7.5×10 TCID50
添加量40μL=1.5×1010 TCID50
添加量60μL=2.3×1010 TCID50
添加量80μL=3.0×1010 TCID50
3時間の培養の後、OPTI−MEMを除去し、PBSで洗浄した後に完全培地を加えてさらに48時間培養を行った。48時間後にルシフェラーゼアッセイキットにより遺伝子導入活性の評価を行った。補正(規格化)は総タンパク濃度で行い、総タンパク定量はBio Rad社のBradford試薬で行った。
FSHfbへの導入結果を図1に示す。Hela細胞への導入結果を図2に示す。
参考例
{直鎖型カチオン性ポリマーの合成}
実施例1において、1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼンの代りにクロロメチルベンゼンを用い、カチオン性ポリマー鎖を1本のみ有する直鎖型カチオン性ポリマーを合成した。
即ち、N,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(10.3g,46mmol)を含むエタノール溶液50mL中にクロロメチルベンゼン(4.8g,38mmol)を含むエタノール溶液10mLを窒素雰囲気下0℃で滴下し、反応溶液を室温で23時間撹拌した後、150mLの水を加え、ジエチルエーテルで抽出した(200mL×3回)。有機層を水洗いし(100mL×3回)、硫酸ナトリウムで乾燥させた。エバポレータを用いて減圧下で溶媒を留去し、N,N−ジエチルジチオカルバミルメチルベンゼンを得た(無色液体,収量17.6g(収率93%))。
H−NMR:δ7.407〜7.271ppm(m,5H,Ar−H)δ4.540ppm(s,2H,Ar−CHS)、δ4.082〜4.012ppm(q,2H,−N−CH−)、δ3.763ppm〜3.692ppm(q,2H,−N−CH−)、δ1.311〜1.252ppm(m,6H,−CH−CH
次に、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(3.9g,24.96mmol)とN,N−ジメチルジチオカルバミルメチルベンゼン(23.94mg,0.1mmol)の混合物をメタノールで希釈し、全量20mLの溶液を調製した。この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、紫外光(光量1mW/cm)を照射した。紫外光照射30分後、重合溶液をエバポレータにて濃縮し、大量のジエチルエーテルに滴下することでカチオン性ポリマーを析出させた。デカンテーションにより上澄み液を除去し、カチオン性ポリマーを水に溶解し、凍結乾燥させた。凍結乾燥後、GPCにて得られたカチオン性ポリマーの分子量を測定したところ、Mn=約25,000であった。
H−NMR:δ7.8〜7.4ppm(br,1H,−NH)、δ3.43〜3.0ppm(br,2H,−NH−CH−CH−)、δ2.4〜2.2ppm(br,2H,−CH−CH−NR)、δ2.2〜2.1ppm(br,6H,−N−CH)、δ1.8〜1.5ppm(br,2H,−CH−CH−CH−)
{遺伝子導入実験}
細胞にはヤギ胎児由来の心筋線維芽細胞の初代細胞(FSHfb)を使用した。
細胞は細胞数を4万個/mLに調整して24Well培養皿へ播種し、培養24時間後に遺伝子導入を行った。
上記で得た直鎖型カチオン性ポリマー(Mn=25,000)中の単位重量あたりの陽電荷数は、該直鎖型カチオン性ポリマーを構成するモノマー単位(2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)の分子量156から計算して求めた。一方、DNA中の単位重量あたりの陰電荷数は配列MAPによる塩基対数と核酸塩基の平均的分子量660とから計算した。
この直鎖型カチオン性ポリマーをDNAと150μLのTE緩衝溶液中で混合して30分間インキュベートした。混合比は電荷数の関係が陽電荷数が陰電荷数の10倍となるように(CA比=10)調整した(直鎖型カチオン性ポリマーを15.8μg、DNAを3.0μg)。
この150μL溶液に、1/20濃度に希釈したAdウイルス溶液(6×10
TCID50/mL)を60μL(直鎖型カチオン性ポリマー1gあたりに換算したAdウイルス混合量は2.3×1010 TCID50)混合してからOPTI−MEM培養液100μLへ加えて混合し、30分間インキュベートしてから培養細胞へ加えた(いずれのWellにも0.5μgのDNAが投与されるように添加量を調整した)。3時間の培養の後、OPTI−MEMを除去し、PBSで洗浄した後に完全培地を加えてさらに48時間培養を行った。48時間後にルシフェラーゼアッセイキットにより遺伝子導入活性の評価を行った。補正は総タンパク濃度で行い、総タンパク定量はBio Rad社のBradford試薬で行った。
FSHfbへの導入結果を図3に示す。
[実施例3]
直鎖型カチオン性ポリマーの代りに、実施例1の(2)で得た6分岐スター型カチオン性ポリマー(Mn=25,000)を用いたこと以外は、参考例と同様にして遺伝子導入実験を行い、結果を図3に示した。
[比較例1]
核酸複合体を用いず、Adウイルスのみを用い、Adウイルス溶液(6×10TCID50/mL)を60μLをOPTI−MEM培養液100μLへ加えて混合し、30分間インキュベートしてから培養細胞へ加えたこと以外は、参考例と同様にして遺伝子導入実験を行い、結果を図3に示した。
[Adウイルスのタイターに関する検討]
市販のキットで作製したAdウイルスを未精製又は精製の状態で濃度を1/20濃度に希釈して使用した。精製は以下のようにして行なった。
225mm2フラスコで293細胞培養し、6×10TCID50/mLのAdウイルス液300μLと5%FCS含有DMEM培地5mLを加えて37℃で4日間培養した。培養溶液を3000rpm、4℃で15分間遠心分離し、沈殿を超音波処理で粉砕し10,000rpm、4℃で15分間遠心分離した。このウイルス原液を4.0Mの塩化セシウム溶液と2.2Mの塩化セシウム溶液の密度勾配遠心法により分離し、両セシウム溶液の中間に配置されたウイルスバンドを採取し、PBS溶液で透析して塩化セシウムを除去して精製ウイルス溶液を得た。力価は3×10TCID50/mLとなった。さらに未精製品を1/80,1/160,1/320,1/640,又は1/1280濃度に希釈することで力価を下げて遺伝子導入活性を比較評価する実験を行った。
細胞にはヤギ胎児由来の心筋線維芽細胞の初代細胞(FSHfb)を使用した。
細胞は細胞数を4万個/mLに調整して24Well培養皿へ播種し、培養24時間後に遺伝子導入を行った。
実施例1の上記(2)で得た6分岐スター型カチオン性ポリマー(Mn=25,000)中の単位重量あたりの陽電荷数は、該6分岐スター型カチオン性ポリマーを構成するモノマー単位(2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)の分子量156から計算して求めた。一方、DNA中の単位重量あたりの陰電荷数は配列MAPによる塩基対数と核酸塩基の平均的分子量660とから計算した。
この6分岐スター型カチオン性ポリマーをDNAと150μLのTE緩衝溶液中で混合して30分間インキュベートした。混合比は電荷数の関係が陽電荷数が陰電荷数の15倍となるように(CA比=15)調整した。
この150μL溶液に、上記希釈したAdウイルス溶液をそれぞれ60μL混合してからOPTI−MEM培養液100μLへ加えて混合し、30分間インキュベートしてから培養細胞へ加えた(各Wellに0.5μgのDNAを投与した)。3時間の培養の後、OPTI−MEMを除去し、PBSで洗浄した後に完全培地を加えてさらに48時間培養を行った。48時間後にルシフェラーゼアッセイキットにより遺伝子導入活性の評価を行った。補正(規格化)は総タンパク濃度で行い、総タンパク定量はBio Rad社のBradford試薬で行った。
FSHfbへの導入結果を図4に示す。
なお、各Adウイルス溶液の6分岐スター型カチオン性ポリマー1gあたりに換算した混合量は以下の通りである。
精製品1/20倍希釈:6.3×1012TCID50
未精製品1/20倍希釈:7.6×10TCID50
未精製品1/80倍希釈:1.9×10TCID50
未精製品1/160倍希釈:9.5×10TCID50
未精製品1/320倍希釈:4.8×10TCID50
未精製品1/640倍希釈:2.4×10TCID50
未精製品1/1280倍希釈:1.2×10TCID50
[考察]
図1〜4より次のことが分かる。
図1より、核酸複合体へAdウイルスを混合することで初めてカチオン性ポリマーベクターによるFSHfbへの遺伝子導入が可能となったことが分かる。ただしAdウイルス混合の効果は濃度依存性に向上する傾向ではなく、むしろ混合量が少ない方で顕著な効果が得られていることと、Adウイルスへ挿入したDNAはLacZをコードする遺伝子であり、このホタルルシフェラーゼの活性とは無関係であることより、Adウイルスへ挿入されたDNAの導入との相乗効果ではないことが確認された。
図2より、株化されたHela細胞ではAdウイルスを混合しなくとも6分岐スター型ポリマー単体でも遺伝子導入が可能であることが分かる。これは本発明者らが報告してきた公知事実である。一方、Adウイルスを混合することでHela細胞でも遺伝子導入活性が向上し、株化細胞への導入でも本発明は有効であることが分かる。
図3より、Adウイルスを混合しなければFSHfbでは導入活性が得られないカチオン性ポリマーベクターの構造において、直鎖型と6分岐スター型とで遺伝子導入活性に差異が認められ、同じ分子量であれば分岐構造が有利であることが示唆された。
また、図1と図3との結果から、同じ6分岐スター型構造でも、分子量が高い方が高い遺伝子導入活性を得られる可能性が高いことが分かる。
また、Adウイルス単体での活性の評価ではホタルルシフェラーゼの活性は認められず、今回の実施例で使用したAdウイルスへ挿入したLacZ(β−ガラクトシダーゼ)が非特異的にホタルルシフェラーゼ活性評価反応に寄与していないことも示された。
図4より、Adウイルスは未精製でも核酸複合体へ混合すれば効果が得られることが分かる。通常は精製処理を行って高タイターとして細胞への遺伝子導入に使用される事実からすれば、未精製品で高活性が発現されることは画期的である。未精製品を希釈して1/160の濃度としたもので活性が発現されていることから、Adウイルスは核酸複合体へ微量に混合されている状態で効果を発現していることが分かり、細胞へ何らかの作用を印加し、核酸複合体自体の遺伝子導入活性を助長している可能性があることが推測される。

Claims (6)

  1. カチオン性ビニル系モノマーを主体とするポリマー鎖(以下、「カチオン性ポリマー鎖」と称す。)を4本以上有するスター型カチオン性ポリマー、核酸、及び、アデノウイルスを培地中で宿主細胞とともに培養し、培養物を超音波処理及び遠心分離して得られる画分である未精製のアデノウイルスを含むことを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
  2. 請求項1において、前記カチオン性ポリマーは、ベンゼン環を核とし、この核に分岐鎖としての前記カチオン性ポリマー鎖が結合したものであることを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
  3. 請求項1または2において、前記未精製のアデノウイルスは、失活した個体を含むことを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記カチオン性ポリマー1gあたりに換算して、アデノウイルス10×1012TCID50以下を混合してなることを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記カチオン性ポリマーと核酸とを複合化させてなる核酸複合体に更に未精製のアデノウイルスの少なくとも一部を混合してなることを特徴とする遺伝子導入剤組成物。
  6. カチオン性ビニル系モノマーを主体とするポリマー鎖(以下、「カチオン性ポリマー鎖」と称す。)を4本以上有するスター型カチオン性ポリマーと、アデノウイルスを培地中で宿主細胞とともに培養し、培養物を超音波処理及び遠心分離して得られる画分である未精製のアデノウイルスとを併用することを特徴とするインビトロでの遺伝子導入方法。
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